(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5695718
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】獣害防止用線条及び侵入防止柵
(51)【国際特許分類】
A01M 29/30 20110101AFI20150319BHJP
【FI】
A01M29/30
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-215383(P2013-215383)
(22)【出願日】2013年10月16日
【審査請求日】2013年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】513260029
【氏名又は名称】櫻井 通夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 通夫
【審査官】
坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−41588(JP,U)
【文献】
実公昭47−17736(JP,Y1)
【文献】
米国特許第2777171(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状の金属線と、
前記金属線に固定された釣り針状をなす、複数の鉤部材と、を備える獣害防止用線条。
【請求項2】
前記鉤部材に、カエリ部が形成されている請求項1記載の獣害防止用線条。
【請求項3】
前記複数の鉤部材の針先が、前記金属線の軸方向に沿ってそれぞれ互いに同じ方向を向くように配置されている請求項1又は2記載の獣害防止用線条。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の獣害防止用線条を用いた侵入防止柵。
【請求項5】
請求項3記載の獣害防止用線条を複数備え、
隣り合う前記獣害防止用線条が、それらの鉤部材の針先が互いに反対向きに配置されている侵入防止柵。
【請求項6】
隣り合う前記獣害防止用線条が、撚られて束ねられている請求項5記載の侵入防止柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣等の侵入防止に用いられる獣害防止用線条及び侵入防止柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、安全上、防犯上又はその他の観点から山間部における住宅地、菜園又は田畑等に鹿、猿、イノシシ等の獣類、或は、人が侵入することがないように、有刺鉄線等を用いて、前記有刺鉄線に接触することにより激痛を感じさせてその場から退散させる、いわゆる侵入防止柵が設置されている(特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、従来の有刺鉄線を用いた侵入防止柵では、硬い毛に覆われている、又は、皮の厚い獣等に対して、無理に突き破られてしまうなど、侵入防止効果が低い。したがって、従来の有刺鉄線を用いた侵入防止柵では、獣類等に住宅地、菜園又は田畑等へ侵入されてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−24230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、硬い毛に覆われている、又は、皮の厚い獣等に対しても侵入防止効果の高い侵入防止柵に用いられる獣害防止用線条を提供することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る獣害防止用線条は、線状の金属線と、前記金属線に固定された釣り針状をなす、複数の鉤部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように構成した獣害防止用線条によれば、前記獣害防止用線条に獣等が接触した場合に、突き刺さる又は引っ掛かる前記鉤部材が釣り針状をなすので、前記鉤部材が獣等に一度刺さる又は引っ掛かれば、容易に外れず、獣等を動けなくすることができる。
【0008】
前記鉤部材に、カエリ部が形成されていることが望ましい。
これならば、前記鉤部材が獣等に一度刺さる又は引っ掛かった場合に、より外れにくくすることができる。
【0009】
前記複数の鉤部材の針先が、前記金属線の軸方向に沿ってそれぞれ互いに同じ方向を向くように配置されていることが望ましい。
これならば、前記獣害防止用線条の製造にかかる手間を少なくすることができる。
【0010】
前記獣害防止用線条を複数備えた侵入防止柵であって、隣り合う前記獣害防止用線条が、互いに反対向きに配置されていることが望ましい。
これならば、獣等が前記侵入防止柵に対して近づいてくる方向を問わず、効率よく前記鉤部材が獣等に刺さる又は引っ掛かけて、獣等を動けなくすることができる。
【0011】
隣り合う前記獣害防止用線条が、撚られて束ねられていることが望ましい。
これならば、前記獣害防止用線条を束ねるので、前記侵入防止柵の強度を高めることができる。また、これならば、獣等が前記侵入防止柵に対して近づいてくる方向を問わず、効率よく前記鉤部材が獣等に刺さる又は引っ掛かけて、獣等を動けなくすることができる。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、硬い毛に覆われている、又は、皮の厚い獣等に対しても侵入防止効果の高い侵入防止柵に用いられる獣害防止用線条を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態における獣害防止用線条の構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態における獣害防止用線条の構成を示す断面図。
【
図3】同実施形態における獣害防止用線条を用いた侵入防止柵の構成を示す図。
【
図4】変形実施形態における獣害防止用線条の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明に係る獣害防止用線条の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
本実施形態に係る侵入防止柵100に用いられる獣害防止用線条10は、
図1に示すように、線状の金属線1と、金属線1に固定された複数の鉤部材2とを備える。
【0016】
金属線1は、強度及び耐久性に優れている材料により構成されていることが望ましく、例えば鋼やステンレス等を用いることが考えられる。また、金属線1の長さ及び径は、侵入を防止したい対象や、用途に応じて適宜選択されれば良い。例えば、小動物の侵入を防ぎたいのであれば金属線1の径は小さくても良いが、イノシシ等の大きな獣の侵入を防ぎたいのであれば金属線1の径は大きいほうが好ましい。
【0017】
鉤部材2は、略U字状、より具体的には釣り針状をなすものである。本実施形態では鉤部材2は、カエリ部2Aを有する。また、鉤部材2は、金属材料により構成されている。具体的には、鋼やステンレス等を用いることが考えられる。さらに、鉤部材2は、一端が金属線1に溶接されることにより金属線1に固定されている。加えて、本実施形態では、複数の鉤部材2の針先2Bが、金属線1の軸方向に沿ってそれぞれ互いに同じ方向を向くように配置されている。ここで、鉤部材2は、
図2(B)に示すように、断面十字状にして強度を上げるような形状であっても良い。
【0018】
また、鉤部材2は、
図1及び
図2(A)に示すように、正面視において金属線1の上下に固定されている。ここで、鉤部材2の他の形態としては、
図2(B)に示すように、正面視において金属線1の一方向のみ、例えば下側のみに固定されているものであっても良いし、
図2(C)に示すように、断面視においてそれぞれが三角形の頂点に位置するように固定されているものであっても良い。また、複数の鉤部材2の針先2Bが、金属線1の軸方向に沿ってそれぞれ異なる方向を向くように配置されているものであっても良い。
【0019】
上記のように構成された獣害防止用線条10を用いた侵入防止柵100は、
図3に示すように、複数の獣害防止用線条10と、支柱11とを備え、隣り合う獣害防止用線条10が、互いに反対向きに配置されている。ここで、侵入防止柵100における獣害防止用線条10の本数及びその配置は、侵入を防止したい対象や、用途に応じて適宜設定されれば良い。
【0020】
このように構成した獣害防止用線条10を用いた侵入防止柵100によれば、獣害防止用線条10に獣等が接触した場合に、突き刺さる又は引っ掛かる鉤部材2が釣り針状をなすので、鉤部材2が獣等に一度刺さる又は引っ掛かれば、容易に外れず、獣等を動けなくすることができる。また、鉤部材2がカエリ部2Aを有するので、鉤部材2が獣等に一度刺さる又は引っ掛かった場合に、より外れにくくすることができる。さらに、複数の鉤部材2の針先2Bが、金属線1の軸方向に沿ってそれぞれ互いに同じ方向を向くように配置されているので、獣害防止用線条10の製造にかかる手間を少なくすることができる。加えて、隣り合う獣害防止用線条10が、互いに反対向きに配置されているので、獣等が侵入防止柵100に対して近づいてくる方向を問わず、効率よく鉤部材2を獣等が刺さる又は引っ掛かけて、獣等を動けなくすることができる。
【0021】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図4に示すように、隣り合う獣害防止用線条10が、撚られて束ねられているものであっても良い。これならば、獣害防止用線条10を束ねるので、侵入防止柵100の強度を高めることができる。
【0022】
また、獣害防止用線条10の用途は侵入防止柵100に限られず、例えば、果樹等の幹に巻きつけたり、棒に巻きつけたりするなどして、獣類、又は、人の侵入を防止するものであっても良い。
【0023】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0024】
100・・・侵入防止柵
10 ・・・獣害防止用線条
1 ・・・金属線
2 ・・・鉤部材
【要約】
【課題】硬い毛に覆われている、又は、皮の厚い獣等に対して侵入防止効果の高い侵入防止柵に用いられる獣害防止用線条を提供する。
【解決手段】線状の金属線1と、金属線1に固定された釣り針状をなす、複数の鉤部材2とを備える。
【選択図】
図1