(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内容物用紙を搬送方向に搬送しつつ前記搬送方向と直交する方向に平行な折り線に沿って折り畳む折り手段と、前記折り手段が内容物用紙を折り畳む折り線の位置を調整する折り位置調整手段とを備え、前記折り位置調整手段により調整された折り線に応じて内容物用紙を折り畳んで前記搬送方向に搬送される封筒に封入することができる封書作成装置において、
所定の折り数の均等折りで内容物用紙を折り畳んだ場合に、その折り線に直交する前記搬送方向の長さが、この折り畳んだ内容物用紙を封入しようとしている封筒の前記搬送方向の所定の基準長さよりも短い場合に、前記折り手段によって折り畳まれた内容物用紙の前記搬送方向の長さが、この折り畳んだ内容物用紙を封入しようとしている封筒の同方向の長さと等しくなるように、前記折り位置調整手段を制御する制御手段を有し、
前記封筒は、前記搬送方向と直交する方向の側縁部に開封部が設けられ、折り畳まれて内部に内容物用紙が封入される封筒用紙から作成され、
折り畳まれて内部に内容物用紙が封入された前記封筒用紙の前記側縁部を封緘する封緘手段をさらに備えており、
前記制御手段は、折り畳んだ内容物用紙の前記搬送方向と直交する方向の中心を封筒の同方向の中心に合わせるように内容物用紙を封筒に封入する制御を行なうことを特徴とする封書作成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
封入用紙の印刷内容が封筒毎に異なる1to1ダイレクトメールを作成するために、特許文献1に示したような卓上封入封緘機を利用する場合には、その用紙給紙台にセットする封入用紙の積載順序と、その封筒給紙台にセットする封筒の積載順序を一致させる必要があった。しかし、前述したように封筒の印刷は自社で行なうが、内容物の印刷は外注した場合のように、異なる場所で異なる手段により印刷された用紙と封筒では、その出力順序に違いがあったり、間紙の混入の有無に違いがある等、条件の相違が発生しうるため、卓上封入封緘機の給紙台にセットする際には誤封入防止のために十分な確認が必要であった。また、手作業による封入作業では、誤封入防止の施策に工数がかかり、処理が長時間に及ぶことがあった。
【0006】
本願出願人は、係る課題を解決することを目標として鋭意研究に励み、封筒(又は封筒となる用紙)と必要な内容物の用紙に印刷を施し、内容物を封筒に封入封緘して封書を作成する作業を自動的に行える封書作成装置の開発に成功し、その成果を平成22年9月17日付けで特願2010−209546号として特許出願した。この封書作成装置は、簡易かつコンパクトな構成でありながら、内容物の封入に失敗したり内容物を取り違えて封筒に封入するといった封入ミスが発生しにくいため、ユーザーサイドにおける作業のみで効率的な封書作成を行なうことができ、特に1to1ダイレクトメールの作成等に適している。
【0007】
しかしながら、本願出願人は、先に特許出願した前記封書作成装置についてさらなる改良を加えるべく研究を進める中で、前記封書作成装置の如き発明、すなわち内容物用紙に必要な折りを施して封筒内に自動的に封入できる効率的な自動装置においても、新たな解決すべき課題が存在することを認識するようになった。それは、必要な折りを加えた内容物用紙を内容物として封筒内に封入しても、内容物のサイズが封筒のサイズよりも小さい場合には、内容物が封筒内で移動して折れや印面汚れが発生したり、内容物の端縁が封筒に設けられた開封用のミシン目にかかり、開封時に封筒と共に内容物が破損する場合があるという問題である。
【0008】
例えば、
図17(a)に示すように、A4の内容物用紙30を均等三つ折りにし、これを対応する適正なサイズの封筒150に収納した場合を考える。ここで、均等三つ折りとは、折って重ねる部分の形状が等しい均等折りのうち、内容物用紙30を2つの折り線で三つに折ることを意味する。また、封筒150のサイズとは、内容物50が収まる部分の広さのうち、特に内容物用紙30の折り線に平行な方向(以下、幅方向と称する)と直交する方向(以下、上下方向と称する)についてのサイズを意味する。この場合、上下方向については、内容物50のサイズと封筒150のサイズがほぼ一致しているので、内容物50は封筒150内で移動しにくく、上述したような問題が生じることはない。
【0009】
しかしながら、
図17(b)に示すように、B5の内容物用紙30を均等三つ折りにし、これを、A4の内容物用紙30を均等三つ折りにした内容物50に対応するサイズの封筒150に収納した場合には、上下方向についての内容物50のサイズは封筒150のサイズより相当小さくなり、上下方向に移動することができてしまうので、上述したような問題が生じてしまう。
【0010】
なお、この
図17の例では、封筒は、封筒用紙を折り畳んで作成するタイプであり、その幅方向の両側縁には圧着用の感圧接着剤111が設けられ、両側縁の間には再湿糊110が設けられており、これらの内側の領域が内容物50を収納する領域となっている。また、このような封筒用紙から作製される封筒150だけでなく、既製の封筒を使用する場合にも同様な問題が発生する可能性がある。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、内容物用紙を必要に応じて折り畳んで封筒に封入封緘する封書作成装置において、内容物用紙のサイズに関わらず、封筒内で内容物が移動しにくい状態となるように内容物用紙の封入封緘を行うことができる封書作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された封書作成装置は、
内容物用紙を搬送方向に搬送しつつ前記搬送方向と直交する方向に平行な折り線に沿って折り畳む折り手段と、前記折り手段が内容物用紙を折り畳む折り線の位置を調整する折り位置調整手段とを備え、前記折り位置調整手段により調整された折り線に応じて内容物用紙を折り畳んで前記搬送方向に搬送される封筒に封入することができる封書作成装置において、
所定の折り数の均等折りで内容物用紙を折り畳んだ場合に、その折り線に直交する前記搬送方向の長さが、この折り畳んだ内容物用紙を封入しようとしている封筒の前記搬送方向の所定の基準長さよりも短い場合に、前記折り手段によって折り畳まれた内容物用紙の前記搬送方向の長さが、この折り畳んだ内容物用紙を封入しようとしている封筒の同方向の長さと等しくなるように、前記折り位置調整手段を制御する制御手段を有
し、
前記封筒は、前記搬送方向と直交する方向の側縁部に開封部が設けられ、折り畳まれて内部に内容物用紙が封入される封筒用紙から作成され、
折り畳まれて内部に内容物用紙が封入された前記封筒用紙の前記側縁部を封緘する封緘手段をさらに備えており、
前記制御手段は、折り畳んだ内容物用紙の前記搬送方向と直交する方向の中心を封筒の同方向の中心に合わせるように内容物用紙を封筒に封入する制御を行なうことを特徴としている。
【0014】
ここで、本発明における封筒とは
、封筒用紙から機械によって折り畳んで作製した封筒
を意味する。また、本発明では、内容物は、必要に応じて必要なサイズに折られるものであり、必ずしも折って封筒に封入する必要はなく、印刷された用紙の外形のままで封筒に封入しても、結果として封筒内で移動しないように封筒のサイズと適合すればよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された封書作成装置において、あるサイズの内容物用紙を折り畳んで、あるサイズの封筒に封入する指示を与えた場合を考える。所定の折り数の均等折りでその内容物用紙を折り畳んだとすると、その搬送方向の長さが、前記封筒の搬送方向の長さよりも所定の基準を越えて短くなると制御手段が判断した場合には、制御手段は、折り手段及び折り位置調整手段にそのような均等折りを実行させる制御を行なわず、折り畳まれた内容物用紙の搬送方向の長さが、前記封筒の同方向の長さと等しくなるように、折り位置調整手段を制御して折り手段による折り操作を実行させる。また、折る前の内容物用紙の搬送方向の長さが、前記封筒の同方向の長さと等しい場合には、内容物用紙を折らずにそのまま封筒に封入するような制御を行なう。その結果、内容物と封筒の収納部分の搬送方向の長さが実質的に同等になるので、内容物が封筒内で移動することがなくなり、移動に起因する内容物の折れや印面汚れ等の不都合が防止される。
【0016】
また、この封書作成装置によれば
、内容物用紙を封筒用紙で包み込み、その側縁部を封緘手段で封緘することにより封書を作成する
際には、折り畳んだ内容物用紙と封筒は搬送方向と直交する方向の中心の位置が合っており、また
上述したように内容物用紙は封筒内で移動することがない。従って、ミシン目等の開封部において封筒を開封した場合に、開封部に移動した内容物が封筒とともに破損する等の不都合が確実に防止される。また内容物用紙を包み込んだ封筒用紙の側縁部を封緘手段が封緘した際に、側縁部に移動した内容物用紙が封筒用紙と重なって圧着されることがないので、開封時に内容物用紙を封筒と共に破ってしまう不都合も確実に防止される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に説明する本発明の実施形態に係る封書作製装置1は、作製すべき封書ごとに、既成の封筒又は折りによって封筒となる用紙(封筒用紙100)と、内容物となる用紙(内容物用紙30)にそれぞれ必要な印刷を施し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら必要な折りを加えて最後に合流させて封筒に内容物を封入し、最終的に封筒を閉じて封緘された封書とし、装置の上部に排出する装置である。
ここで、本装置1における封筒用紙100と内容物用紙30の搬送方向は、各用紙100,30の上下方向と同じであり、この搬送方向と直交する方向が、各用紙100,30の幅方向と同じである。
【0019】
1.封筒用紙及び内容物の内包について(
図1及び
図2)
本実施形態で使用する封筒用紙100の形状・構造と、これを折って封筒150を作成するとともに、その内部に内容物50を封入して封緘し、封書を作製する動作について説明する。なお、封筒用紙100及び内容物用紙30に対する印刷と、封筒用紙100によって内容物50を包み込む動作は、実際には次項2以下で説明する封書作製装置1によって自動的に行なわれる。
【0020】
図1(a)は本実施形態で使用される封筒用紙100の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、
図1(b)は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103の3つの略同形の矩形の紙片が折り線120で繋げられた矩形の用紙である。
【0021】
図1に示すように、第1紙片101の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名称・住所等が印刷される。また第1紙片101には、折り線120と平行な長辺から幅方向(搬送方向と直交する方向)の両縁部に至る2本のミシン目104が、開封部として形成されている。封緘された封筒150を開封する場合には、このミシン目104に沿って第1紙片101の中央部分を剥がせばよい。第2紙片102の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。第3紙片103の表面には、第2紙片102との折り線120に隣接する位置に、幅方向に沿った帯状のパターンの再湿糊110が2箇所に設けられている。
【0022】
図1に示すように、第1乃至第3紙片101〜103の各裏面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤111が所定のパターンで帯状に設けられている。これらの感圧接着剤111の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤111が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙100を、例えば表面を上側にする等、同じ面で多数枚を重ねた場合には、表面には感圧接着剤が無いため裏面の感圧接着剤111は対面せず、接触しないようになっている。このため、重ねた封筒用紙100が貼り付いてしまう不具合が発生することはない。
【0023】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙100を封筒150の形状に成形する折り等の加工を行ないつつ、その内部に内容物50を包み込む。まず、
図2(a)に示すように第2紙片102の裏面側に第3紙片103の裏面を重ね、両紙辺102、103の各感圧接着剤111、111を互いに接触させる。
【0024】
次に、
図2(b)に示すように第3紙片103の表面の上に、内容物50を載置する。ここで、内容物50の寸法は、封筒150の収納可能な寸法に適合している。すなわち、内容物50の幅は、封筒用紙100の各紙片の両縁部に印刷された感圧接着剤111の間隔よりも、所定の基準だけ小さい。また内容物50の上下方向(前記幅方向と直交する方向であり、搬送方向と同じ方向)の寸法は、封筒用紙100の各紙片の上下方向の長さから、再湿糊110の同方向の長さを除いた寸法よりも、所定の基準だけ小さければよい。なお、ここで所定の基準とは、封筒150の内部で内容物50が実際上移動せず、移動による不都合が事実上生じないように、実験的乃至経験的に定められた寸法の範囲とする。このように、内容物50は、封筒用紙100から作製される封筒150の内部において、感圧接着剤111及び再湿糊110に触れない範囲に収まるサイズに設定されており、特に上下方向の長さについては封筒内において許容される範囲でなるべく長いサイズとされている。
このように封筒150に適合するサイズになるように内容物用紙30を折る作業は、後述する封書作製装置1の折り手段において、内容物用紙30を封筒150のサイズに適合するように適宜の位置で折る制御を実行することによって達成される。
【0025】
図2(c)において、後述する加水手段60で再湿糊110に水を付けた後、第1紙片101の裏面と第3紙片103の表面とを合わせて再湿糊110と第1紙片101の裏面を接触させるとともに、両紙辺101、103の各感圧接着剤111を互いに接触させる。この状態で封筒用紙100は三つ折りの封筒150の形状となるが、再湿糊110も感圧接着剤111もまだ接着されてはいない。
【0026】
その後、
図3等を参照して後に説明するが、封筒150の幅以上の長さがある圧着ローラ80によって封筒150の全面を挟持して搬送する等の工程により、再湿糊110及び感圧接着剤111によって各紙片が接着される。これによって、内容物50が包み込まれた封筒150の形態が実現される。
次に、このような封筒用紙100を用いた封入封緘作業を実行する実施形態の封書作製装置1について説明する。
【0027】
2.封書作製装置の全体構成について(
図3)
封書作製装置1の全体構成及び主要な機能の概要について
図3を参照して説明する。封書作製装置1の各部のうち、用紙の折りや封入等に関与する部分の詳細な構造及び作用については、項を改めて説明する。
【0028】
図3に示す第1実施形態の封書作製装置1は、作製すべき封書ごとに処理を行なう。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物用紙30に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物用紙30を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については、封筒150の形態となるように折るとともに、内容物用紙30にも必要に応じて折りを施し内容物50とする。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、内容物50を封筒150に封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0029】
まず、封書作製装置1は、封筒150及び内容物50となる用紙を印刷して排出する印刷部2を備えている。この印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面等に、複数種類の被印刷体(内容物50となる枚葉状の内容物用紙30や、封筒150となる封筒用紙100)を収納可能な複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。本例では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物50となる枚葉状の内容物用紙30が収納されている。
【0030】
これら給紙台Pから出た用紙等は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。本例では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェット装置C、K、M、Yが配置されている。
【0031】
このループ状の搬送路5には、印刷手段の下流の隣部に、ほぼ水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられている。さらに、第2の排出路7と給紙台Pからの導入路との間にはスイッチバック路8が分岐して設けられている。このスイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段である。このスイッチバック路8を用い、用紙の上下面を逆転させて搬送路5を2回通過させれば、インクジェット装置C、K、M、Yで用紙の上下両面にカラー画像を形成するカラー両面印刷を行なうことができる。
【0032】
次に、前記印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物50となる内容物用紙30を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物50を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0033】
前記印刷部2の第1の排出路6は水平に延設されて外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流は第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0034】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、前述したように、第2の搬送経路20の一方の経路21は内容物用紙30を折り手段に搬送する案内路であり、第1及び第2の搬送経路10,20の切り替えは、第1の排出路6と第2の搬送経路20の分岐点に設けられた図示しない切り替えフラップで行なう。
【0035】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折って封筒150の形態を作製するために第1の折り手段が設けられている。この第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0036】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸の形状に湾曲しつつ水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後に詳述する封入封緘手段に導かれている。
【0037】
次に、封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された用紙を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。この第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を有している。
【0038】
この経路21の中途には、用紙搬送ローラ22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送した用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙を折り畳むための折り手段が設けられている。この折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び1つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラがはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0039】
封入封緘部3の筐体9の内部において、前記第2の搬送経路20は、折り手段で折られた内容物用紙30を搬送する他方の経路26を有している。この他方の経路26は、前記封入封緘手段において第1の搬送経路10の他方の経路13と合流している。
【0040】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。
この封入封緘手段は、封筒用紙100に必要に応じてさらに折りを与える第2の折り手段としての機能を備えている。さらに封入封緘手段は、折られた封筒用紙100に内容物50を整合させた後に折りを加えることにより、内容物50を封筒150内に包み込ませる封入手段であるとともに、この封筒を封緘する封緘手段も備えている。
【0041】
まず封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム性であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて前述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって折られた後に、さらに第2の折り手段である主折りローラA”等に送られ、ここで封入前段のさらなる折りが必要に応じて実行される。
【0042】
封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間には、下方に向いた経路46が配置されている。この経路46の近傍には、封筒用紙100の再湿糊110に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒150にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0043】
封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47には、封筒の搬送方向に沿って、搬送ローラ22と、封入封緘手段の一部を構成する封緘手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、上下1組で左右2対が設けられており、内容物50が封入された封筒150の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤111による封緘を行なうことができる。封緘を終えて作製された封書は、経路47を経て、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出される。
【0044】
そして、
図3に示すように、第1実施形態の封書作製装置1は、以上説明した印刷部2と封入封緘部3からなる装置全体を統括して制御する制御部90を有している。
【0045】
3.折り手段の構成及び作用について(
図4〜
図11)
前述したように、
図3に示した封書作製装置1の制御部90は、印刷部2と封入封緘部3を含む装置全体を統括して制御するものであるが、
図4は、このような制御部90のうち、特に、封入封緘部3における内容物用紙30の折り手段(折りローラ等)と、内容物用紙30の折り位置調整手段である突き当て部材24,25を制御するための構成を示した機能ブロック図である。
【0046】
図5を参照して内容物用紙30の折り手段付近の構成を詳細に説明する。
前記経路21の中途には、用紙搬送ローラ22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送した用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙を折り畳むための折り手段が設けられている。この折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び1つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触して設けられている。
【0047】
図5に示すように、主折りローラAと搬送ローラDによる搬送方向の先方位置には、搬送された内容物用紙30の先端が突き当たる突き当て部材24が、内容物用紙30の折り位置を調整する折り位置調整手段として設けられている。この突き当て部材24は駆動手段である第1の折り位置調整用モータMによって移動可能である。突き当て部材24は、その位置を変えることにより、突き当たって撓んだ内容物用紙30を主折りローラAと折りローラBの間に導いて用紙を折る際に、その折り位置を任意に変えることができる。また、同様に主折りローラAと折りローラBによる搬送方向の先方位置にも、第2の折り位置調整用モータMを備えた同様の構成の突き当て部材25がある。突き当て部材25は、その位置を変えることにより、突き当たって撓んだ内容物用紙30を主折りローラAと折りローラCの間に導いて用紙を折る際に、その折り位置を任意に変えることができる。このように、突き当て部材24,25を有する該折り手段によれば、種々のサイズの内容物用紙30を、任意の折り線の位置で、少なくとも2回以上折ることができる。
【0048】
また
図6に示すように、突き当て部材24,25に替えて搬送ローラ24a,25aを設け、この搬送ローラ24a,25aの回転を停止することで突き当て部材24,25と同様の働きをさせてもよい。
【0049】
図7及び
図8を参照して折りローラA,B,C等による内容物用紙30の折り工程について説明する。なお、これらの図には便宜上整合部23は示していない。
図7(a)に示すように、経路21に沿って用紙搬送ローラ22で送られた内容物用紙30は、主折りローラAと用紙搬送ローラDに挟持搬送される。同図(b)に示すように、内容物用紙30は、主折りローラAと用紙搬送ローラDに挟持搬送されて搬送され、その先端が突き当て部材24に突き当たる。同図(c)に示すように、内容物用紙30は先端が突き当て部材24に突き当たった状態でさらに搬送されるので、経路21内で経路の形状に沿ってたるむことにより、主折りローラAと第1折りローラBの間に挟み込まれる。そして同図(d)に示すように、内容物用紙30は、主折りローラAと第1折りローラBに挟み込まれ、搬送されながら二つ折りになる。
【0050】
図8(a)に示すように、内容物用紙30は、第2の突き当て部材25に突き当たり、さらに搬送されて経路内で経路の形状に沿ってたるむことにより、主折りローラAと第2折りローラCの間に挟み込まれる。同図(b)に示すように、内容物用紙30は主折りローラAと第2折りローラCで搬送されて内三つ折りになっていき、同図(c)に示すように内三つ折りが完成する。
【0051】
なお、
図9(a)に示すように第1の突き当て部材24の位置を折り部から遠方に移動すれば、外三つ折りとすることができ、同図(b)に示すように第1の突き当て部材24の位置を折り部から遠方に移動するとともに、第2の突き当て部材25の位置を折り部により近い位置に移動させれば、四つ折りとすることができる。
【0052】
以上説明した折り方は、内三つ折り、外三つ折り、そして四つ折りであるが、いずれも折って重ねる部分の形状が等しい均等折りであった。しかし、[発明が解決しようとする課題]の項でも説明したように、所定サイズの内容物用紙30を均等折りにし、これを適合するサイズの封筒に収納した場合には、内容物と封筒の上下方向のサイズが適合して問題は発生しないが、小さいサイズの内容物用紙を均等三つ折りにして前記サイズの封筒に入れた場合には、内容物のサイズが封筒のサイズより相当小さくなり、上下方向に移動する状態となってしまう。また、大きいサイズの内容物用紙を均等三つ折りにして前記サイズの封筒に入れようとしても入らない。
【0053】
そこで、本実施形態の封書作製装置1では、内容物用紙30のサイズに関わらず、封筒150のサイズと内容物用紙30のサイズとに応じて、内容物50が封筒150内に適格に収まるような当該内容物用紙30の折り方(折り位置)を判断し、その判断結果に応じて、折り手段における突き当て部材24,25の位置を調整し、内容物用紙30における折り線の位置を調整して、内容物用紙30を必要なサイズに折れるようにしたものである。
【0054】
このような機能を実現するために、前述した
図4に示す制御部90は、折り方法決定手段91を有している。折り方法決定手段91には、他図には示さない本装置1の操作パネル等に設けられた封筒用紙情報入力手段92と、内容物用紙入力手段93から、使用する封筒用紙100と内容物用紙30の情報がそれぞれ入力されるようになっている。また、制御手段90の一部として、封筒用紙100の用紙情報記憶部94と、内容物用紙30の用紙情報記憶部95が設けられ、折り方法決定手段91に接続されている。封筒用紙100の用紙情報記憶部94は、封筒用紙100のサイズや封筒150にした場合の内容物50の収納領域の寸法、その他の情報を封筒用紙100ごとに記憶している。内容物用紙30の用紙情報記憶部95は、内容物用紙30のサイズ等の情報を記憶している。また、制御部90の折り方法決定手段91は、内容物用紙30を折る前述した折り手段と、折り手段に設けられた突き当て部材24,25の位置を調整する第1及び第2折り位置調整モータM1,M2に、制御信号を送るように接続されている。
【0055】
このような制御部90を備えた封書作製装置1において、封書の作製を行なう場合は、まず装置1の操作パネル等から、封筒用紙情報入力手段92によって使用する封筒用紙100の種類を指定し、また内容物用紙入力手段93によって使用する内容物用紙30の種類を指定する。折り方法決定手段91は、封筒用紙100の用紙情報記憶部94と内容物用紙30の用紙情報記憶部95から、指定された封書用紙100及び内容物用紙30の種類に対応した情報を読み出す。そして、折り方法決定手段91は、これらの情報を元に、指定された封筒用紙100を折って作製した封筒150に対して、指定された内容物用紙30を上下方向に隙間なく収納するために最適な折り方を判断する。
【0056】
例えば、
図10は、均等三つ折りにしたA4の内容物用紙30が上下方向に隙間なく収まる封筒150に、A4よりも上下方向に小さいB5の内容物用紙30が、上下方向に隙間なく収まるように折る際の折り方を示している。すなわち、内容物用紙30の折り手段において、突き当て部材24の位置を主折りローラAに近い位置に設定し、最初に主折りローラAと第1折りローラBで折られる内容物用紙30の折り線を、均等三つ折りの場合よりも、搬送方向の先端側に近い位置に設定する。突き当て部材25の位置は、内容物用紙30において、最初の折り線よりも後方の部分を均等折りできるような位置に設定する。このように突き当て部材24,25によって内容物用紙30の折り位置を制御すると、B5の用紙は、三つ折りであるが、3つの各部のうち、一つが短く、他の二つが均等な長さである変形三つ折りになる。
【0057】
図11において、(a)はA4の内容物用紙30を均等内三つ折りにした場合であり、その上下方向の長さはL1となっている。(b)はB5の内容物用紙30を均等内三つ折りにした場合であり、その上下方向の長さはL1より短いL2(<L1)となる。従って、均等内三つ折りにしたB5は、均等内三つ折りしたA4に上下方向のサイズが適合する封筒150に入れた場合、上下方向に隙間ができて移動してしまう。(c)は、本実施形態において、上述したようにB5の内容物用紙30を変形内三つ折りにした場合であり、その上下方向の長さは、A4の内容物用紙30を均等内三つ折りにした場合と同様のL1である。従って、変形内三つ折りしたB5は、均等内三つ折りしたA4に上下方向のサイズが適合した封筒150の中に、上下方向に隙間なく収納することができる。
【0058】
4.封筒用紙の折り手段と封入封緘手段の構成及び作用について(
図12〜
図16)
次に、封筒用紙100を折り手段で折って封筒を作製しつつ、折り手段で折られた内容物用紙30を封筒用紙100内に包み込む工程について説明する。
図12は、内容物50を封筒150に内包する際の各部の動作順序乃至タイミングを示す動作タイミング図であり、
図13乃至
図15は、封筒用紙100の折り手段と封入封緘手段の構成及び作用を工程ごとに示す図である。
【0059】
図12及び
図13に示すように、封筒用紙100の折り手段と封入封緘手段は、さらに次のような構成を備えている。
まず、内容物用紙30の折り手段の主折りローラAと、封入手段の主折りローラA”との間には、他方の経路26に沿って、用紙送りモータM3で駆動される用紙送りローラ32が設けられている。また、封筒用紙100の折り手段の主折りローラA’と、封入手段の主折りローラA”との間には、他方の経路13に沿って、封筒送りパルスモータM4で駆動される封筒送りローラ29が設けられている。そして、用紙送りローラ32の先には、他方の経路26に沿って用紙待機センサS1が設けられており、この用紙待機センサS1が内容物用紙30を検知した場合に、用紙送りモータM3がOFFとなり、封筒送りパルスモータM4がONとなるように構成されている。また、封入手段の主折りローラA”から下方に延びる経路46の近傍には、封筒突き当てセンサS2が設けられている。また、封入手段の主折りローラA”から後方に延びる経路31の近傍には、封緘経路センサS3が設けられている。
【0060】
図12〜
図15を参照して内容物用紙30を封筒に内包する工程について説明する。
図12及び
図13(a)に示すように、用紙送りモータM3を駆動して、折り手段で三つ折りされた内容物用紙30を用紙送りローラ32で搬送する。
【0061】
図12及び
図13(b)に示すように、内容物用紙30が用紙待機センサS1に検知されると、用紙待機センサS1の出力信号により、用紙送りモータM3が停止して内容物用紙30の搬送が停止し、内容物用紙30はここで待機する。また用紙待機センサS1の出力信号により、封筒送りパルスモータM4が始動して封筒送りローラ29が駆動され、封筒用紙100の搬送が始まる。
【0062】
図12及び
図14(a)に示すように、1回折りされた封筒用紙100が封筒送りパルスモータM4で駆動される封筒送りローラ29によって搬送され、経路46に送り込まれる。
【0063】
図12及び
図14(b)に示すように、経路46に送り込まれた封筒用紙100は、
図2(a)に示す状態であり、加水手段60によって下端近傍の再湿糊110に水を塗布された後、封筒突き当てセンサS2によって検出される。封筒突き当てセンサS2の出力信号がONとなってから、制御手段90にてタイミング用のパルスがXカウントされた後、用紙送りモータM3が始動して用紙送りローラ32が駆動され、待機していた内容物用紙30が封筒用紙100に向けて送り出される。なお、ここで、パルスのカウント数Xは、内容物用紙30の長さ、封筒用紙100の長さ、封筒用紙100における再湿糊110の位置等の諸条件から算出される。パルスのカウント数Xは、内容物用紙30の後端が再湿糊110の位置にかからないように設定される。
【0064】
図12及び
図15(a)に示すように、内容物用紙30は封筒用紙100とともに主折りローラA”と折りローラB”に挟み込まれて搬送される。
図2(b)に示すように、内容物50は、封筒用紙100の第3紙片103の上に整合されて内包されていく。
【0065】
図12及び
図15(b)に示すように、封筒用紙100及びこれに包み込まれた内容物用紙30は、主折りローラA”と折りローラB”の間を通過し、これによって第1紙片101と第3紙片103が再湿糊110によって接着され、封筒150の形状が形作られる。封筒150が経路31において封緘経路センサS3に検知されると、同センサS3の出力信号により、封筒送りパルスモータM4が停止して封筒150に対する内容物50の封入が完了する。その後、封筒150は経路47に沿って搬送ローラ22で送られ、圧着ローラ80に挟持搬送されて幅方向の両側縁を加圧され、感圧接着剤111によって封緘される。
【0066】
以上の作用により、
図16に示すように、内容物用紙30のサイズに関わらず、封筒用紙100から作製された封筒150内には、封筒150の上下方向のサイズに適したサイズに折られた内容物用紙30が封入される。すなわち、同図(a)に示すように、A4の内容物用紙30を均等三つ折りにし、これを対応する適正なサイズのA4用の封筒150に収納すれば、当然内容物50と封筒150のサイズは合致するので、内容物30は封筒150内で移動しない。しかし、本実施形態によれば、このA4均等三つ折りに適した封筒150に対し、B5の内容物用紙30を封入しようとすると、制御手段90は使用する封筒用紙100及び内容物用紙30のデータから突き当て部材24,25の位置を適宜に制御し、同図(b)に示すように、内容物用紙30の折り方を変形三つ折りとし、A4均等三つ折りに適した封筒150に隙間なく収まるような内容物に作製する。
【0067】
その結果、内容物50と封筒150の収納部分の上下方向の長さが実質的に同等になるので、内容物50が封筒150内で移動することがなくなり、移動に起因する内容物50の折れや印面汚れ等の不都合が防止される。
【0068】
また、折る前の内容物用紙30の上下方向の長さが、前記封筒150の同方向の長さと等しい場合には、制御手段90は、内容物用紙30を折らずにそのまま封筒に封入するように折り手段及び突き当て部材24,25の制御を行なう。例えば、A4均等二つ折りの内容物用紙30が適合する封筒150の場合、A5均等二つ折りでは内容物が小さすぎて移動してしまうので、A5の内容物用紙30の場合は折らないでそのまま封入する(すなわち0回折り)。
【0069】
また、以上の構成において、図示はしないが、例えば整合部23のゲートの手前に、内容物用紙の整合を行なうとともに幅方向の位置を調整する一対の整合手段を設けておき、これも図示しないセンサによって検出した封筒用紙の幅方向の位置に合わせて、当該整合手段を作動させ、以て内容物用紙の幅方向の位置を調整し、両者の中心を合わせるように制御することもできる。以上の制御は制御手段90が行なう。このようにすれば、折り畳んだ内容物用紙を封筒用紙で包み込んで封入した場合に、折り畳まれた内容物用紙と封筒は幅方向の中心の位置が合っており、封筒の開封部(ミシン目)から離れているので、内容物と封筒の上下方向の寸法がほぼ同じに設定されてるために内容物が封筒内で移動しにくいことと相俟って、開封部で封筒を開封した場合に、内容物が封筒とともに破損する等の不都合が確実に防止される。
【0070】
5.実施形態の変形例について
なお、以上説明した実施形態の封書作製装置1では、封筒用紙100の内部に内容物50を包み込む際に、
図2(b)に示すように第3紙片103の表面の上に、内容物50を載置し、この内容物50を覆うように第1紙片101を重ねて封緘していた。従って、前述したように、収納される内容物50の幅は、封筒用紙100の各紙片の両縁部に印刷された感圧接着剤111の間隔よりもやや小さく、また上下方向の寸法は、封筒用紙100の各紙片の上下方向の長さから、再湿糊110の同方向の長さを除いた寸法よりもやや小さければよい。しかしながら、折り手段における封筒用紙の折り手順や、封入封緘手段における動作手順等を適宜変更することにより、封筒150内における内容物50の位置を変えることもできる。すなわち、
図2(b)において、内容物50を第2紙片102と第3紙片103の間に入れ、第1紙片101を第3紙片103の表側に重ねて封緘してもよい。この場合、収納される内容物50の幅は、封筒用紙100の各紙片の両縁部に印刷された感圧接着剤111の間隔よりも小さく、また上下方向の寸法は、封筒用紙100の各紙片の上下方向の長さよりもやや小さければよい。
【0071】
また、以上説明した実施形態では、封筒用紙100を折って封筒150を作製する場合について説明したが、定形、非定形を問わず、既製の封筒を使用する場合にも、本発明乃至実施形態によれば同等の効果を得ることができる。すなわち、折る前の内容物用紙の上下方向の寸法が、封筒の同方向の寸法より始めから小さい場合でなければ、内容物用紙30に対して折り位置の制御を適当に行なえば、どのようなサイズの用紙であっても、その上下方向のサイズを、使用する封筒の上下方向のサイズに合わせることができる。従って、内容物用紙30を均等折りしたのでは封筒内で上下方向に隙間が生じてしまうような場合であっても、封筒内で上下方向について実質的に問題のある隙間を空けないように内容物を折って封入することができる。
【0072】
また、以上説明した実施形態の封書作製装置1は印刷部2を備えているが、この印刷部2は既設の画像形成装置であってもよい。すなわち、既に事業所等に設置してある通常の画像形成装置を本発明における印刷部2とし、これに封入封緘部3を接続することによって本発明の封書作製装置1とすることができる。このため、1台の既設の画像形成装置を利用して封筒と内容物の印刷を行なうことができ、自動的な封書作製装置の設置コストが少なくて済む。また、画像形成装置としては、実施形態で説明したようなインクジェット装置を用いるものでもよいし、その他の種類の画像形成手段でもよく、画像形成原理を問わない。
【0073】
また、以上説明した実施形態では、封筒及び内容物の用紙として枚葉状の用紙を使用したが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。