特許第5695754号(P5695754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5695754多数の接触点の真の座標を判定するタッチ装置、及びその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695754
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】多数の接触点の真の座標を判定するタッチ装置、及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150319BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G06F3/041 590
   G06F3/044 124
   G06F3/041 512
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-538034(P2013-538034)
(86)(22)【出願日】2011年2月18日
(65)【公表番号】特表2013-542537(P2013-542537A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】CN2011071097
(87)【国際公開番号】WO2012062062
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2013年5月22日
(31)【優先権主張番号】201010550974.9
(32)【優先日】2010年11月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヨン
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−140465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01〜048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の接触点の真の座標を判定するためのタッチ装置であって、
複数の電極と、
前記電極に接続され、前記電極を走査して前記多数の接触点の未処理の座標を求める通常走査回路と、前記電極を走査して前記多数の接触点の前記未処理の座標から前記多数の接触点のゴースト座標を除外する分割走査回路とを有する走査回路と、
を備え、
前記電極は、第1方向に配置された複数の第1電極と、第2方向に配置された複数の第2電極と、を備え、前記第1方向は前記第2方向と交差しており、
各前記第1電極は、第1A電極と、前記第1A電極から間隔を空け離れている第1B電極と、を備え、
各前記第2電極は、第2A電極と、前記第2A電極から間隔を空け離れている第2B電極と、を備えている、タッチ装置。
【請求項2】
請求項1記載のタッチ装置であって、
前記第1A電極及び前記第1B電極は、前記第2A電極及び前記第2B電極と交差し、複数の交差点及び電極領域を画定する、タッチ装置。
【請求項3】
請求項1記載のタッチ装置であって、
前記第1A電極、前記第1B電極、前記第2A電極および前記第2B電極に接続されたプロセッサを更に備える、タッチ装置。
【請求項4】
請求項3記載のタッチ装置であって、
前記走査回路は、更に、前記第1A電極、前記第1B電極、前記第2A電極、及び前記第2B電極を前記プロセッサに夫々接続する複数のスイッチを備える、タッチ装置。
【請求項5】
請求項1記載のタッチ装置であって、
前記第1電極は前記第2電極から絶縁されている、タッチ装置。
【請求項6】
請求項5記載のタッチ装置であって、
前記第1電極と前記第2電極との間に挟まれた絶縁層を更に備える、タッチ装置。
【請求項7】
請求項5記載のタッチ装置であって、
前記第1電極及び前記第2電極の交差点に位置する複数の絶縁要素を更に備える、タッチ装置。
【請求項8】
請求項1記載のタッチ装置であって、
前記電極は、透明な導電性材料又は金属で形成されている、タッチ装置。
【請求項9】
多数の接触点の真の座標を判定するための方法であって、
(a)通常走査回路により、第1方向及び第2方向の両方で複数の電極を走査して、前記多数の接触点の未処理の座標を検出し、
(b)分割走査回路により、前記電極を走査して前記未処理の座標における前記多数の接触点の真の座標を判定しており、
前記電極は、第1方向に配置された複数の第1電極と、第2方向に配置された複数の第2電極と、を備え、前記第1方向は前記第2方向と交差しており、
各前記第1電極は、第1A電極と、前記第1A電極から間隔を空け離れている第1B電極と、を備え、
各前記第2電極は、第2A電極と、前記第2A電極から間隔を空け離れている第2B電極と、を備えている、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、
前記ステップ(a)において、
前記第1方向及び第2方向の両方で前記多数の接触点に対応する前記電極の自己容量における変動の中心を算出し、
前記中心を交差させることにより前記多数の接触点の未処理の座標を算出する、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、
前記ステップ(a)は、更に、第1方向X又は第2方向Yのいずれかで1つの中心のみが算出されたかを判定し、仮にその場合、未処理の座標は真の座標であり、仮にそうでない場合、前記ステップ(a)において、少なくとも2つの前記中心は前記第1方向及び前記第2方向の両方で算出されたとき、前記未処理の座標は2つのグループに分割され、前記ステップ(b)に移行する、方法
【請求項12】
請求項11記載の方法であって、
前記ステップ(b)は、更に、
(b1)前記分割走査回路により、前記第1A電極を走査し、前記第1A電極上の自己容量における変動の中心を算出し、
(b2)前記分割走査回路により、前記第2A電極を走査し、前記ステップ(b1)で少なくとも2つの前記中心が算出されたとき前記第2A電極上の自己容量における変動の中心を算出し、
(b3)前記ステップで前記中心を有する未処理の座標の前記グループを出力し、
(b2)前記多数の接触点の真の座標とする、
ステップを備える、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、
前記ステップ(b1)は、前記分割走査回路により、複数の第1B電極を走査し、前記第1B電極の自己容量における変動の中心を算出することを備える、方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、
前記ステップ(b2)は、前記分割走査回路により、複数の第2B電極を走査し、前記第2B電極の自己容量における変動の中心を算出することを備える、方法。
【請求項15】
請求項11記載の方法であって、
前記ステップ(b)は、更に、
(b1)前記分割走査回路により、複数の第1A電極を走査し、前記第1A電極の自己容量における変動の中心を算出し、
(b2)前記ステップにおいて、前記中心を有する未処理の座標の前記グループを出力し、
(b1)前記ステップ(b1)で1つの中心のみを算出したとき、前記多数の接触点の真の座標とする、
ステップを備える方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記ステップ(b1)は、前記分割走査回路により、複数の第1B電極を走査し、前記第1B電極の自己容量における変動の中心を算出することを備える、方法。
【請求項17】
多数の接触点の真の座標を判定するための方法であって、
(a)通常走査回路により、第1方向及び第2方向に配置された複数の電極を走査して、前記多数の接触点の未処理の座標を検出し、前記第1方向は前記第2方向に交差しており、
(b)前記第1方向及び前記第2方向の両方で前記多数の接触点に対応する前記電極の自己容量の変動の中心を算出し、前記中心を交差させることで前記多数の接触点の未処理の座標を算出し、
(c)前記ステップ(b)において、前記第1方向又は前記第2方向のいずれかで1つの前記中心のみが算出されたとき、前記未処理の座標を前記多数の接触点の真の座標として出力し、
前記電極は、第1方向に配置された複数の第1電極と、第2方向に配置された複数の第2電極と、を備え、前記第1方向は前記第2方向と交差しており、
各前記第1電極は、第1A電極と、前記第1A電極から間隔を空け離れている第1B電極と、を備え、
各前記第2電極は、第2A電極と、前記第2A電極から間隔を空け離れている第2B電極と、を備えている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ装置に関し、特に、多数の接触点の真の座標を判定するためのタッチ装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、20年間、タッチ技術は、現金自動預払出機(ATMs)のタッチスクリーン、ラップトップコンピュータのトラックパッド、メディアプレーヤーのスクロールウィールのような、多様なコンシューマアプリケーションに応用されている。これらのコンシューマアプリケーションにおいて、タッチ装置の表面に沿って指やスタイラスのような物体がタッチ装置に内蔵されたタッチセンサにより検出され、次の処理に対して電気信号が生成される。
【0003】
抵抗検出型、容量検出型、音波検出型、光検出型などの多くの接触検出型が存在する。容量検出型では、タッチセンサが金属や人体などの導電性物体の接近による容量変化を検出することで位置を検知する。容量性タッチセンサは、投影容量性センサと表面容量性センサとに分類される。投影容量性センサは、格子状の電極パターンを含み、一方、表面容量性センサは連続する導電性シートの周辺に形成された電極を含む。
【0004】
図1a及び図1bは、従来の投影型静電容量式タッチ装置を示している。この投影型静電容量式タッチ装置は、第1方向に配置された複数の第1電極2と、第2方向に配置された複数の第2電極3と、絶縁体4と、基板5と、複数の配線6と、プロセッサ7と、を有している。複数の第1電極2及び複数の第2電極3は、互いに交差し、基板5上に配置された格子パターンを形成している。絶縁体4は、複数の第1電極2と複数の第2電極3との間に挟まれている。プロセッサ7は、配線6により複数の第1電極2及び複数の第2電極3に接続されている。指やスタイラスのような導電性物体が投影型静電容量式タッチ装置1の表面上に接触あるいは移動すると、第1電極2及び第2電極3の自己容量の変動がプロセッサ7に伝達され、そして、プロセッサ7により処理される。自己容量の変動の中心は、投影型静電容量式タッチ装置1における第1方向及び第2方向の接触点の位置を示している。接触点の座標は、第1方向及び第2方向における中心を交差させることで算出される。換言すると、従来の接触点の検出方法においては、(a)第1電極2及び第2電極3を走査し、(b)第1方向及び第2方向における自己容量の変動の中心を算出し、(c)その中心に基づいて接触点の座標を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図2は、2つ接触点G、Hが投影型静電容量式タッチ検出装置1の表面に生じたとき、2つの中心軌跡8a、8bが第1電極2上で算出され、一方、2つの中心軌跡9a、9bが第2電極3上で算出されることを示している。このように、4つの未処理の座標G(8a、9a)、G'(8a、9b)、H'(8b、9a)、H(8b、9b)が4つの中心軌跡8a、8b、9a、9bに基づいて生成される。しかし、これら4つの未処理座標のうち、2つの未処理座標のみが2つの接触点G、Hを示す真の座標である。他の2つの未処理座標は、"ゴースト座標"として定義され、それは所謂"ゴースト点"の座標である。
【0006】
結果として、従来の投影型静電容量式タッチ装置1が多数点を判定する際に、ゴースト座標は、従来の投影型静電容量式タッチ検出装置のその判定処理において不可避的に発生し、そのことが、多数の接触点を判定する従来の投影型静電容量式タッチ装置の適用及び動作を制限している。したがって、上述したタッチ装置上で多数の接触点を判定する処理過程でゴースト座標を排除する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の目的は、多数の接触点を判定するためのタッチ装置を提供することであり、当該装置は接触点の未処理の座標からゴースト座標を除外し真の座標を判定できる。
【0008】
多数の接触点の真の座標を決定するためのタッチ装置は、複数の電極と、前記電極に接続された通常走査回路及び分割走査回路を有する走査回路と、を含む。通常走査回路は、多数の接触点の未処理の座標を検出するための電極を走査するために使用されている(ここで、"通常走査回路"として述べられている)。一方、分割走査回路は、前記多数の接触点の前記未処理の座標から前記多数の接触点のゴースト座標を除外し前記多数の接触点の前記真の座標を判定するために、電極を、第1A電極、第1B電極、第2A電極、及び第2B電極から選択された2つの分離した部分に分割することにより、電極部分を走査することに用いられている(ここで、"分割走査回路"として述べられている)。
【0009】
本開示の他の目的は、多数の接触点の真の座標を判定する方法を提供することである。
【0010】
多数の接触点の真の座標を判定する方法は、(a)通常走査回路により、第1方向及び第2方向の両方で複数の電極を走査して前記接触点の未処理の座標を検出し、(b)分割走査回路により、前記電極を走査して前記未処理の座標における前記接触点の真の座標を判定する、ことを含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、タッチ装置は、多数の接触点を判定する処理中に、ゴースト座標を除外し真の座標を出力することができ、従来のタッチ装置の障害を克服することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
当業者は下記図面が説明目的のみであることを理解するであろう。図面はいずれにしても本教示の範囲を制限する意図はない。同様に、符号がいくつかの概観に渡って、部分に対応させて明示されている。
図1a】従来の投影型静電容量式タッチ装置の概略的な上視である。
図1b図1aの線A−Aに沿った概略的な断面視である。
図2図1a及び図1bの従来の投影型静電容量式タッチ装置の上に現れる2つの接触点の概略視である。
図3a】本開示の第1実施形態に従ったタッチ装置の概略的な回路図である。
図3b図3aのタッチ装置の概略的な断面視である。
図4a】本開示の第2実施形態に従ったタッチ装置の概略的な回路図である。
図4b図4aのタッチ装置の概略的な断面視である。
図5】本開示の第1実施形態に従った多数の接触点の真の座標を判定する方法を示すフローチャートである。
図6a】2つの隣接する電極領域に生じる2つの接触点の概略視である。
図6b】2つの隣接する電極領域に生じる2つの接触点の概略視である。
図6c】2つの隣接する電極領域に生じる2つの接触点の概略視である。
図7a】2つの対角の電極領域に生じる2つの接触点の概略視である。
図7b】2つの対角の電極領域に生じる2つの接触点の概略視である。
図8】同一の電極上に生じる2つの接触点の概略視である。
図9】本開示の第2実施形態に従った多数の接触点の真の座標を判定する方法を示すフローチャートである。。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3a及び3bは、本開示の第1実施形態に従った多数の接触点の真の座標を判定するためのタッチ装置100を示している。タッチ装置100は、基板110と、第1方向Xに配置された複数の第1電極120と、第2方向Yに配置された複数の第2電極130と、絶縁層140と、プロセッサ150と、複数の配線170と、複数のスイッチ161、162、163、164と、を有している。第1電極120は、基板110上に設けられている。第1方向Xは第2方向Yと相違している。第1電極120及び第2電極130は、絶縁層140に向かい合って配置されている。これにより、第1電極120は第2電極130と絶縁される。第1電極120は第2電極130と交差し、複数の交差点を画定している。絶縁層140は、実質的に平面である。さらに、各第1電極120は、第1方向Xに互いに間隔を空けて離れた2つの分離した電極部に分割されており、それらは第1A電極121と第1B電極122である。各第2電極130は、第2方向Yに互いに間隔を空けて離れた2つの分離した電極部に分割されており、それらは第2A電極131と第2B電極132である。したがって、第1A電極121は第2A電極131と交差し、第1電極領域Q1を画定する。同様に、第1B電極122は第2A電極131と交差し、第1電極領域Q2を画定する。第1A電極121は第2B電極132と交差し、第1電極領域Q3を画定する。第1B電極122は第2B電極132と交差し、第1電極領域Q4を画定する。スイッチ161は、第1A電極121とプロセッサ150とを相互に接続する。スイッチ162は、第1B電極122とプロセッサ150とを相互に接続する。スイッチ163は、第2A電極131とプロセッサ150とを相互に接続する。スイッチ164は、第2B電極132とプロセッサ150とを相互に接続する。タッチ装置100は、更に、通常走査回路と分割走査回路とを有する走査回路(不図示)を備えている。これら2つの走査回路は、両方とも、多数の接触点がタッチ装置100上に生じたときに、第1電極120及び第2電極130を走査するために用いられる。
【0014】
スイッチ161、162、163、164は、走査回路により制御される。全スイッチ161、162、163、164がオフ状態となり、走査信号が電極に伝達されると、走査信号は、第1A電極121及び第1B電極122の両方に伝達され、その結果、第1A電極121及び第B電極122は一体で全体の構成である第1電極120として機能する。同様に、走査信号が第2A電極131及び第2B電極132の両方に伝達されると、その結果、第2A電極131及び第2B電極132は一体で全体の構成である第2電極130として、機能する。このとき、通常走査回路は、第1電極120及び第2電極130の走査を開始する。
【0015】
第1A電極121に接続されたスイッチ161がオフ状態となり、スイッチ162、163、164がオン状態になると、分割走査回路は第1A電極121の走査を開始する。第1B電極122に接続されたスイッチ162がオフ状態となり、スイッチ161、163、164がオン状態になると、分割走査回路は第1B電極122の走査を開始する。第1A電極131に接続されたスイッチ163がオフ状態となり、スイッチ161、162、164がオン状態になると、分割走査回路は第2A電極131の走査を開始する。第2B電極132に接続されたスイッチ164がオフ状態となり、スイッチ161、162、163がオン状態になると、分割走査回路は第2B電極132の走査を開始する。
【0016】
多様な設計要求を満たすために、第1A電極121、第1B電極122、第2A電極131及び第2B電極132は、異なる形態を有しいる。例えば、第1A電極121は、第1B電極122に対して対称となっており、一方、第2A電極131は、第2B電極132に対して対称となっている。このように、電極領域Q1、Q2、Q3、Q4は、相互に対称となっている。別の例では、第1A電極121は第1B電極122に対して対称でなく、また、第2A電極131は第1B電極132に対して対称でない。このように、4つの電極領域Q1、Q2、Q3、Q4は相互に対称となっていない。
【0017】
図4a及び4bは本開示の第2実施形態に従った多数の接触点の真の座標を判定するためのタッチ装置200を示している。本開示の第1実施形態に従ったタッチ装置100と同様に、タッチ装置200は、基板210と、第1方向Xに配置された複数の第1電極220と、第2方向Yに配置された複数の第2電極230と、複数の絶縁要素240と、プロセッサ250と、複数の配線270と、複数のスイッチ261、262、263、264とを有している。相違点は、第1電極220及び第2電極230が両方とも基板210の同一表面に配置されていることである。第1電極220を第2電極230から絶縁するために、絶縁要素240は、2つの第1及び第2電極220、230の交差点で、第1電極220及び第2電極230の間に位置している。さらに、各第1電極220は、第1方向Xにおける第1A電極221及び第1B電極222である、2つの別の電極部分に分割される。一方、各第2電極230は、第2方向Yにおける第2A電極231及び第2B電極232である、2つの別の電極部分に分割される。本開示の第2実施形態に従ったタッチ装置200の他の構成要素は、上述したタッチ装置100の構成要素と同一である。
【0018】
第1電極及び第2電極の形状は、ストライプや多角形などの、いずれかの幾何学的な外形、あるいは、異なる幾何学的な外形の組み合わせであってもよい。
【0019】
本開示において、第1方向Xにおける少なくとも2つの第1電極、及び第2方向Yにおける少なくとも2つの第2電極が存在することが理解できる。本開示において、タッチ装置の分解能及びサイズは電極の数に影響する主要な要素である。一般に、分解能が高く、サイズが大きいとより多くの電極を必要とする。
【0020】
本開示のタッチ装置は多様な装置に適用され、例えば、ラップトップコンピュータのタッチパッド、それが透明の場合、例えば、セルホンのタッチスクリーン、本開示のタッチ装置は不透明かもしれない。第1電極及び第2電極は導電性材料から形成され、一方、絶縁層及び絶縁要素は絶縁材料から形成される。不透明な導電性材料は銅、アルミナ、金及び他の金属から選択することができる。一方、透明な導電性材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物、等である可能性がある。絶縁材料は、プラスチック、ガラスなどである可能性がある。
【0021】
少なくとも2つの接触点が本開示の多数の接触点の真の座標を判定するタッチ装置の表面上に出現したとき、タッチ装置の真の座標を、図5に示す多数の接触点の真の座標を判定する方法を用いることで、判定することができる。投影型静電容量式タッチ装置の表面上に現れた2つの接触点の状態は、図6aから6cを参照して、一例が挙げられている。その処理は、タッチ装置が待機状態であるステップ10で開始する。2つの接触点A及びBがタッチ装置の表面上の2つの隣接する電極領域で生じると、その処理はステップ11に移行する。
【0022】
ステップ11において、全スイッチは、オフ状態となり、そして、プロセッサは夫々走査信号を配線を介して第1電極及び第2電極に供給する。通常走査回路は、第1方向Xの第1電極及び第2方向Yの第2電極を走査する。2つの接触点A、Bに起因する第1方向X及び第2方向Y両方の自己容量における変動を表す信号は、プロセッサ150に伝達される(図3aに図示)。
【0023】
ステップ12が実行され、このステップでは、ステップ11で生成された自己容量における変動を表す信号に基づいて、第1方向Xにおける2つの接触点A、Bに対応する自己容量の変動の中心(セントロイド)x1、x2、及び、第2方向Yにおける2つの接触点A、Bに対応する自己容量の変動の中心y1、y2が、プロセッサ150により算出される。第2A電極131及び第2B電極132の位置に従って、プロセッサ150は、中心y1が第2A電極131上にあり、かつ、中心y2が第2B電極132上にあることを判定する。図6aを参照して、中心x1、x2、y1、y2を交差させることで、4つの未処理の座標a(x1、y1)、b(x2、y2)、a'(x1、y2)、及びb'(x2、y1)は算出される。
【0024】
ステップ13において、1つの中心だけを第1方向X又は第2方向Yの一方で算出するかを判定する。仮に算出しない場合、処理はステップ14に移行し、このステップでは、1つのグループに属するものとして、これら4つの未処理座標の2つの対角にある座標を画定する。このようにして、未処理の座標の2つのグループ、例えば、一方のグループにa(x1、y1)、b(x2、y2)、もう一方のグループにa'(x1、y2)、b'(x2、y1)、を導き出す。ゴースト座標が存在することから、2つのグループのうちの一方における未処理座標は真の座標であり、他方のグループにおける未処理座標はゴースト座標である。
【0025】
ステップ15において、第1A電極121に接続されたスイッチのみがオフ状態となり、他のスイッチがオン状態になり、そして、プロセッサ150は配線を介して走査信号を第1A電極121に送信する。図6bを参照して、分割走査回路は、第1A電極121を走査する。接触点に起因した自己容量における変動を表す信号は、プロセッサ150に送信される。プロセッサ150は、プロセッサ150に送信される信号に基づいて、自己容量における変動の中心を算出する。
【0026】
ステップ16において、ステップ15において算出された中心が1つの中心だけであるかを判定し、そうでない場合は処理をステップ17に移行する。
【0027】
ステップ17において、第2A電極131に接続されたスイッチのみがオン状態となり、他のスイッチはオフ状態となり、そして、プロセッサは配線を介して走査信号を第2A電極131に送信する。図6cを参照して、分割走査回路は第2A電極131を走査する。接触点に起因した自己容量における変動を表す信号は、プロセッサに送信される。プロセッサ150は、プロセッサ150に送信される信号に基づいて、自己容量における変動の中心を算出する。
【0028】
ステップ17の後、1つの中心x1のみが算出される。さらに、ステップ12において算出された中心y1のみが第2A電極131上に存在する。このように、未処理座標a(x1、y1)は真の座標であり、かつ、その対角の座標b(x2、y2)と同一のグループに属する。したがって、真の座標a(x1、y1)を含むステップ14における未処理座標a(x1、y1)及びb(x2、y2)のグループは、2つの接触点A、Bの真の座標である。プロセッサ150は、ステップ18において、真の座標a(x1、y1)及びb(x2、y2)を出力する。
【0029】
図7a及び7bは、2つの接触点C、Dが2つの対角の電極領域に生じていることを示している。ステップ12において、第1A電極121及び第1B電極122の位置及び定義にしてがって、プロセッサ150は、中心x3が第1A電極121上にあり、かつ中心x4が第1B電極122上にあることを判定することができる。この状態で、図5の処理のステップ16における判定結果は、ステップ15において1つの中心y3のみが算出されることである。未処理の座標c(x3、y3)、d(x4、y4)及びc'(x3、y4)、d'(x4、y3)の2つのグループにおいて、真の座標c(x3、y3)を含む未処理の座標c(x3、y3)及びd(x4、y4)のグループは、2つの接触点C、Dの真の座標である。ステップ16の後、処理は直接的にステップ18に移行する。そのステップにおいて、プロセッサ150は、真の座標c(x3、y3)及びd(x4、y4)を出力する。
【0030】
図8は、2つの接触点E、Fが同一の電極に生じることを示している。この状態で、図5における処理のステップ13の判定結果、1つの中心y5のみが算出され、それは、ステップ12において2つの未処理座標e(x5、y5)及びf(x6、y6)のみが算出されることを示している。このように、これら2つの未処理座標は、2つの接触点E、Fの真の座標である。ステップ13の後、処理は直接的にステップ18に移行する。そのステップでは、プロセッサは真の座標e(x5、y5)及びf(x6、y6)を出力する。
【0031】
多数の接触点の真の座標を続く実行に対する制御装置あるいは表示装置へ出力することができ、それは本開示では制限されない。
【0032】
走査回路の多様な設計により、分割走査回路は、走査された電極がオフ状態で、かつその他の電極に接続されたスイッチがオン状態である状態で、第1又は第2電極いずれも夫々走査してもよい。1つ以上の中心が算出された場合、分割走査回路は異なる方向の他の電極を走査することにより、その処理を繰り返す。例えば、ステップ15において、第1B電極はオフ状態であり、分割走査回路は第1B電極を走査し、その他の電極はオン状態となっている。2つの中心が算出される場合、ステップ17において、第2B電極に接続されたスイッチはオフ状態であり、かつ分割走査回路は第2B電極を走査し、その他の電極はオン状態となっている。多数の接触点の真の座標は、図9で説明した方向を用いることで判定することもできる。図5に示す方法と同様に、ステップ20からステップ23までの処理はステップ10からステップ13までの処理と同一である。それにもかかわらず、2つの中心が第1方向X及び第2方向Yの両方において算出されたとき、プロセッサは未処理の座標を分割しない。しかし、ステップ24のように、分割走査回路は、全電極、第1A電極、第1B電極、第2A電極及び第2B電極を、いずれ順でも、電極に接続されたスイッチが走査されオフ状態であり、他のスイッチがオン状態で、走査し、真の座標を直接的に見つけ出す。ステップ24の後、ステップ25において、プロセッサは真の座標を出力する。
【0033】
上述したプロセッサは、走査部、計算部、及び出力部を有している。走査部は走査信号を電極に供給し、電極の走査中に生成される電気信号を受信する。その信号は電極の自己容量における変動を表している。計算部は、中心を算出し投影を算出する機能を有している。接触点の真の座標のような、計算部により算出された結果は、出力部により出力される。
【0034】
上述した2つの接触点の真の座標を判定する方法は、2つ以上の接触点の真の座標を判定るために利用することもできる。通常走査回路は、第1方向及び第2方向の両方における複数の電極を走査し、上記接触点の未処理の座標を検出する。そして、そのとき、分割走査回路は、上記電極を走査し、上記未処理の座標から上記接触点の真の座標を判定する。
【0035】
上述した多数の接触点のうち1つは少なくとも第1電極及び第2電極の交差点上に位置する。
【0036】
いくつかの実施形態が示され、説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱しない範囲で変更及び代替えをおこなってもよい。したがって、本開示は実例により説明されており、限定されないということが理解できる。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8
図9