(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定のユーザからコンテンツアイテムの要求を受信することに応じてコンテンツアイテムを生成することを更に備え、前記コンテンツアイテムは前記選択された1以上の広告と、前記特定のユーザからフィードバックを受け付けるための1以上のグラフィカルユーザインタフェース要素を備えるものであり、前記生成されたコンテンツアイテムが前記特定のユーザに送信されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、当業者の誰でもこの発明を発明し、使用できるように提示され、且つ、この発明の個々の適用及びそれらの必要条件の面において供給される。開示された実施形態の種々の変形は、当業者に容易に明らかとなるだろう。また、ここに開示された一般的原則は、この発明の範囲から外れることなく他の実施形態及び用途に適用されてよい。この発明は、開示された実施形態にだけ制限されず、本明細書中に記載された原理及び特徴からなる最大の範囲で認められるべきである。
【0020】
実施形態は、ユーザに提示されるべき広告を、別のユーザ達から以前に受信したフィードバック応答に基づいて選択するものであり、フィードバック応答は該別のユーザ達により表明された当該広告への興味のレベルを表す。オンラインサービス経由で広告されるために、複数の広告が競い合うようになっていてよい。或るユーザに提示されるべき広告を選択することにおいて、オンラインサービスは、当該オンラインサービスがユーザに或る広告を提示することにより取得するものと期待される収入と同様に、複数ユーザのグループから以前に収集したフィードバック応答を考慮する。オンラインサービスコンピューティング装置は、広告の提示に対する推定収入値及び広告に対して推定されるユーザの興味を表すモディファイヤ(modifier: 変更値)に基づいて、広告の総価値を計算する。前記オンラインサービスは、前記総価値に基づいて広告を選択又は優先順位付けする。より多くの肯定的フィードバック応答及び/又はより少ない否定的フィードバック応答を持つ広告は、高い価値を持つ傾向があり、そのため、かかる広告は、ユーザへの提示に選択されやすくなる。これにより、オンラインサービスにおけるユーザの経験全体は向上され、そのため、当該オンラインサービスにより多くのユーザを惹き付け得る。
【0021】
期待される収入値は、ユーザに広告を提示することにより収集されると期待される広告料である。前記期待される収入値は、オンラインサービスプロバイダにとっての広告の価値を表す。前記期待される収入値は、広告の入札価格から派生するか又は、該入札価格と同じであってよい。前記期待される収入値は、例えば、印象あたりの単価(CPI)、クリックスルーあたりの単価(CPC)、潜在顧客(リード)あたりの単価(CPL)、売り上げあたりの単価(CPS)又は取引(トランザクション)あたりの単価(CPT)であってよい。
【0022】
モディファイヤは、オンラインサービスによって推定された広告に対するユーザの興味のレベルを示す。より高いモディファイヤは、広告がユーザにとって興味の対象であるとより高く見込まれることを示す。反対に、より低いモディファイヤは、広告がユーザにとって興味の対象である可能性がより低いことを示す。一実施形態において、モディファイヤは、広告に関してユーザから以前に受信したフィードバック応答から計算される。
【0023】
総価値は、期待される広告収入値及び広告に対して期待されるユーザの興味を参照する。ユーザに提示されるべき広告の選択において、期待される収入値と、期待されるユーザの興味又は期待される収入値を変更するモディファイヤとに対して、異なる重みが割り当てられる。
【0024】
或るユーザから受信されたフィードバック応答は、そのユーザによって決定された広告に対する当該ユーザの興味を示す。肯定的フィードバック応答は、広告がユーザにとって興味の対象であることを示す。否定的フィードバック応答は、ユーザが広告に興味を持っていないか又は広告に極微の興味しかないことを示す。
ユーザ価値指向の広告モデル
【0025】
いくつかの通常のオンラインサービスは、どの広告をユーザに提示すべきかを決定するときに、広告に対するそのユーザの蓋然的興味を考慮する。例えば、幾つかの通常のオンラインサービスは、広告におけるユーザのクリックスルー率を推計するためのユーザの人口統計プロファイルなどの要素を考慮する。しかし、このようなクリックスルー率は、ユーザの興味のレベルの正確な尺度を提供しない。というのも、ユーザは、広告がユーザにとって興味のあるものであるときさえも広告をクリックしないように決定しうるし、また、その反対に、興味のないときに広告をクリックするように決定しうるからである。更に、クリックスルー率又はその他の同様な枠組みは、オンライサービスプロバイダによって収集される広告収入を増加することに専心的なままである。このため、もし広告が著しくユーザの経験を低下させるとしても、広告主が当該広告に対してより高い広告費を払うことを約束するならば、かかる広告がユーザに提示されてしまいがちである。しかし、仮に広告がユーザの経験を低下させるとすると、コンテテンツアイテムにアクセスすべくオンラインサービスを利用することを、より多くのユーザが避けるだろうから、ユーザトラフィックの減少又はわずかな増加に帰結する。減少されたユーザトラフィックは、時間とともにオンライサービスプロバイダによって収集される広告料全体を減少する。反対に、適切で且つ価値付けされた広告によってユーザの経験が向上された場合、ユーザトラフィックは時間とともに増加する。このため、ユーザにとって興味があるであろう広告をユーザにとって興味が無いか又は興味の少ない広告よりも頻繁に選択及び提示することは、有益である。
【0026】
実施形態は、オンラインサービス経由でのユーザへの提示のために競争する複数の広告を選択及び又は優先化するときに、その広告に対して期待されるユーザの興味を考慮する。広告主は、オンラインサービス経由で広告を提示するための広告入札価格を提出するだろう。より高い入札価格が、オンラインサービス経由で提示されるべき広告に対応する可能性が高い。
【0027】
一実施形態において、広告がユーザにとって興味の対象である可能性があるならば、期待される広告収入値に割増価値を追加することにより、広告の総価値が得られる一方、広告がユーザにとって興味の対象でない可能性があるときには、期待される収入値から割引価値を差し引くことにより前記総価値が得られる。複数の前記総価値を得た後、それら総価値は、コンテンツアイテムに包含する広告を選択するために、比較される。
【0028】
割増価値及び割引価値は種々の統計モデルに基づいて推定されてよい。一実施形態において、ユーザに対する割増価値及び割引価値は、その広告が以前に提示された別のユーザ達からの以前のフィードバック応答に基づいて決定される。前記フィードバック応答は、広告に対する前記別のユーザ達の好き/嫌い、又は、広告に対する好き/嫌いの度合いを示す。かかるフィードバック応答は、広告に対する前記別のユーザ達の興味を決定することの代理として機能する。
【0029】
広告は、例示に限定はされないが次に挙げるものを含む色々な形でユーザの興味の対象となりうる:(i)ユーザが捜しているサービス又は製品について情報を提供すること、(ii)ユーザにとって役立つ事柄に関する認識や知識を増すこと、(iii)ユーザが時間や費用を節約するのに役立つこと、(iv)ユーザに娯楽を提供すること。反対に、広告することは、例示に限定はされないが、次に挙げるものを含む色々な形でユーザの興味の対象とならない:(i)ユーザにとって無関係な情報を提供すること、(ii)製品やサービスを覆い、ユーザの感情を損なうこと、(iii)不法な又は非倫理的な行動を宣伝すること、(iv)紛らわしい情報又は不正確な情報を含むこと。
オンライサービスシステムの構成
【0030】
図1(図)は、一実施形態に従う、ユーザに対して広告を選択及び提示するためのオンラインサービスシステム100を説明する概念図である。オンラインサービスシステム100は、オンラインサービスコンピューティング装置108を含み、これは次に述べる1以上の機能を実行する:(i)1以上の広告主104から複数の広告106に関連付けられた情報を受信すること、(ii)ユーザ110への提示のために広告112を選択及び/又は優先順位付けすること、(iii)ユーザに広告112(コンテンツアイテムに埋め込まれたもの又はコンテンツアイテムとは独立したもののどちらでも)を送信すること、及び、(iv)ユーザ110から広告112についてフィードバック応答を受信する。
図1に図示されていないが広告主104、ユーザ110及びオンラインサービスコンピューティング装置108はネットワーク(例えばインターネット)経由で通信できる。
【0031】
広告主104は、オンラインサービスコンピューティング装置108経由でユーザに伝播するために広告106を提出する。広告主104は、例えば、オンラインサービスシステム100経由で広告を配信したい企業、公共団体(例えば政府)及び私個人を含む。広告主104は、また、例えば、広告されている製品又はサービスの特徴、ターゲットとされたユーザ達のプロファイル、広告主が支払ってくれるであろう広告料(すなわち、期待される収入値)、及び、一定期間(例えば日毎又は月毎)の広告料を制限する総上限額等の、広告に対応付けられた情報を供給する。
【0032】
広告106は、例えばグラフィックイメージ(例えばいわゆるバナー広告)英数字文字列、オーディオ又はビデオファイル及びそれらの任意の組み合わせ等、種々のデジタル形式であってよい。広告は、また、他のオンラインリソースへのリンク又はコンピュータ実行可能な命令の形式であってもよい。広告は、オンラインサービスコンピューティング装置108から生成及び送信されたコンテンツアイテムに含まれるか、又は、前記コンテンツアイテムとは分離されたデータとして送信される。
【0033】
オンラインサービスコンピューティング装置108は、例えば、
図2A及び2Bを参照して以下で詳細に説明する種々のオンラインサービスを提供するめに、広告主104及びユーザ110からの要求を処理する計算(コンピューティング)装置である。オンラインサービスコンピューティング装置108により提供されるオンラインサービスは、例示に限定されないが、ソーシャルネットワーキングサービス、インターネット検索サービス、データ処理、オンラインショッピングサービス及びメディアストリーミングサービスを含む。
【0034】
一実施形態において、オンラインサービスコンピューティング装置108は、ユーザ110からコンテンツアイテムの要求を受信して、ユーザ110にコンテンツアイテムを供給する。オンラインサービスコンピューティング装置108により提供されるコンテンツアイテムは、例示に限定されないが、フィード、ウェブページ、画像、オーディオ/ビデオファイル、ドキュメント、実行可能プログラム、画像、検索結果及び処理されたデータを含む。コンテンツアイテム112は、広告106に埋め込まれていてよい。
【0035】
コンピューティング装置に広告を提示された後、ユーザ110は、コンテンツアイテムとの対話形式のやり取りによってオンラインサービスコンピューティング装置108に広告112についてフィードバック応答を提供できる。このために、コンテンツアイテムは、例えば、アイコン、数、記号、及び、何らかの視覚的要素、又は、それらの任意の組み合わせ等、フィードバック応答114を受け付けるためのグラフィカルユーザインタフェース要素を含んでよい。コンテンツアイテムは、また、例えば聴覚アイコン等、視覚障害のユーザからフィードバック応答114を受け付けるための非グラフィカルユーザインタフェースを含んでよい。一実施形態において、フィードバック応答は、2つの選択肢をユーザに提示することにより供給される:(i)1つの選択肢は否定的フィードバック応答(すなわちユーザにとって興味関心が低い又は皆無)に対応付けられたものであり、(ii)もう1つの選択肢は肯定的フィードバック応答(すなわちユーザにとって興味関心が高い)に対応付けられたものである。例えば、フィードバック応答は、
図3Bを参照して以下で詳細に説明する通り、ユーザのコンピューティング装置のスクリーンに表示された「好む」アイコン又は「嫌う」アイコンをクリックすることにより、又は、
図3Cを参照して以下で詳細に説明する通り、数を選択することにより、簡単に供給される。選択肢の数を減らすことは、データ収集を容易化でき、且つ、ユーザは一般的に、提示された選択肢の数が少ないときほど、フィードバック応答をより進んで供給することから、有利である。
【0036】
広告主104及びユーザ110は、
図1において、オンラインサービスコンピューティング装置108と直接的に通信するように描かれているが、広告主104及びユーザ110は、ほとんどの使用法において、コンピューティング装置を使ってオンラインサービスコンピューティング装置108と通信する。広告主104及びユーザ110により使用されるコンピューティング装置は、例示に限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、セットトップボックス、ゲーム機などを含む。ユーザ用コンピューティング装置(以下では「ユーザ装置」と称する)は、
図3Aを参照して詳細に説明する。
オンライサービスシステムの一例の構造
【0037】
図2Aは、一実施形態に従う、オンラインサービスコンピューティング装置108を説明するブロック図である。オンラインサービスコンピューティング装置108は、広告主通信モジュール210、広告データベース220、広告選択装置(セレクタ)230、コンテンツリポジトリ240、コンテンツアイテム処理装置250、フィードバック応答評価装置260、ユーザ通信モジュール270及びソーシャルネットワーキングサービスデータベース246等の構成要素を備える。これら構成要素のうち1つ以上が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせにより実施される。例えば、広告主通信モジュール210とユーザ通信モジュール270は、単一のモジュールに結合できる。
【0038】
広告主通信モジュール210は、広告主104と通信するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。広告主104は、ネットワーク(図示略)経由で広告主通信モジュール210へ、広告106と該広告に関連する情報を送信する。
【0039】
広告データベース220は、広告群と該広告群に関連する情報を記憶するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。広告データベース220は、広告主通信モジュール210から広告とその他の関連する情報を受信するように広告主通信モジュール210に接続される。広告に関連する情報は、例えば、広告されている製品又はサービスの特徴、ターゲットとされたユーザ達のプロファイル、広告の提示に対して広告主が支払ってくれるであろう広告入札価格、及び、所定期間(例えば日毎又は月毎)の広告料の最高値及び広告に関して受信されたユーザフィードバック応答を含む。
【0040】
広告選択装置230は、
図2Bを参照して以下で詳しく説明する通り、ユーザ110に提示されるべき広告を選択又は優先順位付けするためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。広告選択装置230は、ユーザに提示するために1以上の選択された広告234の索引を出力する。多数の広告がユーザに提示されるとき、広告選択装置230は、それらの広告に優先順位付けできる。一実施形態において、広告は、オンラインサービスコンピューティング装置108により供給されるコンテンツアイテムに埋め込まれる。この実施形態において、最も高い優先順位で選択された広告は、コンテンツアイテム内の最も目立つ場所に配置され、反対に、より低い優先順位で選択された別の広告は当該コンテンツアイテム内のより目立ちにくい場所に配置される。
【0041】
コンテンツリポジトリ240は、ユーザ110による要求に応じてコンテンツアイテムを生成するためのリソースデータを記憶する。コンテンツアイテムを生成するためのリソースデータは、例示に限定されないが、ドキュメント、画像ファイル、ビデオファイル及びオーディオファイルを含んでよい。一実施形態において、コンテンツリポジトリ240中のリソースデータは、フィード又は共有のためにユーザにより供給されたデータを含む。
【0042】
コンテンツアイテム処理装置250は、ユーザ通信モジュール270経由でユーザ10からの要求272の受信に応じてコンテンツアイテムを生成するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。一実施形態において、コンテンツアイテム処理装置250は、1以上の選択された広告の索引234を受信し、且つ、要求272を受信した後に、広告データベース220から索引234に応じた広告236を検索する。また、コンテンツアイテム処理装置250は、コンテンツリポジトリ240からリソースデータ244を受信し、且つ、ユーザ110に対するコンテンツアイテムを生成するために広告236とリソースデータ244とを結合する。コンテンツアイテム処理装置250により生成されたコンテンツアイテムは、画像と文章を含むようにフォーマットされたウェブページであってよい。ウェブページが広告を配置できる場所を複数備える場合、(広告選択装置230により決定される)より高い優先順位を持つ広告が、ウェブページ内で最も目立つ場所に配置される。生成されたコンテンツアイテム254は、ユーザ通信モジュール270経由でユーザ110に送信される。
【0043】
別の実施形態において、コンテンツアイテム処理装置250は、広告をコンテンツアイテムに埋め込まない。その代わり、コンテンツアイテム処理装置250は、ユーザに送信すべき広告を選択して、ユーザ通信モジュール270経由でユーザに広告を送信する。コンテンツアイテム処理装置250は、何ら広告を含むこと無しにコンテンツアイテムを生成する。
【0044】
フィードバック応答評価装置260は、ユーザ10から受信したユーザフィードバック応答114を処理するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。フィードバック応答評価装置260は、ユーザ通信モジュール270により抽出されたフィードバック応答データ274を受信するようにユーザ通信モジュール270に接続される。フィードバック応答データ274は、例えば広告の識別子と、広告に対応付けられたフィードバック応答値とを含んでよい。
【0045】
フィードバック応答値は、広告に対するユーザの好き/嫌いを表し、ユーザによって決定された広告に対するユーザの興味関心の代理として機能する。フィードバック応答値は、2値のうち一方の値を持つ(例えば、ゼロは広告に対するユーザの嫌悪を示し、1は広告に対するユーザの好感を示す)。別の例として、フィードバック応答値は、広告に対する好み又は嫌悪の度合いを示す多値のうち1つの値であってもよい(例えば、ゼロは広告に対する強い嫌悪を示し、より高い値ほど広告に対するより好ましい評価を漸次示し、5は広告に対する最も好ましいという評価を示す)。
【0046】
一実施形態において、フィードバック応答評価装置260は、識別子に基づいてフィードバック応答データ274に対応付けられた広告を識別し、広告データベース220から広告に対する現在のフィードバック応答値を検索し、新たに受信したフィードバック応答データ274を反映するようにフィードバック応答値を更新して、そして、広告データベース220にフィードバック応答値を記憶する。更新されたフィードバック応答値は、その後のユーザへの提示用に広告を選択するための広告選択装置230により検索される。
【0047】
ユーザ通信モジュール270は、ネットワーク経由でユーザ110と通信するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。ユーザ通信モジュール270は、ユーザから受信したコンテンツアイテムに関する要求を転送するようコンテンツアイテム処理装置250に接続されており、コンテンツアイテム処理装置250により生成されたコンテンツアイテム254をユーザ110に送信する。ユーザ通信モジュール270は、また、ユーザ110から受信したデータから抽出された任意のフィードバック応答データ274を送信するようにフィードバック応答評価装置260に接続される。
【0048】
一実施形態において、オンラインサービスコンピューティング装置108は、複数ユーザが関係を作り、情報を共有し、ユーザ間のコミュニケーションを促すことができるソーシャルネットワーキングサービスを提供する、このため、オンラインサービスコンピューティング装置108は、ソーシャルネットワーキングサービスデータベース246を備える。ソーシャルネットワーキングサービスデータベース246は、ユーザ間の関係(例えば「友人」又は「フォロワー」など)及び各ユーザのプロフィール情報などの情報を記憶する。ソーシャルネットワーキングサービスデータベース246は、また、種々のユーザグループで共有されるべき情報の範囲を示すプライバシー情報も記憶する。ソーシャルネットワーキングサービスデータベース246は、コンテンツアイテム処理装置250に情報を供給して、コンテンツアイテム処理装置250が、ユーザと別のユーザの関係に基づいて、各ユーザ毎にカスタマイズされた情報をコンパイル及び生成できるようにする。
【0049】
オンラインサービスコンピューティング装置108は、1つのサーバ又は複数のサーバにより実施されてよい。オンラインサービスコンピューティング装置108が複数のサーバにより実施される一実施形態において、各サーバは
図2Aに示す構成要素の部分集合を実施する。更に、各サーバは、地理的に異なる場所にいるユーザに供するために、地理的に異なる場所に設置されてよい。
【0050】
一実施形態において、
図2Bに示されたオンラインサービスコンピューティング装置108の構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶される。ソフトウェアモジュールの命令は、オンラインサービスコンピューティング装置108の中央処理装置により取得され、且つ、実行される。ソフトウェアモジュールを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えばRAM等の揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又は、それらの組み合わせであってよい。
広告選択装置の一例の構成
【0051】
図2Bは、一実施形態に従う広告選択装置230を説明するブロック図である。広告選択装置230は、期待収入計算機274、モディファイヤ計算機278、総価値計算機282及び広告順位付け機286などの構成要素を含む。これら構成要素の1つ以上が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又は、それらの任意の組み合わせにより実施される。
【0052】
期待収入計算機274は、広告データベースから入札価格290を受信し、且つ、入札価格290に応じた期待される収入を計算する。期待される収入の計算は、入札価格を、調整と比較のために正規化された値に正規化することを含む。入札価格290は、ユーザへの広告の提示に対して広告主が支払いを約束した広告料を示す。入札価格は、例えば印象あたりの単価(CPI)及びアクションあたりの単価(CPA)及びその他の任意の料金体系に基づく料金コミットメントなどの種々の価格体系で表されてよい。期待収入計算機274は、このような種々の料金体系で表された入札価格を、同じ費用体系に基づく期待される収入値に正規化する。例えば、入札価格がクリックあたりの単価(CPC)で表されている場合、この入札価格は、下記の式を用いて、CPIに変換される。
eCTR・CPC=CPI .....式(1)
ここで、eCTRは推定されたクリックスルーあたりの単価である。或る料金体系と別の料金体系との期待される収入値の比較は、当業界でよく知られているので、簡潔さのために詳細な説明を省略する。期待収入計算機274は、例えば広告料が異なる通貨で表されている場合の通過換算などその他の正規化を実行してよう。
【0053】
モディファイヤ計算機278はモディファイヤを計算する(すなわち、正規化された期待される収入値に加算されるべき割り増し価値又は正規化された期待される収入値から減算されるべき割引価値)。モディファイヤは、期待される収入値にモディファイヤを加算又は期待される収入値からモディファイヤを減算できるように、ドル又は他の通貨の単位であってよい。可能ならば、モディファイヤ計算機278は、広告データベース220からユーザフィードバック統計データ292を受信して、且つ、ユーザフィードバック統計データ292に基づいてモディファイヤを計算する。ユーザフィードバック統計データ292は、或る広告に対して以前に受信した肯定的ユーザフィードバック応答の蓋然性P(TU)と否定的ユーザフィードバック応答の蓋然性P(TD)とを表す。一実施形態において、P(TU)は、或る広告に対するフィードバック応答の総数に対する肯定的フィードバック応答の数の比率として計算され、また、P(TD)は、当該或る広告に対するフィードバック応答の総数に対する否定的フィードバック応答の数の比率として計算される。モディファイヤ計算機278は、例えば下記の式を用いて、或る広告XのためのモディファイヤFM
xを計算する。
FM
x=a・P(TU)
x−b・P(TD)
x ......式(2)
ここで“a”は肯定的フィードバック応答に与えられるべき重みを示す肯定的値の係数であり、“b”は否定的フィードバック応答に与えられるべき重みを示す否定的値の係数であり、P(TU)
xは或る広告Xに対するユーザ達からの肯定的フィードバック応答の蓋然性であり、P(TD)
xは或る広告Xに対するユーザ達からの否定的フィードバック応答の蓋然性である。
【0054】
係数“a”及び“b”は、肯定的フィードバック応答又は否定的フィードバック応答に重みを置くように設定される。更に、係数“a”及び“b”は、広告に対して期待されるユーザの興味に与えられる重み、及び、広告の選択又は優先順位付けにおけるオンラインサービスプロバイダにとっての広告の価値に与えられる重みであってもよい。係数“a”及び/又は“b”を期待される収入値に比例して増加することにより、総価値はより一層ユーザフィードバック応答に依存するものとなる。
【0055】
一実施形態において、モディファイヤは、肯定的ユーザフィードバック応答の蓋然性及び/又は否定的ユーザフィードバック応答の蓋然性に加えて1以上の変数を考慮して計算される。前記追加的変数は、モディファイヤの決定において、例示に限定されないが:(i)広告のクリックスルー率(CTR)、(iii)製品又はサービスの販売となるクリック率、(iii)ユーザのコンピュータ上でコンテンツアイテムにユーザが留まる時間、(iv)肯定的又は否定的ユーザフィードバック応答のタイプ、(v)オーディオ又はビデオ広告に関する広告の長さ、及び、(vi)ユーザが広告をクリックした後に前のページに戻る時間量を示すクリック長さを考慮する。
【0056】
一実施形態において、モディファイヤ計算機278は、コンテンツアイテムを要求するユーザのユーザプロファイルを検索し、例えばユーザの年齢、性別、所在地及び結婚状況などのユーザの特徴を考慮に入れてモディファイヤを計算する。一実施形態において、モディファイヤ計算機278は、特定個人のユーザと同様な人口統計プロファイルを持つ別のユーザから受信したフィードバック応答、又は、ソーシャルネットワーキングサービスデータベース246に記憶されているソーシャル関係を持つ別のユーザから受信したフィードバック応答のみに基づいて、特定個人のユーザ毎にモディファイヤを計算する。
【0057】
ユーザフィードバック統計データ292が広告データベース220から入手できない(例えば、まだユーザフィードバック応答を受信していないため)とき、モディファイヤ計算機278は、肯定的フィードバック応答の蓋然性及び否定的フィードバック応答の蓋然性を推定するために、統計モデルを使用してよい。統計モデルは、例えば広告される製品又はサービスのカテゴリー、購入者の人口統計、別の同種の製品又はサービスの広告の追跡記録、及び、同じ広告主からの別の広告におけるユーザフィードバック応答など、種々の要素を考慮にいれてよい。
【0058】
一実施形態において、式(2)におけるユーザ達からの肯定的フィードバック応答の実際の数P(TU)
xと、ユーザ達からの否定的フィードバック応答の実際の数P(TD)
xは、モディファイヤを取得するために、ユーザ達からの肯定的フィードバック応答の予測数eP(TU)
xと、ユーザ達からの否定的フィードバック応答の予測数eP(TD)
xに置き換えられる。統計モデルは、また、フィードバック応答の数が少ないときにも使用されてよい。統計モデルは、例えば広告される製品又はサービスのカテゴリー、購入者の人口統計、別の同種の製品又はサービスの広告の追跡記録、及び、同じ広告主からの別の広告におけるユーザフィードバック応答など、種々の要素と同様に、ユーザから以前に受信したフィードバック応答を考慮に入れる。
【0059】
その他の種々の式及び要素が、モディファイヤを取得するために適用されてよい。例えば、肯定的/否定的フィードバック応答の数を使用する代わりに、否定的フィードバック応答のパーセンテージ及び肯定的フィードバック応答のパーセンテージが、モディファイヤを計算するために使用されてよい。
【0060】
総価値計算機282は総価値を計算する。総価値は、オンラインサービスプロバイダへの広告料(すなわち収集された広告料)及び広告に対して期待されるユーザの興味の組み合わせである。総価値を計算するために、総価値計算機282は、期待収入計算機274から正規化された期待される収入値276を受信し、且つ、モディファイヤ計算機278からモディファイヤを受信する。一実施形態において、広告の入札価格はCPIで表された期待される収入値になるよう処理される。この実施形態において、或る広告Xに関する調整されたCPIで表された総価値は、下記の式を用いて計算される。
aCPI
x=CPI
x+FM
x .......式(3)
ここで“CPI
x”は或る広告Xに関するCPIであり、“FM
x”は調整されたCPI値のモディファイヤである。
【0061】
広告順位付け機286は、複数の広告の総価値を比較し、且つ、より高い総価値を持つ1以上の広告を選択する。特に、広告順位付け機286は、総価値計算機282から総価値284を受信し、総価値を処理し(必要ならば)、そして、ユーザ110への提示用に、より高い総価値を持つ1以上の広告を選択する。広告順位付け機286は、コンテンツアイテム処理装置250に、選択された広告の索引288を出力する。広告順位付け機286により複数の広告が選択された場合、選択された広告は、コンテンツアイテムの別々の箇所に配置するために優先順位付けされるとよい。すなわち、より高い総価値を持つ広告がコンテンツアイテムのより目立つ位置に配置されるとよい。広告がコンテンツアイテムと別個に送信される一実施形態において、広告選択装置230は、索引に応じた広告を検索し、且つ、選択された広告をユーザ110に送信する。
【0062】
期待収入計算機274、モディファイヤ計算機278、総価値計算機282及び広告順位付け機286は、
図2Bにおいて独立した構成要素として描かれているが、これら構成要素の1以上が単一のモジュールに結合されてよい。また、
図2Bに示す1以上の構成要素は省略されてもよい。例えば、正規化が不要ならば、期待収入計算機274が省略されてよい。
ユーザ装置の一例
【0063】
図3Aは、一実施形態に従い、広告を閲覧し、且つ、広告に関するフィードバック応答を受け入れるためのユーザ装置310を説明するブロック図である。ユーザ装置310は、オンラインサービスコンピューティング装置108からの広告及びコンテンツアイテムを受信し且つ該広告及び該コンテンツアイテムにアクセスするためにユーザによってアクセスされる。ユーザ装置310は、通信能力を持つ種々の装置であってよく、例示に限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、セットトップボックス及びゲーム機を含む。ユーザ装置310は、単一のユーザによって使用される個人用装置(例えば個人用ラップトップコンピュータ)、又は、複数のユーザによって使用される共有/公共装置(例えばインターネットキオスク)であってよい。
【0064】
ユーザ装置310は、スクリーン320、通信モジュール330、中央処理装置340、入力装置350及びメモリ360などの構成要素を備える。ユーザ装置310のこれら構成要素は、バス344を介して互いに接続されている。多数の別の構成要素及び変更がユーザ装置310のハードウェア構成として可能である。
【0065】
スクリーン320はコンテンツアイテムに対応付けられた画像又は文章を表示する。スクリーン320は例えば液晶ディスプレイ(LCD)など種々の表示技術を用いて実施されてよい。
【0066】
中央処理装置340は、メモリ360に記憶されたコンピュータ命令を実行することにより、ユーザ装置310で種々の動作を実行する。中央処理装置340は、スクリーン320、入力装置350、通信モジュール330及びメモリ360とバス344を介して通信して、これら構成要素の動作を制御する。
【0067】
通信モジュール330は、オンラインサービスコンピューティング装置108と通信するために信号を転送及び受信するためのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせである。通信される信号は、コンテンツアイテムに応じたデータ、広告及び広告に対応付けられたユーザのフィードバック応答を含む。
【0068】
メモリ360は中央処理装置340により実行される命令を記憶するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。メモリ360は、例えばRAMなどの揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、又は、それらの組み合わせであってよい。メモリ360は、オペレーティングシステム、ユーザアプリケーション及びサービスインタフェース364などのソフトウェアモジュールを備える。
【0069】
サービスインタフェース364は、オンラインサービスコンピューティング装置108と対話するために中央処理装置340によって実行される命令群のセットである。サービスインタフェース364は、オンラインサービスコンピューティング装置108にコンテンツアイテムに関する要求を送信し、その要求に応じてコンテンツアイテム及び/又は広告を受信し、そして、ユーザにコンテンツアイテム及び/又は広告を提示する。サービスインタフェース364は、また、受信された広告についてのフィードバック応答に伴うユーザ入力を受け入れて、そのユーザフィードバック応答をオンラインサービスコンピューティング装置108に送信する。
【0070】
一実施形態において、サービスインタフェース364は、インターネットブラウザとして実施される。サービスインタフェース364は、コンテンツアイテムを受信し、且つ、例えば
図3Bを参照して以下に詳細に説明するようなグラフィカルユーザインタフェース画像を表示する。別の実施形態において、サービスインタフェース364は、メディアコンテンツアイテムを取り込みユーザに提示するためのアプリケーション(例えばメディアプレイヤ)として実施される。サービスインタフェース364は、広告を受信して、例えば
図3Cを参照して以下に詳細に説明するようなサービスインタフェース364のグラフィカルユーザインタフェースにより占められているスクリーンの一部領域に広告を表示する。
広告を表示してフィードバック応答を受けるユーザインタフェースの一例
【0071】
図3Bは、一実施形態に従い、インターネットブラウザにより取り込まれて表示されるコンテンツアイテムを説明するグラフィカルユーザインタフェース画像である。
図3Bのコンテンツアイテムは、多数のユーザにより投稿され共有された種々のメディアコンテンツアイテムを供給するオンラインソーシャルネットワーキングサービスから受信されたものである。ユーザコンテンツアイテムは、ナビゲーション領域380、ニュースフィード表示領域382及び広告領域384を備える。ナビゲーション領域380は、ユーザがオンラインサービスにより提供される別のサービスに移動できるようにする。種々のタブ(例えば“ニュースフィード”、“アプリケーション”、“写真”、“リンク”、“ビデオ”、“もっと見る”)がクリックされると、ブラウザは、クリックされたタブに応じたコンテンツアイテムを要求する要求をオンラインサービスコンピューティング装置108に送信して、且つ、受信されたコンテンツアイテムを処理することによりスクリーン上に画像を表示する。
【0072】
ニュースフィード表示領域382は、オンラインサービスコンピューティング装置108経由でコンテンツを共有しているユーザ又は「友達」により供給されたニュースフィードを表示する。コンテンツアイテム370にアクセスするユーザ「ジョー・スミス」は、友達として「ジュリエッタ」と「サブラ‐アンヌ」を持っており、ユーザインタフェース領域371にメッセージを入力すること又はメディアファイルを追加することにより、これら友達とメッセージやメディアファイル(例えば画像又はビデオファイル)を供給できる。ソーシャルネットワーキングサービスにおけるニュースフィードのアップロード及び表示は、例えば、「ソーシャルネットワーキング環境におけるメンバーの対話に基づくメディアコンテンツのニュースフィードの通信」と題された、2006年8月11日に出願された米国特許出願11/503,242号に記載された通りに実行できる。なお、この出願は参照によりそのまま本出願に組み込まれる。
【0073】
広告領域384は、3つの広告372A、374A及び376Aを表示する。各広告の下には、フィードバック応答アイコンが表示される。特に、各領域372B、374B及び376Bは、好意的又は肯定的フィードバック応答を示す“サムアップ”アイコン及び好意的でない又は否定的フィードバック応答を示す“サムダウン”アイコンを含む。ユーザが“サムアップ”又は“サムダウン”をクリックしたとき、インターネットブラウザは、オンラインサービスコンピューティング装置108に、ユーザからの肯定的又は否定的フィードバック応答を示す信号を送信する。以前に別のユーザから受信した肯定的又は否定的フィードバック応答の数もまた、領域372B、374B及び376B内の“好き”及び“嫌い”文字に隣接して表示される。
【0074】
図3Bに示すコンテンツアイテムは例示に過ぎない。他の種々のレイアウトの他の種々のコンテンツアイテムが、インターネットブラウザ320を用いてスクリーン320に表示されうる。例えば、インターネットブラウザによりアクセスされるコンテンツアイテムは、検索語に対する検索結果、オンラインニュース記事及びオンラインショッピングに関する情報を含む。
【0075】
図3Cは、一実施形態に従い、広告を表示するメディアプレイヤーのためのグラフィカルユ^−ザインタフェース画像である。
図3Bの実施形態とは異なり、
図3Cの実施形態は、例えばMP3等のメディアファイルを再生するメディアプレイヤーを伴うものである。メディアプレイヤーのユーザインタフェース386は、タイトルボックス392、制御ボックス388、広告ボックス394及び広告評価ボックス390を備える。タイトルボックス392は、メディアプレイヤーで現在再生中のメディアファイルのタイトルを表示する。制御ボックス388は、メディアプレイヤーの各種動作を制御するための制御アイコンを備える。広告ボックス394はオンラインサービスコンピューティング装置108から受信された広告を表示する。広告評価ボックス390は、領域394で表示された広告に対するユーザフィードバック応答を受け入れるために使用される。
【0076】
領域394で表示された広告は、オンラインサービスコンピューティング装置108から選択及び受信されたものである。広告を閲覧するユーザは、領域394で表示された広告に否定的又は肯定的フィードバック応答を供給するために、1〜5の数字のうち任意の1つをクリックしてよい。数字“1”は、最も否定的なフィードバック応答を示す。数字が増すに連れて、フィードバック応答は漸次肯定的になる。数字“5”は、最も肯定的なフィードバック応答を示す。メディアプレイヤーにてユーザフィードバック応答が受け取られた後、メディアプレイヤーはオンラインサービスコンピューティング装置108に、領域394で表示された広告に対するユーザフィードバック応答を示す信号を送信する。
【0077】
一実施形態において、ユーザインタフェース386に表示された広告は、オンラインサービスコンピューティング装置108から受信されたコンテンツアイテムに含まれる。この実施形態において、メディアプレイヤーは、コンテンツアイテムから広告を抽出し、且つ、領域394に広告を表示する。変形例として、広告がコンテンツアイテムとは別個に受信されてもよい。すなわち、高校はコンテンツアイテムに埋め込まれず、オンラインデータとは別個のデータとして受信される。
【0078】
図3Cに示すメディアプレイヤーのためのユーザインタフェースは、例示に過ぎない。他の種々のユーザインタフェースが、広告を表示し、且つ、表示された広告に対するユーザフィードバック応答を受け入れるために使用しうる。更に、
図3Cはメディアプレイヤーに関して説明されたが、別の実施形態は、別のアプリケーションに広告を配置してもよいし、或いは、表示された広告に対するユーザフィードバック応答を受け入れるために異なる機構を使用してもよい。
広告を選択又は優先順位付けする処理例
【0079】
図4は、一実施形態に従い、ユーザ110に提示するために広告を選択又は優先順位付けする処理を示すフローチャートである。ステップ402において、広告選択装置230は、広告データベース220から広告に対応付けられた情報を受信する。広告選択装置230にて受信される情報は、例えば、広告の索引、広告に対応付けられた期待される収入値、広告に対して以前に収集されたユーザフィードバック応答、及び、広告に対応付けられた統計データを含む。
【0080】
ステップ406において、広告選択装置230は、広告に関連付けられた期待される収入値を正規化する。期待される収入値は、例えばCPIとCPAなど種々の価格体系で示される。広告選択装置230は、期待される収入値を、1つの統合された価格体系のもとに正規化された期待される収入値(例えばCPI)に変換することにより、種々の価格体系で示された期待される収入値を正規化する。
【0081】
ステップ410において、広告選択装置230は、広告に対して期待されるユーザの興味を示すモディファイヤを計算する。一実施形態において、或る広告のモディファイヤは、(i)その広告に関する肯定的ユーザフィードバック応答の数に係数を乗算することにより第1の値を取得すること、(ii)その広告に関する否定的ユーザフィードバック応答の数に別の係数を乗算することにより第2の値を取得すること、及び、(iii)第1の値から第2の値を減算することにより、計算される。より高いモディファイヤは、ユーザにとっての広告のより高い価値を示す。
【0082】
ステップ414において、広告選択装置230は、正規化された期待される収入値とモディファイヤに基づいて総価値を計算する。一実施形態において、総価値は、モディファイヤに正規化された期待される収入値を加算することにより得られる。
【0083】
ステップ418において、広告選択装置230は、広告の総価値に基づいて、ユーザに提示するために広告を選択及び優先順位付けする。一実施形態において、広告選択装置230は、より高い総価値を持つ1以上の広告を選択する。
【0084】
選択された広告は、ステップ424において、ユーザに送信される。一実施形態において、選択された広告はコンテンツアイテムに含められ、そしてユーザに送信される。別の実施形態では、広告は、コンテンツアイテムとは別個に分けてユーザに送信される。
【0085】
ユーザに広告を提示した後、フィードバック応答評価装置260は、ステップ426において、ユーザから広告についてユーザフィードバック応答を受信する。そして、フィードバック応答評価装置260は、ステップ430において、ユーザから受信したユーザフィードバック応答に基づいて、ユーザに提示された広告のモディファイヤを更新する。そして、処理はステップ414に戻り更新されたモディファイヤに基づいて総価値を計算して、後続のステップ418〜426の処理を繰り返す。
【0086】
図4に示した処理手順は例示に過ぎない。例えば、ステップ410における期待される収入値の正規化は、ステップ406のモディファイヤの計算の次に行われてもよい。更に、幾つかの処理を省略してもよい、例えば、広告データベース220に記憶されている全ての期待される収入値が同じ価格体系で表されている場合には、期待される収入値を正規化する処理を省略できる。
【0087】
一実施形態において、ユーザフィードバック応答を受信すること及びモディファイヤを更新することはリアルタイムに実施される。オンラインサービスコンピューティング装置108は、モディファイヤの変更を直ちに遂行して、変更されたモディファイヤを広告の選択又は優先順位付けに反映する。別の実施形態において、ユーザから受信しフィードバック応答は記憶され、所定期間毎に、複数の広告のモディファイヤを更新するように一括処理される。
【0088】
一実施形態において、広告はオンラインサービスコンピューティング装置108とは別の装置から受信される。オンラインサービスコンピューティング装置108は、ユーザに提示されるべき広告を決定し、且つ、前記広告の識別子をユーザ装置310に送信する。識別子の受信に応じて、ユーザ装置310は、広告を記憶している装置から前記識別子に対応する広告を検索する。
広告順位付けに基づく料金計算
【0089】
或る広告を提示するために広告主に請求される実際の広告料は種々の方法で計算できる。一実施形態において、或る広告が、式(1)〜式(3)を参照して詳細に説明されたaCPI
xに基づいて順位付けされた後、広告主に請求される料金fCPIは、下記の式を用いて、CPIの値で計算される。
fCPI(i) = CPI(i+1)+FM(i+1)-FM(i) .....式(4)
ここでiはaCPI
xに基づく広告の順位を示し(より低いiが広告に対するより高い優先順位を示す)、CPI(i+1)はi+1に順位付けられたCPIの値を示し、FM(i+1)はi+1に順位付けられたFMの値を示し、そして、FM(i)はiに順位付けられたFMの値を示す。広告主がCPIの値に基づいて広告に対する価格で値段を付ける場合、式(4)は、入札価格よりも少なく広告主が請求されることを保証する。
【0090】
特に、広告がaCPIの値に基づいて順位付けされているので、下記の式が適用される。
aCPI(i) = CPI(i)+FM(i) > aCPI(i+1) = CPI(i+1)+FM(i+1) ...式(5)
したがって、式(5)から下記の式が導かれる。
CPI(i) > CPI(i+1)+FM(i+1)−FM(i) = fCPI(i) ....式(6)
式(6)は、i番目の広告の広告主が入札価格CPI(i)よりも低いfCPI(i)請求されること示す。fCPI(i)に基づいて広告主に請求される料金を調整することは、ユーザにとって価値又は興味のある広告に対してより小額を広告主が請求されるため、ユーザにとってよりいっそう価値又は興味のある広告を登録することを広告主に促すことに有利である。言い換えれば、オンラインサービスプロバイダは、ユーザにとっての価値又は興味のある広告を、広告主の広告料を減らすという形で、支援する。
【0091】
別の実施形態では、広告主は入札CPI値から調整しない広告料を請求される。すなわち、広告主は単に各広告に対して登録した入札価格で請求される。
【0092】
この発明の技術は種々の技術を用いて実装されうることは理解されるべきである。例えば、本明細書に記載された複数の方法は、コンピュータシステムで実行されるソフトウェアにより実装されてもよいし、又は、マイクロプロセッサ又はその他の特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)のいずれかを用いるハードウェア、プログラム可能な論理装置、又は、それらの種々の組み合わせにより実装されてもよい。特に、本明細書に記載された複数の方法は、適宜のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に存在するコンピュータ実行可能な一連の命令により実装される。適宜のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性(例えばRAM)及び/又は不揮発性(例えばROM、ディスク)メモリなどを含む。
【0093】
上述の本発明の実施形態は、例示と説明の目的で開示されたものである。それらは、本発明を開示内容で全て網羅すること、又は、限定することを意図していない。したがって、発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により規定されるものであり、上述の開示内容により規定されるのではない。