特許第5694801号(P5694801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5694801冷却ミラーシステム用ストレス分断装置及びストレス分断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694801
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】冷却ミラーシステム用ストレス分断装置及びストレス分断方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150312BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20150312BHJP
   G02B 7/18 20060101ALI20150312BHJP
   G02B 7/192 20060101ALI20150312BHJP
   G02B 7/195 20060101ALI20150312BHJP
   G02B 7/198 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H01L21/30 531A
   H01L21/30 503F
   G03F7/20 521
   G02B7/18
   G02B7/192
   G02B7/195
   G02B7/198
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-24674(P2011-24674)
(22)【出願日】2011年2月8日
(65)【公開番号】特開2011-176307(P2011-176307A)
(43)【公開日】2011年9月8日
【審査請求日】2014年2月5日
(31)【優先権主張番号】12/660,222
(32)【優先日】2010年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509105237
【氏名又は名称】メディア ラリオ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MEDIA LARIO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】特許業務法人 クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビアヌッチ、ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】モレッティ、ステーファノ
(72)【発明者】
【氏名】ユー、ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】カソル、ジャンルカ
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−536754(JP,A)
【文献】 特開2004−103961(JP,A)
【文献】 特開2005−004145(JP,A)
【文献】 特開2004−332927(JP,A)
【文献】 特開昭63−057992(JP,A)
【文献】 特開2007−123874(JP,A)
【文献】 特開2007−285909(JP,A)
【文献】 特開2003−218023(JP,A)
【文献】 特開2006−317913(JP,A)
【文献】 特開2007−218231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00 − 5/08 、 5/10 − 5/136、
7/00 、 7/18 − 7/24 、
G03F 7/20 − 7/24 、 9/00 − 9/02 、
H01L21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GICシェルを有する斜入射集光器ミラーを冷却するための冷却システムにおいて振動の伝達を抑制する方法であって、
流入側一次冷却液マニホールド及び流出側一次冷却液マニホールドを設けることと、
振動伝達を抑制するための複数の振動抑制装置それぞれを介して前記GICシェルを前記流入側一次冷却液マニホールド及び前記流出側一次冷却液マニホールドに流体接続することと
を備え、
各振動抑制装置は、第1伸縮可能部材と、
密閉空間を形成するように前記第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉空間には、気体が充填されるとともに、伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている方法。
【請求項2】
記GICシェルは、少なくとも一つの冷却ラインを備えており、
流入フィーダライン及び流出フィーダラインを使用して、前記流入側一次冷却液マニホールド及び前記流出側一次冷却液マニホールドと、少なくとも一つの冷却ラインとを流体接続することをさらに備える
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記振動抑制装置は、前記流入フィーダライン及び前記流出フィーダラインの各端部内または各端部に配置される
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記気体は不活性ガスである
請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記伸張制限部材はメッシュを有する
請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1及び第2伸縮可能部材はそれぞれ蛇腹を備える
請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
ICシェルを有する斜入射集光器ミラーを冷却するための冷却システムにおいて振動の伝達を抑制する方法であって、
記GICシェルの背面に第1冷却ラインを配置することと、
第1フィーダラインを前記第1冷却ラインに流体接続することと、
振動伝達を抑制するための第1振動抑制装置を前記第1フィーダラインに動作可能に配置することと、
前記第1フィーダラインを第1の一次冷却液マニホールドに流体接続することと
を備え、
前記第1振動抑制装置は、第1伸縮可能部材と、
密閉空間を形成するように前記第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉空間には、気体が充填されるとともに、前記伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている方法。
【請求項8】
第2フィーダラインを前記第1冷却ラインに流体接続することと、
振動伝達を抑制するための第2振動抑制装置を前記第2フィーダラインに動作可能に配置することと、
前記第2フィーダラインを第2の一次冷却液マニホールドに流体接続することと
をさらに備え、
前記第2振動抑制装置は、第1伸縮可能部材と、
密閉空間を形成するように前記第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉空間には、気体が充填されるとともに、前記伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1冷却ライン並びに前記第1及び第2フィーダラインを第1及び第2の二次マニホールドそれぞれに対して流体接続することをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
記GICシェルの背面に複数の冷却ラインを配置することと、
前記複数の冷却ラインを前記第1及び第2の二次マニホールドに流体接続することと、をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
冷却液を使用する冷却ミラーシステムにおいて振動伝達を抑制するための振動抑制装置であって、
前記冷却液が流れることが可能な空間と、複数の流体導通部材それぞれを受けるようにそれぞれ構成される複数の端とを有する第1伸縮可能部材と、
密閉空間を形成するように前記第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉空間には、気体が充填されるとともに、前記伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている振動抑制装置
【請求項12】
前記伸張制限部材は、メッシュを有する
請求項11に記載の振動抑制装置
【請求項13】
前記第1及び第2伸縮可能部材は、それぞれ蛇腹を備える
請求項11に記載の振動抑制装置
【請求項14】
GICシェルを有する斜入射集光器ミラーを冷却するためのシステムであって、
複数の冷却ラインにより冷却されると共にスパイダにより支持される少なくも1つの前記GICシェルを有する斜入射集光器ミラーと、
振動伝達を抑制するための複数の振動抑制装置それぞれを介して前記複数の冷却ラインに流体接続される一次流入側冷却マニホールド及び一次流出側冷却マニホールドと
を備え、
前記振動抑制装置は、第1伸縮可能部材と、
密閉空間を形成するように前記第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉空間には、気体が充填されるとともに、前記伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている、システム
【請求項15】
前記スパイダは冷却され、
複数の振動抑制装置をそれぞれ有する流入フィーダライン及び流出フィーダラインそれぞれを介して前記スパイダに流体接続されるスパイダ流入側冷却マニホールド及びスパイダ流出冷却マニホールドをさらに備える
請求項14に記載のシステム
【請求項16】
反射レチクルを照射するための極端紫外光(EUV)リソグラフィシステムであって、
EUV源と、
前記EUVを受光し、集光したEUVを形成するように構成される、請求項14または15に記載のシステムと、
前記集光したEUVを受光し、前記反射レチクルを照射する凝縮EUVを形成するように構成されるイルミネータと
を備える、EUVリソグラフィシステム。
【請求項17】
感光性半導体ウエハ上にパターン化された画像を形成するためのEUVリソグラフィシステムであって、
前記反射レチクルの下流に配置されており、前記反射レチクルから反射されるEUVを受光し、そこから前記感光性半導体ウエハ上に前記パターン化された画像を形成するように構成される投影光学システムをさらに備える
請求項16に記載のEUVリソグラフィシステム。
【請求項18】
背面及び中心軸を含む少なくとも一つのGICシェルを有する極端紫外光(EUV)斜入射集光器の冷却システムであって、
前記GICシェルの前記中心軸に対して略垂直であると共に互いに略平行である複数の平面上に配置され、互いに離間する略円形の複数の冷却ラインと、
互いに離間する流入位置および流出位置において、前記複数の冷却ラインにそれぞれ流体接続される流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドと、
前記流入側冷却液マニホールドと前記流入位置との間に動作可能に配置され、振動伝達を抑制する少なくとも一つの第1振動抑制装置と、
前記流出側冷却液マニホールドと前記流出位置との間に動作可能に配置され、振動伝達を抑制する少なくとも一つの第2振動抑制装置
を備え、
複数の冷却ラインは、前記背面の対応する外周の周りを熱接触しながら配置され、
前記少なくとも1つの第1振動抑制装置および少なくとも1つの第2振動抑制装置は、それぞれ冷却液が流れる内部を形成しており、
前記第1振動抑制装置及び前記第2振動抑制装置は、
前記内部を形成し、表面を有する第1伸縮可能部材と、
前記第1伸縮可能部材の前記表面を取り囲み、伸張制限部材の少なくとも一部を包含する密閉内部チャンバを形成する第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉内部チャンバには、気体が充填されるとともに、前記伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、前記第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されている
冷却システム。
【請求項19】
前記伸張制限部材は、メッシュを有する
請求項18に記載の冷却システム。
【請求項20】
前記メッシュは、ステンレス鋼で構成されている
請求項19に記載の冷却システム。
【請求項21】
複数の前記GICシェルは入れ子状に離間しており、
入れ子状の前記GICシェルの離間状態を維持するように構成されるスパイダさらに備え、
各GICシェルは、複数の振動抑制装置それぞれを介して前記流入側冷却液マニホールド及び前記流出側冷却液マニホールドに接続される複数の冷却ラインを有し、
前記スパイダは、冷却され、さらなる複数の振動抑制装置を介して流入および流出する冷却液を有する
請求項18から20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
斜入射集光器に備えられ、背面及び中心軸を有するGICシェルを冷却する方法であって、
前記GICシェルに熱接触する複数の冷却ラインを有する冷却アセンブリを設けることと、
冷却液が流れることができる内部をそれぞれ有する複数の振動抑制装置を設け、振動伝達を抑制することと、
前記複数の冷却ラインと、流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドとを流体接続する場合に、前記複数の振動抑制装置のそれぞれを介して各冷却ラインを前記流入側冷却液マニホールド及び前記流出側冷却液マニホールドに流体接続して、前記冷却アセンブリと前記流入側冷却液マニホールド及び前記流出側冷却液マニホールドとの間で伝達される振動の量を低減することと
を備え、
前記振動抑制装置は、第1伸縮可能部材と、
密閉チャンバを形成するように前記第1伸縮可能部材の外側面を取り囲む第2伸縮可能部材と、を備え、
前記密閉チャンバには、気体が充填されるとともに、伸張制限部材が収容されており、
前記伸張制限部材は、前記第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、これにより、前記伸縮可能部材を流れる冷却液の圧力によって前記第1伸縮可能部材が伸張する範囲を制限するように構成されている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月2日付で出願された米国特許出願第12/592,735号(発明の名称:斜入射EUVリソグラフィ集光器用の冷却システム及び冷却方法)の関連出願であり、当該米国特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、ここに援用される。
【0002】
また、本出願は、2010年1月25日付で出願された米国特許出願第12/657,650号(発明の名称:斜入射集光器用の冷却スパイダ及び方法)の関連出願であり、当該米国特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、ここに援用される。
【0003】
本発明は、一般にミラーシステムに関し、特に冷却ミラーシステムにおいて使用されるストレス分断装置及びストレス分断方法に関する。
【背景技術】
【0004】
EUVリソグラフィは、線幅約32nm以下の次世代半導体装置の製造に最適なリソグラフィプロセスとなることが予想されている。EUVの波長は通常13.5nmであり、EUVを集光及び結像するためには、特別な光学機器を使用する必要がある。
【0005】
光源からの放射線を集光するために使用されるEUV 光学システムとして、斜入射集光器(GIC)がある。他のEUV光学システムとしては、直入射コレクタ(CIC)がある。典型的には、GICは、1つまたは複数の同心円状に配置されるシェルを備えている。そして、そのシェルは、EUV光源からの光を斜入射角で受光し、受光した光を反射して集束照明ビームを形成するように構成されている。なお、その集束照明ビームは、中間焦点を形成し、そして、遠隔フィールドに照明領域を形成する。遠隔フィールドの照明領域は、システム全体の光学設計により設定された仕様内において、一様であるのが好ましい。
【0006】
EUVリソグラフィ用の光源としては、放電生成プラズマ(DPP)とレーザ生成プラズマ(LPP)がある。これらの光源の変換効率は僅か数パーセントであり、そのエネルギーの殆どが、集光ミラーに入射可能な赤外線、可視光線、紫外線およびエネルギー粒子に変換されるEUVの生成に使用される。この放射線により、GICミラー上にかなりの熱負荷が加えられる。したがって、ミラーに吸収された熱が実質的にGICミラーの性能に悪影響を及ぼさないように、若しくは、GICミラーにダメージを与えないように、GICミラーの各シェルを冷却する必要がある。
【0007】
また、上記放射線は、互いに固定された複数のGICシェルを保持するスパイダを加熱し得る。したがって、スパイダに吸収された熱がこれらのGICシェルに伝達しないように、また、スパイダ自体が変形しないように、スパイダを冷却することが好ましい。このように、実際にGICミラーはGICミラーシステムの一部となっており、GICミラーシステムはGICシェル冷却システムをも備え、スパイダ冷却システムをも備え得る。
【0008】
基本的に、EUVリソグラフィ用のあらゆるGICミラーシステムは、これまで、実験室で使用されるか、または極めて制御された条件下での実験的な「アルファ」システムにのみ使用されてきた。このため、商業的に実現可能なEUVリソグラフィシステムで使用されるGICシェル冷却システム及びスパイダ冷却システムには、殆ど注力されていなかった。事実、より高度なEUV出力の需要が増加するにつれて、GICミラーに対する熱負荷が増加しており、こうした熱管理がより一層重要となる。
【0009】
結果的に、熱負荷によりGICミラーが光学的に歪むおそれを最小限に抑えるためには、より効率的且つ効果的な熱管理及び冷却システムを実現しなければならない。このように熱管理が必要とされると、GICミラーシステムの組み立てが比較的複雑になる。特に、GICミラーは、複数のGICシェルの機械的歪みを引き起こすことなく、GICシェル冷却システムおよびスパイダ冷却システムと接触する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公報第US2004/0265712A1号
【特許文献2】米国特許出願公報第US2005/0016679A1号
【特許文献3】米国特許出願公報第US2005/0155624A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様には、冷却ミラーシステム用ストレス分断装置と、例えば、冷却可能なスパイダによって支持される複数の冷却GICシェルを備える冷却GICミラーシステム等の冷却ミラーシステムにおいてこうした装置を使用する方法とが含まれる。
【0012】
本発明に関する方法は、一例において、冷却GICシェルを設けることと、流入側一次冷却液マニホールド及び流出側一次冷却液マニホールドを提供することと、複数のストレス分断装置のそれぞれを介して冷却GICシェルを流入側一次冷却液マニホールド及び流出側一次冷却液マニホールドに流体接続することを備える。
この方法において、冷却GICシェルは、少なくとも一つの冷却ラインを備えているのが好ましい。そして、この方法は、流入フィーダライン及び流出フィーダラインを使用して、流入側一次冷却液マニホールド及び流出側一次冷却液マニホールドと、少なくとも一つの冷却ラインとを流体接続することをさらに備えるのが好ましい。
この方法において、ストレス分断装置は、流入フィーダライン及び流出フィーダラインの各端部内または各端部に配置されるのが好ましい。
この方法において、各ストレス分断装置は、伸張制限部材を有する第1伸縮可能部材を備えている。伸張制限部材は、第1伸縮可能部材上に動作可能に配置され、第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成されているのが好ましい。
この方法において、各ストレス分断装置は、密閉空間を形成するように第1伸縮可能部材を取り囲む第2伸縮可能部材を備えている。そして、その密閉空間には、気体が充填され、伸張制限部材が収容されているのが好ましい。
この方法において、気体は不活性ガスであるのが好ましい。
この方法において、伸張制限部材はメッシュを有するのが好ましい。
この方法において、第1伸縮可能部材および第2伸縮可能部材はそれぞれ蛇腹を備えるのが好ましい。
【0013】
本発明のストレス分断方法は、他の例において、冷却GICシェルの背面に第1冷却ラインを配置することと、第1フィーダラインを第1冷却ラインに流体接続することと、第1フィーダラインに第1ストレス分断装置を動作可能に配置することと、第1フィーダラインを第1の一次冷却液マニホールドに流体接続することとを備える。
この方法は、第2フィーダラインを第1冷却ラインに流体接続することと、第2フィーダラインに第2ストレス分断装置を動作可能に配置することと、第2フィーダラインを第2の一次冷却液マニホールドに流体接続することがさらに備えるのが好ましい。
この方法は、第1冷却ライン及び第1及び第2フィーダラインを第1及び第2の二次マニホールドそれぞれに対して流体接続することをさらに備えるのが好ましい。
この方法は、冷却GICシェルの背面に複数の冷却ラインを配置することと、複数の冷却ラインを第1及び第2の二次マニホールドに流体接続することをさらに備えるのが好ましい。
【0014】
ストレス分断装置は、一例において、気体が充填された密閉空間を形成する内側蛇腹および外側蛇腹を有する。伸張制限部は、内側蛇腹を流れる冷却液の圧力による内側蛇腹の伸張を制限する。ストレス分断装置は、GICミラーシステムの一部から複数のGICシェルへストレスが伝達するのを低減または防止するように構成及び配置されている。ストレス分断装置は、GICミラーシステムのいずれの位置に配置されても、当該機能を発揮する。任意の流体導通部材には、複数のストレス分断装置が含まれてもよい。ストレス分断装置は、複数の冷却ラインまたは複数の冷却チャネルを冷却液マニホールドに接続する複数の流体導通部(例えば、複数のフィーダライン)の一端部もしくは両端部、または、当該一端部もしくは両端部の内部に配置されてよい。
【0015】
ストレス分断装置は、他の例において、冷却液が流れることが可能な空間と、複数の流体導通部のそれぞれを受けるようにそれぞれ構成される複数の端部とを有する第1伸縮可能部材を備える。
このストレス分断装置は伸張制限部材をさらに備えるのが好ましい。伸張制限部材は、第1伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成される。
このストレス分断装置は第2伸縮可能部材をさらに備えるのが好ましい。第2伸縮可能部材は、密閉空間を形成するように第1伸縮可能部材および伸張制限部材を取り囲む。密閉空間には気体が充填されているのが好ましい。
このストレス分断装置において伸張制限部材はメッシュを有するのが好ましい。
このストレス分断装置において第1及び第2伸縮可能部材は、それぞれ蛇腹を有するのが好ましい。
【0016】
斜入射集光器(GIC)ミラーシステムは、一例において、複数の冷却ラインにより冷却されると共にスパイダにより支持される少なくも1つのGICシェルを有するGICミラーと、複数のストレス分断装置それぞれを介して前記複数の冷却ラインに流体接続される一次流入側冷却マニホールド及び一次流出側冷却マニホールドとを備える。
この斜入射集光器(GIC)ミラーシステムにおいて、スパイダは冷却されるのが好ましい。また、この斜入射集光器(GIC)ミラーシステムは、スパイダ流入側冷却マニホールド及びスパイダ流出冷却マニホールドをさらに備えるのが好ましい。スパイダ流入側冷却マニホールド及びスパイダ流出冷却マニホールドは、複数のストレス分断装置をそれぞれ有する流入フィーダライン及び流出フィーダラインそれぞれを介してスパイダに流体接続される。
【0017】
反射レチクルを照射するための極端紫外光(EUV)リソグラフィシステムは、EUV源と、EUVを受光し、集光したEUVを形成するように構成される上記GICミラーシステムと、集光したEUV放射線を受光し、反射レチクルを照射する凝縮EUVを形成するように構成されるイルミネータとを備える。
このEUVリソグラフィシステムは、感光性半導体ウエハ上にパターン化された画像を形成するためのEUVリソグラフィシステムであるのが好ましい。このEUVリソグラフィシステムは、投影光学システムをさらに備えるのが好ましい。投影光学システムは、反射レチクルの下流に配置されており、反射レチクルから反射されるEUVを受光し、そこから感光性半導体ウエハ上にパターン化された画像を形成するように構成される。
【0018】
極端紫外光(EUV)斜入射集光器(GIC)の冷却システムは、一例において、背面および中心軸を有する少なくとも一つのシェルを備える。冷却システムは、互いに離間する略円形の複数の冷却ライン、流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールド、少なくとも1つの第1ストレス分断装置ならびに少なくとも一つの第2ストレス分断装置を有する。複数の冷却ラインは、シェルの中心軸に対して略垂直であると共に互いに略平行である複数の平面上に配置される。複数の冷却ラインは、背面の対応する外周の周囲に熱接触して走っている。流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドは、互いに離間する流入位置および流出位置において、複数の冷却ラインにそれぞれ流体接続される。第1ストレス分断装置は、流入側冷却液マニホールドと流入位置との間に動作可能に配置される。第2ストレス分断装置は、流出側冷却液マニホールドと流出位置との間に動作可能に配置される。この冷却システムにおいて、少なくとも1つの第1ストレス分断装置および少なくとも1つの第2ストレス分断装置は、それぞれ冷却液が流れる内部を形成する。
この冷却システムにおいて、各ストレス分断装置は、内部を形成する第1伸縮可能部材を備えるのが好ましい。
この冷却システムは、ストレス分断装置のそれぞれに対して伸張制限部をさらに備えるのが好ましい。伸張制限部は、伸縮可能部材に対応して動作可能に配置され、伸縮可能部材の伸張量を制限するように構成される。
この冷却システムにおいて、伸張制限部は、メッシュを有するのが好ましい。
この冷却システムにおいて、メッシュはステンレス鋼で構成されるのが好ましい。
この冷却システムにおいて、第1伸縮可能部材は、表面を有するのが好ましい。冷却システムは第2伸縮可能部材をさらに備えるのが好ましい。第2伸縮可能部材は、第1伸縮可能部材の表面を取り囲み、伸張制限部材の少なくとも一部を包含する密閉内部チャンバを形成する。
この冷却システムにおいて密閉内部チャンバには気体が充填されているのが好ましい。
この冷却システムは、入れ子状に離間する複数のGICシェルと、入れ子状シェルの離間状態を維持するように構成されるスパイダとをさらに備えるのが好ましい。各GICシェルは複数の冷却ラインを有するのが好ましい。複数の冷却ラインは、複数のストレス分断装置それぞれを介して流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドに接続される。スパイダは、冷却され、さらなる複数のストレス分断装置を介して流入および流出する冷却液を有する。
【0019】
本発明に係る方法の一例は、背面及び中心軸を有する冷却斜入射集光器(GIC)シェルを形成する方法である。この方法は、GICシェルに熱接触する複数の冷却ラインを有する冷却アセンブリを設けることと、冷却液が流れることができる内部をそれぞれ有する複数のストレス分断装置を設けることと、複数の冷却ラインと、流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドとを流体接続する場合に、複数のストレス分断装置のそれぞれを介して各冷却ラインを流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドに流体接続して、冷却アセンブリと流入側冷却液マニホールド及び流出側冷却液マニホールドとの間で伝達されるストレスの量を低減することとを備える。
この方法において、複数のストレス分断装置を設けることは、伸縮可能部材を有するように各ストレス分断装置を形成することを含むのが好ましい。
この方法は、伸縮可能部材上に伸張制限部を動作可能に構成及び配置することを有し、これにより、伸縮可能部材を流れる冷却液の圧力によって伸縮可能部材が伸張する範囲を制限するのが好ましい。
この方法は、他の伸縮可能部材を使用して伸縮可能部材の外側面を取り囲み、2つの伸張可能部材との間に密閉チャンバを形成することをさらに備えるのが好ましい。
【0020】
上記の一般的な記載(背景技術)に関する記載と下記の本発明の詳細な説明に関する記載は、本発明の複数の実施形態を提供するものであり、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の本質および特徴を理解するための概略または枠組みを提供するものであることを理解すべきである。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施形態を図示するものであり、本明細書の記載とともに、本発明の原則及び実施を説明する一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】GICシェル冷却用のGICシェル冷却システムの一実施形態の概略図である。
図2】GICシェル冷却システムのミラー冷却アセンブリ(MCA)の概略図である。
図3】スパイダによって各先端縁部が離間状態で保持される複数のGICシェルを備えるGICミラーの一例の概略断面図である。
図4】冷却スパイダの一例の正面図であり、流入側冷却液マニホールドからスパイダを介して流出側冷却液マニホールドへ向かう冷却液流路の一例を示しており、流入フィーダライン及び流出フィーダラインに配置される複数のストレス分断装置を示す図である。
図5A】冷却スパイダによって入れ子状態且つ定位置に配置された3つのGICシェルを有するGICミラーを備えており、フィーダライン中のストレス分断装置が、複数のGICシェルに伝達されるストレスを分離するように構成される、GICミラーシステムの一例の斜視図である。
図5B】入れ子状態で配置された9つのGICシェル全てを備える状態で図示された、図5AのGICミラーの一例の斜視図である。
図6】GICシェル冷却システムの部分拡大図であり、流入出フィーダライン中に配置される複数のストレス分断装置を示す図である。
図7】ストレス分断装置の一例と2つの流体液導通部の分解側面図である。
図8】内側および外側伸縮可能部材を備えるストレス分断装置であって、内側伸縮可能部上に伸張制限部材を有するストレス分断装置の一例の側面図である。
図9】メッシュ形態の伸張制限部材の一例の側面図である。
図10】EUVリソグラフィシステムの一例の概略図である。 図中の様々な構成要素は単に図示されたに過ぎず、必ずしも実際の縮尺通りに図示されている訳ではない。これらの構成要素のうち、ある部分は誇張して図示され、ある部分は最小化して図示されている場合もある。本図面は、当業者によって理解され、適切に実行され得る本発明の実施形態の一例を図示することを意図するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を利用し、本発明をGICミラー及びGICミラーシステムと関連付けて説明する。本発明は、GICシェル等のミラー要素を含む他の種類の冷却ミラー(上記CICミラー等)と、冷却ミラーに対して機械接続が必要な冷却システムに適用される。
【0023】
図1は、GICシェル20の形式のミラーを冷却するための複数のGICシェル冷却システム10の形式のミラーシステムの一実施形態の概略図である。以下詳細に記載するが、複数のGICシェル冷却システム10を、対応するGICシェル20と組み合わせて冷却GICミラー及びGICミラーシステムを形成することができる。
【0024】
GICシェル20は、背面22及び中心軸ACを備える。図1及び以降の図面では、参照のため、直交座標系が図示されている。GICシェル20は、典型的には軸対称であり、背面22は、典型的には中心軸AC上の位置に伴って変化する半径を有する。
【0025】
また、複数のGICシェル冷却システム10は、互いに離間する複数の冷却ライン30を有する。冷却ライン30は、GICシェル20の背面22に対して熱伝達するように配置されている。実施形態の一例において、冷却ライン30は、ニッケル(例えば、ニッケルチューブ)を有し、丸形または非丸形(例えば、扁円形または楕円形)の断面形状を有することができる。冷却ライン30の外径は、例えば、約5mmから約6mmの範囲にある。複数の実施形態において、少なくとも冷却ライン30の幾つかは、異なる径を有する。
【0026】
冷却ライン30は、GICシェル20の中心軸ACに対して略垂直であると共に互いに略平行である複数の平面PLに配置されている。このため、各冷却ライン30は、任意の半径でGICシェル20の外周を横断する。流入側冷却液マニホールド44及び流出側冷却液マニホールド46は、GICシェル20の背面22に隣接して配置されている。流入側冷却液マニホールド44及び流出側冷却液マニホールド46は、任意のGICシェル20の複数の冷却ライン30に接続されるように構成されている。このため、冷却液100は、流入側冷却液マニホールド44から全ての冷却ライン30を経て流出側冷却液マニホールド46に流れることが可能となる。
【0027】
流入側冷却液マニホールド44及び流出側冷却液マニホールド46は、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66をそれぞれ介して流入側「一次」冷却液マニホールド54及び流出側「一次」冷却液マニホールド56にそれぞれ接続される「二次」マニホールド(以下、「二次マニホールド」と称する)とみなすことができる。流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66の外径は、例えば、11mmである。流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56は、以下に示すように、マルチシェル型GICミラーの異なるGICシェル20に利用される複数の流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66に接続するように構成されている。
【0028】
複数の冷却ライン30、流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66、流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56は、冷却液100が流入側一次マニホールド54から流出側一次マニホールド56に向かって流れる密閉冷却液流路を形成する。冷却液100は水であることが好ましく、また、脱イオン水であることがさらに好ましい。
【0029】
実施形態の一例において、複数のGICシェルを離間して保持するように構成される冷却スパイダ250(以下、紹介及び議論する)に対してGICシェル20を固定するために、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66上、流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46上、または、その接合部上に固定部材80が設けられる。
【0030】
複数のGICシェル冷却システム10は、1つまたは複数個の支持ストラット90を有してもよい。支持ストラット90は、冷却ライン30に対して略垂直に配置されており、GICシェル20の背面22の反対側において冷却ライン30に固定されている。以下に示すように、支持ストラット90は、GICシェル冷却システム10がGICシェル20の背面22周りに移動して、最終的に背面22上に配置され、そこに熱接触するような所定の構成で冷却ライン30を支持するように構成されている。
【0031】
図2に示される通り、複数の冷却ライン30と、複数の支持ストラット90と、流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46と、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66とから構成される複数のGICシェル冷却システム10の一部は、「ミラー冷却アセンブリ」又はMCA200を構成する。なお、MCA200は、GICシェル20に接合される前に形成される。冷却ライン30は、支持ストラット90と共に冷却ラインアセンブリ(CLA)201を構成する。図示のために、GICシェル20は、図2において隠れ線で示されている。MCA200は、一旦このように形成されると、GICシェルに(場合によっては電気鋳造で)接触するCLA201によってGICシェル20に接合される。そして、MCA200は、流入側フィーダライン64の端部67および流出側フィーダライン66の端部69で、流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56に接続される。
【0032】
MCA200は、真空気密状態にすべき多くの接続部206を有する。一実施形態において、接続部206はロウ付けにより形成されている。ロウ付け接続部206を形成し、MCA200及びGICシェル20を電気鋳造するためには、MCA200は極めてクリーンである必要性がある。一実施形態において、MCA200は、先ず、組み立てられ、洗浄プロセスに投入される。一実施形態において、洗浄プロセスには、有機物、油分、液体、塵埃等の汚染物質を焼却する「グリーン・ファイヤーリング(green firing)」が含まれる。グリーン・ファイヤーリング・プロセスでは、例えば、MCA200を真空状態下800℃の温度で4時間曝露する。この時点で、MCA200は、手袋を着用し、他のクリーンな環境を配慮して取り扱わなければならない。また、洗浄プロセスでは、グリーン・ファイヤーリング工程に先立ち、例えば、蒸気脱脂、超音波洗浄等を行ってもよい。
【0033】
この時点で、接続部206はまだ形成されていない。したがって、一実施形態において、接続部206は、水素炉ロウ付けプロセスを利用して合金接合部を形成することによって、真空気密な状態に形成される。このプロセスの一例には、MCA200を真空チャンバに設置することと、真空チャンバを適切な真空状態まで吸引することが含まれる。水素が真空チャンバに加えられ、真空チャンバ内部の温度が上昇する。この環境には酸素が存在しないので、接合部に進入する酸素はなく、接合部が酸化されるおそれは低減される。合金化された接合部を構成するロウ付け材料が融解して、接合部に浸透する。
【0034】
そして、処理済みのMCA200は、クリーンな取り扱いにより真空チャンバから取り出され、漏洩チェックされる。MCA200がGICシェル20に搬送され、接合される間、クリーンな取り扱いが継続される。なお、一実施形態において、GICシェル20は、第2電気鋳造プロセスにおいて、構造的に支持するために形成されたマンドレル上に残されている。
【0035】
一実施形態において、MCA200をGICシェル20に接合するには、GICシェル20をマンドレル上に配置する(及び残す)。それから、CLA201が、GICシェル20の背面22に接触するようにGICシェル20上に配置される。典型的には、GICシェル20の除去プロセスを促進するために分離層が利用される。そして、全体構造、即ち、GICシェル20及びMCA200は、上述の通り、電気鋳造される。一実施形態において、電気鋳造プロセスの均一性を高めるために、GICシェル20及びMCA200は電気鋳造タンク(図示せず)内で回転される。
【0036】
電気鋳造プロセスが一旦完了すると、電気鋳造後のGICシェル20は、取り付けられたMCA200と共にマンドレルから取り外される。また、所定の波長及び予想される放射角度の範囲における鏡面反射率を改善するために、GICシェル20の内面に反射コーティング(図示せず)が塗布される。そして、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66は、流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56にそれぞれ接続される。上記の通り、こうした接続プロセスが極めて重大な問題になり得るのは、MCA200内及びGICシェル20まで伝達され得るストレスが発生し、適切に配列された複数のGICシェル20が乱れる、または、GICシェルもが変形してしまうからである。さらに、MCA200内及びGICシェル20まで振動が伝達されるおそれがある。本開示の目的では、振動が、周期的に伝達されるストレスの一形態として考慮される。したがって、以下、詳細に議論するが、本発明の一態様では、こうした接続を形成する際に複数のストレス分断装置が使用される。
【0037】
(冷却スパイダ)
図3に示されるような複数のGICシェル20を有するGICミラー240を形成するには、冷却スパイダ250を利用して、複数のGICシェル20を離間状態で保持する。一実施形態において、複数のGICシェル20は、先端縁で支持された状態で、冷却スパイダ250にレーザ溶接またはエポキシ接合される。
【0038】
図4は、冷却スパイダ250の一例の正面図である。ここで、冷却スパイダ250は、内側円形支持リング254、外側円形支持リング256、両円形支持リング254,256を接続する複数の放射状スポーク258を有する。放射状スポーク258は、複数の支持機能部260を有している。支持機能部260は、内側および外側に配置されるGICシェル20の後端縁を収容するようなサイズで形成され配置されている。一実施形態において、複数のGICシェル20を複数の放射状スポーク258に固定するにあたって、複数のクリップ253(図5A参照)が利用される。
【0039】
冷却スパイダ250は、流入側冷却液マニホールド261及び流出側冷却液マニホールド262(以下、「スパイダマニホールド」と称する)を備えている。スパイダマニホールド261,262は、流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン264をそれぞれ介して外側円形支持リング254に流体接続されている。外側円形支持リング254は、複数の放射状スポーク258の複数の冷却チャネル(図示せず)を介して内側円形支持リング256に流体接続されている。図4には、流入側スパイダマニホールド261から冷却スパイダ250を介して流出側スパイダマニホールド262に向かう冷却液流路268の一例が図示されている。複数のストレス分断装置270(詳細は以下に示す)は、流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266に配置されるように図示されている。複数のストレス分断装置270は、流入側スパイダマニホールド261及び流出側スパイダマニホールド262に外側円形支持リング254を流体接続するに際して任意のストレスを実質的に分断(即ち、低減または除去)するために、このように配置される。
【0040】
(GICミラーシステム及びストレス分断装置)
図5Aは、GICミラーシステム241の一例の斜視図である。ここで、GICミラーシステム241は、3つのGICシェル20を有するGICミラー240を備えている。GICシェル20は、入れ子状に配置され、冷却スパイダ250により定位置に保持されている。図5Bは、9つのGICシェル20を有するGICミラー240の一例の斜視図である。ここで、GICシェル20は、冷却スパイダ250によって入れ子状に配置されている。
【0041】
一旦、GICシェル20がMCA200に接合されると、MCA200の流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66を流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56に動作可能に接続する必要がある。そして、同様に、流入側スパイダマニホールド261及び流出側スパイダマニホールド262から延びる流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266を、それぞれ外側円形支持リング254に動作可能に接続する必要がある。
【0042】
このように接続されると、複数のGICシェル冷却システム10及び冷却スパイダ250に必要な流体通路が形成される一方で、MCA200及び冷却スパイダ250に機械的ストレスが生じ得る。このようなストレスにより1つまたは複数個のGICシェル20が変形され得る。特に、複数の冷却ライン30は剛性が高く、これらの冷却ラインが(例えば、流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46を介して)流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56に固定されると、複数のGICシェル20にストレスがかかり、GICミラーの性能に悪影響を及ぼし得る。
【0043】
同様に、外側円形支持リング254は剛性が高く、流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266が外側円形支持リング254並びに流入側スパイダマニホールド261及び流出側スパイダマニホールド262に固定されると、外側円形支持リング254にストレスがかかる。そして、このストレスが今度は複数のGICシェル20にかかり得る。この事象が特に懸念される。集光器の耐用期間内において、複数のGICシェル冷却システム10と当該システムの各マニホールドとを数回にわたって連結および分離する必要があるからである。さらに、アクセス障害のない十分管理されたアセンブリ環境ではなく、複雑且つ密な配列の機構に既にGICが搭載されている場合、流体接続を強固にする必要があるため、締め付けプロセスにおける力の制御が一層困難である。
【0044】
したがって、再び図5Aおよび図6を参照すると、本発明の一態様には、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66を流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46に接続する場合、または、流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266を流入側スパイダマニホールド261及び流出側スパイダマニホールド262に接続する場合、GICミラーシステム241内に少なくとも一つのストレス分断装置270を設けて、通常複数のGICシェル20に伝達されるストレスの量を低減することが含まれる。ストレス分断装置270は、例えば、流入側マニホールド54及び流出側マニホールド56とGICシェル20との間に配置される。
【0045】
他の例において、複数のストレス分断装置270は、流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56と、流入側二次マニホールド44及び流出側二次マニホールド46との間に位置する。複数のストレス分断装置270は、例えば、それぞれ、流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56と、対応する流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66との間に配置されている。他の実施形態では、複数のストレス分断装置270は、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66の中、あるいは、流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66の一端または両端67,69に配置されている。
【0046】
他の実施形態において、例えば、図5AのGICミラーシステム241の一例に図示されるように、複数のストレス分断装置270は、それぞれ、入流側スパイダマニホールド261と流出側スパイダマニホールド262との間の流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266に配置されている。関連する実施形態において、複数のストレス分断装置270は、流入側フィーダライン264及び流出側フィーダライン266の一端または両端に配置されている。
【0047】
一般的に、複数のストレス分断装置270は、GICミラーシステム241の一部からGICミラー240の1つまたは複数個のGICシェル20にかかるストレスを実質的に分断(即ち、低減または防止)する箇所であれば、GICミラーシステム241内の如何なる場所に配置されてもよい。
【0048】
図6は、GICミラーシステム241の一例における流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56の端部の拡大図である。この図では、複数のストレス分断装置270が、それぞれ流入側フィーダライン64及び流出側フィーダライン66内に配置され、複数の冷却ライン30と流入側一次マニホールド54及び流出側一次マニホールド56との間に位置する一構成を図示している。
【0049】
(ストレス分断装置の例)
図7は、ストレス分断装置270の一例および2つの流体導通部材282,283の分解側面図である。ストレス分断装置270は、伸縮可能部材(E/C部材)271、中心軸AX、両端272,273および外側面274を有する。E/C部材271は、例えば、蛇腹形態である。蛇腹型E/C部材271の素材としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、304ステンレス鋼)が挙げられる。
【0050】
E/C部材271は、必要に応じて屈曲する共に軸方向に伸縮するように構成されている。E/C部材271は、一般的には、流体導通部材282,283(例えば、複数の冷却ライン、複数のフィーダライン、複数の冷却液マニホールド等)に接続される場合に、端272から端273に伝達されるストレスの量を低減、若しくは、こうしたストレスの伝達を防止するように構成されている。E/C部材271は、中空内部275を有している。E/C部材271が流体導通部282、283に接続された場合、冷却液100が端272から中空内部275を通って端273に通過することができる。端272,273は、GICミラーシステム241中のフィーダライン、冷却ライン、その他の種類の流体導通部を受けるように構成されている。
【0051】
図8は、ストレス分断装置270の一例の断面図である。ここで、ストレス分断装置270は、外側面274Aを有する内側E/C部材271Aを備えている。内側E/C部材271Aは、外側面274Bを有する外側E/C部材271Bから離間し、且つ、外側E/C部材271Bによって取り囲まれている。内側および外側E/C部材271A,271Bは、内部チャンバ288を形成する。内部チャンバ288は、各端272,273において各密閉部材284によって密閉されている。内側E/C部材271Aは、端272,273が開口する上述の中空内部275を形成する。このため、冷却液100は、中空内部275の一端から他端へ流れることができる。
【0052】
冷却液100がストレス分断装置270を流れると、流体圧力が形成され、E/C部材271が軸方向に伸張する。ストレス分断装置270の一例では、こうした軸方向の伸張の程度を制限するために、伸張制限部材290が備えられている。伸張制限部材290は、内側E/C部材271Aの軸方向の伸張量が制限されるように構成されると共に配置される。図9に示される一実施形態において、伸張制限部材290は、内側E/C部材271Aの外側面274Aを取り囲むメッシュを備えている。
【0053】
一実施形態において、メッシュ型伸張制限部材290はステンレス鋼からなる。メッシュ型伸張制限部材290は、内側E/C部材271Aの周りに緩く装着されている。このとき、内側E/C部材271Aは、ニュートラルな状態または圧縮された状態にあるが、中空内部275を流れる冷却液の圧力により拡張力に曝されて伸張する場合には、所定量を超える伸張を制限する。
【0054】
一実施形態において、特に伸張制限部材290をその材料特性のために内部チャンバ内に密閉する必要がある場合、内部チャンバ288には、ヘリウム、窒素等の気体が充填される。例えば、メッシュ形態の伸張制限部材290は、典型的には、潜在的な汚染物質源となっている。メッシュ形態の伸張制限部材290は、後に半導体装置を製造するためのクリーンな環境に放出され得る汚染物質を収集するおそれがあるからである。このようなメッシュを内部チャンバ288内に密閉することにより、メッシュが汚染物質を収集し、後に周囲の環境に汚染物質を放出することを防止する。一実施形態において、上記気体は不活性ガスである。
【0055】
ここで再度言及するが、ストレス分断装置270は、複数のフィーダラインを介してGICシェル20に振動(即ち、周期的ストレス)が伝達するのを抑制または隔絶する役割も果たす。
(EUVリソグラフィシステム)
【0056】
図10は、本発明に係るEUVリソグラフィシステム(リソグラフィシステム)300の一例である。リソグラフィシステム300は、例えば、米国特許出願第US2004/0265712A1号、US2005/0016679A1号、US2005/0155624A1号に開示されており、当該出願は本出願に援用される。
【0057】
リソグラフィシステム300は、システム軸ASおよびEUV光源LSを備えている。EUV光源LSは、例えば、ホットプラズマ源であり、λ=13.5nmの作用EUV30を放出する。EUV302は、電気放電源(例えば、放電生成プラズマ源またはDPP源)またはレーザ光線(レーザ生成プラズマ源またはDPP源)によって、例えば、リチウム、キセノン、スズの何れかのターゲット上に生成される。このようなLPP源から放射されたEUV302は略等方性であってもよい。現在のDPP源では、EUV302は放電電極によってシステム軸ASから約θ=60°以上の光源照射角に限定されている。なお、LPP源の等方性はターゲットペレットの質量に依存する。比較的質量の大きなターゲットの場合、放射は異方性であり、ターゲット質量による順方向の吸収のため、放射される放射線の殆どがレーザ光線に戻る。質量が小さなLPPターゲットの場合、LPPターゲットがレーザによって略全体的にイオン化されるので、放射は等方性にかなり近い。
【0058】
リソグラフィシステム300は、冷却GICミラー240を有するGICミラーシステム241を備えている。GICミラーシステム241は、上記の通り、少なくとも一つのストレス分断装置270を備えている。ストレス分断装置270は、GICミラーシステム241の内部に配置されており、GICミラーシステム241の部分間におけるストレスの伝達を低減する。GICミラーシステム241は、EUV光源LSの近傍且つ下流に、GICシェル20の中心軸ACがシステム軸ASに沿うようにして配置されている。GICミラー240は、光源焦点に位置するEUV光源LSからの作用EUV302(即ち、光線LR)を集光する。集光された放射光線は、中間焦点IFに中間光源像ISを形成する(図3を参照)。複数のGICシェル冷却システム10及びスパイダ冷却システム(図1及び図4を参照)では、EUV光源LSによる加熱がGICミラーシステム241の性能に対して実質的に悪影響を及ぼさないように、GICミラーシステム241の熱管理が行われる。
【0059】
照明システム316は、入射端317および出射端318を有する。照明システム316は、GICミラーシステム241の近傍且つ下流において、入射端317がGICミラー240側に位置するように、システム軸ASに沿って配置されている。照明システム316は、入射端317において、中間光源像ISからのEUV302を受光し、出射端318において略均一なEUV光線320(即ち、凝縮EUV)を出射する。リソグラフィシステム300がスキャン型システムである場合、EUV光線320は、典型的には、反射レチクル336を走査する略均一なライン状のEUV302として、反射レチクル336上に形成される。
【0060】
投影光学システム326は、(屈折した)システム軸ASに沿って、照明システム316の下流に配置されている。投影光学システム326は、照明システム316の出射端318に対向する入射端327と、その反対側の出射端328とを有する。反射レチクル336は、投影光学システム326の入射端327に隣接して配置されている。半導体ウエハ340は、投影光学システム326の出射端328に隣接して配置されている。反射レチクル336は、ウエハ340に転写されるパターン(図示せず)を有する。半導体ウエハ340は、感光性コーティング(例えば、フォトレジスト層)342を有する。
【0061】
動作時において、均一化されたEUV光線320は、反射レチクル336を照射し、反射レチクル336によって反射される。そして、投影光学システム326によって、半導体ウエハ340の感光性コーティング342の表面上に、レチクル336上のパターンが結像される。リソグラフィシステムシステム300では、レチクル像が感光性コーティング342の表面上を走査し、露光フィールド上にパターンが形成される。典型的には、反射レチクル336と半導体ウエハ340とを同期させて移動させることにより、走査が実行される。
【0062】
レチクルパターンが一旦、半導体ウエハ340に結像され、記録されると、パターン化された半導体ウエハ340は、標準的なフォトリソグラフィ技術及び半導体プロセス技術を使用して処理される。その結果、複数の集積回路(IC)チップが形成される。
【0063】
なお、一般的にリソグラフィシステム300の構成要素は、共通の屈折したシステム軸ASに沿って配置されることが図10に示されている。当業者であれば、例えば、照明システム316や投影光学システム326の様々な構成要素の入口軸及び出口軸がオフセットされる場合もあり得ることは、理解される。
【0064】
当業者には明白であるが、本発明の 精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲内において本発明の修正及び変更を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10