特許第5694749号(P5694749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694749
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20150312BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20150312BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H02K5/10 Z
   H02K7/116
   H02K5/08 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-272646(P2010-272646)
(22)【出願日】2010年12月7日
(65)【公開番号】特開2012-125024(P2012-125024A)
(43)【公開日】2012年6月28日
【審査請求日】2013年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】夏目 貴史
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−184892(JP,A)
【文献】 特開2007−329995(JP,A)
【文献】 実開昭62−156072(JP,U)
【文献】 特開2007−252159(JP,A)
【文献】 特開2003−230245(JP,A)
【文献】 特開2008−148388(JP,A)
【文献】 特開2010−057296(JP,A)
【文献】 特開2008−259369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00〜5/26
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ部と、
該モータ部に固定される第1ハウジングに第2ハウジングが組付けられて構成され、前記第2ハウジングに呼吸孔が形成されたギヤハウジングと、
前記ギヤハウジングの内部に配置された電子部品と、
前記ギヤハウジングの内部で前記第2ハウジングに固定され前記電子部品を覆うカバー部材と、
を備えたモータであって、
前記呼吸孔は、前記第2ハウジングの内側面から延びる筒状の呼吸筒部によって前記ギヤハウジングの内部に延長されており、
前記カバー部材は、前記呼吸孔に固定される固定部と、該固定部の前記呼吸孔への固定状態で前記電子部品を覆う被覆部とを有することを特徴とするモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、
記カバー部材は、前記呼吸筒部の内側開口部を覆うように前記呼吸筒部に固定され且つ前記呼吸筒部と共に迷路構造を形成する固定部を有することを特徴とするモータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のモータにおいて、
前記第2ハウジングは樹脂にて形成された樹脂部を有するとともに、前記呼吸孔は前記樹脂部に形成され、
前記呼吸孔の外側開口部は、前記樹脂部に溶着された防水シートにて覆われていることを特徴とするモータ。
【請求項4】
請求項3に記載のモータにおいて、
前記第2ハウジングは、前記防水シートの外周で前記防水シートよりも前記第2ハウジングの外側に突出した剥離防止部を有することを特徴とするモータ。
【請求項5】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記剥離防止部は、前記第2ハウジングにおける前記呼吸孔の外側開口部の外周縁部を凹設することにより形成された段差部であることを特徴とするモータ。
【請求項6】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記剥離防止部は、前記第2ハウジングの外側面から突出し前記防水シートを断続的に囲む剥離防止凸部であることを特徴とするモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータケースに呼吸孔を備えたモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、モータには、該モータの外郭を構成するモータケースに、該モータケースの内部と外部とを連通する呼吸孔を備えたものがある。この呼吸孔は、モータケースの内部と外部との気圧差を解消するためのものである。また、特許文献2に記載されたモータでは、呼吸孔からモータケースの内部に雨水等の水が浸入することを防止するために、呼吸孔の外側開口部を覆うように防水シートを配設している。
【0003】
また、モータケースの内部には、モータの駆動を制御するための電子部品が組み付けられることがある。そして、この電子部品の脱落を防止したり、モータケースの内部に収容された部品に塗布された潤滑油が当該電子部品に付着したりすることを防止するために、電子部品を覆うカバー部材がモータケースに固定されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−73351号公報
【特許文献2】特開2008−148388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モータケースの内部にカバー部材を固定するための構成によっては、モータの内部が複雑化されることがある。そして、モータの内部が複雑化されると、モータの製造が煩雑となり、その結果、モータの製造コストが増大するという問題が出てくる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータ内部の複雑化を抑制しつつカバー部材をモータケースに固定することができるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、モータ部と、該モータ部に固定される第1ハウジングに第2ハウジングが組付けられて構成され、前記第2ハウジングに呼吸孔が形成されたギヤハウジングと、前記ギヤハウジングの内部に配置された電子部品と、前記ギヤハウジングの内部で前記第2ハウジングに固定され前記電子部品を覆うカバー部材と、を備えたモータであって、前記呼吸孔は、前記第2ハウジングの内側面から延びる筒状の呼吸筒部によって前記ギヤハウジングの内部に延長されており、前記カバー部材は、前記呼吸孔に固定される固定部と、該固定部の前記呼吸孔への固定状態で前記電子部品を覆う被覆部とを有することをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、カバー部材を第2ハウジングに固定するための構成を呼吸孔とは別にギヤハウジングの内部に設ける場合に比べて、ギヤハウジングの内部が複雑化されることが抑制される。従って、モータ内部の複雑化を抑制しつつカバー部材を第2ハウジングに固定することができる。そして、ギヤハウジングの内部の複雑化が抑制されるため、モータの製造コストの増大を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記カバー部材は、前記呼吸筒部の内側開口部を覆うように前記呼吸筒部に固定され且つ前記呼吸筒部と共に迷路構造を形成する固定部を有することをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、カバー部材を第2ハウジングに固定するための固定部を利用して、呼吸筒部の先端部、即ち呼吸孔の内側開口部付近に迷路構造を形成することができる。そして、呼吸孔の内周面に水滴が付着した場合であっても、当該水滴は、固定部と呼吸筒部とによって形成された迷路構造の部位を通り抜け難い。従って、当該水滴がギヤハウジングの内部に浸入することが抑制される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のモータにおいて、前記第2ハウジングは樹脂にて形成された樹脂部を有するとともに、前記呼吸孔は前記樹脂部に形成され、前記呼吸孔の外側開口部は、前記樹脂部に溶着された防水シートにて覆われていることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、呼吸孔の外側開口部が防水シートにて覆われているため、当該防水シートによって、呼吸孔からギヤハウジングの内部に水が浸入することがより抑制される。また、呼吸孔は樹脂部に形成されているため、防水シートを溶着によって容易にギヤハウジングに固定することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のモータにおいて、前記第2ハウジングは、前記防水シートの外周で前記防水シートよりも前記第2ハウジングの外側に突出した剥離防止部を有することをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、剥離防止部によって、防水シートの外周縁部に異物が接触することが抑制される。従って、モータの搬送中等に防水シートが剥離されることが抑制される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記剥離防止部は、前記第2ハウジングにおける前記呼吸孔の外側開口部の外周縁部を凹設することにより形成された段差部であることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、段差部は簡単な形状であるため、第2ハウジングの形状が複雑化されることを抑制しつつ、防水シートの剥離を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記剥離防止部は、前記第2ハウジングの外側面から突出し前記防水シートを断続的に囲む剥離防止凸部であることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、剥離防止凸部は簡単な形状であるため、第2ハウジングの形状が複雑化されることを抑制しつつ、防水シートの剥離を抑制することができる。また、剥離防止凸部は、防水シートを断続的に囲むように形成されているため、防水シートと剥離防止凸部との間に水が付着した場合、当該水は、剥離防止凸部が途切れた部位を通って剥離防止凸部の外周側に流れることができる。従って、防水シートの周囲に水が溜まることが抑制される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、モータ内部の複雑化を抑制しつつカバー部材をモータケースに固定することができるモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】モータの平面図。
図2】(a)は第2ハウジングの平面図、(b)は第2ハウジングの断面図(図2(a)におけるA−A断面図)。
図3】モータの部分端面図。
図4】(a)はカバー部材の背面図、(b)はカバー部材の平面図、(c)はカバー部材の側面図、(d)はカバー部材の端面図(図4(a)におけるB−B端面図)。
図5】(a)は別の実施形態のモータの平面図、(b)は別の実施形態のモータにおける部分端面図(図5(a)におけるC−C端面図)。
図6】別の実施形態のカバー部材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施形態のモータ1は、車両のフロントガラスに付着した雨滴等を払拭する車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるものである。このモータ1は、回転駆動力を発生させるモータ部2と、該モータ部2にて発生された回転駆動力を減速して出力する減速部3とから構成されている。
【0020】
モータ部2のヨークハウジング4は、導電性金属材料にて形成されるとともに、略有底円筒状をなしている。ヨークハウジング4の内周面には、二対(合計4個)のマグネット5が固定されている。対をなすマグネット5は、ヨークハウジング4の径方向に互いに対向している。また、二対のマグネット5の内側には、アーマチャ6が回転可能に配置されている。アーマチャ6を構成する略円柱状の回転軸7の基端部は、ヨークハウジング4の底部中央部に設けられた軸受8にて軸支されている。一方、回転軸7の先端側の部位は、ヨークハウジング4の開口部4aから同ヨークハウジング4の外部に突出している。この回転軸7の先端側の部位には、螺子歯状のウォーム部7aが形成されている。そして、ヨークハウジング4の開口部4aには、回転軸7の先端側の部位を収容するように、前記減速部3を構成するギヤハウジング10が組み付けられている。尚、ヨークハウジング4及びギヤハウジング10は、モータ1の外郭であるモータケースを構成している。
【0021】
ギヤハウジング10は、アルミニウム合金等の導電性金属材料にて形成された第1ハウジング11と、絶縁性の樹脂材料にて形成され第1ハウジング11に対して組付けられる第2ハウジング12とから構成されている。
【0022】
第1ハウジング11は、ヨークハウジング4の開口部4aに固定された略有底円筒状の取付け部11aと、該取付け部11aの底部に一体に形成された略皿状の収容部11bとから構成されている。取付け部11aの開口部11cは、ヨークハウジング4の開口部4aとほぼ同形状をなしている。そして、開口部11cから第1ハウジング11の内部に挿入された回転軸7の先端側の部位(即ちウォーム部7aが形成された部位)は、取付け部11aの底部を貫通して収容部11b内に配置されている。尚、取付け部11aの底部には、前記軸受8と共に回転軸7を軸支する図示しない軸受が設けられている。また、取付け部11a内には、前記アーマチャ6に電源を供給するための図示しないブラシ装置が収容されている。
【0023】
また、前記収容部11bには、前記ウォーム部7aと噛合する円板状のウォームホイール13が収容されている。ウォームホイール13の径方向の中央部には、該ウォームホイール13の軸方向に沿って収容部11bの底部側に延びる略円柱状の出力軸14が一体回転可能に固定されている。この出力軸14の先端部(図1において紙面奥側の端部)は、収容部11bの底部を貫通してギヤハウジング10の外部に突出するとともに、該出力軸14は、収容部11bの底部(より詳しくは、収容部11bの底部から外部に筒状に突出形成された図示しない筒状支持部)にて軸支されている。また、出力軸14の先端部には、車両用ワイパ装置のリンク機構(図示略)を介してワイパが駆動連結される。尚、収容部11bの外側面には、ウォームホイール13の周方向に離間した複数箇所(本実施形態では6箇所)に、収容部11bの外側に突出した係止凸部11dがそれぞれ形成されている。
【0024】
前記第2ハウジング12は、収容部11bの開口部11eを閉塞するように該開口部11eに対応した略皿状をなしている。そして、第2ハウジング12の外周縁部には、前記係止凸部11dと同数(即ち6個)の係止爪12aが形成されている。6個の係止爪12aは、収容部11bの開口部11eを閉塞した第2ハウジング12の外周縁部において、6個の係止凸部11dと対応した6箇所に形成されるとともに、第1ハウジング11に向かって延びている。そして、6個の係止爪12aがそれぞれ対応した係止凸部11dにスナップフィット係合することにより、第2ハウジング12は第1ハウジング11に対して固定されている。
【0025】
第2ハウジング12には、呼吸孔12bが形成されている。呼吸孔12bは、第2ハウジング12において前記ウォームホイール13の軸方向に該ウォームホイール13と対向する位置であって、前記取付け部11aの近傍となる位置に形成されている。そして、呼吸孔12bは、ウォームホイール13の軸方向に沿って第2ハウジング12を貫通しており、モータ1(より詳しくは、ギヤハウジング10)の内部と外部とを連通している。また、図2(a)及び図3に示すように、呼吸孔12bは、第2ハウジング12の内側面12cからギヤハウジング10の内側に延びる円筒状の呼吸筒部12dによって同ギヤハウジング10の内部に延長されている。呼吸孔12bは、その外側開口部12e(ギヤハウジング10の外側に開口した開口部)側の端部が、その内側開口部12f側の端部よりも大きい直径を有するように形成されている。そのため、呼吸孔12bの内周面(呼吸筒部12dの内周面に同じ)には、固定段差部12gが形成されている。この固定段差部12gは、呼吸筒部12dの軸方向と直交し且つ呼吸孔12bの外側開口部12e側を向く平面状の固定面12hを備えている。尚、呼吸孔12bの直径は、外側開口部12eと固定面12hとの間で一定の値に形成されるとともに、固定面12hと内側開口部12fとの間で一定の値に形成されている。
【0026】
図1及び図3に示すように、第2ハウジング12の外側面12kには、呼吸孔12bの外側開口部12eの外周縁部を凹設してなる固着凹部12mが形成されている。そして、第2ハウジング12の外側面12kにこの固着凹部12mが形成されることにより、固着凹部12mの内側部分を第2ハウジング12の外側面12kよりも一段低くする円環状の段差部12n(剥離防止部)が形成されている。そして、呼吸孔12bは、固着凹部12mの底面に外側開口部12eを有するため、該外側開口部12eは、段差部12nによって囲まれている。
【0027】
また、この段差部12nの内側、即ち固着凹部12mの底面には、防水シート15が溶着されている。防水シート15は、水透過性を有さず、ガス透過性を有するものである。本実施形態の防水シート15は、呼吸孔12bの外側開口部12eの直径よりも大きく且つ固着凹部12mの直径よりも小さい直径を有する円形状に形成されている。また、防水シート15の厚さは、段差部12nの高低差(即ち固着凹部12mの深さ)の範囲内の厚さに設定されている。そして、防水シート15は、呼吸孔12bの外側開口部12eを覆うように第2ハウジング12に対して配置されるとともに、その外周縁部が固着凹部12mの底面に溶着などにて接合されている。
【0028】
図2(a)に示すように、第2ハウジング12は、複数のターミナル端子16を保持している。これらのターミナル端子16は、導電性の金属板材を所定の形状に打ち抜いた後に複数箇所を屈曲して形成されている。そして、各ターミナル端子16は、インサート成形により第2ハウジング12の内部に部分的に埋設されている。
【0029】
また、図1及び図2(a)に示すように、第2ハウジング12は、第2ハウジング12の外側に突出する略筒状のコネクタ部12sを備えている。このコネクタ部12sの内部には、各ターミナル端子16の一部が突出している。そして、コネクタ部12sには、図示しない外部コネクタが接続されるとともに、当該外部コネクタ及びターミナル端子16を通じて、モータ1への電源の供給、ウォームホイール13(出力軸14)の回転位置に応じた電気信号の出力等が行われる。
【0030】
また、第2ハウジング12における前記コネクタ部12sの近傍となる位置には、外側に向かって略半円状に延設された締結部12tが形成されている。そして、複数の前記ターミナル端子16のうち、1本のターミナル端子16a(図2(a)において右下参照)には、締結部12tから露出する円環状のグランド接続部16dが形成されている。このグランド接続部16dは、前記収容部11bの開口端面と当接し、該収容部11bに電気的に接続される。
【0031】
また、複数のターミナル端子16のうち、2本のターミナル端子16b,16c(図2(a)において左上参照)は、呼吸筒部12dの近傍で、呼吸筒部12dの軸方向に沿って立設されたモータ側接続部16e,16fをそれぞれ備えている。2つのモータ側接続部16e,16fは、それぞれ略四角形の板状をなすとともに、互いに平行をなすように形成されている。
【0032】
また、第2ハウジング12の内側面12c上には、電子部品としての複数(本実施形態では2つ)のコンデンサ17が配置されている。2つのコンデンサ17は、第2ハウジング12の内側面12c上で、呼吸筒部12dとコネクタ部12sとの間に配置されている。そして、第2ハウジング12の内側面12c上には、3つの位置決め壁12wが立設されるとともに、2つのコンデンサ17は、それぞれ位置決め壁12w間に配置されている。2つのコンデンサ17は、これらの位置決め壁12wによって第2ハウジング12に対する位置決めがなされている。また、各コンデンサ17は、棒状の一対の接続端子17aをそれぞれ有するとともに、各接続端子17aは、前記ターミナル端子16に電気的に接続されている。尚、各接続端子17aは、ターミナル端子16aとターミナル端子16bとの間にコンデンサ17が1つ接続され、且つターミナル端子16aとターミナル端子16cとの間にコンデンサ17が1つ接続されるように、ターミナル端子16a,16b,16cに対して電気的に接続されている。
【0033】
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、第2ハウジング12には、2つのコンデンサ17を覆うカバー部材21が固定されている。カバー部材21は、絶縁性の樹脂材料にて形成されている。このカバー部材21は、コンデンサ17を覆う被覆部22と、被覆部22に一体に形成されたガイド部23と、該カバー部材21を第2ハウジング12に固定するための固定部24とから構成されている。
【0034】
図4(a)乃至図4(c)に示すように、被覆部22は、略長方形の板状をなしている。そして、被覆部22の厚さ方向の一方側の側面(図4(c)において上側の側面)は、第1ハウジング11の内側面と対向する第1対向面22aであり、他方側の側面(図4(c)において下側の側面)は、第2ハウジング12の内側面12cと対向する第2対向面22bとなっている。この被覆部22は、該被覆部22を厚さ方向に貫通した複数(本実施形態では3個)の確認孔22cを備えている。複数の確認孔22cのうち、2つの確認孔22cは、第2ハウジング12の内側面12c上に配置されたコンデンサ17を部分的に露出可能な位置に形成されている(図2(a)参照)。また、被覆部22は、その長手方向の一端部(図4(c)において右側の端部)に、支持部22dを備えている。支持部22dは、被覆部22の厚さ方向の両側に突出している。
【0035】
被覆部22の長手方向の他端部(図4(c)において左側の端部であって、支持部22dと反対側の端部)に、前記ガイド部23が一体に形成されている。ガイド部23は、被覆部22の長手方向の他端部から延設された四角形の板状をなす延設部23aと、該延設部23a上に立設された挿入案内部23bとから構成されている。
【0036】
図4(b)及び図4(c)に示すように、延設部23aは、被覆部22の長手方向の他端部から被覆部22と直角をなすように第1対向面22aと反対側に延びた後に、90°に屈曲して被覆部22から遠ざかるように且つ被覆部22と平行をなすように延びている。このため、延設部23aは、略L字状をなしている。また、延設部23aの先端側の部位であって被覆部22と平行をなす部位には、該延設部23aを貫通する一対の挿通孔23cが形成されている。各挿通孔23cは、延設部23aの基端から先端に向かう方向に沿って延びる溝状をなすとともに、2つの挿通孔23cは、互いに平行をなすように形成されている。そして、延設部23aにおける一対の挿通孔23cの間に、前記挿入案内部23bが一体に形成されている。挿入案内部23bは、延設部23aの先端側の部位と直角をなすように柱状に延びている。また、図2(a)に示すように、挿入案内部23bの高さは、前記モータ側接続部16e,16fにおける呼吸筒部12dの軸方向の高さよりも若干高く形成されている。
【0037】
図4(a)に示すように、前記固定部24は、被覆部22の長手方向の他端部(支持部22dと反対側の端部)であって前記延設部23aの側方となる部位に一体に形成されている。図4(a)及び図4(d)に示すように、固定部24は、被覆部22から延びる円板状の閉塞部24aと、該閉塞部24aに一体に形成された円筒状の囲繞部24bと、閉塞部24aに一体に形成された円環状の流路形成凸部24cと、流路形成凸部24cから延びる複数(本実施形態では3つ)の固定爪24dとから構成されている。
【0038】
図3に示すように、閉塞部24aは、前記呼吸筒部12dの外径よりも大きい直径を有するように形成されている。そして、図4(a)及び図4(c)に示すように、囲繞部24bは、閉塞部24aの外周縁部から第1対向面22aと反対側に延びるとともに、該囲繞部24bの外径は、閉塞部24aの外径と等しく形成されている。また、図3に示すように、囲繞部24bの軸方向の長さは、前記呼吸筒部12dの軸方向の長さよりも短く形成されている。
【0039】
また、前記流路形成凸部24cは、閉塞部24aから囲繞部24bと同方向に突出している。流路形成凸部24cは、閉塞部24a及び囲繞部24bと同軸状(同心状)となるように形成されている。また、流路形成凸部24cの高さは、囲繞部24bの軸方向の長さよりも短く形成されている。図3図4(a)及び図4(b)に示すように、この流路形成凸部24cには、周方向に等角度間隔(本実施形態では120°間隔)となる3箇所に、該流路形成凸部24cを軸方向(囲繞部24bの軸方向)に貫通する貫通孔24eが形成されている。各貫通孔24eは、流路形成凸部24cにおいて同流路形成凸部24cの径方向の中央部よりも径方向外側寄りの位置に形成されるとともに、軸方向から見た形状が、流路形成凸部24cの周方向に沿った円弧状をなしている。また、各貫通孔24eは、流路形成凸部24cだけでなく閉塞部24aも貫通しており、囲繞部24bの内側と外側とを連通している。
【0040】
更に、流路形成凸部24cにおいて3つの貫通孔24eの径方向内側となる3箇所に、前記固定爪24dがそれぞれ形成されている。3本の固定爪24dは、周方向に等角度間隔(本実施形態では120°間隔)に形成されている。そして、各固定爪24dは、流路形成凸部24cの先端面から閉塞部24aの軸方向に延びる柱状の弾性変形部24fと、該弾性変形部24fの先端部から流路形成凸部24cの径方向外側に向かって突出した固定凸部24gとから構成されている。弾性変形部24fにおける閉塞部24aの軸方向の長さは、前記呼吸孔12bにおける固定段差部12gと内側開口部12fとの間の長さよりも若干長く形成されている。また、弾性変形部24fは、固定凸部24gを閉塞部24aの径方向に移動させるように弾性変形可能である。そして、3つの固定爪24dの弾性変形部24fの径方向外側の側面を通る円(図示略)の直径は、前記呼吸孔12bにおける固定段差部12gよりも内側開口部12f側の部位の直径と略等しく形成されている。
【0041】
前記固定凸部24gは、閉塞部24aの周方向から見ると、閉塞部24aの径方向外側に向かうに連れて軸方向の幅が狭くなる三角形状をなしている。そして、3つの固定爪24dの固定凸部24gの先端を通る円(図示略)は、呼吸孔12bにおける固定段差部12gより内側開口部12f側の部位の直径よりも大きく、且つ、呼吸孔12bにおける固定段差部12gより外側開口部12e側の部位の直径よりも小さい値となっている。
【0042】
上記のようなカバー部材21は、固定部24が呼吸孔12bに固定されることにより、第2ハウジング12に対して固定されている。図2(a)及び図3に示すように、カバー部材21を第2ハウジング12に固定する際には、一対の挿通孔23c内にモータ側接続部16e,16fをそれぞれ挿入しつつ、3本の固定爪24dを呼吸孔12bの内側開口部12fから同呼吸孔12bの内部に挿入する。このとき、3本の固定爪24dは、呼吸孔12bにおける固定段差部12gと内側開口部12fとの間の部位の内周面によって径方向内側に押圧されることにより、固定凸部24gを径方向内側に移動させるように弾性変形部24fが弾性変形されている。また、第2ハウジング12の内側面12cと被覆部22の第2対向面22bとの間にコンデンサ17が介在されている。そして、固定凸部24gが固定段差部12gを超えて各固定爪24dが原形に復帰するまで、呼吸孔12bの軸方向に沿ってカバー部材21を軸方向に移動させる。こうして各固定爪24dが呼吸孔12b内にスナップフィット係合され、これにより、カバー部材21は第2ハウジング12に固定される。そして、固定部24の閉塞部24aによって呼吸筒部12dの内側開口部12f及び先端面が被覆される。また、延設部23aの先端部及び支持部22dが第2ハウジング12の内側面12cに当接することにより、延設部23a及び支持部22dによって第2ハウジング12に対するカバー部材21の位置決めがなされる。
【0043】
そして、第2ハウジング12に固定されたカバー部材21においては、図2(b)に示すように、第2ハウジング12と被覆部22との間に2つのコンデンサ17が介在されている。従って、カバー部材21によって、第2ハウジング12からのコンデンサ17の脱落が防止されている。また、図2(a)及び図4(b)に示すように、被覆部22の確認孔22cから、コンデンサ17を視認可能である。更に、挿入案内部23bが2つのモータ側接続部16e,16f間に配置される。尚、2つのモータ側接続部16e,16fは、第1ハウジング11の取付け部11a内に収容された前記ブラシ装置の一対の給電端子(図示略)にそれぞれ接続されるものである。そして、挿入案内部23bは、第2ハウジング12を第1ハウジング11に対して組み付ける際に、ブラシ装置の一対の給電端子の間に挿入されることにより、モータ側接続部16e,16fの給電端子への接続を案内する。
【0044】
また、互いに組み付けられた第1ハウジング11及び第2ハウジング12(即ち、ギヤハウジング10)の内部では、支持部22dが第1ハウジング11及び第2ハウジング12によって挟み込まれている。このため、カバー部材21は、ギヤハウジング10の内部で安定して保持されている。
【0045】
また、図3に示すように、弾性変形部24fは、呼吸孔12bにおける内側開口部12fと固定段差部12gとの間の長さよりも若干長く形成されているため、呼吸筒部12dの先端面と流路形成凸部24cの先端面との間には、僅かな隙間Sが形成される。更に、流路形成凸部24cの外周側には、囲繞部24bが存在している。従って、呼吸孔12bを介してギヤハウジング10の外部とギヤハウジング10の内部とを連通する流路には、固定部24と呼吸筒部12dとによって矩形状に曲がりくねった迷路構造の流路が形成されている。そのため、呼吸孔12bの内周面に万一水滴が付着したとしても、当該水滴は、呼吸筒部12dと固定部24との間を通り抜け難くなっている。
【0046】
図1に示すように、上記のように構成されたモータ1は、締結部12tを挿通する固定用の螺子によって、導電性金属材料からなる図示しない取付けブラケットにギヤハウジング10が螺子止め固定されることにより、該取付けブラケットを介して車両に対して固定される。そして、第1ハウジング11は、この取付けブラケットを介してグランド接続されている。従って、第1ハウジング11に当接したグランド接続部16dは、第1ハウジング11を介してグランド接続されている。そして、モータ1は、電流が供給されると、アーマチャ6が回転駆動される。アーマチャ6の回転駆動力は、ウォーム部7a及びウォームホイール13にて減速された後に出力軸14から出力される。すると、出力軸14の回転に伴って、車両用ワイパ装置のリンク機構(図示略)を介してワイパが作動される。
【0047】
このとき、モータ1の駆動に伴ってモータ1の内部の温度が上昇すると、モータ1の内部の気圧がモータ1の外部の気圧よりも高くなる。すると、図3に示すように、モータ1の内部の空気の一部が、固定部24と呼吸筒部12dとによって形成された迷路構造の流路を通って呼吸孔12bに流れ込み、更に、防水シート15を通り抜けて外部に放出される(図3中、矢印参照)。その結果、モータ1の内外の気圧差が解消される。
【0048】
一方、駆動中のモータ1に水がかかる等してモータ1の温度が低下すると、モータ1の内部の気圧がモータ1の外部の気圧よりも低くなる。すると、モータ1の外部の空気が、防水シート15を通り抜けて呼吸孔12bに流れ込み、更に、呼吸孔12bと固定部24とによって形成された迷路構造の流路を通ってギヤハウジング10の内部に流れ込む(図3中、矢印参照)。その結果、モータ1の内外の気圧差が解消される。
【0049】
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)カバー部材21は、呼吸孔12bを利用して第2ハウジング12に固定されている。そのため、カバー部材21を第2ハウジング12に固定するための構成を呼吸孔12bとは別にギヤハウジング10の内部に設ける場合に比べて、ギヤハウジング10の内部が複雑化されることが抑制される。従って、モータ1の内部の複雑化を抑制しつつカバー部材21を第2ハウジング12に固定することができる。そして、ギヤハウジング10の内部の複雑化が抑制されるため、モータ1の製造コストの増大を抑制することができる。
【0050】
(2)カバー部材21を第2ハウジング12に固定するための固定部24を利用して、呼吸筒部12dの先端部、即ち呼吸孔12bの内側開口部12f付近に迷路構造を形成することができる。そして、呼吸孔12bの内周面に万一水滴が付着した場合であっても、当該水滴は、固定部24と呼吸筒部12dとによって形成された迷路構造の部位を通り抜け難くなっている。従って、当該水滴がギヤハウジング10の内部に浸入することが抑制される。
【0051】
(3)呼吸孔12bの外側開口部12eが防水シート15にて覆われているため、当該防水シート15によって、呼吸孔12bからギヤハウジング10の内部に水が浸入することがより抑制される。また、呼吸孔12bは樹脂からなる第2ハウジング12に形成されているため、防水シート15を溶着によって容易にギヤハウジング10に固定することができる。
【0052】
(4)段差部12nによって、防水シート15の外周縁部に異物が接触することが抑制される。従って、モータ1の搬送中等に防水シート15が剥離されることが抑制される。
(5)段差部12nは簡単な形状であるため、第2ハウジング12の形状が複雑化されることを抑制しつつ、防水シート15の剥離を抑制することができる。
【0053】
(6)カバー部材21は、スナップフィット係合により呼吸孔12bに固定される。従って、呼吸孔12bの軸方向に沿ってカバー部材21を移動させるだけで該カバー部材21は第2ハウジング12に固定されるため、スライド移動させる等の複雑な移動をさせなくてもよい。よって、カバー部材21の第2ハウジング12への組み付けをより容易に行うことができる。
【0054】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、防水シート15の剥離を防止するための剥離防止部として、第2ハウジング12に段差部12nを形成した。しかしながら、第2ハウジング12に形成される剥離防止部は、段差部12nに限らず、防水シート15の外周で防水シート15よりも第2ハウジング12の外側に突出した形状のものであればよい。例えば、図5(a)及び図5(b)に示す例では、第2ハウジング12の外側面12kから突出し防水シート15を断続的に囲む剥離防止凸部31を剥離防止部として第2ハウジング12に設けている。剥離防止凸部31は、第2ハウジング12の外側面12kに溶着された防水シート15よりも第2ハウジング12の外側に突出している。このようにしても、上記実施形態の(4)と同様の作用効果を得ることができる。更に、剥離防止凸部31は簡単な形状であるため、第2ハウジング12の形状が複雑化されることを抑制しつつ、防水シート15の剥離を抑制することができる。また、剥離防止凸部31は、防水シート15を断続的に囲むように形成されているため、防水シート15と剥離防止凸部31との間に水が付着した場合、当該水は、剥離防止凸部31が途切れた部位を通って剥離防止凸部31の外周側に流れることができる。従って、防水シート15の周囲に水が溜まることが抑制される。
【0055】
・上記実施形態では、第2ハウジング12は、樹脂にて形成されているが、必ずしも樹脂にて形成されなくてもよい。また、第1ハウジング11は、必ずしも金属にて形成されなくてもよく、例えば、樹脂にて形成されてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、溶着により防水シート15を第2ハウジング12に接合して固定しているが、接着により防水シート15を第2ハウジング12に接合して固定するようにしてもよい。また、防水シート15は、呼吸孔12bの外側開口部12eを覆うように固定用の部材を介してギヤハウジング10に固定されてもよい。
【0057】
・上記実施形態のモータ1において、防水シート15を省略してもよい。この場合、呼吸孔12bからのギヤハウジング10の内部への水の浸入は、固定部24と呼吸筒部12dとによって形成された迷路構造によって抑制される。
【0058】
・呼吸筒部12dは、円筒状に限らず、多角筒状等であってもよい。
・上記実施形態では、固定部24及び呼吸筒部12dによって迷路構造が形成されるが、固定部24及び呼吸筒部12dは、必ずしも迷路構造を形成しなくてもよい。
【0059】
・第2ハウジング12は、呼吸筒部12dを備えない構成であってもよい。この場合においても、呼吸孔12bを利用してカバー部材21を第2ハウジング12に固定することにより、上記実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
・カバー部材21は、ガイド部23及び支持部22dを備えない構成であってもよい。
・上記実施形態のカバー部材21は、呼吸孔12bにスナップフィット係合されることにより第2ハウジング12に固定されている。しかしながら、カバー部材21は、呼吸孔12bを利用して第2ハウジング12に固定されるのであれば、スナップフィット係合以外の方法で第2ハウジング12に固定されてもよい。例えば、図6に示すカバー部材41は、上記実施形態の固定部24に代えて、固定部42を備えている。詳述すると、カバー部材41は、被覆部22と、該被覆部22と一体に形成された固定部42とから構成されている。固定部42は、被覆部22の厚さ方向から見た形状が、被覆部22と反対方向に開口する円弧状(C形状)をなしている。そして、固定部42の内周面の曲率は、呼吸筒部12dの外周面の曲率と等しく形成されている。また、固定部42の内周面の中心角は180°よりも大きい。このようなカバー部材41は、固定部42を弾性変形させながら該固定部42の開口部(図6において下方に開口した開口部)から呼吸筒部12dを固定部42の内側に押し込むことにより、第2ハウジング12に固定される。このようにしても、上記実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。また、固定部42の形状をより簡単な形状とすることができる。
【0061】
・呼吸孔12bの形成位置は、上記実施形態の位置に限らない。コンデンサ17等、モータ1の駆動を制御するための電子部品が配置される場所に応じて、これらの電子部品の近傍となる位置に呼吸孔12bを形成すればよい。従って、呼吸孔12bは、第1ハウジング11に形成されてもよいし、ヨークハウジング4に形成されてもよい。この場合においても、呼吸孔12bを利用してカバー部材21を第1ハウジング11若しくはヨークハウジング4に固定することにより、上記実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
・上記実施形態では、カバー部材21は、コンデンサ17を覆っている。しかしながら、モータ1の内部でカバー部材21が覆う電子部品は、コンデンサ17に限らない。カバー部材21が覆う電子部品は、モータ1の駆動を制御するための電子部品(雑防素子等を含む)であればよい。
【0063】
・上記実施形態のモータ1は、減速部3を備えているが、減速部を備えないモータにおいて、モータケースに形成された呼吸孔を利用してカバー部材21を該モータケースに固定してもよい。
【0064】
上記実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)前記カバー部材は、前記呼吸孔にスナップフィット係合されることにより前記第2ハウジングに固定されていることを特徴とする。同構成によれば、呼吸孔の軸方向に沿ってカバー部材を移動させるだけで該カバー部材は第2ハウジングに固定されるため、スライド移動させる等の複雑な移動をさせなくてもよい。よって、カバー部材の第2ハウジングへの組み付けをより容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
4…モータケースを構成するヨークハウジング、10…モータケースを構成するギヤハウジング、12…樹脂部としての第2ハウジング、12b…呼吸孔、12c…モータケースの内側面としての第2ハウジングの内側面、12d…呼吸筒部、12e…外側開口部、12f…内側開口部、12k…モータケースの外側面としての第2ハウジングの外側面、12n…剥離防止部としての段差部、15…防水シート、17…電子部品としてのコンデンサ、21,41…カバー部材、24,42…固定部、31…剥離防止部としての剥離防止凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6