特許第5695891号(P5695891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695891
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】LED面発光装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20150319BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20150319BHJP
   F21S 10/02 20060101ALI20150319BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20150319BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150319BHJP
【FI】
   H05B37/02 H
   F21S2/00 435
   F21S10/02 100
   F21S2/00 444
   G02B6/00 331
   F21Y101:02
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-263194(P2010-263194)
(22)【出願日】2010年11月26日
(65)【公開番号】特開2012-114015(P2012-114015A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2013年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 英史
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−040764(JP,A)
【文献】 特開2009−224175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21S 2/00
F21S 10/02
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の第1導光板と、前記第1導光板の裏面側に配置されると共に前記第1導光板に対して略平行に配置された長方形状の第2導光板と、第1LED光源と、第2LED光源と、を有した面発光装置において、
前記第1導光板は、第1入射面と、第1出射面と、第1表面素通し面と、第1プリズム面と、第1裏面素通し面と、を有し、
前記第2導光板は、第2入射面と、第2出射面と、第2プリズム面と、を有し、
前記第1LED光源は、前記第1入射面と対向する位置に設けられ、
前記第2LED光源は、前記第2入射面と対向する位置に設けられ、
前記第1LED光源と前記第2LED光源とは、前記第1導光板および第2導光板を隔てて、お互いが向かい合うように配置され、
前記第1出射面は、前記第1導光板の表側表面の少なくとも一部に形成され、
前記第1表面素通し面は、前記第1導光板の表側表面のうち、前記第1出射面が設けられていない面に形成され、
前記第1裏面素通し面は、前記第1導光板の裏側表面のうち、前記第1表面素通し面と対向する位置に形成され、
前記第1プリズム面は、前記第1導光板の裏側表面のうち、前記第1出射面と対向する位置に形成され、
前記第2出射面は、前記第2導光板の表側表面のうち、前記第1裏面素通し面に対向する位置に形成され、
前記第2プリズム面は、前記第2導光板の裏側表面のうち、前記第2出射面に対向する位置に形成され、
前記第1LED光源から出射され前記第1入射面にて前記第1導光板の内部に入光した光のうち、前記第1プリズム面によって反射された光は、前記第1出射面より外部へと出光され、他方前記第1プリズム面から漏れ出た光は、前記第2導光板の前記第2プリズム面へと向かうと共に当該第2プリズム面によって前記第2出射面へと反射され、最終的に第2出射面から出射されることで前記第1導光板の前記第1裏面素通し面及び前記第1表面素通し面を透過して外部へと出射され、
前記第2LED光源から出射され前記第2入射面にて前記第2導光板の内部に入光した光は、前記第2プリズム面によって前記第2出射面へと反射され、最終的に第2出射面から出射されることで前記第1導光板の前記第1裏面素通し面及び前記第1表面素通し面を透過して外部へと出射され、
前記第1LED光源に対する通電量を第1切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第1モードと、前記第1LED光源に対する通電量を前記第1切り替え速度よりも遅い第2切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第2モードと、前記第1LED光源に対する通電量を通電状態に維持しつつ、前記第2LED光源に対する通電量を前記第2の切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第3モードと、を設け、
前記第1LED光源と、前記第2LED光源とは、お互いに異なる発光色を発光させることを特徴とするLED面発光装置。
【請求項2】
前記第1導光板の表側表面および裏側表面の一方と前記第1LED光源の光軸とを交差させ、
前記第2導光板の表側表面および裏側表面の一方と前記第2LED光源の光軸とを交差させ、
前記第1導光板の前記第1入射面の反対側に位置する先端面を、互いに直交する2つの平面によって構成し、
前記第2導光板の前記第2入射面の反対側に位置する先端面を、互いに直交する2つの平面によって構成したことを特徴とする請求項1に記載のLED面発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略長方形の導光板とLED光源とを具備し、LED光源からの光が入射する入射面が、導光板の根元側端面によって構成され、導光板によって導光された光が出射する出射面が、導光板の表側表面によって構成され、導光板の裏側表面にプリズムカットが形成され、粗面加工がプリズムカットに施されたLED面発光装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、複数のLED光源の通電状態と非通電状態とをそれぞれ独立して制御する必要なく、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成し、更に通電状態と非通電状態とを独立して制御することなく、最大3色の光を発光することができるLED面発光装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、概略長方形の導光板とLED光源とを具備し、LED光源からの光が入射する入射面が、導光板の根元側端面によって構成され、導光板によって導光された光が出射する出射面が、導光板の一方の表面によって構成され、導光板の他方の表面にプリズムカットが形成されたLED面発光装置が知られている。この種のLED面発光装置の例としては、例えば特許文献1(特開2009−283383号公報)に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1に記載されたLED面発光装置では、複数のLED光源が設けられている。また、複数のLED光源のうちの一部のLED光源のみを点灯することにより、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態を形成することができる(特許文献1の図2参照)。更に、すべてのLED光源を点灯することにより、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。
【0005】
換言すれば、特許文献1に記載されたLED面発光装置では、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成するために、複数のLED光源を設ける必要がある。
【0006】
更に、特許文献1に記載されたLED面発光装置では、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成するために、複数のLED光源の通電状態と非通電状態とをそれぞれ独立して制御する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−283383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、複数のLED光源の通電状態と非通電状態とをそれぞれ独立して制御しなくても、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成し、更に通電状態と非通電状態とを独立して制御することなく、最大3色の光を発光することができるLED面発光装置を開発するために鋭意研究を行った。
【0009】
その結果、本発明者は、LED光源に対する通電量を低速で非通電状態から通電状態に切り換えることによって、LED光源に対する通電量の切り換え時に、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態を瞬間的に形成することができ、更に、LED光源に対する通電量の切り換え後に、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態を形成することができ、更に通電状態と非通電状態とを独立して制御することなく、最大3色の光を発光できることを見い出したのである。
【0010】
すなわち、本発明は、複数のLED光源の通電状態と非通電状態とをそれぞれ独立して制御する必要なく、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成することができ、更に通電状態と非通電状態とを独立して制御することなく、最大3色の光を発光できるLED面発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、長方形状の第1導光板と、前記第1導光板の裏面側に配置されると共に前記第1導光板に対して略平行に配置された長方形状の第2導光板と、第1LED光源と、第2LED光源と、を有した面発光装置において、前記第1導光板は、第1入射面と、第1出射面と、第1表面素通し面と、第1プリズム面と、第1裏面素通し面と、を有し、前記第2導光板は、第2入射面と、第2出射面と、第2プリズム面と、を有し、前記第1LED光源は、前記第1入射面と対向する位置に設けられ、前記第2LED光源は、前記第2入射面と対向する位置に設けられ、前記第1LED光源と前記第2LED光源とは、前記第1導光板および第2導光板を隔てて、お互いが向かい合うように配置され、前記第1出射面は、前記第1導光板の表側表面の少なくとも一部に形成され、前記第1表面素通し面は、前記第1導光板の表側表面のうち、前記第1出射面が設けられていない面に形成され、前記第1裏面素通し面は、前記第1導光板の裏側表面のうち、前記第1表面素通し面と対向する位置に形成され、前記第1プリズム面は、前記第1導光板の裏側表面のうち、前記第1出射面と対向する位置に形成され、前記第2出射面は、前記第2導光板の表側表面のうち、前記第1裏面素通し面に対向する位置に形成され、前記第2プリズム面は、前記第2導光板の裏側表面のうち、前記第2出射面に対向する位置に形成され、前記第1LED光源から出射され前記第1入射面にて前記第1導光板の内部に入光した光のうち、前記第1プリズム面によって反射された光は、前記第1出射面より外部へと出光され、他方前記第1プリズム面から漏れ出た光は、前記第2導光板の前記第2プリズム面へと向かうと共に当該第2プリズム面によって前記第2出射面へと反射され、最終的に第2出射面から出射されることで前記第1導光板の前記第1裏面素通し面及び前記第1表面素通し面を透過して外部へと出射され、前記第2LED光源から出射され前記第2入射面にて前記第2導光板の内部に入光した光は、前記第2プリズム面によって前記第2出射面へと反射され、最終的に第2出射面から出射されることで前記第1導光板の前記第1裏面素通し面及び前記第1表面素通し面を透過して外部へと出射され、前記第1LED光源に対する通電量を第1切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第1モードと、前記第1LED光源に対する通電量を前記第1切り替え速度よりも遅い第2切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第2モードと、前記第1LED光源に対する通電量を通電状態に維持しつつ、前記第2LED光源に対する通電量を前記第2の切り替え速度で非通電状態から通電状態に切り替える第3モードと、を設け、前記第1LED光源と、前記第2LED光源とは、お互いに異なる発光色を発光させることることを特徴とするLED面発光装置が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば前記第1導光板の表側表面および裏側表面の一方と前記第1LED光源の光軸とを交差させ、
前記第2導光板の表側表面および裏側表面の一方と前記第2LED光源の光軸とを交差させ、前記第1導光板の前記第1入射面の反対側に位置する先端面を、互いに直交する2つの平面によって構成し、前記第2導光板の前記第2入射面の反対側に位置する先端面を、互いに直交する2つの平面によって構成したことを特徴とする請求項1に記載のLED面発光装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のLED面発光装置(10)においては、複数のLED光源の通電状態と非通電状態とをそれぞれ独立して制御しなくても、導光板の出射面のうちの一部分のみが発光しているように見える状態と、導光板の出射面の全体が発光しているように見える状態とを形成し、更に通電状態と非通電状態とを独立して制御することなく、最大3色の光を発光することができるLED面発光装置が提供される。
【0036】
請求項3に記載のLED面発光装置(10)では、第1導光板(3a)の表側表面(3a2)および裏側表面(3a3)の一方と第1LED光源(1a)の光軸(1a’)とが交差せしめられている。そのため、請求項3に記載のLED面発光装置(10)によれば、第1導光板(3a)の表側表面(3a2)および裏側表面(3a3)と第1LED光源(1a)の光軸(1a’)とが交差せしめられていない場合よりも、第1LED光源(1a)から照射された光のうち、第1導光板(3a)の裏側表面(3a3)のプリズムカット(3a3a1)によって反射される光の割合を向上させることができる。
【0037】
また、請求項3に記載のLED面発光装置(10)では、第2導光板(3b)の表側表面(3b2)および裏側表面(3b3)の一方と第2LED光源(1b)の光軸(1b’)とが交差せしめられている。そのため、請求項3に記載のLED面発光装置(10)によれば、第2導光板(3b)の表側表面(3b2)および裏側表面(3b3)と第2LED光源(1b)の光軸(1b’)とが交差せしめられていない場合よりも、第2LED光源(1b)から照射された光のうち、第2導光板(3b)の裏側表面(3b3)のプリズムカット(3b3a1)によって反射される光の割合を向上させることができる。
【0038】
更に、請求項3に記載のLED面発光装置(10)では、第1導光板(3a)の先端面(3a4)が互いに直交する2つの平面(3a4a,3a4b)によって構成されている。そのため、請求項3に記載のLED面発光装置(10)によれば、第1導光板(3a)の先端面(3a4)が単一の平面によって構成されている場合よりも、第1導光板(3a)の先端面(3a4)を透過してしまう光を低減することができる。
【0039】
また、請求項3に記載のLED面発光装置(10)では、第2導光板(3b)の先端面(3b4)が互いに直交する2つの平面(3b4a,3b4b)によって構成されている。そのため、請求項3に記載のLED面発光装置(10)によれば、第2導光板(3b)の先端面(3b4)が単一の平面によって構成されている場合よりも、第2導光板(3b)の先端面(3b4)を透過してしまう光を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】第1の実施形態のLED面発光装置10を概略的に示した図である。
図2】第1の実施形態のLED面発光装置10の一部を構成する概略長方形の導光板3aの部品図である。
図3】第1の実施形態のLED面発光装置10の一部を構成する概略長方形の導光板3bの部品図である。
図4】第1の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードを説明するための図である。
図5】第1の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードを説明するための図である。
図6】第1の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードを説明するための図である。
図7】LED光源1a,1bから照射される光L1a1,L1a2,L1b1,L1b2の利用効率を説明するための図である。
図8】LED光源1a,1bからの光L1a3,L1a4,L1b3,L1b4の利用効率を説明するための図である。
図9】第5の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードを説明するための図である。
図10】第5の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明のLED面発光装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態のLED面発光装置10を概略的に示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態のLED面発光装置10の平面図、図1(B)は図1(A)のA−A線およびB−B線に沿った概略的な鉛直断面図である。つまり、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1(A)のA−A線に沿った鉛直断面と、図1(A)のB−B線に沿った鉛直断面とがほぼ同様になる。
【0042】
図2は第1の実施形態のLED面発光装置10の一部を構成する概略長方形の導光板3aの部品図である。詳細には、図2(A)は導光板3aの平面図、図2(B)は導光板3aの正面図、図2(C)は導光板3aの左側面図、図2(D)は導光板3aの右側面図、図2(E)は導光板3aの底面図である。図3は第1の実施形態のLED面発光装置10の一部を構成する概略長方形の導光板3bの部品図である。詳細には、図3(A)は導光板3bの平面図、図3(B)は導光板3bの正面図、図3(C)は導光板3bの左側面図、図3(D)は導光板3bの右側面図、図3(E)は導光板3bの底面図である。
【0043】
図4は第1の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードを説明するための図である。詳細には、図4(A)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図4(B)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図4(C)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後の状態を示した図である。
【0044】
図5および図6は第1の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードを説明するための図である。詳細には、図5(A)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図5(B)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられている時であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図5(C)および図6(A)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図6(B)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられている時の状態を示した図、図6(C)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後の状態を示した図である。
【0045】
図7はLED光源1a,1bから照射される光L1a1,L1a2,L1b1,L1b2の利用効率を説明するための図である。図8はLED光源1a,1bからの光L1a3,L1a4,L1b3,L1b4の利用効率を説明するための図である。
【0046】
第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1に示すように、LED光源1aが基板2aに実装され、LED光源1bが基板2bに実装されている。更に、例えば基板2a,2bおよび導光板3a,3bを前側板4aおよび後側板4bによって挟持することにより、LED光源1a,1bおよび導光板3a,3bが相対的に位置決めされている。
【0047】
第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1に示すように、2個のLED光源1aが設けられ、2個のLED光源1bが設けられているが、第2の実施形態のLED面発光装置10では、代わりに、2個以外の任意の数のLED光源1aを設け、2個以外の任意の数のLED光源1bを設けることも可能である。また、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1に示すように、前側板4aおよび後側板4bによってLED光源1a,1bおよび導光板3a,3bが相対的に位置決めされているが、第3の実施形態のLED面発光装置10では、代わりに、前側板4aおよび後側板4bとは異なる任意の位置決め手段によってLED光源1a,1bおよび導光板3a,3bを相対的に位置決めすることも可能である。更に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1に示すように、2組のLED光源1a,1bおよび導光板3a,3b(つまり、LED光源1aおよび導光板3aの組、および、LED光源1bおよび導光板3bの組)が設けられているが、第4の実施形態のLED面発光装置10では、代わりに、2組以外の任意の組数のLED光源および導光板を設けることも可能である。
【0048】
詳細には、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a(図1参照)からの光が入射する入射面3a1(図2(B)および図2(C)参照)が、導光板3a(図1および図2参照)の根元側(図2(A)、図2(B)および図2(E)の左側)端面によって構成されている。更に、導光板3aによって導光された光が出射する出射面3a2a(図2(B)参照)が、導光板3aの表側(図1(B)の上側)表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の根元側部分によって構成されている。
【0049】
また、第1の実施形態のLED面発光装置10では、導光板3a(図1および図2参照)の裏側(図1(B)の下側)表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)のうち、出射面3a2a(図2(B)参照)に対向する根元側部分3a3a(図2(B)および図2(E)参照)にプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)が形成されている。更に、LED光源1a(図1参照)から照射され、入射面3a1(図2(B)および図2(C)参照)を透過せしめられ、プリズムカット3a3a1によって反射された光が出射面3a2aの全体に到達するように、例えばシボ加工などのような粗面加工がプリズムカット3a3a1に施されている。
【0050】
更に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、導光板3a(図1および図2参照)の表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の先端側(図2(A)、図2(B)、図2(E)の右側)部分に素通し面3a2b(図2(B)参照)が形成されている。また、導光板3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)のうち、表側表面3a2の素通し面3a2bに対向する先端側部分に素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)が形成されている。
【0051】
また、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図1(B)および図3に示すように、概略長方形の導光板3bが、導光板3aに対してほぼ平行に導光板3aの裏面側(図1(B)の下側)に配置されている。更に、図1に示すように、導光板3a,3bを隔ててLED光源1aの反対側(図1の右側)にLED光源1bが配置されている。また、LED光源1aの発光色とLED光源1bの発光色とが同一に設定されている。
【0052】
詳細には、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1b(図1参照)からの光が入射する入射面3b1(図3(B)および図3(D)参照)が、導光板3b(図1(B)および図3参照)の根元側(図3(A)、図3(B)および図3(E)の右側)端面によって構成されている。更に、導光板3bによって導光された光が出射する出射面3b2a(図3(B)参照)が、導光板3bの表側表面3b2(図3(A)、図3(B)および図3(C)参照)のうち、導光板3a(図1および図2参照)の裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)に対向する部分によって構成されている。また、導光板3bの裏側表面3b3(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)のうち、導光板3bの出射面3b2aに対向する根元側部分3b3a(図3(B)および図3(E)参照)にプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)が形成されている。
【0053】
更に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1b(図1参照)から照射され、導光板3b(図1(B)および図3参照)の入射面3b1(図3(B)および図3(D)参照)を透過せしめられ、導光板3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)によって反射された光が導光板3bの出射面3b2a(図3(B)参照)の全体を透過せしめられ、導光板3a(図1および図2参照)の表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)の全体に到達するように、例えばシボ加工などのような粗面加工が導光板3bのプリズムカット3b3a1に施されている。
【0054】
また、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a,1b(図1参照)に対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードと、LED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードとが設けられている。
【0055】
具体的には、第1の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図4(A)に示すように、LED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前、LED光源1a,1bから光が照射されず、その結果、LED面発光装置10の照射方向(図4(A)の上側)に光が照射されない。次いで、図4(B)に示すように、LED光源1aのみに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられ、LED光源1aが点灯され、LED光源1aに対する通電量が通電状態に維持される。その結果、LED光源1aから照射され、導光レンズ3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)によって反射された光L1aが、LED面発光装置10の照射方向(図4(B)の上側)に照射される。次いで、図4(C)に示すように、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられ、LED光源1bが点灯される。その結果、LED光源1bから照射され、導光レンズ3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)によって反射された光L1bが、導光レンズ3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられ、LED面発光装置10の照射方向(図4(C)の上側)に照射される。
【0056】
詳細には、第1の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図4(A)および図4(B)に示すように、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図4(A)参照)から発光しているように見える状態(図4(B)参照)に同時に切り換わるように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が設定されている。更に、図4(B)および図4(C)に示すように、導光レンズ3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)からの反射光L1bによって、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図4(B)参照)から発光しているように見える状態(図4(C)参照)に同時に切り換わるように、LED光源1bに対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0057】
その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図4(B)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。更に、図4(C)に示すように、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。
【0058】
一方、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(A)、図5(B)および図5(C)に示すように、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図5(A)参照)から発光しているように見える状態(図5(C)参照)に同時に切り換わらないように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が低速に設定されている。
【0059】
詳細には、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(A)および図5(B)に示すように、最初に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)のうちの根元側部分3a2a1(図2(B)参照)のみが発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わり、次いで、図5(B)および図5(C)に示すように、導光板3aの出射面3a2aのうちの先端側部分3a2a2(図2(B)参照)が発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わるように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0060】
その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(B)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わる時に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)のうちの根元側部分3a2a1(図2(B)参照)のみが発光しているように見える状態を瞬間的に形成することができる。本発明者の鋭意研究においては、図5(B)に示すように導光板3aの出射面3a2aの根元側部分3a2a1のみが発光しているように見える状態が形成される理由について十分に解明できなかったが、LED面発光装置10の観察者の眼の錯覚が関与していると考えられる。
【0061】
更に、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(C)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、その後、LED光源1aに対する通電量が通電状態に維持される。
【0062】
また、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図6(A)および図6(B)に示すように、次いで、導光板3bの出射面3b2a(図3(B)参照)から出射し、導光板3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられた光L1bによって、導光板3aの素通し面3a2bのうちの先端側部分3a2b2(図2(B)参照)のみが発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わり、次いで、図6(B)および図6(C)に示すように、導光板3aの素通し面3a2bのうちの根元側部分3a2b1(図2(B)参照)が発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わるように、LED光源1bに対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0063】
その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図6(B)に示すように、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わる時に、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)のうちの先端側部分3a2b2(図2(B)参照)のみが発光しているように見える状態を瞬間的に形成することができる。
【0064】
換言すれば、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、導光板3a(図2参照)の出射面3a2a(図2(B)参照)の根元側部分3a2a1(図2(B)参照)の発光していないように見える状態と発光しているように見える状態とを切り換えるためのLED光源と、導光板3aの出射面3a2aの先端側部分3a2a2(図2(B)参照)の発光していないように見える状態と発光しているように見える状態とを切り換えるためのLED光源と、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の先端側部分3a2b2(図2(B)参照)の発光していないように見える状態と発光しているように見える状態とを切り換えるためのLED光源と、導光板3aの素通し面3a2bの根元側部分3a2b1(図2(B)参照)の発光していないように見える状態と発光しているように見える状態とを切り換えるためのLED光源とを設けて、それらのLED光源の非通電状態と通電状態とをそれぞれ独立して制御する必要なく、導光板3aの出射面3a2aの根元側部分3a2a1のみが発光しているように見える状態(図5(B)参照)と、導光板3aの出射面3a2aの全体が発光しているように見える状態(図5(C)および図6(A)参照)と、導光板3aの素通し面3a2bの先端側部分3a2b2のみが発光しているように見える状態(図6(B)参照)と、導光板3aの素通し面3a2bの全体が発光しているように見える状態(図6(C)参照)とを形成することができる。
【0065】
つまり、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、LED光源1a(図1参照)に対する通電量が高速で非通電状態から通電状態に切り換えられる場合には形成することができない導光板3a(図1および図2参照)の出射面3a2a(図2(B)参照)の根元側部分3a2a1(図2(B)参照)のみが発光しているように見える状態(図5(B)参照)、および、LED光源1b(図1参照)に対する通電量が高速で非通電状態から通電状態に切り換えられる場合には形成することができない導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の先端側部分3a2b2(図2(B)参照)のみが発光しているように見える状態(図6(B)参照)を瞬間的に形成することができる。
【0066】
更に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a(図1参照)から照射され、導光板3a(図1および図2参照)の入射面3a1(図2(B)および図2(C)参照)を透過せしめられた直射光が導光板3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)によって反射されてLED面発光装置10の照射方向(図4(A)の上側)に照射されるのみならず、LED光源1aから照射され、導光板3aの入射面3a1を透過せしめられ、導光板3aによって内面反射された反射光も導光板3aのプリズムカット3a3a1によって反射されてLED面発光装置10の照射方向に照射されるように、導光板3aが構成されている。
【0067】
詳細には、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図7(A)に示すように、導光板3aの裏側表面3a3とLED光源1aの光軸1a’とが交差せしめられている。その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1aの光軸1a’上を進むLED光源1aからの高光度の直射光L1a1がプリズムカット3a3a1によって反射されてLED面発光装置10の照射方向(図7(A)の上側)に照射される。そのため、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、図7(B)に示すように導光板3aの表側表面3a2および裏側表面3a3とLED光源1aの光軸1a’とが交差せしめられておらず、LED光源1aの光軸1a’上を進むLED光源1aからの高光度の直射光L1a2がプリズムカット3a3a1に入射しない場合よりも、LED光源1aから照射された光のうち、導光板3aの裏側表面3a3のプリズムカット3a3a1によって反射される光の割合を向上させることができる。
【0068】
同様に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図7(C)に示すように、導光板3bの表側表面3b2とLED光源1bの光軸1b’とが交差せしめられている。その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1bの光軸1b’上を進むLED光源1bからの高光度の光L1b1が、導光板3bの表側表面3b2によって反射され、次いで、プリズムカット3b3a1によって反射され、LED面発光装置10の照射方向(図7(C)の上側)に照射される。そのため、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、図7(D)に示すように導光板3bの表側表面3b2および裏側表面3b3とLED光源1bの光軸1b’とが交差せしめられておらず、LED光源1bの光軸1b’上を進むLED光源1bからの高光度の直射光L1b2がプリズムカット3b3a1に入射しない場合よりも、LED光源1bから照射された光のうち、導光板3bの裏側表面3b3のプリズムカット3b3a1によって反射される光の割合を向上させることができる。
【0069】
更に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図8(A)に示すように、導光板3a(図2参照)の先端面3a4が、互いに直交する2つの平面3a4a,3a4bによって構成されている。その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a(図1参照)からの光L1a3が導光板3aの2つの平面3a4a,3a4bによって反射され、反射光L1a3’となってプリズムカット3a3a1(図2(B)参照)の側(図2(B)および図8(A)の左側)に戻される。そのため、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、図8(B)に示すように導光板3aの先端面3a4が単一の平面によって構成され、LED光源1a(図1参照)からの光L1a4の一部が透過光L1a4’となって導光板3aの先端面3a4を透過する場合よりも、導光板3aの先端面3a4を透過してしまう光を低減することができる。
【0070】
同様に、第1の実施形態のLED面発光装置10では、図8(C)に示すように、導光板3b(図3参照)の先端面3b4が、互いに直交する2つの平面3b4a,3b4bによって構成されている。その結果、第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1b(図1参照)からの光L1b3が導光板3bの2つの平面3b4a,3b4bによって反射され、反射光L1b3’となってプリズムカット3b3a1(図3(B)参照)の側(図3(B)および図8(C)の右側)に戻される。そのため、第1の実施形態のLED面発光装置10によれば、図8(D)に示すように導光板3bの先端面3b4が単一の平面によって構成され、LED光源1b(図1参照)からの光L1b4の一部が透過光L1b4’となって導光板3bの先端面3b4を透過する場合よりも、導光板3bの先端面3b4を透過してしまう光を低減することができる。
【0071】
以下、本発明のLED面発光装置の第5の実施形態について説明する。第1の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a(図1参照)の発光色とLED光源1b(図1参照)の発光色とが同一に設定されているが、第5の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a(図1参照)の発光色とLED光源1b(図1参照)の発光色とが異ならされている。この点を除き、第5の実施形態のLED面発光装置10は、第1の実施形態のLED面発光装置10とほぼ同様に構成されている。
【0072】
図9は第5の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードを説明するための図である。詳細には、図9(A)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図9(B)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図9(C)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後の状態を示した図である。
【0073】
図10は第5の実施形態のLED面発光装置10のLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードを説明するための図である。詳細には、図10(A)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前の状態を示した図、図10(B)および図10(C)はLED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後であって、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられている時の状態を示した図、図10(D)はLED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられた後の状態を示した図である。
【0074】
第5の実施形態のLED面発光装置10では、LED光源1a,1b(図1参照)に対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられる高速切り換えモードと、LED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に低速で切り換えられる低速切り換えモードとが設けられている。
【0075】
具体的には、第5の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図9(A)に示すように、LED光源1a,1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換えられる前、LED光源1a,1bから光が照射されず、その結果、LED面発光装置10の照射方向(図9(A)の上側)に光が照射されない。次いで、図9(B)に示すように、LED光源1aのみに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられ、LED光源1aが点灯される。その結果、LED光源1aから照射され、導光レンズ3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)によって反射された第1色の光L1aが、LED面発光装置10の照射方向(図9(B)の上側)に照射される。次いで、図9(C)に示すように、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に高速で切り換えられ、LED光源1bが点灯される。その結果、LED光源1bから照射され、導光レンズ3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)によって反射された第1色とは異なる第2色の光L1b’が、導光レンズ3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられ、LED面発光装置10の照射方向(図9(C)の上側)に照射される。
【0076】
詳細には、第5の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図9(A)および図9(B)に示すように、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図9(A)参照)から発光しているように見える状態(図9(B)参照)に同時に切り換わるように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が設定されている。更に、図9(B)および図9(C)に示すように、導光レンズ3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)からの反射光L1b’によって、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図9(B)参照)から発光しているように見える状態(図9(C)参照)に同時に切り換わるように、LED光源1bに対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0077】
その結果、第5の実施形態のLED面発光装置10の高速切り換えモードでは、図9(B)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。更に、図9(C)に示すように、LED光源1bに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの素通し面3a2b(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。
【0078】
一方、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(A)、図5(B)および図5(C)に示すように、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光していないように見える状態(図5(A)参照)から発光しているように見える状態(図5(C)参照)に同時に切り換わらないように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が低速に設定されている。
【0079】
詳細には、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(A)および図5(B)に示すように、最初に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)のうちの根元側部分3a2a1(図2(B)参照)のみが発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わり、次いで、図5(B)および図5(C)に示すように、導光板3aの出射面3a2aのうちの先端側部分3a2a2(図2(B)参照)が発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わるように、LED光源1aに対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0080】
その結果、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(B)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わる時に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)のうちの根元側部分3a2a1(図2(B)参照)のみが発光しているように見える状態を瞬間的に形成することができる。
【0081】
更に、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図5(C)に示すように、LED光源1aに対する通電量が非通電状態から通電状態に切り換わった後に、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が発光しているように見える状態を形成することができる。第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、その後、LED光源1aに対する通電量が通電状態に維持される。
【0082】
また、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、後述するような発光していないように見える状態および発光しているように見える状態が形成されるように、LED光源1b(図1参照)に対する通電量の切り換え速度が設定されている。
【0083】
具体的には、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図10(A)および図10(B)に示すように、次いで、導光板3bの出射面3b2a(図3(B)参照)から出射し、導光板3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられた第2色の光L1b’によって、導光板3aの素通し面3a2bのうちの先端側部分3a2b2(図2(B)参照)のみが発光していないように見える状態から発光しているように見える状態に切り換わる。
【0084】
次いで、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図10(B)および図10(C)に示すように、導光板3bの出射面3b2a(図3(B)参照)から出射し、導光板3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられた第2色の光と、導光板3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)から漏れ出て、導光板3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)によって反射され、導光板3bの出射面3b2aから出射し、導光板3aの裏側表面3a3の素通し面3a3bおよび表側表面3a2の素通し面3a2bを透過せしめられた第1色の光との混合光L1b”によって、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2bのうちの根元側部分3a2b1(図2(B)参照)が発光していないように見える状態から第1色と第2色とが混合した第3色で発光しているように見える状態に切り換わる。
【0085】
次いで、第5の実施形態のLED面発光装置10の低速切り換えモードでは、図10(C)および図10(D)に示すように、導光板3bの出射面3b2a(図3(B)参照)から出射し、導光板3aの裏側表面3a3(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)の素通し面3a3b(図2(B)および図2(E)参照)および表側表面3a2(図2(A)、図2(B)および図2(C)参照)の素通し面3a2b(図2(B)参照)を透過せしめられた第2色の光L1b’によって、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2bの全体が第2色で発光しているように見える状態になる。
【0086】
換言すれば、第5の実施形態のLED面発光装置10によれば、LED光源1a(図10参照)に対する通電量を通電状態に維持しつつ、LED光源1b(図10参照)に対する通電量を低速で非通電状態から通電状態に切り換えることにより、導光板3aの出射面3a2a(図2(B)参照)の全体が第1色で発光しており、かつ、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2b(図2(B)参照)のうちの先端側部分3a2b2(図2参照)のみが第2色で発光しているように見える第1発光状態(図10(B)参照)と、導光板3aの出射面3a2aの全体が第1色で発光しているように見え、かつ、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2bのうちの先端側部分3a2b2が第2色で発光しているように見え、かつ、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2bのうちの根元側部分3a2b1(図2(B)参照)が第3色で発光しているように見える第2発光状態(図10(C)参照)と、導光板3aの出射面3a2aの全体が第1色で発光しているように見え、かつ、導光板3aの表側表面3a2の素通し面3a2bの全体が第2色で発光しているように見える第3発光状態(図10(D)参照)とを形成することができる。
【0087】
すなわち、第5の実施形態のLED面発光装置10によれば、LED光源1b(図10参照)に対する通電量を変更することのみによって、第1発光状態(図10(B)参照)、第2発光状態(図10(C)参照)および第3発光状態(図10(D)参照)の3つの発光状態を形成することができる。
【0088】
つまり、第5の実施形態のLED面発光装置10によれば、図9に示すようにLED光源1bに対する通電量が高速で非通電状態から通電状態に切り換えられる場合には形成することができない第1発光状態(図10(B)参照)および第2発光状態(図10(C)参照)を瞬間的に形成することができる。本発明者の鋭意研究においては、図10(B)に示すような第1発光状態および図10(C)に示すような第2発光状態が瞬間的に形成される理由として、LED面発光装置10の観察者の眼の錯覚が関与していると結論づけられた。具体的には、導光板3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)から漏れ出て、導光板3bのプリズムカット3b3a1(図3(B)、図3(D)および図3(E)参照)によって反射され、導光板3bの出射面3b2aから出射し、導光板3aの裏側表面3a3の素通し面3a3bおよび表側表面3a2の素通し面3a2bを透過せしめられる第1色の光が、LED光源1aから照射され、導光レンズ3aのプリズムカット3a3a1(図2(B)、図2(D)および図2(E)参照)によって反射され、LED面発光装置10の照射方向(図10(B)および図10(C)の上側)に照射される第1色の光L1aよりも弱い(暗い)ため、第1発光状態(図10(B)参照)および第2発光状態(図10(C)参照)が瞬間的に形成される錯覚がLED面発光装置10の観察者の眼に生じると考えられる。
【0089】
第6の実施形態では、上述した第1から第5の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のLED面発光装置は、例えば演出用照明装置などのような照明装置などに適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1a,1b LED光源
3a,3b 導光板
3a1,3b1 入射面
3a2,3b2 表側表面
3a2a,3b2a 出射面
3a2a1,3a2a2 部分
3a3,3b3 裏側表面
3a3a,3b3a 部分
3a3a1,3b3a1 プリズムカット
10 LED面発光装置
図1
図2
図3
図4
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図7
図8
図9
図10