(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、演出図柄表示装置104で複数の図柄を変動表示するパチンコ機1に適用している。
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤面102の構成を説明する。
【0018】
図1は、パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤面102のほぼ中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。本実施形態では、演出図柄表示装置104は、背景等の演出画像及び複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置によって構成され、多彩な演出画像及び演出図柄を表示可能としている。
【0019】
演出図柄表示装置104は、それぞれにおいて演出図柄Z1,Z2(
図18参照)を独立して表示することが可能な4つの領域R1,R2,R3,R4(
図18参照)を有している。
第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれでは、第一の演出図柄Z1の変動表示及び停止表示が行われる。ここで、第一の演出図柄Z1は、数字を含んで構成される。本実施形態では、第一の演出図柄Z1は、数字及び図柄から構成されている。そして、第一の演出図柄Z1の変動表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、複数種類の第一の演出図柄Z1をスクロールさせた状態で表示することをいう。また、第一の演出図柄Z1の停止表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、演出図柄Z1を停止させた状態で表示することをいう。
【0020】
第4の領域R4では、第二の演出図柄(第二演出図柄)Z2の変動表示及び停止表示が行われる。ここで、第二の演出図柄Z2は、数字を含まずに構成されている。本実施形態では、第二の演出図柄Z2は、カラーバーから構成されている。そして、第二の演出図柄Z2の変動表示とは、カラーバーが表す色を順次変化させた状態の表示をいう。また、第二の演出図柄Z2の停止表示とは、カラーバーが所定の色を表している状態の表示をいう。なお、第二の演出図柄Z2は、三角形、四角形、ひし形等の図形により構成しても構わない。例えば、第4の領域R4において、異なる種類の図形からなる複数の第二の演出図柄Z2を変動表示した後、所定の図形からなる第二の演出図柄Z2を停止表示する。
【0021】
そして、演出図柄表示装置104では、第1から第4の領域R1,R2,R3,R4で停止表示される演出図柄Z1,Z2の組み合わせによって、当たり抽選の結果を通知する。
演出図柄表示装置104の下方には、遊技球を左右方向及び前後方向に転動させることが可能なステージ108が設けられている。また、演出図柄表示装置104の左側には、流入した遊技球をステージ108に放出させるワープ入口112が設けられている。ステージ108は、前面側が開放しており、放出された遊技球を転動させた後、遊技盤面102に放出する。また、ステージ108の左右方向の中央部の奥側には、遊技球導出路108aが設けられている。そして、遊技球導出路108aに流入した遊技球は、遊技盤面102における、後述する第一始動入賞口111aの真上に導出される。
【0022】
演出図柄表示装置104の右側には、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機1内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。
演出図柄表示装置104の下方には、第一始動入賞口111aが設けられている。第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。
【0023】
普通図柄始動ゲート122の下方には、第二始動入賞口111bが設けられている。第二始動入賞口111bは、入賞確率を変更することが可能な電動役物(いわゆる電動チューリップ)である。第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することが出来ないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置106の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。
【0024】
第一始動入賞口111aは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第一始動入賞口スイッチ131a(
図2参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1,Z2の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107aにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。また、第二始動入賞口111bは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第二始動入賞口スイッチ131b(
図2参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1,Z2の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107bにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄及び演出図柄Z1,Z2の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、当たり抽選の結果の通知や演出が行われる。
【0025】
第一始動入賞口111aの右側には、2つの特別図柄表示装置107a,107bが設けられている。各特別図柄表示装置107a,107bは、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。各特別図柄表示装置107a,107bは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置107a,107bは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を通知する。この際、特別図柄表示装置107aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。また、特別図柄表示装置107bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。ここで、各特別図柄表示装置107a,107bにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態(当たり)」という。特賞状態とは、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置107a,107bにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1,Z2の表示とは、互いに対応付けられている。
【0026】
特別図柄表示装置107a,107bの右側には、普通図柄表示装置106が設けられている。普通図柄表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。普通図柄表示装置106は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置106は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を通知する。
【0027】
特別図柄表示装置107a,107bの上側には、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b及び普通図柄始動情報記憶数表示部103が設けられている。特別図柄始動情報記憶数表示部109a,109b及び普通図柄始動情報記憶数表示部103は、それぞれ、例えば、LED等によって構成されている。
特別図柄始動情報記憶数表示部109a,109bは、後述する特別図柄の始動情報が主制御装置210のRAM240における特別図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して特別図柄及び演出図柄Z1,Z2の変動表示を行うことが可能な回数(以下、始動情報記憶数(いわゆる、保留玉数)という)を表示する。ここで、パチンコ機1では、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。すなわち、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109aに表示するとともに、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109bに表示する。
【0028】
普通図柄始動情報記憶数表示部103は、普通図柄の始動情報が主制御装置210のRAM240における普通図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
第一始動入賞口111aの下方には、第一大入賞口115が設けられている。第一大入賞口115は、通常時は閉止状態であるが、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、大入賞口115は、特別図柄表示装置107aに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口115の前面に設置された開閉部材115aを開くことにより開放動作を行う。
【0029】
第二始動入賞口111bの下方には、第二大入賞口116が設けられている。第二大入賞口116は、通常時は閉止状態であるが、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、第二大入賞口116は、特別図柄表示装置107bに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口116の前面に設置された開閉部材116aを開くことにより開放動作を行う。
【0030】
第一大入賞口115及び第二大入賞口116の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば10個等)の遊技球が入賞するまで(1ラウンド)継続する。また、第一大入賞口115及び第二大入賞口116の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、第一大入賞口115に遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第一大入賞口スイッチ132a(
図2参照)の検出信号により入賞した遊技球数が検出され、入賞した遊技球数に応じて賞球を払い出す。また、第二大入賞口116に遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第二大入賞口スイッチ132b(
図2参照)の検出信号により入賞した遊技球数が検出され、入賞した遊技球数に応じて賞球を払い出す。
【0031】
そして、第一大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
また、演出図柄表示装置104の上方には、報知役物124が設けられている。報知役物124は、演出制御装置150(
図2参照)からの制御信号に応じて作動する。報知役物124は、揺動装置(図示せず)及び照明装置(図示せず)を有して構成され、作動時には、揺動するとともに発光する。
【0032】
なお、遊技盤面102においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
また、以下、特賞状態(当たり)の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる遊技状態を「低確率状態」といい、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄及び演出図柄の変動時間が短縮する遊技状態を「時短状態」という。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)になるとともに、第二始動入賞口111bの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
【0033】
図2は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パチンコ機1は、第一始動入賞口スイッチ131aと、第二始動入賞口スイッチ131bと、第一大入賞口スイッチ132aと、第二大入賞口スイッチ132bと、各種入賞口スイッチ133とを備えている。
第一始動入賞口スイッチ131aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。第二始動入賞口スイッチ131bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。第一大入賞口スイッチ132aは、第一大入賞口115への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。第二大入賞口スイッチ132bは、第二大入賞口116への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。各種入賞口スイッチ133は、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。
【0034】
また、パチンコ機1は、制御部として、主に、主制御装置210及び演出制御装置150を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置210及び演出制御装置150は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置210から演出制御装置150への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置210は、主として、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞の検出及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を発生させる。そして、主制御装置210は、発生させた各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置210は、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド158a,158bを直接制御する。
【0035】
主制御装置210は、CPU220と、ROM230と、RAM240と、入力ポート250と、出力ポート255とを備える。
入力ポート250は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、第一大入賞口スイッチ132a、第二大入賞口スイッチ132b及び各種入賞口スイッチ133のそれぞれから出力された検出信号をCPU220に出力する。
【0036】
出力ポート255は、演出制御装置150、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド158a,158bのそれぞれに制御コマンドを出力する。また、出力ポート255は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ500に出力する。これにより、ホールコンピュータ500においてパチンコ機1の遊技状況等を遠隔監視する。
【0037】
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、演出制御装置150を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、報知コマンド、始動情報記憶数コマンド等がある。
【0038】
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM240は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。ここで、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第一始動情報とする)を記憶する領域(以下、第一始動情報記憶領域とする)及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第二始動情報とする)を記憶する領域(以下、第二始動情報記憶領域とする)が設けられている。ここで、始動情報とは、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。これにより、特別図柄用の始動情報記憶領域では、第一始動情報及び第二始動情報が、それぞれ個別に記憶される。
【0039】
図3は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域は、それぞれ、始動情報を所定上限数まで記憶する。本実施形態では、
図3に示すように、第一始動情報記憶領域は、1番目から4番目までの4つの記憶部(A1からA4)を有しており、それぞれの記憶部に第一始動情報を記憶することにより、4つの第一始動情報を記憶する。また、第二始動情報記憶領域は、1番目から4番目までの4つの記憶部(B1からB4)を有しており、それぞれの記憶部に第二始動情報を記憶することにより、4つの第二始動情報を記憶する。ここで、主制御装置210は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域のそれぞれに記憶されている始動情報について、1番目の記憶部に記憶されている始動情報から順に当たり判定を行って消化する。
【0040】
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶される。
また、RAM240は、演出制御装置150等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、パチンコ機1では、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、RAM240の記憶内容を停電直前の状態に復元し、RAM240のコマンド記憶領域に記憶されている出力すべき制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させる。
【0041】
また、主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。
演出制御装置150は、主制御装置210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
演出制御装置150のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置150のRAMには、主制御装置210から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。演出制御装置150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御部151による演出図柄表示装置104の制御、ランプ制御部152によるランプ154の制御、効果音制御部153によるスピーカ155からの効果音の出力の制御及び報知役物制御部157による報知役物124の制御を行う。
【0042】
演出制御装置150は、演出図柄表示装置104における表示を制御する表示制御部151と、ランプ154の点灯、点滅等を制御するランプ制御部152と、スピーカ155からの効果音の出力を制御する効果音制御部153と、報知役物124の作動を制御する報知役物制御部157とを備える。演出制御装置150は、主制御装置210から受信した制御コマンドにしたがって内部コマンドを生成し、該内部コマンドを内部送信することによって、表示制御部151、ランプ制御部152、効果音制御部153及び報知役物制御部157のそれぞれを制御する。
【0043】
特に、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した制御コマンドにしたがって、表示制御コマンドを生成する。そして、演出制御装置150は、生成した表示制御コマンドを表示制御部151に内部送信することにより、表示制御部151を制御する。
ランプ制御部152は、演出制御装置150から入力される内部コマンドに応じて、実行すべきランプ演出を決定し、該ランプ演出に対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいてランプ154の点灯、点滅、消灯等を行う。
【0044】
効果音制御部153は、演出制御装置150から入力される内部コマンドに応じて、実行すべき効果音演出を決定し、該効果音演出に対応する音響データをROMから読み出してスピーカ155に出力する。
報知役物制御部157は、演出制御装置150から入力される内部コマンドに応じて、報知役物124に対して制御信号を送信する。そして、報知役物124は、報知役物制御部157からの制御信号の入力に応じて作動する。
【0045】
表示制御部151は、CPU、ROM、RAM、画像処理用VDP(Video Display Processor)、入力ポート及び出力ポートを備える。
表示制御部151のROMには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部151のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0046】
表示制御部151のCPUは、演出制御装置150から入力された表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該表示制御コマンドに応じた画像データをROMから読み出して、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力指示にしたがって、出力ポートを介して演出図柄表示装置104に画像データを出力する。
(特別図柄及び演出図柄の停止表示の態様)
次に、特別図柄表示装置107a,107bにおける特別図柄の停止表示の態様及び演出図柄表示装置104における演出図柄Z1,Z2の停止表示の態様を説明する。
【0047】
図4は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機1においては、
図4に示すように、当たり(特賞状態)の種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「確変3大当たり」及び「小当たり」の5つが規定されている。
通常大当たり(第一の特賞状態)となったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を時短図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を時短図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を時短図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1,R2,R3において、「222」、「444」、「666」等の偶数のぞろ目からなる組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域R4において、カラーバーが「青色」を表示した状態で第二の演出図柄Z2を停止表示させる。また、通常大当たりとなったときは、当たり時における大入賞口115の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後の100回の抽選において時短作動状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【0048】
確変1大当たり(第二の特賞状態)となったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を確変1図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を確変1図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1,R2,R3において、「111」、「333」、「555」といった奇数のぞろ目からなる組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域R4において、カラーバーが「赤色」を表示した状態で第二の演出図柄Z2を停止表示させる。また、確変1大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変1大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0049】
確変2大当たり(第二の特賞状態)となったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を確変2図柄で停止表示させるように制御する。また、確変2大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変2大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0050】
確変3大当たり(第二の特賞状態)となったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を確変3図柄で停止表示させるように制御する。また、確変3大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となる。また、確変3大当たりとなったときは、当たり時(当たり発生を報知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短未作動状態である場合は、当たり後において時短未作動状態となり、当たり時に時短作動状態である場合は、当たり後において時短作動状態を継続させる(時短継続制御)ように制御する。さらに、確変3大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0051】
確変2大当たり、確変3大当たりは、1ラウンドの期間(大入賞口115,116の開放時間)が通常大当たりと比較して短く(数ms程度)、ラウンドの最高継続回数も2回しかないので、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を小当たり図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において停止表示される確変3図柄及び小当たり図柄は、1又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、小当たり後において時短機能の作動、未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【0052】
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図5は、制御コマンドのデータ構造を示す図である。
制御コマンドは、
図5に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)とからなる。
【0053】
図6は、制御コマンドの入出力タイミングを示すタイミングチャートである。
主制御装置210では、
図6に示すように、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データが出力される。これに対応して、演出制御装置150では、CPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが演出制御装置150のRAMに格納される。
【0054】
図7は、主制御装置210から演出制御装置150に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
図7に示すように、演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、特別遊技処理コマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
【0055】
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示される演出図柄Z1,Z2の組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示させる演出図柄Z1,Z2として、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドは、演出図柄Z1,Z2の変動開始時に出力される。ここで、演出図柄Z1,Z2の変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
【0056】
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置104において表示する変動パターンとして、n(n=1〜104)種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドとともに、演出図柄Z1,Z2の変動開始時に出力される。
図柄停止コマンドは、演出図柄Z1,Z2の停止表示を指定するためのコマンドである。図柄停止コマンドは、演出図柄Z1,Z2の停止表示時に出力される。ここで、演出図柄Z1,Z2の停止表示時は、特別図柄の停止表示時とほぼ一致している。
【0057】
特別遊技処理コマンドは、後述する特別遊技処理の実行を指定するためのコマンドである。特別遊技処理コマンドは、主制御装置210による特別遊技処理の実行の決定時に出力される。
始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを通知するためのコマンドである。すなわち、主制御装置210は、RAM240の第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置150に出力する。また、主制御装置210は、RAM240の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置150に出力する。始動情報記憶数コマンドは、主制御装置210による第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれの更新時に出力される。
【0058】
演出開始コマンドは、m(m=1〜95)種類の15R当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始、確変3大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。演出開始コマンドは、当たり開始時に出力される。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。状態指定コマンドは、時短の終了時及び時短の開始時のそれぞれに出力される。
【0059】
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図8のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0060】
まず、主制御装置210が実行する遊技制御処理を説明する。
図8は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図8に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、出玉の決定等に直接関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という)、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【0061】
次いで、ステップS102に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップS104に移行する。
ステップS104では、入力ポート250を介して、各スイッチ131a,131b,132,133からの信号を入力する入力処理を実行し、ステップS106に移行する。入力処理では、第一始動入賞口スイッチ131aからの検出信号及び第二始動入賞口スイッチ131bからの検出信号を入力する。
【0062】
ステップS106では、始動情報を更新する入賞スイッチ入力処理を実行し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、当たりの判定を行うとともに演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定する変動設定処理を実行し、ステップS110に移行する。
ステップS110では、大入賞口115,116を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップS112に移行する。
【0063】
ステップS112では、賞球払出制御装置156に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
ステップS114では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ500に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
【0064】
ステップS116では、パチンコ機1の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップS116の処理は省略することもできる。
次いで、ステップS118に移行して、出力ポート255を介して、RAM240に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0065】
ポート出力処理では、演出制御コマンドが、演出制御装置150に対して出力される。この際、演出制御装置150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モード及びイベントからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド158a,158b、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103等へも主制御装置210からの制御情報が出力される。
【0066】
次に、ステップS106の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図9は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップS106において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ステップS104の入力処理の処理結果に基づいて、第一始動入賞口スイッチ131aから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行する。一方、ステップS200で、第一始動入賞口スイッチ131aから検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
【0067】
ステップS202では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶を更新する第一始動情報記憶更新処理を実行し、ステップS204に移行する。
ステップS204では、ステップS104の入力処理の処理結果に基づいて、第二始動入賞口スイッチ131bから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行する。一方、ステップS204で、第二始動入賞口スイッチ131bから検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0068】
ステップS206では、RAM240の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶を更新する第二始動情報記憶更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS202の第一始動情報記憶更新処理を説明する。
図10は、第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【0069】
第一始動情報記憶更新処理は、ステップS202において実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合(No)は、ステップS302に移行する。一方、ステップS300で、第一始動情報の記憶数が「4」以上であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0070】
ステップS302では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第一始動情報)を、RAM240の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。例えば、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「1」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における2番目の記憶部A2に記憶する。同様に、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「2」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における3番目の記憶部A3に記憶する。これにより、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶が更新される。
【0071】
次に、ステップS304に移行して、RAM240の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数を1加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、ステップS306に移行する。また、始動情報記憶数加算処理では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置109aにおいて表示する第一始動情報数を「1」加算した表示とする。
【0072】
ステップS306では、ステップS304の始動情報記憶数加算処理の処理結果に基づいて、更新後の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM240の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して、始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。例えば、RAM240の第一始動情報記憶領域に新たな第一始動情報を記憶した結果、第一始動情報記憶数が「1」となった場合、第一始動情報記憶数が「1」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0073】
次に、ステップS308に移行して、現在の遊技状態が確率変動状態に設定されているか否かを判定し、現在の遊技状態が確率変動状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS310に移行する。一方、ステップS308で、現在の遊技状態が確率変動状態に設定されていない判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0074】
次にステップS310では、先読み処理を実行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS206の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
図11は、第二始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
第二始動情報記憶更新処理は、ステップS206において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS400に移行する。
【0075】
ステップS400では、RAM240の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、第二始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合(No)は、ステップS402に移行する。一方、ステップS400で、第二始動情報の記憶数が「4」以上であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0076】
ステップS402では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第二始動情報)を、RAM240の第二始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第二始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第二始動情報は、第二始動情報記憶領域において、第二始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。これにより、RAM240の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶が更新される。
【0077】
次に、ステップS404に移行して、RAM240の所定領域に記憶されている第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶数を1加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、ステップS406に移行する。また、始動情報記憶数加算処理では、RAM240の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置109aにおいて表示する第二始動情報数を「1」加算した表示とする。
【0078】
ステップS406では、ステップS404の始動情報記憶数加算処理の処理結果に基づいて、更新後の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM240の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して、始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0079】
次に、ステップS310の先読み処理を説明する。
図12は、先読み処理を示すフローチャートである。
先読み処理は、ステップS310において実行されると、
図12に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、ステップS302で取得した当たり決定乱数に基づいて、該当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定する取得時当たり判定処理を実行し、当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS502に移行する。一方、ステップS500で、当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0080】
次に、ステップS502では、ステップS302で取得した当たり種別決定乱数に基づいて、該当たり種別決定乱数の値が通常大当たりを生起させることを示す値と一致しているか否かを判定する取得時当たり種別判定処理を実行し、当たり種別決定乱数の値が通常大当たりを生起させることを示す値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行する。一方、ステップS502で、当たり種別決定乱数の値が通常大当たりを生起させることを示す値と一致していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0081】
次に、ステップS504では、特別遊技処理コマンドをRAM240の所定領域に格納する特別遊技処理コマンドセット処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して、特別遊技処理コマンドが演出制御装置150に送信される。
次に、ステップS108の変動設定処理を説明する。
【0082】
図13は、変動設定処理を示すフローチャートである。
変動設定処理は、ステップS108において実行されると、
図13に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2が変動中か否かを判定し、演出図柄Z1,Z2が変動中でないと判定した場合(No)は、ステップS602に移行する。一方、ステップS300で、演出図柄Z1,Z2が変動中であると判定した場合(Yes)は、ステップS610に移行する。
【0083】
ステップS602では、第二始動情報記憶数が「1」以上であるか否かを判定し、第二始動情報記憶数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS604に移行する。一方、ステップS602で、第二始動情報記憶数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、ステップS606に移行する。
ステップS604では、第二始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0084】
ステップS606では、第一始動情報記憶数が「1」以上であるか否かを判定し、第一始動情報記憶数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS608に移行する。一方、ステップS606で、第一始動情報記憶数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS608では、第一始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0085】
ステップS610では、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS612に移行する。一方、ステップS610で、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS612では、図柄停止コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して図柄停止コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0086】
以上に示すように、ステップS108の変動設定処理では、第二始動情報に基づく当たり判定処理が、第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行される。すなわち、主制御装置210は、RAM240の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報を、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して消化する。これにより、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において、第二始動情報に基づく演出図柄R1,R2の変動表示及び停止表示を、第一始動情報に基づく演出図柄R1,R2の変動表示及び停止表示に対して優先して実行する。
【0087】
次に、ステップS604の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップS608の第一始動情報に基づく当たり判定処理を説明する。
ここで、ステップS604の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップS608の第一始動情報に基づく当たり判定処理は、同様の処理である。したがって、以下、ステップS604の第二始動情報に基づく当たり判定処理について説明し、ステップS608の第一始動情報に基づく当たり判定処理については説明を省略する。
【0088】
図14は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
当たり判定処理は、所定確率で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲に1個の当たり値を設定し、取得した当たり決定乱数と当たり値とが一致しているときに当たり(特賞状態)を生起させる処理である。
当たり判定処理は、ステップS604又はステップS608において実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS700に移行する。
【0089】
ステップS700では、RAM240の始動情報記憶領域から当たり決定乱数を読み出し、ステップS702に移行する。
ここで、当たり決定乱数の読み出しでは、RAM240の第二始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域)における1番目の記憶部B1(A1)に記憶されている始動情報(以下、最先始動情報とする)の当たり決定乱数が読み出される。
【0090】
ステップS702では、ステップS700で読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS704に移行する。一方、ステップS702で、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS714に移行する。
【0091】
ステップS704では、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行する。
ここで、ROM230には、当たり種別決定乱数の値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、当たり種別決定処理では、最先始動情報の当たり種別決定乱数を読み出し、該当たり種別決定乱数の値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たり、確変3大当たり、小当たりの別が決定される。
【0092】
次に、ステップS706に移行して、当たり時に停止表示する特別図柄及び演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。
ここで、ROM230には、各当たり種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。そして、当たり時停止図柄決定処理では、まず、ステップS704で決定された当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の停止図柄決定乱数を読み出し、該停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0093】
一方、停止表示する特別図柄は、停止図柄決定乱数の値と停止表示する特別図柄との対応が登録された特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄Z1,Z2の場合と同様の処理により決定する。ただし、停止表示する特別図柄は、停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせの決定に先立って決定される。すなわち、停止表示する特別図柄を決定した後に、これに対応させて停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定する。そのため、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせは、ともに、同一の停止図柄決定乱数値に基づいて決定される。そして、停止表示する特別図柄を指定するための指令情報をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して特別図柄表示装置107a,107bに指令情報が直接送信される。
【0094】
次いで、ステップS708に移行して、当たり時に変動表示する演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行する。
ここで、ROM230には、当たり種別、現在の遊技状態等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。各変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録されている。そして、当たり時変動パターン決定処理では、まず、ステップS704で決定された当たり種別番号及び現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の変動パターン決定乱数を読み出し、該変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターンコマンドが演出制御装置150に送信される。
【0095】
次いで、ステップS710に移行して、演出図柄Z1,Z2の変動表示時間を設定する変動設定処理を実行する。演出図柄Z1,Z2の変動表示時間は、ステップS708又はS716で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。
また、当たりを生起させる場合、変動設定処理では、大入賞口116(115)の開放回数及び開放時間を設定する。具体的には、当たり種別番号が通常大当たり又は確変1大当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を15回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口116(115)の開放時間を約30秒に設定する。また、当たり種別番号が確変2大当たり、確変3大当たり又は小当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を2回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口116(115)の開放時間を約0.5秒に設定する。
【0096】
次に、ステップS712に移行して、始動情報記憶数を「1」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
始動情報記憶数減算処理では、最先始動情報をRAM240における変動中の始動情報を記憶する領域に移す。そして、第二始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域)における2番目以降B2(A2)〜B4(A4)の記憶部に記憶されている第二始動情報(第一始動情報)を、それぞれ、1つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。これにより、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
【0097】
また、始動情報記憶数減算処理では、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置109b(109a)において表示する第二始動情報記憶数(第一始動情報記憶数)を「1」減算した表示とする。
さらに、始動情報記憶数減算処理では、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。例えば、RAM240の第二始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域)に記憶されている第二始動情報(第一始動情報)が更新された結果、第二始動情報記憶数(第一始動情報記憶数)が「2」となった場合、第二始動情報記憶数(第一始動情報記憶数)が「2」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0098】
ステップS714では、はずれ時に停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行する。はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS706と同様に構成される。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、演出図柄表示装置104で停止表示する具体的なはずれ演出図柄Z1,Z2の組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。そして、演出制御装置150は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定し、決定した組み合わせで演出図柄Z1,Z2を停止表示する。
【0099】
次いで、ステップS716に移行して、はずれ時に変動表示する演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップS710に移行する。
はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS708と同様に構成される。ただし、ROM230には、現在の遊技状態、リーチ決定乱数等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、はずれ時変動パターン決定処理では、まず、現在の遊技状態及びリーチ決定乱数に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の変動パターン決定乱数を読み出し、該変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターンコマンドが演出制御装置150に送信される。
【0100】
次に、演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPUは、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図15のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【0101】
図15は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS800に移行する。
ステップS800では、演出制御装置150は、始動情報記憶数コマンドを受信する始動情報記憶数コマンド受信処理を実行し、ステップS802に移行する。
【0102】
始動情報記憶数コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から始動情報記憶数コマンドを受信し、受信した始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数をRAMの所定領域に記憶する。この際、演出制御装置150は、主制御装置210から始動情報記憶数コマンドを受信するごとに、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新する。ここで、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に記憶する。
【0103】
また、演出制御装置150は、受信した始動情報記憶数コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、始動情報記憶数表示コマンドとする)を生成し、生成した始動情報記憶数表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、始動情報記憶数表示コマンドを受信すると、該始動情報記憶数表示コマンドが示す始動情報記憶数を、演出図柄表示装置104において表示させる。ここで、表示制御部151は、演出図柄表示装置104において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。表示制御部151は、演出図柄表示装置104において表示される第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを、新たな始動情報記憶数表示コマンドを受信するまで維持する。
【0104】
ステップS802では、演出制御装置150は、特別遊技処理コマンドを受信する特別遊技処理コマンド受信処理を実行し、ステップS804に移行する。
ステップS804では、演出制御装置150は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップS806に移行する。
変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から変動パターンコマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド(以下、変動パターン表示コマンドとする)を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Z1,Z2の変動表示を開始させる。
【0105】
ステップS806では、演出制御装置150は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS808に移行する。
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、停止図柄表示コマンドとする)を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。
【0106】
ステップS808では、演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップS810に移行する。
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を停止表示させる。この際、表示制御部151は、ステップS806で受信した停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Z1,Z2を停止表示させる。
【0107】
ステップS810では、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
また、演出制御装置150は、演出開始コマンド受信処理において演出開始コマンドを受信した場合、後述する報知許可抽選処理を実行する。
【0108】
次に、ステップS810で演出開始コマンド受信処理において演出開始コマンドを受信した場合に実行される報知許可抽選処理を説明する。
図16は、報知許可抽選処理を示すフローチャートである。
報知許可抽選処理は、ステップS810において実行されると、
図16に示すように、まず、ステップS900に移行する。
【0109】
ステップS900では、演出制御装置150は、ステップS810で受信した演出開始コマンドが大当たり演出を指定(15R大当たりm指定、確変2大当たり指定、確変3大当たり指定)するものであるか否かを判定し、受信した演出開始コマンドが大当たり演出を指定するものであると判定した場合(Yes)は、ステップS902に移行する。一方、ステップS900で、受信した演出開始コマンドが大当たり演出を指定するものではないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0110】
次に、ステップS902において、演出制御装置150は、報知処理を許可するか否かを決定するための報知許可抽選用乱数を乱数カウンタから取得し、取得した報知許可抽選用乱数をRAMの所定領域に記憶する。
次に、ステップS904に移行して、演出制御装置150は、ステップS902で取得した報知許可抽選用乱数に基づいて、報知処理を許可するか否かを判定し、報知処理を許可すると判定した場合(Yes)は、ステップS906に移行する。一方、ステップS904で、報知処理を許可しないと判定した場合(No)は、ステップS908に移行する。
【0111】
ここで、演出制御装置150のROMには、報知許可抽選用乱数の値と報知処理を許可することを示す当たり値との対応を登録した報知許可抽選用テーブルが格納されている。そして、演出制御装置150は、報知許可抽選用乱数と報知許可抽選用テーブルとに基づき、報知処理を許可するか否かを判定する。
次に、ステップS906では、演出制御装置150は、報知許可処理を実行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0112】
報知許可処理では、演出制御装置150は、報知許可フラグをRAMの所定領域に格納する。また、演出制御装置150は、報知許可演出表示を実行することを示す表示制御コマンド(以下、報知許可演出表示コマンドとする)を生成し、生成した報知許可演出表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、報知許可演出表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において報知許可演出の表示を開始させる。ここで、報知許可演出とは、後述する報知処理が許可されたことを示す演出であり、例えば、じゃんけんゲーム、カードゲーム等のミニゲームを行い、遊技者が勝つ演出を表示する。
【0113】
ステップS908では、演出制御装置150は、報知不許可処理を実行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
報知不許可処理では、演出制御装置150は、報知不許可フラグをRAMの所定領域に格納する。また、演出制御装置150は、報知不許可演出表示を実行することを示す表示制御コマンド(以下、報知不許可演出表示コマンドとする)を生成し、生成した報知不許可演出表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、報知不許可演出表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において報知不許可演出の表示を開始させる。ここで、報知不許可演出とは、後述する報知処理が許可されなかったことを示す演出であり、例えば、じゃんけんゲーム、カードゲーム等のミニゲームを行い、遊技者が負ける演出を表示する。
【0114】
次に、ステップS802で実行される特別遊技処理を説明する。
図17は、特別遊技処理を示すフローチャートである。
特別遊技処理は、ステップS802において実行されると、
図17に示すように、まず、ステップS1000に移行する。
ステップS1000では、演出制御装置150は、主制御装置210から特別遊技処理コマンドを受信したか否かを判定し、特別遊技処理コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS1002に移行する。一方、ステップS1000で、特別遊技処理コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0115】
次に、ステップS1002では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されているか否かを判定し、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1004に移行する。一方、ステップS1002で、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0116】
次に、ステップS1004では、演出制御装置150は、報知処理を実行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
報知処理では、演出制御装置150は、報知演出を実行することを示す表示制御コマンド(以下、報知演出表示コマンドとする)を生成し、生成した報知演出表示コマンドを表示制御部151に内部送信する。そして、表示制御部151は、報知演出表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において報知演出の表示を開始させる。ここで、報知演出は、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を狙うべき旨を通知するための演出であり、例えば、「右打ちしてください」という文字を表示する。
【0117】
また、報知処理では、演出制御装置150は、報知役物124を作動させることを示す作動制御コマンドを報知役物制御部157に内部送信する。そして、報知役物制御部157は、作動制御コマンドを受信すると、報知役物124の作動を開始させる。
ここで、報知制御処理は、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づいて通常大当たりが生起されることにより確率変動状態が終了した後、時短状態が終了するまで、又は、第二始動情報に記憶されている第二始動情報に基づいて通常大当たりが生起されることにより確率変動状態が終了した後、時短状態が終了するまで継続する。
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
【0118】
図18は、演出図柄表示装置における演出図柄の変動表示の一例を示す図である。
図19は、演出図柄表示装置における演出図柄の停止表示の一例を示す図である。
図20は、演出図柄表示装置における報知演出表示の一例を示す図である。
遊技盤面102に発射された遊技球が始動入賞口111a,111bに入賞すると、始動入賞口スイッチ131a,131bにより検出信号が出力される。
【0119】
主制御装置210では、始動入賞口スイッチ131a,131bから検出信号が入力されると、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数等の各種乱数が取得される。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、RAM240の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ131aの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、RAM240における第一始動情報記憶領域に最大4つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ131bの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、RAM240における第二始動情報記憶領域に最大4つまで記憶される。
【0120】
そして、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。この際、主制御装置210は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う。これにより、演出図柄表示装置104において、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に基づく演出表示(演出図柄Z1,Z2の変動表示、停止表示等)が、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく演出表示に対して優先して実行される。
【0121】
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせ、並びに当たり時の変動パターンが決定される。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせ、並びにはずれ時の変動パターンが決定される。
【0122】
主制御装置210は、当たり判定により、当たり及びはずれのうちいずれかを生起させることを決定すると、演出図柄Z1,Z2を変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターンコマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御装置150に送信する。そして、演出制御装置150は、主制御装置210から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において、決定された変動パターンで演出図柄Z1,Z2を変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Z1,Z2を停止表示させる。
【0123】
具体的には、
図18に示すように、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2の変動表示を行う場合、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、数字及び図柄からなる演出図柄Z1が変動表示(スクロール)されるとともに、第4の領域R4においてカラーバーからなる演出図柄Z2が変動表示(色が順次変化)される。
そして、
図19に示すように、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2の停止表示を行う場合、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて演出図柄Z1が停止表示されるとともに、第4の領域R4において演出図柄Z2が停止表示(所定の色を表示)される。
【0124】
また、主制御装置210は、始動情報記憶数(第一始動情報記憶数、第二始動情報記憶数)の更新時に、更新された始動情報数を示す始動情報記憶数コマンドを演出図柄表示置150に送信する。そして、演出制御装置150は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新し、更新した始動情報記憶数を、演出図柄表示装置104において表示させる。
【0125】
図18から
図20に示すように、演出図柄表示領域104では、第一始動情報記憶数を表示する第一始動情報数表示図柄Xが表示されるとともに、第二始動情報記憶数を表示する第二始動情報数表示図柄Yが表示される。第一始動情報数表示図柄X及び第二始動情報数表示図柄Yは、それぞれ、始動情報数記憶領域に記憶されている始動情報数に応じた数だけ点灯される。例えば、
図18から
図20では、第一始動情報数表示図柄Xが3つ点灯するとともに、第二始動情報数表示図柄Yが2つ点灯することによって、第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が3つ、第二始動情報記憶領域における第二始動情報記憶数が2つであることを示す。
【0126】
ここで、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した演出開始コマンドが大当たり演出を指定ものである場合、報知処理を許可するか否かを抽選により決定する。この際、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において、報知処理を許可するか否かの抽選の結果をミニゲーム等の演出により表示する。そして、演出制御装置150は、報知処理を許可するか否かの抽選の結果、
報知処理を許可する場合、報知許可フラグをRAMの所定領域に格納する。
【0127】
また、パチンコ機1では、第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口となっている。一方、第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することが出来ないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置106の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能となっている。したがって、パチンコ機1では、通常時には、遊技者に、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を狙わせることができる。
【0128】
また、パチンコ機1では、確率変動状態が設定されている際に、通常大当たりが生起されることが決定された場合、該通常大当たりの終了後に低確率状態が設定される。したがって、遊技者は、確率変動状態が設定されている際には、通常大当たりを生起されることを望まない。
そこで、パチンコ機1では、主制御装置210は、確率変動状態が設定されている際に、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞により新たに取得された第一始動情報について、先読み処理を実行する。そして、主制御装置210は、先読み処理の結果、新たに取得された第一始動情報が通常大当たりを生起させることを示すものであると判定した場合、特別遊技処理コマンドを演出制御装置150に対して出力する。
【0129】
さらに、演出制御装置150は、主制御装置210から特別遊技処理コマンドを受信すると、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されている場合に、報知処理を実行する。すなわち、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において報知演出の表示を開始するとともに、報知役物124の作動を開始させる。これにより、
図20に示すように、演出図柄表示装置104において、「右打ちしてください」という文字が表示されるとともに、報知役物124が発行しつつ揺動する。
【0130】
これにより、遊技者は、確率変動状態が設定されている際に、第一始動情報記憶手段に記憶されている第一始動情報において確率変動状態を終了させる通常大当たりを生起させることを示すものが存在することを認識することができる。
ここで、上述したように、パチンコ機1では、主制御装置210は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う。したがって、遊技者は、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を狙い、第二始動情報記憶領域に第二始動情報を記憶させることによって、第一始動情報記憶領域に記憶されている通常大当たりを生起させることを示す第一始動情報が消化されることを回避することができる。
【0131】
そして、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞により取得された第二始動情報が確変1大当たり、確変2大当たり又は確変3大当たりを示す場合には、確率変動状態をさらに継続することができる。したがって、報知処理によって、確率変動状態が継続する可能性を増加することが可能となる。
これにより、パチンコ機1によれば、遊技者の遊技に対する興趣を向上することが可能となる。
【0132】
特に、パチンコ機1では、報知処理を許可するか否かが抽選により決定されるため、遊技者の遊技に対する興趣をさらに向上することが可能となる。
また、パチンコ機1では、報知処理として、演出図柄表示装置104において、「右打ちしてください」という文字が表示されるため、報知処理を適切に行うことが可能となる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
【0133】
例えば、上記実施形態においては、演出制御装置150は、報知処理を許可するか否かを抽選により決定する。しかしながら、演出制御装置150は、常時、報知処理を許可する構成としても構わない。この場合、演出制御装置150は、主制御装置210から特別遊技処理コマンドを受信した場合、報知処理を実行する。
また、上記実施形態においては、演出制御装置150は、主制御装置210から特別遊技処理コマンドを受信すると、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されている場合に、報知処理を実行する。しかしながら、演出制御装置150は、主制御装置210から特別遊技処理コマンドを受信すると、RAMの所定領域において報知許可フラグが格納されており、かつ、第二始動情報記憶数が0である場合に、報知処理を実行する構成としても構わない。
【0134】
また、上記実施形態では、さらに、主制御装置210が、確率変動状態が設定されている際に、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞により新たに取得された第一始動情報が通常大当たりを生起させることを示すものであると判定した場合、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく変動パターンを、通常の変動パターンの変動時間と比較して変動時間が長い特別変動パターンに差し替える構成としても構わない。特別変動パターンとしては、例えば、リーチ演出を実行する変動パターン、擬似連続変動を実行する変動パターン等が該当する。ここで、擬似連続変動とは、演出図柄Z1の変動表示中において、該演出図柄Z1が仮停止状態となった後、再度、変動表示が開始される仮停止変動を1回又は複数回行う変動パターンをいう。
【0135】
また、上記実施形態では、報知処理として、所定の音声を出力する構成としても構わない。
さらに、上記各実施形態においては、パチンコ機1である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。