(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャリアーガス及び熱分解可能なシリコン化合物が、第1ガスソース及び第2ガスソースから上記分配装置の分配開口部を介して供給される請求項1〜8のいずれかに記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここに記載された流動層反応炉システム及びガス分配ユニットは、第1ガス及び第2ガスを流動層反応炉に分配し、化合物を複数のガスのうち1つから流動化された粒子の表面上に析出させるに適している。当該反応炉システム及び分配ユニットは、反応炉壁に熱分解可能な化合物の析出(具体的には、シランからのシリコンの析出)の速度を低減させるのに特に適している。反応システムの分配装置は、上記反応炉壁への材料(具体的にはシリコン等)の析出を防止するため、上記反応炉壁から反応炉の中央部分まで上記熱分解可能な化合物を方向付けるように構成されている。当該システムは、表題の”多結晶シリコンを製造するためのプロセス”の下、以下に言及しているように、熱分解可能なシリコン化合物から多結晶シリコンを作製するために使用される。
【0011】
I.流動層反応炉システム
以下、
図1を参照する。本発明の実施の形態により構成された流動層反応炉を、概して1により示す。反応炉システム1は、反応チャンバー10とガス分配ユニット2とを含む。第1ガスソース5と第2ガスソース7とは分配ユニット2に導入され、それぞれのガスを反応チャンバー10の入口に均一に分配する。分配ユニット2は、反応チャンバー10を介した反応性ガスを均一に分配することを助力し、これにより、上記反応チャンバー10において、流動化された粒子への材料の析出速度を最小化する。
【0012】
ここで使用されているように、”第1ガス”は、”第2ガス”と異なる成分を有するガスであり、逆も言える。上記第1ガス及び第2ガスは、上記第1ガスにおける少なくとも1種の化合物の質量組成若しくはモル組成が、第2ガスにおける化合物の組成と異なる限り、複数の気体の混合物から構成されていてもよい。製品抜取チューブ12は、ガス分配ユニット2を通って延びる。製品粒子をチューブ12から抜き出し製品貯蔵庫15に搬送してもよい。使用済みガス16は、反応チャンバー16から排出され、これをさらに別のプロセスユニット18に導入してもよい。
【0013】
図2にガス分配ユニット2をより詳細に示す。ガス分配ユニット2は、第1ガス及び第2ガスを流動層反応炉へ分配するのに適しており、特に、キャリアーガス及び熱分解可能なガスを流動層反応炉に分配するのに適している。
【0014】
ガス分配ユニット2は、入口側ブロック21、分配装置25、及びテイパーライナー28を有する。外部環状リング37及び同心円上にある内部環状リング39は、入口側ブロック21と分配装置25との間に配置されている。第1ガスプレナム32は、外部環状リング37と内部環状リング39との間に規定されている。製品回収チューブ12は、外部環状リング37及び内部環状リング39と同心円上にある。チューブ12は、入口側ブロック21の下に延びる。第2ガスプレナム34は、内部環状リング39とチューブ12との間に規定されている。
【0015】
テイパーライナー28は、ライナーチャンバー45を規定する。ライナーチャンバー45は、反応チャンバー(不図示)の円柱部分に向かって開口し、分配装置25から反応チャンバーの円柱部分まで外側に向かって拡径している。粒子及び流入したガスがライナーチャンバー45に接触し、システム反応の大部分が当該ライナーチャンバーにおいて起こるため、当該ライナーチャンバーは、反応チャンバーの一部であると見なされる。応用のために、ここで使用される”反応チャンバー”には、ライナーチャンバー45が含まれる。
【0016】
一連の外周分配開口部42及び中央分配開口部44を分配装置25内に配置する。ここで使用されているように、”外周分配開口部”若しくは”外周開口部”は、実質的に、中央開口部に関して、反応チャンバーの外側の壁部近くにある分配開口部を意味し、”中央分配開口部”若しくは”中央開口部”は、実質的に、外周開口部に関して内側にある分配開口部を意味する。外周開口部42は、第1ガスプレナム32及び反応チャンバー10と流体的に接続されている。中央開口部44は、第2ガスプレナム34及び反応チャンバー10と流体的に接続されている。一般的に、外周開口部は、第2ガスと流体的に接続されておらず、中央開口部は、第1ガスと流体的に接続されていない。
【0017】
第1ガスが、粒子上への材料の析出に寄与しないとき(若しくは第2ガス程寄与しないとき)(具体的には、第1ガスが水素、若しくは希ガス等の不活性ガスであるとき)、外周開口部が第1ガスと流体的に接続されるように構成することにより、内部スペースと比較して、より大きな濃度の第1ガスを反応チャンバー壁部に存在させることができる。これにより、第1及び第2ガスが分配装置25を介して均一に分配される構成と比較して、第2ガスから反応炉壁上に析出される材料を減少させることができる。
【0018】
いくつかの実施の形態において、外周開口部の一部は、第2ガスと流体的に接続されており、中央開口部の一部は、第1ガスと流体的に接続されている。これらの実施の形態において、上記第1ガスに流体的に接続された外周開口部の割合は、概して、第1ガスと流体的に接続された中央開口部の割合より大きい。また、当該構成により、反応チャンバーの内部スペースに比較して、より大きな濃度の第1ガス(具体的には、水素若しくは希ガス等のキャリアーガス)を反応チャンバーの壁部に存在させることができる。
【0019】
中央開口部44及び外周開口部42は、チャンネル部60と、スロットル部62、及び拡径部(flare out)64を有する。拡径部64は、コーン66に向かって開口している。スロットル部62は、流動に対する抵抗を提供すること、及び、各開口部42、44を介してガスを反応チャンバー10の入口に均一に分配することを助力する。コーン66は、ガスを開口部42、44から反応チャンバー10へ分配することを助力する。コーン66の形状は略六角形である(
図5)。
【0020】
ガス分配ユニット2の他の長手方向断面を
図3に示す。当該断面にはユニットの他のいくつかの特徴が示されている。第1ガス入口チューブ50は、入口側ブロック21を通って延び、第1ガスプレナム32及び第1ガスソース(不図示)と流体的に接続されている。第2ガス入口チューブ52は、入口側ブロック21を通って延び、第2ガスプレナム34及び第2ガスソース(不図示)と流体的に接続されている。
【0021】
冷却チャンネル55は、分配装置25内に配置されている。第1若しくは第2ガスが熱的に分解され物質が生成される温度未満に分配装置25を冷却するため、流体(具体的には、空気若しくは冷却用液体)を冷却チャンネル55を介して循環させる。冷却チャンネル55により、物質が分配装置開口部42、44に析出することが防止される。
【0022】
図4に分配装置25の下面図を示し、
図5に分配装置25の上面図を示す。
図4から明らかなように、外周開口部42は、分配装置の底部において中央開口部44から離間されている。外周開口部42は、分配装置25の底部から上部まで中央開口部44に向かって傾斜している。
図5から明らかなように、外周開口部42は、分配装置25の上部において、中央開口部44に近接する。
【0023】
II.
多結晶シリコンの製造プロセス
多結晶シリコンは、例えば、集積回路及び太陽電池(すなわちソーラーセル)を含む多くの市販の製品を製造するために使用される必要不可欠な原料である。多結晶シリコンは、典型的には、化学気相成長法により作製される。当該方法において、流動層反応炉において熱分解可能なシリコン化合物からシリコン粒子上にシリコンが析出する。シード粒子は、多結晶シリコン製品(すなわち、”粒状”の多結晶シリコン)として反応炉から排出されるまで、サイズが増大する。適当な分解可能シリコン化合物には、具体的には、シラン及びハロシラン(具体的には、トリクロロシラン)が含まれる。
【0024】
シリコン析出を開始させるため、例えば、約50μm〜800μmの粒子サイズを有する多結晶シリコン粒子を反応チャンバーに投入する。シード粒子の粒子サイズは、約50μm〜約800μmであってもよく、より典型的には、約250μm〜約600μmである。2つのタイプのシリコンシード粒子が一般的に用いられる。上記反応炉から収集された製品粒子を約250μm〜約350μmの典型的な粒子サイズとなるまで切削し粉砕することにより得られたシリコンシード粒子を用いてもよい。これとは別に若しくはこれに加えて、約500μm〜約600μmの粒子サイズを有する粒状多結晶製品とともに収集されこれから分離された微小の多結晶粒子をシード粒子として用いてもよい。
【0025】
反応チャンバーにおいて様々な反応が起こりうる。シランの流動層反応炉システムにおいて起こることが知られている反応機構を概して
図7に示す。これらの機構は、反応炉システムにおいて採用されうる一連の反応の全部を構成するものではないため、全く本発明の実施の形態を限定するものではない。
【0026】
図7を参照すると、シラン系(silane system)において、
シリコンは、成長中のシラン粒子(1)上に不均一に析出する。またシランは分解されシリコン蒸気(3)が生成される。当該シリコン蒸気は均一に核形成され、不所望のシリコンダスト(同義的にシリコン”微粒子”若しくは”粉末”)が形成される(4)。また、当該シリコン蒸気は、成長中のシリコン粒子(6)上に析出しうる(6)。シリコン微粒子は、シラン(2)から若しくはいずれかのシリコン蒸気(5)からシリコンを析出させることによりサイズが増大しうる。微粒子は結合され、より大きな微粒子(7)が形成されうる。シリコン微粒子は、シリコン粒子(8)が成長するとともに凝集しうる。微粒子及び粒子の照射により凝集が引き起こされ、微粒子が一旦粒子と接触すると、分子間力によりそれらが凝集すると考えられている。
【0027】
典型的には、シリコンダスト粒子のサイズは、約50μm未満であり、いくつかの実施の形態では、約5μm未満である。粒状の多結晶製品は、典型的には、約600μm〜約2000μm、より典型的には、約800μm〜約1200μm、さらに典型的には、約900μm〜約1000μmの粒子サイズを有する。
【0028】
シリコンがシランから成長中のシリコン粒子に析出するとともに、付加的な水素がシラン分子から放出される。シリコンダストは、反応炉から放出される水素ガス及び未反応のシラン(集合的に”使用済みガス”)とともに反応炉から排出される。シリコンダストは、例えばバックフィルトレーション、サイクロン分離若しくは液体スクラバーにより反応炉から排出された使用済みガスから分離される。
【0029】
回収されたシリコンダストを工業的に使用してもよいが、しかしながら、これは粒状の多結晶シリコンより価値が低い。例えば、単結晶シリコンをチョクラルスキー法(すなわち、溶融多結晶シリコンと接触したシード結晶を引き上げることにより、当該溶融多結晶シリコンから単結晶シリコンを引き上げることを含む方法)により作製するため、シリコンダストを使用してもよい。シリコンダストをチョクラルスキー法において使用する際、シリコンダストは上手く融解させるのが困難であり、当該融液から結晶を引き上げるのはさらに困難である。その結果、シリコンダストは、粒状の多結晶シリコンと比較して、大きくディスカウントして販売されている。別の態様では、シリコンダストは、反応炉内に再循環され及び/又は1以上の付加的な流動層反応炉に供給されてもよい。当該流動層反応炉において、シリコンダストは、少なくとも部分的にシリコン粒子により取り除かれる。
【0030】
本発明のプロセスは、熱分解可能な気相のシリコン化合物を含むフィードガスを反応炉に導入する工程を含む。フィードガスを反応チャンバー内で加熱し、反応チャンバー内において、シリコン化合物中のシリコンの少なくとも一部を化学気相成長法によりシリコン粒子上に析出させ、それにより、シリコン粒子を成長させ、一般的に粒状ポリシリコンと称されるより大きな粒子とする。熱分解可能なシリコン化合物の他の部分は分解され、とりわけ、シリコン蒸気が生成される。
【0031】
本発明のプロセスは、一の流動層反応炉において反応を実行してもよいし、若しくは、直列又は並列に配置された1以上の流動層反応炉を組み込んでもよい。本発明の範囲を逸脱しない限り、供給物及び生産物が連続的に導入され当該反応炉から排出される連続的な方法で流動層反応炉を操作してもよいし、バッチプロセスで操作してもよい。
【0032】
図1に本発明のプロセスのある実施の形態を例示した概略図を示す。
【0033】
III.
フィードガス
以下、多結晶シリコンを作製するプロセスを、
図1に示した流動層反応炉システム1を参照しながら述べる。熱分解可能な化合物7及びキャリアーガス5を各ソースから反応炉システム1へ供給する。キャリアーガス5には、水素、若しくは例えばアルゴン若しくはヘリウム及びこれらの混合物等の希ガスが含まれていてもよい。
【0034】
熱分解可能なシリコン化合物には、概して、熱分解されシリコンを生成しうる化合物が含まれる。多結晶粒子を成長させポリシリコン粒状物を形成するためにシリコンソースが提供される限り、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、分解プロセスから別の生成物を生成させてもよい。熱分解可能なシリコン化合物ガスには、化学気相成長法により不均一に析出したシリコンを含有する全てのガス、例えば、シリコンテトラハイドライド(一般的にシランと称する)、トリクロロシラン、及び、シランの水素原子の一以上が、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素等のハロゲンにより置換された他のハロゲン化ケイ素が含まれる。
【0035】
熱分解可能な化合物を希釈することなく反応炉に導入してもよいし、若しくはガスを水素、アルゴン、ヘリウム若しくはこれらの混合物等のキャリアーガスで当該ガスを希釈してもよい。分解の間、水素の副生成物が生成される。当該副生成物の水素は、必要であれば、反応炉システムのオペレーションにおいて、さらなる熱分解可能なフィードガスのためのキャリアーガスとして使用するためにリサイクルされる。
【0036】
IV.
反応チャンバー
反応チャンバーは、典型的には、流動層であり、当該流動層において、シリコン粒子が反応炉内において流動ガスの上方流により浮遊する。流動層反応炉により、成長中のシリコン粒子と、気相との間の高熱量輸送及び熱輸送率が提供され、これにより、シリコンの上記粒子への析出率が上昇する。しかしながら、流動層反応炉は、概して、円柱状の垂直容器であり、しかしながら、流動層オペレーションを受け入れ可能な限り如何なる構成を用いてもよい。システムデザインファクターは、システム毎に異なるが、反応炉の特定の寸法は、本発明の範囲を逸脱しない限り、所望のシステムアウトプット、熱輸送効率、及びシステム流体ダイナミクス等のシステムデザインファクターに主に依存するであろう。
【0037】
典型的には、外部からの熱を用いて、熱分解可能なガスの温度を、ガスが分解されるポイントまで増加させる。加熱方法には、例えば、容量加熱、インダクションコイル、及び電気抵抗素子が含まれる。
【0038】
以下、
図2〜6を参照する。キャリアーガスは第1ガス入口チューブ50を介して供給され、第1ガスプレナム32まで移送される。キャリアーガスは、一連の外周分配開口部42を介して第1ガスプレナム32からライナーチャンバー45及び反応チャンバー10まで移送される。
【0039】
熱分解可能な化合物は第2ガス入口チューブ52を介して供給され、第2ガスプレナム34まで移送される。本発明の開示の範囲を逸脱しない限り、熱分解可能な化合物以外のガス(具体的には、所定量のキャリアーガス)を熱分解可能な化合物とともに第2ガス入口チューブ52を介して供給してもよい。熱分解可能な化合物は、一連の中央分配開口部44を介して第2ガスプレナム32からライナーチャンバー45及び反応チャンバー10まで移送される。キャリアーガスは反応チャンバー壁近くにおいて反応チャンバー10に導入され(テイパーライナー28近くにおいてライナーチャンバー45に導入され)るので、キャリアーガスと、反応炉壁に接触する熱分解可能なシリコン化合物とを組み合わせたものは、反応チャンバーの内部におけるガスと比較して、より大きな濃度のキャリアーガスを含む。当該構成により、反応炉壁上へのシリコンの望ましくない析出が防止される。
【0040】
本発明の他の実施の形態によれば、外周分配開口部42を介して供給されたキャリアーガスは、所定量の熱分解可能な化合物を含んでいてもよいし、及び/又は中央分配開口部44を介して供給された熱分解可能なガス7は、所定量のキャリアーガスを含んでいてもよい。当該実施の形態において、外周開口部を介して供給されたガス中のキャリアーガス濃度は、反応炉壁に析出するシリコンの量を減少させるため、中央開口部を介して供給されたガス中のキャリアーガス濃度を上回る。
【0041】
V.
反応条件
反応システムのオペレーションの間、反応ゾーンを通過するガス速度は、シリコン粒子の最小流動速度より大きくなるように維持される。反応炉を通過するガス速度は、概して、流動層内において粒子を流動化させるために必要な最小流動速度の約1〜約8倍の速度に維持される。いくつかの実施の形態において、ガス速度は、流動層内において粒子を流動化させるために必要な最小流動速度の約2〜約5倍の速度に維持され、少なくとも1つの実施の形態においては、約4倍である。最小流動速度は、含まれるガス及び粒子の特性に依存して変動する。最小流動速度は従来の手法により決定してもよい(ペリーの化学技術者のためのハンドブック第7版の第17〜4頁参照。ここに引用して援用する)。
【0042】
最小流動条件は、好ましくは、ガス分配装置近くに存在するような条件の下計算される。通常反応炉の他の部分より低い温度を含むこれらの条件を用いて、全流動層において最小流動を確実なものとすることが可能である。本発明は、特定の最小流動速度に限定される訳ではないけれども、本発明において有用な最小流動速度は、約0.7cm/秒〜約350cm/秒、さらに好ましくは約6cm/秒〜約150cm/秒である。
【0043】
より高い生産性を達成するためには、通常、最小流動フローレートより高いガス速度が望ましい。ガス速度が最小流動速度を超えて増加すると、過剰のガスによりバブルが形成され、流動層においてボイドが増加する。当該流動層は、シリコン粒子に接触するガスを含むバブル及び”エマルジョン”から構成されると考えられる。当該エマルジョンの質は、最小流動条件における流動層の質と極めて似ている。当該エマルジョンにおける局所的なボイドは、最小流動層ボイドに近い。そのため、バブルは、最小流動を達成するために必要とされる量を超えて導入されたガスにより発生する。最小流動速度によって除された実効ガス速度の比率が増加するにしたがって、バブルの形成が増加する。非常に高い比率では、大きなガスのスラグが流動層に形成される。流動層のボイドが全ガス流量とともに増加するに伴い、固体とガスとの接触が効率的でなくなる。所定の体積の流動層については、反応ガスと接触する固体の表面積は、流動層ボイドが増加するに従って減少する。そのため、所定の流動層長さでは、熱分解可能なガスの変換が低減される。また、反応チャンバーを通過するガス滞留時間が減少するに従って、変換が減少しうる。さらに、より多くの微粒子を生成するより大きな速度で、別の不所望の反応が起こりうる。
【0044】
反応炉における温度は、熱分解可能な化合物の熱分解温度範囲であってシリコンの融点の範囲内に維持される。反応炉の温度は、約200℃〜約1400℃、典型的には、約600℃〜約700℃、さらに典型的には、約625℃〜約655℃に維持される。反応ゾーンをこのような温度に維持するために用いられる熱は、従来の加熱システム、例えば、反応炉の容器の壁面の外部に配置された電気抵抗ヒーター等により与えてもよい。反応炉内における圧力は、流動層の上部において、典型的には約1.73気圧である。
【実施例】
【0045】
実施例1:従来の析出と本発明の実施の形態に係る析出とのコンピューターシミュレーションによる比較
反応チャンバー(ライナーチャンバーのテイパーライナーの内面に析出させることも含む)の壁面への反応炉長さに亘るシリコンの析出率を
図8に示す(2つのコンピューターシミュレーション)。ポジション”0”は、テイパーライナー28の下面を示す(
図6)。三角により示されたデータポイント(すなわち、より高いピークを有するデータライン)は、従来の方法によりオペレートされた流動層反応炉長さに亘る析出率を示し、丸により示されたデータポイント(すなわち、より低いピークを有するデータライン)は、
図1〜6に図示され上述された流動層反応炉長さに亘る析出率を示している。両方のシミュレーションは、キャリアーガスとして水素を、熱分解可能な化合物としてシランを用いた。従来の析出方法によりオペレートされる反応炉において、水素及びシランを、当該分配装置に亘って均一に導入した。本発明の実施の形態にしたがってオペレートされた反応炉において、水素のみを外周開口部を介して供給し、水素とシランの混合物を中央開口部を介して供給した。外周開口部を介して供給されたガス量は、反応チャンバーに供給された全ガス量の約16.3質量%であるとシミュレートされた。反応炉に導入されたシラン及び水素の全レートは、両方のシミュレーションにおいて同じであった。
【0046】
簡略化のため、壁面析出は、当該システムにおいて微粒子ダイナミクスを明らかにすることなく決定した。シミュレーションの始めにおいて設定された最初の流動層温度は、長い間オペレートされている反応炉の時間平均全温度に近く、実時間の数秒間における流動層の計算されたダイナミクスは、少なくとも定性的に、長い時間オペレートされている流動層のダイナミクスを表しているであろう。
【0047】
図8から明らかなように、壁部への最大析出レートは、周辺ガスとして水素を用いる反応炉においてより低い。このため、反応炉の停止を引き起こしうる、壁面析出物の反応炉底部への落下の可能性を低減する。
【0048】
本発明若しくはその実施の形態の構成要素を加えるとき、冠詞”a”、”an”、”the”及び”said”は、1以上の構成要素が存在することを意味することを意図している。”含む(comprising)”、”包含する(including)”、”有する(having)”なる用語は、包括的であることを意図しており、列挙された構成要素以外の別の要素が存在してもよいことを意味している。
【0049】
上記に鑑み、本発明のいくつかの目的は達成され、他の有利な結果が得られることは理解されよう。
【0050】
本発明の範囲を逸脱しない限り、上記方法において様々な変更を加えることができるため、上記記載に含まれ添付の図面に示された全ての事項は、例示であると解釈すべきであり、これに限定するものではない。