(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695901
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/04 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-294356(P2010-294356)
(22)【出願日】2010年12月29日
(65)【公開番号】特開2012-139402(P2012-139402A)
(43)【公開日】2012年7月26日
【審査請求日】2013年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】511003877
【氏名又は名称】株式会社新木コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】山根 勝寿
(72)【発明者】
【氏名】新木 雅章
【審査官】
鈴木 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−306278(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3148391(JP,U)
【文献】
特開平10−043006(JP,A)
【文献】
特開2002−010877(JP,A)
【文献】
特開平05−115337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/58,17/76
19/00−19/04
A47D 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドフレームとフットフレームと一対のサイドフレームとこの一対のサイドフレームの対面側にそれぞれ取り付けられた桟とを有する四角枠状のベッド枠体と、
前記桟に載置されてベッド枠体に取り付けられる複数枚の床板と、を備え、
複数枚の床板のうちフットフレーム側に取り付けられた足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせることができるようにフットフレームの上部が切り取られており、足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせて一部をはみ出させることで、ベッド全長が伸張した伸張状態とすることができるベッドであって、
伸張状態において、足側床板とこれと隣り合う床板との間に生じる隙間を隠すようにベッド枠体に取り付けられる補助床板を備え、
ベッド全長が伸張していない通常状態では、サイドフレームの対面側で桟の下方に補助床板を着脱自在に取り付けて収納するように構成した
ベッド。
【請求項2】
伸張状態において、足側床板をベッド枠体に固定することができるように構成した
請求項1記載のベッド。
【請求項3】
足側床板のフットフレーム側の端縁に、切り取られたフットフレーム上部に対応する形状の化粧板を取り付けた
請求項1又は2記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベッドに関する。詳しくは、長さ(ベッド全長)を調整することができるベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ホテルなどの宿泊施設や病院、一般家庭等においては、就寝などにベッドが使用されることが多い。これらベッドには、横幅の違いによって、シングルベッド、セミダブルベッド、及びダブルベッド等の種類があることはよく知られている。
【0003】
しかし、ベッド全長については、概ね2000mm程度が標準サイズであり、市販されているベッドはこの程度の全長のものが殆どであった。しかし、ベッド全長が足りない程に身長が高い者が増え、特別に全長の長いベッドも製造されるようになってきた。
【0004】
しかし、ベッドを製造する者の立場からすれば、全長の長いベッドは多くの販売を期待できず利益が上がりにくいので、製造を躊躇してしまいがちであった。仮に製造するにしても、長期にわたる在庫を覚悟しておく必要があるし、在庫を保管しておくためのスペースも必要になるという問題がある。
【0005】
また、ホテルなどの宿泊施設において背の高い人が宿泊を希望したり、病院において背の高い入院患者があったりする場合については、これに備えて、全長の長いベッドを予め設置しておけばよいとも思われる。しかし、通常サイズのベッドで十分な場合が殆どであるため部屋のスペースを余計にとってしまうこととなり好ましくない。
【0006】
そこで、最近では、必要に応じてベッド全長を可変出来るように構成したベッドが提案されている。
【0007】
特許文献1には「長方形の辺に沿って配したフレームと、該フレームの一方の短辺対応部位に立ち上がる前端柵と、該フレームから垂下する複数の脚体とからなる伸縮ベッドに於いて、前記フレームの両長辺対応部位を、それぞれ、前記前端柵側から延長する一対の支分フレームと、該フレームの前端柵と平行な短辺対応部位から延長する一対の支分フレームとで構成し、該二対の支分フレームの内、一方の一対の支分フレームを大径のパイプ体で構成し、他方の一対の支分フレームを該一方の一対のパイプ体の支分フレームに挿脱自在、かつ複数の挿入深さ位置でその挿入状態を固定可能な嵌合部材に構成した伸縮ベッド。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3152947号公報(請求項1、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1記載のベッドは、全長を伸張などさせることが可能なものの、構造が複雑であり比較的高価になりがちであった。また、全長を伸張などさせる場合にはフレーム自体を伸ばす必要があるため、伸張作業に手間取る構造となっていた。
【0010】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、構造が簡単で比較的安価に製造することができ、また、ベッド全長を容易に伸張させることができるベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のベッドは、ヘッドフレームとフットフレームと一対のサイドフレームとこの一対のサイドフレームの対面側にそれぞれ取り付けられた桟とを有する四角枠状のベッド枠体と、前記桟に載置されてベッド枠体に取り付けられる複数枚の床板と、を備えたベッドにおいて、複数枚の床板のうちフットフレーム側に取り付けられた足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせることができるようにフットフレームの上部が切り取られており、足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせて一部をはみ出させることで、ベッド全長が伸張した伸張状態とすることができる構成とした。
【0012】
このベッドは、フットフレーム上部が切り取られているため、足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせることができるようになり、足側床板の一部をフットフレームより外方にはみ出させることでベッド全長が伸張した伸張状態とすることができる。よって、ベッド全長を伸張させることが自在でありながら、構造が簡単で比較的安価に製造することができるベッドとなる。
また、足側床板をフットフレームより外方に向かってスライドさせて一部をはみ出させることで、ベッド全長が伸張した伸張状態となるため、ベッド全長を容易に伸張させることができるベッドとなる。
さらに、前記特許文献1記載のベッドとは異なり部材の強度があまり要求されないため、ベッド枠体の材料として、金属に限らず木材を用いることもできる。
【0013】
伸張状態において、足側床板とこれと隣り合う床板との間に生じる隙間を隠すようにベッド枠体に取り付けられる補助床板を備えたベッドとすることができる。ベッド枠体に取り付けられる補助床板は一枚又は複数枚である。
【0014】
このベッドは、補助床板を取り付けることで、寝心地がよくなる。特に、床板の上に布団を敷いて使用する場合などには、補助床板を取り付けることが好適である。
【0015】
このベッドにおいて、ベッド全長が伸張していない通常状態では、サイドフレームの対面側で桟の下方に補助床板を着脱自在に取り付けて収納するように構成することが好ましい。
【0016】
このベッドは、必要なとき(ベッドを伸張させたとき)にサイドフレームから補助床板を取り外して使用することができて便利である。補助床板の保管場所に困ることがないし、補助床板を無くしてしまう心配もない。また、サイドフレームを補強することもできる。
【0017】
伸張状態において、足側床板をベッド枠体に固定することができるように構成したベッドとすることもできる。
【0018】
このベッドは、足側床板がベッド枠体に固定され、伸張状態を強固に保持することができる。
【0019】
足側床板のフットフレーム側の端縁に、切り取られたフットフレーム上部に対応する形状の化粧板を取り付けたベッドとすることもできる。
【0020】
このベッドは、フットフレーム上部が切り取られているにも関わらず、化粧板の存在により意匠性を担保することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、構造が簡単で比較的安価に製造することができ、また、ベッド全長を容易に伸張させることができる、ベッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】足側床板をスライドさせてベッドを伸張状態とする様子を示す斜視図である。
【
図4】伸張状態としたベッドに二枚の補助床板を取り付ける様子を示す斜視図である。
【
図5】伸張状態としたベッドに二枚の補助床板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】
図5のA−A'線を含む上下方向断面を矢印方向から見た断面図である。
【
図10】伸張状態としたベッドに一枚の補助床板を取り付ける様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図を用いて本発明を例示説明する。本発明のベッド1は、ベッド枠体2と床板(31,32)を備えた基本構成に加えて、補助床板4と化粧板5を備えている。
以降、各構成要素について詳説する。以降の説明で「伸張状態」とはベッド全長が伸張した状態を指し、「通常状態」とはベッド全長が伸張していない状態を指すものとする。
なお、以下の実施形態はあくまで本発明を例示説明するものであって、本発明のベッド及びこれを構成する各構成要素は、以下の具体的な実施形態に限定されるものではない。
【0024】
[ベッド枠体]
ベッド枠体2は、後述する床板(31,32)や補助床板4を取り付けるものであり、
図1に示すように、ヘッドフレーム20とフットフレーム21と一対のサイドフレーム22と一対の桟23とを有する四角枠状である。
【0025】
一対のサイドフレーム22には、それぞれの対面側に長手方向に沿って桟23が固着されている。本実施形態において、桟23として長尺な角材を用いてある。
また、一対のサイドフレーム22の対面側にはそれぞれ、後述する補助床板4を補助床板収納ネジ61で着脱自在に取り付けるための補助床板収納用穴220が開けられている。具体的には、一対のサイドフレーム22の対面側で桟23の下方に補助床板4が取り付けられるように、サイドフレーム22の対面側における桟23の下方位置の左右二箇所に補助床板収納用穴220が開けられている。
さらに、一対のサイドフレーム22の上端面には、後述する足側床板32をネジ部材で着脱自在に取り付けるための床板固定穴(221,222,223)が開けられている。本実施形態では、各サイドフレーム22の上端面に、それぞれ三つの床板固定穴(221,222,223)が開けられている。詳しくは、通常状態において足側床板32をベッド枠体2に固定するための通常時床板固定穴221が一つ、伸張状態において足側床板32をベッド枠体2に固定するための伸張時床板固定穴(222,223)が二つ、一対のサイドフレーム22の上端面にそれぞれ開けられている。二つの伸張時床板固定穴(222,223)は、第一の伸張状態において用いられる第一伸張時床板固定穴222と、この第一の伸張状態よりもベッドを伸張させた第二の伸張状態において用いられる第二伸張時床板固定穴223である。
【0026】
また、フットフレーム21は、従来のフットフレームとは異なり、上部が切り取られたような形状となっている。具体的には、本実施形態では、
図1及び
図6に示すように、フットフレーム21の上端面がサイドフレーム22の上端面を含む面よりも低い位置となるようにフットフレーム21の上部が直線状に切り取られている。より具体的には、本実施形態では、
図6に示すように、フットフレーム21の上端面が桟23の上端面を含む面よりも低い位置となるようにフットフレーム21の上部が直線状に切り取られている。
従来のベッドにおいては、フットフレーム21の上端面(又は上端)がサイドフレーム22の上端面を含む面と同じ高さか、それよりも高くなるように構成されていた。本発明のベッド1はこれと異なり、フットフレーム21上部が切り取られていることによって、後述するように、足側床板32をフットフレーム21より外方に向かってスライドさせることが自在となり、足側床板32の一部をフットフレーム21より外方にはみ出させることで、ベッド全長が伸張した伸張状態とすることができるのである。
【0027】
[床板]
床板31,32は、桟23に載置されてベッド枠体2に取り付けられるものである。本実施形態では、
図1に示すように、頭側床板31と足側床板32の二つの床板を備えている。各床板は、一対の梁部35とこれに並列固着された多数の板部36で構成されている。そして、頭側床板31はベッド枠体2の頭側に取り付けられ、足側床板32はベッド枠体2の足側に取り付けられる。
【0028】
前述したように、上部が切り取られたフットフレーム21によって、足側床板32をフットフレーム21より外方に向かってスライドさせることが自在となり、足側床板32の一部をフットフレーム21より外方にはみ出させることで、ベッド1が伸張状態となる。
また、本実施形態では、
図1に示すように、足側床板32の頭側床板31側の左右二カ所に、足側床板32を床板固定ネジ63によってベッド枠体に固定するための貫通孔が空けられている。そして、
図2に示すように、通常状態において、足側床板32を床板固定ネジ63によってベッド枠体に固定してある。しかし、これに限定されず、通常状態において足側床板32をベッド枠体2に固定しなくてもよい。
【0029】
[補助床板]
補助床板4は、伸張状態において、スライドさせた足側床板32とこれと隣り合う床板(頭側床板31)との間に生じる隙間を隠すようにベッド枠体2に取り付けられるものである。「隙間を隠す」とは、隙間の全部を隠すことのほか、隙間の一部を隠すことも含む。
本実施形態では、
図4などに示すように、二枚の補助床板4を備えており、意匠上の配慮から各補助床板4は、床板31,32の板部36と同じものを用いてある。そして、本実施形態では、補助床板4の左右に貫通孔を開け、伸張状態において足側床板32とこれと隣り合う頭側床板31との間に生じる隙間を隠すように、補助床板固定ネジ62によってベッド枠体2に取り付けられる。
【0030】
[化粧板]
化粧板5は、足側床板32のフットフレーム21側の端縁に取り付けられている。その形状は、切り取られたフットフレーム21上部の形状に対応する形状である。本実施形態では、
図8などに示すように、切り取られたフットフレーム21上部に対応する左右に長尺な矩形板状の化粧板5を、足側床板32のフットフレーム21側の端縁から垂下するように取り付けてある。そして、
図7に示すように、通常状態においては、フットフレーム21の表面と化粧板5の表面が概ね同一平面上にあるように構成されている。
【0031】
[ベッドを伸張状態とする方法]
以下、上記構成のベッド1を通常状態から伸張状態にする手順を例示説明する。まず、
図2に示す通常状態から、
図3に示すように、足側床板32をベッド枠体2に固定している床板固定ネジ63を外す。そうすると、足側床板32が桟23上又はサイドフレーム22上をスライド自在となるので、足側床板32をフットフレーム21より外方に向かってスライドさせる。そして、
図4に示すように、足側床板32の一部がフットフレーム21より外方に所定位置まではみ出せばベッド全長が伸張した伸張状態となり、この状態で足側床板32を床板固定ネジ63でベッド枠体2に固定する。本実施形態では、床板固定ネジ63の先端が第二伸張時床板固定穴223(
図1参照)にはめ込まれることで、足側床板32がベッド枠体2に固定される。
【0032】
伸張状態では、
図4に示すように、スライドさせた足側床板32とこれと隣り合う頭側床板31との間に隙間が生じるため、この隙間を隠すように、二枚の補助床板4をベッド本体2に取り付ける。本実施形態では、一対のサイドフレーム22に架設するように補助床板4が補助床板固定ネジ62で取り付けられている。本実施形態では、補助床板固定ネジ62によって補助床板4をベッド枠体2に取り付けるに際し、前述した通常時床板固定穴221と第一伸張時床板固定穴222を流用している。
【0033】
なお、本実施形態では、
図1に示すように、補助床板4がサイドフレーム22の対面側に補助床板収納ネジ61で取り付けられているため、ここから補助床板4を取り外して使用する。この補助床板収納ネジ61で、前述した補助床板固定ネジ62を代用してもよい。
【0034】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、二枚の補助床板4を用いたがこれに限定されない。例えば、
図10に示すように、足側床板32をフットフレーム21から外方にはみ出させる量を少なくすることで、スライドさせた足側床板32とこれと隣り合う頭側床板31との間に生じる隙間を小さくして、一枚の補助床板4を用いてもよい。補助床板4の枚数は、伸張状態におけるベッド全長などによって適宜調節することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 ベッド
2 ベッド枠体
20 ヘッドフレーム
21 フットフレーム
22 サイドフレーム
220 補助床板収納用穴
221 通常時床板固定穴
222 第一伸張時床板固定穴
223 第二伸張時床板固定穴
23 桟
31 頭側床板
32 足側床板
35 梁部
36 板部
4 補助床板
5 化粧板
61 補助床板収納ネジ
62 補助床板固定ネジ
63 床板固定ネジ