(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のオープンタイプのバルコニーを住宅に用いた場合、解放感が高くなりすぎることがある。例えば、日光が十分に当たるバルコニーのような場合、外からの視線が気になったり、特に夏場に暑くて過ごしにくい場合があったりする。そのため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することが望まれる。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現するインナーバルコニーを有する住宅を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のインナーバルコニーを有する住宅100に関する発明は、例えば、
図1に示すように、
バルコニー1と、
前記バルコニー1上に設けられ、且つ、前記バルコニー1の先端より前方に延設された軒先3aを有する屋根3と、
前記バルコニー1の間口方向の一端側の隅部1aと前記屋根3とを支えた外部柱5とを備
え、
前記外部柱5は、前記バルコニー1のバルコニー床7の下部と接合される下部柱5Aと、前記バルコニー床7の上部と接合される上部柱5Bとからなり、
前記下部柱5Aと前記上部柱5Bは、バルコニー1の奥行方向に間隔を有してそれぞれ複数設けられ外壁材13で囲まれるとともに、
複数の上部柱5Bは、上部柱側面の上側および下側に接合され下部に凸部を有するアングル材21と、このアングル材21に架け渡された断面形状が下方に開口されたコ字型の上部柱連結部材11A,11Bとで連結され、
複数の下部柱5Aは、下部柱側面の上側および下側に接合され下部に凸部を有するアングル材21と、このアングル材21に架け渡された断面形状が下方に開口されたコ字型の下部柱連結部材9A,9Bとで連結され、
前記外壁材13は、上下部柱連結部材のうち下側に位置する上下部柱連結部材に設けられた孔9aに上方から挿入されるフック23aを有しこのフック23aで上下部柱連結部材に取り付けられるアングル材23の下部に設けられた凸部で下方から支えられており、
前記バルコニー1の間口方向の他端側は前記間口方向と交差する方向に設けられた壁面15に接していることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、
住宅100の角に奥まったバルコニー空間を設け、バルコニー1の間口方向の一端側の隅部1aに設けられた外部柱5により、前記バルコニー1の先端より前方に延設された軒先3aを有する屋根3を支え、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
また、上下部柱連結部材で外部柱5をより強くすることができる。
さらに、上下部柱連結部材の取り付けは、上下部柱連結部材をアングル材21に載せた状態で行え、外壁材13はアングル材23で支えられることにより所定の高さに位置決めされるので、作業が容易になる。
【0019】
請求項
2に記載の発明は、例えば、
図7に示すように、
請求項
1に記載のインナーバルコニーを有する住宅100において、
前記壁面15は、前記交差する方向において前記バルコニー1から前記軒先3aの方向へ延設されていることを特徴とする。
【0020】
請求項
2に記載の発明によれば、前記壁面15が前記バルコニー1から前記軒先3aの方向へ延設されることにより、バルコニー1の他端側の壁面からの軒先3aの出幅を広くすることができ、その結果として、他端側の軒先3aから延設して設けられた隅部1a側の軒先3aについて、バルコニー1からの軒先3aへの距離を離すことができ、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外部柱によりバルコニーと屋根とを支え、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現するインナーバルコニーを有する住宅を提供することができる。
さらに、上下部柱連結部材の取り付けは、上下部柱連結部材をアングル材に載せた状態で行え、外壁材はアングル材で支えられることにより所定の高さに位置決めされるので、作業が容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、ユニット式住宅を例に説明する。しかし、本実施の形態を参照することにより、軸組構法の住宅においても本発明を実施可能である。
【0024】
<実施の形態>
図1〜
図3を参照して、本実施の形態における住宅100について、説明する。
【0025】
はじめに、
図1〜
図3に示す住宅100は、複数の住宅ユニットを組み合わせて建てられる2階建てのユニット式住宅である。
図1〜
図3は、寄棟屋根からなる屋根を主に示している。これに限らず、陸屋根にも本実施の形態は適用可能である。
【0026】
周知のように、ユニット式住宅は、箱状に形成された住宅ユニットを複数並べて組み合せることで施工される。住宅ユニットは、複数本の柱と、これらの柱の上端間どうしを結合する複数本の上梁と、前記柱の下端間どうしを結合する複数本の下梁とから略直方体状の骨組みが形成されるとともに骨組みに外壁材が必要に応じて取り付けられているものである(例えば、特開2009−35991号公報参照)。
【0027】
そして、工場で製造された住宅ユニットはトラック等で建築現場まで輸送され、建築現場では、クレーン等を用いてこれら住宅ユニットが並べて組み合わされることでユニット式住宅が施工される。
【0028】
(1)
図1〜
図3は本実施の形態を示すものであり、符号1はバルコニーを示し、符号3は前記バルコニー1上に設けられ、且つ、前記バルコニー1の先端より前方に延設された軒先3aを有する屋根を示し、符号5は前記バルコニー1の間口方向の一端側の隅部1aと前記屋根3とを支えた外部柱を示す。なお、外部柱5の下部は基礎17に固定され(
図10参照)、外部柱5の上部は2階天井フレームに固定されている(
図9(b)参照)。
【0029】
図1〜
図3に示すように、前記バルコニー1の間口方向の一端側の隅部1aに設けられた外部柱5により、前記バルコニー1の先端より前方に延設された軒先3aを有する屋根3を支え、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。なお、後述するように、本実施の形態における住宅100のバルコニー1および外部柱5は、ユニットを使用しないで設けられる。そのため、ユニットを使用する場合に比べて、コストを低減した住宅を提供することができる。
【0030】
次に、
図4〜
図6を参照して、住宅100の各階の間取り図について、説明する。
図4は住宅の1階の間取り図を示す。
図4において、符号20は玄関を示し、符号30は和室を示し、符号40はリビングを示し、符号50はダイニングンを示し、符号60はキッチンを示し、符号70は浴室スペースを示し、符号80は洗面スペースを示し、符号90はトイレスペースを示し、符号110はホールを示す。なお、1階には、和室30とリビング40とから出入り可能なピロティテラス120が設けられている。
【0031】
図5は住宅の2階の間取り図を示す。
図5において、符号1はバルコニーを示し、符号210は多目的スペースを示し、符号220は洋室を示し、符号230はトイレスペースを示し、符号240は寝室を示す。なお、2階のバルコニー1には、多目的スペース210と寝室240とから出入り可能である。
【0032】
図6は住宅の小屋裏の間取り図を示す。
図6において、符号300は小屋裏収納を示す。そして、屋根3の下に設けられたバルコニー1から軒先3aが離れて、深い軒出が設けられたことを示している。
【0033】
次に、
図7および
図8を参照して、バルコニー1と外部柱5との接合について説明する。
(2)
図7および
図8において、符号5Aは前記バルコニー1のバルコニー床7の下部と接合される下部柱を示し、符号5Bは前記バルコニー床7の上部と接合される上部柱を示し、符号13は下部柱5Aと上部柱5Bとを囲む外壁材を示す。そして、前記外部柱5は、下部柱5Aと上部柱5Bとが前記バルコニー床7に接合され、下部柱5Aと上部柱5Bが外壁材13で囲まれて構成される。
【0034】
ここで、
図8に示すように、下部柱5Aの上部は、柱材5aと、柱材5aの上端部に接合されたエンドプレート5bと、柱材5aとエンドプレート5bとを補強するために柱材5aとエンドプレート5bとに接合された補強部材5cとからなる。そして、下部柱5Aの上部は、エンドプレート5bを介して、ボルト6aとナット6bにより、バルコニー床7の下部とボルト接合される。同様に、上部柱5Bの下部は、柱材5aと、エンドプレート5bと、補強部材5cとからなる。そして、上部柱5Bの下部は、エンドプレート5bを介して、ボルト6aとナット6bにより、バルコニー床7の上部とボルト接合される。
【0035】
図7および
図8に示すように、バルコニー床7の上下にそれぞれ下部柱5Aと上部柱5Bとを固定できるため、1階から2階天井まで伸びた1本柱の場合と比べて現場への柱の搬入が容易になり、下部柱5Aで支えられたバルコニー床7上に固定された前記上部柱5Bで前記屋根3を支え、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0036】
次に、
図7および
図9を参照して、外部柱5と2階天井フレームの接合について説明する。
図7および
図9において、符号19は2階天井フレームを示す。また、
図9(a)に示すように、上部柱5Bの上部は柱材5aと、柱材5aに接合されたエンドプレート5bとからなる。次に、
図9(b)に示すように、2階天井フレーム19は、長方形に枠組みされた枠体19aと、枠体19aの強度を補強する水平ブレード19b,19cと、枠体19aに接合された補強部材19dとから構成される。そして、上部柱5B上部のエンドプレート5bを介して、ボルト6aとナット6bにより、上部柱5Bの上部と2階天井フレームの枠体19aの下部がボルト接合される。更に、2階天井フレーム19は2階天井フレーム19と隣接する他の住宅フレームの上梁とボルト結合(図示せず)される。その後、2階天井フレーム19を用いてバルコニー1上に屋根3が設けられる。
【0037】
次に、
図7および
図10を参照して、外部柱5と基礎の接合について説明する。
図7および
図9において、符号17は住宅100の基礎を示す。下部柱5Aの下部は、柱材5aと、柱材5aの下端部に接合されたエンドプレート5bと、柱材5aとエンドプレート5bとを補強するために柱材5aとエンドプレート5bとに接合された補強部材5cとからなる。そして、下部柱5Aの下部は、エンドプレート5bを介して、基礎17に埋め込まれたアンカーボルト等のボルト6aとナット6bにより、基礎17にボルト接合される。
【0038】
次に、
図7,
図11、
図12を参照して、2本の下部柱5Aの連結方法について説明する。
(3)はじめに、
図7において、前記下部柱5Aと前記上部柱5Bは、間隔を有してそれぞれ2本設けられている。なお、3本以上の下部柱5Aおよび3本以上の上部柱5Bを設けてもよい。
【0039】
図7に示すように、1階から2階天井まで伸びた1本の柱の場合と比べて、基礎17とバルコニー床7とに固定された前記2本の下部柱5Aとバルコニー床7上に固定された前記2本の上部柱5Bとで前記屋根3を支えることにより、縦方向において外部柱5をより強くすることができ、より深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0040】
(4)次に、
図7において、符号9A,9Bは前記2本の下部柱5Aを連結する下部柱連結部材であり、符号11A,11Bは前記2本の上部柱5Bを連結する上部柱連結部材である。
これらの下部柱連結部材9A,9Bおよび上部柱連結部材11A,11Bは、断面形状が下方に開口されたコ字型に形成されている。なお、上部柱5Bに用いる上部柱連結部材11Aについては、下部柱連結部材9Aと同じ部材であり、連結方法等も同じであるため、以下説明を省略する。また、上部柱5Bに用いる上部柱連結部材11Bについても、下部柱連結部材9Bと同じ部材であり、連結方法等も同じであるため、以下説明を省略する。なお、3本以上の下部柱5Aおよび3本以上の上部柱5Bの連結も同様の方法で可能であることはいうまでもない。
【0041】
図7に示すように、2本の下部柱5Aおよび2本の上部柱5Bのそれぞれにおいて柱間を連結することにより、縦方向および横方向において外部柱5をより強くすることができ、より深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0042】
(5)また、
図7に示すように、前記2本の下部柱5Aと前記2本の上部柱5Bが外壁材で囲まれ、前記外部柱5は前記間口方向と比べて前記バルコニー1の奥行方向に幅が広い。
【0043】
これにより、2本の下部柱5Aと前記2本の上部柱5Bが外壁材13で囲まれても、前記外部柱5は前記間口方向と比べて前記バルコニー1の奥行方向に幅が広いことにより、深い軒出を設けることができることに加えて、前記外部柱5で間口方向の開口を狭めることなく開放できるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0044】
次に、下部柱5A間の連結方法等について、具体的に説明する。
図11(a)は
図7のI−I方向の断面図である。
【0045】
図11(a)および
図12において、符号21は下部柱連結部材9Aとボルト接合するための孔21aが設けられたアングル材21であり、符号23は下部柱連結部材9Aに設けられた孔9aに挿入されるフック23aと孔23bとを設けたアングル材である。ここで、アングル材21は、予め下部柱5Aの下方で柱材5aに接合される。そして、アングル材21は、アングル材21の孔21aが設けられた凸部が下部柱連結部材9Aの下部で重なるような横幅を有する。そして、下部柱5Aは、下部柱連結部材9Aの孔9bとアングル材21の孔21aとにボルト6aが挿入され、下部柱連結部材9Aとナット6bによりボルト結合される。なお、
図11(a)に示すように、左側の柱材5aは2本の角柱が予め接合されて構成され、柱材5aの外周に凹形状の外壁材13aが予め接合されている。そして、右側の柱材5aは2本の角柱が予め接合されて構成され、柱材5aに外壁材13bを接合するための支持部材25が柱材5aに接合されている。そして、コ字状の支持部材25の外周に凹形状の外壁材13bが予め接合されている。外壁材13aと外壁材13bの間には外壁材13c、13dが設けられている。
【0046】
図11(b)は
図11(a)のII−II方向の断面図である。
図11(b)に示すように、支持部材25がエンドプレート5bの上部に設けられ、基礎17に埋め込まれたボルト6aとナット6bで下部柱5Aが基礎17にボルト接合されている。
【0047】
図11(c)は
図11(a)のIII−III方向の断面図である。
図11(c)に示すように、柱材5aの右側の角柱に穴5dが設けられている。そして。ナット6bにより基礎17に下部柱5Aの下部をボルト接合することができる。また、
図12に示すように、外壁材13cおよび13dは、アングル材23の下部の凸部により支えられる一方で、アングル材23の上部がフック13eの内側に挿入されることにより固定される。なお、外壁材13cおよび13dのいずれか一方に予めナット6bを埋め込んでおき、孔23bにボルト6aを挿入し外壁材とボルト接合するように構成してもよい。
【0048】
図13(a)および
図14において、符号21は下部柱連結部材9Bとボルト接合するための孔21aが設けられたアングル材21であり、符号27,28は下部柱連結部材9Bの上面に接合されたアングル材である。ここで、アングル材21は、予め下部柱5Aの上方で柱材5aに接合される。そして、アングル材21は、アングル材21の孔21aが設けられた凸部が下部柱連結部材9Bの下部で重なるような横幅を有する。そして、下部柱5Aは下部柱連結部材9Bの孔9bとアングル材21の孔21aとにボルト6aが挿入され、下部柱連結部材9Bとナット6bによりボルト結合される。なお、
図13(a)に示すように、左側の柱材5aは2本の角柱が予め接合されて構成され、柱材5aの外周に凹形状の外壁材13aが予め接合されている。そして、右側の柱材5aは2本の角柱が予め接合されて構成され、柱材5aに外壁材13bを接合するための支持部材25が柱材5aに接合されている。そして、コ字状の支持部材25の外周に凹形状の外壁材13bが予め接合されている。外壁材13aと外壁材13bの間には外壁材13c、13dが設けられている。
【0049】
図13(b)は
図13(a)のV−V方向の断面図である。
図13(b)に示すように、
図13(a)の右側の下部柱5Aの上方のアングル材21の上に下部柱連結部材9Bがあり、ボルト接合されている。同様に、
図13(a)の左側の下部柱5Aの上方のアングル材21の上に下部柱連結部材9Bがあり、ボルト接合されている。
【0050】
図13(c)は
図13(a)のVI−VI方向の断面図である。
図11(c)に示すように、下部柱連結部材9Bの幅方向の両端に孔27aを有するアングル材27と、孔28aを有するアングル材28とが設けられている。そして、外壁材13cに予めボルト6aを埋め込んでおき、孔27aを介して、ナット6bによりボルト接合することができる。また、外壁材13dに予めボルト6aを埋め込んでおき、孔28aを介して、ナット6bによりボルト接合することができる。なお、外壁材13cおよび13dのそれぞれに予めナット6bを埋め込んでおき、孔27a,28aを介して、ボルト6aによりボルト接合するように構成してもよい。
【0051】
(6)また、前記バルコニー1の間口方向の他端側のバルコニー床7は隣接する住宅ユニットと接合されている。そして、
図3に示すように、前記バルコニー1の間口方向の他端側は前記間口方向と交差する方向に設けられた隣接する住宅ユニットに設けられた壁面15に接している。これの構成により、前記バルコニー1の間口方向の他端側が前記間口方向と交差する方向に設けられた壁面15(
図3参照)に接し、住宅100の角に奥まったバルコニー空間を作り、深い軒出を設けることができる。そのため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0052】
(7)また、前記壁面15は、前記交差する方向において前記バルコニー1から前記軒先3aの方向へ延設されていることを特徴とする。この構成により、前記壁面15が前記バルコニー1から前記軒先3aの方向へ延設されることにより、外部空間であるバルコニー1の他端側の壁面からの軒先3aの出幅を広くすることができ、その結果として、他端側の軒先3aから延設して設けられたバルコニー1からの軒先3aへの距離を離すことができ、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現することができる。
【0053】
<製造方法>
次に、インナーバルコニーを有する住宅の製造方法について、説明する。なお、各居室等のためのユニット式建物の施工方法については、本出願人の出願(特開2009−35991号公報)等に開示されているように公知であるため、説明を省略する。
【0054】
はじめに、各住宅ユニットと外部柱5を固定するための基礎17を作成する。基礎17には、各住宅ユニットと外部柱5を固定するためのアンカーボルト等が埋め込まれている(
図10参照)。
【0055】
そして、クレーン等を用いて、1階の住宅ユニットを基礎17上に配置して、各住宅ユニット間と、各住宅ユニット間と基礎17とをボルト結合する。そして、次に2本の下部柱5Aの下部を基礎17にそれぞれ下部柱5Aのエンドプレート5bを介してボルト結合する。次に、下部柱連結部材9A,9Bのそれぞれを2本の下部柱5Aの下方および上方に配置して、下部柱5Aに接合されたアングル材21を介して、2本の下部柱5Aを互いにボルト結合する。その後、アングル材23を下部柱連結部材9Aに挿入する。その後、外壁材13cをクレーンで吊り上げ、アングル材23の下部の凸部により外壁材13cを支える一方で外壁材13cのフック13eにアングル材23の上部が挿入されるように、外壁材13cを上から静かに下して、外壁材13cの下部を固定する。次に、外壁材13cの上部を下部柱連結部材9Bのアングル材27とボルト結合する。外壁材13dも同様の手順で下部柱連結部材9A,9Bに固定する。
【0056】
次に、バルコニー床7をクレーンで吊り上げ、バルコニー床7の下部を、2本の下部柱5Aの上部のエンドプレート5bと1階住宅ユニットとの上梁にのせて、それぞれボルト結合する(
図8参照)。
【0057】
次に、クレーンを用いて、2階の住宅ユニットを1階住宅ユニット上に配置して住宅ユニット間をボルト結合する。その後、2本の上部柱5Bをバルコニー床7にそれぞれエンドプレート5bを介してボルト結合し、上部柱連結部材11A,11Bを2本の上部柱5Bの上方および下方に配置して、上部柱5Bに接合されたアングル材21を介して、2本の上部柱5Bを互いにボルト結合する。その後、アングル材23を上部柱連結部材11Aに挿入する。その後、外壁材13cをクレーンで吊り上げ、外壁材13cのフック13eにアングル材23の上部が挿入されるように、外壁材13cを上から静かに下して、外壁材13cの下部を固定する。次に、外壁材13cの上部を上部柱連結部材11Bのアングル材27とボルト結合する。外壁材13dも同様の手順で上部柱連結部材11A,11Bに固定する。
【0058】
次に、バルコニー床7上に2階天井フレームをクレーンで吊り上げ、2階天井フレームの下部を、2本の上部柱5Bの上部のエンドプレート5bと2階住宅ユニットとの上梁とをボルト結合する(
図9参照)。その後、屋根束などを用いて、屋根3を設ける。ユニット式住宅の屋根構造については、本出願人の出願(特開2003−2727号公報)等に開示されているように公知であるため、説明を省略する。
【0059】
以上説明したように、実施の形態によれば、外部柱5によりバルコニー1と屋根3とを支え、深い軒出を設けることができるため、解放感がある一方で、快適な屋外空間を実現するインナーバルコニーを有する住宅を提供することができる。