(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
電気パルスを印加することによって、ドープされた多結晶シリコン、すなわち『ポリシリコン』から形成された抵抗器の抵抗がトリムされ、それを安定した抵抗状態のいずれかに調整することができるということが知られている。そのようなトリム可能な抵抗器が集積回路において素子として用いられている。
【0015】
しかし、トリム可能なポリシリコン抵抗器は、不揮発性メモリセルにおいてデータ状態を記憶するために従来は使用されていない。ポリシリコン抵抗器のメモリアレイを作ることは難題を引き起こす。大きなクロスポイントアレイにおいて抵抗器がメモリセルとして使用されるならば、選択されたセルに電圧が印加された時、アレイの全体にわたって半選択されたセルおよび選択されていないセルを通る望ましくないリークが生じる。例えば、
図1に向かって、選択されたセルSをセット、リセット、または検知するためにビット線Bとワード線Aとの間に電圧が印加されたと仮定する。電流は、選択されたセルSを通って流れるべく意図される。しかし、ある程度のリーク電流が、例えば、選択されていないセルU1、U2、およびU3を通ってビット線Bとワード線Aとの間の代わりの経路を流れることができる。多数のそのような代わりの経路が存在し得る。
【0016】
本発明の一実施形態では、リーク電流は、各メモリセルをダイオードおよび抵抗器を備える2端子装置として形成することによって、大幅に減少させられる。ダイオードは非線形I−V特性を有し、ターンオン電圧より下では非常に僅かな電流を、ターンオン電圧より上では大幅に大きな電流を可能にする。一般的に、ダイオードは、1方向には他方向によりも容易に電流を通す一方向バルブとしても作用する。従って、ターンオン電圧より上では選択されたセルだけが順方向電流にさらされることを保証するバイアス方式が選択される限りは、意図されていない経路(
図1のU1−U2−U3回りこみなど)に沿うリーク電流は大幅に低減される。
【0017】
本発明の実施形態では、適切な電気パルスを印加することによって、半導体材料、例えばダイオード
選択素子およ
びスイッチング素子として機能する半導体抵抗器から形成されたメモリ素子が、2つ以上の安定した抵抗率状態を達成することができる。スイッチング素子は直列に、しかし好ましくはダイオード
選択素子から減結合されて置かれる。好ましくは、スイッチング素子は、スイッチング素子と
選択素子との間に置かれた金属(Ti、Wなど)層、金属シリサイド層または窒化チタン層などの1つ以上の伝導層によって
選択素子から減結合される。スイッチング素子、
選択素子および伝導減結合層は直列に配置されて不揮発性メモリセルを形成する。スイッチング素子は、好ましくは、アモルファス、多結晶、または組み合わせアモルファスおよび多結晶第IV族半導体抵抗器を含む。しかし、高抵抗率ダイオードなどの、他のスイッチング素子も使用され得る。
選択素子は、好ましくは、結晶化した低抵抗率多結晶第IV族半導体ダイオードを含む。
【0018】
半導体抵抗器材料を、初期の第1の抵抗率状態から異なる抵抗率状態に転換することができ、その後、適切な電気パルスの印加時に第1の抵抗率状態に戻すことができる。例えば、その第1の状態は、第2の状態より高い抵抗率状態であり得る。あるいは、第2の状態は第1の抵抗率状態より低い状態であり得る。メモリセルは、2つ以上のデータ状態を有することができ、1度だけプログラム可能または再書込み可能であることができる。
【0019】
前述したように、メモリセルにおいて導体同士の間にダイオードを含むことは、非常に密度の高いクロスポイントメモリアレイにおいてそれを形成することを可能にする。本発明の好ましい実施形態では、多結晶および/またはアモルファスの半導体記憶素子が、減結合された直列のダイオードおよび抵抗器から形成される。
【0020】
図2は、本発明の好ましい実施形態に従って形成されたメモリセル2を示す。底部導体12は、伝導性材料、例えばタングステンから形成されて第1の方向に伸びる。障壁層および粘着層が底部導体12に含まれ得る。メモリセル2は多結晶半導体ダイオード4を包含する。ダイオード4は、好ましくは、底部の強くドープされたn形領域と、意図的にはドープされない真性領域と、頂部の強くドープされたp形領域とを有するけれども、このダイオードの向きは逆にされてもよい。このようなダイオードは、その向きに関わらず、P−I−Nダイオードと称される。メモリセルは、1つ以上の伝導性「減結合器」層6および、アモルファスおよび/または多結晶質の半導体抵抗器8も包含する。セル2のエレメントの順序は逆にされてもよく、抵抗器8をセルの底部に置くことができ、ダイオード4をセルの頂部に置くことができる。さらに、セル2を、基板に関して垂直に置く代わりに水平に置くことができる。頂部導体16を、底部導体12と同じように同じ材料から形成することができて、第1の方向とは異なる第2の方向に伸びる。多結晶半導体ダイオード4は、底部導体12と頂部導体16との間に垂直に配置される。多結晶半導体ダイオード4は、好ましくは、低抵抗率状態に形成される。抵抗器8は、好ましくは、必ずしもそうでなくてもよいが、高抵抗率状態に形成される。メモリセルを、適切な基板より上に、例えば単結晶シリコンウェハより上に形成することができる。
図3は、クロスポイントアレイに形成されたこのような装置のメモリレベルの一部分を示し、ここでセル2は底部導体12と頂部導体16との間に配置されている。
図2および3に示されているように、ダイオードと抵抗器とは好ましくは実質的に円柱形状を有する。非常に密度の高いモノリシックな3次元メモリアレイを形成するために基板の上に複数のメモリレベルが積み重ねられる。
【0021】
好ましくは、メモリセル2はトランジスタまたはキャパシタなどの追加の能動素子を全く含まない。しかし、所望ならば、メモリセル2は、ヒューズ、アンチヒューズ、電荷蓄積材料、あるいは相変化材料などのオプションの受動素子を包含することができる。メモリセルは、後述するように、ダイオードと抵抗器とを囲む絶縁材料と、他のオプションの層とをも包含することができる。
【0022】
この検討において、意図的にはドープされない半導体材料の領域は真性領域として記述される。しかし、真性領域が実際には低濃度のp形またはn形ドーパントを含み得ることを当業者ならば理解するはずである。ドーパントは、隣接する領域から真性領域の中に拡散することがあり、あるいは前の堆積からの汚染に起因して堆積中に堆積チャンバ内に存在することがある。堆積させられた真性半導体材料(シリコンなど)が、それをあたかも僅かにn形にドープされているかのように振る舞わせる欠陥を含むことがあるということがさらに理解されるはずである。シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、あるいは他の何らかの半導体材料を記述するための「真性」という用語の使用は、この領域がなんらのドーパントをも含まないこと、またそのような領域が完全に電気的に中性であることを意味するべく意図されてはいない。
【0023】
メモリセルは、再書込み可能なメモリセルなどの、読み書きメモリセルを含む。抵抗器8は、以下でより詳しく説明するように印加されたバイアス(すなわち、パルス)に応答して第1の抵抗率状態から第1の抵抗率状態とは異なる第2の抵抗率状態に切り替わることによって、メモリセルの読み書き素子として作用する。
【0024】
この検討では、より高い抵抗率の未プログラム状態からより低い抵抗率のプログラム済み状態への遷移は、『セット』遷移と称され、『セット電流』、『セット電圧』、または『セットパルス』によって影響され、その逆の、より低い抵抗率のプログラム済み状態からより高い抵抗率の未プログラム状態への遷移は、『リセット』遷移と称され、『リセット電流』、『リセット電圧』、または『リセットパルス』によって影響される。より高い抵抗率の未プログラム状態は「1」メモリ状態に対応し、より低い抵抗率のプログラム済み状態は「0」メモリ状態に対応する。
【0025】
ドープされた多結晶質または微結晶質の半導体材料、例えばシリコンの抵抗率は、適切な電気パルスを印加することによって安定状態間で変化させられ得る。一般的に、抵抗器の半導体材料を所与の抵抗率状態からより低い抵抗率状態に切り替えるのに充分な、順方向バイアスがダイオードにかかっている状態で印加されるセットパルスは、対応するリセットパルス(これは同じ半導体材料をより低い抵抗率状態からより高い抵抗率状態に切り替える)より低い電圧振幅を有すると共にリセットパルスより長いパルス幅を有する。
【0026】
適切な電圧を選択することによって、抵抗器を構成する半導体材料のセットまたはリセットは、ダイオードの抵抗率状態をも切り替えることなしに達成され得る。好ましくは、電流は、抵抗器8のセット遷移およびリセット遷移の両方のために、ダイオード4を通って順方向に流れる(すなわち、順方向バイアスが印加される)。メモリセル2をプログラムし、また読み出すため
にスイッチン
グ素子8に1つまたは複数の電気パルスを印加するために、電極12,16に接続されている1つ以上の在来のドライバ回路が使用される。
【0027】
従って、使用時には、メモリセル2
のスイッチン
グ素子8は、印加された電気パルスに応答して第1の抵抗率状態からその第1の抵抗率状態とは異なる第2の抵抗率状態に切り替わる。所望ならば、第2の電気パルスの印加は
、スイッチン
グ素子8を第2の抵抗率状態から逆に第1の抵抗率状態に、および/または、第1および第2の抵抗率状態とは異なる第3の抵抗率状態に切り替えることができる。しかし、ダイオード
選択素子4は、第1の印加された電気パルスに応答しては第1の抵抗率状態から第2の抵抗率状態に切り替わらない。例えば、ダイオード
選択素子4を印加された電気パルスに応答しては変化しない低抵抗率状態に形成することができ
、スイッチン
グ素子8を印加された電気パルスに応答して変化する高抵抗率状態に形成することができる。
【0028】
後により詳しく説明するように、メモリセルは、ダイオード4と物理的に接触する、C49相を有する、チタンシリサイド、チタンゲルマニドまたはチタンシリサイド−ゲルマニド層などの金属シリサイド層を含む。このシリサイド層は、ダイオードが低抵抗率状態に製造されるように半導体ダイオード4のための結晶化テンプレートとして作用する。1つの特定の理論に束縛されたくはないが、ダイオードの低い抵抗率は、結晶化テンプレートと接触して結晶化させられた多結晶質半導体材料の大きな粒径の結果であると思われる。例えばシリサイドテンプレートと接触しての結晶化などによって低抵抗率状態に形成されたダイオードは、ダイオードに順方向バイアスをかけることに応答しては高抵抗率状態に切り替わらないと思われる。対照的に、抵抗器8は、好ましくはシリサイドテンプレートと接触して形成されなくて、割合に高い抵抗率状態に形成される。従って、抵抗器8は、ダイオードと、直列に配列された抵抗器とに順方向バイアスをかけることによってより低い抵抗率状態に切り替わる。
【0029】
ともに本発明の譲受人により所有され、本願明細書において参照により援用されている、2006年6月8日に出願されたHernerらの「Nonvolatile Memory Cell Operating by Increasing Order in Polycrystalline Semiconductor Material 」という米国特許出願第11/148,530号(特許文献3)、および2004年9月29日に出願されたHernerの「Memory Cell Comprising a Semiconductor Junction Diode Crystallized Adjacent to a Silicide 」という米国特許出願第10/954,510号(特許文献4)には、適切なシリサイドに隣接するポリシリコンの結晶化はポリシリコンの特性に影響を及ぼすと記述されている。コバルトシリサイドおよびチタンシリサイドなどの一定の金属シリサイドは、シリコンのものに非常に近い格子構造を有する。アモルファスまたは単結晶シリコンがこれらのシリサイドのうちの1つと接触して結晶化させられる時、シリサイドの結晶格子は、結晶化中にシリコンにテンプレートを提供する。結果としてのポリシリコンは、非常に規則正しく、欠陥が割合に少ない。この高品位ポリシリコンは、導電率向上ドーパントでドープされた時、形成時に割合に導電性が高い。
【0030】
スイッチングパルスの印加後、例えば1.5〜2ボルトのより小さな読み出しパルスが印加され、読み出し電圧でダイオードおよび抵抗器を通って流れる『読み出し電流』と呼ばれる電流が測定される。その後のパルスにおいてスイッチングパルスの電圧が高められると、所与の読み出し電圧でのその後の読み出し電流が変化する。従って、本発明の実施形態のメモリセルの別々のデータ状態は抵抗器を構成する多結晶質または微結晶質半導体材料の抵抗率状態に対応し、それらは、読み出し電圧が印加されている時に(頂部導体16と底部導体12との間の)メモリセルを通る電流を検出することによって識別される。好ましくは、状態間の差が容易に検出可能であるように、任意の1つの別個のデータ状態において流れる読み出し電流と、任意の異なる別個のデータ状態において流れる読み出し電流との間にも少なくとも2倍の違いがある。メモリセルを通る読み出し電流は、より低い抵抗率の抵抗器セット状態において、より高い抵抗率の抵抗器リセット状態においてよりも多い。メモリセルを、1度だけプログラム可能なセルまたは再書込み可能なメモリセルとして使用することができて、2,3,4,またはそれ以上の別々のデータ状態を有することができる。セルは、そのデータ状態のうちの任意のデータ状態から、そのデータ状態のうちの任意の他のデータ状態に、任意の順序で、転換され得る。メモリセルに書き込み、メモリセルから読み出し、また消去することの例が、その全体が本願明細書において参照により援用されている、2005年9月28日に出願された米国特許出願第11/237,167号(特許文献5)の一部継続出願である2006年7月31日に出願された米国特許出願第11/496,986号(特許文献6)と、2007年3月30日に出願された米国特許出願第11/693,845号(特許文献7)とに記載されている。
【0031】
ここまでのこの検討では、抵抗器の半導体材料を一つの抵抗率状態から異なる抵抗率状態に切り替え、これによりメモリセルを2つの別々のデータ状態間で切り替えるために適切な電気パルスを印加することを記載した。実際問題として、これらのセットおよびリセットのステップは反復プロセスであり得る。記載されたように、隣接するデータ状態における読み出し中の電流間の差は好ましくは少なくとも2倍であり、多くの実施形態において、各データ状態のために3倍、5倍、10倍、あるいはそれ以上離された電流範囲を確立することがおそらく選ばれる。しかし、ある場合には、電気パルスの印加後、読み出し電流は所望の範囲内にはないかもしれない。すなわち、抵抗器の半導体材料の抵抗率状態が意図されたものより高いかあるいは低いかもしれない。メモリセルを所望のデータ状態に切り替えるために電気パルスが印加された後、メモリセルは、その所望のデータ状態が達せられたか否かを判定するために読み出され得る。所望のデータ状態が達せられていなければ、追加のパルスが印加される。その追加の1つまたは複数のパルスは、最初のパルスよりも高いかまたは低い大きさ(電圧または電流)、あるいは長いかまたは短いパルス幅を有し得る。その追加のセットパルスの後に、セルは再び読み出され、その後、読み出し電流が所望の範囲内に納まるまでセットパルスまたはリセットパルスが適宜印加される。ダイオードおよび抵抗器を含むメモリセルなどの2端子装置において、セットまたはリセットを確かめるために読み出して必要ならば調整をするのが有利であり得る。
【0032】
メモリセルを製造する代表的な方法
単一メモリレベルの製造が詳しく記載される。付加的なメモリレベルを積み重ねることができ、それぞれ、その下の1つの上にモノリシック的に形成される。この実施形態では、多結晶質および/またはアモルファスの半導体抵抗器が切り替わり可能な記憶素子として役立ち、ダイオードが
選択素子として役立つ。
【0033】
図4aを参照すると、メモリの形成は基板100から始まる。この基板100は、単結晶シリコン、シリコン−ゲルマニウムまたはシリコン−ゲルマニウム−カーボンなどのIV−IV化合物、III−V化合物、II−VII化合物などの、当該技術分野で知られている任意の半電導性基板、そのような基板上のエピタキシャル層、あるいは他の任意の半電導性または非半電導性の材料であり得る。基板は、その中に製造された集積回路を含み得る。
絶縁層102が基板100上に形成される。絶縁層102は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、高絶縁膜(high-dielectric film)、Si−C−O−H膜、または他の任意の適切な絶縁材料であり得る。
【0034】
第1の導体200(すなわち、
図2に示されている下側電極12)が基板および絶縁体の上に形成される。伝導層106が絶縁層102に粘着するのを助けるために、粘着層104が絶縁層102と伝導層106との間に含まれ得る。上にある伝導層がタングステンであれば、窒化チタンが粘着層104として好ましい。
堆積させられるべき次の層は伝導層106である。伝導層106は、タングステン、あるいは、タンタル、チタン、銅、コバルト、またはそれらの合金を含む他の材料などの、当該技術分野において知られている任意の伝導性材料を含むことができる。
【0035】
導体レールを形成する全ての層が堆積させられたならば、
図4aにおいて横断面で示されている実質的に平行で実質的に同一平面上にある導体200を形成するために、層は任意の適切なマスキングおよびエッチングプロセスを用いてパターニングされエッチングされる。一実施形態では、フォトレジストが堆積させられ、フォトリソグラフィによってパターニングされ、この層がエッチングされ、その後にフォトレジストは標準的な処理技術を用いて除去される。導体200は、その代わりにダマシン法によって形成され得る。
次に、誘電体材料108が導体レール200の上および間に堆積させられる。誘電体材料108は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはオキシ窒化ケイ素などの任意の公知の電気絶縁材料であり得る。1つの好ましい実施形態では、二酸化ケイ素が誘電体材料108として用いられる。
【0036】
最後に、導体レール200の上の余分な誘電体材料108が除去され、誘電体材料108により分離された導体レール200の頂部を露出させ、実質的に平坦な表面109を残す。その結果としての構造が
図4aに示されている。平坦な表面109を形成するための誘電体過剰充填のこの除去は、例えば化学的機械的平坦化(CMP)またはエッチバックなどの、当該技術分野において知られている任意のプロセスにより実行され得る。有利に使用され得るエッチバック手法が、本願明細書において参照により援用されている、2004年6月30日に出願されたRaghuramらの「Nonselective Unpatterned Etchback to Expose Buried Patterned Features 」という米国特許出願第10/883,417号(特許文献8)に記載されている。この段階では、複数の実質的に平行な第1の導体が基板100より上の第1の高さに形成されている。
【0037】
次に、
図4bを参照すると、完成した導体レール200より上に垂直な支柱が形成される。(スペースを節約するために基板100は
図4bには示されていないが、その存在は想定されている。)好ましくは、障壁層110が導体レールの平坦化後に第1の層として堆積させられる。窒化タングステン、窒化タンタル、窒化チタン、またはこれらの材料の組み合わせを含む任意の適切な材料が障壁層に使用され得る。1つの好ましい実施形態では、窒化チタンが障壁層として使用される。障壁層が窒化チタンである場合には、それは前述された粘着層と同じ仕方で堆積させられ得る。
【0038】
パターニングされて支柱とされる次の半導体材料が堆積させられる。その半導体材料はシリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、または他の適切な半導体、または半導体合金であり得る。簡単のために、本願明細書では半導体材料をシリコンと称するけれども、熟練している実務家が代わりにこれらの他の適切な材料のうちのいずれをも選択し得ることが理解されるはずである。好ましくは、半導体材料は、割合に高度に抵抗性のアモルファスまたは多結晶質の(これは微結晶質を含む)状態に堆積させられる。
【0039】
好ましい実施形態では、支柱は半導体接合ダイオードを含む。『接合ダイオード』という用語は、本願明細書において、2つの端子電極を有し、一方の電極においてはp形で他方の電極においてはn形である半導体材料から作られた、非オーム伝導の特性を有する半導体装置を指すために使用される。この例は、例えばツェナーダイオードなどの、接触しているp形半導体材料およびn形半導体材料を有するP−NダイオードおよびN−Pダイオードと、真性(ドープされていない)半導体材料がp形半導体材料とn形半導体材料との間に挟まれるP−I−Nダイオードとを含む。
【0040】
底部の強くドープされた領域112は、当該技術分野において知られている任意の堆積およびドーピング方法によって形成され得る。シリコンは、堆積させられ、その後にドープされ得るけれども、好ましくは、シリコン堆積中に例えば燐などのn形ドーパント原子を提供するドナーガスを流すことによってその場で(in situ) ドープされる。強くドープされた領域112は好ましくは約10および約80nmの間の厚さである。
真性層114は、当該技術分野において知られている任意の方法により形成され得る。層114は、シリコン、ゲルマニウム、あるいはシリコンまたはゲルマニウムの任意の合金であることができて、約110および約330nmの間の、好ましくは約200nmの厚さを有する。
【0041】
図4bに戻ると、堆積させられたばかりの半導体層114および112は、下にある障壁層110と共に、支柱300を形成するためにパターニングされエッチングされ得る。各支柱300が導体200の上に形成されるように、支柱300は下の導体200とほぼ同じピッチおよびほぼ同じ幅を有するべきである。ある程度の位置ずれは黙許され得る。以下でより詳しく記載するように、支柱300のパターニングステップおよびエッチングステップは、装置製造プロセスにおいてもっと先まで遅延されてもよい。
【0042】
支柱300は、任意の適切なマスキングおよびエッチングプロセスを用いて形成され得る。例えば、フォトレジストが堆積させられ、標準的なフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングされ、そしてエッチングされることができ、その後にフォトレジストは除去される。代わりに、他の何らかの材料、例えば二酸化ケイ素のハードマスクが、底面反射防止コーティング(BARC)を頂部に伴って半導体層スタックの上に形成され、その後にパターニングされエッチングされることができる。同様に、誘電体反射防止コーティング(DARC)がハードマスクとして使用され得る。
【0043】
ともに本発明の譲受人により所有され、本願明細書において参照により援用されている、2003年12月5日に出願されたChenの「Photomask Features with Interior Nonprinting Window Using Alternating Phase Shifting」という米国特許出願第10/728,436号(特許文献9)あるいは2004年4月1日に出願されたChenの「Photomask Features with Chromeless Nonprinting Phase Shifting Window」という米国特許出願第10/815,312号(特許文献10)に記載されているフォトリソグラフィ技術は、本発明の実施形態に従うメモリアレイの形成に用いられる任意のフォトリソグラフィステップを実行するために有利に使用され得る。
【0044】
支柱300のピッチおよび幅は、希望通りに変えられ得る。1つの好ましい実施形態では、支柱のピッチ(1つの支柱の中心から次の支柱の中心までの距離)は約300nmであり、支柱の幅は約100および約150nmの間で変わる。他の1つの好ましい実施形態では、支柱のピッチは約260nmであり、支柱の幅は約90および130nmの間で変わる。一般的に、支柱は、好ましくは、250nm以下の直径を有する円形またはほぼ円形の横断面を伴って実質的に円柱形の形状を有する。「実質的に円柱形の」素子は、ほぼ円形の横断面、より具体的には、周囲のどの部分も、横断面領域の図心を通って測られた最長寸法の50%より長い長さにわたって真っ直ぐな縁になっていない横断面を有する素子である。明らかに、真っ直ぐな縁は分子レベルまで「真っ直ぐ」ではないであろうし、また微細な凹凸を有し得る。関連するものは、本願明細書において参照により援用されている米国特許第6,952,030号(特許文献11)に記載されているように、丸みの程度である。
【0045】
誘電体材料108は、半導体の支柱300の上および間に堆積させられ、それらの間のギャップを埋める。誘電体材料108は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、あるいはオキシ窒化ケイ素などの、任意の公知電気絶縁材料であり得る。1つの好ましい実施形態では、二酸化ケイ素が絶縁材料として使用される。
【0046】
次に支柱300の上の誘電体材料が除去され、誘電体材料108により分離されている支柱300の頂部を露出させ、実質的に平坦な表面を残す。誘電体過剰充填のこの除去は、CMPまたはエッチバックなどの、当該技術分野において知られている任意のプロセスによって実行され得る。絶縁層108は、それが支柱300の半導体領域を囲むように、平坦化される。CMPまたはエッチバックの後、イオン注入が実行され、強くドープされたp形頂部領域116を形成する。p形ドーパントは、好ましくはホウ素またはBF
2 である。この注入ステップは、
図4bに示されているようにダイオード111の形成を完了させる(同じダイオードが
図2では番号「4」を付されている)。代わりに、領域116は、層114の中に注入されるよりはむしろ支柱のパターニングステップの前に層114の上に1つの層として堆積させられ得る。
図4bに示されている、結果として得られた構造は、
図5aにも概略的に示されている。
【0047】
図5b〜5dは、ダイオード構造の他の置換を示す。
図5aおよび5bのダイオードでは、底部領域112はN+(強くドープされたn形シリコン)であり、頂部領域116はP+である。
図5cおよび5dのダイオードでは、底部領域112はP+であり、頂部領域116はN+である。
図5aおよび5cでは、中央領域114はN−であり、
図5bおよび5dでは、中央領域114はP−である。中央領域は、意図的に軽くドープされることができ、あるいはそれは真性であることができ、あるいは意図的にはドープされない。ドープされない領域は決して完全に電気的に中性ではなく、常に、それをあたかも僅かにn形にドープされているかあるいはp形にドープされているかのように振る舞わせる欠陥または汚染物を有する。そのようなダイオードはP−I−Nダイオードと見なされ得る。従って、P+/N−/N+、P+/P−/N+、N+/N−/P+またはN+/P−/P+ダイオードが形成され得る。
【0048】
図4cを参照すると、次にオプションの絶縁性酸化物、窒化物、または酸窒化物層118が、強くドープされた領域116の上に形成され得る。以下に記載するように、層118はチタンシリサイド層124(ただし、一般的には他の金属シリサイド層ではない)の形成中に還元される。代わりに、層118は省略されてもよい。例えば、強くドープされた領域116の頂部のシリコンを約600〜約850℃で約20秒間〜約2分間にわたって酸化させることによって、オプションの二酸化ケイ素層118が成長させられて、約1および約5nmの間の二酸化ケイ素を形成する。好ましくは、酸化物層118はウェハを酸素含有雰囲気中で約1分間にわたって約800度にさらすことによって形成される。層118は、代わりに、堆積させられ得る。
【0049】
次に、シリサイド形成金属の層120が堆積させられる。この目的のために使用されるべき好ましいシリサイド形成金属はチタンまたはコバルトを含む。この例は、層120のためのチタンの使用を記述するけれども、他の材料が使用され得ることが理解されるはずである。
【0050】
チタン層120は任意の適切な厚さ、例えば約1および約20nmの間、好ましくは約10および約15nmの間、最も好ましくは約10nmに堆積させられる。チタン層120の酸化を防止するために、窒化チタン層122が好ましくは約30nmの厚さに堆積させられる。層120および122は、任意の在来方法により、例えばスパッタリングにより、堆積させられ得る。
【0051】
例えば窒素中で、約600および約800℃の間で約10秒間から約2分間まで、好ましくは約650度および約750度の間で、最も好ましくは約670度で約20秒間にわたって、アニーリングが実行される。このアニーリングは、酸化物層118を還元し、またチタン層120を、強くドープされた領域116と、それが領域の上に存在する場所で、反応させてチタンシリサイドを形成させるのに役立つ。酸化物層118は、チタン層120と強くドープされた領域116のシリコンとの間で実質的に完全に還元される。酸化物層118が成長させられるよりはむしろ堆積させられたのであるならば、酸化物層118の残余(半導体の支柱300の頂部同士の間で、誘電体充填材108の上にある)はそのままである。
【0052】
在来のシリサイドプロセスの場合と同じく、窒化チタン層122と未反応チタンとを選択的ウェットエッチングで剥ぎ取ることができて、
図4dに示されている接合ダイオードのうちの1つの頂部のディスク状領域に各々形成されたチタンシリサイド層124を後に残す。その後、例えば新しい窒化チタン層などの、1つ以上の減結合器伝導層6(
図2に示されている)がシリサイド層124の上に堆積させられる。代わりに、未反応チタン層120部分と窒化チタンキャップ層122とは、シリサイド層124形成後に除去されず、減結合器伝導層6として作用するように装置に残される。
【0053】
1つの好ましい実施形態では、アニーリング中に形成されるチタンシリサイド構造物124は、C49相チタンシリサイドを含む。大きなあるいは小さなサイズのシリコン構造物について、アニーリング温度が700℃より低く保たれるならば、あるいはアニーリング温度が700℃より高く保たれるがシリコン構造物サイズが0.25ミクロン以下であるならば、C49相を得ることができる。従って、ダイオードの直径は、700℃より高いアニーリング温度では、C49相のチタンシリサイドを形成するために好ましくは0.25ミクロン以下である。この相は、結晶化プロセス中にアモルファスシリコンと格子整合するので、望ましい。対照的に、より大きな構造物(0.25ミクロンの寸法サイズより大きい)は、700℃より高い後のアニーリングの間にチタンシリサイドがC54相のチタンシリサイドに帰することを可能にする。C54相は、低い抵抗率(それは集積回路製造に非常に望まれるものである)を提供するが、アモルファスまたは多結晶質シリコンの結晶化プロセス中に同様の良好な格子整合を提供しない。従って、C49相チタンシリサイドは、ダイオードの半導体材料のための結晶化テンプレートとして作用することによって結晶粒成長を最大限に促し、従ってダイオード抵抗率をより低めるために、貢献する。
前述したように、この例ではチタンがシリサイド形成金属層120に使用されると仮定されているが、コバルトを含む他の金属が代わりに使用され得る。従って、チタンシリサイド層124は、代わりに、コバルトシリサイドなどの他の何らかのシリサイドであり得る。
【0054】
好ましい実施形態では、接合ダイオードは、堆積時にアモルファスシリコンであり、シリサイド層124と接触する大結晶粒、低抵抗率ポリシリコンを形成するために結晶化させられる。結晶化は、シリサイド124の形成中におよび/またはメモリセルが完成した後の別個の結晶化アニーリング中に、起こり得る。その別個の結晶化アニーリングは、所望の結晶化の程度により、約600℃より高い温度で、例えば650〜850℃で1分間以上にわたって、例えば2分間〜24時間にわたって、行なわれ得る。ゲルマニウムおよびシリコンゲルマニウムダイオード材料のためには、より低い温度が使用され得る。シリサイド層124は、接合ダイオードのインピーダンスを減少させるために有利であるけれども、完成した装置においては望まれないかもしれない。1つの代わりの実施形態では、接合ダイオード上にシリサイド層が形成された後、シリサイド層は除去され得る。
【0055】
1つ以上の伝導性減結合器層120,122および/または124の形成後、パターニングされて抵抗器8にされる半導体材料が1つまたは複数の伝導層上に堆積させられる。パターニングされて抵抗器8にされる半導体材料層は、約10nm〜約40nmの厚さ、例えば約20nmの厚さであり得る。半導体材料は、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、あるいは他の適切な半導体、あるいは半導体合金であり得る。簡単のために、本願明細書では半導体材料をシリコンと称するけれども、熟練している実務家が代わりにこれらの他の適切な材料のうちのいずれをも選択し得ることが理解されるはずである。好ましくは、半導体材料は、割合に高度に抵抗性のアモルファスまたは多結晶質の(これは微結晶質を含む)状態に堆積させられる。好ましくは、半導体材料は、結晶化テンプレートとしては機能しない窒化チタン122などの伝導性材料上に堆積させられる。従って、結晶化アニーリング中、結晶化テンプレート材料124と接触しているダイオード4は、結晶化テンプレート材料124と接触していない抵抗器8より抵抗率が低くて結晶粒サイズがより大きい状態に結晶化させられる。
【0056】
抵抗器8の材料は、好ましくは、必ずしもそれとは限らないけれども、真性の(ドープされていない)半導体材料または軽くドープされた半導体材料(1×10
17cm
-3より低いp形またはn形ドーパント濃度を有する)である。抵抗器材料が軽くドープされるならば、それは当該技術分野において知られている任意の堆積およびドーピング方法によって形成され得る。シリコンは、堆積させられ、その後にドープされ得るけれども、好ましくは、シリコン堆積中に例えばホウ素あるいは燐などのp形またはn形ドーパント原子を提供するドナーガスを流すことによってその場でドープされる。
【0057】
減結合器層6および/または抵抗器層8が、その後、支柱300の上側部分を形成するためにパターニングされる。パターニングは、前述した支柱300の下側部分へのダイオード4のパターンに用いられるものとは別のフォトリソグラフィステップおよびエッチングステップを含み得る。
【0058】
1つの代わりの実施形態では、減結合器層6および抵抗器層8は、支柱300を1パターニングステップで形成するためにダイオード4の層と同じフォトリソグラフィステップおよびエッチングステップの間にパターニングされ得る。この実施形態では、支柱300のフォトリソグラフィステップおよびエッチングステップは、抵抗器層8が堆積させられるまで遅らされる。誘電体材料108の形成および平坦化は、支柱300形成後に実行される。所望ならば、シリサイド124を形成するために使用されるシリサイド化ステップおよび/またはダイオード結晶化アニーリングステップは、抵抗器8の部分を含む支柱300全体がパターニングされた後まで遅らされ得る。この場合、窒化チタン層122は、シリサイド層124形成のためのキャッピング層と、ダイオード4および抵抗器8の間に置かれた減結合器層6との両方として作用する。
【0059】
図6は、完成したメモリセルを示す。頂部導体400(すなわち、
図2に示されている上側電極16)は、例えば、好ましくは窒化チタンの粘着層420と、好ましくはタングステンの伝導層422とを堆積させることによって、底部導体200と同じ仕方で形成され得る。
図6において導体200に対して垂直に伸びている実質的に平行で実質的に同一平面上にある導体400を形成するために、伝導層422および粘着層420は、その後、任意の適切なマスキングおよびエッチング技術を用いてパターニングされエッチングされる。1つの好ましい実施形態では、フォトレジストが堆積させられ、フォトリソグラフィによってパターニングされ、そして層がエッチングされ、その後に標準的な処理技術を用いてフォトレジストが除去される。所望ならば、粘着層420を支柱300と共にパターニングすることができて支柱300上にだけ置くことができる一方で、伝導層422は、各支柱300上の粘着層420の各部分と
接触するレールを含む。
【0060】
次に誘電体材料(図示せず)が導体レール400の上および間に堆積させられる。その誘電体材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはオキシ窒化ケイ素などの、任意の公知電気絶縁材料であり得る。1つの好ましい実施形態では、酸化ケイ素がこの誘電体材料として使用される。
【0061】
第1のメモリレベルの形成は記述された。モノリシックな3次元メモリアレイを形成するために、この第1のメモリレベルより上に付加的なメモリレベルが形成され得る。幾つかの実施形態では、メモリレベル同士の間で導体が共有され得る。すなわち、頂部導体400は、次のメモリレベルの底部導体として役立つ。他の実施形態では、レベル間誘電体(図示せず)が
図6の第1のメモリレベルより上に形成され、その表面が平坦化され、この平坦化されたレベル間誘電体の上で、共有される導体なしで、第2のメモリレベルの構築が始まる。
【0062】
モノリシックな3次元メモリアレイは、ウェハなどの単一の基板の上に複数のメモリレベルが、介在する基板なしに、形成されるものである。1つのメモリレベルを形成する層は、現存する1つまたは複数のレベルの層の直ぐ上に堆積または成長させられる。対照的に、積層メモリは、例えばLeedy の「Three dimensional structure memory」という米国特許第5,915,167号(特許文献12)の場合のように、メモリレベルを別々の基板上に形成してそれらのメモリレベルを互いの上に接着することによって構築されている。基板は接着の前に薄くされあるいはメモリレベルから除去されるけれども、メモリレベルは初めは別々の基板の上に形成されるので、そのようなメモリは真のモノリシックな3次元メモリアレイではない。
【0063】
全てが本発明の譲受人に譲渡され、本願明細書において参照により援用されている、Johnson らの「Vertically stacked field programmable nonvolatile memory and method of fabrication」という米国特許第6,034,882号(特許文献13)、Johnson の「Vertically stacked field Programmable nonvolatile memory and method of fabrication」という米国特許第6,525,953号(特許文献14)、Knall らの「Three Dimensional Memory Array and Method of Fabrication」という米国特許第6,420,215号(特許文献15)、2002年3月13日に出願されたHernerの「Silicide-Silicon Oxide-Semiconductor Antifuse Device and Method of Making 」という米国特許出願第10/095,962号(特許文献16)、2002年6月27日に出願されたVyvodaらの「Electrically Isolated Pillars in Active Devices 」という米国特許出願第10/185,507号(特許文献17)、2003年5月19日に出願されたVyvodaの「Rail Schottky Device and Method of Making 」という米国特許出願第10/440,882号(特許文献18)、および2003年12月5日に出願されたCleeves らの「Optimization of Critical Dimensions and Pitch of Patterned Features in and Above a Substrate」という米国特許出願第10/728,451号(特許文献19)には、モノリシックな3次元メモリアレイについて記載されている。
【0064】
本発明の一実施形態が、基板より上に形成されたモノリシックな3次元メモリアレイとの関係で本願明細書では記載された。そのようなアレイは、少なくとも、基板より上の第1の高さに形成された第1のメモリレベルと、この第1の高さとは異なる第2の高さに形成された第2のメモリレベルとを含む。このようなマルチレベルアレイにおいて3,4,8,またはもっと多くのメモリレベルが基板より上に形成され得る。各メモリレベルは、それより下のメモリレベルの上にモノリシック的に形成される。
【0065】
モノリシックな3次元メモリアレイにおいて形成されるメモリセルは積み重ねられたメモリレベルを有するけれども、そのようなセルは明らかに2次元アレイにおいても形成され得る。与えられた例は、接合ダイオードより上に形成されたシリサイド層を示したけれども、シリサイド層が他の場所に、例えば接合ダイオードのそばあるいはその下に、形成され得ることを当業者は認識するはずである。多くの構成が想像され得る。
【0066】
1つの代わりの実施形態では、抵抗器8は支柱300においてダイオード4より下に形成される。この実施形態では、抵抗器8は下側の電極12の上に形成される。減結合器伝導層6は抵抗器4の上に形成される。ダイオード4は、その後、減結合器層6の上に形成される。シリサイド結晶化テンプレート層124は、ダイオードと接触してダイオード4より上または下に形成され得る。
【0067】
導体がダマシン構造を用いて形成される、類似するアレイを形成する1つの代わりの方法が、本発明の譲受人に譲渡され、本願明細書において参照により援用されている、2006年5月31日に出願されたRadigan らの「Conductive Hard Mask to Protect Patterned Features During Trench Etch 」という米国特許出願第11/444,936号(特許文献20)に記載されている。特許文献20の方法が、本発明に従うアレイを形成するために代わりに使用され得る。
【0068】
前の詳しい記述は、本発明がとることのできる多くの形のうちのほんの幾つかを記述しているに過ぎない。この理由から、この詳しい記述は実例として意図されているのであって、限定として意図されているのではない。本発明の範囲を定めるべく意図されているのは、全ての均等物を含む添付の特許請求の範囲である。本願明細書に記載された全ての特許、特許出願および刊行物は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。