(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
書籍を読む読者に係る読者側端末と、前記読者側端末と通信可能なサーバとを備える電子書籍配信システムにおけるサーバであって、文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と文脈の展開の順序と対応付けて記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて記憶する記憶部を備えるサーバの制御方法であって、
前記サーバが、
文脈の展開の順序と対応付けて、前記記憶部に記憶した前記分割テキスト情報を抽出するステップと、
前記の抽出した前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させるステップと、
を実行し、
前記分割テキスト情報が台詞である場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを抽出し、
前記出力させるステップにおいて、前記の抽出した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させ、
前記分割テキスト情報がト書きである場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記ト書きを抽出し、
前記出力させるステップにおいて、前記の抽出した前記ト書きを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させることを特徴とするサーバの制御方法。
前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを、スクロール可能に前記読者側端末に出力させるか、前記分割テキスト情報を表示する、1つのメッセージウィンドウを固定して前記読者側端末に出力させるかのいずれかを判定するステップをさらに実行し、
前記出力させるステップにおいて、前記判定に応じて、前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウをスクロール可能に前記読者側端末に出力させる、又は、前記分割テキスト情報を表示する、1つのメッセージウィンドウを固定して前記読者側端末に出力させる、請求項2に記載のサーバの制御方法。
前記読者側端末から所定のボタン又はアイコンを押下されると、前記分割テキスト情報を表示する、1又は複数のメッセージウィンドウを非表示にし、抽出した共通の背景画像を前記読者側端末に表示させる背景画像表示ステップをさらに実行する、請求項2に記載のサーバの制御方法。
書籍を読む読者に係る読者側端末と、前記読者側端末と通信可能なサーバとを備える電子書籍配信システムにおけるサーバであって、文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と文脈の展開の順序に対応付けて記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて記憶する記憶部を備えるサーバの制御プログラムであって、
前記サーバに、
文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記分割テキスト情報を抽出するステップと、
前記の抽出した前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させるステップと、
を実行させ、
前記分割テキスト情報が台詞である場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを抽出し、
前記出力させるステップにおいて、前記の抽出した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させ、
前記分割テキスト情報がト書きである場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記ト書きを抽出し、
前記出力させるステップにおいて、前記の抽出した前記ト書きを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力させることを特徴とするサーバの制御プログラム。
書籍を読む読者に係る読者側端末と、前記読者側端末と通信可能なサーバとを備える電子書籍配信システムにおける読者側端末であって、文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と文脈の展開の順序と対応付けて記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて記憶する記憶部を備える読者側端末の制御方法であって、
前記読者側端末が、
文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報を前記サーバから受信し、前記の受信した前記分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と文脈の展開の順序に対応付けて前記記憶部に記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて前記記憶部に記憶するステップと、
文脈の展開の順序と対応付けて、前記記憶部に記憶した前記分割テキスト情報を抽出するステップと、
前記の抽出した前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力するステップと、
を実行し、
前記分割テキスト情報が台詞である場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを抽出し、
前記出力するステップにおいて、前記の抽出した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力し、
前記分割テキスト情報がト書きである場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記ト書きを抽出し、
前記出力するステップにおいて、前記の抽出した前記ト書きを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力することを特徴とする読者側端末の制御方法。
書籍を読む読者に係る読者側端末と、前記読者側端末と通信可能なサーバとを備える電子書籍配信システムにおける読者側端末であって、文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを文脈の展開の順序に対応付けて記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて記憶する記憶部を備える読者側端末の制御プログラムであって、
前記読者側端末に、
文脈の展開が予め定められた複数の文章を所定文字数以内に複数に分割した分割テキスト情報を前記サーバから受信し、前記の受信した前記分割テキスト情報が台詞である場合は前記台詞を前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と文脈の展開の順序に対応付けて前記記憶部に記憶し、前記分割テキスト情報がト書きである場合は前記ト書きを文脈の展開の順序と対応付けて前記記憶部に記憶するステップと、
文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記分割テキスト情報を抽出するステップと、
前記の抽出した前記分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力するステップと、
を実行させ、
前記分割テキスト情報が台詞である場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを抽出し、
前記出力するステップにおいて、前記の抽出した前記台詞と前記台詞に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名とを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力し、
前記分割テキスト情報がト書きである場合に、
前記抽出するステップにおいて、文脈の展開の順序に対応付けて、前記記憶部に記憶した前記ト書きを抽出し、
前記出力するステップにおいて、前記の抽出した前記ト書きを表示するメッセージウィンドウを前記読者側端末にスクロール可能に出力することを特徴とする読者側端末の制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0029】
まず、本実施形態の概略を以下に説明する。
【0030】
本実施形態では、読者側端末2は、電子書籍の出力情報の取得要求をサーバ3に送信する。電子書籍の出力情報とは、読者側端末2に出力させる電子書籍の一部の情報をいう。
【0031】
サーバ3は、読者側端末2から電子書籍の出力情報の取得要求を受信する。サーバ3は、受信した電子書籍の出力情報の取得要求によって要求された電子書籍の分割テキスト情報を抽出する。分割テキスト情報とは、電子書籍全体の中等の文脈の展開が予め定められた複数の文章を短く(例えば、100文字以内)複数に分割したテキスト情報をいう。例えば、小説の電子書籍の場合、分割テキスト情報は、セリフ及びト書き等を示す。
【0032】
サーバ3は、抽出した分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを背景画像の上に重ねて出力情報として出力する。また、出力情報には、画像情報を含むことができる。メッセージウィンドウとは、背景画像の上に重ねて表示され、テキスト情報及び/又は画像情報を表示するウィンドウをいう。サーバ3は、出力した出力情報を読者側端末2に送信する。
【0033】
読者側端末2は、サーバ3から出力情報を受信する。読者側端末2は、受信した出力情報をスクロール可能に表示する。
【0034】
このように、分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウをスクロール可能に読者側端末2に背景画像の上に重ねて出力させる電子書籍を「絵ノベル」と定義する。
【0035】
なお、本発明において、電子書籍とは、テキスト情報に関連する画像を作成又は取得することが可能なものであって、小説や物語、レシピ、教科書、参考書、脚本、台本、エッセイ、自伝等の文脈の展開が予め定められている書籍をいう。
【0036】
図1は、電子書籍配信システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0037】
電子書籍配信システム1は、少なくとも一台の読者側端末2と、サーバ3とを備える。読者側端末2とサーバ3とは、通信ネットワークを介して相互に接続され、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介して相互に接続される。読者側端末2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、電子書籍配信プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0038】
図2は、読者側端末2の概略構成の一例を示す図である。
【0039】
読者側端末2は、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介してサーバ3に接続し、サーバ3と通信を行う。読者側端末2は、ユーザによる操作部23(タッチパネル等)の操作に応じて、電子書籍の出力情報の取得要求等をサーバ3に送信する。また、読者側端末2は、サーバ3から電子書籍の出力情報を受信して出力する。そのために、読者側端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。
【0040】
なお、本実施形態では、読者側端末2として、タブレット端末が使用できるが、本発明はこれに限定されるものではない。読者側端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、デスクトップPC、ノートPC、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、ウェアラブル端末等でもよい。
【0041】
端末通信部21は、通信インターフェース回路を備え、読者側端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式、LTE(Long Term Evolution)方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。そして、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。なお、読者側端末2がPCの場合には、端末通信部21が有線信号回線を確立し、インターネット7を介して、サーバ3との間で通信を行ってもよい。
【0042】
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置、その他のメモリのうちの少なくともいずれか一つを備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、電子書籍の出力情報の取得及び出力を行う閲覧プログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、電子書籍の出力情報等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0043】
操作部23は、読者側端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、マウス等である。ユーザは、操作部23を用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの入力として、端末処理部25に供給される。
【0044】
表示部24も、映像、画像、文字等のデータの出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給されたデータに応じて出力する。
【0045】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、読者側端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部25は、読者側端末2の各種処理が端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0046】
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして読者側端末2に実装されてもよい。
【0047】
閲覧実行部251は、電子書籍の出力情報の取得及び表示を行う。即ち、ユーザからの指示に応じて、電子書籍の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、要求された電子書籍の出力情報を、サーバ3から端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した出力情報に埋め込まれた表示制御情報に基づいて出力情報を出力する。即ち、閲覧実行部251は、受信した出力情報を解析して出力情報に埋め込まれた表示制御情報を特定し、特定した表示制御情報に従って出力情報をレイアウトし、レイアウトした出力情報を表示部24に出力する。表示制御情報とは、出力情報をレイアウトする際に、必要な様々なパラメータ(メッセージ移動量、文字サイズ等)を含み、さらに、表示制御するための様々な機能を設定し、閲覧実行部251によって、当該機能が実行できるものをいう。
【0048】
図3(a)は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
【0049】
サーバ3は、読者側端末2からの要求に応じて、出力情報の出力等を行う。また、サーバ3は、出力した出力情報を読者側端末2に送信する。そのために、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0050】
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、読者側端末2等から受信したデータをサーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを読者側端末2等に送信する。
【0051】
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、フラッシュメモリ、光ディスク装置、その他のメモリのうちの少なくともいずれか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、電子書籍の出力情報の出力させる電子書籍配信プログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、読者を管理する読者管理テーブル(
図3(b))、読者の電子書籍の置換前のシナリオデータ(
図4)、読者の電子書籍の置換後のシナリオデータ(
図6)等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0052】
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部33は、サーバ3の各種処理がサーバ記憶部32に記憶されているプログラム、読者側端末2からの要求等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0053】
サーバ処理部33は、登場人物置換部331と、電子書籍出力部332と、表示制御情報埋込部333と、表示設定部334とを備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0054】
登場人物置換部331は、電子書籍配信システムによる置換シーケンスのステップS101(
図5(a)参照)、設定人物名及び/又は設定人物画像の置換フローのステップS110〜113(
図5(b)参照)を実行する。
【0055】
電子書籍出力部332は、電子書籍配信システムによる配信シーケンスのステップS121,126(
図7参照)、出力情報の出力フローのステップS140〜141(
図8参照)、スクロール形式の出力情報の出力フローのステップS150〜154(
図9参照)、及び固定形式の出力情報の出力フローのステップ160〜161(
図10参照)を実行する。
【0056】
表示制御情報埋込部333は、電子書籍配信システムによる配信シーケンスのステップS127(
図7参照)を実行する。
【0057】
表示設定部334は、閲覧実行部251の設定フローのS237(
図13参照)に対応して、読者管理テーブルのメッセージ移動量又は文字サイズを設定する。
【0058】
図3(b)、
図4、及び
図6は、読者管理テーブル及びシナリオデータのデータ構造の一例を示す図である。
【0059】
図3(b)には、読者側端末2のユーザである読者を管理する読者管理テーブルが示されている。読者管理テーブルは、各読者について、当該読者のIDやPCで電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズ、携帯端末で電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズ等を記憶する。メッセージ移動量とは、読者側端末2の表示部24の画面をタップ又はクリックされる度に、スクロールさせるメッセージウィンドウ数をいう。文字サイズとは、読者側端末2の表示部24に表示するテキストの文字の大きさをいう。
【0060】
なお、PCで電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズ、携帯端末で電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズは、読者管理テーブルにデフォルトで記憶されているものの、読者側端末2を利用して設定画面から変更可能である。設定画面からの変更は、
図13の設定フローのステップ234〜S237において、説明する。また、読者側端末2を利用してサーバ3にログインしてPCで電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズ、携帯端末で電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズを変更することも可能である。
【0061】
なお、表示制御情報に自動しおり機能を設定することができる。ここで、読者管理テーブルは、各読者が購入した電子書籍毎に、閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウ(例えば、画面の中央等の画面の所定の位置に表示されているウィンドウ)を記憶してもよい。閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウとは、現在又は過去に閲覧したシーン及びメッセージウィンドウのうちの最新のものをいう。
【0062】
図4には、文脈の展開が予め定められた電子書籍のシナリオデータが示されている。シナリオデータとは、背景画像が共通する各分割テキスト情報及び/又は登場人物画像について、当該背景画像、表示形式、登場人物画像、登場人物名、分割テキスト情報、章名を含むデータであって、各分割テキスト情報及び/又は登場人物画像について、文脈の展開の順序が予め定められたデータをいう。電子書籍は、シナリオデータで表現される。出力情報は、背景画像が共通するシナリオデータに基づいて出力される。
【0063】
図4のシナリオデータは、背景画像が共通する各シーンについて、当該シーンのID並びに分割テキスト情報及び/又は登場人物画像の行の順序で文脈の展開の順序を表現している。しかしながら、文脈の展開の順序が予め定められていれば、シナリオデータは、シーンIDがなくても、行単位でなくてもよい。
【0064】
なお、シナリオデータは、csv形式であっても、jsonファイルの形式であっても、どのような形式のテキスト情報であってもよい。また、背景画像及び登場人物画像は、画像情報であれば、どのような形式の画像情報であってもよい。
【0065】
なお、表示制御情報がサウンド情報を含むことができる。ここで、シナリオデータは、分割テキスト情報に対応付けてサウンド情報を記憶してもよい。サウンド情報とは、効果音や音声のデジタルデータをいう。
【0066】
なお、表示制御情報がエフェクトを含むことができる。ここで、シナリオデータは、シーン(背景画像が共通の分割テキスト情報)に対応付けてエフェクトを記憶してもよい。エフェクトとは、シーンが切り替わる際に場面を盛り上げる演出をいう。例えば、エフェクトは、フェード(照明をゆっくり落とすように暗くする)、クロスフェード(画面を半透明から浮き上がらせていく)、ワイプ(カーテンを開け閉めするように画面を徐々に表示する)を含む。エフェクトには、他にも雨や雪等の自然現象、蛍の光、魔法発動の光等の複雑な演出を含んでもよい。
【0067】
なお、表示制御情報は、光るか否か及び/又は振動するか否かに関する情報を含むことができる。光るとは、画面内の所定の位置に所定のメッセージウィンドウが表示されたときに、その所定のメッセージウィンドウ又は画面全体が光る(フラッシュする)ことをいう。また、振動するとは、画面内の所定の位置に所定のメッセージウィンドウが表示されたときに読者側端末2の不図示のバイブレータで読者側端末2が振動することをいう。ここで、シナリオデータは、分割テキスト情報に対応付けて光るか否か及び/又は振動するか否かに関する情報を記憶してもよい。
【0068】
電子書籍配信者が出版社や書籍の著作権に関する権利を持つ会社から書籍の背景画像又は登場人物画像とテキスト情報の提供を受け、電子書籍のシナリオデータを作成する。そして、電子書籍配信者は、作成したシナリオデータをサーバ記憶部32に記憶する。電子書籍配信者は、背景画像又は登場人物画像を独自に作成してもよい。
【0069】
例えば、小説のシナリオデータの場合、分割テキスト情報は、ト書きと台詞の二種類の分割テキスト情報を含む。例えば、ト書きは、100文字以内、台詞は80文字以内で複数に短く分割して、分割したテキスト情報を作成する。
【0070】
したがって、分割テキスト情報が登場人物の台詞である場合は、分割テキスト情報と登場人物画像とは、登場人物画像の登場人物が台詞を話すという関連があるため、台詞の分割テキスト情報と、当該台詞の分割テキスト情報を話している登場人物画像及び/又は登場人物名は、対応付けて同じ行に記憶されてもよい(例えば、
図4の登場人物画像「太郎人物画像.png」、登場人物名「太郎」及び分割テキスト情報「いい天気だね。」等)。ここで、登場人物は、人、動物、植物、ロボット等非人称のものも含む。
【0071】
一方、分割テキスト情報がト書きである場合は、分割テキスト情報と関連のある登場人物画像の登場人物と関連がないため、ト書きの分割テキスト情報は、登場人物名及び/又は登場人物画像を対応付けられていない(例えば、
図4の分割テキスト情報「早朝の森の中、」、「太郎と花子は道なりに歩いていた。」、「3人は談笑しながら川辺を歩いた。」、「3人は休憩するために、喫茶店に入った。」等の同じ行の登場人物画像及び登場人物名の欄は、それぞれ「(なし)」になっている)。
【0072】
なお、登場人物の初登場シーンや印象的なシーンにその登場人物画像のみを表示して、その登場人物画像を強調するため、登場人物名及び分割テキスト情報を対応付けない登場人物画像を記憶してもよい(例えば、
図4のシーンIDが「4」の三行目の「店員人物画像.png」の同じ行の登場人物画像及び登場人物名の欄は、それぞれ「(なし)」になっている)。
【0073】
シーンIDが、文脈の展開の順序と対応付けられる情報であり、背景画像が共通のシナリオデータの行を示してもよい。
【0074】
メッセージウィンドウの表示形式には、三つの表示形式がある。第一に、書籍の表紙をスキャンした画像情報である表紙画像を背景画像として表示する表紙形式がある。第二に、複数のメッセージウィンドウをスクロール可能に読者側端末2の表示部24に表示するスクロール形式がある。第三に、1つのメッセージウィンドウを固定して読者側端末2の表示部24に表示する固定形式がある。固定形式とは、メッセージウィンドウをスクロールできない状態である、いわゆるノベルゲーム形式をいう。
【0075】
図4の登場人物画像の「dummy.png」は、登場人物画像を読者側端末2から受信した設定人物画像で置換するダミー人物画像を示す。
図4の分割テキスト情報の「{{$NAME}}」は、分割テキスト情報を読者側端末2から受信した設定人物名で置換する位置を示すダミー人物名位置情報である。
図4の登場人物名の「{{$NAME}}」は、登場人物名を読者側端末2から受信した設定人物名で置換するダミー人物名である。なお、ダミー人物画像、ダミー人物名位置情報、及びダミー人物名は、置換する位置を特定できれば、どのような情報であってもよい。
【0076】
図5は、電子書籍配信システムによる置換シーケンス及び登場人物置換部331による置換フローの一例を示す図である。
【0077】
なお、以下に説明する置換シーケンス及び置換フローは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、読者側端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0078】
図5(a)は、電子書籍配信システムによる置換シーケンスを示す。
【0079】
読者側端末2は、読者により入力された設定人物名及び/又は設定人物画像を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS100)。例えば、読者側端末2は、設定人物名として「次郎」及び設定人物画像として「次郎人物画像.png」を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。
【0080】
登場人物置換部331は、サーバ通信部31を介して、読者側端末2から設定人物名及び/又は設定人物画像を受信する。登場人物置換部331は、受信した設定人物名及び/又は設定人物画像の置換を実行する(ステップS101)。
【0081】
図5(b)は、登場人物置換部331によるステップS101(
図5(a)参照)の設定人物名及び/又は設定人物画像の置換フローを示す。
【0082】
登場人物置換部331は、読者側端末2から設定人物名をサーバ3が受信していない場合(ステップS110のNo)、登場人物置換部331は、ステップS111を実行せずに、スキップする。
【0083】
一方、登場人物置換部331は、読者側端末2から設定人物名をサーバ3が受信していた場合(ステップS110のYes)、登場人物置換部331は、シナリオデータを参照し、分割テキスト情報のダミー人物名位置情報及び/又はダミー人物名と、読者側端末2から受信した設定人物名とを置換する(ステップS111)。
【0084】
登場人物置換部331は、読者側端末2から設定人物画像を受信していない場合(ステップS112のNo)、登場人物置換部331は、ステップS113を実行せずに、スキップする。
【0085】
一方、登場人物置換部331は、読者側端末2から設定人物画像を受信していた場合(ステップS112のYes)、登場人物置換部331は、シナリオデータを参照し、ダミー人物画像と、読者側端末2から受信した設定人物画像とを置換する(ステップS113)。
【0086】
例えば、登場人物置換部331が、読者側端末2から受信した設定人物名「次郎」及び設定人物画像「次郎人物画像.png」及び電子書籍のシナリオデータ(
図4参照)に基づいて、設定人物名及び/又は設定人物画像の置換フロー(
図5(b)参照)を実行すると、電子書籍の
図4のシナリオデータは、
図6のようなシナリオデータに置換される。
【0087】
すなわち、登場人物置換部331は、電子書籍のシナリオデータ(
図4参照)の「{{$NAME}}」と、設定人物名「次郎」とを置換し、登場人物置換部331は、電子書籍のシナリオデータ(
図4参照)の「dummy.png」と、設定人物画像「次郎人物画像.png」(
図6参照)とを置換する。
【0088】
したがって、電子書籍内の特定の登場人物名及び/又は特定の登場人物画像と、読者が設定した設定人物名及び/又は設定人物画像(例えば、読者の名前及び/又は顔写真等)とを置換できるため、読者がより親近感を持って電子書籍を閲覧することができる。
【0089】
図7は、電子書籍配信システムによる配信シーケンスの一例を示す図である。
図8〜16を参照して、電子書籍配信システムによる配信シーケンスを説明する。
【0090】
なお、以下に説明する配信シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、読者側端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0091】
ここでは、前提条件として、次の二つを設定する。第一に、電子書籍配信システムによる置換シーケンス及び置換フローが実行されたことである。第二に、ユーザIDが「USER_001」である読者の読者側端末2がサーバ3にログインすることである。
【0092】
読者側端末2は、端末通信部21を介して、表紙情報の取得要求をサーバ3に送信する(ステップS120)。表紙情報とは、電子書籍の表紙をスキャンした画像情報をいう。
【0093】
電子書籍出力部332は、読者側端末2から電子書籍の表紙情報の取得要求を、サーバ通信部31を介して受信する。電子書籍出力部332は、取得要求された電子書籍の表紙画像の下に「スタート」ボタンを表示した表紙情報を出力する(ステップS121)。電子書籍出力部332は、出力した表紙情報を、サーバ通信部31を介して、読者側端末2に送信する(ステップS122)。
【0094】
閲覧実行部251は、サーバ3から端末通信部21を介して、表紙情報を受信する。閲覧実行部251は、受信した表紙情報を表示部24に表示する(ステップS123)。例えば、
図14(a)は、閲覧実行部251が表示した表紙情報の一例を示す図である。「スタート」ボタン300が表紙画像の下に表示されている。
【0095】
読者によって、「スタート」ボタン300を押下する(ステップS124)と、閲覧実行部251は、「次」の出力情報(例えば、表紙情報の「次」の出力情報である
図14(b)(c)参照)の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS125)。
【0096】
電子書籍出力部332は、読者側端末2から表紙の「次」の出力情報の取得要求を、サーバ通信部31を介して受信する。電子書籍出力部332は、出力情報の出力フローを実行する(ステップS126)。
【0097】
表示制御情報埋込部333は、取得要求した読者側端末2の種別に応じて、メッセージ移動量及び文字サイズを含む表示制御情報を出力情報に埋込む(ステップS127)。
【0098】
すなわち、表示制御情報埋込部333は、取得要求した読者側端末2がデスクトップPCやノートPC等の画面の大きい種別の端末であるか、携帯電話やスマートフォン等の画面の大きくない種別の端末であるか判定する。この判定は、取得要求した読者側端末2の閲覧実行部251のアプリケーションの種別やOSの種別で判定する。
【0099】
そして、表示制御情報埋込部333は、取得要求した読者側端末2が画面の大きい種別の端末である場合、読者管理テーブルを参照し、要求した読者のPCで電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズを読出す。表示制御情報埋込部333は、読み出したメッセージ移動量及び文字サイズを含む表示制御情報を、S126で電子書籍出力部332が出力した出力情報に埋め込む。
【0100】
一方、表示制御情報埋込部333は、取得要求した読者側端末2が画面の大きくない種別の端末である場合、読者管理テーブルを参照し、要求した読者の携帯端末で電子書籍を表示するためのメッセージ移動量及び文字サイズを読出す。表示制御情報埋込部333は、読み出したメッセージ移動量及び文字サイズを含む表示制御情報を、S126で電子書籍出力部332が出力した出力情報に埋め込む。
【0101】
したがって、表示制御情報埋込部333は、読者側端末2の画面の大きさに応じて表示制御情報のメッセージ移動量及び文字サイズを変化させるため、読者は、快適に電子書籍を閲覧することができる。
【0102】
電子書籍出力部332は、表示制御情報が埋め込まれた、出力情報を、サーバ通信部31を介して、読者側端末2に送信する(ステップS128)。
【0103】
閲覧実行部251は、サーバ3から出力情報を、端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した出力情報を表示部24の表示フローを実行する(ステップS129)。
【0104】
例えば、閲覧実行部251が受信した出力情報がスクロール形式である場合、出力情報(スクロール形式)の表示フロー(
図11参照)を実行し、閲覧実行部251は、
図14(b),(d),
図15(a)のようにスクロール可能に出力情報を表示部24に表示する。
【0105】
一方、例えば、閲覧実行部251が受信した出力情報が固定形式である場合、出力情報(固定形式)の表示フロー(
図12参照)を実行し、閲覧実行部251は、
図15(b),(c)のように出力情報を1つのメッセージウィンドウに固定して表示部24に表示する。
【0106】
閲覧実行部251は、「次」又は「前」の出力情報の取得要求若しくは、選択された章名又はシーンの出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する(ステップS130)。
【0107】
例えば、出力情報の取得要求は、以下の四パターンある。第一に、閲覧実行部251は、表紙情報の「次」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(
図7のステップS125参照)。第二に、閲覧実行部251は、「次」又は「前」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する(
図11のステップS202,
図12のステップS209’参照)。第三に、閲覧実行部251は、選択された章名の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する(
図13のステップS233参照)。第四に、閲覧実行部251は、選択されたシーン数の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する(
図13のステップS245参照)。
【0108】
そして、電子書籍出力部332は要求された出力情報を出力し、電子書籍出力部332は出力した出力情報を読者側端末2に送信し、閲覧実行部251が受信した出力情報を表示部24に表示し、閲覧実行部251は「次」又は「前」の出力情報の取得要求若しくは、選択された章名又はシーンの出力情報の取得要求をサーバ3に送信するというステップ126〜130を電子書籍配信システム1が繰り返すことにより、読者側端末2の読者は、電子書籍全体を閲覧することができる。
【0109】
図8は、電子書籍出力部332によるステップS126(
図7参照)の出力情報の出力フローを示す図である。
【0110】
電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された出力情報の背景画像(シーン)に対応付けられている表示形式がスクロール形式である場合(ステップS140のYes)、電子書籍出力部332は、スクロール形式の出力情報の出力フローを実行する(ステップS141)。
【0111】
一方、電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された出力情報の背景画像(シーン)に対応付けられている表示形式がスクロール形式でない場合(表示形式が固定形式である場合)(ステップS140のNo)、電子書籍出力部332は、固定形式の出力情報の出力フローを実行する(ステップS142)。
【0112】
したがって、電子書籍出力部332は、S140〜142を実行し、電子書籍出力部332は、出力情報(分割テキスト情報を表示する、1又は複数のメッセージウィンドウ)を、スクロール可能に読者側端末2に出力させるか又は固定して読者側端末2に出力させるかを判定することにより、一つの電子書籍の中でスクロール可能に出力する出力情報と、スクロール不可能に固定して出力する出力情報とが混在するため、電子書籍の出力情報に表現のバリエーションを持たせることができる。
【0113】
図9は、電子書籍出力部332によるステップS141(
図8参照)のスクロール形式の出力情報の出力フローを示す図である。
【0114】
電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された背景画像が共通する、要求されたシーンの行を抽出する(ステップS150)。すなわち、電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された順序の行の分割テキスト情報、共通の背景画像、並びに分割テキスト情報に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名を抽出する。
【0115】
例えば、電子書籍出力部332は、
図6のシナリオデータを参照し、シーンIDが「2」で、背景画像が「森画像.jpg」が要求された場合、電子書籍出力部332は、背景画像が「森画像.jpg」で共通する、「早朝の森の中、」の行から「次郎は学生時代の友人だ」の行までの登場人物画像、登場人物名、分割テキスト情報を抽出する。
【0116】
電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、抽出したシーンの行のうちの次の順序の行の分割テキスト情報が登場人物画像の登場人物に関連しない場合(次の順序の行の分割テキスト情報と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されていない場合)(ステップS151のNo)、電子書籍出力部332は、次の順序の行の分割テキスト情報を表示する、1又は複数のメッセージウィンドウを、抽出した共通の背景画像の上にスクロール可能に文脈の展開の順序で並べて出力情報を出力する(ステップS152)。
【0117】
例えば、電子書籍出力部332は、
図6のシナリオデータを参照し、次の順序の分割テキスト情報が「早朝の森の中、」である場合、電子書籍出力部332は、分割テキスト情報「早朝の森の中、」と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されていないため、分割テキスト情報「早朝の森の中、」を表示するメッセージウィンドウ(
図14(b)の310参照)を、抽出した共通の背景画像「森画像.jpg」の上にスクロール可能に文脈の展開の順序で並べて出力情報を出力する。
【0118】
したがって、書籍のテキスト情報を短く(例えば、100文字以内に)分割した分割テキスト情報をメッセージウィンドウに表示しているため、読者が意味のまとまりを把握しやすく、読みやすい電子書籍を配信することができる。また、分割テキスト情報の後ろに背景画像を重ねて出力することで、読者が分割テキスト情報の場面(例えば、場所や説明対象等)を一目で把握できる。
【0119】
一方、電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、抽出したシーンの行のうちの次の順序の行の分割テキスト情報が登場人物画像の登場人物に関連する場合(次の順序の行の分割テキスト情報と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されている場合)(ステップS151のYes)、電子書籍出力部332は、次の順序の行の分割テキスト情報並びに分割テキスト情報に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名を表示する、1又は複数のメッセージウィンドウを、抽出した共通の背景画像の上にスクロール可能に文脈の展開の順序で並べて出力情報を出力する(ステップS153)。
【0120】
例えば、電子書籍出力部332は、
図6のシナリオデータを参照し、次の順序の分割テキスト情報が「いい天気だね。」である場合、電子書籍出力部332は、分割テキスト情報「いい天気だね。」と同じ行に登場人物画像「太郎人物画像.jpg」が対応付けて記憶されているため、分割テキスト情報「いい天気だね。」並びに「太郎人物画像.jpg」及び登場人物名「太郎」を表示する複数のメッセージウィンドウ(
図14(b)の312参照)を、抽出した共通の背景画像「森画像.jpg」の上にスクロール可能に文脈の展開の順序で並べて出力情報を出力する。
【0121】
したがって、分割テキスト情報に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名と、その分割テキスト情報とを1つのメッセージウィンドウ内に表示するように出力することによって、読者が、どの登場人物が分割テキスト情報に関連しているのか(例えば、小説の場合は、どの登場人物が何の台詞を話しているのか等)を一目で把握できる。
【0122】
ステップS150において、抽出した情報を全て出力情報に出力していない場合(ステップS154のNo)、電子書籍出力部332は、背景画像が共通する、未出力の次の行のシナリオデータについて、ステップS151を実行する。これにより、背景画像が共通するシーンが続く限り、ページの概念なく上下又は左右にスクロール可能な出力情報を出力できる。
【0123】
例えば、電子書籍出力部332が、分割テキスト情報「いい天気だね。」並びに「太郎人物画像.jpg」及び登場人物名「太郎」(
図6のシナリオデータのシーンIDが「2」の三行目)まで出力していた場合、電子書籍出力部332は、未出力の次の行である分割テキスト情報「そうね。」並びに登場人物画像「花子人物画像.png」、登場人物名「花子」(
図6のシナリオデータのシーンIDが「2」の四行目)に対してステップS151を実行する。
【0124】
一方、ステップS150において、抽出した情報を全て出力情報に出力した場合(ステップS154のYes)、電子書籍出力部332は、スクロール形式の出力情報の出力フローを終了する。
【0125】
例えば、電子書籍出力部332が、
図6のシナリオデータを参照し、シーンIDが「2」で、背景画像が「森画像.jpg」で共通する、「早朝の森の中、」の行から「次郎は学生時代の友人だ」の行までの登場人物画像、登場人物名、分割テキスト情報を抽出した場合、電子書籍出力部332が、分割テキスト情報「早朝の森の中、」、「太郎と花子は道なりに歩いていた。」、「いい天気だね。」、「そうね。」、「そこへ現れたのは次郎だ。」、「おはようございます。」、及び「次郎は学生時代の友人だ。」を表示する複数のメッセージウィンドウ(
図14(a)の310〜312,314,316、
図14(b)の321〜325参照)を、抽出した共通の背景画像「森画像.jpg」の上にスクロール可能に文脈の展開の順序で並べて出力情報を出力すると、電子書籍出力部332は、スクロール形式の出力情報の出力フローを終了する(ステップS154のYes)。
【0126】
なお、電子書籍出力部332は、シナリオデータ(
図6)を参照し、抽出したシーンの行のうちの次の順序の行に、分割テキスト情報が記憶されていない場合であって、登場人物画像のみ(例えば、
図6のシーンIDが「4」の三行目の店員人物画像.png)が記憶されている場合、電子書籍出力部332は、その登場人物画像のみを、抽出した共通の背景画像の上に大きくスクロール可能に出力情報を出力する(
図15(a)の350参照)。これにより、登場人物の初登場シーンや印象的なシーンに、その登場人物画像のみを表示して、その登場人物画像を強調できる。なお、
図15(a)の350のように、メッセージウィンドウに登場人物画像のみを表示してもよい。
【0127】
図10は、電子書籍出力部332によるステップS142(
図8参照)の固定形式の出力情報の出力フローを示す図である。
【0128】
電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された順序の行の分割テキスト情報が登場人物画像の登場人物に関連しない場合(要求された順序の行の分割テキスト情報と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されていない場合)(ステップS160のNo)、電子書籍出力部332は、要求された順序の行の分割テキスト情報を表示する、1つのメッセージウィンドウを、背景画像の上に固定形式で重ねて出力情報を出力する(ステップS161)。
【0129】
例えば、電子書籍出力部332は、
図6のシナリオデータを参照し、次の順序の分割テキスト情報が「3人は休憩するために、喫茶店に入った。」である場合、電子書籍出力部332は、分割テキスト情報「3人は休憩するために、喫茶店に入った。」と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されていないため、分割テキスト情報「3人は休憩するために、喫茶店に入った。」を表示する、1つのメッセージウィンドウ(
図15(b)の360参照)を、背景画像「店内画像.jpg」の上に固定形式で重ねて出力情報を出力する。
【0130】
一方、電子書籍出力部332は、シナリオデータを参照し、要求された順序の行の分割テキスト情報が登場人物画像の登場人物に関連する場合(要求された順序の行の分割テキスト情報と同じ行に登場人物画像が対応付けて記憶されている場合)(ステップS160のYes)、電子書籍出力部332は、要求された順序の行の分割テキスト情報及び/又は登場人物名を表示する、1つのメッセージウィンドウを、登場人物画像及び背景画像の上に固定形式で重ねて出力情報を出力する(ステップS162)。
【0131】
例えば、電子書籍出力部332は、
図6のシナリオデータを参照し、次の順序の分割テキスト情報が「お待たせ致しました。」である場合、電子書籍出力部332は、分割テキスト情報「お待たせ致しました。」と同じ行に登場人物画像「店員人物画像(全身).png」が対応付けて記憶されているため、分割テキスト情報「お待たせ致しました。」並びに「店員人物画像(全身).png」及び登場人物名「店員」を表示する、1つのメッセージウィンドウ(
図15(c)の370参照)を、背景画像「店内画像.jpg」の上に固定形式で重ねて出力情報を出力する。
【0132】
したがって、背景画像及び/又は登場人物画像がスチルイラスト等の綺麗な背景画像である場合は、メッセージウィンドウが1つのみの固定形式で(固定して)出力情報を出力することにより、綺麗な背景画像及び/又は登場人物画像にメッセージウィンドウがあまり被らず、読者がじっくりと綺麗な背景画像を堪能できる。
【0133】
図11は、閲覧実行部251によるステップS129(
図7参照)の出力情報(スクロール形式)の表示フローを示す図である。
【0134】
閲覧実行部251は、出力情報に埋め込まれた表示制御情報の文字サイズに応じて、出力情報をスクロール可能に表示部24に表示する(ステップS200)。スクロールとは、表示部24の画面で、一画面内に表示しきれない部分を表示するために、読者の指又はマウス等の操作部23で、表示部24の画面の出力情報を上下に移動させることをいう。
【0135】
なお、分割テキスト情報が横書きでなく、縦書きの場合は、表示部24の画面の出力情報を左右に移動させてもよい。
【0136】
なお、出力情報が表示部24に一画面に収まった場合は、出力情報がスクロールできなくてもよく、出力情報がスクロールしてバウンスバックしてもよい。バウンスバックとは、画面を指で触り出力情報をスクロールして最終の位置に達すると、出力情報がそれ以上先に移動しそうで移動しない状態(余白を表示した状態)になり、指を離すと出力情報が跳ね返ったように戻る処理をいう。
【0137】
読者が「次へ」又は「前へ」ボタンを押下すると(ステップS201のYes)、閲覧実行部251は、「次」又は「前」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する(ステップS202)。
【0138】
例えば、閲覧実行部251は、
図14(b)の画面を表示部24に表示し、読者が画面を下にスクロールさせると、
図14(c)の画面を表示部24に表示し、「次へ」のボタン320が
図14(c)の画面の下に表示される。また、読者が画面を上にスクロールさせると、
図14(b)の画面を表示部24に表示する。
【0139】
したがって、読者がメッセージウィンドウを上下又は左右にスクロールさせることにより、読者が上下又は左右のメッセージウィンドウに表示した分割テキスト情報(例えば、台詞とト書きの関係)を比較しながら読むことができるので、意味のまとまりと文脈の前後関係が理解しやすい電子書籍を配信することができる。
【0140】
また、例えば、閲覧実行部251は、
図14(c)の画面を表示部24に表示し、読者が「次へ」のボタン320を押下すると、閲覧実行部251は、「次」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する。なお、「次へ」のボタン320は、最後のシーン以外の最後のメッセージウィンドウの後に表示される。
【0141】
一方、例えば、閲覧実行部251は、「前へ」のボタン340が一番上にある
図14(d)の画面を表示部24に表示し、読者が「前へ」のボタン340を押下すると、閲覧実行部251は、「前」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介して、サーバ3に送信する。なお、「前へ」のボタン340は、最初のシーン以外では、最初のメッセージウィンドウの前に表示される。
【0142】
一方、読者が「背景画像表示」ボタンを押下すると(ステップS203のYes)、閲覧実行部251は、1又は複数のメッセージウィンドウを非表示にし、背景画像のみを表示する(ステップS204)。そして、読者が背景画像のみを表示した画面をタップ又はクリックする(ステップS205)と、閲覧実行部251は、S200に戻る。
【0143】
例えば、閲覧実行部251は、
図14(d)の画面を表示部24に表示し、読者が「背景画像表示」ボタン341を押下すると、閲覧実行部251は、1又は複数のメッセージウィンドウを非表示にし、背景画像のみを表示する(
図15(d)参照)。これにより、スチルイラスト等の綺麗な背景画像である場合、メッセージウィンドウに隠れることなく、読者が背景画像の全体をじっくり閲覧することができる。
【0144】
そして、読者が背景画像のみを表示した画面(
図15(d))をタップ又はクリックすると、閲覧実行部251は、
図14(d)の画面に戻って表示する。
【0145】
一方、読者が「設定」ボタン(
図14(d)の342)を押下すると(ステップS206のYes)、閲覧実行部251は、設定フローを実行する(ステップS207)。
【0146】
一方、読者が出力情報を表示した画面のいずれかの部分をタップ又はクリックする(ステップS208)と、閲覧実行部251は、出力情報に埋め込まれた表示制御情報のメッセージ移動量に応じて、出力した複数のメッセージウィンドウをスクロールする(ステップS209)。
【0147】
例えば、閲覧実行部251は、
図14(b)の画面を表示部24に表示し、読者が画面のいずれかの部分をタップ又はクリックすると、閲覧実行部251は、出力情報に埋め込まれた表示制御情報のメッセージ移動量(例えば、「2」)に応じて、出力した複数のメッセージウィンドウを二つスクロールし、
図14(c)の画面を表示部24に表示する。
【0148】
したがって、メッセージ移動量は、画面の大きさに応じて異なるため、読者が画面をタップ又はクリックすることにより、画面の大きさに応じてメッセージウィンドウをスクロールできる。
【0149】
図12は、閲覧実行部251によるステップS129(
図7参照)の出力情報(固定形式)の表示フローを示す図である。
【0150】
出力情報(固定形式)の表示フローは、出力情報(スクロール形式)の表示フロー(
図11)と同様に、ステップS203〜208を実行する。また、出力情報(固定形式)の表示フローは、出力情報(スクロール形式)の表示フロー(
図11)と異なり、ステップS201,202を実行せず、さらに、ステップS200とは異なるS200’及びステップS209とは異なるS209’を実行する。以下にステップS200’,209’についてのみ説明する。
【0151】
閲覧実行部251は、出力情報に埋め込まれた表示制御情報の文字サイズに応じて、出力情報を固定して表示する(ステップ200’)。
【0152】
例えば、閲覧実行部251は、
図15(b)又は
図15(c)の画面を表示する。
図15(b)及び
図15(c)の画面は、メッセージウィンドウ360をスクロールできない画面である。
【0153】
読者が出力情報を表示した画面のいずれかの部分をタップ又はクリックする(ステップS208)と、閲覧実行部251は、「次」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS209’)。
【0154】
例えば、読者が出力情報を表示した画面(
図15(b))のいずれかの部分をタップ又はクリックすると、閲覧実行部251は、「次」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。したがって、閲覧実行部251は、「次」の出力情報である
図15(c)を、端末通信部21を介してサーバ3から受信して、表示する。
【0155】
図13は、閲覧実行部251によるステップS207(
図11,12参照)の設定フローを示す図である。
【0156】
閲覧実行部251は、設定画面(
図16(a)参照)を表示する(ステップ230)。設定画面(
図16(a)参照)には、章名プルダウン380、「背景画像表示」ボタン381、「設定」ボタン382、「ヘルプ」ボタン383、「閲覧終了」ボタン384、シーンスクロールバー385、「現在のシーン数/全てのシーン数」386が表示されている。
【0157】
章名プルダウン380には、今開いている章名「花子とお散歩」が表示されている。「現在のシーン数/全てのシーン数」386には、今開いているシーン数「2」及び全てのシーン数「11」が表示されている。
【0158】
読者が章名プルダウン380(
図16(a)参照)を選択する(ステップS231のYes)と、閲覧実行部251は、章名プルダウンに章名390(
図16(b))を表示する(ステップS232)。閲覧実行部251は、章名プルダウンに表示した章名390(
図16(b))の中から読者によって選択された章名の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS233)。
【0159】
一方、読者が「設定」ボタン382(
図16(a)参照)を押下する(ステップS234のYes)と、閲覧実行部251は、メッセージ移動量(1、2、3、4、又は5)を設定するためのラジオボタン401及び文字サイズ(標準、中、又は大)を設定するためのラジオボタン402を含む設定ウィンドウ400(
図16(c)参照)を表示する(ステップS235)。
【0160】
閲覧実行部251は、ラジオボタン401及び/又はラジオボタン402で読者によって選択されたメッセージ移動量(1、2、3、4、又は5)及び/又は文字サイズ(標準、中、又は大)で、出力情報に埋め込まれた表示制御情報を更新する(ステップS236)。
【0161】
閲覧実行部251は、更新したメッセージ移動量又は文字サイズの設定要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS237)。
【0162】
表示設定部334は、読者側端末2からサーバ通信部31を介してメッセージ移動量又は文字サイズの設定要求を受信する。表示設定部334は、設定要求を送信した読者側端末2がデスクトップPCやノートPC等の画面の大きい種別の端末であるか、携帯電話やスマートフォン等の画面の大きくない種別の端末であるか判定する。表示設定部334は、受信したメッセージ移動量又は文字サイズの設定要求及び設定要求を判定した読者側端末2の種別に応じて、読者管理テーブル(
図3(b)参照)に受信したメッセージ移動量又は文字サイズを記憶する。
【0163】
一方、読者が「背景画像表示」ボタン381(
図16(a)参照)を押下する(ステップS238のYes)と、閲覧実行部251は、S204(
図11参照)と同様に、1又は複数のメッセージウィンドウを非表示にし、背景画像のみを表示する(ステップS239)。
【0164】
例えば、読者が「背景画像表示」ボタン381(
図16(a)参照)を押下すると、閲覧実行部251は、
図11及び
図12のステップS204と同様に、1又は複数のメッセージウィンドウを非表示にし、背景画像のみを表示する(
図15(d)参照)。これにより、スチルイラスト等の綺麗な背景画像である場合、メッセージウィンドウに隠れることなく、読者が背景画像の全体をじっくり閲覧することができる。
【0165】
一方、読者が「ヘルプ」ボタン383(
図16(a))を押下する(ステップS240のYes)と、閲覧実行部251は、ヘルプ情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS241)。
【0166】
サーバ3は、読者側端末2からヘルプ情報の取得要求を、サーバ通信部31を介して受信する。サーバ3は、受信したヘルプ情報の取得要求に対応するヘルプ情報を、サーバ通信部31を介して読者側端末2に送信する。
【0167】
閲覧実行部251は、サーバ3から端末通信部21を介して受信したヘルプ情報を表示する(ステップ242)。
【0168】
一方、読者がシーンスクロールバー385(
図16(a))を選択する(ステップS243のYes)と、閲覧実行部251は、シーンスクロールバー412(
図16(d))をスクロールしつつ、スクロールしたシーンスクロールバー412に対応する選択章名410(
図16(d))及び「現在のシーン数/全てのシーン数」411(
図16(d))を表示する(ステップS244)。
【0169】
例えば、
図16(d)の画面では、スクロールしたシーンスクロールバー412に対応して、選択章名「喫茶店にて」410、「現在のシーン数/全てのシーン数」「4/11」411が表示されている。
【0170】
閲覧実行部251は、シーンスクロールバー412(
図16(d))で読者によって選択されたシーン数の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS245)。
【0171】
例えば、閲覧実行部251が
図16(d)の画面を表示し、読者がスクロールバー410をスクロールさせ、選択章名「喫茶店にて」410、選択シーン数「4」411の状態でスクロールバー410を離すと、閲覧実行部251は、シーン数「4」の出力情報の要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。これにより、読者は、閲覧したい章名のシーンの出力情報を閲覧することができる。
【0172】
一方、読者が「閲覧終了」ボタン384を押下する(ステップS246)と、閲覧実行部251は、出力情報の表示(電子書籍の閲覧)を終了する。
【0173】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、読者側端末2は、設定人物名及び/又は設定人物画像をサーバ3に送信し、登場人物置換部331は、受信した設定人物名及び/又は設定人物画像の置換を実行したが、読者側端末2は、設定対象人物名並びに設定人物名及び/又は設定人物画像をサーバ3に送信し、登場人物置換部331’は、受信した設定対象人物名並びに設定人物名及び/又は設定人物画像の置換を実行してもよい。
【0174】
すなわち、読者側端末2は、設定対象人物名並びに設定人物名及び/又は設定人物画像をサーバ3に送信する。登場人物置換部331’は、読者側端末2から設定対象人物名並びに設定人物名及び/又は設定人物画像を受信する。登場人物置換部331’は、シナリオデータを参照し、分割テキスト情報及び/又は登場人物名のうちの受信した設定対象登場人物名と、受信した設定人物名とを置換する。また、登場人物置換部331’は、シナリオデータを参照し、登場人物画像のうちの受信した設定対象登場人物名の登場人物画像と、受信した設定人物画像とを置換する。
【0175】
例えば、読者側端末2は、設定対象人物名「太郎」並びに設定人物名「一郎」及び設定人物画像「一郎人物画像.png」をサーバ3に送信する。登場人物置換部331’は、読者側端末2から設定対象人物名「太郎」並びに設定人物名「一郎」及び設定人物画像「一郎人物画像.png」を受信する。登場人物置換部331’は、シナリオデータを参照し、分割テキスト情報及び/又は登場人物名のうちの受信した設定対象登場人物名「太郎」と、受信した設定人物名「一郎」とを置換する。また、登場人物置換部331’は、シナリオデータを参照し、登場人物画像のうちの受信した設定対象登場人物名「太郎」の登場人物画像「太郎人物画像.png」と、受信した設定人物画像「一郎人物画像.png」とを置換する。
【0176】
したがって、電子書籍内の任意の登場人物名及び/又は任意の登場人物画像と、読者が設定した設定人物名及び/又は設定人物画像とを置換できるため、読者がオリジナルの電子書籍を閲覧することができる。
【0177】
また、本実施形態では、読者側端末2から電子書籍の一部である出力情報の取得要求をサーバ3が受信し、サーバ3が要求された出力情報を出力し、サーバ3が出力した出力情報を読者側端末2に送信したが、サーバ3から電子書籍のシナリオデータの全て又は一部を読者側端末2に配信し、読者側端末2がサーバ3の登場人物置換部331、電子書籍出力部332、表示制御情報埋込部333及び表示設定部334の機能を有してもよい。なお、電子書籍のシナリオデータの一部を読者側端末2に配信した場合、電子書籍のシナリオデータの一部を閲覧開始するとともに、電子書籍のシナリオデータの残りも順次配信する。
【0178】
その場合、読者側端末2から端末通信部21及びサーバ通信部31を介してサーバ3に送信していたデータを、端末通信部21及びサーバ通信部31を介さず、サーバ3の登場人物置換部331、電子書籍出力部332、表示制御情報埋込部333及び表示設定部334の機能を有した端末処理部25に供給する。
【0179】
さらに、サーバ3からサーバ通信部31及び端末通信部21を介して読者側端末2に送信していたデータも、サーバ通信部31及び端末通信部21を介さず、いったん端末記憶部22に記憶し、サーバ3の登場人物置換部331、電子書籍出力部332、表示制御情報埋込部333及び表示設定部334の機能を有する端末処理部25が端末記憶部22を参照することにより、当該端末処理部25に供給する。
【0180】
したがって、サーバ3から電子書籍のシナリオデータの全てを読者側端末2に配信すれば、読者側端末2の読者は、インターネット7に接続できない環境であっても電子書籍を閲覧することができる。
【0181】
また、本実施形態では、表示制御情報には、メッセージ移動量及び文字サイズが含まれていたが、表示制御情報に自動しおり機能を設定してもよい。自動しおり機能とは、読者が出力情報を閲覧している途中で閲覧を中止し、閲覧実行部251が閲覧終了した後、同じ電子書籍を選択して閲覧を再開するために、読者側端末2から再度ログインして選択した電子書籍の出力情報の取得要求をサーバ3に送信すると、電子書籍出力部332’は、読者管理テーブルを参照し、前回閲覧終了したシーンの同じメッセージウィンドウを出力する機能のことをいう。
【0182】
すなわち、読者管理テーブルは、読者が購入した電子書籍毎に、閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウ(例えば、画面の中央等の画面の所定の位置に表示されているウィンドウ)をさらに記憶する。読者管理テーブルは、閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウとして、デフォルトでは、表紙情報を記憶する。表示制御情報の自動しおり機能は、画面をクリック、スクロール又はタップする等の読者による操作がされ、かつ、一定時間(例えば、10秒間)経過する毎に現在閲覧しているシーン及びメッセージウィンドウ(例えば、画面の中央等の画面の所定の位置に表示されているウィンドウ)を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。したがって、一定時間(例えば、10秒間)、読者がスクロール又はタップ等の操作をしなかった場合は、表示制御情報の自動しおり機能は、現在閲覧しているシーン及びメッセージウィンドウをサーバ3に送信しない。
【0183】
表示設定部334’は、読者側端末2から現在閲覧しているシーン及びメッセージウィンドウを、サーバ通信部31を介して受信する。表示設定部334’は、受信した現在閲覧しているシーン及びメッセージウィンドウを、読者管理テーブルの読者が購入した電子書籍のうちの現在閲覧している電子書籍の閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウに記憶する。そして、読者が出力情報を閲覧している途中で閲覧を中止し、閲覧実行部251が閲覧終了する。
【0184】
その後、同じ電子書籍を選択して閲覧を再開するために、読者側端末2から再度ログインして選択した電子書籍の出力情報の取得要求をサーバ3に送信すると、電子書籍出力部332は、読者管理テーブル及びシナリオデータを参照し、選択した電子書籍の閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウに対応する分割テキスト情報若しくは分割テキスト情報及び分割テキスト情報に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名を抽出し、抽出した分割テキスト情報若しくは分割テキスト情報及び分割テキスト情報に関連する登場人物画像及び/又は登場人物名を表示する、前回閲覧終了したシーンの同じメッセージウィンドウを、画面の所定の位置に表示するように出力する。
【0185】
したがって、読者は、ログインの度に表紙情報から「スタート」ボタンを選択し、「次」の出力情報を下に最後までスクロールして、「次へ」のボタンを選択等の操作をして、どのシーンのどのウィンドウまで前回に読んだか探す作業をする必要がなくなる。
【0186】
なお、表示設定部334’は、読者管理テーブルの各読者の電子書籍毎に記憶した、閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウを、一定期間(例えば、10日間)保持し、表示設定部334’は、一定期間を過ぎてその電子書籍がその読者に閲覧されなかった場合、読者管理テーブルの閲覧シーン及び閲覧メッセージウィンドウを、デフォルトの表紙情報に戻してもよい。
【0187】
なお、表示制御情報に自動スクロール機能を設定することができる。読者は、設定画面において、自動スクロール機能のオン・オフを切り替えることができる。また、読者は、設定画面において、自動スクロール機能のスクロールスピードの設定(例えば、遅い、普通、速い)を変更することができる。
【0188】
ここで、自動スクロール機能がオンになっている場合、表示制御情報の自動スクロール機能は、設定されたスクロールスピードでメッセージウィンドウをスクロールさせてもよい。その場合、読者が画面のいずれかの部分をタップ又はクリックすると、表示制御情報の自動スクロール機能は、自動スクロールを停止する。そして、再度、読者が画面のいずれかの部分をタップ又はクリックすると、表示制御情報の自動スクロール機能は、停止していた自動スクロールを再開する。表示制御情報の自動スクロール機能は、シーンの最後までメッセージウィンドウをスクロールした場合に、「次」の出力情報の取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。これにより、読者が画面に触れていなくても電子書籍を閲覧し、電子書籍を読み進めることができる。
【0189】
また、本実施形態では、閲覧実行部251は、出力情報を表示部24にスクロール可能に表示し、読者が出力情報をスクロールさせるとともに、画面内の所定の位置の所定のメッセージウィンドウの効果音や音声を読者側端末2のスピーカから出力してもよい。これにより、読者は、臨場感のある出力情報を閲覧できる。
【0190】
すなわち、シナリオデータは、分割テキスト情報に対応付けてサウンド情報をさらに記憶する。そして、表示制御情報埋込部333’は、シナリオデータを参照し、メッセージウィンドウに対応づけてサウンド情報を、表示制御情報に含ませる。閲覧実行部251は、表示制御情報のサウンド情報に応じて、所定のメッセージウィンドウが画面上の所定の位置にスクロールされた場合、読者側端末2の不図示のスピーカに、そのメッセージウィンドウに対応づけられたサウンド情報を出力する。
【0191】
また、本実施形態では、閲覧実行部251は、出力情報を表示部24にスクロール可能に表示するとともに、シーンが切り替わる際にエフェクトを読者側端末2の表示部24に表示してもよい。エフェクトとは、シーンが切り替わる際に場面を盛り上げる演出をいう。これにより、読者は、臨場感のある出力情報を閲覧できる。
【0192】
すなわち、シナリオデータは、シーン(背景画像が共通の分割テキスト情報)に対応付けてエフェクトをさらに記憶する。そして、表示情報埋込部333’は、シナリオデータを参照し、シーンに対応づけてエフェクトを表示情報制御情報に含ませる。閲覧実行部251は、シーンが切り替わる際に表示情報制御情報のエフェクトとともに出力情報を表示部24に表示する。
【0193】
また、本実施形態では、閲覧実行部251は、出力情報を表示部24にスクロール可能に表示し、読者が出力情報をスクロールさせるとともに、画面内の所定の位置に所定のメッセージウィンドウが表示されたときに読者側端末2が振動してもよく、その所定のメッセージウィンドウ又は画面全体が光ってもよい。これにより、読者は、臨場感のある出力情報を閲覧できる。
【0194】
すなわち、シナリオデータは、分割テキスト情報に対応付けて光るか否か及び/又は振動するか否かに関する情報をさらに記憶する。そして、表示制御情報埋込部332’は、シナリオデータを参照し、所定のメッセージウィンドウに対応づけて光るか否か及び/又は振動するか否かに関する情報を、表示制御情報に含ませる。閲覧実行部251’は、表示制御情報の光るか否か及び/又は振動するか否かに関する情報に応じて、画面内の所定の位置に所定のメッセージウィンドウが表示されたときに読者側端末2が振動する、又はその所定のメッセージウィンドウ又は画面全体が光る。
【0195】
また、端末処理部25及びサーバ処理部33が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、半導体記録媒体、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供され、当該記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部32にインストールされてもよい。
【0196】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【解決手段】サーバ3は、文脈の展開が予め定められた複数の文章を複数に分割した分割テキスト情報を文脈の展開の順序に対応付けて記憶する記憶部32と、文脈の展開の順序に対応付けて、記憶部32に記憶した分割テキスト情報を抽出し、抽出した分割テキスト情報を表示する複数のメッセージウィンドウを読者側端末にスクロール可能に出力させる電子書籍出力部332と、を備える。