特許第5695055号(P5695055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5695055針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695055
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 19/16 20060101AFI20150312BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20150312BHJP
   A61M 5/158 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   B24B19/16 Z
   B24B41/06 Z
   A61M5/158
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-529393(P2012-529393)
(86)(22)【出願日】2010年9月17日
(65)【公表番号】特表2013-505143(P2013-505143A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】IB2010054211
(87)【国際公開番号】WO2011033478
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年8月28日
(31)【優先権主張番号】1949/DEL/2009
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】510250652
【氏名又は名称】ポリー メディキュア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイド リシ
【審査官】 橋本 卓行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−124511(JP,A)
【文献】 特開昭59−137141(JP,A)
【文献】 特開昭54−059693(JP,A)
【文献】 特開昭63−207546(JP,A)
【文献】 特開2006−088188(JP,A)
【文献】 特開2002−192449(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/065036(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/087296(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 19/16
A61M 5/158
A61M 5/32
B24B 41/06
B21G 1/00−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
針の先端(32)近傍に孔、スロット、及び/又は窪み(34)を形成する研削器装置(10)であって、
複数の針チューブ(20)を平行な位置合わせ状態に固定して針の先端(32)を露出させるストリップ(22)と、
その間に前記ストリップ(22)をクランプする少なくとも2つの保持板(16,18)を備える前記ストリップ(22)のための保持手段アセンブリ(12)と、
前記保持手段アセンブリ(12)に隣接して位置する研削表面(30)を有する研削円盤(40)を有する研削器円盤アセンブリ(28)と、
前記保持手段アセンブリ(12)をそれに沿って動かして、前記保持手段アセンブリ(12)によって前記ストリップ(22)に支持されている前記針チューブ(20)の位置を変えるように構成された、前記研削器装置(10)に動作可能に搭載された可動テーブル(14)と、
を備え
前記針保持手段アセンブリ(12)が、位置、及びそれによって前記ストリップ(22)によって支持された前記針チューブ(20)が研削器円盤(40)の研削表面(30)に向かって延在する角度を変える支持角度ブロック手段(36)を備える、研削器装置(10)
【請求項2】
前記保持手段アセンブリ(12)が、前記2つの針保持板(16,18)を調節可能な所定の距離だけ分離させて、それによって前記針保持手段アセンブリ(12)が可変直径の針チューブ(20)を収容することを可能にする間隔調節手段を備える、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項3】
前記保持手段アセンブリ(12)が、針の先端(32)に孔、スロット、及び/又は窪み(34)を研削するために、前記ストリップ(22)に配列された針チューブ(20)の位置の間の変化を所定の値に決定する間隔調節器手段を備える、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項4】
前記保持手段アセンブリ(12)が、前記ストリップ(22)をクランプする手段を備える、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項5】
前記保持手段アセンブリ(12)が、少なくとも一つの油圧シリンダ(26)を備える、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項6】
前記ストリップ(22)に接触する前記針保持手段アセンブリ(12)の一部に、摩擦抵抗ゴム表面カバー要素が設けられている、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項7】
前記針保持手段アセンブリ(12)が、その間に前記ストリップ(22)を固定する針保持天板(16)と針保持底板(18)とを備える、請求項1に記載の研削器装置(10)
【請求項8】
前記各手段のそれぞれの動作のシーケンスを制御する研削制御手段をさらに備える、請求項1から7のいずれかひとつに記載の研削器装置(10)
【請求項9】
針の先端(32)近傍に孔、スロット、及び/又は窪み(34)を形成する方法であって、
複数の針チューブ(20)をストリップ(22)に平行な位置合わせ状態で配置するステップと
位置、及びそれによって前記ストリップ(22)によって支持された針チューブ(20)を研削器円盤(40)の研削表面(30)に向かって延在する角度をブロックを用いて変えるステップと、
前記ストリップ(22)を少なくとも2つの針保持板(16,18)を備える針保持手段アセンブリ(12)の間にクランプするステップと、
前記針保持手段アセンブリ(12)を研削器装置(10)の可動テーブル(14)の上に搭載するステップと、
研削円盤アセンブリ(28)を前記針保持手段アセンブリ(12)に隣接して位置させるステップと、
針先端を露出させているストリップ(22)を前記研削円盤アセンブリ(28)の研削表面(30)に接触させるステップと、
針の先端(32)近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを(34)所定の仕様にしたがって研削するステップと、
針チューブ(20)を引き抜いて、洗浄して、乾燥するステップと、
を包含する、方法。
【請求項10】
前記針保持板(16,18)の間に未露出でクランプされている針チューブ(20)の残り部分によって投影されている垂直な領域内に針の先端(32)が一般的に露出されているように、前記ストリップ(22)が針保持手段アセンブリ(12)の間にクランプされている、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願情報]
本出願は、2009年9月18日付けで出願されたインド予備特許出願第1949/DEL/2009号からの優先権を主張する。その内容全体が、参照によってここに援用される。出願人は、この予備出願の恩恵を主張する。
【0002】
本発明は、針に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、カテーテル針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
今日利用可能な針の安全装置は、針の先端近傍における孔、スロット、及び/又は窪みを利用して、針ガードが針の先端から脱落しないようにする。針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを設ける目的は、通常は、針安全装置が前記孔、スロット、及び/又は窪みに嵌合することを許容することである。それゆえ、その孔、スロット、及び/又は窪みは、安全装置のための停止装置として機能する。これらの安全装置は通常は、カテーテル及び注射で使用される。針に対して安全装置を設ける目的は、ヘルスケア労働者が、患者の世話をしている間に針の先端で偶然に突かれたり刺されたりしないことを確実にすることであり、こうしたことが起こると、ヘルスケア労働者の安全を危うくする病気の伝染をもたらし得る。
【0004】
一般に、針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みをドリル加工するか、切削するか、又は生成する数多くの方法が存在する。針の先端近傍に、孔、スロットまたは窪みを製造するための例示的な方法及び装置は、国際公開第2005/087296号、米国特許第5858002号明細書、国際公開第2004/065036号、欧州特許出願公開第0591992号明細書、米国特許第5709668号明細書に開示されている。例えば、孔は、ドリルマシン、レーザビームマシン、電子ビームマシン、パンチマシンなどによって形成され得る。そのような工程による針の製造には、多くの工程ステップ及び各々のステップを実行するための異なるタイプの機械が関与する。様々な工程の正確さ及び精密な再現性は、高品質の針の製造においてますます不可欠になっている。そのような工程は、連続する工程ステップとして機械の一つから他のものへの針本体の動きを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、切削工具は、ドリル加工される材料の中に前進しながら、それ自身の軸の周囲を回転する。ドリルがドリル加工されているチューブ材料の他端に達すると、ドリルの先端は、最終的なサイズの孔に広がる生成されている縁を突き抜けて、孔の周囲に出口バリを残す。出口バリは、構造における歪み要因及び疲労クラックを生成するので、カテーテルアセンブリでは許容できない。それはまた多くの熱及び推進力も生成し、これはドリル機械から付加的なパワーを必要とする。さらに、連続的な動きステップは時間及びマンパワーの関与を増し、それを針の製造に対して時間を必要とし且つ高価な出来事にする。
【0006】
従来のドリル加工によって針の先端近傍に孔を生成することの他の不利益は、正確で且つ精密なドリル加工の高標準の要件を危うくすることであり、孔が位置ずれする結果で終わり得る。技術の出現とともに、医療用の針はますます直径サイズが、例えば1ミリメートルよりも小さいオーダ又はより小さいサイズまで小さくなっており、これにより針の製造技法においてより高い精度を要求している。より小さな直径サイズは、孔付きの針の製造をより複雑且つ高コストなものにしている。より小さな直径の針の製造は、針本体に孔をドリル加工する際の取扱いの困難さをもたらす。小さな直径の針本体は、そこに形成されるドリルの中心度を確実にするために極端な精度を要求する。さらに、針の直径の減少に比例して、針の長さが減少する。針本体へ及びドリル加工動作を取り扱っているオペレータへのダメージを生じること無しに短く非常に微細な針本体を精密に取り扱うことは、大量生産環境にて達成することが極めて困難である。
【0007】
針本体におけるドリル加工の中心度を確実にするための精度は取扱いの困難さを増して、針の製造に影響を与える。従来のドリル加工工程では、チューブを保持する針チューブホルダが取扱いの困難さを生じさせて、保持されたチューブの位置は、常に満足のいくものではない。また、シリンジ針ポイントの滑らかで信頼性のある一様なドリル加工のために、高度の手作業のスキルが必要とされる。これより、ドリル加工の結果は満足できない且つ時間がかかるものになり、訂正量に応じてドリル加工体積が広く変動して、不規則な寸法のシリンジ針が製造される。大量生産の場合には、一様な品質の製品を得ることが難しい。
【0008】
したがって、前述の不利益、ならびに高速で対費用効果のある方法での大量生産の必要性を満足する、針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する商業的に実現可能な方法及び装置に対する必要性が常に残存している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面では、針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する研削器装置が提供され、前記研削器装置は、複数のカテーテル針チューブを平行な位置合わせ状態に固定して針の先端を露出させるストリップと、その間に前記ストリップをクランプする少なくとも2つの保持板を備える前記ストリップのための保持手段アセンブリと、前記保持手段アセンブリに隣接して位置する研削表面を有する研削円盤を有する研削器円盤アセンブリと、前記保持手段アセンブリをそれに沿って動かして、前記保持手段アセンブリによって前記ストリップに支持されている針チューブの位置を変えるように構成された、研削器装置に動作可能に搭載された可動テーブルと、を備える。
【0010】
本発明の他の局面は、針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを形成する方法に関係しており、この方法は、複数の針チューブをストリップに平行な位置合わせ状態で配置するステップと、前記ストリップを少なくとも2つの保持板を備える保持手段アセンブリの間にクランプするステップと、前記保持手段アセンブリを研削器装置の可動テーブルの上に搭載するステップと、研削円盤アセンブリを前記保持手段アセンブリに隣接して位置させるステップと、針先端を露出させているストリップを前記研削円盤アセンブリの研削表面に接触させるステップと、カテーテル針の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪みを所定の仕様にしたがって研削するステップと、針チューブを引き抜いて、洗浄して、乾燥するステップと、を包含する。
【0011】
本発明は、更なる目的及び特徴と共に、添付の図面と共に以下の詳細な記載を参照することによって、最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の方法が適用され得る研削器装置のある実施形態の斜視図である。
図2】本発明の方法が適用され得る研削器装置のある実施形態の正面図である。
図3】本発明の好適な実施形態にしたがったお互いに隣接して位置された複数の針チューブを含むストリップの正面図である。
図4(a)】本発明の好適な実施形態にしたがった針保持手段アセンブリの斜視図である。
図4(b)】本発明の好適な実施形態にしたがった針保持手段アセンブリの斜視図である。
図5】本発明の好適な実施形態にしたがった針保持手段アセンブリの側面図である。
図6】本発明の好適な実施形態にしたがった研削器装置の可動テーブル上に搭載された針保持手段アセンブリの斜視図である。
図7】本発明の好適な実施形態にしたがった研削器装置の可動テーブル上に搭載された針保持手段アセンブリの正面図である。
図8】本発明の好適な実施形態にしたがった針保持手段アセンブリに隣接して位置された研削円盤アセンブリの斜視図である。
図9】本発明の好適な実施形態にしたがった針保持手段アセンブリに隣接して位置された研削円盤アセンブリの正面図である。
図10】本発明の方法が適用され得る動作モードにおける研削器装置のある実施形態の斜視図である。
図11】本発明の好適な実施形態にしたがった研削前後の針チューブの図である。
図12】本発明の好適な実施形態にしたがった研削前後の針チューブの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態がこれから記述される。図面において、同様の数字は同様の部分を示す。
【0014】
図1を参照して、及び特に明確に図2に描かれているように、可動テーブル14は、針保持天板16及び針保持底板18を備える保持手段アセンブリ12のための基礎プラットホームを形成する。複数のカテーテル針チューブ20を平行な位置合わせで固定しているストリップ22は、針保持天板16及び針保持底板18の間にクランプされている。可動テーブル14は、テーブル床24の上に位置されている。
【0015】
可動テーブル14の下側は、図面には示されていないが溝を有しており、これは、可動テーブル14がテーブル床24の上を長手方向に自由にスライドするように、テーブル床24の頂部側に形成されたリブに合致する。一つ又は複数の油圧シリンダ26が可動テーブル14及び保持手段アセンブリ12の両方に接続されている。リミットスイッチが設けられており、図10に明確に描かれているように、可動テーブル14がテーブル床24の端に到達したときに検出して動作する。リミットスイッチの動作は油圧シリンダ26の動作を停止して、研削動作を停止する。
【0016】
研削装置10の可動テーブル14に隣接して研削円盤アセンブリ28が設けられており、これは、研削表面30を有する研削円盤40を備えている。研削円盤40は、研削サポートを介して駆動モータに接続されている。示されているように、研削円盤アセンブリ28は、金属コア、例えばステンレス鋼を備え得て、これには、その外周の凹部に研磨材料、例えばダイアモンド/バインダ混合物が設けられている。あるいは、研削円盤40には、シリコンカーバイド、ダイアモンド、酸化アルミニウムなど、ならびにそれらの混合物のような、任意の研磨材料が設けられ得る。支持部材及び羽根車は、好ましくはステンレス鋼のような金属から形成されている。研削円盤40は電子的に制御されて正しく且つ所望の深さを与えて、ストリップ22に収容された針の露出された先端に規定の輪郭にしたがって孔、スロット、及び/又は窪み34を生成する。動作中に、研削円盤アセンブリ28はモータによって回転される。針20の先端近傍に孔、スロット、及び/又は窪み34を生成するために、好適な回転スピードは一般的に約2850RPMである。回転スピードは、針チューブ20の様々な仕様サイズの使用に応じて、変わり得る。
【0017】
図3は、複数の針チューブ20を備えるストリップ22を描いている。ストリップ22において、針チューブ20は、お互いに隣接して位置するように平行で一様な方法で支持されることができる。針ストリップ22は、針チューブ20の先端32の近傍に孔、スロット、及び/又は窪み34を生成するために要求される仕様にしたがった精度を容易にする。針チューブ20は、孔、スロット、及び/又は窪み34が形成されるべき針20のとがった先端領域32を露出する一様な方法で、ストリップ22に収容されている。針保持手段アセンブリ12の上にクランプされた後に針ストリップ22の上に支持される針チューブ20は、垂直な方向に突出して針20の先端32を露出する。針ストリップ22の上に支持される針チューブ20が保持手段アセンブリ12に所望の長さで置かれると、アセンブリ12はそれから、研削器装置10の可動テーブル14に搭載される。
【0018】
図4(a)及び図4(b)ならびに図5に示されているように、針保持手段アセンブリ12は針保持底板18及び針保持天板16を備えており、これらは、前記2つの板16、18の間にクランプされた複数の針チューブ20を収容するストリップ22を保持する。一つ又は複数の油圧シリンダ26が、保持板16、18、ならびに保持板16、18の間のストリップ22のクランプ動作を制御する。油圧シリンダ26は、すでに知られているような普通の且つ規則的な方法で機能する。油圧シリンダ26のための空気圧は、電子スイッチによって制御される。この記載では、保持手段アセンブリ12は、少なくとも4つの油圧シリンダ26を示す。しかし、クランプ動作が効率的に実行される限りは、より多く又はより少ない油圧シリンダ26が設けられることができる。
【0019】
針20を備えるストリップ22は、頂部及び底部ゴム表面カバー要素で覆われている保持器空間の内部且つその間にフィットして、それらの間に保持されて、角度支持ブロック手段36の前進動作によってクランプされる。一対のガイドブロック及びサイドブロックが配置されて、これらは、針保持手段アセンブリ12を通してストリップ22を支持する。角度支持ブロック手段36は、位置の変化、及びそれにより、ストリップによって支持されたチューブ20が研削円盤40の研削表面30に向かって延在する角度の変化を制御する。ストリップ22は、図3に描かれているように、複数の針チューブ20がお互いに隣接した平行な方法で支持されることができるように、設計されている。針ストリップ22を備えている針保持手段アセンブリ12は、研削器装置10の可動板14の上に搭載されている。研削工程の間、針先端32を露出させているストリップ22は、回転している研削円盤40の研削表面30に対して押し付けられている。
【0020】
図6及び図7に示されているように、可動テーブル14の上に搭載されているストリップ22を備えている保持手段アセンブリ12は、針先端32を露出しているストリップ22の軸に一般に垂直な方向に、研削円盤40に対して動かされる。動作中に、研削表面30は工具軸の周囲を回転し、主軸の周囲で軌道を描く。研削円盤アセンブリ28は、研削表面30の主軸が保持手段アセンブリ12に対して実質的に固定されるように、保持手段アセンブリ12に対して位置されて固定される。動作中には、研削表面30は円盤軸の周囲を回転し、且つ主軸の周囲を回転して、針20のとがった先端32の近傍に孔、スロット、及び/又は窪み34を切削する。
【0021】
孔/スロット34はこれより、研削円盤40によって針先端32に生成され、針先端32に生成されるべき孔、スロット、及び/又は窪み34の正確な輪郭を有するように仕上げられる。保持手段アセンブリ12は、2つの保持板16、18を、調節可能な所定の距離だけ離す間隔調整手段を備えており、それによって、保持手段アセンブリ12が可変直径の針チューブ20を収容することを可能にする。保持手段アセンブリ12はまた、ストリップ22に配列された針チューブ20の位置の間の変化を、針20の先端32に孔、スロット、及び/又は窪み34を研削するための所定の値に決定するための間隔調整器手段も備えている。
【0022】
図8及び図9に示されているように、研削円盤40は、軸38の助けを借りて、研削器装置110に軸方向に接続されている。保持板16、18の間にクランプされている針先端32を露出しているストリップ32を備えた保持手段アセンブリ12は、一般的にストリップ22の軸に対して垂直に延在している。ストリップ22を備えた保持手段アセンブリ12は、研削円盤40の研削表面30の下に調整される。間隔調整手段は、ストリップ22で露出している針先端32と研削円盤40の研削表面30の平面との間の間隔を維持する。図8及び図9はまた、針保持手段アセンブリ12の上の研削円盤40の位置も示している。オペレータはそれから、保持手段アセンブリ12の高さを、研削円盤40が露出された針20の先端32に所望の仕様の孔、スロット、及び/又は窪み34を生成するように、電子的に調整する。保持手段アセンブリ12は、前記ストリップ22をクランプする手段を備えている。
【0023】
高さが固定された後に、オペレータは研削円盤40をスタートして、保持手段アセンブリ12を保持している可動テーブル14をスタートする。保持手段アセンブリ12は、回転している研削円盤40に向かって動き始める。ストリップ22に支持されている針20の露出された先端32が研削円盤40に接触するようになると、針の先端32に、所望の輪郭仕様の孔、スロット、及び/又は窪み34を生成する。保持手段アセンブリ12が可動テーブルの他端に達するときまでに、ストリップ22に支持された針20に孔/スロット34を生成する結果となる。
【0024】
孔、スロット、及び/又は窪み34を有する針20を生成するこの方法は、約5分より短い時間しか要さない。針ストリップ22に装荷されることができる針20の数は、約250程度の少なさであることができて、針チューブ20の外径に依存して約1000個の針チューブ程度まで可変である。
【0025】
図11は、カテーテル針を製造するための標準要件に合致したステンレス鋼チューブ20を描いている。とがった先端32を有する描かれたチューブ20は、特定の内径及び特定の外径まで、ダイを通って引き出される。このステンレス鋼チューブ20は、仕様輪郭にしたがって適切な長さに切断される。切断されたチューブ20の切断面からバリが除去された後に、切断されたチューブ20は、ルーチン的に洗浄及び乾燥される。
【0026】
研削前の針20は、通常は注射又はカテーテルに要求されるサイズである。本記述の描写的な目的のために、針チューブ20の仕様サイズは、長さ54.8mm且つ厚さ0.55mmである。しかし、本発明は、様々な仕様及びサイズの針チューブ20の使用を包含する。
【0027】
図12は、所定の仕様にしたがって針の先端32の近傍に孔、スロット、及び/又は窪み34が研削された後の針チューブ20を示す。
【0028】
本発明の利点は、上述のように、孔、スロット、及び/又は窪み34を有する約400を超える針チューブ20が、実際には一つの針20に対して取られた時間枠の中で生成されることができ、それによって時間、労力、及びお金を節約できることである。また、中間工程で熟練労働者の関与の必要が無く、それによってマンパワー要件を実質的に低減する。また、多数のカテーテル針20が、上記で開示された装置及び方法の実現によって、著しく向上された効率で、同じ仕様に製造されることができる。
【0029】
本発明はまた、針20に孔、スロット、及び/又は窪み34を生成する研削動作の自動化を妨げる従来技術で議論されたような様々な困難さを解決し、針20における孔/スロット34の正確な自動研削を保証にする。
【0030】
本発明が特定の例を参照して記述されてきたが、本発明にて先に述べられたような本発明のより広い思想及び範囲から逸脱すること無く、本発明が多くの形態で具現化され得ることが、当業者によって認識されるであろう。これより、開示されたような好適な実施形態の変動が、以上の記述を読むことによって当業者には明らかになり得る。したがって、本発明は、添付の請求項に記載された主題の、適用可能な法律によって許容されるような全ての改変及び等価物を含む。さらに、その全ての可能な変動における上述の要素の任意の組み合わせが、ここにそうではないと示されていない限りは、あるいはそうではなく文脈によって明らかに矛盾しない限りは、本発明によって包含される。それゆえ、本明細書及び図面は、本発明の思想及び範囲から逸脱すること無く、制約的な方法というよりむしろ描写的な方法であるとみなされるべきであり、本発明は、以下に添付の請求項の中に存在する。
【符号の説明】
【0031】
10 研削器装置、12 針保持手段アセンブリ、14 可動テーブル、16 針保持天板、18 針保持底板、20 針チューブ、22 ストリップ、24 テーブル床、26 油圧シリンダ、28 研削円盤アセンブリ、30 研削表面、32 針先端、34 孔、スロット、及び/又は窪み、36 角度支持ブロック手段、38 軸、40 研削円盤。

図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12