特許第5694762号(P5694762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694762
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】使い捨ての環状切除デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/326 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   A61B17/326
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2010-294171(P2010-294171)
(22)【出願日】2010年12月28日
(65)【公開番号】特開2011-147771(P2011-147771A)
(43)【公開日】2011年8月4日
【審査請求日】2013年10月25日
(31)【優先権主張番号】12/689,460
(32)【優先日】2010年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラウ コストルツェウスキー
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05163943(US,A)
【文献】 国際公開第2009/155775(WO,A1)
【文献】 特開2008−055227(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/065554(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0065336(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00−17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰茎から組織を除去する環状切除システムであって、
長手方向軸とロッキングリングとを規定するねじ切り穴を有するハウジングであって、該ロッキングリングは内部ねじ切りを有する、ハウジングと、
該ねじ切り穴を通って延びる作動機構であって、該作動機構は一連の針を有する、作動機構と、
該一連の針の各々の遠位端に除去可能に取り付けられる縫合糸と、
アンビルであって、該アンビルは、該長手方向軸と同軸で位置を定められる通路と、該内部ねじ切りに相補的であるように構成される外部ねじ切りとを有し、カラーの形状である、アンビルと、
該作動機構に接続される円形の刃を有するナイフと、
該アンビルに解放可能に取り付けられる縫合糸リテイナと
を備えている、環状切除システム。
【請求項2】
前記縫合糸および前記縫合糸リテイナは、吸収可能な生体適合材料から構成される、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項3】
前記一連の針の各々は、先細の端部と、該先細の端部を通り、前記縫合糸を受け入れ、取り外し可能に該縫合糸を保持するように構成される溝とを有する、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項4】
前記縫合糸リテイナは通路を有し、該通路は、実質的に円筒形の孔と、該円筒形の孔から放射状に外側に延び、正反対に向かい合うスロットとを規定し、
該実質的に円筒形の孔は、該孔を通って前記針のうちの1つを除去可能に受け入れるように構成され、該正反対に向かい合うスロットは該針を該縫合糸リテイナから除去している間および除去した後に該縫合糸を固定するよう構成される制限部分を有する、請求項3に記載の環状切除システム。
【請求項5】
前記作動機構の遠位端に取り付けられるカートリッジをさらに備え、該作動機構は、前記ハウジングに対して該カートリッジの長手方向の移動を可能にするように構成される、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項6】
前記アンビルは、第1の部分と第2の部分とを有し、該第1の部分および該第2の部分の各々は、一緒に取り付けられるとカラーの形状を形成する相補的部分品である、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項7】
前記アンビルの前記第1の部分はオスフィッティングを有し、該アンビルの前記第2の部分はメスフィッティングを有し、該メスフィッティングは、該オスフィッティングを受け入れ、該オスフィッティングを解放可能に保持するように構成される、請求項6に記載の環状切除システム。
【請求項8】
前記外部ねじ切りの一部分は、前記アンビルの前記第1および第2の部分の各々の近位端の周りに形成される、請求項7に記載の環状切除システム。
【請求項9】
前記アンビルは、一連のアクセス窓を有する、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記外部ねじ切りが該ハウジングの中に所定の深さを越えて貫くことを防ぐストッパを有する、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記一連の針に対して前記アンビルの適切な位置決めを確実にするためにガイド溝を有する、請求項10に記載の環状切除システム。
【請求項12】
前記ハウジングは、外部表面を有し、前記アンビルは、該ハウジングの該外部表面と密接に補完するように構成される内部表面を有する、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項13】
前記縫合糸は、リングの形状を有する、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項14】
前記一連の針は、溝を含み、該溝は、円形に整列させられる、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項15】
前記作動機構は、ジャッキングねじである、請求項1に記載の環状切除システム。
【請求項16】
前記アンビルは、切断リングをさらに備えている、請求項1に記載の環状切除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本出願は、概して環状切除の分野に関する。より詳細には、本開示は、非外傷のアプローチおよび環状切除された陰茎内に縫合糸を停留させることによる、陰茎から過剰の包皮(foreskin)または包皮(prepuce)を外科手術で除去する方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
従来の環状切除は、通常、外科医および少なくともひとりの助手から成る外科手術チームによって行われる。チームは、陰茎の亀頭を覆う過剰の包皮を切断し、包皮の切断縁を縫い合わせる。従来の環状切除手術が消費する平均手術時間はおおよそ半時間であり、この時間間隔は手術としては比較的長いと考えられる。
【0003】
従来の環状切除クランプは、外科手術中に激しい出血を引き起こすという点で別の不利益を有する。概して、ほとんどの患者は、環状切除手術中に不安を感じる。手術中患者の陰茎は、ほとんど自然に萎えた状態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(概要)
本開示は、過剰な包皮(foreskin)または包皮(prepuce)を陰茎から外科手術で除去する使い捨て環状切除デバイスに関する。使い捨て環状切除デバイスは、ハウジングと、作動機構と、アンビルとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ハウジングは、長手方向軸とロッキングリングとを規定するねじ切り穴を有する。ロッキングリングは、内部ねじ切りを有する。
【0006】
作動機構は、ねじ切り穴を通って延びるジャッキングねじを含む。
【0007】
カートリッジが、作動機構の遠位端に回転可能に取り付けられる。作動機構は、ハウジング対してカートリッジの長手方向の移動を提供することが可能である。カートリッジは、縫合糸を可動に保持する一連の針を有する。縫合糸は、一連の針の各々の遠位端に除去可能に保持される。一連の針の各々は、先細の端部と、縫合糸を受け入れ、縫合糸を分離可能に保持する先細の端部を通る溝とを有する。一連の針における溝の各々は、リングの形状で縫合糸を受け入れるために円形に整列させられる。
【0008】
ナイフが作動機構に接続される。ナイフは円形の刃を有する。
【0009】
アンビルは、長手方向軸と同軸で位置を定められる通路と、ロッキングリングの内部ねじ切りと相補的である外部ねじ切りとを有する。アンビルはカラーの形状をしている。アンビルは、一連のアクセスウィンドーと、切断リングとを有する。
【0010】
少なくとも1つの縫合糸リテイナは、アンビルに解放可能に取り付けられる。縫合糸リテイナは通路を有する。通路は、実質的に円筒形の孔と、円筒形の孔から放射状に外側に延びる2つの正反対に向かい合うスロットとを含む。実質的に円筒形の孔は、その孔を通って針のうちの1つを除去可能に受け入れる。正反対に向かい合うスロットは、針を縫合糸リテイナから除去している間および除去した後に、縫合糸リテイナ内に縫合糸を固定する制限部分を有する。
【0011】
アンビルは、第1の部分と第2の部分とを有する。第1の部分および第2の部分の各々は、一緒に取り付き、カラーの形状を形成する相補的部分品である。アンビルの第1の部分は少なくとも1つのオスフィッティングを有し、アンビルの第2の部分は少なくとも1つのメスフィッティングを有する。メスフィッティングは、オスヒッティングを受け入れ、オスヒッティングを解放可能に保持する。外部ねじ切りの一部分は、アンビルの第1および第2の部分の各々の近位端の周りに形成される。
【0012】
ハウジングは、外部ねじ切りがハウジングの中に所定の深さを越えて貫くことを防ぐストッパを有する。ハウジングは外部表面を有する。アンビルは、ハウジングの外部表面と密接に補完する内部表面を有する。ハウジングは、一連の針に対してアンビルの適切な位置決めを確実にする少なくとも1つのガイド溝を有する。
【0013】
縫合糸および縫合糸リテイナの両方とも、吸収可能な生体適合材料から構成され得る。
【0014】
全範囲の陰茎サイズをカバーするために、キットにおいて2つ以上のサイズの器具を提供することが可能である。
【0015】
使い捨て可能な環状切除デバイスの使用法もまた提供される。外科医は使い捨ての環状切除デバイスが提供される。2つのアンビルの半分は、一緒にスナップ留めされ、陰茎の上から亀頭の下に滑り下ろされる。カートリッジは、包皮がハウジングの一部の上に伸ばされている状態で、露出された亀頭の上および包皮の下に設置される。アンビルは、ここでカートリッジまで滑らされ、ねじ切りロッキングリングによって固定される。この時点で、ロッキングリングは、部分的のみに回転させられ、カートリッジを完全にクランプすることを避ける。
【0016】
過剰の包皮は、包皮の所望の張りが到達されるまで、カートリッジの上に伸ばされる。アンビルにおけるアクセスウィンドーは、包皮に容易にアクセスを可能にする。ここでカートリッジは、ロッキングリングを締め付けることによって完全にクランプされ得る。
【0017】
デバイスは、ジャッキングねじのノブを第1の方向に回すことによって発射させられる。この時点で、縫合糸を有する針は、皮膚を貫いてリテイナ中に完全に追い込まれ、ナイフは、包皮を同時に切り裂く。
【0018】
縫合糸リテイナ内に縫合糸46を設置することと、包皮の分離とが完了すると、カートリッジ43を後退させるために反対または第2の方向にノブを逆に回すことによって、針およびナイフはリテイナから除去される。デバイスは、次いでロッキングリングのねじを緩めて外し、縫合糸リテイナを陰茎に付着したまま、2つのアンビル半分を分離することによって除去される。任意の縫合糸の超過部分は切り取られ得る。
【0019】
環状切除法はまた、2つ以上のサイズで環状切除システムを提供するステップをさらに含み得る。
【0020】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、説明を参照して見られるとき本開示を例示する。
【0021】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
陰茎から組織を除去する環状切除システムであって、
長手方向軸とロッキングリングとを規定するねじ切り穴を有するハウジングであって、該ロッキングリングは内部ねじ切りを有する、ハウジングと、
該ねじ切り穴を通って延びる作動機構であって、該作動機構は一連の針を有する、作動機構と、
該一連の針の各々の遠位端に除去可能に取り付けられる縫合糸と、
アンビルであって、該アンビルは、該長手方向軸と同軸で位置を定められる通路と、該内部ねじ切りに相補的であるように構成される外部ねじ切りとを有し、カラーの形状である、アンビルと、
該作動機構に接続される円形の刃を有するナイフと、
該アンビルに解放可能に取り付けられる縫合糸リテイナと
を備えている、環状切除システム。
(項目2)
上記縫合糸および上記縫合糸リテイナは、吸収可能な生体適合材料から構成される、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目3)
上記一連の針の各々は、先細の端部と、該先細の端部を通り、上記縫合糸を受け入れ、取り外し可能に該縫合糸を保持するように構成される溝とを有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目4)
上記縫合糸リテイナは通路を有し、該通路は、実質的に円筒形の孔と、該円筒形の孔から放射状に延び、正反対に向かい合うスロットとを規定し、
該実質的に円筒形の孔は、該孔を通って上記針のうちの1つを除去可能に受け入れるように構成され、該正反対に向かい合うスロットは該針を該縫合糸リテイナから除去している間および除去した後に該縫合糸を固定するよう構成される制限部分を有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目5)
上記作動機構の遠位端に取り付けられるカートリッジをさらに備え、該作動機構は、上記ハウジングに対して該カートリッジの長手方向の移動を可能にするように構成される、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目6)
上記アンビルは、第1の部分と第2の部分とを有し、該第1の部分および該第2の部分の各々は、一緒に取り付けられるとカラーの形状を形成する相補的部分品である、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目7)
上記アンビルの上記第1の部分はオスフィッティングを有し、該アンビルの上記第2の部分はメスフィッティングを有し、該メスフィッティングは、該オスヒッティングを受け入れ、該オスヒッティングを解放可能に保持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目8)
上記外部ねじ切りの一部分は、上記アンビルの上記第1および第2の部分の各々の近位端の周りに形成される、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目9)
上記アンビルは、一連のアクセス窓を有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目10)
上記ハウジングは、上記外部ねじ切りが該ハウジングの中に所定の深さを越えて貫くことを防ぐストッパを有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目11)
上記ハウジングは、上記一連の針に対して上記アンビルの適切な位置決めを確実にするためにガイド溝を有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目12)
上記ハウジングは、外部表面を有し、上記アンビルは、該ハウジングの該外部表面と密接に補完するように構成される内部表面を有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目13)
上記縫合糸は、リングの形状を有する、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目14)
上記溝は、円形に整列させられる、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目15)
上記作動機構は、ジャッキングねじである、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目16)
上記アンビルは、切断リングをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の環状切除システム。
(項目17)
組織を除去するために陰茎を環状切除する方法であって、
環状切除するシステムを提供するステップであって、該システムは、
ハウジングと、
該ハウジングを通って延びる作動機構と、
該ハウジングに除去可能に取り付けられるように構成されるアンビルと、
該作動機構に除去可能に取り付けられる縫合糸と、
該アンビルに除去可能に取り付けられる縫合糸リテイナと
を含む、ステップと、
該陰茎の上に該陰茎の亀頭より下の位置に該アンビルを滑らすステップと、
該ハウジングに該アンビルを固定するステップと、
該ハウジングの遠位部分の上に該組織を伸ばすステップと、
該作動機構を遠位位置に完全に延ばすことによって、該環状切除システムを発射するステップと、
該陰茎から該環状切除システムを除去するステップと
を包含する、方法。
(項目18)
該アンビルは、少なくとも2つの部分品で提供される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記少なくとも2つの部分品は、単一のアンビルユニットに組み立てられるステップをさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記作動機構を近位位置に戻すステップをさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
2つ以上のサイズで上記環状切除システムを提供するステップをさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0022】
(摘要)
過剰な包皮を陰茎から除去する環状切除システムは、開示され、ハウジングと、作動機構と、アンビルとを含む。ハウジングは、長手方向軸と、ロッキングリングとを規定するねじ切り穴を有する。ロッキングリングは、内部ねじきりを有する。作動機構はねじ切り穴を通って延び、一連の針を有する。縫合糸は、一連の針の各々の遠位端に除去可能に取り付けられる。一連の針の各々は、先細の端部と、先細の端部を通って縫合糸を受け入れ分離可能に保持するように構成される溝とを有する。ナイフは、作動機構に接続される。ナイフは円形の刃を有する。アンビルは、長手方向軸と同軸で位置を定められる通路と、内部ねじ切りと相補的であるように構成される外部ねじ切りとを有する。アンビルはカラーの形状をしている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の原理に従う使い捨ての環状切除デバイスの斜視図であり、ハウジングと、作動機構と、アンビルとを例示する。
図2図2は、図1のデバイスの斜視図であり、アンビルの2つの部分を例示する。
図3図3は、部品が分離された状態における、図1および図2のデバイスの分解組立斜視図である。
図4図4は、図3の指示された領域においてとられた、図1のデバイスの針ガイド、針、および縫合糸の拡大斜視図である。
図5図5は、針および縫合糸の分解組立斜視図である。
図6図6は、縫合糸リテイナの平面図である。
図7図7は、図3の指示された領域においてとられた、図1のデバイスのアンビルおよび縫合糸リテイナの拡大斜視図である。
図8図8は、図6の断面線8−8に沿ってとられた縫合糸リテイナの側断面図である。
図9図9は、図1の断面線9−9に沿ってとられた、図1のデバイスの側断面図である。
図10図10は、陰茎の上に組み立てられているアンビルの2つの部分の斜視図である。
図11図11は、陰茎の上に配置されたカラーの形状のアンビルの斜視図である。
図12図12は、ハウジングの遠位の本体部分の上に近位に延びる包皮を例示する破断図である。
図13図13は、図12の断面線13−13に沿ってとられた、ハウジングの遠位の本体部分の上に近位に延びる包皮を例示する部分側断面図である。
図14図14は、デバイスの発射および陰茎からの包皮の分離を例示する部分側断面図である。
図15図15は、図14の指示された領域においてとられた、図1のデバイスの前進した位置における針およびナイフを例示する部分側断面図である。
図16図16は、図15の断面線16−16に沿ってとられた、図1の組織内に配置された針および縫合糸の断面図である。
図17図17は、アンビルの部分の互いの分離およびハウジングからの分離を例示する斜視図である。
図18図18は、図17の指示された領域においてとられた、図1のデバイスの組織内において縫合糸リテイナによって抑えられている縫合糸を例示する側部分破断図である。
図19図19は、本開示の別の実施形態の原理に従うデバイスのキットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の他の特徴は、添付の図面に関連して理解されると、以下の詳細な説明から明らかとなり、添付の図面は、例として本開示の原理を示す。
【0025】
(実施形態の詳細な説明)
ここで開示される使い捨ての環状切除デバイスおよび使用法の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において同様の参照数字は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。本明細書において用いられる場合、用語「遠位」は、ユーザからより遠くに離れている、環状切除デバイスの部分または環状切除デバイスの構成要素をいい、一方、用語「近位」は、ユーザにより近い、環状切除デバイスの部分または環状切除デバイスの構成要素をいう。
【0026】
ここで図面を参照すると、図面において同様の参照数字は、いくつかの図の全体を通して主題のデバイスと同一または類似の構造要素を識別し、参照数字10によって全体的に示される使い捨ての環状切除デバイスが、図1に例示される。使い捨ての環状切除デバイスは、ハウジング20と、作動機構40と、カートリッジ43と、アンビル60とを含む。
【0027】
ここで図2図3、および図9を参照すると、ハウジング20は、本体21とロッキングリング22とを含む。本体21は、長手方向軸「x」−「x」を規定するねじ切り穴24を有する。本体21は、円筒形の形状であり、保持フランジ28と、保持フランジ28から外側に放射状に延びる支持フランジ31とを有する。凹部29は、保持フランジ28を支持フランジ31から分離する。
【0028】
図3に示されるように、本体21は、外部表面23を有し、外部表面23は、ロッキングリング22から放射状に内側にあり、ロッキングリング22を越えて遠位に延びる。外部表面23は、外側周囲の周りに一連の外部ガイド溝33を有する。ロッキングリング22は、保持フランジ28または支持フランジ31のいずれかの外径より小さい内径を有する。
【0029】
ロッキングリング22の内径は、凹部29の外径より大きい。その結果、ロッキングリング22は、ハウジング20の本体21に回転可能に固定される。リッキングリング22は、本体21の中に圧入され得る。ロッキングリング22は、本体21の外部表面23から放射状に外側に位置を定められる内部ねじ切り25を有する。
【0030】
ここで図9を参照すると、作動機構40は、ジャッキングねじ41の近位端50に固定されるノブ49を含む。ジャッキングねじ41は、本体21にあるねじ切り穴24を通って延びる。ジャッキングねじ41は、ハウジング20のねじ切り穴24に対して相補的なねじ切り56を有する。ステム54は、ジャッキングねじ41から遠位に延びる。バルブ(bulb)55は、ステム54の遠位端の周りに位置を定められる。
【0031】
引続き図3および図9を参照すると、カートリッジ43は、ハウジング20の本体21内に配置される。本体21は、カートリッジ43上の一連の内部ガイド突出部57を補完する一連の内部ガイド溝34を有する。内部ガイド溝34と内部ガイド突出部57との組み合わせは、一緒に働き、ハウジング20に対して所定の整列位置にカートリッジ43を保つ。
【0032】
カートリッジ43は、保持リング30によってジャッキングねじ41の遠位端42に回転可能に取り付けられる。保持リング30は、ステム54から放射状に外側に、そしてバルブ55から近位に位置を定められる。保持リング30は、ステム54の周りに適合するような大きさで作られるが、バルブ55は、保持リング30を通過するには大き過ぎる。
【0033】
カートリッジ43は、キャップ44と、一連の針45と、1本の縫合糸材料39と、ナイフ47とを含む。キャップ44は、穴73と保持凹部74とを有する。穴73は、保持リング30より小さい大きさで作られる。保持凹部74は、保持凹部74に保持リング30を受け入れる大きさで作られる。保持リング30は、穴73の中に圧入されるので放射状に圧縮され、保持凹部74内において拡張する。その結果、保持リング30は、保持凹部74内に保持され、穴73内においてバルブ55を捕捉する。
【0034】
ジャッキングねじ41は、ハウジング20に対して長手方向軸「x」−「x」に沿ってカートリッジ43が遠位へ移動することを可能にするように構成される。カートリッジ43は、ノブ49を回すことによって両方の方向に駆動される。ノブ49が第1の方向「a」に回されると、カートリッジ43は、アンビル60の方に遠位に前進させられる。前進するカートリッジ43は、同時に、キャップ44と、一連の針45と、縫合糸材料39と、ナイフ47とを前進させる。
【0035】
本出願と同日に出願され、その内容全体が本明細書に援用される、名称が「SUTURE AND RETAINER ASSENBLY AND SULU」である同時係属中の出願(代理人整理番号H−US−01884(203−6640))は、本明細書において説明される1つ以上の本開示の実施形態を含むように構成され得る。
【0036】
一連の針45は、キャップ44の内部から遠位に延び、長手方向軸「x」−「x」の周囲に配置される。ここで図5を参照すると、針45の各々は、先細の近位端51と、先細の近位端51を横断する溝52とを有し、溝52は、溝52に縫合糸材料39の一部分を受容し、除去可能に保持する。針45は、各針45における溝52が隣接して位置を定められる少なくとも1つの他の針45の溝52に整列するように配置される。
【0037】
縫合糸材料39は、複数の個々の部分または縫合糸46を有する。縫合糸46は、互いの方に移行し、各針45間にループを形成する。
【0038】
針ガイド26は、本体21内に配置され得、前進中、針45を安定させ得る。第2の方向「b」にノブ49を回すことは、カートリッジ43を近位に戻し、キャップ44と、一連の針45と、ナイフ47とを後退させる。ナイフ47は、長手方向軸「x」−「x」の周りに同軸で位置を定められる円形の刃48を有する。
【0039】
アンビル60は、カラー61の形状をしており、長手方向軸「x」−「x」に沿って同軸で位置を定められる長手方向通路62を有する。
【0040】
アンビル60は、第1の部分65と第2の部分66とを有する。第1の部分65および第2の部分66は、カラー61の相補的部分品を形成する。第1の部分65および第2の部分66は、2つの同一のC形状の部品であり得る。アンビル60の第1の部分65は少なくとも1つのオスフィッティング67を有し、アンビル60の第2の部分66は少なくとも1つのメスフィッティング68を有する。メスフィッティング68は、オスフィッティング67を受け入れ、解放可能に保持する。オスフィッティング67およびメスフィッティング68は、スナップ留め特徴を提供し得、スナップ留め特徴は、干渉フィットを提供し、組み立て時、第1の部分65および第2の部分66を一時的に一緒に保ち、単一の丸いアンビル60を形成する。外部ねじ切り63は、アンビル60の第1の部分65および第2の部分66の各々の遠位端の周りに形成される。ロッキングリング22は、アンビル60の第1の部分65および第2の部分66を一緒にハウジング20に固定する。
【0041】
ここで図6図8を参照すると、アンビル60の各部分は、部分が組み合わされたとき切断リング70を形成する平らな円形部分を有する。切断リング70に近位に、アンビル60は、陰茎の上にデバイス10を組み立て中、包皮にアクセスするための一連のアクセスウィンドー71を有する。一連の縫合糸リテイナ75は、アンビル60における一連の凹部77内に解放可能に保持される。一連の縫合糸リテイナ75は、長手方向通路62の周囲に配置される。
【0042】
ここで図6および図8を参照すると、各リテイナ75は、本体82を通るアパーチャ76を規定する本体82を含む。アパーチャ76の形状は、中央通路81によって規定され、中央通路81は、長手方向軸「y」と、中央通路81から放射状に外側に延びる一対の正反対に向かい合うスロット78を規定する。アパーチャ76は、本体82において実質的に円形中心によって規定される断面がΘ形状の穴と、中心から放射状に外側に延びる向かい合う2つの向かい合う長方形とを形成する。中心通路81は、実質的に一定の円筒形の形状を有し、その円筒形の形状は、円筒形の形状を通って針45の通過を可能にするような大きさで作られる。各中央通路81はアンビル60において穴79と整列させられ、穴79は穴79に針45のうちの1つを解放可能に受け入れる。
【0043】
ねじれた通路部分80は、スロット78から延びる2つの突出部83a、83bによって規定される。各突出部83a、83bは、スロット78の側壁のうちの1つから延びる。2つの突出部83a、83bの各々は、近位表面84と、遠位表面85と、頂点86とを有する。近位表面84は、長手方向軸「y」と交差する遠位表面85によって形成される角度より大きい角度を長手方向軸「y」に対して形成する。その結果、遠位表面85の面積は、近位表面84の面積より大きい。ねじれた通路部分80は、第1の方向「c」に縫合糸46の部分の通過を可能にし、第2の方向「d」に縫合糸46の部分の通過を妨げる。
【0044】
外部ねじ切り63は、アンビル60の周りに位置を定められ、ロッキングリング22の内部ねじ切り25に相補的である。アンビル60は、ハウジング20の外部表面23に相補的であるように構成される内部表面64を有する。アンビル60の第1の部分65および第2の部分66上の外部ガイディング突出部69は、本体21の外部表面23上の外部ガイド溝33と整列し、針45と対応する縫合糸リテイナ75との適切な整列を確実にする。ハウジング20は、外部ねじ切り63がハウジング20の中に所定の深さを越えて貫通することを防ぐ停止部27を有する。
【0045】
縫合糸46および縫合糸リテイナ75の両方は、吸収可能な生体適合性材料から構成され得る。
【0046】
ここで図10図12を参照すると、余分な包皮(foreskin)または包皮(prepuce)を陰茎から除去する、陰茎を環状切除する使い捨て環状切除デバイスの使用法が提供される。外科医は、使い捨て環状切除デバイスが提供される。アンビル60の第1の部分65および第2の部分66は、一緒にスナップ留めされ、陰茎の上から亀頭の下に滑り下ろされる。ハウジング20は、包皮がハウジングの一部の上に配置されている状態で、露出された亀頭の上および包皮の下に設置される。アンビル60は、ここでカートリッジ43まで滑らされ、ねじ切りロッキングリング22によって固定される。この時点で、ロッキングリング22は、部分的のみに回転させられ、カートリッジ43を完全にクランプすることを避ける。
【0047】
ここで図13を参照すると、過剰の包皮は、包皮の張りが到達されるまで、カートリッジ43の上に完全に伸ばされる。アンビル60におけるアクセスウィンドー71は、包皮に容易にアクセスを可能にする。ここでカートリッジ43は、ロッキングリング22を締め付けることによって完全にクランプされ得る。
【0048】
ここで図14図16を参照すると、デバイスは、第1の方向「a」に端部の最後までノブ49を回すことによって発射させられる。カートリッジ43が遠位に配置されているとき、ナイフ47が陰茎から包皮を切り裂くと、縫合糸46を有する針45は、皮膚を貫いてリテイナ75の中に完全に追い込まれる。その結果、陰茎は、同時に、縫合され、環状切除される。
【0049】
ここで図17を参照すると、縫合糸リテイナ75内に縫合糸46を設置することと、包皮の分離とが完了すると、カートリッジ43を後退させるために反対または第2の方向「b」にノブ49を回すことによって、針45およびナイフ47はリテイナ75から除去される。次いでデバイスは、ロッキングリング22のねじを緩めて外し、陰茎の周りに縫合糸リテイナ75内に縫合糸46を残したまま、2つのアンビル部分65、66を分離することによって除去される。任意の縫合糸46の超過部分は次いで切り取られ得る。
【0050】
ここで図18を参照すると、縫合糸46は、縫合糸リテイナ75内に固定され、力「F」を加えることによって組織を一緒にして保持する。
【0051】
ここで図19を参照すると、環状切除法は、また2つ以上のサイズで環状切除システム5を提供するステップも含み得る。キット100は、小型環状切除システム10と、中型環状切除システム110と、大型環状切除システム210とを含み得る。
上記の様々な図面からそしてそれらの図面を参照して、当業者は、特定の修正がまた本開示の範囲から逸脱することなく本開示に対してなされ得ることを理解する。本開示のいくつかの実施形態が、図面に示されたが、本開示がそれらの実施形態に限定されることは意図されないで、開示は技術が許容される限りできるだけ広くあるべきこと、および明細書は同様に読まれるべきことが意図される。従って、上記の説明は、限定することとしてではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲および精神内における他の修正を想定する。
【符号の説明】
【0052】
10 使い捨て環状切除デバイス
20 ハウジング
21 本体
22 ロッキングリング
23 外部表面
24 ねじ切り穴
28 保持フランジ
31 支持フランジ
40 作動機構
43 カートリッジ
60 アンビル
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