特許第5695280号(P5695280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5695280電力線通信のためのデュアルチャネル受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695280
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】電力線通信のためのデュアルチャネル受信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/54 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   H04B3/54
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-537052(P2014-537052)
(86)(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公表番号】特表2014-530586(P2014-530586A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】US2011062808
(87)【国際公開番号】WO2013058792
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2014年6月17日
(31)【優先権主張番号】13/275,812
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】2755339
(32)【優先日】2011年10月20日
(33)【優先権主張国】CA
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501034128
【氏名又は名称】アイトロン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウラディミール ボリソフ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ チウミエント
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4325744(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0007354(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0229834(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/54 − 3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルチャネルの電力線通信(PLC)受信機であって、
PLC送信機によって電力線に作り出された信号の第1の特性を感知し、およびそれを表す第1の信号を提供するように構成された第1のセンサと、
前記PLC送信機によって電力線に作り出された前記信号の第2の特性を感知し、およびそれを表す第2の信号を提供するように構成された第2のセンサと、
受信されたPLC信号の電力レベルを表す出力信号を作り出すために前記第1の信号および前記第2の信号を組み合わせるように構成されたプロセッサと
を備えた、受信機。
【請求項2】
前記第1の特性は信号電圧レベルを備え、
前記第2の特性は信号電流レベルを備える
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記第1のセンサは、前記受信機が関連付けられる電力線に結合されるように構成された第1の巻線を有する変圧器を備え、
前記第2のセンサは、インライン電流センサを備え、
前記プロセッサは、前記第1および第2の信号を一緒に掛け合わせるように構成される
請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
電力線に適用される電力線通信(PLC)信号を受信する方法であって、
電力線に関連付けられる二つのPLC信号特性を同時にモニタすることと、
前記モニタされたPLC信号特性に基づいて前記電力線内で作り出された前記PLC信号の電力レベルを評価することと、
前記評価された電力レベルに基づいて前記PLC信号の電力レベルを示す信号を作り出すことと
を備える、方法。
【請求項5】
前記二つの信号特性は、信号電圧および信号電流に相当する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記作り出すことは、前記二つのPLC信号特性を示す二つの信号をそれぞれ作り出すことを備え、
前記評価することは、前記二つの信号を一緒に掛け合わせることを備える
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記信号特性の一つは、信号電圧および信号電流の一つであり、前記信号特性の他方は、信号周波数における回線インピーダンスに相当する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
AMI(Advanced Metering Infrastructure)であって、
少なくとも一つの電力線を経由して、ソースからユーザの位置に交流電流を輸送するように構成された電力線インフラと、
前記少なくとも一つの電力線に結合される電力線通信(PLC)信号のソースと、
前記電力線に結合される通信受信機であって、前記通信受信機は、前記少なくとも一つの電力線に適用されるPLC信号の電力レベルを二つの同時にモニタされた特性に基づいて評価し、前記評価された電力レベルに基づいて前記少なくとも一つの電力線に結合される前記PLC信号を作り出すように構成される、通信受信機と
を備えた、AMI。
【請求項9】
前記受信機は、前記電力レベルを、前記少なくとも一つの電力線に関連付けられる信号電圧および信号電流のレベルに基づいて評価するように構成される、請求項8に記載のAMI。
【請求項10】
前記受信機は、前記電力線間の信号電圧を検知するように構成される高インピーダンスPLC受信機を備える第1のチャネルと、関連する少なくとも一つの電力線を通して信号電流を表す信号を検出する低インピーダンス電流センサとして構成された第2のチャネルとを有するデュアルチャネル受信機を備える、請求項8に記載のAMI。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示されている主題は通信に関する。より詳細に言えば、開示されている主題は自動メータ読み取り(AMR:automatic meter reading)要件に有用な電力線通信(PLC)に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動メータ読み取り(AMR)設備は、比較的広大な地理的地域にわたって分布する数千、および場合により数百万のメータ装置を含みうる。多くの場合、そのような装置は、データ、例えば、実用的な消費データを含むメッセージを、データ測定収集器(data metering collector)を含む一群のサーバ、およびネットワーク管理サーバと交換するように構成されている。ある構成において、AMRは、セルルーターとも呼ばれることがあるセルリレーによって率いられる自律システムの周りに編成されるが、それぞれの自律システムは、バックホールネットワークを経由して、実用的なホームオフィスに設置されうるサーバに接続される。そのようなあるシステムにおいて、電力線通信(PLC)システムは、バックホールネットワークを提供するためだけでなく、他のシステム通信の必要性を提供するために利用されうる。
【0003】
電力線通信(PLC)システムは、データを搬送するための電気的なインフラを利用する。PLCシステムは、電力系統全体の異なるセグメント、例えば、高電圧送電線、中電圧配電網、および建物内部などの低電圧線を含むセグメントにわたって通信のために使用されうる。ある量のデータを限られた数のエラーで単位時間に送信する通信システムの能力は、1データビットに含まれるエネルギーとチャネル帯域幅内の雑音のスペクトル密度の比、すなわち、「Eb/No」比によって、少なくとも部分的に決定される。
【0004】
他の通信システムとは異なり、PLCリンクは、通信媒体における電力フローによって特徴付けられる代わりに、回線結合機構のモデム側での電圧振幅によって特徴付けられることが多い。そのようなやり方は少なくともある場合において適切であるという議論がなされていた。というのも、送信機側からは最も高いドライブレベルが最大送信電力に相当するとみなされうる一方、受信機側からは信号対雑音比が、全ての信号(干渉および雑音)が同じ回線インピーダンスにわたって存在しており、その回線インピーダンスがそれ故に明確にされる必要がないため、その表記から独立しているようにみえるからである。
【0005】
また、回線結合器の伝達機能が、関連する複素回線インピーダンスによって強く影響を受けるので、反論(counterargument)が適用可能である。よって、送信機をその最大レベルに至らせることは、結合器と回線の間の著しい不整合条件により、実際、無駄の多いものになりうる。受信機側を考慮すると、電圧検出受信機(すなわち、高入力インピーダンスを有する受信機)は、多数の一致しない負荷および多数の干渉源と共に長い導電体に結合されうる。そのような場合、任意の位置におけるアグリゲートされた電圧信号は、多数の電圧定在波の重ね合わせを表す。そのような状況の下では、受信機は、偶然、強い送信機によって作られた定在波の最小値に置かれうる一方、弱い干渉信号によって作られた定在波の最大値に置かれるうることが可能である。干渉信号の数が極めて大きいので、ブロックされる希望信号の確率は高いままであるかもしれない。
【0006】
このような現実的な問題を見ると、高い雑音レベルが存在しても電力線通信(PLC)信号が受信可能な装置および方法論を提供することが望ましいだろう。電力線通信の技術分野では様々な態様および代替実施形態が知られているかもしれないが、上記した特徴および本明細書で提示されるような電力線通信技術に関連する他の望ましい特徴を一般に包含する案は明らかになっていない。
【発明の概要】
【0007】
背景技術に見られ、および本明細書の発明の主題によって対処される認識された特徴を考慮して、電力線通信を提供するための改善された技術が提供される。本明細書に開示される技術に従って、電力線に関連する2つの信号を同時に測定することによって「電力検出(power-sensing)」アプローチを可能にするデュアルチャネルPLC受信技術が提供される。例示的な構成において、および本明細書で開示される発明の主題の一実施形態に従って、デュアルチャネル技術に対応する「電力検出」受信機が提供される。そこでは、第1のチャネルが、電力線(power line mains)間の信号電圧を検出するように構成された高インピーダンスPLC受信機を表し、一方、第2のチャネルが、電力線導体を通じて信号電流を表す信号を検出する低インピーダンス電流センサを用いて構成される。
【0008】
本明細書で開示される発明の主題は、デュアルチャネル電力線通信(PLC)受信機に関する。いくつかの例示的な実施形態における当該受信機は、PLC送信機によって電力線内に作り出される信号の第1の特性を検出し、およびその第1の特性を表す第1の信号を提供するように構成される第1のセンサと、PLC送信機によって電力線内に作り出される信号の第2の特性を検出し、およびその第2の特性を表す第2の信号を提供するように構成される第2のセンサとを含むことが可能である。第1の信号および第2の信号を組み合わせて受信されたPLC信号を表す出力信号を作り出すように構成されたプロセッサが備えられることが可能である。
【0009】
選択された実施形態において、第1の特性は信号電圧レベルに相当することが可能であり、第2の特性は信号電流レベルに相当することが可能である。そのような例示的な実施形態のある実施形態において、第1のセンサは電力線に結合されるように構成された第1の巻線(winding)を有する変圧器(transformer)であってよい。他の実施形態において、第2のセンサはインラインの電流センサであってよい。さらに選択された実施形態において、プロセッサは第1の信号および第2の信号を一緒に掛け合わせるように構成されることが可能である。
【0010】
本明細書で開示された主題は電力線に適用される電力線通信(PLC)信号を受信するための方法および装置に関する。例示的な方法にしたがって、電力線に関連付けられる2つの信号特性は、PLC信号を示す信号を作り出すために同時にモニタし、および評価することであってよい。ある実施形態において、2つの信号特性は信号電圧および信号電流であってよい。選択された実施形態において、本発明の方法は、2つの信号を一緒に掛け合わせることによって信号を評価することが可能である。
【0011】
特定の実施形態において、信号特性の一つは信号電圧および信号電流の一つに相当してよく、一方、信号特性の他方は信号周波数における回線インピーダンスに相当してよい。
【0012】
開示される発明の主題は、AMI(Advanced Metering Infrastructure)に関する。そのような実施形態では、電力線インフラは、少なくとも一つの電力線を経由してソースからユーザの位置に交流電流を輸送するために提供され、構成されてよい。電力線通信(PLC)信号のソースは電力線に結合されてよく、通信受信機は電力線に結合されてよい。そのような実施形態において、通信受信機は、電力線に適用されるPLC信号の電力レベルを2つの同時にモニタされる特性に基づいて評価し、PLC信号を再生するように構成されてよい。特定の実施形態において、受信機は、電力線に関連付けられる信号電圧および信号電流のレベルに基づいて電力レベルを評価するように構成されてよい。
【0013】
本明細書にて開示される主題のさらなる目的および利点が、説明され、または本明細書の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。また、本明細書において具体的に説明され、参照され、および議論される特徴、要素、およびステップに対する修正およびバリエーションが、本主題の要旨および範囲から離れることなく様々な実施形態および本主題の使用において実行されうることが理解されるべきだろう。限定されるわけではないが、バリエーションには、説明され、参照され、および議論されるのと等しい手段、特徴、またはステップを置き換えたもの、並びに様々な部分、特徴、ステップなどの機能的、操作的または位置を逆転したものが含まれる。
【0014】
さらに、本明細書で参照された異なる実施形態と同様に、本明細書で開示された主題の異なる実施形態は、本明細書で開示される特徴、ステップまたは要素などの様々な組合せ、または構成を含みうる(図面、あるいは当該図面の詳細な説明において明確に示されていない特徴、部分またはステップあるいは構成の組合せを含む)。必ずしも「発明の概要」において示されていない、開示されている本主題の追加の実施形態は、上記概要において参照された特徴、コンポーネントまたはステップの態様の様々な実施形態、および/または本出願において議論されるような他の特徴、コンポーネントまたはステップを含み、および組み入れることができる。当業者は、本出願の残りの部分を見ることにより、そのような実施形態および他の実施形態の特徴および態様を理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ある当業者を対象とした、ベストモードを含む開示される本主題の十分かつ有効な開示は、添付図面について言及する詳細な説明において説明される。本明細書の記載および添付図面を通して参照文字を繰り返し使用することにより、開示される発明の主題の同一または類似の特徴、要素またはステップを表すことを意図する。
図1】中電圧(MV)電力線に適用される2つのソースからの電圧レスポンスを図形的に表す図である。
図2】同じMV電力線に適用される2つのソースからの電流レスポンスを図形的に表す図である。
図3】開示されている技術に従って構成されるPLC受信機の一部の配置図である。
図4】開示されている発明の主題で使用されうる方法論を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「発明の概要」において述べたように、本明細書で開示される主題は、具体的には、潜在的に雑音のあるAMI(Advanced Metering Infrastructure)環境において改善された電力線通信を提供する方法論、および対応する装置に関する。
【0017】
まず図1を参照すると、例えば、中電圧(MV)電力線に適用される2つのソースからの電圧レスポンスの図形表現100が示されている。グラフ100は、電気的に長い導体のモデルを表し、およびMV送信線の例示的な3km長セグメントの反対端に設置される2つの発電機(generator)からの電圧信号の周波数依存マグニチュードのプロットを示す。このレスポンスを測定する例示的な受信機は、このセグメントの中間近くに置かれる。グラフ100の上側のデータ102は有用信号(useful signal)を表し、一方、データ104は干渉信号を表す。
【0018】
同様に、図2を参照すると、同じ2つのソース、すなわち、有用情報を表す第1のソースおよび干渉ソースを表す第2のソースからの電流レスポンスの図形表現200が示されている。このようなケースにおいて、上側のデータ202は有用な電流信号を表し、一方、下側のデータ204は干渉電流信号から生じている。
【0019】
図3を参照すると、本開示の第1の実施形態にしたがって、電圧検出チャネルおよび電流検出チャネルのそれぞれの機能を含む、例示の代表的なデュアルチャネルPLC受信機300は、広く異質な電気的な分散ネットワーク上の通信の信頼性を改善するために提供されている。図3に示されているように、代表的な電圧検出回路が電圧検出変圧器304として提供されることが可能であり、一方、代表的な電流検出回路が電流センサ306として提供されることが可能である。
【0020】
図3から分かるように、例示的な電圧検出変圧器304は、電力線インフラの一部でありうる電力線302に代表的な一次巻線314を経由して結合されることが可能であり、一方、電流センサ306は、代表的な電力線302とインラインに結合されることが可能である。電圧検出変圧器304は、例えば代表的なPLC送信機330(その詳細は開示される発明の主題の特定の態様を形成しない)を経由して電力線302に適用されるPLC信号の第1の特性を表す信号を提供するように構成されることが可能である。換言すれば、電圧検出変圧器304は、電圧検出変圧器304の二次巻線324に結合される信号線320、322を経由して信号電圧V(元々は、PLC送信機330から電力線302に適用された)をプロセッサ308に適用することができる。同様に、電流センサ306は、信号線316を経由してプロセッサ308に、電力線302に誘導されるPLC信号の第2の特性を表す信号と電力線302を流れる信号電流Iを表す信号とを提供するように構成されることが可能である。
【0021】
当業者は、様々なセンサが電圧信号および電流信号を供給するために提供されうることを十分理解するだろうが、そのセンサの詳細は開示される発明の主題の特定の態様を形成しない。例えば、分圧器回路が電圧検出変圧器304の代わりに、または電圧検出変圧器304に加えて用いられてもよい。当該分圧器は、レジスタおよび/またはキャパシタ分配器、あるいは他のタイプの分圧器回路に相当することが可能であり、一方、電流センサ306は、例えば、これらに限定されないが、インラインシャント装置(inline shunt device)、ホール効果装置、トロイドセンサ、電力線自身のタップ部分(tapped section)または他の適切なセンサに相当することが可能である。
【0022】
使用されるセンサのタイプにかかわらず、開示される発明の主題は、PLC受信機に対する信号対雑音比が、情報送信装置によって電力線に結合される電力を分析するデュアルチャネルアプローチを使用して大いに改善されうることを理解する。その関連で、プロセッサ308は、例えば、電力線の電圧および上述したような信号線320、322、316からの電流を表す入力信号を受信し、および周知の技術(その詳細は開示される発明の主題の特定の態様を形成しない)を使用して電力を計算するために当該信号を使用するように構成される。
【0023】
例示的な場合において、当該計算は、電力線の信号電圧Vを表す、線320、322からの信号を、電流信号Iを表す、線316からの信号と単に掛け合わせること、および出力線310に、当該掛け合わせを表す出力を作り出すことに相当することができる。線310上の出力信号は、オリジナルの情報信号を復号し、または復調するためにさらに処理されることが可能である。また、プロセッサ308は、復号または復調自体を行うのに十分な能力を含むことが可能であり、したがって、出力線310にさらに処理された信号を提供することが可能である。
【0024】
また、電力を計算するための他の周知の技法を含む複数の方法論がPLC信号電力を決定するために使用されることも可能である。例えば、識別された信号電流または電圧は、信号電力を決定するために、信号周波数にて同時にモニタされたインピーダンスと一緒に使用されることが可能である。
【0025】
図4を参照すると、開示される発明の主題で使用されうるような方法論を説明するフローチャート400が提供されている。図4から分かるように、電力線通信(PLC)信号の第1の特性がステップ402においてモニタされ、一方、同時に、第2のPLC信号特性がステップ404においてモニタされる。例示的な一実施形態において、第1の特性は、電力線に加えられたPLC信号によって生成される電圧信号に相当することが可能であり、一方、第2の特性は、同じPLC信号によって作り出される電流信号に相当することが可能である。代替の実施形態では、特性の一つは、回線インピーダンスに相当することが可能であり、一方、他のPLC信号特性は、電圧信号または電流信号の一つに相当することが可能である。
【0026】
選択される特性の対にかかわらず、ステップ406において、PLC信号によって作り出される電力線内のPLC信号の電力レベルを決定するために評価が行われる。第1および第2の選択された特性が電圧および電流である場合には、当該電力レベルは、電圧信号および電流信号を一緒に掛け合わせることによって作り出される値に相当するだけである。同様に、特性の一つが回線インピーダンスに相当する場合、電力レベルは、他の特性が電圧または電流に相当するかどうかに依存する周知の式を使用して計算されることが可能である。
【0027】
ステップ406における評価に続いて、PLC信号の電力レベルを表す出力信号がステップ408において作り出される。この信号は、ステップ410においてその信号の「復号された」バージョンまたは「復調された」バージョンを提供するためにさらに評価され、例えばPLC送信機によって電力線に適用されるオリジナル信号を再生することが可能である。
【0028】
本明細書で開示された発明の主題が具体的な実施形態に関して詳細に記載されているが、当業者は、上記のことが理解できたら、当該実施形態に対する変更、バリエーションおよび同等物を容易に作り出せることを理解されたい。したがって、本開示の範囲は限定というよりは一例であり、当業者にとって明らかであるように、主題の開示は、現在開示されている発明の主題に対するそのような修正、バリエーションおよび/または追加を含む実施形態を除外しない。
図1
図2
図3
図4