(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694781
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】りんご、柑橘類、核果、及び同様の物体の摘み取り及び予備処理を改善する移動システム
(51)【国際特許分類】
A01D 46/24 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
A01D46/24 B
A01D46/24 D
A01D46/24 Z
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-546935(P2010-546935)
(86)(22)【出願日】2009年2月13日
(65)【公表番号】特表2011-511648(P2011-511648A)
(43)【公表日】2011年4月14日
(86)【国際出願番号】US2009034132
(87)【国際公開番号】WO2009103008
(87)【国際公開日】20090820
【審査請求日】2012年2月7日
(31)【優先権主張番号】61/095,788
(32)【優先日】2008年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/028,351
(32)【優先日】2008年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509268381
【氏名又は名称】ピッカー・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】PICKER TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利
(74)【代理人】
【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ヴィンセント・イー・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ヴィンセント・イー・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】カンズラー、アレックス・イー
(72)【発明者】
【氏名】アラード、ランディー
(72)【発明者】
【氏名】フィナッゾ、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ボンマリート、マーク
(72)【発明者】
【氏名】クレヴェリンガ、ジェフリー・エイ
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03910439(US,A)
【文献】
特開平06−237629(JP,A)
【文献】
特開平11−090350(JP,A)
【文献】
実開昭48−103548(JP,U)
【文献】
実開昭49−016450(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 46/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシプラットフォームを有する移動シャシと、
該移動シャシの前部に取り付けられ、摘み取られた物体を輸送する少なくとも1つの管を有する気送管輸送手段と、
前記気送管輸送手段から物体を受け取る物体減速器手段であって、摘み取られた物体を受け取る水浴を有する物体減速器手段と、
前記物体減速器手段の後方で前記シャシプラットフォームに取り付けられ、前記物体減速器手段からの物体を所定の進行経路に沿って輸送する第1のコンベヤ手段であって、前端及び後端を有する第1のコンベヤ手段と、
該第1のコンベヤ手段の前記前端よりも後方で前記シャシプラットフォームに取り付けられ、前記第1のコンベヤ手段が通過し、該第1のコンベヤ手段によって輸送される物体の表面を走査する走査手段と、
前記第1のコンベヤ手段が通過するように前記走査手段よりも後方で前記シャシプラットフォームに取り付けられ、選択された物体を前記所定の進行経路から転向させる転向手段と
を組み合わせて備える移動摘み取りシステム。
【請求項2】
前記走査手段は、輸送される物体の表面の画像に基づいて該物体を評価する、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項3】
転向された物体を受け取るホッパをさらに含む、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項4】
前記ホッパは、該ホッパから収納ビンへ物体を送る機構を含む、請求項3に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項5】
前記第1のコンベヤ手段から物体を受け取り、該受け取った物体を所定の送達点へ輸送するダウンローダコンベヤをさらに備え、該ダウンローダコンベヤは、前記転向手段よりも後方で前記移動シャシに取り付けられ、前記第1のコンベヤ手段と連通する、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項6】
複数のダウンローダコンベヤを含む、請求項5に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項7】
ビンに係合して該ビンを前記移動シャシに対して再位置決めするビン取り扱い手段を含む、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項8】
前記ビン取り扱い手段は、ホッパに対して所定の場所に前記ビンを位置決めする手段を含む、請求項7に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項9】
前記ビン取り扱い手段は、少なくとも1つのダウンローダコンベヤに対して所定の場所に前記ビンを位置決めする手段を含む、請求項7に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項10】
前記移動シャシはサイドレールを備え、該サイドレールは、ビン輸送手段及び物体収納ビンを収容するのに十分な高さに前記プラットフォームを取り付けて、前記サイドレール間及び前記プラットフォームの下方で輸送する、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【請求項11】
前記移動シャシは、物体の摘み取り、輸送、減速、搬送、走査、及び送達を補助する1つ又は複数のサブシステムを少なくとも一時的に取り付けるようになっている、請求項1に記載の移動摘み取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、りんご、柑橘類、核果、及び同様の物体の摘み取り及び予備処理を改善する移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本特許出願は、いずれも参照により本明細書に援用される、「りんご、柑橘類、核果、及び同様の物体の摘み取り及び予備処理を改善する移動システム」と題する2008年2月13日付けで出願された、ヴィンセント E.ブライアン,Jr.らによる米国仮特許出願第61/028,351号と、「柑橘類及び同種の収穫システム」と題する2008年9月10日付けで出願された、ヴィンセント E.ブライアン,Jr.らによる米国仮特許出願第61/095,788号とに基づく優先権を主張する。
【0003】
現在、果実産業、より詳細にはりんご産業では、果実は伝統的に手摘みされている。摘み取り作業者は、選択した果実を注意深く摘み取り、摘み取り作業者の肩に掛けられて胸部及び腹部の上から鼠径部まで下方に延びるりんご袋に摘み取られた果実を入れる。続いて摘み取り作業者は、後で包装又は加工工場へ輸送するために大きいビン内に袋詰めした果実を丁寧に放出する。この手法では、摘み取り作業者が、視覚的に識別可能な色、サイズ、及び品質の基準を利用することによって、「樹上」で所望の果実の選択を行う。
【0004】
上手な摘み取り作業者は、樹上で後年結実する芽を完全な状態で維持するために、果実の果梗を無傷に保ったまま樹木から果実を取り外す。場合によっては、摘み取り作業は、硬すぎる又は長すぎる果梗を挟み切ることと、打撲を防止するために摘み取り用袋に果実を丁寧に入れることと、トラック輸送により適しているより大きいサイズの容器へ果実を移送及び搬入することとに対処しなければならない。高い枝に位置している果実に対しては、摘み取り作業者は、果実に届くように足場上の梯子又はスタンドに登ることが必要であるかもしれない。果実ビンは、通常、摘み取り作業者の袋から移されるりんごを最短歩行距離内で充填できるような間隔で樹列間の列に置かれる。続いてビンは、トラクタによって牽引されるりんごトレーラによって取り上げられ、フォークリフトで平床トラックに載せるのを待つ共通の待機現場へ運ばれる。
【0005】
この果実摘み取りプロセスは、摘み取り作業者の時間のうち実際の果実の摘み取りが約30%を占め、残りの70%の時間は、必要に応じて果梗を挟み切った後に果実を袋又はビンに丁寧に入れ、梯子を上り下りし、果実を運搬しながら場所を移動し、続いて手荒な取り扱いによって果実に傷又は打撲を与えないように特に注意しながら回収ビンまで歩いて摘み取り作業者の袋一杯のりんごを回収ビン内に注意深く放出することである。摘み取り作業者の袋の荷重は、18kg(40ポンド)以上になるため、摘み取り作業者の疲労及び効率の低下につながり得る。
【0006】
果実収穫の季節性により、果実摘み取り作業者は、多くの場合は他国からの出稼ぎ労働者であることが多い。ますます厳しくなりつつある移民政策の結果として、収穫期に果実を摘み取るのに十分な人数の摘み取り作業者が確保できない場合がある。果実手摘みプロセスは時間がかかるため、果実が適熟の時点に達したときに多数の摘み取り作業者が必要となる。果実が手摘みされる場合には個別生産性が低いため、摘み取り作業者個人の賃金も低いままである。これはさらに、平均以下の賃金労働者の人口の拡大につながる。
【0007】
したがって、手摘みプロセスの利点、すなわち、摘み取るべき果実の選択性、全移動及び包装段階で打撲を防止するための丁寧さを維持しつつ、個々の摘み取り作業者の生産性を高める機械化されたシステムを提供することが、本発明の目的である。
【0008】
この機械化されたシステムを移動形態で提供することが、本発明の別の目的である。
【0009】
打撲した、又は寄生された、又はその他許容不可能な果実若しくは同様の物体から成るいわゆる不合格品を識別して転向する任意の機械化されたシステムを提供することが、さらに別の目的である。
【0010】
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を読み図面を参照すれば明らかとなるであろう。図面を通して、同様の参照符号は同様の部分を示す。
【発明の概要】
【0011】
りんご、柑橘類、核果等の摘み取り及び予備処理を改善する移動システムが、開示及び特許請求される。このシステムは、摘み取りステーション、気送管輸送サブシステム、任意選択的な物体走査サブシステム、任意選択的な不合格品転向サブシステム、任意選択的なラベリングサブシステム、及び不合格ではない物体を収納ビンに比較的丁寧に入れるサブシステムが取り付けられ得る移動シャシを備える。このシステムは、転向された物体を収納ビンに入れるサブシステムも含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明を具現する移動摘み取りシステムの、実施形態の前面及び側面を示す等角図である。
【
図2】
図1に示す移動摘み取りシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を好ましい実施形態及び手順に関連して説明するが、この実施形態又は手順に本発明を限定する意図はないことを理解されたい。逆に、本発明の趣旨及び範囲内に含まれ得るものとして、全ての代替形態、変更形態、及び等価物を包含することが意図される。
【0014】
図1及び
図2を参照すると、りんご、柑橘類、核果等の摘み取り及び予備処理のための新規の移動収穫システム20が示されている。適当に変更した形態のこのシステムを用いて、トマト、いちご、ぶどう、及び他の別個の作物を収穫することもできる。この説明のために、りんごの摘み取り及び取り扱いを例として説明する。図示されたシステムは、公知の設計の履帯駆動・操舵サブシステム24が設けられ得るシャシ22を備えている。公知の設計の内燃機関又は他のパワーサブシステム等の原動機(図示せず)を用いて、移動収穫システム20の駆動・操舵サブシステム24及び他の構成要素に動力供給することができる。
【0015】
摘み取り作業者ステーション26が、車両シャシ22の前部に設けられている。これらの摘み取り作業者ステーション26は、人間の摘み取り作業者によってりんご、柑橘類、核果、又は同様の物体が摘み取られるりんごの樹木又は他の樹木若しくは植物に近接した好都合な位置に摘み取り労働者を位置決めするために、公知の油圧又は他の機構によって鉛直方向に伸縮するか、水平方向に伸縮するか、回転するか、又は他の形で移動することができる。
【0016】
参照により本明細書に援用される「核果及び同様の物体の輸送システム」と題する2008年3月25日付けで出願された、ヴィンセント E.ブライアン,Jr.らによる米国特許出願第12/055,209号に記載されている種類の、可撓性又は半剛性の空気輸送管27を、その遠位端が摘み取り作業者ステーション26に取り付けられるように配置することができ、あるいは、摘み取り作業者の首又は胴部から吊り下げることができる。任意の公知の種類の吸入漏斗を、摘み取り作業者の胸部又は胴部の周りに吊り下げることができる。これらの構成により、摘み取り作業者が迅速に果実を検査し、所望の果実を摘み取り、且つ摘み取った果実を管内に落とすことが可能になる。したがって、摘み取り作業者の生産性が劇的に増すことで、摘み取り作業者の賃金が増し、果樹園の生産量、生産品質、及び生産速度が増すようになる。果樹園の利益を増加させることができる。
【0017】
房ぶどう、トマト、いちご、又は他の食べ物のような非対称の物体又は物体群は、参照により本明細書に援用される「ぶどうの房のような非常に非対称な物体を気送管を介して輸送する装置及び方法」と題する2008年7月31日付で出願された、ヴィンセント E.ブライアン,Jr.らによる米国仮出願第61/085,271号に開示されているように、柔軟な袋に入れることによって輸送することができる。
【0018】
空気輸送管27を通して輸送された果実又は果実が充填された袋は、大幅に減速されて、1つ又は複数の水浴又は他の減速装置28内に回収される。そのような装置の1つが、いずれも参照により本明細書に援用される、「多区画減速器タンク」と題する2009年1月22日付けで出願された、ランディー アラードらによる米国仮出願第61/146,468号と、「減速器タンク及び抽出コンベヤ」と題する2009年1月20日付けで出願された、ヴィンセント E.ブライアン,Jr.博士らによる米国仮出願第61/145,899号とに開示及び特許請求されている。回収された果実は、続いて前述の米国仮出願第61/145,899号に記載及び特許請求されているもののような抜き取りコンベヤ29によって抜き取られる。
【0019】
個々の果実は、公知の設計のクロスコンベヤ30によって、高速デジタルカメラ35をそれぞれが含む1つ又は複数の公知の設計の走査ステーション32を通過して搬送することができる。果実が高速デジタルカメラ35を通過するとき、高速デジタルカメラ35が果実表面のあらゆる面の画像を見て記録するように果実を回転させることができる。適当なソフトウェアが、カメラ画像を解析し、虫食い穴、傷、しみ、又は他の規格外のような欠陥を検出することができる。続いてソフトウェアは、規格外果実にフラグを付ける。後続すなわち下流の転向ステーション37において、不合格品と呼ばれる規格外果実は、既知の転向機構によって、不合格品保持ビン40の上又は中に位置付けられているホッパ39の方に転向される。公知の転向機構は、能動除去装置、機械スイッチ若しくはアーム、又は他の機構を備えることができる。クロスコンベヤ30に隣接して選別要員を配置することによって、手作業での不合格品の識別及び転向を採用することもできる。
【0020】
不合格品をソース、ジュース、及び他の加工製品に用いることができるように、機械によって引き起こされる不合格果実の損傷を最小限に抑えるべきである。このために、不合格物体は、参照により本明細書に援用される「りんご及び同様の物体を取り扱うホッパ及びビンシステム」と題する2009年1月23日付けで出願された、ランディー アラードによる米国仮出願第61/146,775号に記載及び特許請求されている種類のホッパ及びビンシステムによって取り扱うことができる。概して、不合格果実はホッパ39内に回収され、ホッパ39は、その下にある不合格品保持ビン40内に果実を丁寧に下ろすことができる。
【0021】
状態のよい不合格ではないりんごは、任意選択的なラベリングシステム55を通過して導くことができる。このラベリングシステム55は、コンベヤ50に沿って進むりんごの群、さらには個々のりんごさえも一意に識別することができる。このラベリングにより、果樹栽培者及び下流の取扱業者及び供給業者が、りんごの産地、摘み取られた時間及び場所、並びに他の有用且つ有益な情報を知ることが可能になる。
【0022】
状態のよい不合格ではないりんごは、クロスコンベヤ30から1つ又は複数のダウンローダコンベヤ60に送られる。これらのダウンローダコンベヤ60は、果実又は物体を収納ビン80に丁寧に送る。これらのダウンローダコンベヤは、参照により本明細書に援用される「りんご及び同様の物体のダウンローダコンベヤ」と題する2009年2月11日付けで出願された、ランディー アラードらによる米国仮特許出願第61/151,746号に記載及び特許請求されている。
【0023】
果樹園における通常の収穫手順では、収納ビンを樹列間に予め配置しておく。これらのビンは、比較的大きく重いため、収穫の開始前にフォークリフトトラック、フォークリフトを備えるトラクタ又は同様の公知の機器によって通常は配置されることになる。ビンは、充填されると408kg(900ポンド)以上の収穫果実を保持することができる。
【0024】
図1及び
図2に示唆されるように、車両シャシ22のサイドレール90は、水平方向に十分に離れて設置され、上側プラットフォーム100は、標準寸法のりんご収納ビンを収容するのに十分なほど高く設置されるため、車両20は、ビンに接近し、ビンを取り上げ、ビンを跨ぎ、不合格品システムからりんごを受け取るために、車両シャシに対して所定の場所に不合格品保持ビン40を位置決めして保持することができる。代替的に、移動収穫システムは、跨いだビンを移動収穫システムの後部に移動させて、収納ビン80が充填されるまでダウンローダコンベヤの下方でダウンローダコンベヤからりんごの流れを受け取る位置にビンを位置付けることができる。続いて車両20は、充填されたビンを前進移動している車両20の後方に解放するか又は降ろす。
【0025】
不合格品保持ビン40及び収納ビン80の外観及び物理的態様が同一であることを理解されたい。3つ、4つ、又はそれ以上の数の連続した収納ビン80に、状態のよい、すなわち不合格ではないりんごが充填され得る。しかしながら、不合格品回収ビンとして用いられることになる不合格品保持ビン40が充填されると、これは、ビントラック85上の隣接する空の収納ビン80間の位置まで下げられ、続いてその不合格品が充填された不合格品保持ビン40が移動収穫システム20の後方に降ろされる。このように、全ての不合格りんごが単一の不合格品保持ビン40内に回収される。不合格品保持ビン40が移動収穫システムの後方に降ろされると、不合格品保持ビン40をフォークリフトトラック又は他の機構によって取り上げて、不合格りんごを有益に利用できるりんごソース製造業者のような企業に配達することができる。
【0026】
本発明による車両20の中及び上でのこれらのビンの取り扱い活動を効率的且つ安価に行うために、前方に延びるピックアップフォーク112上に1組のチェーンコンベヤ110が設けられている。これらのビン移動チェーン110は、不合格品保持ビン40及び収納ビン80の底部に係合し、サイドレール90及び上側プラットフォーム100によって形成された車両トンネル空間にビンを引き込む。車両シャシに取り付けられたチェーンコンベヤ114が、ビンをピックアップフォーク112から第1のアップロード位置に引き込み、第1のアップロード位置において、選択されたビンを、チェーンコンベヤ114から
図1及び
図2の不合格品保持ビン40によって示唆されているような不合格品回収位置に持ち上げることができる。これを行うために、第1のビンホイスト機構115を、サイドレール90に設けることができる。
【0027】
不合格品回収位置に位置決めされる必要のないビンは、チェーンコンベヤ114によって後方に運ばれてダウンローダコンベヤ60の下方に位置付けられる。空の収納ビン80は、第2のホイスト手段117によって比較的高い位置まで上方に引き上げることができるため、ダウンローダコンベヤ60におけるりんご又は他の物体が収納ビン80内に自由に落下するのではなく、上述のようにビン内に丁寧に置かれるようになる。収納ビン80の水平移動が、ホイスト機構117にある適当な機器によって、又はその下にあるビントラック85によって行われ得るため、概ね完全に連続して水平方向に配置されたりんご又は他の物体の層が、収納ビン80内に丁寧に置かれる。
【0028】
充填された不合格品保持ビン40又は収納ビン80が移動収穫システムの後部に達すると、後フォーク120上のチェーンドライブ118が、充填されたビンを地面に静かに降ろす。充填されたビンは、上述のようなフォークリフトトラック又は他の装置によって回収されるまで荷降ろし位置に留まる。
【0029】
本発明は、所望に応じて空気輸送管25、クロスコンベヤ32、ダウンローダコンベヤ50、落下管60、及び他の機構を、車両シャシ22から取り外すことができることを意図する。車両20をあらゆる種類の果樹園事業で年間を通して用いることができるように、噴霧機器、剪定機器、及び他の公知の装置を車両シャシ22に一時的に取り付けることができる。