(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
躯体に取り付けられる座金(1)と、扉に取り付けられる取付部材(2)と、上記座金(1)に連結手段(4)を介して着脱可能に取り付けられ、前端部に上記取付部材(2)が回転可能に連結された本体部材(3)とを備え、上記連結手段(4)が、上記座金(1)の前端部に設けられ、前方に向かって開放された第1係合凹部(41)、上記本体部材(3)の前端部に位置固定して設けられ、上記第1係合凹部(41)にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第1係合部(46)、上記座金(1)の後端部に設けられ、後方に向かって開放された第2係合凹部(42)、上記本体部材(3)の後端部に前後方向へ移動可能に設けられ、上記第2係合凹部(42)にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第2係合部(50)、及びこの第2係合部(50)を上記第2係合凹部(42)に係合する方向へ付勢する付勢手段(49)を有するヒンジ装置において、
上記座金(1)の前端部及び後端部には、上記本体部材(3)を上記座金(1)に取り付けるために上記本体部材(3)を上記座金(1)に接近移動させたときに、上記第1及び第2係合部(46,50)が突き当たる第1及び第2傾斜面(43,44)がそれぞれ形成され、
上記第1傾斜面(43)は、その前端部が後端部より上記本体部材(3)の接近移動方向前方に位置するように傾斜させられ、しかも前端部が上記第1係合凹部(41)の開放部に連なるように配置され、
上記第2傾斜面(44)は、その後端部が前端部より上記本体部材(3)の接近移動方向前方に位置するように傾斜させられ、しかも後端部が上記第2係合凹部(42)の開放部に連なるように配置され、
上記第1係合部(46)と上記第1傾斜面(43)との接点と、上記第2係合部(50)と上記第2傾斜面(44)との接点とを結ぶ基準線に対する上記第1傾斜面(43)の傾斜角度が、上記基準線に対する上記第2傾斜面(44)の傾斜角度より大きな角度に設定され、
上記第1係合部(46)が上記第1係合凹部(41)に係合しているとき、第1係合部(46)が第1係合凹部(41)から抜け出ることを阻止する阻止機構を有し、
上記阻止機構が、上記座金(1)と上記本体部材(3)とのいずれか一方に設けられた停止面(45)と、他方に設けられ、上記停止面(45)に突き当たることによって上記第1係合凹部(41)に係合した上記第1係合部(46)が上記第1係合凹部(41)の開放部側へ移動することを阻止する当接部(47)とを有していることを特徴とするヒンジ装置。
躯体に取り付けられる座金(1)と、扉に取り付けられる取付部材(2)と、上記座金(1)に連結手段(4)を介して着脱可能に取り付けられ、前端部に上記取付部材(2)が回転可能に連結された本体部材(3)とを備え、上記連結手段(4)が、上記本体部材(3)の前端部に設けられ、前後いずれかの方向に向かって開放された第1係合凹部(53)、上記座金(1)の前端部に位置固定して設けられ、上記第1係合凹部(53)にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第1係合部(51)、上記本体部材(3)の後端部に少なくとも上記座金(1)側の端部が前後方向へ移動可能に設けられた係合部材(57)、この係合部材(57)の上記座金(1)側の端部に設けられ、上記第1係合凹部(53)と逆方向に向かって開放された第2係合凹部(59)、上記係合部材(57)を上記第2係合凹部(59)の底部から開放部へ向かう方向へ付勢する付勢手段(58)、及び上記座金(1)の後端部に位置固定して設けられ、上記第2係合凹部(59)にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第2係合部(52)を有し、上記付勢手段(58)の付勢力によって上記第1、第2係合部(51,52)が上記第1、第2係合凹部(53,59)に係合した状態に維持され、それによって上記本体部材(3)が上記座金(1)に着脱可能に取り付けられたヒンジ装置において、
上記本体部材(3)の前端部及び上記係合部材(57)の上記座金(1)側の端部には、上記本体部材(3)を上記座金(1)に取り付けるために上記本体部材(3)を上記座金(1)に接近移動させたときに、上記第1係合部(51)及び上記第2係合部(52)が突き当たる第1傾斜面(55)及び第2傾斜面(60)がそれぞれ形成され、
上記第1傾斜面(55)は、上記本体部材(3)の接近移動方向における後端部が前端部より上記第1係合凹部(53)の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材(3)の接近移動方向における後端部が上記第1係合凹部(53)の開放部に連なるように配置され、
上記第2傾斜面(60)は、上記本体部材(3)の接近移動方向における後端部が前端部より上記第2係合凹部(59)の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材(3)の接近移動方向における後端部が上記第2係合凹部(59)の開放部に連なるように配置され、
上記第1係合部(51)と上記第1傾斜面(55)との接点と、上記第2係合部(52)と上記第2傾斜面(60)との接点とを結ぶ基準線に対する上記第1傾斜面(55)の傾斜角度が、上記基準線に対する上記第2傾斜面(60)の傾斜角度より大きな角度に設定され、
上記第1係合部(51)が上記第1係合凹部(53)に係合しているとき、第1係合部(51)が第1係合凹部(53)から抜け出ることを阻止する阻止機構を有し、
上記阻止機構が、上記座金(1)と上記本体部材(3)とのいずれか一方に設けられた停止面(45)と、他方に設けられ、上記停止面(45)に突き当たることによって上記第1係合凹部(53)に係合した上記第1係合部(51)が上記第1係合凹部(53)の開放部側へ移動することを阻止する当接部(56)とを有していることを特徴とするヒンジ装置。
躯体に取り付けられる座金と、扉に取り付けられる取付部材と、上記座金に連結手段を介して着脱可能に取り付けられ、前端部に上記取付部材が回転可能に連結された本体部材とを備え、上記連結手段が、上記本体部材の前端部に設けられ、前後いずれかの方向に向かって開放された第1係合凹部、上記座金の前端部に位置固定して設けられ、上記第1係合凹部にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第1係合部、上記座金の後端部に少なくとも上記本体部材側の端部が前後方向へ移動可能に設けられた係合部材、この係合部材の上記本体部材側の端部に設けられ、上記第1係合凹部と同方向に向かって開放された第2係合凹部、上記係合部材を上記第2係合凹部の底部から開放部へ向かう方向へ付勢する付勢手段、及び上記本体部材の後端部に位置固定して設けられ、上記第2係合凹部にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第2係合部を有し、上記付勢手段の付勢力によって上記第1、第2係合部が上記第1、第2係合凹部にそれぞれ係合した状態に維持され、それによって上記本体部材が上記座金に着脱可能に取り付けられたヒンジ装置において、
上記本体部材の前端部及び上記係合部材の上記本体部材側の端部には、上記本体部材を上記座金に取り付けるために上記本体部材を上記座金に接近移動させたときに、上記第1係合部及び上記第2係合部が突き当たる第1傾斜面及び第2傾斜面がそれぞれ形成され、
上記第1傾斜面は、上記本体部材の接近移動方向における後端部が前端部より上記第1係合凹部の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材の接近移動方向における後端部が上記第1係合凹部の開放部に連なるように配置され、
上記第2傾斜面は、上記本体部材の接近移動方向における前端部が後端部より上記第2係合凹部の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材の接近移動方向における前端部が上記第2係合凹部の開放部に連なるように配置され、
上記第1係合部と上記第1傾斜面との接点と、上記第2係合部と上記第2傾斜面との接点とを結ぶ基準線に対する上記第1傾斜面の傾斜角度が、上記基準線に対する上記第2傾斜面の傾斜角度より大きな角度に設定され、
上記第1係合部が上記第1係合凹部に係合しているとき、第1係合部が第1係合凹部から抜け出ることを阻止する阻止機構を有し、
上記阻止機構が、上記座金と上記本体部材とのいずれか一方に設けられた停止面と、他方に設けられ、上記停止面に突き当たることによって上記第1係合凹部に係合した上記第1係合部が上記第1係合凹部の開放部側へ移動することを阻止する当接部とを有していることを特徴とするヒンジ装置。
躯体に取り付けられる座金と、扉に取り付けられる取付部材と、上記座金に連結手段を介して着脱可能に取り付けられ、前端部に上記取付部材が回転可能に連結された本体部材とを備え、上記連結手段が、上記座金の前端部に設けられ、前後いずれかの方向に向かって開放された第1係合凹部、上記本体部材の前端部に位置固定して設けられ、上記第1係合凹部にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第1係合部、上記座金の後端部に少なくとも上記本体部材側の端部が前後方向へ移動可能に設けられた係合部材、この係合部材の上記本体部材側の端部に設けられ、上記第1係合凹部と逆方向に向かって開放された第2係合凹部、上記係合部材を上記第2係合凹部の底部から開放部へ向かう方向へ付勢する付勢手段、及び上記本体部材の後端部に位置固定して設けられ、上記第2係合凹部にその開放部から前後方向へ係脱可能に係合する第2係合部を有し、上記付勢手段の付勢力によって上記第1、第2係合部が上記第1、第2係合凹部にそれぞれ係合した状態に維持され、それによって上記本体部材が上記座金に着脱可能に取り付けられたヒンジ装置において、
上記座金の前端部及び上記係合部材の上記本体部材側の端部には、上記本体部材を上記座金に取り付けるために上記本体部材を上記座金に接近移動させたときに、上記第1係合部及び上記第2係合部が突き当たる第1傾斜面及び第2傾斜面がそれぞれ形成され、
上記第1傾斜面は、上記本体部材の接近移動方向における前端部が後端部より上記第1係合凹部の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材の接近移動方向における前端部が上記第1係合凹部の開放部に連なるように配置され、
上記第2傾斜面は、上記本体部材の接近移動方向における前端部が後端部より上記第2係合凹部の底部から開放部へ向かう方向において前方に位置するように傾斜させられ、しかも上記本体部材の接近移動方向における前端部が上記第2係合凹部の開放部に連なるように配置され、
上記第1係合部と上記第1傾斜面との接点と、上記第2係合部と上記第2傾斜面との接点とを結ぶ基準線に対する上記第1傾斜面の傾斜角度が、上記基準線に対する上記第2傾斜面の傾斜角度より大きな角度に設定され、
上記第1係合部が上記第1係合凹部に係合しているとき、第1係合部が第1係合凹部から抜け出ることを阻止する阻止機構を有し、
上記阻止機構が、上記座金と上記本体部材とのいずれか一方に設けられた停止面と、他方に設けられ、上記停止面に突き当たることによって上記第1係合凹部に係合した上記第1係合部が上記第1係合凹部の開放部側へ移動することを阻止する当接部とを有していることを特徴とするヒンジ装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜
図9は、この発明の第1実施の形態を示す。まず、この実施の形態に係るヒンジ装置Aの概略構成について説明すると、
図1に示すように、ヒンジ装置Aは、座金1、取付部材2、本体部材3及び連結手段4を有している。
【0012】
座金1は、躯体(図示せず)の内側面の開口部近傍部分に固定されている。この実施の形態では、前面部が開口した躯体の左内側面の前端部に固定されている。なお、ヒンジ装置Aの各構成については、その理解を容易にするために、躯体の前後左右及び上下(
図2に示す前後左右及び上下)を用いて説明するものとする。勿論、ヒンジ装置Aは、そのような方向性に限定されるものではない。
【0013】
取付部材2は、扉(図示せず)の背面に固定されている。この実施の形態では、座金1が躯体の左内側面に配置されていることに対応して、閉位置に位置しているときの扉の背面の左側の端部に配置されている。
【0014】
取付部材2は、本体部材3の前端部に一対のリンク5A,5Bを介して回転可能に連結されている。すなわち、リンク5A,5Bの一端部は、
図4に示すように、略「U」字状をなす連結軸6の軸部6a,6bを介して取付部材2にそれぞれ回転可能に連結されている。リンク5A,5Bの他端部は、本体部材3の前端部にそれぞれ軸7A,7Bを介して回転可能に連結されている。取付部材2と本体部材3とは、直接に回転可能に連結してもよく、三つ以上のリンクを介して回転可能に連結してもよい。本体部材3は、連結手段4によって座金1に着脱可能に取り付けられている。この結果、扉が躯体にヒンジ装置Aを介して水平方向へ回転可能に取り付けられている。
【0015】
なお、リンク5A,5Bのうちの一方のリンク5Aは、軸7Cに外挿されたコイルばね(付勢手段)8の一端部8aによりばね受け9Aを介して回転付勢され、他方のリンク5Bは、コイルばね8の他端部8bによりばね受け9Bを介して回転付勢されている。そして、コイルばね8の回転付勢力により、扉が閉位置と開位置との間の中間位置と閉位置との間に位置しているときには、扉がリンク5A,5Bを介して閉位置側へ回転付勢され、扉が中間位置と開位置との間に位置しているときには、扉がリンク5A,5Bを介して開位置側へ回転付勢されている。扉は、周知の他の回転付勢機構によって回転付勢してもよい。また、回転付勢機構は、必ずしも設ける必要がない。
【0016】
軸7Bには、回転ダンパ機構10が設けられている。回転ダンパ機構10は、少なくとも扉が中間位置から閉位置側へ回転するときにその回転速度を低速に抑えるためのものである。回転ダンパ機構10は、この発明との関連性がない。そこで、回転ダンパ機構10についての説明は省略する。
【0017】
次に、ヒンジ装置Aの構成をより詳細に説明する。
図2及び
図3に示すように、座金1は、基板11、第1可動部材12及び第2可動部材13を有している。
【0018】
基板11は、躯体の内側面の開口部近傍部分に固定されている。この実施の形態では、前面部が開口した躯体の左側面の前端部にビス(図示せず)等の固定手段によって固定されている。なお、ヒンジ装置Aの各構成については、その理解を容易にするために、躯体の前後左右及び上下(
図2に示す前後左右及び上下)を用いて説明するものとする。勿論、ヒンジ装置Aは、そのような方向性に限定されるものではない。
【0019】
基板11の右方を向く前面には、断面略「コ」字状をなす突出部11aがその長手方向を前後方向に向けて設けられている。突出部11aの右方を向く先端面の中央部には、前後方向に延びる規制孔11bが形成されており、先端面の後端部には、上下方向に延びる規制溝11cが形成されている。突出部11aの前方を向く前端面には、係止凹部11dが形成されている。突出部11aの後端部には、突出部11aを上下方向に貫通する係止孔11eが形成されている。係止孔11eは、規制溝11cより後方に配置されている。
【0020】
第1可動部材12は、断面略「コ」字状をなしており、その長手方向を前後方向に向けて配置されている。第1可動部材12の内部には、基板11の突出部11aが挿入されている。第1可動部材12の両内側面の上下方向の距離は、突出部11aの上下方向の両外側面間の距離より大きくなっている。したがって、第1可動部材12は、基板11に対し第1可動部材12の両内側面間の距離と突出部11aの両外側面間の距離との差の分だけ上下方向へ移動可能になっている。
【0021】
第1可動部材12の前端部及び後端部には、長手方向を上下方向に向けた軸14,15が挿通されている。軸14が係止凹部11dに係合するとともに、軸15が係止孔11eに挿通されている。これにより、第1可動部材12が基板11に前後方向及び左右方向へ移動不能に取り付けられている。したがって、第1可動部材12は、基板11に対し上下方向へのみ移動可能になっている。
【0022】
第1可動部材12は、基板11に対する上下方向の位置が第1位置調節機構によって調節されるようになっている。すなわち、第1可動部材12の右方を向く面には、前後方向に延びる長円状のガイド孔12aが形成されている。このガイド孔12aには、平板状をなす位置調節部材16がガイド孔12aの長手方向(前後方向)へは移動可能に、上下方向へは移動不能に挿入されている。
【0023】
位置調節部材16の右方を向く面には、第1及び第2筒部16a,16bが形成されている。第1及び第2筒部16a,16bは、前後方向へ互いに離間し、かつそれぞれの軸線を左右方向へ向けて配置されている。第1及び第2筒部16a,16bは、それぞれの周壁部が周方向の2箇所において切り欠かれることにより、拡縮径可能になっている。第1及び第2筒部16a,16bの各内部の孔は、位置調節部材16を貫通している。第1及び第2筒部16a,16bの各内周面には、左右方向に延びる山部と谷部とが周方向に向かって交互に形成されている。
【0024】
第1筒部16aには、第1調節軸17の頭部17aが挿入されている。頭部17aの外周面には、左右方向に延びる山部と谷部とが交互に形成されている。この山部及び谷部が第1筒部16aの谷部及び山部にそれぞれ嵌まり込むことにより、第1調節軸17の位置調節部材16に対する回転が阻止されている。ただし、第1筒部16aが拡縮径可能であるので、第1調節軸17は、所定の大きさ以上の回転力が作用すると、第1筒部16aを拡縮径させながら回転可能である。
【0025】
第1調節軸17の頭部17aの左端面は、基板11の突出部11aの先端面(右方を向く面)と対向しており、当該左端面には、第1偏心軸(図示せず)が形成されている。この第1偏心軸は、その軸線が頭部17aの軸線から離間し、かつ平行になるように配置されている。つまり、第1偏心軸は、頭部17aに対して偏心した位置に配置されている。第1偏心軸は、規制孔11bにその長手方向(前後方向)へは移動可能に、かつ短手方向(上下方向)へは移動不能に挿入されている。したがって、第1調節軸17を回転させると、第1偏心軸が規制孔11b内を前後方向へ移動する一方、頭部17aが上下方向へ移動する。この結果、位置調節部材16が上下方向へ移動し、ひいては第1可動部材12が基板11に対して上下方向へ移動する。つまり、上下方向へ位置調節される。勿論、第1可動部材12の位置調節量は、第1調節軸17の回転量に対応した量である。
【0026】
第1可動部材12には、第2可動部材13が設けられている。第2可動部材13は、断面略「コ」字状をなしており、その内部には第1可動部材12が挿入されている。第2可動部材13の上下方向の両内側面間の距離は、第1可動部材12の上下方向の両外側面間の距離と同一に設定されている。したがって、第2可動部材13は、第1可動部材12に対し上下方向へ移動不能である。よって、第1調節軸17を回転させて第1可動部材12を上下方向へ位置調節すると、第2可動部材13が第1可動部材12と一緒に上下方向へ位置調節される。
【0027】
第2可動部材13は、第1可動部材12に対し前後方向及び左右方向へは移動可能である。第2可動部材13は、第1可動部材12に対し第2位置調節機構によって前後方向へ位置調節される。すなわち、第2可動部材13には、これを左右方向に貫通する貫通孔13aが形成されている。この貫通孔13aには、位置調節部材16の第2筒部16bがその径方向へ移動不能に嵌合されている。したがって、位置調節部材16が前後方向へ移動すると、第2可動部材13も前後方向へ移動する。
【0028】
第2筒部16bには、第2調節軸18の頭部18aが挿入されている。第2筒部16bは、周方向の2箇所に切欠き部が形成されることによって拡縮径可能になっている。また、第2筒部16bの内周面及び頭部18aの外周面には、左右方向へ延びる山部と谷部とが周方向へ交互に形成されている。したがって、頭部18aは、所定の大きさ以上の回転力が作用すると、第2筒部16b内を回転することができる。換言すれば、頭部18aは、所定の大きさ以上の回転力が作用しない限り回転するがことなく、一定の回転位置に維持される。
【0029】
頭部18aの左端面は、基板11の突出部11aの先端面と対向しており、当該左端面には、第2偏心軸(図示せず)が形成されている。この第2偏心軸は、その軸線が頭部18aの軸線から離間し、かつ平行になるように配置されている。つまり、第2偏心軸は、頭部18aに対して偏心した位置に配置されている。第2偏心軸は、規制溝11cにその長手方向(上下方向)へは移動可能に、かつ短手方向(前後方向)へは移動不能に挿入されている。したがって、第2調節軸18を回転させると、第2偏心軸が規制溝11c内を上下方向へ移動する一方、頭部18aが前後方向へ移動する。この結果、位置調節部材16が前後方向へ移動し、ひいては第2可動部材13が第1可動部材12に対し前後方向へ移動する。これによって、第2可動部材13が基板11に対して前後方向へ位置調節される。勿論、第2可動部材13の前後方向への位置調節量は、第2調節軸18の回転量に対応している。
【0030】
なお、位置調節部材16の第1筒部16aは、第2可動部材13に形成された貫通孔13bにその径方向へ移動不能に嵌合されている。したがって、第2可動部材13が前後方向へ移動すると、位置調節部材16及び第1調節軸17も前後方向へ移動する。ここで、位置調節部材16は、ガイド孔12a内を前後方向へ移動するだけであり、第1調節軸17は、その第1偏心軸が規制孔11b内を前後方向へ移動するだけである。したがって、第2可動部材13の前後方向への移動に伴って位置調節部材16及び第1調節軸17が前後方向へ移動しても、第1可動部材12が前後方向へ移動することはない。
【0031】
第2可動部材13の後端部には、前後方向へ延びる長孔13cが形成されている。この長孔13cには、上記軸15が長孔13cの長手方向へは移動可能に、短手方向(左右方向)へは移動不能に、しかも回転可能に挿通されている。したがって、第2可動部材13の先端部は、軸15を中心として水平方向(左右方向)へ回転可能である。なお、長孔13cの前後方向の長さは、第2可動部材13の第1可動部材12に対する前後方向への位置調節を阻害することのない長さに設定されている。
【0032】
第1可動部材12の前端部(左端部)には、軸線を左右方向に向けた調節ねじ19が螺合されている。この調節ねじ19の頭部19aは、第2可動部材13の前端部に回転可能に係合されている。しかも、頭部19aは、第2可動部材13に対し前後方向へは移動可能であるが、左右方向へは移動不能になっている。したがって、調節ねじ19を正逆方向へ回転させると、第2可動部材13が軸15を中心として水平方向へ回転し、第2可動部材13の前端部が第1可動部材12に対して左右方向へ位置調節され、ひいては基板11に対して左右方向へ位置調節される。
【0033】
上記のようにして、第2可動部材13の前端部が、基板11ひいては躯体に対し、前後左右及び上下方向へ位置調節可能になっている。第2可動部材13は、躯体に直接に位置固定して設けてもよく、その場合には第2可動部材13が座金になる。
【0034】
座金1の第2可動部材13には、本体部材3が連結手段4によって着脱可能に取り付けられている。すなわち、
図2及び
図3に示すように、第2可動部材13の前後方向の両端面には、第1係合凹部41及び第2係合凹部42がそれぞれ設けられている。第1及び第2係合凹部41,42は、左右方向及び上下方向においてほぼ同一位置に配置されている。第1及び第2係合凹部41,42は、左右方向及び/又は上下方向において異なる位置に配置してもよい。第1及び第2係合凹部41,42を左右方向において異なる位置に配置する場合には、第1係合凹部41を第2係合凹部42より右側に配置してもよく、その逆に左側に配置してもよい。
【0035】
第1係合凹部41は、左右方向の両側に側面を、後側の端部に底面をそれぞれ有しており、前方に向かって開放されている。一方、第2係合凹部42は、左右方向の両側に側面を、前側の端部に底面をそれぞれ有しており、後方に向かって開放されている。
【0036】
第2可動部材13の前端面には、第1傾斜面43が形成されている。第1傾斜面43は、その前端部(
図1において左端部)が後端部より左側(
図1において下側)に位置するように傾斜させられている。第1傾斜面43は、第1係合凹部41に対してその右側に配置されている。第1傾斜面43の前端部は、第1係合凹部41の右側の側面(
図1において上側の側面)の開放部側の端部に曲率半径の小さい円弧面を介して滑らかに連なっている。第1傾斜面43の前端部は、第1係合凹部41の右側の側面に直接交差させてもよい。
【0037】
第2可動部材13の後端面には、第2傾斜面44が形成されている。第2傾斜面44は、その後端部(
図1において右端部)が先端部より左側(
図1において下側)に位置するように傾斜させられている。つまり、第1傾斜面43と逆向きに傾斜させられている。第2傾斜面44は、第2係合凹部42に対してその右側に配置されている。第2傾斜面44の後端部は、第2係合凹部42の右側の側面の開放部側の端部に曲率半径の小さい円弧面を介して滑らかに連なっている。第2傾斜面44の後端部は、第2係合凹部42の右側の側面に直接交差させてもよい。
【0038】
第2可動部材13の後端面には、停止面45が形成されている。この停止面45は、第2傾斜面44の後端から右方へ向かって第2可動部材13の右方を向く先端面まで延びている。停止面45は、後述する基準線(この基準線は、この実施の形態では、前後方向へほぼ水平に延びている。)に対してその右端部が左端部より若干前方に位置するように傾斜させられているが、逆向きに傾斜させてもよく、基準線に対して垂直にしてもよい。停止面45は、形成しなくてもよい。
【0039】
本体部材3の前端部には、長手方向を上下方向に向けた第1係合軸(第1係合部)46が位置固定して設けられている。第1係合軸46は、第1係合凹部41にその開放部から底面に突き当たるまで後方へ挿入可能であり、底面に突き当たるまで第1係合凹部41に挿入された係合状態においては、第1係合軸46の左右方向への移動が第1係合凹部41の左右の両側面によって阻止され、後方への移動が第1係合凹部41の底面によって阻止される。したがって、第1係合軸46が第1係合凹部41に係合すると、本体部材3の前端部が第2可動部材13に対して左右方向及び後方へ移動不能に係止される。
【0040】
本体部材3の後端部には、長手方向を上下方向に向けた支持軸47が位置固定して設けられている。この支持軸47には、操作部材48が回転可能に支持されている。操作部材48は、
図6〜
図8に示す初期位置と
図9に示す位置より所定の角度だけ反時計方向へ回転した限界位置との間を回転可能である。操作部材48は、支持軸47に外挿されたコイルばね(付勢手段)49によって限界位置から初期位置へ向かう方向(
図1において時計方向)へ付勢されている。操作部材48は、本体部材3が第2可動部材13に取り付けられる前は、コイルばね49によって初期位置に位置させられている。
【0041】
操作部材48には、長手方向を上下方向に向けた第2係合軸(第2係合部)50が位置固定して設けられている。第2係合軸50は、支持軸47より左側に配置されている。しかも、第2係合軸50は、初期位置に位置している操作部材48のうちの、操作部材48が初期位置と限界位置との間を回転するときにその回転円の接線方向がほぼ前後方向を向く部分に配置されている。したがって、第2係合軸50は、操作部材48が初期位置と限界位置との間を回転すると、ほぼ前後方向へ向かって移動することになる。勿論、操作部材48が初期位置から限界位置側へ回転するときには、第2係合軸50が後方へ移動し、操作部材48が限界位置から初期位置側へ回転するときには、第2係合軸50が前方へ移動する。
【0042】
なお、操作部材48が回転するときに、第2係合軸50が前後方向へ移動するように構成するために、この実施の形態では、操作部材48が初期位置に位置しているときに、第2係合軸50が支持軸47より左側で、かつ若干後側に位置するように配置されている。しかし、第2係合軸50は、必ずしもこのように配置する必要がなく、支持軸47より左側に配置する限り、前後方向において支持軸47と同一位置に配置してもよく、若干前側に配置してもよい。
【0043】
第2係合軸50は、本体部材3に直接に前後方向へ移動可能に設けてもよい。その場合には、コイルばね49に代えて、第2係合軸50を前方へ真っ直ぐに付勢するばね等の付勢手段が用いられる。
【0044】
第2係合軸50は、第2係合凹部42にその開放部から底面に突き当たるまで前方へ挿入可能であり、底面に突き当たるまで第2係合凹部42に挿入された係合状態においては、第2係合軸50の左右方向への移動が第2係合凹部42の左右の両側面によって阻止され、前方への移動が第2係合凹部42の底面によって阻止される。したがって、第2係合軸50が第2係合凹部42に係合すると、本体部材3の後端部が第2可動部材13に対し左右方向及び前方へ移動不能に係止される。なお、第2係合軸50が第2係合凹部42の底面に突き当たった係合状態においては、操作部材48が限界位置から初期位置へ向かう方向において初期位置の若干手前の係合位置に位置している。したがって、第2係合軸50は、コイルばね49の付勢力によって係合位置に維持される。
【0045】
図1に示すように、第2係合軸50が第2係合凹部42に係合した状態においては、支持軸47が停止面45にコイルばね49を介して突き当たっており、本体部材3が前方へ移動不能になっている。したがって、第2係合軸50が第2係合凹部42に係合された状態においては、本体部材3を前方へ押したとしても、第2係合軸50が第2係合凹部42の底面によって後方へ移動させられることがなく、操作部材48がコイルばね49の回転付勢力に抗して限界位置側へ回転させられることがない。しかも、本体部材3が前方へ移動しないから、第1係合軸46が第1係合凹部41から前方へ脱出することがない。したがって、第1及び第2係合軸46,50が第1及び第2係合凹部41,42にそれぞれ係合した状態に維持される。よって、操作部材48を係合位置から限界位置側へ回転させない限り、本体部材3が第2可動部材13から外れることがない。この内容から明らかなように、支持軸47が当接部として兼用されており、停止面45及び支持軸47によって阻止機構が構成されている。
【0046】
第1傾斜面43、第2傾斜面44、第1係合軸46及び第2係合軸50は、次の条件を満たすように配置されている。その条件とは、
図6に示すように、操作部材48が初期位置に位置しているときには、第1及び第2係合軸46,50が第1及び第2傾斜面43,44に同時に突き当たることができるという条件である。
【0047】
また、第1及び第2傾斜面43,44は、次の角度関係を満たすように形成されている。すなわち、第1及び第2係合軸46,50を第1及び第2傾斜面43,44にそれぞれ接触させた状態において、第1係合軸46と第1傾斜面43との接点と、第2係合軸50と第2傾斜面44との接点とを結ぶ直線を基準線としたとき、この基準線に対する第1傾斜面43の傾斜角度が、基準線に対する第2傾斜面44の傾斜角度より大きい角度に設定されている。第1傾斜面43の傾斜角度は、例えば30°〜45°程度に設定され、第2傾斜面44の傾斜角度は、15°〜25°程度に設定されている。
【0048】
ここで、上記基準線は、第1及び第2係合軸46,50を第1及び第2傾斜面43,44にそれぞれ接触させた状態において、本体部材3を座金1に取り付けるために本体部材3を水平面内において座金1に接近移動させるとき、本体部材3の接近移動方向と直交する。したがって、第1及び第2傾斜面43,44の基準線に対する角度関係は、本体部材3の接近移動方向に対する第1傾斜面43の傾斜角度が、同方向に対する第2傾斜面44の傾斜角度より小さい角度に設定されている、と言い換えることができる。なお、本体部材3の接近移動方向は、人手によるものであるので基準線に対して必ずしも直交することがなく、数度〜十数度の範囲で直交方向に対して傾斜することがある。したがって、第1及び第2傾斜面43,44の傾斜角度関係は、より現実的には、本体部材3の接近移動方向とほぼ同方向に対する第1傾斜面43の傾斜角度が、第2傾斜面44の傾斜角度より小さく設定されている、又は本体部材3の接近移動方向とほぼ直交する方向に対する第1傾斜面43の傾斜角度が第2傾斜面44の傾斜角度より大きく設定されている、と定義されるべきである。このような点を考慮して、第1傾斜面43の傾斜角度は、第2傾斜面44の傾斜角度より十数度だけ大きくするのが望ましい。
【0049】
上記の内容をより具体的に述べると、第1及び第2傾斜面43,44が左右方向(本体部材3が座金1に対して接近・離間移動する方向)において同一位置に配置されているときには、上記基準線が水平面内において前後方向に延びる。換言すれば、基準線が水平面内において躯体の左右の内側面と平行に延びる。したがって、第1及び第2傾斜面43,44の傾斜角度は、前後方向に延びる水平線に対する傾斜角度であり、躯体の左右の内側面に対する傾斜角度である。また、その場合には、本体部材3が座金1に対し水平面内において左右方向へ接近移動させられる。一方、第1及び第2傾斜面43,44が左右方向において異なる位置に配置されている場合には、基準線は、水平面内に位置するが、前後方向に対して傾斜する。したがって、第1及び第2傾斜面43,44の傾斜角度は、前後方向に対して傾斜した水平線(基準線)に対する傾斜角度となる。また、その場合には、本体部材3の接近移動方向も前後方向に対して傾斜した方向になる。
【0050】
次に、上記構成を有するヒンジ装置Aにおいて、座金1の第2可動部材13に本体部材3を取り付ける場合について説明する。本体部材3を第2可動部材13に取り付ける場合には、本体部材3の開放部を左方に向けた状態で本体部材3を第2可動部材13に接近移動(左方へ移動)させる。このとき、操作部材48は、初期位置に位置している。本体部材3を所定の位置まで移動させると、
図6に示すように、第1係合軸46が第1傾斜面43に突き当たるとともに、第2係合軸50が第2傾斜面44に突き当たる。
【0051】
本体部材3をさらに左方へ移動させると、第1係合軸46が第1傾斜面43上を前方へ移動しようとし、第2係合軸50が第2傾斜面44上を後方へ移動しようとする。しかるに、第1傾斜面43の傾斜角度が第2傾斜面44の傾斜角度より大きいので、
図7に示すように、第1係合軸46が第1傾斜面43上を前方へ移動する。この結果、本体部材3が前方へ移動し、第2係合軸50が第2傾斜面44上を前方へ移動する。第2係合軸50が第2傾斜面44上を前方へ移動するときには、第2傾斜面44が第2係合軸50を後方へ押す。しかし、第2傾斜面44が第2係合軸50を後方へ押す力よりコイルばね49が第2係合軸50を前方へ移動させようとする力が大きいので、操作部材48が初期位置に維持され、それによって第2係合軸50が本体部材3に対して前後方向に位置固定される。
【0052】
本体部材3をさらに左方へ移動させると、第1係合軸46が第1傾斜面43及びそれに続く円弧面を左方へ越えて、第1係合凹部41の開放部と対向する。この状態で本体部材3をさらに左方へ移動させると、
図8に示すように、第2係合軸50が第2傾斜面44上を後方へ移動する結果、本体部材3が後方へ移動し、第1係合軸46が第1係合凹部41にその開放部から底面に突き当たるまで挿入され、第1係合軸46が第1係合凹部41に係合する。
【0053】
第1係合軸46が第1係合凹部41に係合した状態では、第1係合軸46が第1係合凹部41の左側の側面によって左方への移動が阻止され、その結果本体部材3の前端部の左方への移動が阻止される。したがって、第1係合軸46が第1係合凹部41に係合した後は、本体部材3の後端部だけが左方へ移動させられる。
【0054】
本体部材3の後端部を左方へ移動させると、第2傾斜面44が左方へ向かうにしたがって後方へ向かうように傾斜しているので、第2係合軸50が第2傾斜面44によって後方へ押され、第2傾斜面44上を後方へ移動する。なお、第2係合軸50が後方へ移動すると、それに伴って操作部材48がコイルばね49の回転付勢力に抗して初期位置から限界位置へ向かう方向(
図8において反時計方向)へ回転させられる。
【0055】
本体部材3の後端部を左方へさらに移動させると、第2係合軸50は、
図9に示すように、第2傾斜面44を後方へ乗り越え、第2傾斜面44に続く円弧面を乗り越える。そして、第2係合軸50は、第2係合凹部42の開放部と対向すると、操作部材48がコイルばね49によって限界位置から初期位置に向かう方向(
図9において時計方向)へ回転させられ、第2係合軸50が前方へ移動させられて第2係合凹部42に挿入される。第2係合軸50は、第2係合凹部42にその底面に突き当たるまで挿入されて第2係合凹部42に係合する。第2係合軸50が第2係合凹部42に係合した状態では、第2係合軸50の左右方向及び前方への移動が第2係合凹部42の両側面及び底面によってそれぞれ阻止される。この結果、本体部材3の後端部が第2可動部材13の後端部に左右方向及び前方へ移動不能に係合される。
【0056】
なお、第2係合軸50がコイルばね49の付勢力によって後方への移動が阻止されているので、本体部材3をコイルばね49の付勢力より大きな力で前方へ押すと、本体部材3が前方へ移動して第1係合軸46が第1係合凹部41から前方へ脱出しようとする。しかし、この実施の形態では、上記のように、支持軸47が停止面45にコイルばね49を介して突き当たっているので、第1及び第2係合軸46,50が第1及び第2係合凹部41,42に係合した状態では、本体部材3が前後方向へ移動することがない。したがって、第1及び第2係合軸46,50が不慮の事故によって第1及び第2係合凹部41,42から脱出することがなく、本体部材3が第2可動部材13から離脱することがない。
【0057】
本体部材3を第2可動部材13から取り外す場合には、操作部材48をコイルばね49の付勢力に抗して反時計方向へ回転させ、第2係合軸50を第2係合凹部42から後方へ脱出させる。その後、本体部材3の後端部を右方へ移動させ、第2係合軸50を第2係合凹部42より右方へ、望ましくは第2傾斜面44より右方へ移動させる。次に、本体部材3を前方へ移動させ、第1係合軸46を第1係合凹部41から前方へ脱出させる。その後、本体部材3を右方へ移動させて第2可動部材13から右方へ離間させる。これによって、本体部材3を第2可動部材13から取り外すことができる。
【0058】
上記構成のヒンジ装置Aにおいては、第1及び第2係合軸46,50を第1及び第2傾斜面43,44にそれぞれ接触させた状態で本体部材3を第2可動部材13に接近移動(左方へ移動)させると、自動的に第1係合軸46が第1係合凹部41に係合した後、第2係合軸50が第2係合凹部42に係合する。したがって、第1係合軸46を第1係合凹部41に係合させるために扉を前後方向へ移動させる必要がない。よって、本体部材3を第2可動部材13(座金1)に容易に取り付けることができる。
【0059】
次に、この発明の第2実施の形態を
図10〜
図15を参照して説明する。なお、第2実施の形態については、上記第1実施の形態と異なる構成だけを説明することとし、上記第1実施の形態と同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
第2実施の形態のヒンジ装置Bにおいては、本体部材3を第2可動部材13に着脱可能に取り付けるための連結手段4が上記第1実施の形態のヒンジ装置Aと相違している。
【0061】
第2可動部材13の前後の両端部には、上記第1実施の形態の第1及び第2係合凹部41,42に代えて、長手方向を上下方向に向けた第1係合軸(第1係合部)51及び第2係合軸(第2係合部)52がそれぞれ設けられている。第1及び第2係合軸51,52の上下方向の両端部は、第2可動部材13の上下方向を向く両側面から上下方向にそれぞれ突出させられている。
【0062】
本体部材3には、第1係合凹部53が形成されている。すなわち、本体部材3の上下方向を向く両側壁部3a,3aの左方を向く面の前端部には、挿入凹部54がそれぞれ形成されている。この挿入凹部54を区画する前後二つの側面のうちの前側に位置する側面の底部側の端部には、当該側面から前方に向かって延びる第1係合凹部53が形成されている。第1係合凹部53は、その前側の端部が底面によって閉じられる一方、その後側の端部が挿入凹部54に向かって開放されている。
【0063】
各第1係合凹部53には、第1係合軸51の両端部がそれぞれ係合可能である。すなわち、本体部材3を左方へ移動させると、第1係合軸51の端部が挿入凹部54に挿入される。第1係合軸51が挿入凹部54にその底面にほぼ接するまで挿入された後、本体部材3を後方へ移動させると、第1係合軸51が挿入凹部54から第1係合凹部53内に挿入される。第1係合軸51が第1係合凹部53にその底面に突き当たるまで挿入された係合状態においては、第1係合凹部53の左右の両側面によって第1係合軸51の左右方向への移動が阻止され、第1係合凹部53の底面によって第1係合軸51の前方への移動が阻止される。したがって、第1係合軸51が第1係合凹部53に係合した状態においては、第2可動部材13(座金1)に対する本体部材3の左右方向及び後方への移動が阻止される。
【0064】
挿入凹部54を区画する前後二つの側面のうち第1係合凹部53が形成された前側の側面が第1傾斜面55とされている。この第1傾斜面55は、側壁部3aの左方を向く面から第1係合凹部53まで延びており、その後端部が前端部より右側に位置するように傾斜させられている。第1傾斜面55の後端部は、第1係合凹部53の左側の側面に曲率半径の小さな円弧面を介して滑らかに連なっている。
【0065】
本体部材3の後端部には、長手方向を上下方向に向けた支持軸(当接部)56が位置固定して設けられている。この支持軸56には、係合部材57が水平方向へ回転可能に支持されている。この係合部材57は、
図11及び
図12に示す初期位置と、この初期位置から反時計方向へ向かって
図14に示す位置より若干前方に位置する限界位置との間を回転可能である。係合部材57は、コイルばね(付勢手段)58により限界位置から初期位置へ向かう方向(
図10〜
図15において時計方向)に付勢されている。係合部材57は、本体部材3が第2可動部材13から取り外されているときには、コイルばね58の回転付勢力によって初期位置に位置させられている。
【0066】
係合部材57には、第2係合凹部59が形成されている。第2係合凹部59は、初期位置に位置している係合部材57のうちの、支持軸56より左側に位置する端部に配置されている。より詳細に述べると、係合部材57が支持軸56を中心として回転するときに、その回転円の接線方向がほぼ前後方向を向く部分であって、支持軸56より左側(座金1側)に位置する部分に配置されている。したがって、第2係合凹部59は、係合部材57が初期位置と限界位置との間を回転すると、ほぼ前後方向へ移動することになる。第2係合凹部59は、係合部材57が初期位置に位置しているときに、前後方向に延びるように配置されており、前側の端部が前方に向かって開放され、後側の端部が底面によって閉じられている。
【0067】
第2係合凹部59には、第2係合軸52が係合可能である。すなわち、第2係合軸52は、第2係合凹部59にその開放部から挿入可能であり、第2係合凹部59にその底面に突き当たる係合位置まで挿入されると、第2係合凹部59に係合する。第2係合軸52が第2係合凹部59に係合した状態においては、第2係合軸52の左右方向への移動が第2係合凹部59の左右両側の側面によって阻止され、第2係合軸52の後方への移動が第2係合凹部59の底面によって阻止される。この結果、本体部材3の後端部が座金1の第2可動部材13に左右方向及び後方へ移動不能に係止される。なお、係合位置は、上記ヒンジ装置Aにおける係合位置と同様に限界位置から初期位置へ向かう方向において初期位置より僅かに手前の位置とされている。したがって、係合部材57は、コイルばね58の回転付勢力によって係合位置に維持される。
【0068】
係合部材57には、第2傾斜面60が形成されている。第2傾斜面60は、係合部材57が初期位置に位置しているとき、第2係合凹部59より左側に位置するように配置されている。第2傾斜面60は、係合部材57が初期位置に位置しているとき、その前端部が後端部より右側に位置するように傾斜させられている。つまり、第1傾斜面55と逆向きに傾斜させられている。勿論、基準線に対する第2傾斜面60の傾斜角度は、基準線に対する第1傾斜面55の傾斜角度より小さい角度に設定されている。
【0069】
係合部材57には、第3傾斜面61が形成されている。この第3傾斜面61は、その後端部が第2傾斜面60の前端部に滑らかに連なるように配置されており、その前端部が後端部より右側に位置するように傾斜させられている。第3傾斜面61の傾斜角度は、第1傾斜面55の傾斜角度より大きな角度に設定されている。第3傾斜面61の前端部(右側の端部)は、曲率半径の小さな円弧面を介して第2係合凹部59の左側に位置する側面の開放側の端部に滑らかに連なっている。この結果、第2傾斜面60の前端部は、第2係合凹部59の左側に位置する側面の開放部側の端部に第3傾斜面61及び円弧面を介して滑らかに連なっている。
【0070】
上記構成のヒンジ装置Bにおいて、本体部材3を座金1の第2可動部材13に取り付ける場合には、次のようにして取り付けることができる。すなわち、
図11に示すように、まず第1及び第2係合軸51,52を第1及び第2傾斜面55,60にそれぞれ押し付ける。その状態を維持しつつ本体部材3を左方(座金1に接近する方向)へ移動させる。すると、第1傾斜面55の傾斜角度が第2傾斜面60の傾斜角度より大きいので、第1係合軸51が第1傾斜面55上を相対的に後方へ移動する。これに伴って本体部材3が前方へ移動するとともに、第2係合軸52が第2傾斜面60上を前方へ移動する。
【0071】
第1係合軸51は、第1傾斜面55を乗り越えると、第1係合凹部53の開口部と対向する。その状態で本体部材3を左方へさらに移動させると、第1係合軸51が挿入凹部54の底面に突き当たる。その結果、本体部材3の前端部の左方への移動が阻止される。したがって、その後は、本体部材3の後端部だけが左方へ移動する。
本体部材3の後端部が左方へ移動すると、第2係合軸52が第2傾斜面60によって相対的に前方へ移動させられ、本体部材3が後方へ移動させられる。これにより、第1係合軸51が第1係合凹部53にその底面に突き当たるまで挿入される(
図12参照)。
【0072】
第1係合軸51が第1係合凹部53の底面に突き当たるまで挿入された後、本体部材3をさらに左方へ移動させると、第2傾斜面60が第2係合軸52によって後方へ押される。その結果、係合部材57が初期位置から限界位置側へ回転させられる。本体部材3の後端部がさらに左方へ移動させられて係合部材57が初期位置から限界位置側へ所定の角度だけ回転させられると、
図13に示すように、第2係合軸52が第2傾斜面60を越えて第3傾斜面61に接触するようになる。
【0073】
第2係合軸52が第3傾斜面61に接触した状態において、本体部材3の後端部をさらに左方へ移動させると、
図14に示すように、第2係合軸52が第3傾斜面61を越えて円弧面に接触する。第2係合軸52が円弧面のうちの最も前方側に位置する部分を越えると、係合部材57がコイルばね58によって限界位置側から初期位置に向かって回転させられ、第2係合軸52が第2係合凹部59に挿入される(
図15参照)。第2係合軸52は、第2係合凹部59の底面に突き当たるまで第2係合凹部59に挿入される(
図10参照)。第2係合軸52が第2係合凹部59の底面に突き当たると、第2係合軸52が第2係合凹部59と係合状態になるとともに、係合部材57が係合位置において停止する。第2係合軸52が第2係合凹部59に係合すると、本体部材3の後端部が、左右方向へ移動不能になるとともに、前方へ移動不能になる。
【0074】
このようにして本体部材3の前後の両端部が座金1の第2可動部材13の前後の両端部にそれぞれ係脱可能に係合し、それによって本体部材3が第2可動部材13に着脱可能に取り付けられる。本体部材3は、係合部材57を係合位置から限界位置側へ向かって所定の角度だけ回転させることにより、第2可動部材13から取り外すことができる。
【0075】
なお、上記第2実施の形態においては、座金1の後端部に第2係合軸52を位置固定して設け、本体部材3の後端部に係合部材57を回転可能に設けているが、座金1の後端部に係合部材57を回転可能に設け、本体部材3の後端部に第2係合軸52を位置固定して設けてもよい。そのように変形する場合においても、係合部材57には第2係合凹部59及び第2傾斜面60が設けられる。しかも、第2係合凹部59は、第1係合凹部53と同一方向に向かって開放される。
また、座金1の後端部に係合部材57を設けるとともに、本体部材3の後端部に第2係合軸52を設ける場合には、座金1の前端部に第1係合凹部53を第1係合凹部41と同様の形態で設け、本体部材3の前端部に第1係合軸51を位置固定して設けてもよい。
また、上記第2実施の形態においては、第1係合凹部53を後方に向かって開放させ、第2係合凹部59を前方に向かって開放させているが、第1係合凹部53を前方に向かって開放させ、第2係合凹部59を後方に向かって開放させてもよい。その場合には、第1及び第2傾斜面55,60の傾斜方向がそれぞれ上記実施の形態の傾斜方向と逆方向になる。
これらの変形は、互いに組み合わせてもよい。