特許第5694884号(P5694884)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5694884アクチュエータ及び車両用ヘッドランプ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694884
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】アクチュエータ及び車両用ヘッドランプ装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/00 20060101AFI20150312BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20150312BHJP
   H02K 7/116 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
   H02K5/00 B
   H02K5/22
   !H02K7/116
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-183940(P2011-183940)
(22)【出願日】2011年8月25日
(65)【公開番号】特開2013-46527(P2013-46527A)
(43)【公開日】2013年3月4日
【審査請求日】2014年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】山本 明徳
【審査官】 尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−127254(JP,U)
【文献】 特開2003−235214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00− 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークハウジングを有するモータを備え、前記ヨークハウジングがアース端子を介してグランドに接続されるアクチュエータであって、
前記アース端子は、前記ヨークハウジングに一体形成され
前記ヨークハウジングには、アクチュエータハウジングに対して前記モータを固定するための固定部を有し、
前記固定部は、前記アース端子を兼用し、前記グランドに対する接続と前記アクチュエータハウジングに対する固定とが行われたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記モータの駆動を制御する制御回路を有する制御基板を備えるものであり、
前記アース端子は、前記制御基板上のグランド電位に接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記制御基板には、前記グランド電位であるグランドパターンが備えられ、
前記アース端子は、前記グランドパターンに接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記制御基板には、前記グランド電位とされたターミナル部材が備えられ、
前記アース端子は、二股状の挟持部の挟持により前記ターミナル部材との接続が行われたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記アース端子は、前記制御基板のグランドパターンに半田付けにて接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項6】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記アース端子は、係合部を有し、その係合部が前記制御基板とスナップフィット結合して前記グランドパターンに接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項7】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記制御基板は、表裏を貫通する貫通孔が形成され、
前記アース端子は、先端に設けた分岐部が前記貫通孔に挿入され、分岐部の一部が前記グランドパターンに弾性接触したことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項8】
請求項に記載のアクチュエータにおいて、
前記制御基板は、表裏を貫通する貫通孔が形成され、
前記アース端子は、先端に設けた分岐部が前記貫通孔に挿入され、分岐部が割りかしめされることで前記グランドパターンに接触したことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
アクチュエータの駆動に基づいてヘッドランプが回動する車両用ヘッドランプ装置であって、
前記アクチュエータには、請求項1〜のいずれか1項に記載のアクチュエータが用いられていることを特徴とする車両用ヘッドランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨークハウジングを有するモータを駆動源として出力軸を駆動させるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ヘッドランプ装置等に用いられるアクチュエータは、駆動源としてモータを備える。この種のモータ、例えばステッピングモータでは、駆動時におけるステータへの駆動電流の切り替え(変動)に起因した電磁ノイズ(ラジオノイズ)の発生が懸念されるため、そのステータを収容するヨークハウジングを接地し、外部への電磁ノイズの漏れを低減するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−78279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のモータでは、ヨークハウジングと別体で設けたアース端子(アースプレート)が締結ネジによりヨークハウジングに連結されているため、アース端子や締結ネジというように部品点数が増加することが問題であった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、接地構造を少ない部品点数で構成することができるアクチュエータ及びそれを用いた車両用ヘッドランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヨークハウジングを有するモータを備え、前記ヨークハウジングがアース端子を介してグランドに接続されるアクチュエータであって、前記アース端子は、前記ヨークハウジングに一体形成され、前記ヨークハウジングには、アクチュエータハウジングに対して前記モータを固定するための固定部を有し、前記固定部は、前記アース端子を兼用し、前記グランドに対する接続と前記アクチュエータハウジングに対する固定とが行われたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、アクチュエータに備えられるモータは、アース端子を介してヨークハウジングがグランドに接続されるとともに、そのアース端子がヨークハウジングに対して一体形成される。これにより、外部への電磁ノイズの漏れを低減するためにヨークハウジングをグランドに接続する接地構造を少ない部品点数で構成することができる。
【0008】
また、アクチュエータハウジングに対してモータを固定するために設けられるヨークハウジングの固定部がアース端子を兼用し、グランドに対する接続とアクチュエータハウジングに対する固定が行われる。これにより、固定部とアース端子とを個別に備える態様と比べて、簡易な構成とすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記モータの駆動を制御する制御回路を有する制御基板を備えるものであり、前記アース端子は、前記制御基板上のグランド電位に接続されたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、モータのヨークハウジングのアース端子は、アクチュエータに備えられる制御基板上のグランド電位に接続される。これにより、接地構造が簡易な構成にて実現可能となる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のアクチュエータにおいて、前記制御基板には、前記グランド電位であるグランドパターンが備えられ、前記アース端子は、前記グランドパターンに接続されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、制御基板上にグランドパターンが備えられることで、アース端子を制御基板を通じて容易にグランドに接続することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のアクチュエータにおいて、前記制御基板には、前記グランド電位とされたターミナル部材が備えられ、前記アース端子は、二股状の挟持部の挟持により前記ターミナル部材との接続が行われたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、制御基板に設けられグランド電位とされたターミナル部材を、アース端子に設けた二股状の挟持部にて挟持することにより、アース端子とターミナル部材とが接続される。これにより、アース端子を制御基板上のターミナル部材を通じて容易且つ確実にグランドに接続することができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のアクチュエータにおいて、前記アース端子は、前記制御基板のグランドパターンに半田付けにて接続されたことをその要旨とする。
この発明では、アース端子が制御基板のグランドパターンに半田付けにて接続されることにより、アース端子のグランドパターンとの接続が確実で、接続部分の電気抵抗を小さくすることができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のアクチュエータにおいて、前記アース端子は、係合部を有し、その係合部が前記制御基板とスナップフィット結合して前記グランドパターンに接続されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、アース端子の係合部が制御基板とスナップフィット結合することで、アース端子が制御基板上のグランドパターンに接続される。これにより、アース端子のグランドパターンとの接続を容易且つ確実に行うことができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のアクチュエータにおいて、前記制御基板は、表裏を貫通する貫通孔が形成され、前記アース端子は、先端に設けた分岐部が前記貫通孔に挿入され、分岐部の一部が前記グランドパターンに弾性接触したことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、アース端子は、先端に設けた分岐部が制御基板の貫通孔に挿入され、分岐部の一部がグランドパターンに弾性接触される。これにより、アース端子のグランドパターンとの接続を容易且つ確実に行うことができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項3に記載のアクチュエータにおいて、前記制御基板は、表裏を貫通する貫通孔が形成され、前記アース端子は、先端に設けた分岐部が前記貫通孔に挿入され、分岐部が割りかしめされることで前記グランドパターンに接触したことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、アース端子は、先端に設けた分岐部が制御基板の貫通孔に挿入され、分岐部が割りかしめされることでグランドパターンに接触する。これにより、アース端子のグランドパターンとの接続が容易且つ確実に行うことができる。
【0022】
請求項に記載の発明は、アクチュエータの駆動に基づいてヘッドランプが回動する車両用ヘッドランプ装置であって、前記アクチュエータには、請求項1〜のいずれか1項に記載のアクチュエータが用いられたことをその要旨とする。
【0023】
この発明では、接地構造を少ない部品点数で構成可能なアクチュエータが用いられることで、車両用ヘッドランプ装置の部品点数の低減にも寄与することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、接地構造を少ない部品点数で構成することができるアクチュエータ及びそれを用いた車両用ヘッドランプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】車両用ヘッドランプ装置を搭載した車両の斜視図である。
図2】車両用ヘッドランプ装置の断面図である。
図3】アクチュエータを示す断面図(図4におけるA−A線断面図)である。
図4】下部ケースを外した状態のアクチュエータを示す底面図である。
図5】別の形態のアクチュエータの部分拡大断面図である。
図6】(a)〜(c)は、別の形態のアクチュエータの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1の進行方向前端部には、一対の車両用ヘッドランプ装置2が備えられている。図2に示すように、各車両用ヘッドランプ装置2の筐体3内には、左右方向に回動可能に支持されるヘッドランプ4と、該ヘッドランプ4を回動させるためのアクチュエータ5とが収容されている。また、各車両用ヘッドランプ装置2は車載LAN(図示略)に接続されており、アクチュエータ5はAFS(Adaptive Front Lighting System)−ECU6からシリアル通信にて所定制御周期で送信されるヘッドランプ4の目標位置信号に基づいて制御されている。車両用ヘッドランプ装置2は、その目標位置信号に基づいた所定の指令パルス信号を決定するアクチュエータ5内に収容した制御回路52(図4参照)の制御に基づいて、ヘッドランプ4の光軸をステアリング操作に連動させて左右方向に動作させるようになっている。
【0027】
図3及び図4に示すように、アクチュエータ5は、扁平四角箱形状をなす下部ケース10及び上部ケース11とからなるアクチュエータハウジング12内に減速機構20が収容されるとともに、上部ケース11の長手方向一側の外側面に所謂ブラシレスモータのステッピングモータ31が取り付けられ、該モータ31と減速機構20とが駆動連結されている。また、アクチュエータ5は、上部ケース11の内側(ハウジング12内)に制御基板51が収容されている。制御基板51は、板状をなし、該制御基板51上には上記した制御回路52が搭載されている。
【0028】
ステッピングモータ31のヨークハウジング32は筒状部33を有する有底筒状をなし、該ヨークハウジング32にはステッピングモータ31を上部ケース11に固定するための固定部35〜37が軸方向に板状に延設(一体形成)されている。固定部35〜37は、筒状部33に周方向に所定の間隔で形成されている。固定部35〜37を含むヨークハウジング32は、例えば金属部材のプレス加工にて形成されている。上部ケース11には、固定部35〜37の位置に応じて軸方向に貫通する貫通孔11a〜11cが形成されている。固定部36及び固定部37については(図4参照)、各貫通孔11b,11cを通ってその先端部36a,37aが抜け出し不能に折り曲げられてかしめられ、上部ケース11の所定部分にそれぞれかしめ固定されている。
【0029】
固定部35は、制御基板51と重なる位置に設定されているため(図3参照)、該固定部35が挿通される貫通孔11aの位置に応じて制御基板51にその表裏を貫通する貫通孔51aが形成されている。固定部35は、貫通孔11a,51aを通ってその先端部35aが抜け出し不能に折り曲げられてかしめられ、先端部35aと上部ケース11との間に制御基板51を挟んで上部ケース11にかしめ固定されている。このようにしてステッピングモータ31は、固定部35〜37によりヨークハウジング32の開口部を上部ケース11の外側面に当接させて取り付けられている。
【0030】
制御基板51上には、例えば車体アース(図示略)に電気的に接続されてグランド電位となるグランドパターン53が形成されている。また、制御基板51上には、板状の金属部材からなるターミナル54が設けられ、該ターミナル54の基端部54aはグランドパターン53に接続されている。
【0031】
固定部35の先端部35aには、ターミナル54の先端部54bの形状に合わせて二股状に分岐した挟持部35bが形成されている。固定部35とターミナル54とは、ターミナル54の先端部54bを固定部35の先端部35aの挟持部35b間に挿入してその先端部35aの幅方向内側(図4の拡大図に示す矢印方向)に変形してかしめ固定することにより、互いに接続されている。従って、ヨークハウジング32は、固定部35及びターミナル54を介してグランドパターン53に電気的に接続されることで、グランド電位とされる。
【0032】
ヨークハウジング32内には、2段構造をなす円環状のステータ38が固定されている。ステータ38は、各段それぞれに一対のステータコア39を有し、各段それぞれのステータコア39に対してコイル40が装着されている。各ステータコア39には、径方向内側に複数のクローポール39aが備えられている。尚、ステータ38の1段目と2段目とは、各段のクローポール39aが周方向に半ピッチ分ずらして配置されている。ステータ38の内側にはクローポール39aに対向するように外周面にマグネット41を有するロータ42が収容され、該ロータ42の回転軸43が軸線Lを中心にヨークハウジング32及び上部ケース11に対して回転可能に支持されている。回転軸43の先端部分は上部ケース11を貫通してハウジング12内に突出し、その突出した先端部に駆動ギヤ21が取り付けられている。
【0033】
ハウジング12内に収容される減速機構20は、平歯車よりなる3つの減速ギヤ22〜24と出力ギヤ25とを備え、該ハウジング12の長手方向他方側に向けて並設されそれぞれ回転可能に支持されている。ステッピングモータ31の回転軸43に取着された駆動ギヤ21は、3つの減速ギヤ22〜24のギヤ列入力側の減速ギヤ22と噛合し、出力ギヤ25は、そのギヤ列出力側の減速ギヤ24と噛合している。これにより、ステッピングモータ31の回転軸43の回転が減速され出力ギヤ25の所定角度の回動に変換されている。出力ギヤ25は出力軸26を有し、該出力軸26はヘッドランプ4と駆動連結されている。そして、出力軸26の所定角度の回動にて、ヘッドランプ4が車両1の左右方向に回動するようになっている。
【0034】
上記のように構成された車両用ヘッドランプ装置2は、制御回路52が前記ECU6から所定制御周期で送信された目標位置信号に基づいて所定の指令パルス信号を決定する。次いで、制御回路52は、指令パルス信号に基づいて駆動パルス(駆動電流)を生成し、該駆動パルスをステッピングモータ31に出力してモータ31を回転駆動させる。そして、このようなステッピングモータ31の回転駆動によりアクチュエータ5の出力軸26が回動することにより、ヘッドランプ4がステアリング操作に連動、即ち車両1の操舵方向に追従するように同方向に回動されるようになっている。
【0035】
また図3に示すように、ステッピングモータ31は、ヨークハウジング32に設けられた固定部35が制御基板51上に形成されたグランドパターン53に電気的に接続されている。従って、駆動時におけるステータ38への駆動電流の切り替え(変動)に起因した電磁ノイズ(ラジオノイズ)がヨークハウジング32(ステッピングモータ31)の外部に漏れるのを抑制できる。この場合、固定部35はヨークハウジング32に一体に設けられることから、外部への電磁ノイズの漏れを低減するためにヨークハウジング32をグランドに接続する構造を少ない部品点数で構成するものである。
【0036】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)本実施形態のアクチュエータ5に備えられるステッピングモータ31は、固定部(アース端子)35を介してヨークハウジング32が制御基板51上のターミナル54(グランドパターン53)に接続されるとともに、その固定部35がヨークハウジング32に一体形成されている。これにより、外部への電磁ノイズの漏れを低減するためにヨークハウジング32をグランドに接続する接地構造を少ない部品点数で構成することができる。また、このような接地構造を少ない部品点数で構成可能なアクチュエータ5を車両用ヘッドランプ装置2に用いることで、該車両用ヘッドランプ装置2の部品点数の低減にも寄与することができる。
【0037】
(2)アース端子として用いる固定部35は、アクチュエータ5に備えられる制御基板51上のグランドパターン53に電気的に接続されている。これにより、接地構造を簡易な構成にて実現することができる。
【0038】
(3)ハウジング12に対してステッピングモータ31を固定するために設けられるヨークハウジング32の固定部35がアース端子を兼用し、グランドに対する接続とハウジング12に対する固定が行われる。これにより、固定部35とアース端子とを個別に備える態様と比べて、簡易な構成とすることができる。
【0039】
(4)制御基板51上には、グランドパターン53が形成されおり、固定部35を制御基板51を通じて容易にグランドに接続することができる。
(5)制御基板51上には、基端部54aがグランドパターン53に接続されグランド電位とされたターミナル54が設けられている。固定部35の先端部35aには、ターミナル54の先端部54bの形状に合わせて二股状に分岐した挟持部35bが形成されている。そして、ターミナル54の先端部54bを、固定部35の挟持部35bにて挟持することにより、固定部35とターミナル54とが接続されている。これにより、固定部35を制御基板51上のターミナル54を通じて容易且つ確実にグランドに接続することができる。
【0040】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、固定部35を制御基板51上のターミナル54(グランドパターン53)に接続したが、グランドと接続可能な他の部材に接続してもよい。
【0041】
・上記実施形態では、固定部35をアース端子と兼用したが、固定部35とアース端子とを個別に備える態様としてもよい。
・上記実施形態では、固定部35の先端部35aを制御基板51(上部ケース11)に対してかしめて電気的に接続したが、接続態様はこれに限定されない。
【0042】
例えば図5に示すように、ヨークハウジング32に設けた接続用端子55を制御基板51上のグランドパターン53に半田付けしてもよい。この場合、接続用端子55の先端部55aは、接続用端子55の位置に応じて形成された上部ケース11の貫通孔11a及び制御基板51の貫通孔51aを通って、制御基板51上のグランドパターン53と半田付けされ、半田部56にて電気的接続が図られる。このようにすると、接続用端子(アース端子)55のグランドパターン53との接続が確実で、接続部分の電気抵抗を小さくすることができる。尚、この接続用端子55は、接地のためだけでもよく、また固定の機能を有していてもよい。
【0043】
また、例えば図6(a)に示すように、接続用端子55の先端部55aに制御基板51のグランドパターン53が形成された面に沿った方向に屈曲した係合部55bを形成してもよい。そして、接続用端子55が貫通孔11a,51aに挿入され、係合部55bと、制御基板51との所謂スナップフィット結合により、先端部55aをグランドパターン53に接続(係合)させる。このようにすると、接続用端子55のグランドパターン53との接続を容易且つ確実に行うことができる。尚、この構成では、接続用端子55が撓むことが可能なため、モータ31の駆動時に生じる振動が吸収されて接続用端子55とグランドパターン53との接続を維持できる。
【0044】
また、例えば図6(b)に示すように、接続用端子55の先端部55aに二股状の分岐部55cを形成し、貫通孔51aへの挿入とともに、分岐部55cの先端部分の外側面をグランドパターン53と弾性接触(接続)させ、接続用端子55の接続を行ってもよい。このような構成としても、上記図6(a)の構成と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、例えば図6(c)に示すように、二股状の分岐部55cを先端部55aに形成し、貫通孔51aに貫通させて互いに離間する方向に向かって折り曲げて(割りかしめ)、接続用端子55の接続を行ってもよい。このような構成としても、上記図6(a)の構成と同様の効果を得ることができる。
【0046】
・上記実施形態では制御基板51の固定態様に特に言及していないが、例えば上部ケース11に突起を設けて、該突起先端部分の熱かしめにより制御基板51を上部ケース11に固定してもよい。
【0047】
・上記実施形態では、駆動源としてステッピングモータ31を用いたが、ブラシ付きモータ、ブラシレスモータ等のその他のモータに変更してもよい。
【符号の説明】
【0048】
2…車両用ヘッドランプ装置、4…ヘッドランプ、5…アクチュエータ、10…下部ケース(アクチュエータハウジング)、11…上部ケース(アクチュエータハウジング)、12…アクチュエータハウジング、31…ステッピングモータ(モータ)、32…ヨークハウジング、35…固定部(アース端子)、35b…挟持部、51…制御基板、51a…貫通孔、52…制御回路、53…グランドパターン、54…ターミナル(ターミナル部材)、55…接続用端子(アース端子)、55b…係合部、55c…分岐部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6