特許第5694737号(P5694737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5694737家庭電化製品圧電ポンプの制御方法及びその方法を用いる家庭電化製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694737
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】家庭電化製品圧電ポンプの制御方法及びその方法を用いる家庭電化製品
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/02 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   F04B43/02 F
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-243952(P2010-243952)
(22)【出願日】2010年10月29日
(65)【公開番号】特開2011-99436(P2011-99436A)
(43)【公開日】2011年5月19日
【審査請求日】2013年7月22日
(31)【優先権主張番号】0905286
(32)【優先日】2009年11月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク マンディカ
(72)【発明者】
【氏名】バートランド クエット
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ キュビゾレス
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ ラヴィラ
【審査官】 尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/080793(WO,A1)
【文献】 特開昭63−059998(JP,A)
【文献】 特開2005−315225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/00 〜 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電アクチュエーター(111A)の作動の下に変位可能な可動壁(111)が装備されたポンプ室(110)を備える家庭電化製品の圧電ポンプ(100)の制御方法であって、
ポンプ(100)の起動段階の間には、複数回の交番の間に、可動壁(111)によるポンプ室(110)の最大の掃出容積のための、圧電アクチュエーター(111A)の実質的な変形をもたらす電圧Uの交流供給信号が、圧電アクチュエーター(111A)に供給され、
さらに、ポンプの起動段階は、前記供給信号の電圧Uを変調して、前記可動壁により掃出される容積に対する前記ポンプ室の死容積の比を減少させる通常作動段階に引き継がれることを特徴とする方法。
【請求項2】
該起動段階は、所定の作動時間t0に対応することを特徴とする請求項1に記載の圧電ポンプ(100)の制御方法。
【請求項3】
通常作動段階の間の供給信号の電圧Uは、起動段階の間に用いられる供給信号の電圧Uに対して低下されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電ポンプ(100)の制御方法。
【請求項4】
通常作動段階の間の供給信号の周波数は、起動段階の間よりも低いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電ポンプ(100)の制御方法。
【請求項5】
通常作動段階の間の供給信号は、周期的にチョップされた起動段階の供給信号に対応することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電ポンプ(100)の制御方法。
【請求項6】
家庭用電気幹線から電力が供給される圧電ポンプ(100)を備える家庭電化製品であって、圧電ポンプ(100)は圧電アクチュエーター(111A)の作動の下に変位可能な可動壁(111)が装備されたポンプ室(110)を備え、前記圧電アクチュエーター(111A)が可動壁(111)の周期的な変位をもたらす交流の供給信号を生じさせる供給回路を動力源とし、前記ポンプ供給回路が請求項1ないし5のいずれかの制御方法を用いていることを特徴とする家庭電化製品。
【請求項7】
該供給回路は、ポンプ(100)の起動段階の後に供給信号の電圧の振幅を低減する手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の家庭電化製品。
【請求項8】
該ポンプ(100)の供給回路は、供給電圧が特定の交番でのみ適用されるように、供給信号をチョップする装置を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の家庭電化製品。
【請求項9】
該供給信号は非対称であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の家庭電化製品。
【請求項10】
該供給信号は正の交番のみを有することを特徴とする請求項9に記載の家庭電化製品。
【請求項11】
前記家庭電化製品は、衣服用アイロンまたは衣服用スチーマーのようなプレス用装置であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の家庭電化製品。
【請求項12】
前記家庭電化製品は、ヘアストレートアイロンのようなヘアスタイリング装置であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の家庭電化製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電アクチュエーターの作動の下に変位可能な可動壁が装備されたポンプ室を備える、家庭電化製品の圧電ポンプの制御方法、及びかかる制御方法を用いる回路により電気的に駆動される圧電ポンプを備える家庭電化製品に関する。
【背景技術】
【0002】
電気幹線の周波数で、ポンプに直接に電力を供給する圧電ポンプ用電気回路は、本出願人により出願された特許文献1に開示されている。かかる供給回路は、使用するのに信頼でき、かつ廉価であるという利点を有している。しかしながら、かかる回路には、ポンプの流量を調整できない、特に、減少できないという不利が存する。
【0003】
圧電アクチュエーターの端子に作用する電圧によってポンプの流量を低減させることは先行技術に知られており、そこでは、電圧の低減が圧電アクチュエーターのより少ない変形、そしてそれ故に電気信号の交番中に可動壁によって掃出される容積の低減を得ることを可能にする。しかしながら、電圧の低減には、それがポンプの圧縮率、すなわち、可動壁により掃出される容積とポンプ室の死容積との比を低減させるという不都合が存在する。ポンプ圧縮率を所定の閾値以下に低下させると、ポンプの自動呼び水作用、及び/又はポンプ室に存在する気泡の排除において問題となる。
【0004】
より少ない容積が所与の時間内に可動壁によって掃出されるように、圧電アクチュエーターの端子への電気信号の周波数を低下させることで圧電ポンプの流量を低減させることも同じく先行技術で知られている。しかしながら、かかる解決法には、製作するのに比較的高価である周波数変調回路を必要とするという不都合が存在する。さらに、供給信号の周波数を低下させることはまた、ポンプ室内に存する気泡を適切に排除するのに最早相応しくない速さにまで、可動壁の変位速度を低下させるという不都合を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許第2929450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、家庭電化製品の圧電ポンプが、自動呼び水作用及び気泡の排除の問題に遭遇することなく、ポンプによって通常もたらされる流量に対して低減された流量で作動できるようにする制御方法を提案することにより、かかる不都合を取り除くことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、圧電アクチュエーターの作動の下に変位可能な可動壁が装備されたポンプ室を備える家庭電化製品の圧電ポンプの制御方法であって、ポンプの起動段階の間には、複数回の交番の間に、可動壁によるポンプ室の最大の掃出容積をもたらす、圧電アクチュエーターの実質的な変形を生じさせる電圧Uの交流供給信号が圧電アクチュエーターに供給され、さらに、ポンプの起動段階が、ポンプによって提供される平均流量が起動段階において提供された流量よりも低下されるように供給信号が変調される通常作動段階に、引き継がれることを特徴とする。
【0008】
本発明のさらなる特徴によれば、該起動段階は、所定の作動時間toに対応する。
【0009】
本発明のさらなる特徴によれば、通常作動段階の間の供給信号の電圧Uは、起動段階の間に用いられる供給信号の電圧Uに対して低下されている。
【0010】
本発明のさらなる特徴によれば、通常作動段階の間の供給信号の周波数は、起動段階の間よりも低い。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、通常作動段階の間の供給信号は、周期的にチョップされた起動段階の供給信号に対応する。
【0012】
本発明はまた、家庭用電気幹線から電力が供給される圧電ポンプを備える家庭電化製品であって、圧電ポンプは圧電アクチュエーターの作動の下に変位可能な可動壁が装備されたポンプ室を備え、圧電アクチュエーターが可動壁の周期的な変位をもたらす交流の供給信号を生じさせる供給回路を動力源とし、ポンプの供給回路が上に説明された制御方法を用いていることを特徴とする家庭電化製品に関する。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、該供給回路は、ポンプの起動段階の後に供給信号の電圧の振幅を低減する手段を備えている。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、該ポンプの供給回路は、供給電圧が特定の交番でのみかけられるように、供給信号をチョップする装置を備える。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、該供給信号は非対称である。
【0016】
本発明のさらに他の特徴によれば、該供給信号は正の交番のみを有する。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、電化製品は、衣服用アイロンまたは衣服用スチーマーのようなプレス用装置である。
【0018】
本発明の変形例によれば、電化製品は、ヘアストレートアイロンのようなヘアスタイリング装置である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の目的、態様及び利点は、添付図面を参照して、非限定的実施例として提供されている、以下の本発明の図示の実施形態の説明からより明らかになるであろう。ここで、
図1】本発明の制御方法を用いるアイロンの斜視図である。
図2図1のアイロンの部分分解斜視図である。
図3図1及び図2のアイロンに備えられたポンプの分解斜視図である。
図4図3のポンプの切り欠き図である。
図5図4のポンプに動力を供給する回路の略図である。
図6A】本発明の制御方法の実施形態の異なる変形例に従うポンプ供給信号を表わしている。
図6B】本発明の制御方法の実施形態の異なる変形例に従うポンプ供給信号を表わしている。
図6C】本発明の制御方法の実施形態の異なる変形例に従うポンプ供給信号を表わしている。
【0020】
本発明を理解するのに必要なエレメントのみが示されている。図面を読むのをより容易にするために、一つの図から他に至るまで、同じエレメントは同じ参照番号を有している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1はプレス用ソール1を備える衣服用アイロンを示し、プレス用ソール1には、ハンドル2及びソール1の温度を制御するサーモスタットの制御ノブ5を備える本体が搭載されている。本体は水タンク3及び圧電ポンプ100を囲繞し、圧電ポンプ100の作動はハンドル2の下方に配置された制御引き金(図では見えない)によって制御される。
【0022】
アイロンの分解図である図2によれば、アイロンのソール1は、スチームを生じさせる蒸発室11と一体の加熱用エレメント10に、それ自体は周知の方法で、熱的に接触している。前記蒸発室は蓋12で閉じられており、ソール1に穿孔されたスチーム出口孔(複数)を備えるスチーム分配回路に接続されている。
【0023】
アイロンのハンドル2への熱の拡散を制限するために、加熱用エレメント10には、タンク3の底部を限界している中央部分40と、タンク3の底部の下に延在し加熱用エレメント10より横方向に広くソール1の形状に釣り合う保護スカート41を構成している周囲部分とを備える熱スクリーン4が載せられている。
【0024】
熱スクリーン4はまた、圧電ポンプ100を支持し、圧電ポンプ100はタンク3の外側に配置され、タンクの底部に開口している吸込みライン(図1で見ることができる)、及び蒸発室11の頂部に位置された蓋の開口を通って延びている排出ラインに接続されている。
【0025】
このように、タンク3からポンプ100に吸込まれた水は直接に蒸発室11に導かれ、かくて、ポンプの流量に直接に比例する流量を有したスチームが発生される。
【0026】
図3及び4によれば、圧電ポンプ100(仏国特許第08 06960号により詳しく説明されている)は、ポリアミド製の基部101と可動壁111との間に配置されたガスケット112によって横方向が区画されているポンプ室110を備えている。可動壁111は、ポンプ室110の外部に向けられた外表面を備える黄銅製の膜によって構成され、その上にはセラミックの圧電アクチュエーター111Aが取り付けられている。可動壁111は、蓋102と基部101のいずれかの側に配置されるカラー103とに係合する弾性のクリップ104によって、ガスケット112に対抗して保持されている。
【0027】
カラー103は、ポンプ室110の中心に配置された入口開口113を介してポンプ室110に開口している吸込みライン131を備え、入口開口113は下降が最大である、可動壁111の最大変位域に向かい合って位置されている。
【0028】
カラー103はさらに、ポンプ室110の周辺のすぐ近くに配置された出口開口114を介してポンプ室110に開口している排出ライン132を備え、アイロンがそのソール1上に水平に静止している状態で、出口開口114がポンプ室110の頂部に位置されるように、ポンプ100はアイロン内に垂直方向に位置決めされている。シリコーン製のフィルム105が基部101とカラー103との間に介在され、入口開口113のための、及び出口開口114のためのバルブを形成している。
【0029】
ポンプ室110に存する気泡の排除を促進するために、ポンプ室110は、凡そ1mmの深さで、蓋102に面する基部101の表面に入口開口113及び出口開口114の間に延在する溝115を備えており、この溝115は気泡が出口開口に向けて導かれるのを可能にする。
【0030】
ポンプの蓋102は、可動壁111及び圧電アクチュエーター111Aに電気的に接続された供給端子121、122を備え、これらの端子121、122には圧電アクチュエーター111A及び可動壁111の周期的な変形をもたらす交流の電圧が供給される。可動壁111は、ポンプ室110の容積を増大かつ減少させるために、いずれの方向にも柔軟性を有している。
【0031】
図5によれば、アイロンは、家庭用電気幹線によって提供される交流の信号を変調する変調回路200からなる、圧電ポンプ100のための供給回路を備えている。この変調回路200は、有利なことに、ポンプ100の流量がソール1の設定温度に従って調整されるように、サーモスタット制御ノブ5の位置の情報を受け取る。例えば、ポンプ100は、サーモスタットが凡そ200℃のソール温度を得るべく設定されたとき、凡そ40g/minのスチーム流量を提供するように設定され、及びサーモスタットが凡そ110℃のソール温度を得るべく設定されたとき、凡そ10g/minのスチーム流量を提供するように設定される。
【0032】
より詳しくは、本発明によれば、圧電ポンプ100の供給回路は、望まれる流量とは関係なく、ポンプの起動段階の間に可動壁111によるポンプ室110の最大の掃出容積をもたらすために、十分に高い交流の電圧を有する供給信号を提供する。この供給信号はその後、ポンプの流量を望まれる流量に対応させるように、ポンプ起動段階の後の通常作動段階の間に変調される。
【0033】
ポンプ100の供給信号の複数回の交番に対応する所定の作動時間toをマイクロコントローラがカウントダウンした後に起こる起動段階から通常作動段階への推移には、優先性が与えられる。例えば、凡そ50Hzの周波数を備える交流供給信号についてはその期間toは凡そ100msecである。
【0034】
かくて、ポンプの起動の間に、可動壁111によるポンプ室110の実質的な掃出が得られ、そこでは、ポンプ室110の死容積が本質的に溝115にまで低減されている。したがって、起動段階の間にポンプ100内で循環している水は、入口開口113と出口開口114を連結している溝115内を主に循環し、気泡を排除しかつポンプ100に呼び水をさす非常に高い循環速度を得ることを可能にしている。
【0035】
一例として、図6Aに示されているように、起動段階の間、圧電アクチュエーター111Aには周波数50Hzで凡そ230Vの振幅の交流電圧Uが供給される。圧電アクチュエーターの脱分極を防止するために非対称であるこの電圧には優先性が与えられている。
【0036】
100msecの期間の後、ポンプ100の流量を減少させるべく可動壁111の活性を瞬間的に停止させるように、供給信号が供給回路によって周期的にチョップされる。図示された実施例では、供給信号がチョップされる、すなわち、供給信号は、140msecの期間t1だけ中断され、そしてその後は、再度、100msecの期間、起動段階の信号と同じである。ポンプ100の間歇的な動作によって、t1/(t1+t0)、すなわち、約60%程度の流量の低減が得られる。明らかに、信号がチョップされている間の時間は、望まれる流量に依存するであろうし、平均流量は期間t1が増大するにつれ減少する。
【0037】
図6Bに示された本発明の実施形態の一変形例では、起動段階の間には、圧電ポンプ100に前に図示した実施形態で説明したのと同じ供給信号が供給され、そしてその後、圧電アクチュエーター111Aが信号の交番の際により少ない程度に変形されるように、電圧Uが低下された信号が供給され、それにより可動壁111によって掃出される容積を低減させる。かくて、低減された流量でのポンプの作動が、100msecの期間t0の後に得られ、そこでは起動段階の間にポンプ室の最大の掃出容積をもたらす信号を維持すること、かくて、ポンプの効果的な自動呼び水作用のみならず気泡の排除を確実にする。実施形態のかかる様式は、供給回路によって供給電圧Uを低下させることが廉価な構成部品を用いることにより達成され得るので、採用するのに簡単かつ費用効率が高いという利点を有している。
【0038】
図6Cに示された実施形態のもう1つの変形例では、圧電ポンプ100に、起動段階t0の間に第1の図示の実施形態で説明されたのと同じ供給信号が供給され、そしてその後、ポンプの供給信号の周波数を低下させることによってポンプの流量が減少される。しかしながら、かかる実施形態の変形例は、採用するのにやや高価であるという不都合を有している。
【0039】
したがって、ここに説明されたポンプの制御方法は、自動呼び水作用及び気泡の排除のための条件を最適化するために、ポンプを起動するときの第1の期間に数ミリ秒の間、ポンプ供給信号を最適化することによって、且つ、その後、望まれる流量に近づけるべくポンプの流量を低減するために第2の期間の間にポンプ供給信号を変調することによって、低流量でのポンプの信頼性のあるかつ効率的な作動を得ることを可能にする。ここでは、この流量の低減は、ポンプが既に呼び水を与えられ、かつ可動壁の数少ない作動による運転の場合に問題を引き起こすであろう気泡が既に排除された状態で達成される。
【0040】
このように構成された衣服用アイロンでは、アイロン掛けの条件にそれを適応させるためにポンプの流量を制御することが可能であり、このポンプ流量の調整が望まれるスチーム量を調節するためのノブをアイロンに設けることによって、ソールの設定温度に対して自動的に、または手動のいずれかで達成される。
【0041】
もちろん、本発明は、ここに説明かつ図示された実施形態に限定されない。それらは一例として単に提供されている。本発明の保護の範囲を超えることなく、とりわけ種々のエレメントの構成に関しての変更、または均等な技術の置換えによる変更が可能である。
【0042】
本発明の実施形態の変形例において、それ故に、ポンプ室の形状またはポンプエレメントを組み立てる手段を修正することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 圧電ポンプ
110 ポンプ室
111 可動壁
111A 圧電アクチュエーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C