特許第5694844号(P5694844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694844
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】成形機の摩耗評価方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/50 20060101AFI20150312BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   B29C45/50
   B29C45/76
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-100679(P2011-100679)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-232423(P2012-232423A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222587
【氏名又は名称】東洋機械金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091694
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 守
(72)【発明者】
【氏名】柴田 和之
(72)【発明者】
【氏名】井上 玲
(72)【発明者】
【氏名】澤田 靖丈
(72)【発明者】
【氏名】守谷 憲亮
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−164547(JP,A)
【文献】 特開2012−108003(JP,A)
【文献】 特開昭61−272119(JP,A)
【文献】 特開平06−281436(JP,A)
【文献】 特開2000−280311(JP,A)
【文献】 特開2003−106216(JP,A)
【文献】 特開2002−348633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
G01N 23/223
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作されるときに摺動される摺動部材の表面に対しクロムメッキ処理を施しておき、該摺動部材に接触されるクロムの含有された原料を用いて成形体を製造する成形機において、
前記成形体を成形するための原料であるペレットの一定量を燃焼して樹脂を除去し該樹脂が除去された第1の物質に、前記ペレットに含有されていない所定物質を所定量添加した第1の対象物質の成分を分析装置による蛍光X線の照射で分析し、
該分析した第1の対象物質の成分のうち、該第1の対象物質に含有されている第1のクロムの質量濃度Cと、第1の基準質量濃度Aとして前記第1の対象物質に含有されている前記所定物質の質量濃度とを前記分析装置に抽出させ、
演算手段により、前記第1のクロムの質量濃度Cと前記第1の基準質量濃度Aとを用いて、次の数式1により基準値Xを算出させ、
数式1: X=C/A
前記成形体から取り出した、前記ペレットの一定量と同質量の物質を、燃焼して樹脂を除去し該樹脂が除去された第2の物質に、前記第1の物質に添加した物質と同質同量の所定物質を添加した第2の対象物質の成分を分析装置による蛍光X線の照射で分析し、
該分析した第2の対象物質の成分のうち、該第2の対象物質に含有されている第2のクロムの質量濃度C´と、第2の基準質量濃度A´として前記第2の対象物質に含有されている前記所定物質の質量濃度とを前記分析装置に抽出させ、
演算手段により、前記第2のクロムの質量濃度C´と前記第2の基準質量濃度A´とを用いて、次の数式2により比較値X´を算出させ、
数式2: X´=C´/A´
判別評価手段が、前記比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値以上のときには、前記摺動部材が摩耗していると判別し、前記比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値未満のときには、前記摺動部材の摩耗は少なく該摺動部材は使用可能であるとして前記摺動部材の摩耗状態を判別し、評価することを特徴とする成形機の摩耗評価方法。
【請求項2】
前記摺動部材は、前記ペレットを溶融した溶融材料の計量及び前記ペレットを溶融した溶融材料を金型のキャビティへ射出充填するとき、或いは、これらの何れかを行うときに動作されるスクリューであることを特徴とする請求項1に記載の成形機の摩耗評価方法。
【請求項3】
前記摺動部材は、前記ペレットを内部で溶融する加熱シリンダであることを特徴とする請求項1に記載の成形機の摩耗評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型閉された金型のキャビティに加熱シリンダで溶融された樹脂をスクリューの前進動作により射出充填して成形体を製造する成形機の摩耗評価方法に関し、特に、摺動可能に設けられたスクリューや加熱シリンダの摩耗評価方向に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形により成形体を成形する射出成形機においては、金型のキャビティに溶融樹脂の射出充填を行ったり、金型のキャビティへ射出充填される溶融樹脂の計量を行ったりするときには、加熱シリンダ内に設けられたスクリューが進退動作や回転動作されることにより行われる。こうした射出成形機のスクリューは、耐摩耗性・耐焼付性(かじり防止)の観点から、スクリューの表面に対し、クロム(Cr)メッキ層で表面処理を施すことが知られており、こうした技術に関連するものとして、特許文献1には、射出成形用のスクリュー本体の作業面に、鉄クロム酸化物を主体とする酸化物層を形成したスクリューが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−302455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示されているスクリューにおいては、耐摩耗性・耐焼付性を向上するために、スクリュー本体作業面に対し鉄クロム酸化物を主体とする酸化物層を形成したものではあるが、加熱シリンダ内で摺動しながら動作されるスクリューは、どうしても使用に従い表面の摩耗が進行してしまうことから、定期的に加熱シリンダ内からスクリューを取り出して、摩耗量を測定し所定の条件を満たしているか否かについて評価しなければならず、煩雑な作業を要するという実情があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加熱シリンダやスクリュー等の摺動部材を取り出さなくても、これらの摩耗状態を容易に判別することができる成形機の摩耗評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る成形機の摩耗評価方法の発明は、
動作されるときに摺動される摺動部材の表面に対しクロムメッキ処理を施しておき、該摺動部材に接触されるクロムの含有された原料を用いて成形体を製造する成形機において、
前記成形体を成形するための原料であるペレットの一定量を燃焼して樹脂を除去し該樹脂が除去された第1の物質に、前記ペレットに含有されていない所定物質を所定量添加した第1の対象物質の成分を分析装置による蛍光X線の照射で分析し、
該分析した第1の対象物質の成分のうち、該第1の対象物質に含有されている第1のクロムの質量濃度Cと、第1の基準質量濃度Aとして前記第1の対象物質に含有されている前記所定物質の質量濃度とを前記分析装置に抽出させ、
演算手段により、前記第1のクロムの質量濃度Cと前記第1の基準質量濃度Aとを用いて、次の数式1により基準値Xを算出させ、
数式1: X=C/A
前記成形体から取り出した、前記ペレットの一定量と同質量の物質を、燃焼して樹脂を除去し該樹脂が除去された第2の物質に、前記第1の物質に添加した物質と同質同量の所定物質を添加した第2の対象物質の成分を分析装置による蛍光X線の照射で分析し、
該分析した第2の対象物質の成分のうち、該第2の対象物質に含有されている第2のクロムの質量濃度C´と、第2の基準質量濃度A´として前記第2の対象物質に含有されている前記所定物質の質量濃度とを前記分析装置に抽出させ、
演算手段により、前記第2のクロムの質量濃度C´と前記第2の基準質量濃度A´とを用いて、次の数式2により比較値X´を算出させ、
数式2: X´=C´/A´
判別評価手段が、前記比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値以上のときには、前記摺動部材が摩耗していると判別し、前記比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値未満のときには、前記摺動部材の摩耗は少なく該摺動部材は使用可能であるとして前記摺動部材の摩耗状態を判別し、評価することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る成形機の摩耗評価方法の発明は、請求項1において、
前記摺動部材は、前記ペレットを溶融した溶融材料の計量及び前記ペレットを溶融した溶融材料を金型のキャビティへ射出充填するとき、或いは、これらの何れかを行うときに動作されるスクリューであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る成形機の摩耗評価方法の発明は、請求項1において、
前記摺動部材は、前記ペレットを内部で溶融する加熱シリンダであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、摺動部材は、加熱シリンダに対し摺動されるスクリューやスクリューに対し摺動される加熱シリンダであるが、これらの摩耗について、比較値X´が基準値Xの60倍の数値以上であるか否かに基づいて判別することができる。よって、加熱シリンダに対し摺動されるスクリューや、スクリューに対し摺動される加熱シリンダを成形機から取り外すことなく、これらの摩耗量を判別し評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一例における射出成形機の射出ユニットを示す概略構成図であり、一部を断面で示している。
図2】分析装置の構成を示すブロック図である。
図3】質量濃度を示す説明図であり、(a)は第1の対象物質の成分に含有される各元素に対応する質量濃度を示し、(b)及び(c)は第2の対象物質の成分に含有される各元素に対応する質量濃度を示し、(b)はスクリューの摩耗が規定値の範囲内で摩耗がない場合の数値であり、(c)はスクリューの摩耗が規定値を超えた摩耗がある場合の数値を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図1図3により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、本実施形態において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0012】
本実施形態における成形機たる射出成形機は、型開閉を行う型締ユニット(図示せず)と射出ユニット1とを備えており、射出ユニット1には、図1に示すように、加熱シリンダ2、この加熱シリンダ2内に備えられた、表面にクロムメッキ処理を施した摺動部材たるスクリュー3、及び射出ノズル4等を備え、加熱シリンダ2内で回転可能に設けられたスクリュー3を回転させながら後退させることにより、加熱シリンダ2とスクリュー3との間に有する溶融樹脂(溶融されたペレット)の計量工程を行った後、射出工程としてスクリュー3を前進させることで加熱シリンダ2の先端に装着した射出ノズル4から型締ユニットの金型のキャビティへの溶融樹脂の射出充填を行う。
【0013】
図2は、成形体を成形するうえで原料となるペレット等に含有される後述する第1の対象物質の成分、及び射出成形機で製造された合成樹脂製の成形体等に含有される後述する第2の対象物質の成分を分析・評価することが可能な分析装置10である。同図に示すように、分析装置10には、分析対象を設置する分析部11、この分析部11で蛍光X線の照射により分析された各種成分の数値が格納される記憶部12、記憶部12に格納された数値の演算処理を行う演算手段13、各数値を対比して、これらの結果に基づき所定条件(スクリュー3の摩耗量等)を満たしているか否かの判定・評価を行なう判定評価手段14、記憶部12に格納された数値や前記判定・評価の結果等を表示する表示部15等を備え、これらの動作処理は、記憶部12に格納された各種プログラムに基づいて、射出成形機全体の制御を司る制御手段16が指示を出すことで実行される。
【0014】
ここで、スクリュー3の摩耗状態を判定評価する方法の一例について以下に説明する。
<第1の対象物質の成分分析について>
1.先ず、クロム(Cr)が含有されている成形体の原料となるペレットの一定量(約10g)をるつぼに入れて発火点まで昇温し、ペレットに含有されている樹脂が発火した時点で昇温を止め、鎮火するまで放置する。
2.鎮火後、600度まで昇温し、樹脂を完全に除去する。
3.るつぼに残ったものを集め、カルシウム(Ca)の含まれた所定サイズの両面テープ(クロムが含まれていないもの)の粘着部に載置する。載置する量は、ここではミクロスパーテル一杯程度とする。
4.ミクロスパーテルで試料(るつぼに残ったもの)が粘着部上で平ら(均一)になるようにのばす。その際、のばしすぎてテープからはみ出ないようにする。のばす範囲は、直径5mm程度。
5.蛍光X線で分析部11に配置された、前記試料と前記両面テープとからなる第1の対象物質の分析をする。
6.第1の対象物質の分析が終了すると、制御手段16により、第1の対象物質に含まれている各種物質の質量濃度(%)の分析結果が記憶部12に格納され、図3(a)に示すように、これらは表示部15に一覧として表示される。
7.そして、第1の対象物質(試料+両面テープ)の成分のうち、第1の対象物質に含有されている第1のクロムの質量濃度C(図3(a)の0.07)と、第1の対象物質に含まれる両面テープのカルシウムの質量濃度とする第1の基準質量濃度A(図3(a)の51.60)とが制御手段16により抽出され、演算手段13が、第1のクロムの質量濃度Cと第1の基準質量濃度Aとを用いて、数式1(X=C/A)により基準値X(0.001=0.07/51.60)を算出する。
<第2の対象物質の成分分析について>
8.続いて、射出成形機で製造を終えている成形体の一部を削り出し、これから一定量(約10gであり、前記ペレットの一定量と同量)を取り出して、これをるつぼに入れて発火点まで昇温し、成形体に含有されている樹脂が発火した時点で昇温を止め、鎮火するまで放置する。
9.鎮火後、600度まで昇温し、樹脂を完全に除去する。
10.るつぼに残ったものを集め、カルシウム(Ca)の含まれた所定サイズの両面テープ(クロムが含まれていないもの)の粘着部に載置する。載置する量は、ここではミクロスパーテル一杯程度とする。
11.ミクロスパーテルで試料(るつぼに残ったもの)が粘着部上で平ら(均一)になるようにのばす。その際、のばしすぎてテープからはみ出ないようにする。のばす範囲は、直径5mm程度。
12.蛍光X線で分析部11に配置された、前記試料と前記両面テープとからなる第2の対象物質の分析をする。
13.第2の対象物質の分析が終了すると、制御手段16により、第2の対象物質に含まれている各種物質の質量濃度(%)の分析結果が記憶部12に格納され、図3(b)や(c)に示すように、これらは表示部15に一覧として表示される。
14.そして、ここでは図3(c)の分析結果に基づいて説明すると、第2の対象物質(試料+両面テープ)の成分のうち、第2の対象物質に含有されている第2のクロムの質量濃度C´(図3(c)の13.91)と、第2の対象物質に含まれる両面テープのカルシウムの質量濃度とする第2の基準質量濃度A´(図3(c)の43.80)とが制御手段16により抽出され、演算手段13が、第2のクロムの質量濃度C´と第2の基準質量濃度A´とを用いて、数式2(X´=C´/A´)により比較値X´(0.32=13.91/43.80)を算出する。
15.そして、所定の操作を行なうと、制御手段16が判定評価手段14を実行し、比較値X´(0.32)が基準値X(0.001)の60倍の数値以上のとき(0.060(0.001×60)≦0.32)には、スクリュー3が摩耗していると判別し、表示部15には図3(c)に示すように「摩耗あり」と表示される。また、例えば図3(b)の数値に基づくように、比較値X´(0.002=0.10/46.14)が基準値X(0.001)の60倍の数値未満のとき(0.002<0.060(0.001×60))には、表示部15には図3(b)に示すように「摩耗なし」と表示される。このように、スクリュー3の使用が可能か否かの判別が分析装置10によりなされ、その評価結果が表示部15に対して視覚化して表示される。なお、前記両面テープに含有するカルシウム(Ca)の質量濃度を用いる理由としては、一定量含まれていることが事前にわかっているためであり、また、含まれている量も比較的おおいため用いる。
【0015】
以上のように本実施形態よれば、動作されるときに加熱シリンダ2と摺動されるスクリュー3の表面に対しクロムメッキ処理を施しておき、このスクリュー3に接触されるクロムの含有された原料を用いて成形体を製造する射出成形機において、成形体を成形するための原料であるペレットの一定量に、このペレットに含有されていない所定物質(両面テープに含まれるカルシウム)を所定量添加した第1の対象物質の成分を分析装置10による蛍光X線の照射で分析し、この分析した第1の対象物質の成分のうち、この第1の対象物質に含有されている第1のクロムの質量濃度Cと、第1の対象物質に含有されている前記所定物質(両面テープに含まれるカルシウム)の質量濃度(第1の基準質量濃度A)とを分析装置10の制御手段16で抽出させ、演算手段13により、第1のクロムの質量濃度Cと第1の基準質量濃度Aとを用いて、数式1(X=C/A)により基準値Xを算出させる。そして、さらに、射出成形機で既に製造された成形体を削り取るなどして、前記ペレットの一定量と同じ質量を成形体から取り出し、取り出した物質に、前記ペレットに添加した物質と同質同量の所定物質(両面テープに含まれるカルシウム)を添加した第2の対象物質の成分を分析装置による蛍光X線で分析し、この分析した第2の対象物質の成分のうち、第2の対象物質に含有されている第2のクロムの質量濃度C´と、第2の対象物質に含有されている所定物質(両面テープに含まれるカルシウム)の質量濃度(第2の基準質量濃度A´)とを分析装置10の制御手段16で抽出させ、演算手段13により、第2のクロムの質量濃度C´と第2の基準質量濃度A´とを用いて、数式2(X´=C´/A´)により比較値X´を算出させ、判別評価手段14が、比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値以上のときには、スクリュー3が摩耗していると判別し、前記比較値X´が前記基準値Xの60倍の数値未満のときには、スクリュー3の摩耗は少なくこのスクリュー3は使用可能であるとしてスクリュー3の摩耗状態を判別し評価する。これにより、加熱シリンダ2に対し摺動されるスクリュー3の摩耗について、比較値X´が基準値Xの60倍とする当該閾値の以上・未満により判別することが可能となり、スクリュー3を射出成形機から取り外すことなく、これらの摩耗量を評価することができる。よって、煩雑なスクリュー3の取り出し作業を解消することができ、その効果は多大である。
【0016】
以上、本実施形態の一例を詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、摺動部材の一例としてスクリュー3を挙げたが、摺動部材としては、スクリュー3と摺動される加熱シリンダ2であってもよい。また、本実施形態の一例では、スクリュー3の表面がクロムメッキ処理されていることから、クロムの質量濃度(C,C´)を用いて、X,X´を算出しているが、例えば、スクリュー3の表面が鉄(Fe)からなる場合には、前述したクロムの代わりに鉄(Fe)であってもよく、こうした選定はスクリュー3の表面の材質に応じて適宜選択するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 射出ユニット
2 加熱シリンダ(摺動部材)
3 スクリュー(摺動部材)
4 射出ノズル
10 分析装置
11 分析部
12 記憶部
13 演算手段
14 判別評価手段
15 表示部
16 制御手段
A 第1の基準質量濃度
A´ 第2の基準質量濃度
C 第1のクロムの質量濃度
C´ 第2のクロムの質量濃度
X 基準値
X´ 比較値
図1
図2
図3