特許第5695788号(P5695788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5695788
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】温水マット用温水ボイラー
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20060101AFI20150319BHJP
   F24H 1/10 20060101ALI20150319BHJP
   F24H 1/20 20060101ALI20150319BHJP
   F24D 3/02 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   F24D3/00 B
   F24H1/10 D
   F24H1/20 F
   F24D3/02 Z
   F24D3/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-203370(P2014-203370)
(22)【出願日】2014年10月1日
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0118154
(32)【優先日】2013年10月2日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514250067
【氏名又は名称】三元オンスパー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 聖 根
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−504732(JP,A)
【文献】 実開昭51−62643(JP,U)
【文献】 実開昭48−64158(JP,U)
【文献】 特開昭60−60430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24D 3/02
F24H 1/10
F24H 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部一側には温水吐出端部が形成されて外部他側には温水マットと連結する温水回収端部が形成され、内部には水位検知センサーと電気ヒーターが設置される温水加熱桶と、
前記温水加熱桶と連結することにより、外部一側には栓によって開閉される水補充口とエア排出口が形成されて外部他側には前記温水加熱桶の温水吐出端部と連結する温水流入端部と温水マットと連結する温水供給端部が形成されて内部には水不足検知センサーが設置される温水保存桶と、
前記温水加熱桶の温水吐出端部または前記温水保存桶の温水流入端部または前記温水加熱桶の温水吐出端部と前記温水保存桶の温水流入端部を連結する連結管に設置される吐出用逆止弁と、
前記温水加熱桶の温水回収端部に設置される回収用逆止弁を含む温水マット用温水ボイラーであって、
前記温水加熱桶の電気ヒーターは水平または傾くように設置されて、
前記温水加熱桶の温水吐出端部は、電気ヒーターの一部分が常に水に浸っているように電気ヒーターの下面より高い位置に形成されて、
前記温水加熱桶は内部空間が下端に流路溝が形成された気水分離用隔壁によって電気ヒーターが位置する温水加熱空間部と温水吐出端部が位置する温水吐出空間部で分割形成されることを特徴とする温水マット用温水ボイラー。
【請求項2】
外部一側には温水吐出端部が形成されて外部他側には温水マットと連結する温水回収端部が形成され、内部には水位検知センサーと電気ヒーターが設置される温水加熱桶と、
前記温水加熱桶と連結することにより、外部一側には栓によって開閉される水補充口とエア排出口が形成され、外部他側には前記温水加熱桶の温水吐出端部と連結する温水流入端部と温水マットと連結する温水供給端部が形成され、内部には水不足検知センサーが設置される温水保存桶と、
前記温水加熱桶の温水吐出端部または前記温水保存桶の温水流入端部または前記温水加熱桶の温水吐出端部と前記温水保存桶の温水流入端部を連結する連結管に設置される吐出用逆止弁と、
前記温水加熱桶の温水回収端部に設置される回収用逆止弁を含む温水マット用温水ボイラーであって、
前記温水加熱桶の電気ヒーターは水平または傾くように設置されて、
前記温水加熱桶の内側底面には電気ヒーターの一部分が常に水に浸るようにする水溜まり用隔壁が設置されて、
前記温水加熱桶は内部空間が下端に流路溝が形成された気水分離用隔壁によって電気ヒーターが位置する温水加熱空間部と温水吐出端部が位置する温水吐出空間部に分割形成されることを特徴とする温水マット用温水ボイラー。
【請求項3】
前記気水分離用隔壁と温水吐出端部との間にはお互いに離隔された複数個の消音用隔壁が温水加熱桶の内側上面から下向き突き出すように設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の温水マット用温水ボイラー。
【請求項4】
前記温水保存桶の温水流入端部または前記温水加熱桶の温水吐出端部と前記温水保存桶の温水流入端部を連結する連結管には温水貯蔵桶に保存された水を温水加熱桶に復帰させるための逆流用微細溝が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の温水マット用温水ボイラー。
【請求項5】
前記吐出用逆止弁と回収用逆止弁は、
一端部にバルブシート部が形成される円形管形状のバルブハウジングと、
前記バルブハウジングの内部に形成されることにより、中央部にはピン挿入孔が貫通形成され、ピン挿入孔のまわりに複数個の通孔が貫通形成されるピン支持台と、
前記ピン支持台のピン挿入孔に挿入されることにより、一端部にはディスク係止突起が形成され、他端部にはスプリング係止突起が形成されるディスク支持ピンと、
前記ピン支持台と前記ディスク支持ピンのスプリング係止突起との間に位置するようにディスク支持ピンの外周縁に挿入設置されるコイルスプリングと、
前記ディスク支持ピンのディスク係止突起に結合され、コイルスプリングの弾性力によってバルブハウジングのバルブシート部に密着されるバルブ開閉用ディスクと、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の温水マット用温水ボイラー。
【請求項6】
前記温水貯蔵桶に形成された水補充口の直下方には、
前記温水保存桶の内側底面に垂直で設置されるガイド棒とガイド棒に昇降可能に挿入されるリング形状のフロートでなされた過補充防止具が設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の温水マット用温水ボイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水マット用温水ボイラーに係り、より詳しくは、温水加熱桶の内部に電気ヒーターを水平または傾くように設置し、温水加熱桶の温水吐出端部を電気ヒーターの下面より高い位置に形成するか、または温水加熱桶の内側底面に水溜まり用隔壁を形成して電気ヒーターによって加熱された温水が温水加熱桶内に形成される蒸気圧によって温水貯蔵桶に吐出されても電気ヒーターの一部分を浸す程度の水は吐出されないで常に温水加熱桶の底に残っているように構成することにより、高温水環境での頻繁な作動によって頻繁な故障を起こす従来のエア排出用ソレノイドバルブ無しに電気ヒーターの加熱だけで温水加熱桶の内部に流入していたエアを膨張した水蒸気と共に自動的に排出することができるので、エアの流入によって温水の循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を効果的に予防できるだけでなく、従来のエア排出用ソレノイドバルブによって誘発される各種問題を完全に解消して耐久性を大幅に向上させるようにする温水マット用温水ボイラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に温水マットとは、マット本体の内部に温水が循環する温水ホースが内蔵されてマット本体と連結ホースで連結された小型温水ボイラーから供給される温水によって暖房されるように構成された暖房用マットを言う。
【0003】
このような温水マットはマット本体の内部に電気発熱線が内蔵するように構成された既存の電気マットが有した問題、すなわち、有害電磁波及び電気熱線による火事や感電などの危険を完全に解消できるようにする長所がある。
【0004】
しかし、既存の温水マットに広く使用されている温水ボイラーは、大部分電気ヒーターによって加熱された温水を循環するために電気モータポンプを使っているが、このような温水マット用温水ボイラーは高温水環境で作動する電気モータポンプの頻繁な故障によって耐久性が著しく低下するのみならず、電気モータポンプの駆動時にモータの騷音及び振動が外部にそのまま発散して不快な騷音を誘発するようになるので、静かで穏やかな水面を邪魔するようになる問題があった。
【0005】
また、このような既存の温水マット用温水ボイラーは、使用者の不注意などにより温水マットの温水ホースが折り畳まれて温水の循環が詰まるようになると、温水を循環する電気モータポンプに過負荷がかかるようになるので、耐久性が著しく低下する問題があった。
【0006】
このような問題を解消するために温水加熱時に温水加熱タンク内で生成する蒸気圧を利用して温水を温水マットの内部に循環するように構成された温水マット用温水ボイラーが案出されたことがあったが、このような蒸気圧を利用した自然循環式温水ボイラーは使用者の不注意などにより温水マットの温水ホースが折り畳まれて温水の循環が詰まるようになると過度な蒸気圧の生成による爆発の危険を抱いている問題があった。
【0007】
本出願人は、前記のような蒸気圧を利用した自然循環式温水ボイラーの問題を解消するために、電気ヒーターが内蔵された温水加熱桶の上部に補充水保存空間と温水保存空間が具備された水保存桶を連結設置して電気ヒーターによる温水加熱時に温水加熱桶の内部に生成された温水が温水加熱桶内に形成される蒸気圧によって水保存桶の温水保存空間に移動する瞬間に温水加熱桶の内部に形成される真空吸入力を利用して温水マット内部の温水を循環するように構成した温水マット用温水ボイラーを出願し、特許第0948908号で登録を受けた経緯がある。
【0008】
本出願人によって先に出願された温水マット用温水ボイラーは、図13に示しているように、内側下部の内部に水位検知センサー33と電気ヒーター34が設置されて外部一側に補充水流入端部35が形成されて外部他側に逆止弁36a、37aがそれぞれ設置された温水吐出端部36と温水回収端部37が形成される温水加熱桶32が設置されて、前記温水ボイラーの内側上部には内部空間が上端に越流溝39aが形成された隔壁39によって補充水保存空間40と温水保存空間50に分割形成される水保存桶38が設置されて、前記水保存桶38の補充水保存空間40の上面に栓42によって開閉される水補充口41と下端部に蒸発防止板44が具備されたエア排出口43が形成されて、上面内側に温水保存空間50から隔壁39の越流溝39aを通じて排出する蒸気を補充水保存空間40の下部に誘導する蒸気誘導板45が下向き突き出されるように形成され下面には補充水供給口46が形成され内側下部に水不足検知センサー47が設置され、前記水保存桶38の温水保存空間50の下面に温水流入端部51と温水供給端部52が形成され、前記温水加熱桶32の補充水流入端部35と補充水保存空間40の補充水供給口46はソレノイドバルブ54が具備された補充水供給管53によってお互いに連結され、前記温水加熱桶32の温水吐出端部36と前記温水保存空間50の温水流入端部51は連結管49によってお互いに連結するように構成される。
【0009】
このように構成される従来の温水マット用ボイラーは、電気ヒーター34が内蔵された温水加熱桶32の上部に補充水保存空間40と温水保存空間50が具備された水保存桶38を連結設置して電気ヒーター34による温水加熱時に温水加熱桶32の内部に生成された温水が温水加熱桶32内に形成される蒸気圧によって水保存桶38の温水保存空間50に移動する瞬間に温水加熱桶32の内部に形成される真空吸入力を利用して温水マット内部の温水を循環するが、温水マットの温水ホースが詰まるか、または温水加熱桶32の内部にエアが満ちる場合に温水加熱桶32と水保存桶38の補充水保存空間40を連結する補充水供給管53に設置されたソレノイドバルブ54が自動的に開放されて水保存桶38の補充水保存空間40に保存された補充水が温水加熱桶32の内部で自動的に供給されることにより、温水ホースの詰りやエアの流入によって温水循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を予防することができる効果があった。
【0010】
しかし、前記のように構成される従来の温水マット用温水ボイラーは、温水マットの温水ホースが詰まるか、または温水加熱桶32の内部にエアが満ちる場合に水保存桶38の補充水保存空間40に保存された補充水を温水加熱桶32の内部に自動的に供給するために設置されたソレノイドバルブ54が高温水環境で頻繁に作動するようになるが、このように高温水環境で頻繁に作動するようになるソレノイドバルブ54は水が通過するバルブの口径が小さすぎて異物などによる誤作動がひどいだけでなく、エア排出や補充水の供給が円滑になされず頻繁に故障を起こすようになるので、耐久性が著しく低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録番号10−0948908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、温水加熱桶の内部に電気ヒーターを水平または傾くように設置し、温水加熱桶の温水吐出端部を電気ヒーターの下面より高い位置に形成するか、または温水加熱桶の内側底面に水溜まり用隔壁を形成して電気ヒーターによって加熱された温水が温水加熱桶内に形成される蒸気圧によって温水貯蔵桶に吐出されても電気ヒーターの一部分を浸す程度の水は吐出されず常に温水加熱桶の底に残っているように構成することにより、高温水環境での頻繁な作動によって頻繁に故障を起こす従来のエア排出用ソレノイドバルブなしに電気ヒーターの加熱だけで温水加熱桶の内部に流入していたエアを膨張した水蒸気と共に自動的に排出できるようになるので、エアの流入によって温水の循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を効果的に予防できるだけでなく、従来のエア排出用ソレノイドバルブによって誘発される各種問題を完全に解消して耐久性を大幅に向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するための、本発明は、外部一側には温水吐出端部が形成されて外部他側には温水マットと連結する温水回収端部が形成されて内部には水位検知センサーと電気ヒーターが設置される温水加熱桶と、前記温水加熱桶と連結することにより、外部一側には栓によって開閉される水補充口とエア排出口が形成されて外部他側には前記温水加熱桶の温水吐出端部と連結する温水流入端部と温水マットと連結する温水供給端部が形成されて内部には水不足検知センサーが設置される温水保存桶と、前記温水加熱桶の温水吐出端部または前記温水保存桶の温水流入端部または前記温水加熱桶の温水吐出端部と前記温水保存桶の温水流入端部を連結する連結管に設置される吐出用逆止弁と、前記温水加熱桶の温水回収端部に設置される回収用逆止弁を含む温水マット用温水ボイラーであって、前記温水加熱桶の電気ヒーターは水平または傾くように設置されて、前記温水加熱桶の温水吐出端部は電気ヒーターの一部分が常に水に浸っているように電気ヒーターの下面より高い位置に形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は前記温水加熱桶の内側底面に温水加熱桶の内部に設置された電気ヒーターの一部分が常に水に浸るようにする水溜まり用隔壁が設置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記温水加熱桶の内部空間が下端に流路溝が形成された気水分離用隔壁によって電気ヒーターが位置する温水加熱空間部と温水吐出端部が位置する温水吐出空間部で分割形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記気水分離用隔壁と温水吐出端部との間にお互いに離隔された複数個の消音用隔壁が温水加熱桶の内側上面から下向き突き出すように設置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は前記温水保存桶の温水流入端部または前記温水加熱桶の温水吐出端部と前記温水保存桶の温水流入端部を連結する連結管に温水貯蔵桶に保存された水を温水加熱桶に復帰させるための逆流用微細溝が形成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記吐出用逆止弁と回収用逆止弁は、一端部にバルブシート部が形成される円形管形状のバルブハウジングと、該バルブハウジングの内部に形成されることにより、中央部にはピン挿入孔が貫通形成されてピン挿入孔のまわりに複数個の通孔が貫通形成されるピン支持台と、前記ピン支持台のピン挿入孔に挿入されることにより一端部にはディスク係止突起が形成され、他端部にはスプリング係止突起が形成されるディスク支持ピンと、前記ピン支持台と前記ディスク支持ピンのスプリング係止突起との間に位置するようにディスク支持ピンの外周縁に挿入設置されるコイルスプリングと、前記ディスク支持ピンのディスク係止突起に結合されてコイルスプリングの弾性力によってバルブハウジングのバルブシート部に密着されるバルブ開閉用ディスクを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記温水貯蔵桶に形成された水補充口の直下方に温水保存桶の内側底面に垂直で設置されるガイド棒とガイド棒に昇降可能に挿入されるリング形状のフロートでなされた過補充防止具が設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
前記のように本発明による温水マット用温水ボイラーは、温水加熱桶の内部に電気ヒーターが水平または傾くように設置されて温水加熱桶の温水吐出端部が電気ヒーターの下面より高い位置に形成されるか、または温水加熱桶の内側底面に水溜まり用隔壁が形成されて電気ヒーターによって加熱された温水が温水加熱桶内に形成される蒸気圧によって温水貯蔵桶に吐出されても電気ヒーターの一部分を浸す程度の水は吐出されなくて常に温水加熱桶の底に残っているように構成されることにより、高温水環境での頻繁な作動によって頻繁に故障を起こす従来のエア排出用ソレノイドバルブなしに電気ヒーターの加熱だけで温水加熱桶の内部に流入していたエアを膨張した水蒸気と共に自動的に排出できるようになるので、エアの流入によって温水の循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を効果的に予防することができるようになるだけでなく、従来のエア排出用ソレノイドバルブによって誘発される各種問題を完全に解消して耐久性を大幅に向上できるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による温水マット用温水ボイラーの使用状態を示す斜視図である。
図2】本発明による温水マット用温水ボイラーの腰部構成を示す断面図である。
図3図2のA部拡大図である。
図4】(A)、(B)は本発明による温水マット用温水ボイラーの自動エア排出過程を示す断面図である。
図5】本発明による温水マット用温水ボイラーの他の実施例を示す断面図である。
図6】(A)、(B)は本発明の他の実施例による温水マット用温水ボイラーの自動エア排出過程を示す断面図である。
図7】(A)、(B)は本発明による温水マット用温水ボイラーに具備される過補充防止具の作動過程を示す断面図である。
図8】本発明による温水マット用温水ボイラーの作動過程を示す説明図である。
図9】本発明による温水マット用温水ボイラーの作動過程を示す説明図である。
図10】本発明による温水マット用温水ボイラーの作動過程を示す説明図である。
図11】本発明による温水マット用温水ボイラーの作動過程を示す説明図である。
図12】本発明による温水マット用温水ボイラーの作動過程を示す説明図である。
図13】従来技術による温水マット用温水ボイラーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、前記の目的を達成するための本発明を図1乃至図12を参照して詳しく説明すれば次のようである。
【0023】
本発明による温水マット用温水ボイラーは、図2に示しているように温水加熱桶2、温水貯蔵桶7、吐出用逆止弁13a、回収用逆止弁4aを含んで構成される。
【0024】
前記温水加熱桶2は、電気ヒーターによる温水加熱と温水加熱時に生成する蒸気圧による温水吐出及び温水吐出後に形成される真空吸入力による温水回収が順次なされる温水ボイラーの核心部であり、外部一側には温水吐出端部3が形成されて、外部他側には温水マットと連結する温水回収端部4が形成され、内部には水位検知センサー5と電気ヒーター6が設置される。
【0025】
この時、前記温水加熱桶2の電気ヒーター6は、蒸気圧によって温水が吐出する時に吐出されないで常に温水加熱桶2の底に残っている水との接触面積を最大限増大させるために水平または傾くように設置することが望ましい。
【0026】
そして、前記温水加熱桶2の温水吐出端部3は温水加熱桶2の内部に設置された電気ヒーター6の一部分が常に水に浸っているように電気ヒーター6の下面より高い位置に形成することが望ましい。
【0027】
このように前記温水加熱桶2の温水吐出端部3を電気ヒーター6の下面より高い位置に形成する理由は、電気ヒーター6を加熱して蒸気圧によって温水が吐出する時に電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水は吐出されないで常に温水加熱桶2の底に残っているようにすることにより、温水加熱桶2の内部にエアが流入する場合にこれを電気ヒーター6の加熱だけで容易に排出できるようにするためである。
【0028】
すなわち、図4の(A)に示しているように前記温水加熱桶2の温水吐出端部3を電気ヒーター6の下面より高い位置(図面上で高さの差を“d”で表示する)に形成するようにすれば、電気ヒーター6を加熱して蒸気圧によって温水が吐出する時に図4の(B)に示しているように電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水は吐出されないで常に温水加熱桶2の底に残っているようになり、このように電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水が温水加熱桶2の底に残っている状態で電気ヒーター6と接触している水が急膨張するように電気ヒーター6を継続して加熱すれば、膨張した水蒸気が温水加熱桶2の内部に流入したエアと共に温水吐出端部3に排出され始めるので、温水加熱桶2の内部にエアが流入していても電気ヒーター6の加熱だけでこれを容易に排出することができるようになる。
【0029】
そして、前記温水加熱桶2の内部に設置された電気ヒーター6の一部分が常に水に浸るようにするために前記したように温水加熱桶2の温水吐出端部3を電気ヒーター6の下面より高い位置に形成する代わりに、図5に示しているように前記温水加熱桶2の内側底面に温水加熱桶2内部に設置された電気ヒーター6の一部分が常に水に浸るようにする水溜まり用隔壁2cを設置することも可能である。
【0030】
このように前記温水加熱桶2の内側底面に水溜まり用隔壁2cを設置するようにすれば、図6の(A)に示しているように電気ヒーター6を加熱して蒸気圧によって温水が吐出する場合、図6の(B)に示しているように電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水は水溜まり用隔壁2cにより隔離されて吐出されないで常に温水加熱桶2の底に残っているようになり、このように電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水が温水加熱桶2の底に残っている状態で電気ヒーター6と接触している水が急膨張するように電気ヒーター6を継続して加熱するようになれば、膨張した水蒸気が温水加熱桶2の内部に流入したエアと共に温水吐出端部3に排出され始めるので、温水加熱桶2の内部にエアが流入していても電気ヒーター6の加熱だけでこれを容易に排出することができるようになる。
【0031】
また、前記温水加熱桶2は内部空間が下端に流路溝14aが形成された気水分離用隔壁14によって電気ヒーター6が位置する温水加熱空間部2aと温水吐出端部3が位置する温水吐出空間部2bで分割形成することが望ましい。
【0032】
このように前記温水加熱桶2の内部空間を下端に流路溝14aが形成された気水分離用隔壁14によって温水加熱空間部2aと吐出空間部2bで分割形成するようにすれば、電気ヒーター6を加熱して蒸気圧によって温水が温水吐出端部3を通じて吐出する時に膨張した水蒸気が温水と共に吐出することによって発生する騷音を防止できるようになる。
【0033】
すなわち、電気ヒーター6によって温水加熱桶2の内部に保存された水が加熱されれば、図4の(A)または図6の(A)に示しているように気水分離用隔壁14によって分割された温水加熱空間部2aの内部で膨張した水蒸気によって蒸気圧が発生するようになるが、この膨張した水蒸気による蒸気圧は気水分離用隔壁14に詰って温水吐出端部3に排出することができずに温水加熱空間部2a内にある温水を加圧する力だけで作用するようになって、これにより温水加熱空間部2a内にある温水が気水分離用隔壁14の下端に形成された流路溝14aを通じて移動しながら温水吐出空間部2b内の温水を押し出すようになるので、温水吐出端部3を通じて温水だけを吐出できるようになり膨張した水蒸気が温水と共に吐出することにより発生する騷音を防止できるようになる。
【0034】
また、前記気水分離用隔壁14と温水吐出端部3との間にはお互いに離隔された複数個の消音用隔壁15を温水加熱桶2の内側上面から下向きに突き出すように設置することが望ましい。
【0035】
このように前記気水分離用隔壁14と温水吐出端部3との間にお互いに離隔された複数個の消音用隔壁15を温水加熱桶2の内側上面から下向に突き出すように設置すれば、温水加熱空間部2a内で発生した蒸気圧によって温水加熱空間部2aと温水吐出空間部2b内にあった温水だけの吐出が完了した後、膨張した水蒸気のみの吐出によって発生する騷音も大幅に抑制できるようになる。
【0036】
すなわち、図4の(A)または図6の(A)に示しているように前記温水加熱空間部2a内で発生した蒸気圧によって温水加熱空間部2aと温水吐出空間部2b内にあった温水が温水吐出端部3にある程度吐出されてから、図4の(B)または図6の(B)に示しているように温水加熱空間部2a内の水面が低くなって温水加熱空間部2a内の膨張した水蒸気が温水吐出端部3に抜け出るために前記気水分離用隔壁14の流路溝14aを通じて温水吐出空間部2bに流入し始めるが、この時この温水吐出空間部2bに流入する膨張した水蒸気はお互いに離隔された複数個の消音用隔壁15にぶつかりエネルギーが大幅に減衰した状態で温水吐出端部3に抜け出るようになり、膨張した水蒸気の吐出によって発生する騷音を大幅に抑制できるようになる。
【0037】
前記温水加熱桶2の内部に設置される水位検知センサー5は、温水加熱桶2の内部の水位を検知して電気ヒーター6をON/OFFさせるためのものであり、このような水位検知センサー5としては、従来の加湿器や水族館などに通常的に使用されている公知のフロート式水位検知センサーまたは電子式水位検知センサーが主に使用されるが、温水ボイラー1のスリム化傾向によりさらに狭小になる温水加熱桶2の内部に容易に設置するためには嵩が大きいフロート式水位検知センサーより嵩が少なく設置空間を小さく占める電子式水位検知センサーを使用することが望ましい。
【0038】
前記温水加熱桶2の内部に設置される電気ヒーター6としては、棒形状で形成された公知の電気ヒーターやコイル形状で形成された公知の電気ヒーターが使用されるが、温水ボイラー1のスリム化傾向によってさらに狭小になる温水加熱桶2の加熱空間内で最大の加熱効率を得るためにはコイル形状で形成された電気ヒーターを使用することが望ましい。
【0039】
前記温水貯蔵桶7は前記温水加熱桶2と連結して温水加熱桶2から吐出した温水が保存される所であり、外部一側には栓8aによって開閉される水補充口8とエア排出口9が形成され、外部他側には前記温水加熱桶2の温水吐出端部3と連結する温水流入端部10と温水マットと連結する温水供給端部11が形成され、内部に水不足検知センサー12が設置される。
【0040】
この時、前記栓8aは温水貯蔵桶7の上面に形成された水補充口8を開閉するためのものであり、水補充口8の上端部に密着される密閉用パッキングが介された状態で温水貯蔵桶7の上部に螺糸式で結合されるか、または係止突起と係止溝などによって堅固に結合される。
【0041】
そして、前記温水貯蔵桶7の内部に設置される水不足検知センサー12は内部の水位を検知するためのものであり、このような水不足検知センサー12としては従来の加湿器や水族館などに通常使用されている公知のフロート式水位検知センサーや電子式水位検知センサーが使用されるが、温水ボイラー1のスリム化傾向によってさらに狭小になる温水貯蔵桶7の内部に容易に設置するためには嵩が大きいフロート式水位検知センサーより嵩が少なくて設置空間を小さく占める電子式水位検知センサーを使用することが望ましい。
【0042】
また、前記温水貯蔵桶7に形成された水補充口8の直下方には、温水貯蔵桶7の内側底面に垂直で設置されるガイド棒16aとガイド棒16aに昇降可能に挿入されるリング形状のフロート16bでなされた過補充防止具16を設置することが望ましい。
【0043】
このように前記温水貯蔵桶7に形成された水補充口8の直下方にガイド棒16aとリング形状のフロート16bでなされた過補充防止具16を設置すれば、図7の(A)、(B)に示しているように使用者が水補充のために温水貯蔵桶7の内部に水を注入する場合に水位に従ってガイド棒16aに挿入されたフロート16bが上昇しながら注入した水の量を直観的に確認することができるようになるだけでなく、水補充口8の下部が自動的に閉鎖されるので、過補充による故障発生を予防できるようになる。
【0044】
前記吐出用逆止弁13aは温水加熱桶2で生成された温水を温水貯蔵桶7に移動させるが、温水貯蔵桶7に保存された温水を温水加熱桶2に逆流しないようにするためのものであり、設計上の要請によって前記温水加熱桶2の温水吐出端部3または前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10または前記温水加熱桶2の温水吐出端部3と前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10を連結する連結管13に設置することが可能である。
【0045】
前記回収用逆止弁4aは前記温水加熱桶2の温水回収端部4に設置されるものであり、温水マットの内部にある温水を温水加熱桶2の内部に移動させるが、温水加熱桶2で生成された温水を温水マットに逆流しないようにする役割をする。
【0046】
この時、前記吐出用逆止弁13aと回収用逆止弁4aは図3に示しているように、一端部にバルブシート部23aが形成される円形管形状のバルブハウジング23と、該バルブハウジング23の内部に形成されることにより中央部にはピン挿入孔24aが貫通形成されてピン挿入孔24aのまわりに複数個の通孔24bが貫通形成されるピン支持台24と、該ピン支持台24のピン挿入孔24aに挿入されることにより一端部にはディスク係止突起25aが形成されて他端部にはスプリング係止突起25bが形成されるディスク支持ピン25と、前記ピン支持台24と前記ディスク支持ピン25のスプリング係止突起25bとの間に位置するようにディスク支持ピン25の外周縁に挿入設置されるコイルスプリング26と、前記ディスク支持ピン25のディスク係止突起25aに結合してコイルスプリング26の弾性力によってバルブハウジング23のバルブシート部23aに密着するバルブ開閉用ディスク27を含むように構成することが望ましい。
【0047】
このように構成される吐出用逆止弁13aと回収用逆止弁4aは構成が簡素であって製作が容易であり、コイルスプリング26によってバルブ閉鎖時に堅固な気密状態を維持できるようになるので、流体の逆流を効果的に防止できるだけでなく、流体の流れに対する抵抗が少なくバルブ開放時に逆止弁を通じて流入する温水を円滑に通過させることができる。
【0048】
そして、前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10または前記温水加熱桶2の温水吐出端部3と前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10を連結する連結管13には図3に示しているように逆止弁13aが閉鎖された状態でも温水貯蔵桶7に保存された水を温水加熱桶2に少量ずつ逆流するようにする逆流用微細溝13bを形成することが望ましい。
【0049】
このように前記逆流用微細溝13bを形成する理由は、温水加熱桶2の内部に流入したエアを電気ヒーター6の加熱によって水蒸気と共に排出するが、持続的にエアが流入する場合に温水加熱桶2の底に常に残っていた水が頻繁に水蒸気に膨張してその量が徐々に減ることがあるが、これを対比して真空吸入時に温水貯蔵桶7に保存された水が逆流用微細溝13bを通じて温水加熱桶2に少量ずつ復帰するようにすることにより、温水加熱桶2の底に残っていた水が常に一定の水位を維持できるようにするためである。
【0050】
一方、本発明による温水マット用温水ボイラーの電気回路はAC220V電源と連結する電源コードが電気ヒーターの過熱時に自動的に電源供給を遮断するバイメタル形式のヒーター過熱防止センサーと温水ボイラーが倒れた時に電源供給を遮断する転倒検知センサーを介した状態で制御基板に接続され、前記制御基板には温水加熱桶2の内部に設置される水位検知センサー5と電気ヒーター6、温水貯蔵桶7の内部に設置される水不足検知センサー12、温水貯蔵桶7の低水位レベル検知時に点灯される水不足警告灯、温水加熱桶2の外側上部に付着する過熱防止用温度センサーが接続されるように構成される。
【0051】
前記のように構成される本発明による温水マット用温水ボイラーの作用関係を説明すれば次のようである。
【0052】
本発明による温水マット用温水ボイラーは、図1に示しているように一対の連結ホース21、22を利用して温水マット20に連結した状態で使用するようになるが、本発明による温水ボイラー1を一対の連結ホース21、22によって温水マット20に連結した状態で温水ボイラー1の電源スイッチをつければ、初期には温水ボイラー1の内部に水がないために水不足警告灯が点灯する。
【0053】
このような状態にある前記温水ボイラー1の内部に水を注入するためには図8に示しているように、温水貯蔵桶7の下面に形成された温水供給端部11に連結している連結ホース22を分離した後、分離した連結ホース22の末端部を通じて温水マット20及び温水ボイラー1の内部に水を注入するようになるが、この時前記連結ホース22の内部に水を注入する器具としては、既存の手動式水ポンプを使用するか、または特殊に製作された水注入用器具を使用することが望ましい。
【0054】
このように前記温水貯蔵桶7の温水供給端部11から分離した連結ホース22を通じて水を注入するようにすれば、注入された水が温水マット20の内部に設置された温水ホースをいっぱい満たした後に温水加熱桶2の温水回収端部4に具備された回収用逆止弁4aを開放させながら温水加熱桶2の内部に流入することにより温水加熱桶2の内部は水で一杯になるようになる。
【0055】
続いて、前記温水貯蔵桶7の温水供給端部11から分離した連結ホース22を再び連結して前記温水貯蔵桶7の上部に形成した水補充口8に締結された栓8aを開放した後に温水貯蔵桶7の内部に水を一定の水位まで注入して水不足警告灯が消えることを確認した後に水補充口8に栓8aを締結することにより温水ボイラー1に対する水注入作業を完了する。
【0056】
この時、前記温水貯蔵桶7に形成された水補充口8の直下方にガイド棒16aとリング形状のフロート16bでなされた過補充防止具16を設置すれば、図7の(A)、(B)に示しているように温水貯蔵桶7の内部に水を注入する場合水位によってガイド棒16aに挿入されたフロート16bが上昇しながら注入した水の量を直観的に確認することができるようになるだけでなく、水補充口8の下部が自動的に閉鎖されるので、過補充による故障発生を予防することができる。
【0057】
前記のように温水ボイラー1と温水マット20に対する水注入作業が完了した後に温水加熱桶2の内部に注入された水が電気ヒーター6によって加熱され始めれば、図13に示しているように温水加熱桶2の内部に蒸気が発生するようになるので温水加熱桶2の内部圧力が増大するが、このように温水加熱桶2の内部圧力が増大すれば、その蒸気圧によって温水回収端部4に具備された回収用逆止弁4aがさらに堅固に閉鎖されて温水回収端部4の流路が遮られるので、温水加熱桶2の内部で生成した温水は温水回収端部4には全く吐出されないで温水吐出端部3だけを吐出した後、吐出用逆止弁13aを開放させて温水貯蔵桶7の内部に押され入って行くようになる。
【0058】
このように前記温水加熱桶2の内部で生成された温水が蒸気圧によって温水貯蔵桶7の内部に移動すれば温水加熱桶2の内部水位が徐々に低くなるが、このように温水加熱桶2の内部水位がずっと低くなって水位検知センサー5の高さより下に下がるようになれば制御基板によって所定時間が経過した後に電気ヒーター6に供給される電源が自動的に遮られ電気ヒーター6の作動が中断する。
【0059】
この時、前記温水加熱桶2の温水吐出端部3は電気ヒーター6の下面より高い位置に形成されているので、図10に示しているように蒸気圧によって温水加熱桶2の内部にあった温水が吐出する場合、その温水が全部吐出されないで電気ヒーター6の一部分を浸す程度の量は常に温水加熱桶2の底に残っているようになるが、このように電気ヒーター6の一部分を浸す程度の温水が温水加熱桶2の底に残っている状態で水位検知センサー5による水位検知後制御基板によって自動的に電源が遮られる前まで所定時間の間に電気ヒーター6が継続して加熱されれば、電気ヒーター6と接触している水が急膨張しながら膨張した水蒸気が温水加熱桶2の内部に流入したエアと共に温水吐出端部3に排出され始めるので、温水加熱桶2の内部にエアが流入していても電気ヒーター6の加熱だけでこれを容易に排出することができる。
【0060】
そして、前記温水加熱桶2の内部空間を下端に流路溝14aが形成された気水分離用隔壁14によって電気ヒーター6が位置する温水加熱空間部2aと温水吐出端部3が位置する温水吐出空間部2bで分割形成するようになれば、電気ヒーター6を加熱して蒸気圧によって温水が温水吐出端部3を通じて吐出する時に膨張した水蒸気が温水と共に吐出することによって発生する騷音を防止することができる。
【0061】
併せて、前記気水分離用隔壁14と温水吐出端部3との間にお互いに離隔された複数個の消音用隔壁15を温水加熱桶2の内側上面から下向き突き出すように設置すれば、温水加熱空間部2a内で発生した蒸気圧によって温水加熱空間部2aと温水吐出空間部2b内にあった温水だけの吐出が完了した後に膨張した水蒸気だけの吐出によって発生する騷音を大幅に抑制することができるようになる。
【0062】
続いて、前記電気ヒーター6の加熱によって温水加熱桶2の内部に流入したエアが膨張した水蒸気と共に温水吐出端部3に排出された後、電気ヒーター6に供給される電源が自動的に遮られることによって電気ヒーター6の作動が中断されれば、温水加熱桶2の内部に発生した水蒸気が水に回収され始めながら温水加熱桶2の内部圧力が急激に落ちて真空状態が形成されるが、このように温水加熱桶2の内部に真空状態が形成されれば、この真空状態によって強い吸入力が発生するようになり、これにより図11に示しているように温水マット20の内部にあった温水が温水加熱桶2の温水回収端部4を通じて温水加熱桶2の内部に吸い込まれるようになる。
【0063】
この時、前記温水加熱桶2の内部に真空状態が形成されれば、その真空吸入力によって吐出用逆止弁13aがさらに堅固に閉鎖されて温水吐出端部3の流路が遮られるので、温水貯蔵桶7の内部に保存された温水は温水加熱桶2の内部に全く吸い込まれなくなる。
【0064】
そして、前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10または前記温水加熱桶2の温水吐出端部3と前記温水貯蔵桶7の温水流入端部10を連結する連結管13に逆流用微細溝13bを形成すれば、真空吸入時に温水貯蔵桶7に保存された水が逆流用微細溝13bを通じて温水加熱桶2に少量ずつ復帰することによって温水加熱桶2の底に残っていた水が温水加熱桶2内部に設置された電気ヒーター6の一部分が常に水に浸ることができるように一定の水位を維持できるようになるので、温水加熱桶2内部の水不足による過熱を防止できるようになる。
【0065】
このように温水マット20の内部にあった温水が温水加熱桶2の内部に形成された真空吸入力によって温水加熱桶2の内部に吸い込まれることによって連鎖的に温水マット20の内部にも真空状態が形成されるが、このように温水マット20の内部に真空状態が形成されれば、この真空によって強い吸入力が発生するようになり、これにより図12に示しているように温水貯蔵桶7の内部に保存されていた温水が温水供給端部11を通じて温水マット20の内部に吸い込まれるようになり温水の循環がなされるようになる。
前記のように温水加熱桶2の内部に形成される真空吸入力によって温水マット20の内部にあった温水が温水加熱桶2の内部に吸い込まれることによって温水加熱桶2の水位が再び高くなって水位検知センサー5の高さに到逹すれば、所定時間が経過した後に制御基板によって温水加熱桶2の内部に設置された電気ヒーター6に電源が供給されて電気ヒーター6が再び作動するようになり、前記のような温水循環過程が繰り返される。
【0066】
前記のように本発明による温水マット用温水ボイラーは、温水加熱桶2の内部に電気ヒーター6が水平または傾くように設置され、温水加熱桶2の温水吐出端部3が電気ヒーター6の下面より高い位置に形成されるか、または温水加熱桶2の内側底面に水溜まり用隔壁2cが形成され、電気ヒーター6によって加熱された温水が温水加熱桶2内に形成される蒸気圧によって温水貯蔵桶7に吐出されても電気ヒーター6の一部分を浸す程度の水は吐出されないで常に温水加熱桶2の底に残っているように構成されるので、高温水環境での頻繁な作動によって頻繁に故障を起こす従来のエア排出用ソレノイドバルブなしに電気ヒーター6の加熱だけで温水加熱桶2の内部に流入していたエアを膨張した水蒸気と共に自動的に排出することができるようになるので、エアの流入によって温水の循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を効果的に予防できるようになるだけでなく、従来のエア排出用ソレノイドバルブによって誘発する各種問題を完全に解消して耐久性を大幅に向上することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、温水マット用温水ボイラーの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0068】
1 温水ボイラー
2 温水加熱桶
2a 温水加熱空間部
2b 温水吐出空間部
2c 水溜まり用隔壁
3 温水吐出端部
4 温水回収端部
4a 回収用逆止弁
5 水位検知センサー
6 電気ヒーター
7 温水貯蔵桶
8 水補充口
8a 栓
9 エア排出口
10 温水流入端部
11 温水供給端部
12 水不足検知センサー
13 連結管
13a 吐出用逆止弁
13b 逆流用微細溝
14 気水分離用隔壁
14a 流路溝
15 消音用隔壁
16 過補充防止具
16a ガイド棒
16b フロート
20 温水マット
21、22 連結ホース
23 バルブハウジング
23a バルブシート部
24 ピン支持台
24a ピン挿入孔
24b 通孔
25 ディスク支持ピン
25a ディスク係止突起
25b スプリング係止突起
26 コイルスプリング
27 バルブ開閉用ディスク
【要約】
【課題】温水マット用温水ボイラーを提供する。
【解決手段】温水加熱桶の内部に電気ヒーターを水平または傾くように設置し、温水加熱桶の温水吐出端部を電気ヒーターの下面より高い位置に形成するか、または温水加熱桶の内側底面に水溜まり用隔壁を形成し、電気ヒーターによって加熱された温水が温水加熱桶内に形成される蒸気圧によって温水貯蔵桶に吐出されても電気ヒーターの一部分を浸す程度の水は吐出されないで常に温水加熱桶の底に残っているように構成することにより、高温水環境での頻繁な作動によって頻繁に故障を起こす従来のエア排出用ソレノイドバルブなしに電気ヒーターの加熱だけで温水加熱桶の内部に流入していたエアを膨張した水蒸気と共に自動的に排出することができるので、エアの流入によって温水の循環量が減少するか、または温水の循環が中断する現象を効果的に予防できるだけでなく、従来のエア排出用ソレノイドバルブによって誘発される各種問題を完全に解消して耐久性を大幅に向上させることを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13