特許第5695061号(P5695061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィーヴ エフセーベーの特許一覧

特許5695061粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備
<>
  • 特許5695061-粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備 図000002
  • 特許5695061-粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備 図000003
  • 特許5695061-粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備 図000004
  • 特許5695061-粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695061
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】粒状固体材料の冷却方法、およびそのような連続焼成設備
(51)【国際特許分類】
   F27D 15/02 20060101AFI20150312BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20150312BHJP
   C04B 7/47 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
   F27D15/02 Z
   F27D17/00 103
   !C04B7/47
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-532640(P2012-532640)
(86)(22)【出願日】2010年9月30日
(65)【公表番号】特表2013-507312(P2013-507312A)
(43)【公表日】2013年3月4日
(86)【国際出願番号】FR2010000649
(87)【国際公開番号】WO2011042618
(87)【国際公開日】20110414
【審査請求日】2013年9月11日
(31)【優先権主張番号】0904812
(32)【優先日】2009年10月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509140467
【氏名又は名称】フィーヴ エフセーベー
【氏名又は名称原語表記】FIVES FCB
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】コルドニエ,アラン
(72)【発明者】
【氏名】デヴロエ,セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ユエール,ヤン
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭41−11182(JP,Y1)
【文献】 特開昭62−87444(JP,A)
【文献】 実開昭48−67050(JP,U)
【文献】 特開昭62−129685(JP,A)
【文献】 実開平6−54748(JP,U)
【文献】 特開昭59−88348(JP,A)
【文献】 特開昭49−125947(JP,A)
【文献】 特開昭49−86418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D15/00−17/00
C04B7/00−32/02
C04B40/00−40/06
C04B103/00−111/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状材料の焼成のための燃料の燃焼領域(41、42)を少なくとも一つ有する連続焼成設備(1)からもたらされる粒状材料の冷却方法であって、前記設備内で粒状材料の焼成を実現し、次いで、前記焼成された粒状材料の連続する二工程による冷却を実現し、該連続する二工程は、設備の第一冷却機(2)内で行われる第一の冷却工程と設備の第二冷却機(3)内で行われる第二の冷却工程とであり、該方法は、
−粒状材料の冷却のために低温空気源(31)を準備し、前記低温空気源(31)を、送風によって前記第二冷却機(3)に直接供給し、
−設備(1)の前記少なくとも一つの燃焼領域(41、42)のための燃焼用ガスとして、焼成された粒状材料によって冷却の際に温められる空気を利用する
という方法であって、
−前記第一冷却機(2)および前記第二冷却機(3)によって生み出されるガス(133、134;222、234;334、335)の全てを、前記焼成設備の前記少なくとも一つの燃焼領域(41、42)へと導いて、前記ガスの濾過なしで、燃焼用ガスとして利用できるようにすること、
−前記設備(1)の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように、前記第二冷却機(3)に送風される低温空気(31)の量を調節すること、
を特徴とする方法であって、
−熱交換器(6)を介して、前記第二冷却機(3)から出る粒状材料(54)の温度を制御し、また第一冷却機(2)から出る材料(53)の温度を制御し、そして、第二冷却機(3)から出てくる空気(132)の温度を前記熱交換器(6)によって下げてから、前記熱交換器(6)によって冷却された空気(121)を、冷却用空気として前記第一冷却機(2)の中に導入する、
または二者択一的に、
−第二冷却機(3)から出る粒状材料(54)の温度を、第一冷却機(2)中への水の噴射および前記第一冷却機(2)中に噴射される水(70)の蒸発によって制御する、
ものであることを特徴とする方法
【請求項2】
第一冷却機が管状冷却機であって、前記第二冷却機が格子冷却機である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換器(6)を介して、前記第二冷却機(3)から出る粒状材料(54)の温度を制御し、また第一冷却機(2)から出る材料(53)の温度を制御し、そして、第二冷却機(3)から出てくる空気(132)の温度を前記熱交換器(6)によって下げてから、前記熱交換器(6)によって冷却された空気(121)を、冷却用空気として前記第一冷却機(2)の中に導入する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第二冷却機(3)から出てくる空気(132)の全体が、第一冷却機(2)の冷却用空気として利用される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記熱交換器(6)において、熱の一部を流体回路(61)に移し、該熱交換器(6)は、エネルギー回収用のタービンと組み合わされる蒸気発生装置の一部を成すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第二冷却機(3)から出る粒状材料(54)の温度を、第一冷却機(2)中への前記水の噴射および前記第一冷却機(2)中に噴射される水(70)の蒸発によって制御する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記第一冷却機(2)から出る粒状材料の温度を、噴射される水(70)の流量の調整によって決定する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
噴射される水(70)に加えて、第一冷却機(2)での冷却用流体が、前記第二冷却機(3)から出てくる空気の一部(211)から成る、請求項またはに記載の方法。
【請求項9】
噴射される水(70)が、前記第一冷却機(2)での第一の冷却工程において利用される唯一の冷却用流体である、請求項またはに記載の方法。
【請求項10】
前記第一冷却機(2)の蒸発した水(71)を、前記第二冷却機(3)から出てくる温められた空気の少なくとも一部(333)と混合してから、湿り空気(335)を前記設備(1)内で燃焼用空気として利用する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
粒状材料の焼成のための燃料の燃焼領域(41、42)を少なくとも一つ有する連続焼成設備あるいは連続か焼設備(1)であって、粒状材料が連続する二工程で冷却され、該連続する二工程が、設備の第一冷却機(2)内で行われる第一の冷却工程そして設備の第二冷却機(3)内で行われる第二の冷却工程であり、前記設備(1)は、前記第二冷却機(3)に直接供給する、材料の冷却のための低温空気源(31)を有し、
−前記第一冷却機(2)および前記第二冷却機(3)によって生み出される高温ガス(133、134;222、234;334、335)の全てを、前記ガスの濾過なしで、前記設備(1)の前記少なくとも一つの燃焼領域(41、42)へと導くことを可能にするガス管、
−前記設備の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように、前記第二冷却機(3)に送風される低温空気の量を調節するための手段、
を有することを特徴とする、設備であって
−前記第二冷却機(3)から出る粒状材料の温度の制御ひいては調整を可能にすることができる熱交換器(6)を有し、前記熱交換器(6)が、前記第二冷却機(3)から出てくるガス(132)を冷却し、その後、熱交換器(6)によって冷却されたガス(121)を冷却用空気として前記第一冷却機(2)で利用することを可能にする、
および/または、
−前記第二冷却機(3)から出る粒状材料の温度の制御ひいては調整を可能にすることができる前記第一冷却機(2)内に水を噴射するための手段(7)を有する、
ことを特徴とする、設備。
【請求項12】
第一冷却機が管状冷却機であり、前記第二冷却機が、低温空気源(31)によって供給される格子冷却機である、請求項11に記載の設備。
【請求項13】
前記第二冷却機(3)から出る粒状材料の温度の制御ひいては調整を可能にすることができる前記熱交換器(6)を有し、前記熱交換器(6)が、前記第二冷却機(3)から出てくるガス(132)を冷却し、その後、熱交換器(6)によって冷却されたガス(121)を冷却用空気として前記第一冷却機(2)で利用することを可能にする、請求項11または12に記載の設備。
【請求項14】
前記第二冷却機(3)から出る粒状材料の温度の制御ひいては調整を可能にすることができる前記第一冷却機(2)内に水を噴射するための前記手段(7)を有する、請求項11から13のいずれか一つに記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続焼成設備からもたらされる粒状固体材料の冷却方法、ならびにそのような連続焼成設備に関するものである。
【0002】
本発明は、セメントクリンカ製造についての特徴的な、しかし限定的でない応用を見出すことになろう。
【背景技術】
【0003】
例えばセメントクリンカ製造のような無機質材料の処理工業においては、無機質材料の焼成作業とりわけ、か焼工程に続いて、一般的に、前記材料を扱えるようにすることを目的とした、材料の冷却が行われる。
【0004】
一般的に、この冷却は、少なくとも、高温材料への低温空気の送風によって行われる。{りんしょう てき がっぺいしょう}
【0005】
設備のエネルギー消費を減少させるために、高温材料中に含まれる熱を回収することが求められる。また、材料の冷却中に、材料に含まれる熱は、送風された空気に伝えられる。このように生成される高温空気は、たいていの場合、焼成設備内で使われる燃料のための燃焼用空気として利用される。
【0006】
しかしながら、冷却の現在の性能では、材料の完全な冷却に、通常、焼成設備の燃焼用空気の必要量を超える大量の空気を必要とする。例えば、セメントクリンカ製造の場合、製造される材料1kg当たり約1.8〜2.2Nmの空気を送風する必要があるが、その時、燃焼用空気の必要量は、製造される材料1kg当たり1Nm未満なのである。
【0007】
これらの過剰量の空気は、濾過設備を必要としまた換気エネルギーを消費する排気用の流れ(あるいは過剰な流れ)を発生させる。排気用の流れは、前記流れが低温であるという理由で、有効利用することができないエネルギーの一部を流れとともに運び去る。しかしながら、先行技術によって、この排気用の流れの中に含まれるエネルギーの一部を回収することができる設備が公知である:FR−08/03.050がその一例である。
【0008】
冷却によく利用される技術の中に、材料が一般的に空気の流れに逆らって中を循環する管状、円筒形、回転式の冷却機、および、材料の厚い層が格子の下からの送風に通り抜けられながら、格子上で横方向に移動する、格子冷却機がある。
【0009】
冷却は時には、とはいえあまり頻繁ではないが、連続して利用される二つの技術の組合せによって実現されることも可能である。このように、管状冷却機と格子冷却機との連続組合せによって材料を冷却することを可能にする、本願中で説明される方法は先行技術によって公知であるが、本出願ではそれをさらに発展させていくものである。
【0010】
材料は、まず初めに管状冷却機中で、次いで格子冷却機中で冷却される。管状冷却機の段階で冷却強度を上げるために、高温材料に水を噴射し、こうして水蒸気を発生させる。この蒸発した水は、燃焼用ガスとして利用されず、濾過装置まで別ルートで誘導され、この蒸気の中に含まれる熱は失われる。
【0011】
このような設備において、格子冷却機への供給源は、低温空気源のみであるが、送風される低温空気の量は、設備の燃焼用空気の必要量に対して過剰である。格子冷却機の中で温められた空気の一部分だけが、燃焼用空気として利用され、排気用の流れを構成するその他の部分は、濾過および適合した換気手段を必要とする。
【0012】
先行技術では、独国特許出願公開第10 2006 026 234号明細書すなわち国際公開第2007/141307号から、セメントクリンカ製造設備が公知である。独国特許出願公開第10 2006 026 234号明細書の図2で説明される実施形態によると、ロータリーキルンから出てくる粒状材料は、冷却用ガスが通り抜ける層式冷却機の、第一セクション、次いで第二セクションにおいて冷却される。
【0013】
第一セクションは、非酸化性媒体によって冷却されることができる。第二セクションは、空気によって冷却される。省エネルギーを実現するために、この設備には、粒状材料によって温められる非酸化性媒体を、冷却機の第一セクションへと向かわせる再循環サーキットがある。このために、温められた非酸化性媒体は、熱交換器によって冷却され、塵を分離するために濾過され、そして少なくとも部分的に冷却機の第一セクションまで導かれて、改めて非酸化性冷却媒体の役目を果たす。再循環サーキットにある排気管により、媒体の残りの部分を、濾過後に、環境中に廃棄することが可能となる。
【0014】
冷却機の第二セクションから出てくる、温められた空気も同様に塵を分離するために(サイクロンによって)濾過され、次いで前記熱交換器によって再び温められ、そして設備用の燃焼用ガスの役目を果たすために導かれる。
【0015】
この設備は、省エネルギーの実現を可能にはするが、先に引用された先行技術と全く同様に、前記冷却機によって生み出される、温められたガス媒体の集塵をするために、サイクロンのような濾過装置を必要とするという不都合を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、設備に必要な機器数、またそれに伴いその費用を減らしながらもエネルギー消費が最適化される、連続焼成設備からもたらされる粒状固体材料の冷却方法を提案することによって、前述の不都合を克服することである。
【0017】
より詳細には、本発明の目的は、排気用の流れのない、したがって設備の冷却機中で温められる空気の一部の濾過をも必要としない、そのような方法を提案することである。
【0018】
本発明の別の目的は、そのような設備そのものを提案することである。
【0019】
本発明の別の目的および利点は、以下に続く記載の中で明らかになっていくが、該記載は、参考までに与えられるものであって、本発明を限定することを目的とするものではない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、粒状材料の焼成のための燃料の燃焼領域を少なくとも一つ有する連続焼成設備からもたらされる粒状固体材料の冷却方法に関するものであり、該方法において、前記設備内での粒状材料の焼成、次いで、前記焼成された粒状材料の連続する二つの工程による冷却を実現し、該連続する二つの工程は、設備の第一冷却機内で行われる第一の冷却工程と設備の第二冷却機内で行われる第二の冷却工程とであり、該方法において:
−粒状材料の冷却のために低温空気源を準備し、前記低温空気源を、送風によって前記第二冷却機に直接供給し、
−設備の少なくとも一つの前記燃焼領域のための燃焼用ガスとして、焼成された粒状材料によって冷却の際に温められる空気を利用する。
【0021】
本発明にしたがった方法によると:
−前記第一冷却機および前記第二冷却機によって生み出されるガスの全てを、前記焼成設備の少なくとも一つの燃焼領域へと導いて、前記ガスの濾過なしで、燃焼用ガスとして利用できるようにし、
−設備の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように、前記第二冷却機に送風される低温空気の量を調節する。
【0022】
第一冷却機および第二冷却機によって生み出されるガスの全てを導くこと、そして設備の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように第二冷却機に送風される低温空気の量を調整することにより、それに伴い、高温材料中に含まれるエネルギーの回収を最適化することが可能になる。さらに、これらの措置によって、排気用の流れの存在を回避すること、したがって、この排気用の流れに組合わされる換気手段および濾過装置を回避することが可能になる。
【0023】
有利な実施形態によると、ヒートシンクを介して、第二冷却機から出る粒状材料の温度が制御される。
【0024】
場合によっては、ヒートシンクは、第一冷却機から出る材料の温度の制御を可能にする。
【0025】
場合によっては、前記ヒートシンクを少なくとも部分的に構成する熱交換器によって、第二冷却機から出てくる空気の温度が下げられ、その後に、前記熱交換器によって冷却された空気が、冷却用空気として前記第一冷却機中に導入される。第二冷却機から出てくる空気全体を、第一冷却機での冷却用空気として利用することができる。
【0026】
場合によっては、前記ヒートシンクは、前記熱交換器から成ることができ、前記熱交換器の冷却用流体の流量の調整によって、前記第一冷却機から出る粒状材料の温度を決定する。
【0027】
ある実施形態によると、ヒートシンクは、前記第一冷却機中に噴射される水の蒸発によって少なくとも部分的に実現されることができる。
【0028】
場合によっては、ヒートシンクは、前記第一熱交換器中に噴射される前記水の蒸発に存することができ、そして、噴射される水の流量の調整によって、前記第一冷却機から出る粒状材料の温度を決定する。
【0029】
場合によっては、噴射される水に加えて、第一冷却機での冷却用流体は、前記第二冷却機から出てくる空気の一部から成る。
【0030】
ある実施形態によると、噴射される水は、前記第一冷却機での前記第一の冷却工程において利用される唯一の冷却用流体であることができる。この場合、前記第一冷却機で蒸発した水を、前記第二冷却機から出てくる温められた空気の少なくとも一部と混合して、その後に、湿り空気を前記設備内で燃焼用空気として利用する。
【0031】
前記第一冷却機は、場合によっては、材料が中で循環する回転円筒を含む、管状冷却機であることができ、また第二冷却機は、材料の厚い層が格子の下からの送風に通り抜けられながら、格子上で横方向に移動する、格子冷却機であることができる。
【0032】
また、本発明は粒状固体材料の焼成のための燃料の燃焼領域を少なくとも一つ有する連続焼成設備にも関するものであり、該設備では、粒状材料が、連続する二工程で冷却されるのであって、第一の冷却工程は、設備の第一冷却機内で行われ、また第二の冷却工程は、設備の第二冷却機内で行われる。前記設備は、前記第二冷却機に直接供給する、材料冷却用の低温空気源を有する。
【0033】
本発明によると、前記設備は以下を有する:
−ガス管であって、前記第一冷却機および前記第二冷却機によって生み出される高温ガスの全てを、前記ガスの濾過なしで、前記設備の少なくとも一つの燃焼領域へと導くことを可能にするものである、ガス管
−前記設備の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように、前記第一冷却機に送風される低温空気の量を調節するための手段。
【0034】
ある実施形態によると、設備は、前記第一冷却機から出る粒状材料の温度を制御、ひいては調整することを可能にすることができるヒートシンクを有する。
【0035】
ヒートシンクは、熱交換器を含むことができ、該熱交換器は、第二冷却機から出てくるガスを冷却してから、熱交換器によって冷却されたガスを冷却用空気として前記第一冷却機で利用することを可能にするものである。
【0036】
ヒートシンクは、前記第一冷却機中に水を噴射するための手段を含むことができる。
【0037】
本発明は、付属の図面を伴う以下の記載を読むことによって、さらに良く理解することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明にしたがった方法の第一の実施形態を示しており、第一の実施形態による本発明にしたがった設備において示されるものである。
図2】本発明にしたがった方法の第二の実施形態を示しており、第二の実施形態による本発明にしたがった設備において実施されるものである。
図3】第三の実施形態による本発明にしたがった方法を示しており、第三の実施形態による本発明にしたがった設備において実施されるものである。
図4】先行技術にしたがった設備を示しており、該設備の冷却は、管状の第一冷却機と格子型の第二冷却機とで連続して行われるものである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
まず初めに、先行技術の設備を描写する図4の例を説明する。
【0040】
この設備は、サイクロン式予熱器20’とそれに備わるバーナー42’、それらに続くロータリーキルン10’とそれに備わるバーナー41’を含み、これらはセメントクリンカ製造を目的としたものである。粒状材料51’は、予熱器20’に供給される。予熱器20’の中で、材料は、二酸化炭素の除去の一部を実現する。材料の二酸化炭素の除去は、ロータリーキルン10’の中で続けられる。高温材料52’は、ロータリーキルンから排出され、管状の第一冷却機2’中で冷却される。第一冷却機2’から出てくる高温材料53’は、第二冷却機3’中で冷却される。
【0041】
第一冷却機2’中で、材料は、7という符号のついた手段を介して、水70’の噴射によって冷却される。蒸発した水は、濾過装置81’へと導かれる流れ71’によって第一冷却機から排出される。この蒸気は、設備の燃焼領域へ再び導入されることはない。
【0042】
第二冷却機3’は、低温空気源31’を供給されるが、供給される空気の量は、設備のバーナー42’と41’の燃焼用空気の必要量に対して過剰な量である。粒状材料によって温められた空気のうち、その一部の32’のみが、設備の燃焼領域へと導かれる。ガスの第一の部分33’は、ロータリーキルン10’へと導かれ、ガスの第二の部分34’は、予熱器20’へと導かれる。過剰な空気は、第二冷却機3’の排気用の流れ80’によって排出されるが、該排気用の流れは、換気手段および濾過装置(図示せず)の利用を必要とするものである。
【0043】
本発明は、連続焼成設備からもたらされる粒状固体材料の冷却方法に関している。図1から図3に示されるように、この設備は、粒状材料の焼成用の燃料の少なくとも一つの燃焼領域41、42を有する。
【0044】
本発明の方法によると、前記設備内で粒状材料の焼成が行われ、次いで焼成された前記粒状材料の、連続する二つの工程での前記冷却が行われる。第一の冷却工程は、とりわけ管状タイプの、設備の第一冷却機2内で行われ、そして第二の冷却工程は、とりわけ格子タイプの、設備の第二冷却機3内で行われる。
【0045】
本発明の方法によると:
−粒状材料の冷却用に低温空気源31が準備され、前記低温空気源31を、第二冷却機3に送風によって直接供給する、
−焼成された粒状材料によって冷却の際に温められた空気を、設備1の前記少なくとも一つの燃焼領域41、42のために、燃焼用ガスとして利用する。
【0046】
本発明によると:
−前記第一冷却機2および前記第二冷却機3によって生み出されるガス133、134;222、234;334、335の全てを、燃焼用ガスとして利用するために前記焼成設備の前記少なくとも一つの燃焼領域41、42へと導く、
−前記設備の燃焼用空気の必要量を超過することなく満たすように、前記第二冷却機に送風される低温空気の量を調節する。
【0047】
有利には、本発明の方法は、ヒートシンク6;70を介して、前記第二冷却機3から出る粒状材料の温度を制御することもまた想定することができるであろう。場合によっては、またとりわけ図面の実施例によって説明されるように、ヒートシンク6;70は、第一熱交換器2から出る粒状材料の温度の制御もまた可能にするように配置されることができる。
【0048】
これから、図1、2、3の三例を説明する。
【0049】
図1は、ヒートシンクが熱交換器6から成る実施形態を説明しているが、該熱交換器は、格子タイプの第二冷却機3から出てくる空気132を冷却してから、前記熱交換器6によって冷却された空気121を、管状冷却機タイプの前記第一冷却機2の中に導入するものである。
【0050】
図2は、ヒートシンクが、第一冷却機2中に噴射される水70の蒸発から成る実施形態を説明しているが、第二冷却機によって生成される高温空気は、噴射される水との組合せによって、第一冷却機内で冷却用流体として利用される。
【0051】
図3は、ヒートシンクが、第一冷却機中に噴射される水の蒸発から成る実施形態を説明しているが、第二冷却機3によって発生する高温空気は、第一冷却機2を通らない。
【0052】
三つの場合において、冷却機、つまり第一冷却機および第二冷却機から出てくるガス流の全てが、粒状材料の焼成用ひいてはか焼用の燃焼用ガスとして設備内で利用される。
【0053】
したがって、図1は、材料51を処理して高温粒状材料52を生成する、焼成設備1を示している。その設備は、とりわけ、サイクロン式予熱器20およびロータリーキルン10を含むセメントクリンカ製造用の設備である。
【0054】
高温粒状材料は、二工程で冷却されるが、まず管状冷却機である第一冷却機2において冷却され、材料53は、中間温度で第一冷却機2から出てきて格子第二冷却機3に供給され、材料54は、その取り扱いに適合し得る最終温度で、第二冷却機3から出てくる。
【0055】
設備は、複数の燃焼領域を有することができるが、該複数の燃焼領域は例えば、ロータリーキルン10の位置のバーナー41、およびサイクロン式予熱器20の予備か焼器(図示せず)の位置のバーナー42である。
【0056】
第二冷却機3は、低温空気31を受けとって、高温空気132を生成するが、該高温空気は、熱交換器6に付され、該熱交換器において、該高温空気はその熱の一部を流体回路61に移す。場合によっては、この熱交換器6は、エネルギー回収用のタービンと組合わされる蒸気発生装置の一部を成すことができる。高温空気132の流れの温度は、かなり高い温度であり得、とりわけ500℃を超え得る。流体回路61に移されるエネルギーの利用は、高い収率に達することが可能である。
【0057】
(熱交換器6によって)冷却された高温空気121は、第一冷却機2の中でクリンカを冷却するために利用され、該第一冷却機は高温空気122を生成する。熱交換器6によって実現される空気132の温度の低下により、第一冷却機2における材料の冷却効果が向上する。
【0058】
こうして、送風される空気31の量を増すことなく材料の完全な冷却を達成することが可能となり、該送風される空気の量は、設備の燃焼用空気の必要量またより特徴的には燃焼領域41、42の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように調節される。高温空気122は、二つの流れ133、134に分けられるが、流れの一つ133は、燃焼領域41に燃焼用空気を供給するものであり、もう一つの流れ134は、燃焼領域42に燃焼用空気を供給するものである。
【0059】
図2は、材料51を処理して高温粒状材料52を生成する、焼成設備1を示している。それはとりわけ、セメントクリンカ製造設備に見られる、サイクロン式予熱器20およびロータリーキルン10を含む設備であることができる。
【0060】
高温材料52は、二工程で冷却されるが、まず第一冷却機2において冷却され、材料53が、第一冷却機2から出て第二冷却機3に供給される。第一冷却機2は、管状タイプであることができ、第二冷却機3は格子タイプであることができる。
【0061】
焼成設備1は、燃料の複数の燃焼領域41、42を有することができるが、とりわけ、ロータリーキルン10の位置に燃焼領域41、および予熱器20の予備か焼器(図示せず)の位置に燃焼領域42を有することができる。第二冷却機3は、低温空気31を受けとって、高温空気232を生成するが、該高温空気は、二つの流れに分けられて、流れの一つ234は、予熱器20の位置の焼成設備の燃焼領域42に燃焼用空気を直接供給し、一方もう一つの流れ211は第一冷却機2を通して誘導される。
【0062】
この実施例によると、水70が、第一冷却機2中に噴射されるが、水の蒸発によって消費される熱は、第一冷却機2の効率を増すことを可能にする。こうして、設備の燃焼用空気の必要量を超えることなく満たすように調節される、第二冷却機3に送風される空気31の量を増すことなく、材料の完全な冷却を達成することが可能となる。流れ211と水蒸気との混合である高温の湿り空気222は、燃焼用空気として、とりわけロータリーキルン10の位置の、設備の燃焼領域41のところで利用される。
【0063】
図2のこの実施例は、流れ234をロータリーキルンの燃焼領域41へと、また流れ222をサイクロン式予熱器20の燃焼領域42へと導くことによって、変更可能であることに注目すべきである。
【0064】
図3は、材料51を処理して高温粒状材料52を生成する、焼成設備1を示している。それはとりわけ、サイクロン式予熱器20およびロータリーキルン10を含む設備であることができる。
【0065】
高温粒状材料52は、二工程で冷却されるが、まず管状の第一冷却機2において冷却され、材料53は中間温度で出てきて、格子型の第二冷却機3に供給され、材料54が、その取り扱いが可能な温度で第二冷却機3から出てくる。
【0066】
設備は、燃料の複数の燃焼領域41、42を有するが、とりわけ、そのうちの一つ42をサイクロン式予熱器20の予備か焼器(図示せず)の位置に、そしてもう一つの41をロータリーキルン10の位置に有する。格子型の第二冷却機3は、低温空気31を受けとって、高温空気332を生成するが、該高温空気は、複数の流れ333、334に分けられる。
【0067】
流れの一つ334は、予熱器20の位置の設備の燃焼領域42に燃焼用空気を直接供給し、一方もう一つの流れ333は別ルートで誘導される。
【0068】
この実施例によると、水70は、手段7によって第一冷却機2中に噴射され、水の蒸発によって消費される熱により、前記第一冷却機2の中での材料の冷却の実現が可能となる。第一冷却機2において、この噴射される水70は、唯一の冷却用流体であり水蒸気を発生させる。第一冷却機2から生じる高温の水蒸気71は、空気の流れ333に混合され、湿り空気335は、燃焼用ガスとして、とりわけ燃焼領域41の位置で利用される。
【0069】
図3のこの実施例は、流れ334をロータリーキルン10の燃焼領域41へと、また湿り空気の流れ335を予熱器の燃焼領域42へと導くことによって、変更可能であることに注目すべきである。
【0070】
図2の実施形態が、図2の実施例の空気の流れ211をその第一冷却機2への導入の前に冷却するために、図1の実施形態による熱交換器6を準備することによって、変更可能であることに注目すべきである。
【0071】
当然のことながら、以下に記載の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態を想定することができると考えられる。
【符号の説明】
【0072】
1 設備
10 ロータリーキルン
20 サイクロン式予熱器
2 第一冷却機
3 第二冷却機
31 低温空気源
41、42 燃焼領域
51 材料
52 材料
53、54 材料
6 熱交換器
61 流体回路
70 水
10’ ロータリーキルン
20’ 予熱器
2’ 第一冷却機
3’ 第二冷却機
31’ 低温空気源
41’、42’ バーナー
51’ 材料
52’、53’ 高温材料
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】FR−08/03.050
【特許文献2】国際公開第2007/141307号
図1
図2
図3
図4