(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナル携帯端末、特に携帯電話が多機能化され、様々なウェブサイトの閲覧や、コンテンツのダウンロード等を行うことができるようになってきた。また、このようなパーソナル携帯端末の普及はめざましく、一人一台を所有していると言っても過言ではない。さらに、現在普及しているカラオケ演奏端末では、選曲予約を行う際に専用のリモコン装置を利用しているが、アプリケーションソフトをインストールすることによりカラオケリモコン装置として使用することが可能なパーソナル携帯端末も開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、携帯電話機を活用して、従来よりも簡単かつ軽快にリクエスト曲の検索や予約を行えるようにした通信カラオケ演奏端末に関するものであり、携帯電話機は、キーパネル、液晶ディスプレイ、携帯電話網を介して目次サーバと通信する手段、カラオケ演奏端末に向けてIrDA信号を送出する手段を備えている。そして、携帯電話機からの発呼に目次サーバが応答して通話状態になると、携帯電話機から利用者の個人IDと個人別目次の検索条件が目次サーバに通知される。目次サーバは、携帯電話機から通知された個人ID及び検索条件に基づいて該当する個人別目次データを検索し、検索結果である楽曲名と楽曲IDを携帯電話機に伝達する。携帯電話機は受信した楽曲名を一覧表示し、利用者の操作入力により特定された楽曲IDをIrDA信号により送出する。
【0004】
したがって、このような機能を用いることにより、カラオケ利用者は、カラオケ店に備え付けられた専用のリモコン装置を使用することなく、自ら所持しているパーソナル携帯端末を用いて選曲予約操作を行うことができる。特に、多人数でカラオケを楽しんでいる場合には、リモコン装置を使い回す必要がなくなり、利用者が各自所望するタイミングで選曲予約操作を行うことができるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術は、携帯電話機のようなパーソナル携帯端末の赤外線通信機能を用いて、リモコン装置の機能を発揮させようとするものであり、赤外線通信方式は複数種類が存在する。したがって、パーソナル携帯端末を用いてカラオケ楽曲の選曲予約を行う際には、当該パーソナル携帯端末がカラオケ演奏端末の赤外線通信方式に対応していなければならない。また、赤外線通信機能により選曲予約を行うには、カラオケ演奏端末の赤外線受信装置が、パーソナル携帯端末の赤外線送信装置から発信される赤外線信号を受信することが必要であり、利用者の着座位置によっては赤外線通信を行うことができない場合もある。
【0007】
この点、カラオケ演奏端末は、インターネット回線等の通信回線を介してカラオケサーバと通信することができるようになっている。そこで、パーソナル携帯端末からの選曲予約データを、携帯電話網及びインターネット回線を介してカラオケ演奏端末に送信すれば、赤外線通信機能を用いることなくパーソナル携帯端末を選曲予約用のリモコン装置として使用することができる。
【0008】
すなわち、パーソナル携帯端末が使用している携帯電話網を介してのデータ通信機能により、カラオケ楽曲の選曲予約を行うことが考えられる。具体的には、パーソナル携帯端末を用いてモバイルサイトにアクセスし、所定のカラオケ演奏端末に対応する選曲用アプリケーションソフトをダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフトを当該パーソナル携帯端末にインストールする。そして、必要なデータ(例えば、IPアドレス、演奏端末ID、パーソナル携帯端末のUDID(Unique Device Identifier))を入力することにより、当該パーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とを関連付けて、パーソナル携帯端末を選曲予約用のリモコン装置として使用することができる。
【0009】
しかしながら、上述したようなパーソナル携帯端末の使い方では、パーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とが関連付けられたままの状態(ログイン状態)で、パーソナル携帯端末がカラオケ店外へ持ち出されると、カラオケ店外においても選曲予約が可能となってしまう。この状態で、悪戯等によりカラオケ店外から選曲予約が行われると、正規にカラオケ演奏端末を利用している利用者の選曲予約が混乱してしまう。
【0010】
本発明は、パーソナル携帯端末をカラオケ楽曲の選曲予約用リモコン装置として利用する際に、カラオケ店外等から悪戯等による選曲予約操作が行われないようにして、選曲予約操作が混乱することを防止可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、利用者のパーソナル携帯端末を用いて
カラオケ演奏端末に対して選曲予約を行わせることが可能なシステムであって、演奏端末識別情報表示手段と、演奏端末識別情報取得手段と、携帯端末位置情報取得手段と、選曲予約情報送信手段と、ペアリング許可判定データベースと、選曲予約許可手段と、選曲予約情報転送手段と、予約管理手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
演奏端末識別情報表示手段は、カラオケ演奏端末を識別するための演奏端末識別情報を、表示装置の表示画面に表示するための手段である。演奏端末識別情報取得手段は、パーソナル携帯端末において、表示された演奏端末識別情報を取得してメモリに記憶するための手段である。携帯端末位置情報取得手段は、パーソナル携帯端末の現在位置情報を取得するための手段である。
【0013】
選曲予約情報送信手段は、任意のパーソナル携帯端末において、少なくとも、メモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDと、取得した現在位置情報とからなる選曲予約情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信するための手段である。
【0014】
ペアリング許可判定データベースは、演奏端末識別情報と、所定の距離範囲を表すエリアとを関連付けて構成したデータベースである。選曲予約許可手段は、中継サーバにおいて、任意のパーソナル携帯端末から選曲予約情報を受信した場合に、ペアリング許可判定データベースを参照し、当該選曲予約情報に含まれる現在位置情報が、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報に関連付けられたエリア内に存在すれば、当該受信した選曲予約情報に基づく選曲予約を許可し、当該エリア内に存在しなければ、当該受信した選曲予約情報に基づく選曲予約を許可しないための手段である。
【0015】
選曲予約情報転送手段は、少なくとも、選曲予約が許可された選曲予約情報に含まれる楽曲IDを、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送するための手段である。予約管理手段は、カラオケ演奏端末において、受信した楽曲IDからなる選曲予約情報を予約待ち行列にて管理するための手段である。
【0016】
このような構成からなるパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムでは、予めパーソナル携帯端末を用いてモバイルWWWサーバにアクセスし、所定のカラオケ演奏端末に対応する選曲用アプリケーションソフトをダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフトを当該パーソナル携帯端末にインストールすることにより、パーソナル携帯端末を用いて選曲予約操作を行うことができるようになる。
【0017】
そして、パーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行う際に、演奏端末識別情報表示手段の機能により、利用者が利用するカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を表示装置の表示画面に表示し、演奏端末識別情報取得手段の機能により、表示された演奏端末識別情報を取得してメモリに記憶する。これにより、選曲予約操作を行うパーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とを関連付けることができる。また、パーソナル携帯端末の現在位置情報を取得するために、GPSシステム等からなる携帯端末位置情報取得手段の機能により、当該パーソナル携帯端末の現在位置情報を取得する。
【0018】
選曲が行われると、選曲予約情報送信手段の機能により、パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDと、取得した現在位置情報とからなる選曲予約情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網(携帯電話網及びインターネット)を介して中継サーバへ送信する。
【0019】
そして、選曲予約許可手段の機能により、パーソナル携帯端末の現在位置が、当該パーソナル携帯端末を用いた選曲予約を許可する位置範囲内にあるか否かを判別する。すなわち、カラオケ店等に設置されたカラオケ演奏端末は、予めその位置が判っているので、当該カラオケ演奏端末の位置から所定距離の範囲を、当該カラオケ演奏端末における選曲予約を許可する範囲内として設定したペアリング許可判定データベースを構築する。そして、ペアリング許可判定データベースを参照して、パーソナル携帯端末の現在位置が、当該選曲予約の許可範囲内であれば、当該カラオケ演奏端末における選曲予約を許可する一方、当該選曲予約の許可範囲外であれば、当該カラオケ演奏端末における選曲予約を許可しない。
【0020】
中継サーバでは、選曲予約情報転送手段の機能により、少なくとも、選曲予約が許可された選曲予約情報に含まれる楽曲IDを、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送する。選曲予約情報を受信したカラオケ演奏端末では、予約管理手段の機能により、予約待ち行列を作成して、受信した楽曲IDからなる選曲予約情報を管理する。なお、選曲予約情報に選曲者情報(利用者ID)等が含まれている場合には、予約待ち行列に選曲者情報(利用者ID)等を含めて管理することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムによれば、パーソナル携帯端末を選曲予約用リモコン装置として利用することができるばかりでなく、利用者が選曲予約を行うカラオケ演奏端末の設置場所から所定距離以上離れて、パーソナル携帯端末を用いた選曲予約を行おうとした場合には、当該選曲予約を許可しない。
【0022】
例えば、カラオケ店内においてのみパーソナル携帯端末を用いた選曲予約を許可するようにエリア設定が行われている場合に、一端、パーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とのペアリングが行われたとしても、当該カラオケ店外では、選曲予約を許可するエリアを外れるため、パーソナル携帯端末による選曲予約を行うことができないので、悪戯等による選曲予約を排除して、正規の選曲予約操作が混乱することを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム(以下、カラオケ選曲システムと略記する)の実施形態について説明する。
図1〜
図4は本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムを示すもので、
図1はカラオケ選曲システムの機能説明図、
図2はカラオケ選曲システムのブロック図、
図3は中継サーバのブロック図、
図4はペアリング許可判定データベースの説明図である。
【0025】
<カラオケ選曲システムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムは、利用者が所有するパーソナル携帯端末を用いて、カラオケ演奏端末における選曲を行うことが可能なシステムにおいて、選曲予約を行おうとするカラオケ演奏端末の設置位置から、パーソナル携帯端末が所定範囲内にある場合のみに選曲予約を許可し、所定範囲を外れた場合には選曲予約を許可しないようにしたシステムである。
【0026】
すなわち、本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムは、パーソナル携帯端末に付帯されたGPS装置等により当該パーソナル携帯端末の現在位置情報を取得し、選曲予約許可手段の機能によりカラオケ演奏端末の設置位置から所定範囲内にあるパーソナル携帯端末についてのみ、当該カラオケ演奏端末における選曲予約を許可するようになっている。
【0027】
以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウエアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0028】
本実施形態のカラオケ選曲システム10は、
図1及び
図2に示すように、演奏端末識別情報表示手段68と、演奏端末識別情報取得手段51と、携帯端末位置情報取得手段53と、選曲予約情報送信手段52と、ペアリング許可判定データベース23と、選曲予約許可手段21と、選曲予約情報転送手段22と、予約管理手段67とを備えている。本実施形態では、演奏端末識別情報表示手段68、予約管理手段67は、カラケ演奏端末30(カラオケ本体31)の構成要素となっており、演奏端末識別情報取得手段51、選曲予約情報送信手段52、携帯端末位置情報取得手段53は、パーソナル携帯端末50の構成要素となっており、選曲予約許可手段21、選曲予約情報転送手段22、ペアリング許可判定データベース23は、中継サーバ20の構成要素となっている。なお、各手段の帰属先は上述した例に限られず、各手段の機能を発揮することができれば、どのような装置の構成要素としてもよい。各手段の機能については、後に詳述する。
【0029】
<カラオケ選曲システム>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システム10は、
図3に示すように、中継サーバ20とカラオケ演奏端末30とが通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0030】
<中継サーバ>
中継サーバ20は、
図3に示すように、選曲予約許可手段21、選曲予約情報転送手段22、ペアリング許可判定データベース23を備えている。なお、図示しないが、中継サーバ20は、上述した手段の他に、複数のカラオケ演奏端末30との間でデータの送受信を行うと共に、データを所定の記憶装置に記憶するための基本的なサーバ機能を備えている。また、中継サーバ20を独立したサーバとして構築するのではなく、カラオケ楽曲の配信を行うホストサーバに中継サーバ20としての機能を持たせてもよい。また、カラオケ演奏端末30とパーソナル携帯端末50とのペアリング許可判断を中継サーバ20で行うのではなく、ペアリング管理サーバ等の独立した他のサーバに行わせてもよいし、カラオケ店に設置された管理サーバにおいてペアリング許可判断を行ってもよい。
【0031】
<選曲予約許可手段>
選曲予約許可手段21は、任意のパーソナル携帯端末50から選曲予約情報を受信した場合に、ペアリング許可判定データベース23を参照し、当該選曲予約情報に含まれる現在位置情報が、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報54aに関連付けられたエリア内に存在すれば、当該受信した選曲予約情報に基づく選曲予約を許可し、当該エリア内に存在しなければ、当該受信した選曲予約情報に基づく選曲予約を許可しないためのプログラムからなる。
【0032】
すなわち、本実施形態のカラオケ選曲システム10は、演奏端末識別情報54aと、所定の距離範囲を表すエリアとを関連付けたペアリング許可判定データベース23を備えている。そして、選曲予約許可手段21の機能により、任意のパーソナル携帯端末50で取得した現在位置情報(携帯端末位置情報54c)と、当該パーソナル携帯端末50のメモリ54に記憶された演奏端末識別情報54aとから、当該パーソナル携帯端末50が、選曲予約が許可された所定の距離範囲(許可エリア)に存在するか否かを判断する。
【0033】
この判断結果に基づいて、当該パーソナル携帯端末50が選曲予約を許可する所定の距離範囲に存在する場合には、当該パーソナル携帯端末50を用いた当該カラオケ演奏端末30における選曲予約を許可し、所定の距離範囲外である場合には、当該パーソナル携帯端末50を用いた当該カラオケ演奏端末30における選曲予約を許可しない。
【0034】
<ペアリング許可判定データベース>
ペアリング許可判定データベース23は、
図4に示すように、カラオケ演奏端末30毎に、その演奏端末識別情報(演奏端末識別ID)と、当該カラオケ演奏端末30の設置場所の位置情報と、選曲予約を許可する所定の距離範囲(許可エリア)とを紐付けして構成したデータベースである。なお、ペアリング許可判定データベース23を構成するデータは、
図4に示すものに限られず、必要なデータのみの構成としてもよいし、他のデータを含んでいてもよい。
【0035】
<選曲予約情報転送手段>
選曲予約情報転送手段22は、少なくとも、選曲予約が許可された選曲予約情報に含まれる楽曲IDを、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報54aを有するカラオケ演奏端末30に転送するためのプログラムからなる。なお、転送する情報には、選曲予約を行った利用者を識別するための利用者識別情報を含ませることができる。この、利用者識別情報は、パーソナル携帯端末50の携帯端末識別情報54d(例えば、UDID)、利用者ID等、利用者を識別することが可能な情報である。また、演奏端末識別情報は、例えば、カラオケ演奏端末30を一意に識別することが可能な、IPアドレス、デバイスID、MACアドレスや、これらを組み合わせた情報からなる。
【0036】
<カラオケ演奏端末>
カラオケ演奏端末30は、
図2に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35を備えている。なお、本実施形態に係るカラオケ演奏端末30は、パーソナル携帯端末50を選曲予約用のリモコン装置として利用するが、パーソナル携帯端末50を用いない利用者のために、専用のカラオケリモコン装置36を備えていることが好ましい。また、本実施形態では、カラオケリモコン装置36に付帯する入出力表示装置(図示せず)は、演奏端末識別情報等を表示するための表示装置34として機能させてもよい。
【0037】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、
図2に示すように、ネットワーク送受信手段61、中央制御手段62、ROM63、RAM64、HDD65、ローカル送受信手段66、予約管理手段67、演奏端末識別情報表示手段68、音楽再生制御手段69、映像再生制御手段70を備えている。
【0038】
<中央制御手段>
中央制御手段62は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM63等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0039】
<ROM/RAM>
ROM63は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば
半導体メモリ等で構成される。また、RAM64は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば
半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM64に、予約待ち行列64aが記憶されるようになっている。予約待ち行列64aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成したデータテーブルである。なお、予約待ち行列64aは、楽曲IDの他に、楽曲名、選曲者(利用者)等のデータを含んでいてもよい。
【0040】
<HDD>
HDD65は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース65a及び映像データベース65bが格納されている。なお、HDD65に替えて、あるいはHDD65と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0041】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース65aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成したデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース65bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータである。
【0042】
<送受信手段>
ローカル送受信手段66は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段61は、カラオケ本体31と中継サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0043】
<予約管理手段>
予約管理手段67は、中継サーバ20から受信した楽曲IDからなる選曲予約情報を予約待ち行列64aにて管理するためのプログラムからなる。上述したように、選曲予約情報に利用者ID等が含まれている場合には、予約管理手段67では、楽曲IDと利用者IDとを紐付けして予約待ち行列64aにて管理する。
【0044】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段69は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段69から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0045】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段70は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース65bから抽出した背景映像データと、楽曲データベース65aに含まれる歌詞描出データ(テロップデータ)とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0046】
<演奏端末識別情報表示手段>
演奏端末識別情報表示手段68は、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末識別情報を、表示装置34の表示画面に表示するためのプログラムからなる。すなわち、演奏端末識別情報表示手段68は、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末識別情報を2次元バーコード化して、表示装置34の表示画面に表示させる。なお、演奏端末識別情報を表示させる表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための表示装置34であってもよいし、カラオケリモコン装置36に付帯した入出力表示装置(図示せず)であってもよい。また、表示装置34の表示画面に演奏端末識別情報を表示する際に所定のアルゴリズムで暗号化し、所定桁数の数字として表示してもよい。
【0047】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号はミキシングアンプ35に入力され、音楽再生制御手段69から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅されてスピーカ32へ出力される。
【0048】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0049】
<パーソナル携帯端末>
パーソナル携帯端末50は、データ通信機能を用いて、モバイルWWWサーバ90に格納された選曲用アプリケーションソフト91をダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフト91をインストールすることにより、選曲予約機能を持たせることができる。パーソナル携帯端末50に選曲用アプリケーションソフト91をインストールすると、パーソナル携帯端末50は、楽曲検索手段55として機能するプログラムを備えて選曲を行うことができるようになる。また、パーソナル携帯端末50は、演奏端末識別情報取得手段51として機能するプログラム、選曲予約情報送信手段52として機能するプログラム、携帯端末位置情報取得手段53として機能するGPS装置、メモリ54を備えている。メモリ54には、演奏端末識別情報54a、選曲した楽曲の楽曲ID54b、携帯端末位置情報54c、携帯端末識別情報54dが記憶される。
【0050】
パーソナル携帯端末50と携帯電話網80を介して接続されるモバイルWWWサーバ90には、選曲用アプリケーションソフト91及び選曲用楽曲索引データベース92が格納されており、パーソナル携帯端末50が備える楽曲検索手段55の機能により、選曲用楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索することができる。なお、選曲用楽曲索引データベース92をモバイルWWWサーバ90に格納するのではなく、パーソナル携帯端末50にダウンロードして、ローカルで楽曲検索を行ってもよい。
【0051】
<楽曲検索手段/選曲用楽曲索引データベース>
楽曲検索手段55は、利用者の指示に基づき、選曲用楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。選曲用楽曲索引データベース92は、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲ID・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0052】
<演奏端末識別情報取得手段>
演奏端末識別情報取得手段51は、表示装置34の表示画面に表示された演奏端末識別情報54aを取得して、メモリ54に記憶するためのプログラムからなる。上述したように、表示装置34の表示画面には、2次元バーコード化された演奏端末識別情報54aが表示されるので、演奏端末識別情報取得手段51は、パーソナル携帯端末50に付帯したバーコード読取装置(図示せず)を用いて演奏端末識別情報54aを取得することができる。なお、演奏端末識別情報54aが所定桁数の数字からなる場合には、表示装置34の表示画面を目視した利用者が、パーソナル携帯端末50に付帯したテンキー等を用いて、当該数字を入力することにより、演奏端末識別情報54aを取得してもよい。
【0053】
<携帯端末位置情報取得手段>
携帯端末位置情報取得手段53は、パーソナル携帯端末50の現在位置情報を取得するための電子機器及びプログラムからなり、本実施形態では、パーソナル携帯端末50が標準的に備えているGPS装置を利用して、パーソナル携帯端末50の現在位置情報(携帯端末位置情報54c)を取得する。取得した携帯端末位置情報54cは、メモリ54に記憶されて選曲予約許可手段21に送信され、選曲予約許可手段21による選局予約許可の判断対象データとなる。
【0054】
なお、携帯端末位置情報取得手段53による現在位置情報(携帯端末位置情報54c)の取得は、予め設定された所定のタイミングで行われる。本実施形態では、選曲予約時に携帯端末位置情報取得手段53により現在位置情報(携帯端末位置情報54c)を取得するようになっている。したがって、選局予約を行う毎に、現在位置情報(携帯端末位置情報54c)が更新されることになる。
【0055】
<選曲予約情報送信手段>
選曲予約情報送信手段52は、メモリ54に記憶された演奏端末識別情報54aと、当該パーソナル携帯端末50の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲ID54bと、携帯端末位置情報取得手段53で取得した当該パーソナル携帯端末50の現在位置情報(携帯端末位置情報54c)とからなる選曲予約情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信するためのプログラムからなる。すなわち、選曲予約情報送信手段52は、楽曲検索手段55の機能により楽曲検索が行われ、予約すべき楽曲が選曲されると、メモリ54に記憶された演奏端末識別情報54aと、選曲された楽曲の楽曲ID54bと、携帯端末位置情報54cとからなる選曲予約情報を、携帯電話網80及びインターネット40を介して中継サーバ20へ送信する。
【0056】
<選曲予約>
次に、
図1を参照して、本実施形態のカラオケ選曲システム10における選曲予約について説明する。本実施形態のカラオケ選曲システム10では、
図1に示すように、パーソナル携帯端末50において、演奏端末識別情報取得手段51の機能により、選曲予約を行うカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報54aを取得してメモリ54に記憶させると共に、携帯端末位置情報取得手段53の機能により、パーソナル携帯端末50の現在位置情報である携帯端末位置情報54cを取得してメモリ54に記憶させる。そして、選曲予約情報送信手段52の機能により、メモリ54に記憶された演奏端末識別情報54aと、選曲された楽曲の楽曲ID54bと、携帯端末位置情報54cとからなる選曲予約情報を、携帯電話網80及びインターネット40を介して、中継サーバ20に送信する。
【0057】
中継サーバ20では、選曲予約許可手段21の機能により、ペアリング許可判定データベース23を参照し、選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報54aと携帯端末位置情報54cとの関係に基づいて、当該パーソナル携帯端末50が選曲予約を許可する所定の距離範囲に存在するか否かを判断する。そして、当該パーソナル携帯端末50が選曲予約を許可する所定の距離範囲に存在する場合には、当該パーソナル携帯端末50を用いた当該カラオケ演奏端末30における選曲予約を許可し、所定の距離範囲外である場合には、当該パーソナル携帯端末50を用いた当該カラオケ演奏端末30における選曲予約を許可しない。
【0058】
そして、選曲予約情報転送手段22の機能により、選曲予約が許可されたパーソナル携帯端末50から受信した選曲予約情報に含まれる楽曲IDを、当該選曲予約情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末30に転送する。
【0059】
選曲予約情報を受信したカラオケ演奏端末30では、予約管理手段67の機能により、予約待ち行列64aを作成して、受信した楽曲IDを含む選曲予約情報を管理する。
【0060】
<他の実施形態>
本発明のパーソナル携帯端末50を用いたカラオケ選曲システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。