(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の遊技媒体が供給され、遊技媒体の移動に応じてゲームが進行するゲームフィールドと、前記ゲームフィールドの付与領域に進入する遊技媒体に応じて遊技価値をユーザに付与する付与機構と、前記ゲームフィールドの回収領域に進入する遊技媒体を回収する回収機構と、を有するゲーム機において、
前記回収領域及び前記付与領域のうちいずれか一方の領域に進入した遊技媒体を他方の領域に案内する案内状態位置と、前記一方の領域に進入した遊技媒体を前記他方の領域に案内しない非案内状態位置と、に変位可能な可動部材と、
前記案内状態位置と前記非案内状態位置とを切り替えるように前記可動部材の位置を制御する位置制御手段と、を備えたゲーム機。
前記可動部材は、前記一方の領域として回収領域に進入した遊技媒体を前記他方の領域として付与領域に案内する案内状態位置と、前記回収領域に進入した遊技媒体を前記払出領域に案内しない非案内状態位置に変位可能である請求項1に記載のゲーム機。
前記可動部材には、前記一方の領域に進入した遊技媒体を案内する案内面が設けられ、前記可動部材は、前記案内面の角度を変更することで前記案内状態位置と前記非案内状態位置に変位する請求項1又は2に記載のゲーム機。
前記可動部材には、前記一方の領域に進入した遊技媒体を案内する案内面が設けられ、前記可動部材は、前記案内状態位置と前記非案内状態位置との間で前記案内面がスライド移動可能である請求項1又は2に記載のゲーム機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一形態に係るゲーム機2の全体図である。ゲーム機2は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。この種のゲーム機2は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機2は、メダルを利用するいわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機2には、複数のステーションユニットSTが設けられている。
図1の形態では、ゲーム機2には4つのステーションユニットSTが設けられ、隣り合う2つのステーションユニットSTの間には、2つのステーションユニットSTで共通して利用する第1モニタ11及び第2モニタ12が設けられている。第1モニタ11は、液晶ディスプレイ装置であり、後述するビンゴゲームが表示される。第2モニタ12には、ブック型のスクリーン12aと、スクリーン12aにゲーム画像を表示する不図示のプロジェクタとが設けられ、プッシャーゲームのゲーム結果に応じて各種の抽選ゲームが表示される。なお、
図1に示されたゲーム機2は、適宜の部材が省略して記載されている。
【0009】
ステーションユニットSTは、メダルを利用したいわゆるプッシャーゲーム、及びそのプッシャーゲームのゲーム結果に応じたビンゴゲームを実行する。各ステーションユニットSTには、ユーザがゲームを操作するための操作部3と、ユーザの操作に応じてゲームが進行するゲームフィールドGFとが設けられ、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMの物理的移動を利用してゲームが進行する。なお、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMは、ゲーム機2で内部循環するメダルMであり、ユーザが投入し、あるいはユーザに払い出されるメダル(以下、プレイ用メダルということがある。)とは異なる仕様である。詳細は後述する。
【0010】
ステーションユニットSTの操作部3には、プレイ用メダルをゲーム機2に投入するメダル投入口21と、ゲームフィールドGFにメダルMを投入するための投入操作レバー22と、各種操作のための操作ボタン23と、ユーザのカード4を読み取るためのカードリーダ24と、ゲームフィールドGFのゲーム結果に応じてユーザにプレイ用メダルを払い出すメダル払出口25とが設けられている。メダル投入口21に投入されたプレイ用メダルは、図示しないメダル検出センサにて検出され、クレジットとして記憶部73に記憶される。投入操作レバー22を操作することにより、ユーザは、所有するクレジットの範囲でゲームフィールドGFにメダルMを投入することができる。
【0011】
図2は、ステーションユニットSTの要部拡大図である。ステーションユニットSTには、メダルMが載置されるテーブル31と、テーブル31の上面に沿って前後に往復運動するプッシャーテーブル32と、プッシャーテーブル32上にメダルMを供給するメダル供給機構33と、テーブル31の前端に位置し、メダルMが落下する落下部34と、テーブル31の両側でメダルMが回収される回収部35と、回収部35に設けられてメダルMの親落ちを調整する親落ち調整機構36とが設けられている。テーブル31は、ゲームフィールドGFに固定され、プッシャーテーブル32が往復運動することによりプッシャーテーブル32上のメダルMやテーブル31上のメダルMが押し出されて移動する。プッシャーテーブル32は、不図示の駆動機構の動作に応じて往復運動する。ゲームフィールドGFは、メダルMによるゲームが進行する空間を意味し、テーブル31、プッシャーテーブル32、落下部34及び回収部35が含まれる。
【0012】
メダルMは、識別情報が記録されたICチップ(不図示)を有する樹脂製のメダルである。メダルMには複数の属性が設けられている。一例として、投入操作レバー22の操作に応じてゲームフィールドGF上に供給される1クレジット価値が設定された青メダルM1と、2クレジット価値が設定された緑メダルM2と、3クレジット価値が設定された赤メダルM3と、ビンゴゲームのビンゴシート101の複数のマスにそれぞれ紐付けられたビンゴメダルM4とが設けられている。青メダルM1が落下部34に落下した場合には1クレジットがユーザに付与され、同様に緑メダルM2と赤メダルM3が落下部34に落下した場合にはそれぞれ2クレジット、3クレジットがユーザに付与される。各色メダルM1〜M3は、それぞれの色の樹脂で形成されている。各色メダルM1〜M3のICチップには、各色の識別情報が記録されている。
【0013】
第1モニタ11には、ビンゴゲームのビンゴシート101が表示される。ビンゴシート101は、4行4列の16マスを有し、各マス101aには、1〜16のビンゴ数字が割り当てられている。一方、ビンゴメダルM4には、1〜16のビンゴ数字が割り当てられている。ビンゴメダルM4のICチップには、割り当てられたビンゴ数字の識別情報が記録され、ビンゴメダルM4の表面には、割り当てられたビンゴ数字が表示されている。その他、ビンゴメダルM4には、ビンゴ数字のルーレット抽選を実行する「抽選」及びユーザが希望するビンゴ数字を有効にする「指定」の識別情報が記録されたメダルがある。これらのビンゴメダルM4の表面には、各機能に対応する図柄が表示される。なお、本形態では、「抽選」のビンゴメダルM4には「★」マーク、「指定」のビンゴメダルM4には「*」マークを付して説明する。
【0014】
図3は、メダル供給機構33の要部拡大図である。メダル供給機構33には、青メダルM1を格納する青メダル格納容器41と、緑メダルM2を格納する緑メダル格納容器42と、赤メダルM3を格納する赤メダル格納容器43と、ビンゴメダルM4を格納するビンゴメダル格納容器44と、ゲームフィールドGFに青メダルM1を投入するメダル投入ガイド45と、緑メダルM2、赤メダルM3及びビンゴメダルM4を共通して投入する共通投入ガイド46と、落下部34から落下したメダルMを回収するメダルホッパー47と、メダルホッパー47に貯留されているメダルMを上昇させる上昇リフトホッパー48と、メダルMを各容器41〜44に振り分けるメダル振分機構49と、各容器41〜44に設けられ、所定条件に応じて各メダルM1〜M4をゲームフィールドGFに供給する払出機構50a〜50dと、青メダルM1以外の払出機構50b〜50dから払い出されたメダルM2〜M4を供給先のゲームフィールドGFに振り分ける下部振分機構51とが設けられている。緑メダル格納容器42、赤メダル格納容器43及びビンゴメダル格納容器44は、隣り合うステーションユニットSTと共通して利用する。また、青メダル格納容器41は、各ステーションユニットSTに設けられる。各容器41〜44は、メダルMを積み上げるようにして格納する。これにより、メダルMは配列して格納され、収容された順番が維持される。
【0015】
メダル振分機構49には、上昇リフトホッパー48によって上昇したメダルMの識別情報を読み取るICリーダ52と、ICリーダ52の読取結果に基づいて各容器41〜44にメダルMを振り分ける複数のブロッカー53a〜53dとが設けられている。上昇リフトホッパー48により案内されたメダルMは、ブロッカー53a〜53dが配置されたメダル振分路54を移動する。ブロッカー53a〜53dは、それぞれのブロッカー53a〜53dと連絡する容器41〜44への案内の可否を切り替える。ICリーダ52の読取結果に基づいてブロッカー53a〜53dが動作し、該当する容器41〜44にメダルMを格納する。なお、ICリーダ52にて判別不能のメダルMは、ブロッカー53a〜53dを通過し、イレギュラー用の下降リフトホッパー55へ案内される。下降リフトホッパー55に案内されたメダルMは、再度メダルホッパー47に戻る。なお、ICリーダ52にて判別不能な場合の他に、ジャックポット時等の演出として、メダルホッパー47、上昇リフトホッパー48、下降リフトホッパー55を使ってメダルMを循環させることも可能である。
【0016】
投入操作レバー22の操作に基づいて払出機構50aが動作すると、メダル投入ガイド45を介して青メダルM1がゲームフィールドGF上に供給される。メダル投入ガイド45は、操作部3の操作に応じて投入方向が変更される。青メダルM1以外の格納容器42〜44は、隣り合うステーションユニットSTと共通して設けられているので、メダルM2〜M4が払い出されると、下部振分機構51が動作し、いずれかのステーションユニットSTにメダルMが振り分けられる。
【0017】
落下部34には、落下したメダルMの識別情報を読み取るICリーダ37が設けられている。色メダルM1〜M3が落下した場合には、色に応じたクレジットをユーザに付与する。ビンゴメダルM4が落下すると、落下したビンゴメダルM4に応じてビンゴゲームを進行させる。
【0018】
図4は、親落ち調整機構36の上面図である。親落ち調整機構36は、テーブル31の両側で落下してユーザにクレジットを付与せずにメダルホッパー47に回収されるいわゆる「親落ち」とよばれるメダルMの量を調整する機構である。親落ち調整機構36には、テーブル31の両側に配置された一対の可動部材61と、可動部材61を駆動する駆動機構62と、駆動機構62を制御するために可動部材61の位置を検出する複数の位置検出センサ63とが設けられている。可動部材61には、メダルMを案内する案内面61aと、テーブル31の側面に押しつけられて、隙間へのメダルMの進入を防止する補助部材61bとが設けられている。補助部材61bは、ばね61cによりテーブル31の側面に付勢される。補助部材61bは、一例として樹脂で形成されている。
【0019】
図5A〜
図5Cは、可動部材61が変位する様子を示す図である。可動部材61は、テーブル31の両側から落下したメダルMを親落ちメダルとして回収する親落ち位置P1(
図5A参照)と、テーブル31の両側から落下したメダルMを落下部34に案内するユーザ回収位置P2(
図5B参照)と、テーブル31の両側から突出してメダルMの親落ちを防止する親落ち防止位置P3(
図5C参照)との間で変位する。可動部材61は、案内面61aの角度を変更することで親落ち位置P1と、ユーザ回収位置P2と、親落ち防止位置P3との間を変位する。可動部材61が親落ち位置P1に位置することを「親落ちモード」、可動部材61がユーザ回収位置P2に位置することを「ユーザ回収モード」、可動部材61が親落ち防止位置P3に位置することを「親落ち防止モード」ということがある。
【0020】
駆動機構62には、駆動源62aと、駆動源62aの動力を伝達する伝達部材62bと、伝達部材62bがスライド移動するスライド部材63cと、スライド部材63cが固定され、かつ一対の可動部材61をその両端で固定する駆動軸62dとが設けられている。伝達部材62bの回転運動に応じてスライド部材63cが移動し、スライド部材63cの移動に応じて可動部材61が変位する。複数の位置検出センサ63は、移動するスライド部材63cに沿って配置され、スライド部材63cを検出する。これにより、各位置P1〜P3に可動部材61を変位させるように駆動源62aの動作を制御する。
【0021】
可動部材61が親落ち位置P1に位置するとき、テーブル31の側方から落下したメダルMは、親落ちメダルとして回収される。可動部材61がユーザ回収位置P2に位置するとき、テーブル31の側方から落下したメダルMは、可動部材61の案内面61aにより落下部34に案内される。これにより、メダルMは落下部34に落下したメダルMと同様の扱いとなる。メダルMはICリーダ37によって検出され、ユーザにメダルMに応じた報酬が付与される。可動部材61が親落ち防止位置P3に位置するとき、テーブル31の側方は、可動部材61がテーブル31の上面よりも上方に位置し、メダルMの落下を防止する。
【0022】
図2を参照して、ゲームフィールドGFでのメダルMの流れの概略を説明する。ユーザは、貸与されるプレイ用メダルの枚数に応じてゲーム機2を設置する店舗の運営者に料金を支払い、あるいは仮想通貨を消費する。ユーザがメダル投入口21にプレイ用メダルを投入するとクレジットとしてカウントされ、記憶部73に記録される。ユーザが投入操作レバー22を操作すると、メダル投入ガイド45を介して青メダルM1がゲームフィールドGF上に供給される。このとき、ユーザが操作部3を操作すると、メダル投入ガイド45の投入方向が変更される。ゲームフィールドGFのテーブル31及びプッシャーテーブル32上には、メダルM1〜M4が互いに接した状態で敷き詰められている。メダルM1が投入されると、プッシャーテーブル32の往復運動による押出し力は、プッシャーテーブル32の前端部からテーブル31の前端部まで敷き詰められているメダルMに伝達され、テーブル31の前端部に位置するメダルMが押し出され、落下部34に落下する。あるいは、テーブル31の側方から落下し、メダルホッパー47に回収される。本形態のプッシャーゲームでは、メダルM1〜M4のみがゲームフィールドGF上に敷き詰められるようにして配置される。
【0023】
落下部34に落下したメダルMは、ICリーダ37により識別情報が読み取られた後、メダルホッパー47に回収される。読み取った識別情報に応じて、クレジットの付与、メダル払出口25からのプレイ用メダルの払出し、ビンゴゲームの進行処理、ルーレット抽選の実行等、各種の処理がされる。一方、メダルホッパー47内のメダルMは順次上昇リフトホッパー48によりメダル振分機構49へと移動させられ、ICリーダ52の読取結果に応じて各容器41〜44に振り分けられ、格納される。また、ICリーダ37の読取結果及びメダル供給機構33の供給状況に基づいて、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの出入りが把握できる。メダル供給機構33によるメダルMの供給状況は、ICリーダ52の読取結果及び払出枚数から把握される。これにより、現在ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの属性の割合、ビンゴメダルM4の種類を割り出して、ゲーム進行に利用することができる。
【0024】
図6は、親落ち調整機構36により実現される親落ち調整機能を説明する図である。上述したように親落ち調整機構36は、親落ちモード、ユーザ回収モード及び親落ち防止モードの3つのモードをゲーム状況に応じて切り替えることができる。例えば、プッシャーゲームやビンゴゲームのゲーム結果に応じて実行される各種抽選処理の特典の1つとしてユーザ回収モードや親落ち防止モードへの切替えを設定することができる。これにより、回収部35に回収されていたメダルM1〜M4を落下部34に移動させ、ユーザが獲得することができる。あるいは、回収部35への落下を防止し、ユーザの取り分を増やす効果がある。可動部材61の案内面61aには、見る角度に応じて表示が変化する表示部材65が設けられている。表示部材65は、一例としてレンチキュラーを利用した印刷物があげられる。各モードへの切替えにより、案内面61aの角度が変更されるので、親落ち防止モードとユーザ回収モードとで絵柄が変化するように設けることができる。一例として、親落ち防止モードでは、「GUARD」との文字が表示され、ユーザ回収モードでは、「GET!」との文字が表示されるように表示部材65を設置する。
【0025】
図7は、ゲームシステム1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機2には、各ステーションユニットSTの動作を管理するユニット管理部71が設けられている。ユニット管理部71は、ステーションユニットST間で共通して利用している第1モニタ11や第2モニタ、メダル供給機構33の動作の調整をする。各ステーションユニットSTには、ステーション制御部72と、記憶部73とが設けられている。ユニット管理部71及びステーション制御部72は、ゲーム機2のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ステーション制御部72は、ユーザの操作を受け付ける操作部3、メダル供給機構33、親落ち調整機構36、ICリーダ37、第1モニタ11及び第2モニタ12等とそれぞれ接続され、ステーションユニットST毎にゲーム進行に必要な信号やデータを要求あるいは取得する。ステーション制御部72は、他にもゲーム実行や設定に必要な各種センサ、機構、部材等と接続され、信号やデータの送受信や、動作を制御したりしている。
【0026】
記憶部73は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む装置である。記憶部73には、ゲーム機2でゲームを実行するためのゲームプログラム74と、プレイデータ75と、メダルMの属性と識別情報とが対応付けて記録されたメダル識別データ76と、ビンゴメダル格納容器44に格納されたビンゴメダルM4の配列順を記録したメダル供給データ77と、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの識別情報を記録したメダルフィールドデータ78とが記憶されている。その他、ゲームの実行に必要な各種のデータが記録されている。プレイデータ75は、プレイヤがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。プレイデータ75には、プレイヤがプレイした各種ゲームの結果や取得したアイテム等のゲーム内容に関するデータが記録されている。
【0027】
ステーション制御部72が記憶部73に記憶されたゲームプログラム74を読み取って実行することにより、ステーション制御部72の内部には論理的装置としてのプッシャーゲーム実行部79及びビンゴゲーム実行部80が設けられる。プッシャーゲーム実行部79は、プッシャーゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。例えば、ユーザの操作に応じたゲームフィールドGFへのメダルMの投入、落下部34に落下したメダルMに応じた報酬の付与、メダル供給機構33からのメダルMの供給、ゲーム結果に応じたゲーム演出等の処理を実行する。ビンゴゲーム実行部80は、ビンゴゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。例えば、ビンゴシート101の生成、落下部34に落下したビンゴメダルM4に応じたビンゴゲームの進行、ゲーム結果に応じたゲーム演出、ルーレット抽選やジャックポット抽選等の各種抽選処理等を実行する。なお、
図7では、1つのステーションユニットSTを図示しているが、ゲーム機2には実際には同様の構成の複数のステーションユニットSTが設けられている。
【0028】
ゲーム機2は、センターサーバ5と所定のネットワークを介して接続される。センターサーバ5は、複数のサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ5が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ5が構成されてもよい。センターサーバ5には、ゲームサービス管理部91と、記憶部92とが設けられる。ゲームサービス管理部91は、センターサーバ5のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部92は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部92は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部92には各種のデータが記憶されるが、
図7ではプレイデータ75が示されている。プレイデータ75は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部92に記録されるが、
図7では一のユーザ識別情報に対応付けられたプレイデータ75のみを示す。
【0029】
ゲームサービス管理部91は、ゲーム機2に対して所定のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機2からユーザの認証情報(一例としてユーザ毎にユニークな識別番号及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するプレイデータ75をゲーム機2から受け取って記憶部92に保存し、あるいは記憶部92に保存されたユーザのプレイデータ75をゲーム機2に提供するサービス、ゲーム機2のソフトウエア(ゲーム用のプログラムあるいはデータ)をネットワークを介して更新するサービス等がある。ユーザのプレイデータ75は、ユーザが所持するカード4に記録されたユーザ識別情報と紐付けられている。
【0030】
図8は、メダル識別データ76の一例を示す図である。メダル識別データ76は、メダルMの属性とその識別情報とが関連付けて記録されている。各メダルM1〜M4は、全てのメダルM1〜M4にそれぞれ固有の識別情報が付されていてもよいし、ビンゴメダルM4のみ固有の識別情報が付され、色メダルM1〜M3は、互いを区別する情報のみが付されていてもよい。
図9は、メダル供給データ77の一例を示す図である。ビンゴメダルM4には、各ビンゴ数字又は各機能が割り当てられている。ICリーダ52に読み取られたビンゴメダルM4の識別情報は、読み取った順番にメダル供給データ77に記録される。また、ビンゴメダル格納容器44からビンゴメダルM4を払い出した枚数に応じてメダル供給データ77から該当するビンゴメダルM4の識別情報を削除する。これにより、メダル供給データ77には、ビンゴメダル格納容器44に格納されているビンゴメダルM4の供給の順番が記録される。
図10は、メダルフィールドデータ78の一例を示す図である。メダルフィールドデータ78には、メダル供給機構33の供給状況及びICリーダ37の読取結果に基づいて、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの属性が記録されている。メダル供給機構33から供給されたメダルMの識別情報及びそのメダルMの投入時刻が記録され、ICリーダ37の読取結果に応じて識別情報が削除される。また、ICリーダ37の読取時刻から、そのメダルMのゲームフィールドGFでの滞在時間を算出することができる。なお、メダルフィールドデータ78には、メダル供給機構33から供給された時間を記録し、一定の時間が経過したメダルMの識別情報を削除してもよい。
【0031】
図11は、ゲーム機2のステーション制御部72が実行する親落ち調整制御処理を説明するフローチャートである。親落ち調整制御処理は、プッシャーゲームやビンゴゲームの進行中に実行される。ステーション制御部72は、所定の制御条件を満たすか否かを判別する(ステップS1)。制御条件の一例として、プレイ用メダルの消費に応じて実行されるスロット抽選処理の抽選結果やビンゴゲームにおけるルーレット抽選処理の抽選結果等の各種抽選処理の抽選結果が、親落ち調整機構36のユーザ回収モードや親落ち防止モードの実行であることが設定される。あるいは、制御条件として、プッシャーゲームにおけるゲームフィールドGFの特定領域へのメダルMの進入や、特定のビンゴメダルM4を落下部34に落下させること、ビンゴゲームの特定のラインでのビンゴ成立、所定枚数のクレジットを消費すること等、適宜のゲーム条件での設定が可能である。
【0032】
ステーション制御部72は、制御するモードがユーザ回収モードか否かを判別する(ステップS2)。ユーザ回収モードである場合、ステーション制御部72は、ユーザ回収位置P2に位置するように可動部材61の位置を制御する(ステップS3)。ユーザ回収モードでは、回収部35に落下すべきメダルM1〜M4は、可動部材61の案内面61aにより落下部34まで案内される。一方、ユーザ回収モードでない場合、ステーション制御部72は、親落ち防止モードを実行し(ステップS4)、親落ち防止位置P3に位置するように可動部材61の位置を制御する(ステップS5)。親落ち防止モードでは、回収部35へのメダルM1〜M4の落下が可動部材61により防止される。
【0033】
ステーション制御部72は、各モードが終了したか否かを判別する(ステップS6)。終了していなければ、ステーション制御部72は、引き続きステップS3又はステップS5の処理を続行する。各モードが終了した場合、ステーション制御部72は、親落ちモードを実行し(ステップS7)、親落ち位置P1に位置するように可動部材61の位置を制御し(ステップS8)、今回の処理を終了する。したがって、メダルM1〜M4の行先を制御することができる。一定期間、親落ち調整機構36がユーザ回収モードになることで、回収部35へのメダルM1〜M4の落下を防ぎ、落下部34へメダルM1〜M4を案内する。
【0034】
上述した処理によれば、制御条件が満たされると(ステップS1)、ユーザ回収モードか親落ち防止モードが実行される(ステップS2〜S5)。各モードが終了すると、可動部材61は、親落ち位置P1に戻る(ステップS7)。なお、制御条件は、いずれかのモードを指定するように設定されていてもよいし、ユーザの希望に応じて選択できるように設定されていてもよい。ステーション制御部72が実行するステップS1〜S7の処理が位置制御手段として機能する。
【0035】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、可動部材61の案内面61aの角度を変更することで3つのモードを切り替えたがこれに限られない。例えば、
図12は、変形例に係る親落ち調整機構36Aを示す斜視図である。可動部材が親落ち位置P1Aとユーザ回収位置P2Aと、親落ち防止位置P3Aとの間をそれぞれスライド移動する。当該変形例に係る親落ち調整機構36Aには、テーブル31の両側に配置された一対の可動部材81と、可動部材81を駆動する駆動機構(不図示)と、駆動機構を制御するために可動部材81の位置を検出する複数の位置検出センサ(不図示)とが設けられている。可動部材81は、テーブル31及びプッシャーテーブル32の側面に沿ってスライド移動する。駆動機構は、可動部材81をスライド移動させる周知の駆動機構を利用してよく、適宜の位置に設けられた位置検出センサの検出結果に基づいて可動部材81の位置を制御すればよい。可動部材81を各位置P1A〜P3Aに停止させることで、上述した形態と同様の効果を奏することができる。可動部材81の駆動方法は適宜変更してよい。
【0036】
上述した形態では、ユーザ回収モードとして回収部35に落下すべきメダルM1〜M4を落下部34に案内するモードを設けたが、この例に限られない。例えば、落下部34に落下すべきメダルM1〜M4を回収部35に案内する機構を設けてもよい。あるいは、落下部34と回収部35との間で双方向に案内するように可動部材を設けてもよい。
図13は、変形例に係る親落ち調整機構36Bの概念図である。変形例に係る親落ち調整機構36Bは、落下部34と回収部35との間で双方向にメダルM1〜M4を案内可能な可動部材82と、可動部材82を駆動する駆動機構(不図示)と、駆動機構を制御するために可動部材82の位置を検出する複数の位置検出センサ(不図示)とが設けられている。可動部材82の案内面82aの角度を変更することで、メダルMを案内しない位置P4、落下部34から回収部35にメダルMを案内する位置P5、及び回収部35から落下部34にメダルMを案内する位置P6にそれぞれ切り替えることができる。ゲーム状況に応じて切り替えることでゲーム性が多様化する。
【0037】
上述した形態では、制御条件として各種抽選処理の抽選結果が親落ち調整機構36のユーザ回収モードや親落ち防止モードの実行であることが設定されるとして説明したがこれに限られない。ゲームフィールドGF上の所定の検出領域内のメダルM1〜M4の量が所定量を超えることであってもよい。例えば、テーブル31上のメダルM1〜M4の量が所定量を超えた場合に、ユーザ回収モードや親落ち防止モードを実行してもよい。この場合テーブル31上が検出領域として設定される。テーブル31上のメダルM1〜M4の量は、メダルフィールドデータ78を参照したり、ゲームフィールドGFの上方に撮像手段(例えば、カメラやビデオカメラ等)を設けてメダルMの量を検出したりしてよい。メダル検出には画像処理等の周知技術を利用してよい。あるいは、テーブル31上の重さを計測する手段を設けてもよいし、新たにICリーダを設けてもよい。構成は適宜変更してよい。
【0038】
上述した形態では、ゲームフィールドGF上に敷き詰められる遊技媒体としてメダルM1〜M4で説明したがこれに限られない。例えば、ボールや立方体等の所定の形状を有する遊技媒体であって、各遊技媒体に識別情報が付されていてもよい。このような遊技媒体がゲームフィールドGF上に敷き詰められ、プッシャーテーブル32に押し出されることで上述したメダルM1〜M4と同様の機能を果たす。
【0039】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0040】
本発明の一態様に係るゲーム機(例えば、
図1に記載のゲーム機2)は、複数の遊技媒体(例えば、
図6に記載のメダルM1〜M4)が供給され、遊技媒体の移動に応じてゲームが進行するゲームフィールド(例えば、
図2に記載のゲームフィールドGF)と、前記ゲームフィールドの付与領域(例えば、
図2に記載の落下部34)に進入する遊技媒体に応じて遊技価値(例えば、プレイ用メダルやクレジット)をユーザに付与する付与機構(メダル払出口25、あるいはステーション制御部72)と、前記ゲームフィールドの回収領域(例えば、
図2に記載の回収部35)に進入する遊技媒体を回収する回収機構(例えば、
図2に記載のメダル供給機構33)と、を有するゲーム機において、前記回収領域及び前記付与領域のうちいずれか一方の領域に進入した遊技媒体を他方の領域に案内する案内状態位置(例えば、
図5Bに記載のユーザ回収位置P2)と、前記一方の領域に進入した遊技媒体を前記他方の領域に案内しない非案内状態位置(例えば、
図5Aに記載の親落ち位置P1)と、に変位可能な可動部材(例えば
図4に記載の可動部材61)と、前記案内状態位置と前記非案内状態位置とを切り替えるように前記可動部材の位置を制御する位置制御手段(例えば、
図7に記載のステーション制御部72)と、を備えたものである。
【0041】
本発明によれば、可動部材の位置を切り替えることで遊技媒体の一方の領域から他方の領域に案内することができる。したがって、遊技媒体の行先を調整することができ、ゲームフィールド上の遊技媒体が特定の分布状況にあっても多様性のあるゲーム展開が可能になる。
【0042】
本発明のゲーム機の一態様において、前記可動部材は、前記一方の領域として回収領域に進入した遊技媒体を前記他方の領域として付与領域に案内する案内状態位置と、前記回収領域に進入した遊技媒体を前記払出領域に案内しない非案内状態位置に変位可能であってもよい。また、本発明のゲーム機の一態様において、前記可動部材には、前記一方の領域に進入した遊技媒体を案内する案内面(例えば、
図4に記載の案内面61a)が設けられ、前記可動部材は、前記案内面の角度を変更することで前記案内状態位置と前記非案内状態位置に変位してもよい。この態様において、前記案内面には、見る角度に応じて表示が変化する表示部材(例えば、
図6に記載の表示部材65)が設けられていてもよい。可動部材が現在どのような状況におかれているか表示させることができる。
【0043】
本発明のゲーム機の一態様において、前記可動部材には、前記一方の領域に進入した遊技媒体を案内する案内面が設けられ、前記可動部材は、前記案内状態位置と前記非案内状態位置との間で前記案内面がスライド移動可能であってもよい。
【0044】
本発明のゲーム機の一態様において、前記可動部材は、前記案内状態位置及び前記非案内状態位置に加え、遊技媒体を前記一方の領域に進入させない進入防止状態位置(例えば、
図5Cに記載の親落ち防止位置P3)に変位可能に構成され、前記位置制御手段は、前記案内状態位置と前記非案内状態位置と前記進入防止状態位置とのうちいずれかの位置に切り替えるように前記可動部材の位置を制御するようにしてもよい。遊技媒体の行先を調整することができ、状況に応じて多様なゲーム展開をすることができる。
【0045】
本発明のゲーム機の一態様において、前記動作制御手段は、所定の制御条件の成否に従って前記可動部材の位置を制御してもよい。この態様において、前記ゲームフィールドの検出領域内に位置する遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、
図2に記載のICリーダ37やメダル供給機構33)を備え、前記制御条件として、前記検出領域内の遊技媒体の量が所定量を超えることが設定されていてもよい。また、この態様において、前記制御条件として、前記ゲームフィールドで進行するゲームに関する所定条件が設定されていてもよい。
【0046】
本発明のゲーム機の一態様において、前記動作制御手段は、前記非案内位置から前記案内位置へと切り替えるように前記可動部材の動作を制御してもよい。
【解決手段】複数のメダルMが供給され、メダルMの移動に応じてゲームが進行するゲームフィールドGFと、ゲームフィールドGFの落下部34に進入するメダルMに応じてプレイ用メダルをユーザに付与するメダル払出口25と、ゲームフィールドGFの回収部35に進入するメダルMを回収するメダルホッパー47と、を有するゲーム機2において、回収部35及び落下部34のうちいずれか一方に進入したメダルを他方に案内するユーザ回収位置P2と、一方に進入したメダルMを他方に案内しない親落ち位置P1と、に変位可能な可動部材61を有し、ユーザ回収位置P2と親落ち位置P1とを切り替えるように可動部材61の位置を制御する。