(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に説明される実施形態の一部又は全てを示すことができる、図面の説明を含む、次の特定の詳細及び実装形態の説明、並びに本発明の概念の他の潜在的な実施形態又は実装の説明が、本明細書に提示される。本発明の実施形態の概要が以下に与えられ、その後に図面を参照してより詳細な説明が続く。
【0007】
本発明の実施形態は、二輪車両により使用される四辺形フレームを説明する。四辺形フレームは、前後の垂直組立体と、上下の折りたたみ可能水平組立体と、を含み、水平組立体は、垂直方向に折り畳むことができる。四辺形フレームの水平組立体を折り畳むことにより、車両が占める空間が大幅に縮小することを理解すべきである。
【0008】
図1は、本発明の実施形態による車両フレームを示す。本実施形態において、四辺形フレーム100は、(以下に説明する、部分的に又は完全に折り畳まれた状態とは対照的に)完全に展開されている。本実施形態において、四辺形フレーム100は、相対的に垂直方向の組立体110及び120と、相対的に水平方向の組立体130及び140とを有する相対的に正方形のフレームである。「垂直」及び「水平」組立体への言及は、第1及び第2の組の対向する組立体を識別するためのものにすぎないことを理解すべきである。他の実施形態において、四辺形フレーム100の配向及び形状は、各々の組立体が相対的に「水平」でも相対的に「垂直」でもないようにすることができる。従って、他の実施形態においては、フレームは、第1及び第2の組の対向する(例えば、向かい合い且つ平行な)組立体を有する任意の四辺形の形状とすることができる。
【0009】
水平組立体130及び140は、それぞれ、中央ブラケット部分135及び145を含む。本実施形態において、中央ブラケット部分135及び145の各々は、それぞれの水平組立体の中間点にあり、以下に説明されるように、どちらも各組立体を上向きに折り畳むことを可能にする。
【0010】
フレーム100は、レバー170をさらに含む。本実施形態においては、以下に説明されるように、レバー170に下向きの力をかけることにより、少なくとも部分的に水平組立体130の折り畳みが可能になる。
【0011】
フレーム100は、一連の配置された仮想平行四辺形サブリンク装置、具体的にはリンク装置101−106により定められ、制約される。フレーム100の各四分円は、仮想平行四辺形サブリンク装置101−106の1つを含む。これらのサブリンク装置は、垂直組立体110及び120、並びに中央ブラケット135及び145を通して関連付けられる。本実施形態において、各々の垂直組立体は、固定関係の平行四辺形(即ち、仮想平行四辺形サブリンク装置101及び104)を与える。
【0012】
以下に説明するように、フレーム100は、共通の仮想脚部又はリンク装置199を共有する2つの連結された平行四辺形180及び190を介して折れ曲がる(即ち、平行四辺形180は、仮想平行四辺形リンク装置101−103及び仮想脚部199により形成され、一方、平行四辺形190は、仮想平行四辺形リンク装置104−106及び仮想脚部199により形成される)。
【0013】
1つの実施形態において、以下に説明されるように、平行四辺形180及び190は、水平組立体130内に含まれる歯車付きサブ組立体のために、鏡像関係で挙動する。歯車付きサブ組立体は、(組立体110及び130により形成される)角度150及び(組立体120及び130により形成される)角度155を、フレームの全ての状態(即ち、展開状態と折り畳み状態の中間及び展開状態と折り畳み状態を含む任意の状態)において、互いに等しい状態に保持する。
【0014】
本実施形態において、フレーム100が中立位置(即ち、展開状態)にある一方、仮想サブリンク装置101−106は、垂直軸(例えば、仮想脚部199)に対して鏡像になっているが、水平軸に対しては必ずしもそうではなく、即ち、仮想サブリンク装置101は仮想サブリンク装置104の鏡像であり、仮想サブリンク装置102は仮想サブリンク装置105の鏡像であり、仮想サブリンク装置103は仮想サブリンク装置106の鏡像である。
【0015】
しかしながら、この仮想サブリンク装置は、水平軸から等距離でコピーされ、パターン化される。本実施形態において、最小の有効なリンク装置は、正方形の2つの対向するコーナー部の接続部(又は45−45−90の三角形のより大きい脚部)により定められることに留意することが重要である。しかしながら、代替的な実施形態においては、折り曲げ機構は、任意の四辺形の対向するコーナー部により定められる有効なサブリンク装置により再現することができる。
【0016】
図2は、本発明の実施形態による部分的に折り曲げられた即ち折り畳まれた車両フレームの図である。本実施形態において、フレーム100の部分的な折り畳みは、少なくとも部分的に、レバー170にかけられた下向きの力270により開始される。
【0017】
この図において、鏡像的リンク装置の幾何学的形状(即ち、平行四辺形280及び290)により、垂直組立体110及び120を常に平行のまま保持されることが明らかである。この部分的折り畳み状態において、平行四辺形280及び290と併せて、サブリンク装置101及び104を除く全ての仮想サブリンク装置(即ち、仮想サブリンク装置202、203、205及び206)が、
図1に対して変化している。
【0018】
以下に説明されるように、平行四辺形280及び290は、水平組立体130内に含まれる歯車付きサブ組立体によって、鏡像関係で挙動する。上述のように、歯車付き組立体は、(組立体110及び130により形成される)角度150及び(組立体120及び130により形成される)角度155を、常に互いに等しい状態に保持する。
【0019】
図3は、本発明の実施形態による個々の仮想サブリンク装置の図である。本実施形態において、小さい仮想リンク装置310及び330は、2つの他の小さい仮想リンク装置320及び340とそれぞれ直接的及び固定した関係を有する。従って、仮想サブリンク装置202及び203は、仮想サブリンク装置101及び仮想脚部199と等しく、従って平行四辺形280を形成する。
【0020】
本実施形態において、小さいリンク装置330は、その鏡像的相手方である小さいリンク装置340にしっかりと連結され、それにより、固定された一定の等脚台形350が生成される。従って、仮想リンク装置202は、仮想リンク装置205と(
図1−
図2に見られるように)一定の鏡像関係を有する。
【0021】
さらに、垂直組立体110が一定の長さ及び固定位置を有するものであるため、小さいリンク装置310及び320は、同じ長さ及び平行であり、かつ固定位置を有する。従って、仮想リンク装置101は、展開状態と折り畳み状態との間でフレーム100の種々の段階全体を通して一定である。
【0022】
図4は、本発明の実施形態による部分的に折り曲げられた即ち折り畳まれた車両フレームの図である。本実施形態において、フレーム400は、
図2で説明された部分的に折り畳まれたフレーム100と同様である(従って、同じ仮想リンク装置を含む)。本実施形態において、付加的な垂直組立体450が水平組立体130及び140に結合されて、支援された折り曲げに対する機械的倍率を与える。レバー170に下向きの力270を印加することにより、力が水平組立体130及び140の両方に印加され、それによって、
図1−
図2において説明された実施形態と比較して、折り曲げ機構に機械的倍率が付加される。
【0023】
図5は、本発明の実施形態による折り畳まれた車両フレームの図である。本実施形態において、水平組立体130(図示せず)及び140(部品140a及び140bに示される)が完全に折り曲げられているため、フレーム400は完全に折り曲げられている。前述の車両フレームと同様に、仮想サブリンク装置502は仮想サブリンク装置505の鏡像となり、一方、仮想サブリンク装置503は仮想サブリンク装置506の鏡像となる。
【0024】
図6aは、本発明の実施形態による平行リンク装置サブシステムの図である。平行四辺形リンク装置サブシステム600は、上述のいずれかの水平組立体内に含ませることができる。サブシステム600は、フレーム全体(例えば、上述のフレーム100及び400)の間違った方向への折り曲げ及び「過剰折り曲げ(over−folding)」を防ぐための機械的停止部を与える。
【0025】
1つの実施形態において、水平サブコンポーネント620の面625は、それぞれのフレームが中立(即ち、折り曲げられていない)位置にあるとき、相手方の水平サブコンポーネント610の面615と接触又は接続する。本実施形態は、中央ブラケット145が所望の位置より下に移動することを防ぐ(即ち、本実施形態は、フレームが誤った方向に折り曲げられることを防ぐ)ことを理解すべきである。完全に折り曲げられた位置における水平サブコンポーネント(
図5に示される要素140a及び140b)の接続も、同様に、それぞれのフレームの「過剰折り曲げ」を防ぐことを理解すべきである。幾つかの実施形態において、車両の水平サブコンポーネントは、望ましくない折り曲げを防ぐロック機構によりさらに補強される。
【0026】
図6bは、本発明の実施形態による歯車付きリンク装置サブシステムの図である。歯車付きリンク装置サブシステム690は、上述のいずれかの水平組立体内に含ませることができる。本実施形態において、水平サブコンポーネント660、665の各々は、上述の一定の仮想サブリンク装置を維持するように設計された歯車付き組立体である。この歯車付き組立体は、それぞれの水平組立体について、折り曲げ角度(例えば、
図1−
図2における角度150及び155)が不均等になるのを防ぐ。
【0027】
図7aは、本発明の実施形態による操舵(steering)システムの図である。1つの実施形態において、折りたたみ可能フレームは、右ハンドル・バー700と左ハンドル・バー705とを含む。本実施形態において、右ハンドル・バー700に前向きの力を印加すると、前輪760が(運転者から見て)反時計周りに回転し、つまり車両を左に旋回させ、左ハンドル・バー705に前向きの力を印加すると、前輪770は(運転者から見て)時計回りに回転し、つまり車両を右に旋回させる。
【0028】
上述の操舵機能は、ハンドル・バー700及び705から、それぞれの小さいブラケット710及び715への有向リンクを介して達成される。直線リンク装置720及び725の各々は、それぞれ端部にピボットを含み、各々が、それぞれ機械的倍率ブラケット710及び715に結合される。直線リンク装置はさらに、それぞれ、クレビス730及び735に結合される。クレビスの各々は、さらに、ピボット・ブロック740に結合される。このブロックはさらに、フォーク750(前輪760に結合される)に結合される。従って、操舵トルクは、以下のように、ハンドル・バー(700、750)から機械的倍率ブラケット(710、715)へ、次いでクレビス(720、725)、そしてピボット・ブロック740、フォーク750へと伝達される。
【0029】
上述の操舵システムの幾何学的形状は、ハンドル・バー700及び705の位置と併せて、フレームが折り曲げ及び展開される際に、操舵用コンポーネントが、妨害されないままであることを可能にする。
図7bに示されるように、ピボット・ブロック740の中心(クレビス720及び725の回転軸とフォーク750の接続軸との交差部により定められる)が、折り曲げフレームのピボット点780と位置合わせされる。ハンドル・バー700及び705は、フレームの全ての状態(即ち、折り畳み状態と展開状態との間及び折り畳み状態と展開状態とを含む任意の状態)においてピボット点780から一定距離に保持されるピボット点790において操舵システムに接続される。従って、クレビスのピボット・ブロック740の中心と、機械的倍率ブラケット710の下部ピボット軸と、機械的倍率ブラケット710の上部ピボット軸との間に、三角関係が形成される(同様に、三角関係は、クレビスのピボット・ブロック740の中心と、機械的倍率ブラケット715の下部ピボット軸と、機械的倍率ブラケット715の上部ピボット軸との間にも形成される)。この三角関係は、フレームの全ての状態において一定であり、従って、上述の操舵システムは、フレームの全ての状態において、機能的であり、かつ、フレームと幾何学的に一致する。また、折り曲げが開始されると、この幾何学的形状により、前輪760自体が中立位置に位置合わせされ得る。
【0030】
図8は、本発明の実施形態による操舵システムを示す。本実施形態において、操舵システムは、前輪890を旋回させるためのハンドル・バー810を含む。ハンドル・バー810は、取り付け支柱830を介して、折りたたみ可能組立体800の水平リンク装置820に結合することができる。この取り付け支柱は、ハンドル・バー810と共にピボット回転することができ、さらに、第1のカスタム・マルチピボット・コネクタ840にも結合される。このマルチピボット・コネクタは、操舵カラム860に結合された第2のマルチピボット・コネクタ850にさらに結合することができる。従って、ハンドル・バー810に印加された力は、上述のコンポーネントを介して前輪890に伝達される。組立体800が(上述のように、対向する水平組立体と併せて)折り曲げられる一方、ハンドル・バー810は、ピボット回転する水平部材に常に接続されたままであり、従って、妨げられないフレームの折り曲げが可能になることを理解すべきである。
【0031】
図9は、本発明の実施形態による車両を示す。本実施形態において、車両900は、(上述の完全に折り畳まれた状態又は完全に展開された状態とは対照的に)ここでは部分的に折り畳まれた状態で示される四辺形フレーム905を含む。本実施形態において、四辺形フレーム905は、垂直組立体910、920と、水平組立体930、940とを含む。本実施形態において、四辺形フレーム905は、完全に展開されると矩形の形状を有し、水平フレーム930及び940の各々は、それぞれ垂直組立体910及び920より長い。
【0032】
水平組立体930及び940の各々は、それぞれ組立体の折り曲げ(即ち、折り畳み)を可能にするブラケット935及び945を含む。本実施形態において、ブラケット935及び945の各々は、それぞれ水平組立体の中間点にあり、共に、各組立体を上向きに折り畳むことを可能にする。幾つかの実施形態において、車両900は、フレーム905を展開した状態又は折り曲げた状態に維持するのを助けるロック機構をさらに含む。
【0033】
車両900はまた、レバー950も含む。本実施形態において、レバーに下向きの力を印加すると、少なくとも部分的に、水平組立体930及び940の折り畳みができるようになる(組立体の折り畳みは、さらに、ユーザがハンドル・バー950及び955に上向きの力を印加することによりできるようになる)。1つの実施形態において、車両900は、レバー950の反対側に、独立して動作できる又はレバー950に結合できる第2のレバーを含む。
【0034】
車両900が上述のように(例えば、
図5におけるように)完全に折り曲げられると、中央空間つまり空隙960がなくなる。幾つかの実施形態において、フレーム905の水平組立体及び垂直組立体は、空隙960が適当なサイズの荷物を収容できるように、一定の長さのものとすることができる。
【0035】
車両900は、フレーム910に各々結合された前輪970と後輪975とをさらに含むことができる。本実施形態において、前輪970は垂直組立体910に結合され、後輪975は垂直組立体920及び水平組立体930の両方に結合される。他の実施形態においては、前輪970及び後輪975は、車両フレーム905の異なる部品及び位置に結合できることを理解すべきである。本実施形態において、前輪970及び後輪975は、全ての車両の状態において、車両900を支持する。他の実施形態において、およそ90度回転させると、レバー950は車両900の中央スタンドとして動作することができる(即ち、後輪975は地面から持ち上げられる)。
【0036】
車両900は、後輪975を駆動させるための、シート990の下に配置されるモータ980をさらに含む。1つの実施形態において、モータ980は、フレーム905の運動(即ち折り畳み性)に影響を与えないように垂直組立体920内に含まれる。
【0037】
当業者であれば、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく、説明される実施形態に多数の修正及び変更を行い得ることを認識するであろう。もちろん、種々の態様において、本発明の修正の一部は、研究後にのみ明らかになり、他は所定の機械的、化学的、及び電子的な設計事項であることが当業者には明らかであることが理解される。好ましい実施形態のどの単一の特徴、機能又は特性も必須のものではない。他の実施形態が可能であり、それらの特定の設計は特定の用途によって決まる。従って、本発明の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態により限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定められるべきである。
【0038】
方法及びプロセスが、特定の順序又は順番で示されるが、特に断りのない限り、動作の順番を修正することができる。従って、上述の方法及びプロセスは、例としてのみ理解されるべきであり、かつ、異なる順番で行うことができ、幾つかの動作は、並行して行うことができる。さらに、本発明の種々の実施形態において1又はそれ以上の動作を省くことができ、従って、全ての動作が全ての実装形態に必要とされるわけではない。他の処理フローも可能である。