特許第5695840号(P5695840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695840
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】タッチスクリーン内蔵型液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150319BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20150319BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G06F3/041 412
   G06F3/041 422
   G06F3/042 472
   G06F3/044 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-93029(P2010-93029)
(22)【出願日】2010年4月14日
(65)【公開番号】特開2011-81766(P2011-81766A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2010年4月14日
【審判番号】不服2013-17700(P2013-17700/J1)
【審判請求日】2013年9月12日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0094559
(32)【優先日】2009年10月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 眞▲祐▼
(72)【発明者】
【氏名】金 相旭
(72)【発明者】
【氏名】黄 喜▲チョル▼
(72)【発明者】
【氏名】田 武經
(72)【発明者】
【氏名】吉村 英雄
【合議体】
【審判長】 乾 雅浩
【審判官】 小曳 満昭
【審判官】 千葉 輝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−27292(JP,A)
【文献】 特開2006−42089(JP,A)
【文献】 特開2009−64074(JP,A)
【文献】 特開2009−244958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/041,3/042,3/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する多数の画素で構成される画素領域と、前記画素領域に隣接して形成されて、接触された物体の位置を検知する多数のフォトセンサで構成されるセンサ領域とを含む第1基板と、
前記第1基板の上部に配置され、前記第1基板に向かう第1面の、前記第1基板の前記画素領域と対応する領域にカラーフィルタが形成され、前記第1面の、前記第1基板の前記センサ領域と対応する領域に、外光が入射される受光部が形成され、前記第1面と対向する第2面上に、透明電極層及び前面偏光板が順次積層された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に介される液晶層を含む液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに物体が接触する時、前記透明電極層と連結された第1センシングラインを介してキャパシタンスの変化量をセンシングし、前記キャパシタンスの変化量が予め設定された閾値以上であれば、前記フォトセンサと連結された第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて把握された前記物体の位置情報の検出を開始し、検出した該位置情報を出力するタッチスクリーン駆動回路と、
を含むことを特徴とする、タッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項2】
前記タッチスクリーン駆動回路は、
前記第1センシングラインを介して供給された前記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、前記タッチイベントの発生時に前記第2センシングラインからの光情報を出力する制御部と、
前記制御部からの光情報を用いて前記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項3】
前記タッチスクリーン駆動回路は、
前記第1センシングラインを介して供給された前記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応して制御信号を出力する制御部と、
前記制御部からの制御信号により駆動されて、前記第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて前記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項4】
前記タッチスクリーン駆動回路は、
前記第1センシングラインを介して供給された前記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応して制御信号を出力する制御部と、
前記第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて前記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部と、
前記制御信号に対応して前記位置検出部からの前記物体の位置情報の出力をスイッチングするスイッチ部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶表示パネルの第1基板の下部に位置して前記液晶表示パネルに光を供給するバックライトアセンブリを更に含み、
前記センサ領域に該当する前記第1基板の一面に、前記バックライトアセンブリからの光が前記フォトセンサに直接入射されるのを防止するための遮光膜が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項6】
前記多数の画素は、
R、G、B色に対応する画素で構成される画素ユニット単位で配列されることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【請求項7】
前記フォトセンサは、
前記画素ユニットに対して1:1の割合以下の個数で形成されることを特徴とする、請求項6に記載のタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置に関し、特に、フォトセンサタイプで実現され、静電容量方式を結合して動作信頼性を向上させたタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、タッチスクリーンは画像表示装置の画面上に示される指示の内容を人が手又は物体で選択できるように画像表示装置の上面に備えられるものであって、手又は物体に直接に接触される。このようなタッチスクリーンは、接触された位置を把握し、画像表示装置は接触された位置で指示する内容を入力信号として受け入れて入力信号に応じて駆動される。
【0003】
タッチスクリーンを有する画像表示装置は、キーボード及びマウスのように、画像表示装置に連結されて動作する別途の入力装置を必要としないため、使用が増大している傾向にある。
【0004】
最近は、タッチスクリーンが液晶表示装置にも広く用いられており、タッチスクリーンを有する液晶表示装置は、映像を表示する液晶表示パネル及び上記液晶表示パネルの上側に備えられてユーザからのタッチ入力を通じて位置情報を検出するタッチスクリーンパネルを含む。
【0005】
このとき、タッチスクリーンパネルを液晶表示パネルの上側に位置させるために、上記液晶表示パネルとタッチスクリーンパネルとの間に空気層が生じるフレーム又は接着剤を用いる。
【0006】
この場合、液晶表示パネルとタッチスクリーンパネルとの間に液晶表示パネル及びタッチスクリーンパネルの屈折率と異なる屈折率を有する層が生成されて、液晶表示装置の全体的な光学特性を低下させるという問題が発生する。
【0007】
また、別途タッチスクリーンパネルを製造して液晶表示パネルに付着しなければならないため、製造コストが上昇し、液晶表示装置の厚さが増加するという短所がある。
【0008】
従って、上記のような短所を克服するためには、タッチスクリーンパネルと液晶表示パネルを一体化してタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置を実現する必要がある。
【0009】
一方、ユーザからのタッチ入力を通じて位置情報を検出する手段としては、フォトセンサなどが利用され得る。この場合、フォトセンサを通じて外光が入射される部分と、手やタッチスティックなどの接触物体により遮られる部分を区分してタッチ位置を検知するようになる。
【0010】
しかしながら、フォトセンサタイプのタッチスクリーンの場合、外光の照度が低ければ、タッチイベントの発生による差が微細であるため、タッチイベントの認識率が低下し得る。また、外光の照度が高い場合には、タッチイベントにより外光が入射される部分と遮られる部分が殆ど白黒に認識されて人の手や物体などがタッチスクリーンパネルにタッチされず、浮いている状態でも影などによりフォトセンサがこれをタッチイベントと誤って認識しやすくなり、動作信頼性が低下するという問題が発生し得る。
【0011】
従って、タッチイベントをより正確に認識して、タッチスクリーンの動作信頼性を確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2008−0044017号
【特許文献2】大韓民国特許公開第2007−0082750号
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0053387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フォトセンサを液晶表示パネル内に備えてフォトセンサタイプのタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置を実現し、静電容量方式を結合して動作信頼性を向上させた、新規かつ改良されたタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、映像を表示する多数の画素で構成される画素領域と、上記画素領域に隣接して形成されて接触された物体の位置を検知する多数のフォトセンサで構成されるセンサ領域とを含む第1基板と、上記第1基板の上部に配置され、上記第1基板に向かう第1面の、上記第1基板の上記画素領域と対応する領域にカラーフィルタが形成され、上記第1面の、上記第1基板の上記センサ領域と対応する領域に外光が入射される受光部が形成され、上記第1面と対向する第2面上に透明電極層及び前面偏光板が順次積層された第2基板と、上記第1基板と上記第2基板との間に介される液晶層を含む液晶表示パネルと、上記液晶表示パネルに物体が接触する時、上記透明電極層と連結された第1センシングラインを介してキャパシタンスの変化量をセンシングし、上記キャパシタンスの変化量が予め設定された閾値以上であれば、上記フォトセンサと連結された第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて把握された上記物体の位置情報を出力するタッチスクリーン駆動回路とを含むことを特徴とするタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置が提供される。
【0015】
ここで、上記タッチスクリーン駆動回路は、上記第1センシングラインを介して供給された上記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、上記タッチイベントの発生時に上記第2センシングラインからの光情報を出力する制御部と、上記制御部からの光情報を用いて上記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部とを含むことができる。
【0016】
また、上記タッチスクリーン駆動回路は、上記第1センシングラインを介して供給された上記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応して制御信号を出力する制御部と、上記制御部からの制御信号により駆動されて上記第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて上記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部とを含むことができる。
【0017】
更に、上記タッチスクリーン駆動回路は、上記第1センシングラインを介して供給された上記キャパシタンスの変化量を用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応して制御信号を出力する制御部と、上記第2センシングラインを介してセンシングされた光情報を用いて上記物体の位置情報を把握して出力する位置検出部と、上記制御信号に対応して上記位置検出部からの上記物体の位置情報の出力をスイッチングするスイッチ部とを含むことができる。
【0018】
また、上記タッチスクリーン内蔵型液晶表示装置は、上記液晶表示パネルの第1基板の下部に位置して上記液晶表示パネルに光を供給するバックライトアセンブリを更に含み、上記センサ領域に該当する上記第1基板の一面に上記バックライトアセンブリからの光が上記フォトセンサに直接入射されるのを防止するための遮光膜が形成され得る。
【0019】
更に、上記多数の画素はR、G、B色に対応する画素で構成される画素ユニット単位で配列され得る。ここで、上記フォトセンサは上記画素ユニットに対して1:1の割合以下の個数で形成されることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、フォトセンサを液晶表示パネルの下部基板に形成してフォトセンサタイプのタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置を実現することで、液晶表示装置の光学的特性を向上させると共に、製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0021】
また、液晶表示パネルの全面に備えられる透明電極層を用いた静電容量方式でタッチイベントの発生及びマルチタッチか否かを正確に判断できるようにすることで、上記タッチスクリーン内蔵型液晶表示装置の動作信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る液晶表示パネルを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置の要部断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。
図4】本発明の他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。
図5】本発明の更に他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示パネルを示す斜視図である。
【0025】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係る液晶表示パネル10は、画素電極及び薄膜トランジスタなどが形成された第1基板12と、カラーフィルタなどが形成された第2基板14と、上記第1基板12と第2基板14との間に介された液晶層(図示せず)とを含む。
【0026】
ここで、第1基板12は第2基板14より大きな面積を有し、第2基板14によりカバーされない第1基板12の非画素領域には薄膜トランジスタなどを駆動するための駆動IC16が実装される。また、駆動IC16が実装された非画素領域の一側端部には駆動IC16と連結される軟性回路基板(FPCB)18が実装される。
【0027】
なお、本発明において、液晶表示パネル10にはフォトセンサが内蔵される。即ち、液晶表示パネル10はフォトセンサタイプのタッチスクリーンと一体となって形成される。これについてのより詳細な説明は図2を参照して後述する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係るタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置の要部断面図である。
【0029】
図2を参照すれば、本発明の実施形態に係るタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置は、映像をディスプレイすると共に、接触される物体の位置を検知する液晶表示パネル200と、液晶表示パネル200に光を供給するバックライトアセンブリ100とを含んで構成される。
【0030】
液晶表示パネル200は、バックライトアセンブリ100側に位置する第1基板110と、第1基板110と対向するように第1基板110の上部に備えられる第2基板140と、第1基板110と第2基板140との間に介される液晶層250とを含む。
【0031】
また、図2には示していないが、液晶層250を狭持するように、液晶層250の液晶分子の配列方向を整列するための一対の配向膜が2つの基板110、140の間に形成される。そして、液晶表示パネル200の両側に対面するように、前面偏光板180及び背面偏光板190が設置される。
【0032】
特に、本発明の実施形態の場合、液晶層250に対面する第1基板110の上部面には液晶表示パネルに接触された物体210の位置を検出するための多数のフォトセンサ130が備えられる。
【0033】
フォトセンサ130は、液晶表示パネル200でタッチスクリーン機能を提供するために形成されるものであって、第1基板の表示領域PA上に規則的に配置され得る。
【0034】
図2は、表示領域PA内にフォトセンサ130がマトリックス状に規則的に配置された液晶表示パネル200の一断面を示している。このとき、フォトセンサ130が形成されている表示領域の一部をセンサ領域PA2と定義し、その他の画素120が形成された領域を画素領域PA1と定義する。
【0035】
表示領域PA1は、映像を表示するための多数の画素で構成される。ここで、画素は、赤色R、緑色G及び青色Bに対応する画素120a、120b、120cで構成される画素ユニット120単位で配列される。このような色の区分は、各画素が対向するカラーフィルタ150の透過波長特性により決定される。
【0036】
即ち、第1基板110上に形成されたR、G、B画素120a、120b、120cに対応する領域の第2基板140にはこれらの各色に対応するR、G、Bカラーフィルタ150a、150b、150cが形成される。
【0037】
一方、図2には示していないが、表示領域PA1には画素電極と共通電極が形成されており、これらは透明電極材料で形成される。また、各画素120a、120b、120cには、画素の構成に応じて画素電極と共通電極との間の液晶容量を補助する補助容量、画素電極への印加電位を、入力される映像信号の電位に応じて制御するスイッチング素子なども形成される。
【0038】
センサ領域PA2は、表示領域PA1の間に規則的に配置されるフォトセンサ130で構成される。例えば、フォトセンサ130は表示領域PA1の間の第1基板110上に規則的に形成され得る。このようなフォトセンサ130は、表示領域PA1に隣接して形成されて接触された物体の位置を検知する。
【0039】
ここで、R、G、B色に対応する複数の画素120a、120b、120cからなる画素ユニット120に対するフォトセンサ130の割合が1:1である場合にフォトセンサ130の配置密度が最大となる。本実施形態の場合、フォトセンサ130の配置密度は最大の場合であってもよく、これより小さくてもよい。
【0040】
一方、第1基板110の背面側にはバックライトアセンブリ100が配置されている。バックライトアセンブリ100は、液晶表示パネル200の背面に対面するように配置されて、液晶表示パネル200の表示領域PAに光を出射する。
【0041】
ここで、バックライトアセンブリ100から出射される光は、第1基板110の表示領域PA1及び第2基板140のカラーフィルタ150を透過して所定の画面をディスプレイする。
【0042】
そして、第1基板110のセンサ領域PA2の下部には遮光膜132が形成されており、上記バックライトアセンブリ100から出射される光がフォトセンサ130に直接入射されるのを防止する。
【0043】
第2基板140の第1基板110に向かう面(第1面)の表示領域PA1と対応する領域にはカラーフィルタ150が形成され、同一面のセンサ領域PA2と対応する領域には、外光が入射される受光部160が形成される。
【0044】
ここで、受光部160はカラーフィルタ150間の開口部や透過膜などで実現されることができ、これを通じて外光がフォトセンサ130に入射される。そして、タッチ物体210により外光が遮られる場合、フォトセンサ130で検知された外光の光量差によりタッチ及びその位置を検知できるようになる。
【0045】
第2基板140の第1面と対向する第2面、即ち、上部面には透明電極層170及び前面偏光板180が順次積層される。
【0046】
なお、本発明において、透明電極層170は接地電源と連結される代わりに、図示していない第1センシングラインを介してタッチスクリーン駆動回路と連結されることで、タッチ物体210によるタッチイベントの発生をタッチスクリーン駆動回路に通知する。
【0047】
以上説明したように本発明の実施形態は、液晶表示パネル200の全面部にESDの防止のための透明接地電極が形成される水平電界方式の液晶表示装置に有用に適用可能であるものの、これに限定されず、一般の水平電界方式の液晶表示装置とは異なり、透明電極層170を接地電極として用いず、静電容量方式でタッチイベントの発生を正確に判断できるようにするのに活用する。
【0048】
より具体的には、本発明の実施形態において、タッチ物体210によるタッチイベントの発生時、タッチ物体210と透明電極層170との間に形成される第1キャパシタCap1による第1キャパシタンスと、透明電極層170と第1基板110との間、例えば、透明電極層170と画素120a、120b、120cの薄膜トランジスタなどとの間で形成される第2キャパシタCap2による第2キャパシタンスが変化する。上記第1キャパシタンスと第2キャパシタンスの総変化量を、透明電極層170と連結された第1センシングラインを介してセンシングして、上記変化量が閾値以上と検知されれば、タッチイベントが発生したと判断される。そして、タッチイベントが発生したと確認される時にはフォトセンサ130によりセンシングされた光情報を用いて把握された物体の位置情報を出力する。
【0049】
即ち、本発明の実施形態では画面全体を1つのボタンのように用いてタッチイベントの発生及びマルチタッチか否かを明確に判断できる。ここで、タッチイベントの発生を決定するための閾値はタッチイベントが発生する時のキャパシタンスの変化量と関連して実験的に決定され得る。
【0050】
上述したように、本発明の実施形態によれば、フォトセンサ130を液晶表示パネルの下部基板、即ち、第1基板110に形成してフォトセンサタイプのタッチスクリーン内蔵型液晶表示装置を実現することで、液晶表示装置の光学的特性を向上させると共に、製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0051】
また、液晶表示パネル200の全面に備えられる透明電極層170を用いた静電容量方式でタッチイベントの発生を正確に判断できるようにすることで、タッチスクリーン内蔵型液晶表示装置の動作信頼性を向上させることができる。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。
【0053】
図3を参照すれば、本実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路300aは、液晶表示パネルに物体が接触する時に透明電極層と連結された第1センシングラインSL1を介してキャパシタンスの変化量Scapをセンシングし、上記キャパシタンスの変化量Scapが予め設定された閾値以上であれば、フォトセンサと連結された第2センシングラインSL2を介してセンシングされた光情報Sphotoを用いて把握された物体の位置情報PS(X、Y)を出力することを特徴とする。
【0054】
このために、タッチスクリーン駆動回路300aは、制御部310aと位置検出部320aを含む。
【0055】
制御部310aは、第1センシングラインSL1を介して第1センシング部170aからキャパシタンスの変化量Scapを提供され、第2センシングラインSL2を介して第2センシング部130aから光情報Sphotoを提供される。ここで、第1センシング部170aは、タッチイベントによるキャパシタンスの変化量Scapをセンシングするためのものであって、例えば、図2に示す透明電極層170により実現され得る。そして、第2センシング部130aは、物体の接触位置をセンシングするためのものであって、例えば、図2に示すフォトセンサ130により実現され得る。
【0056】
このような制御部310aは、キャパシタンスの変化量Scapを用いてタッチイベントの発生を判断し、タッチイベントの発生時に第2センシングラインSL2から提供される光情報Sphotoを位置検出部320aに提供する。即ち、制御部310aは、キャパシタンスの変化量Scapが閾値以上と検知される場合、タッチイベントと認識し、第2センシングラインSL2からの光情報Sphotoを位置検出部320aに提供する。
【0057】
すると、位置検出部320aは、光情報Sphotoを用いて物体の位置情報、即ち、物体のタッチ位置による座標値を把握して位置情報PS(X、Y)を出力する。
【0058】
図4は、本発明の他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。図4を説明する時、図3と同一であるか、類似する部分についての詳細な説明は省略する。
【0059】
図4を参照すれば、本発明の他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路の制御部310bは、第1センシングラインSL1を介して供給されたキャパシタンスの変化量Scapを用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応して位置検出部320bに制御信号CSを出力する。
【0060】
このような制御部310bは、タッチイベントが発生したと判断される場合、位置検出部320bが位置検出アルゴリズムを実行するようにする制御信号CSを出力し、タッチイベントが発生しないと判断される場合には位置検出部320bが位置検出アルゴリズムを実行しないようにする制御信号CSを出力する。
【0061】
位置検出部320bは制御部310bからの制御信号CSにより駆動され、位置検出アルゴリズムを実行するようにする制御信号CSが入力される場合、第2センシングラインSL2を介して第2センシング部130bからセンシングされた光情報Sphotoを用いて物体の位置情報PS(X、Y)を把握して出力する。
【0062】
図5は、本発明の更に他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路を示すブロック図である。図5を説明する時、図3図4と同一であるか、類似する部分についての詳細な説明は省略する。
【0063】
図5を参照すれば、本発明の更に他の実施形態に係るタッチスクリーン駆動回路300cは、制御部310c、位置検出部320c及びスイッチ部330cを含む。
【0064】
制御部310cは、第1センシングラインSL1を介して供給されたキャパシタンスの変化量Scapを用いてタッチイベントの発生を判断し、これに対応してスイッチ部330cに制御信号CSを出力する。
【0065】
位置検出部320cは、第2センシングラインSL2を介して光情報Sphotoの提供を受け、これを用いて物体の位置情報PS(X、Y)を把握してスイッチ部330cに出力する。
【0066】
すると、スイッチ部330cは、制御信号CSに対応して位置検出部320cから供給された物体の位置情報PS(X、Y)の出力をスイッチングする。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0068】
PA1 画素領域
PA2 センサ領域
100 バックライトアセンブリ
110 第1基板
120 画素
130 フォトセンサ
140 第2基板
150 カラーフィルタ
160 受光部
170 透明電極層
180 前面偏光板
200 液晶表示パネル
250 液晶層
SL1 第1センシングライン
SL2 第2センシングライン
300a タッチスクリーン駆動回路
300b タッチスクリーン駆動回路
300c タッチスクリーン駆動回路
図1
図2
図3
図4
図5