(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための手動式巻取軸が、内部に電動モータが収納されていてこの電動モータの駆動力により回転する電動式巻取軸に改修されているとともに、前記手動式巻取軸を支持するための支持用ブラケットと、この支持用ブラケットに前記手動式巻取軸の端部を受けるために設けられている軸受け部とが残されて改修されている改修された電動式シャッター装置において、
前記支持用ブラケットと前記電動モータは、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入されている中間構成体により連結され、この中間構成体における前記電動式巻取軸の直径方向の寸法は、前記電動式巻取軸の直径寸法よりも小さくなっているとともに、この直径寸法を前記支持用ブラケットの側へ延長した延長直径寸法の内側に前記中間構成体が入っており、
前記軸受け部は、軸受け部本体と、この軸受け部本体における前記支持用ブラケットの側の端部から前記電動式巻取軸の外径方向に突出し、前記支持用ブラケットに結合されているフランジ部とを有し、前記中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物には、前記軸受け部本体を内部に挿入するための開口部と、前記フランジ部を前記支持用ブラケットとの間に収容するためのフランジ部収容部とが設けられていることを特徴とする改修された電動式シャッター装置。
請求項1に記載の改修された電動式シャッター装置において、前記電動式巻取軸により巻き取られ、繰り出されて上下方向に開閉移動するシャッターカーテンの少なくとも一部は、左右方向にスライドする可能性のある複数のスラットの連設で形成されていることを特徴とする改修された電動式シャッター装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、手動式巻取軸を電動式巻取軸に交換するときに、手動式巻取軸を支持していた支持用ブラケットの軸受け部に錆等が生じ、このため、この軸受け部が電動式巻取軸等の重量を支持することが困難な状態になっている場合がある。このような場合であっても、手動式シャッター装置から電動式シャッター装置への改修作業を行えるようにするためには、支持用ブラケットと電動モータとを、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入した中間構成体により連結すればよいが、電動式巻取軸により巻き取られ、繰り出されて上下方向に開閉移動するシャッターカーテンを構成しているシャッターカーテン構成部材が、電動式巻取軸に巻き取られるときに、左右方向にずれるおそれがあるものとなっていて、このようなおそれが実際に生じた場合でも、電動式巻取軸によるシャッターカーテンの円滑な巻き取り、繰り出しを確保するためには、左右方向にずれたシャッターカーテン構成部材が中間構成体と干渉しないように工夫することが求められる。
【0006】
なお、このようにシャッターカーテンを構成するシャッターカーテン構成部材が、電動式巻取軸に巻き取られるときに、左右方向にずれるおそれがあるものになっている一例は、シャッターカーテンの少なくとも一部が、左右方向にスライドする可能性がある複数のスラットの連設で形成されている場合である。
【0007】
本発明の目的は、シャッターカーテンを構成するシャッターカーテン構成部材が左右方向にずれて電動式巻取軸に巻き取られても、電動式巻取軸のための支持用ブラケットと電動モータとを連結する中間構成体に干渉することを防止できる改修された電動式シャッター装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る改修された電動式シャッター装置は、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための手動式巻取軸が、内部に電動モータが収納されていてこの電動モータの駆動力により回転する電動式巻取軸に改修されているとともに、前記手動式巻取軸を支持するための支持用ブラケットと、この支持用ブラケットに前記手動式巻取軸の端部を受けるために設けられている軸受け部とが残されて改修されている改修された電動式シャッター装置において、前記支持用ブラケットと前記電動モータは、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入されている中間構成体により連結され、この中間構成体における前記電動式巻取軸の直径方向の寸法は、前記電動式巻取軸の直径寸法よりも小さくなっているとともに、この直径寸法を前記支持用ブラケットの側へ延長した延長直径寸法の内側に前記中間構成体が入っていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る改修された電動式シャッター装置では、支持用ブラケットと電動モータは、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入されている中間構成体により連結されており、そして、この中間構成体における電動式巻取軸の直径方向の寸法は、この電動式巻取軸の直径寸法よりも小さくなっているとともに、この直径寸法を支持用ブラケットの側へ延長した延長直径寸法の内側に中間構成体が入っているため、シャッターカーテンを構成するシャッターカーテン構成部材が左右方向にずれて電動式巻取軸に巻き取られることがあっても、電動式巻取軸のための支持用ブラケットと電動モータとを連結する中間構成体に干渉することを防止でき、これにより、電動式巻取軸によるシャッターカーテンの円滑な巻き取り、繰り出しを実施できることになる。
【0010】
この改修された電動式シャッター装置は、シャッターカーテンを構成するシャッターカーテン構成部材が、電動式巻取軸に巻き取られるときに、左右方向にずれるおそれがあるものになっている全部の場合に適用することができ、その一例は、シャッターカーテンの少なくとも一部が、左右方向にスライドする可能性がある複数のスラットの連設で形成されている場合であり、また、その他の例は、シャッターカーテンの少なくとも一部が、次第に左右方向にずれながら電動式巻取軸に巻き取られる可能性のあるシートや、ネット等で形成されている場合である。
【0011】
なお、上述の電動式巻取軸の直径寸法とは、シャッターカーテンの上端が吊り元部材を介して電動式巻取軸の外周面に結合されているなど場合には、この吊り元部材等のシャッターカーテンや電動式巻取軸に設けられている付属部材を含む寸法である。
【0012】
本発明において、支持用ブラケットと電動モータとを、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入された中間構成体により連結するためには、この中間構成体を、前記軸受け部によって邪魔されないで支持用ブラケットと電動モータとの間に介入することが好ましい。
【0013】
これによると、手動式巻取軸から電動式巻取軸に改修された後に、支持用ブラケットに軸受け部が残されていても、支持用ブラケットと電動モータとを、これらの支持用ブラケットと電動モータとの間に介入した中間構成体により容易に連結できることになる。
【0014】
なお、このように中間構成体を、軸受け部によって邪魔されないで支持用ブラケットと電動モータとの間に介入することは、以下の各種の態様により実施することができる。
【0015】
第1番目の態様は、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物に開口部を形成し、この開口部の内部に軸受け部を挿入することにより、中間構成体を、支持用ブラケットと電動モータとの間に、軸受け部によって邪魔されないで介入することである。
【0016】
また、第2番目の形態は、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物に、支持用ブラケットの側と電動モータの側とのうち、一方の側から他方の側へ延びる長さを有していて、これらの支持用ブラケットと電動モータとを連結するための延出部を設け、この延出部が、軸受け部に対して巻取軸の軸径方向外側に配設されていることにより、中間構成体を、支持用ブラケットと電動モータとの間に、軸受け部によって邪魔されないで介入することである。
【0017】
この第2番目の形態における延出部の個数は1個でもよく、複数個でもよい。
【0018】
また、第3番目の形態は、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物を、内部に空洞部を有するものとし、この空洞部に軸受け部を収納することにより、中間構成体を、支持用ブラケットと電動モータとの間に、軸受け部によって邪魔されないで介入することである。
【0019】
さらに、第4番目の形態は、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物の形状を屈曲した形状とし、この屈曲した形状を軸受け部を避けた形状とすることにより、中間構成体を、支持用ブラケットと電動モータとの間に、軸受け部によって邪魔されないで介入することである。
【0020】
以上説明したそれぞれの形態は、それぞれ単独でも実施することができ、また、2つ又は3つ以上を組み合わせて実施することもできる。
【0021】
さらに、以上説明したそれぞれの形態を基本的構造の形態とし、この基本的構造に付加的構造又は修正的構造を加えることにより、中間構成体を、支持用ブラケットと電動モータとの間に、軸受け部によって邪魔されないで介入するようにしてもよい。
【0022】
その一例は、軸受け部が、軸受け部本体と、この軸受け部本体における支持用ブラケットの側の端部から電動式巻取軸の外径方向に突出し、支持用ブラケットに結合されているフランジ部とを有するものとなっている場合において、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物に、前記軸受け部本体を内部に挿入するための開口部と、前記フランジ部を前記支持用ブラケットとの間に収容するためのフランジ部収容部とを設けることである。
【0023】
これによると、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物に、軸受け部を構成している軸受け部本体と、この軸受け部本体の支持用ブラケットの側の端部から電動式巻取軸の外径方向に突出するフランジ部との両方を挿入できる大きな開口部を形成することが不要になるため、この構成物の充分に大きな強度を確保することができる。
【0024】
また、このように中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物に、軸受け部本体を内部に挿入するための開口部と、フランジ部を支持用ブラケットとの間に収容するためのフランジ部収容部とを設ける場合には、フランジ部収容部の形状をフランジ部の形状と対応する形状とし、このフランジ部収容部へのフランジ部の収容により、中間構成体を支持用ブラケットに対して上下方向と前後方向のうち、少なくとも一つの方向に位置決めできるようにしてもよい。
【0025】
これによると、中間構成体は支持用ブラケットに対して上下方向と前後方向のうち、少なくとも一つの方向に位置決めされることになり、中間構成体は、電動式巻取軸の内部に収納されている電動モータに連結されているため、電動式巻取軸を支持用ブラケットに対して上下方向と前後方向のうち、少なくとも一つの方向に位置決めして配設できることになる。
【0026】
また、本発明において、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物を、前記開口部が形成された第1部材と、この第1部材よりも小さい面積を有するとともに、フランジ部の厚さ寸法に対応する厚さ寸法を有している第2部材とを含んで構成されたものとし、第1部材における支持用ブラケットの側の面に第2部材を結合することにより、前記構成物に前記フランジ部収容部を形成することができるようにしてもよい。
【0027】
これによると、前記開口部と前記フランジ部収容部とを有している前記構成物を、複数の部材の組み合わせにより容易に製造することができる。
【0028】
さらに、本発明において、軸受け部の前記フランジ部に、軸受け部本体の下部から下方へ突出する1個の第1突出部と、軸受け部本体の両側部から水平方向又は略水平方向へ突出する2個の第2突出部とがある場合には、第1部材における支持用ブラケットの側の面に結合される第2部材を上下2個とし、これらの第2部材のうち、少なくとも下側の第2部材に、第1突出部を収納するための凹部を形成するとともに、上下2個の第2部材の間に、第2突出部を収納するための間隔を設けるようにしてもよい。
【0029】
これによると、第1部材における支持用ブラケットの側の面に上下2個の第2部材を結合することにより、軸受け部の第1突出部と第2突出部を収容するための前記フランジ部収容部を容易に設けることができる。
【0030】
また、上下2個の第2部材のうち、上側の第2部材にも、第1突出部が収納可能となった凹部を形成し、これらの第2部材により、前記構成物を上下逆転して使用可能とするようにしてもよい。
【0031】
これによると、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物には上下の区別がなくなるため、この構成物を前記支持用ブラケットに結合する際に、上下を気にすることなくこの結合作業を容易に行えるようになる。
【0032】
さらに、前記軸受け部に、前記第1突出部と前記第2突出部のうち、少なくとも第1突出部の形状が異なっている複数種類がある場合には、前記凹部の形状が異なっている複数種類の前記第2部材を用意しておき、これらの第2部材のうち、前記凹部の形状が第1突出部の形状と対応している第2部材を選択して第1部材に結合するようにしてもよい。
【0033】
これによると、軸受け部に、第1突出部と第2突出部のうち、少なくとも第1突出部の形状が異なっている複数種類があっても、複数種類用意されているなかから第2部材を選択することにより、中間構成体の少なくとも一部を構成する構成物を、第1部材を共通部材として用いて製造することができる。
【0034】
また、本発明において、前述した支持用ブラケットと電動モータとの間に介入される中間構成体は、1個の構造物や1個の部材で構成されたものでもよく、あるいは、複数個の構造物や複数個の部材で構成されたものでもよい。
【0035】
後者の場合における一例は、中間構成体を、前記電動モータの側の第1中間物と、前記支持用ブラケットの側の第2中間物とを含んで構成することである。
【0036】
このように中間構成体を、電動モータの側の第1中間物と、支持用ブラケットの側の第2中間物とを含んで構成する場合には、これらの第1中間物と第2中間物とを接続することにより、支持用ブラケットと電動モータとが連結されることになる。
【0037】
なお、これらの第1中間物及び第2中間物のそれぞれは、1個の部材によるものでもよく、複数の部材によるものでもよい。
【0038】
また、本発明では、前述した軸受け部が設けられている支持用ブラケットは、巻取軸の軸方向両端を支持する2個の支持用ブラケットのうち、前述の中間構成体により電動モータと連結される一方の支持用ブラケットのことであったが、他方の支持用ブラケットは、手動式巻取軸の端部を支持していたものを取り外さずに残した既存の支持用ブラケットでもよく、また、電動式巻取軸のために新たに取付施工した支持用ブラケットでもよい。また、上述の他方の支持用ブラケットに、電動式巻取軸の端部を受けるために設けられる軸受け部は、この支持用ブラケットが、手動式巻取軸の端部を支持していたものを取り外さずに残した既存の支持用ブラケットである場合には、手動式巻取軸の端部を受けるためにこの支持用ブラケットに設けられていた既存の軸受け部でもよく、上記既存の支持用ブラケットに新たに取付施工した軸受け部でもよい。
【0039】
また、上述の他方の支持用ブラケットを、手動式巻取軸の端部を支持していたものを取り外さずに残した既存の支持用ブラケットとする場合には、この支持用ブラケットと電動式巻取軸との間に中間構成体を、既存の支持用ブラケットの既存の軸受け部に邪魔されないで介入し、この中間構成体により既存の支持用ブラケットと電動式巻取軸とを連結するようにしてもよい。
【0040】
この中間構成体についても、電動モータと前述した一方の支持用ブラケットとを連結するための前記中間構成体と同様に、前述した各種の形態のものとすることができる。
【0041】
また、巻取軸の内部に収納されてこの巻取軸を回転させるための電動モータは、ブレーキと組み合わせられて開閉機の一部を構成する構成要素となっているものでもよく、ブレーキ等と組み合わせられず、電動モータ単独となっているものでもよい。
【0042】
さらに、本発明において、電動式巻取軸で巻き取られ、繰り出されるシャッターカーテンが複数種類のシャッターカーテン構成部材の複合により形成されていてもよく、これらの複数種類のシャッターカーテン構成部材は、スラットでもよく、シートでもよく、ネットでもよく、リンクで連結されたパイプ、パネル等でもよい。
【0043】
また、本発明は、シャッターカーテンが巻取軸で巻き取られ、繰り出される各種のシャッター装置に適用することができ、その一例のシャッター装置は窓用シャッター装置であり、また、本発明は、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置等にも適用することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によると、シャッターカーテンを構成するシャッターカーテン構成部材が左右方向にずれて電動式巻取軸に巻き取られても、電動式巻取軸のための支持用ブラケットと電動モータとを連結する中間構成体に干渉することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態が適用される窓用シャッター装置の全体正面図が示されている。
図1に示されているこの窓用シャッター装置は、電動式シャッター装置に改修される前の手動式シャッター装置である。
【0047】
図1の手動式の窓用シャッター装置は、障子1が配設された窓サッシよりも外側の建物外壁2の部分に設置され、この窓用シャッター装置の手動用シャッターカーテン3は、左右一対のガイドレール4に案内されて上下に開閉移動することにより、窓サッシの外側の窓用開口部を開閉する。この窓用開口部の上部にはシャッターケース5が配設され、このシャッターケース5の内部に水平に収納されている手動式巻取軸6にシャッターカーテン3の上端が連結されているとともに、この手動式巻取軸6は、左右一対の支持用ブラケット7,8で回転自在に支持されている。
【0048】
なお、シャッターケース5は、本体5Aと、この本体5Aの左右両端を塞いでいる左右一対の蓋部材5B,5Cとからなる。
【0049】
シャッターカーテン3の下端の座板3A等を手等による手動で押し上げると、シャッターカーテン3は巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動し、座板3A等を押し下げると、シャッターカーテン3は巻取軸6から繰り出されて下方へ閉じ移動する。また、巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧されるねじりコイルばねによる戻しばねが収納されており、このため、シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動することは、この戻しばねの戻しばね力によって補助されて行われる。
【0050】
左右一対の支持用ブラケット7,8による巻取軸6の支持は、巻取軸6の軸方向両端の端部となっている軸部6A,6Bが、これらのブラケット7,8に設けられている軸受け部9,10で支持されることにより行われている。
図2には、支持用ブラケット7,8のうち、一方のブラケット8の軸受け部10による巻取軸6の軸部6Bの支持構造が示しており、他方のブラケット7及び軸受け部9と、この軸受け部9による巻取軸6の軸部6Aの支持構造は、
図2で示されているものと左右対称の同じものになっている。
【0051】
次に、手動式巻取軸6の構造及び
図2の支持構造を説明する。前述したように手動式巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧される戻しばねが収納されているため、
図2で示されている軸部6Bは、巻取軸6の内部に端部を残して挿入されている非回転軸のこの端部により形成され、この非回転軸との間に軸受け部材が介設されている巻取軸6は、この非回転軸を中心に回転自在となっている。また、この非回転軸又は上記軸部6Aを形成している別の非回転軸には、巻取軸6の内部に収納されている戻しばねの一端が連結され、戻しばねの他端は巻取軸6に連結されている。このため、上述のように、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときには、巻取軸6の回転により戻しばねに戻しばね力が蓄圧され、シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取られるときの巻取軸6の回転は、戻しばね力によって補助される。
【0052】
図2に示されているように、板金製のブラケット8は、ブラケット本体8Aと、このブラケット本体8Aの補強のためにも設けられている後端折曲部8Bと、下端折曲部8Cとを有するものとなっており、後端折曲部8Bが
図1で示した建物外壁2にアンカー部材等の結合具で結合されることにより、ブラケット8は建物外壁2に固定されている。そして、ブラケット本体8Aには、巻取軸6の軸部6Bを受けて支持するための上記軸受け部10が設けられている。
【0053】
この軸受け部10は、板金の折り曲げ品となっている1個の軸受け部材で形成されており、また、軸受け部10は、軸受け部本体16と、この軸受け部本体16におけるブラケット本体8Aの側から巻取軸6の外径方向に突出しているフランジ部17とからなる。軸受け部本体16は、底部16Aと、この底部16Aの両端から立ち上がった立上部16B,16Cとを有するため、上向きに開口したコ字形状となっている。また、フランジ部17は、軸受け部本体16の下部から、言い換えると底部16Aから下方へ突出する第1突出部17Aと、軸受け部本体16の両側部から、言い換えると立上部16B,16Cから水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部17B,17Cとからなり、これらの第1及び第2突出部17A〜17Cがブラケット本体8Aに溶接又はリベット等の結合具で結合されることにより、上記軸受け部材によって形成されている軸受け部10が支持用ブラケット8に設けられていることになる。
【0054】
図3に示されているように、軸受け部本体16の立上部16B,16Cと巻取軸6の軸部6Bには、孔11〜13が形成され、軸部6Bを軸受け部本体16に挿入した後に、これらの孔11〜13にボルト14を挿入し、立上部16Cの孔13から突出したボルト14の軸端にナット15を螺合することにより、手動式巻取軸6の端部を形成している軸部6Bは、非回転状態となって軸受け部10の軸受け部本体16で支持されることになる。
【0055】
図4は、窓用手動式シャッター装置を窓用電動式シャッター装置に改修するために、手動式巻取軸6から交換される電動式巻取軸20を示している。この電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部の内部には、電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機21が収納されている。
図4では、電気配線は省略されている。開閉機21のブレーキは、後述するように、巻取軸20が電動モータの回転駆動力により回転してシャッターカーテン3が全開位置や全閉位置に達したことが巻取軸20の回転数検出センサ等で検出されて、この検出信号が図示しない制御装置に入力したときや、電動モータの回転や停止を操作するための操作装置からの停止信号がこの制御装置に入力したときに、電動モータの出力部材の回転駆動を停止させて巻取軸20を回転停止状態とするためのものである。
【0056】
開閉機21には、電動モータの出力部材の回転駆動により回転するリング状の駆動部材22が設けられ、この駆動部材22の円周方向に複数形成されている溝22Aに、巻取軸20の内面に設けられている突起20Aが挿入されているため、駆動部材22と巻取軸20は、巻取軸20の回転方向に連結されている。このため、電動モータの出力部材の回転駆動により駆動部材22が回転すると、巻取軸20は回転することになる。また、開閉機21の外周には、巻取軸20と一体となって回転するリング状の従動部材23が嵌合され、電動モータの回転駆動力による巻取軸20の回転は、この従動部材23が、巻取軸20と開閉機21との間の回転軸受け部材となって行われる。
【0057】
一方、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部の内部には、戻しばねユニット24が挿入されている。この戻しばねユニット24は、非回転の中心軸25と、この中心軸25に軸受け部材26で回転自在に配置された2個のホイール部材27と、これらのホイール部材27の間に配設されたねじりコイルばねによる2個の戻しばね28とを含んで構成されている。それぞれのホイール部材27は巻取軸20にリベット等で結合され、また、それぞれの戻しばね28の一端は連結具29Aで中心軸25に連結されているとともに、他端は連結具29Bでそれぞれのホイール部材27に連結されている。
【0058】
このため、電動式巻取軸20に後述する電動用シャッターカーテンの上端が連結された後に、この電動用シャッターカーテンを巻き取っている電動式巻取軸20が、電動モータの回転駆動力により非回転の中心軸25を中心に回転して電動用シャッターカーテンが繰り出されたときには、戻しばね28に戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力は、電動式巻取軸20が電動モータの回転駆動力により逆回転して電動用シャッターカーテンを巻き取るときに、補助力として利用される。
【0059】
本実施形態では、
図4に示されているように、中心軸25の軸端部25Aは巻取軸20から突出しており、このため、この軸端部25Aは、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成しており、また、この軸端部25Aは、手動式巻取軸6のときにも使用されていたこの支持用ブラケット7の軸受け部9で支持されている。そして、これらの軸端部25Aと軸受け部9は、
図7及び
図8で示されているように、
図3及び
図4で説明したと同様な構造により、ボルト14及びナット15により連結されている。
【0060】
このため、本実施形態では、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成している中心軸25の軸端部25Aを支持するためにも、窓用手動式シャッター装置における既存の支持用ブラケット7と、この支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに設けられている既存の軸受け部9が用いられている。
【0061】
なお、電動式巻取軸20の中心軸25の軸端部25Aを支持するために、既存の支持用ブラケット7に代わる新たな支持用ブラケットを建物外壁2に取り付けてもよく、また、既存の支持用ブラケット7に設けられていた既存の軸受け部9を取り外し、既存の支持用ブラケット7に新たな軸受け部を設けてもよい。さらに、既存の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aと中心軸25の軸端部25Aとの間に、既存の軸受け部9によって邪魔されないでブラケット本体7Aと中心軸25の軸端部25Aとを連結するための中間構成体を介入してもよい。
【0062】
図9には、
図2及び
図3で説明した支持用ブラケット8に、電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部を連結支持させるための構造が示されており、
図9は、この構造の正面図であり、
図10は、この構造の平面図である。電動式巻取軸20におけるこの支持用ブラケット8の側の端部は、中間構成体30により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに連結支持されている。一層具体的には、電動式巻取軸20の内部に収納固定されている開閉機21における支持用ブラケット8の側の端部21Aは、この巻取軸20から露出しており、電動モータが構成要素となっている開閉機21のこの端部21Aが、中間構成体30により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに連結支持されることにより、電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが、開閉機21及び中間構成体30を介して連結支持されている。
【0063】
したがって、前述した手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後でも、既存の支持用ブラケット8がそのまま用いられており、また、この支持用ブラケット8に設けられている
図2及び
図3で示した軸受け部10はそのまま残されている。そして、開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結するための中間構成体30は、後述の説明から分かるように、軸受け部10に邪魔されずに開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとの間に介入されている。
【0064】
図5には、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後の窓用電動式シャッター装置の正面図が示されており、本実施形態では、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修されるときに、
図1で示した手動用シャッターカーテン3は
図5で示した電動用シャッターカーテン31に改修されている。電動式巻取軸20に上端が連結されているこの電動用シャッターカーテン31の左右両端部は、
図1で示した左右一対のガイドレール4に上下スライド自在に挿入され、このシャッターカーテン31は、電動式巻取軸20による巻き取り、繰り出しにより、これらのガイドレール4で案内されて上下方向に開閉移動する。そして、シャッターカーテン31の全体は、座板等の付属的部材を除き、多数のスラット32を上下に連設することにより形成されている。
【0065】
図6は、
図5のS6−S6線断面図であり、この
図6に示されているように、それぞれのスラット32の上下両端にはカール部33が形成され、上側のスラット32Aの下端カール部33Aと、下側のスラット32Bの上端カール部33Bとが係合することにより、これらのスラット32A,32Bは回動自在に連結されている。そして、それぞれのカール部33は左右方向へ同一断面形状が連続するものとなっているため、左右一対のガイドレール4から外れた箇所では、すなわち、
図5で示されているシャッターケース5の内部の箇所では、それぞれのスラット32は左右方向にスライドする可能性のある状態になっている。
【0066】
なお、
図1で示した手動用シャッターカーテン3の少なくとも一部が、複数のスラットの連設で形成されているときには、本実施形態に係る上述の中間構成体30は、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後にこの手動用シャッターカーテン3を電動用シャッターカーテンとして用いる場合にも、適用することができる。
【0067】
すなわち、少なくとも一部がスラットの連設で形成されている既存の手動用シャッターカーテン3を電動用シャッターカーテンとして用いる場合にも、本実施形態に係る中間構成体30は適用することができる。
【0068】
図4に示されているように、開閉機21からはワイヤー等による紐状部材35が導出されている。この紐状部材35は、電動モータと共に開閉機21の構成要素となっている前述のブレーキを、電動式巻取軸20の回転が停止しているときに、オン、オフ切り替え操作するための切替部材である。すなわち、ブレーキがオンとなっているために電動式巻取軸20の回転が停止しているシャッターカーテンの全開時や全閉時等において、例えば、停電になった場合に、紐状部材35が1回引っ張り操作されると、ブレーキはオフとなるため、巻取軸が手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修されていても、この電動式巻取軸20は自由回転可能状態となり、このため、電動用シャッターカーテン31を手動により開閉移動させることができる。また、紐状部材35がもう1回引っ張り操作されると、ブレーキはオンとなるため、開閉機21は上述の引っ張り操作前の状態に戻り、電動式巻取軸20は自由回転不能状態となって、電動用シャッターカーテン31を手動により開閉移動させることはできなくなる。
【0069】
図4から分かるように、紐状部材35は開閉機21から延びているとともに、この紐状部材35は、中空部材となっている前述の中心軸25の一方の端部からこの中心軸25の内部に挿通されている。また、
図7及び
図8から分かるように、電動式巻取軸20の延長軸線と一致又は略一致している支持用ブラケット7のブラケット本体7Aの箇所には孔36が形成されており、この支持用ブラケット7は、上述した中間構成体30が設けられている支持用ブラケット8とは電動式巻取軸20の軸方向の反対側に配置されている支持用ブラケットであり、この支持用ブラケット7に孔36が形成されている箇所は、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに設けられている前述の軸受け部9に邪魔されない箇所となっている。中心軸25の内部に挿通されてさらにこの中心軸25の他方の端部から突出した紐状部材35は、孔36に通されているため、紐状部材35は、軸受け部9と干渉することなく、言い換えると、軸受け部9に邪魔されることなく配線されている。
【0070】
これ以後の紐状部材35の配線状態は、
図5に示されており、紐状部材35は、
図1で説明したシャッターケース5の一方の蓋部材5Bに取り付けられたキャップ部材37の内部に挿入され、さらに、紐状部材35はキャップ部材37及び蓋部材5Bから導出され、紐状部材35の終端部は、左右一対のガイドレール4のうちの一方に配置された引張操作部材38に連結されている。このため、この引張操作部材38を引っ張り操作することにより、紐状部材35を介して開閉機21のブレーキがオン、オフ切り替えることになる。
【0071】
図5には、開閉機21の電動モータに給電するための電気回路も示されている。この電気回路の電源線39は、シャッターケース5の他方の蓋部材5Cに取り付けられたキャップ部材40からこの蓋部材5Cに内部に挿入され、さらに、この電源線39は、前述した支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成されている孔に挿通されているとともに、このブラケット本体8Aに連結されている中間構成体30の内部にも挿通され、これにより、電源線39は、開閉機21の電動モータや、この電動モータを制御するために開閉機21に設けられている制御装置まで達している。
【0072】
また、電源線39を通すために支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成されている上記孔は、電動式巻取軸20の延長軸線と一致又は略一致しているこのブラケット本体8Aの箇所に形成されており、この箇所は、支持用ブラケット8に設けられている軸受け部10に邪魔されない箇所となっているため、電源線39は、この軸受け部10と干渉することなく、すなわち、軸受け部10に邪魔されることなく配線されている。
【0073】
また、
図5には、開閉機21と支持用ブラケット8との間が電源線39と平行に配線されているアース線49も示され、このアース線49は、上記支持用ブラケット8が中継部材として利用されて下方へ延びている。
【0074】
さらに、図面では示されていないが、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修するときには、電動用シャッターカーテン31を遠隔操作により開き移動、閉じ移動、移動停止させることができるようにするために、電動式窓用シャッター装置には、電動式巻取軸20を正回転、逆回転、回転停止させるための「開」、「閉」、「停」のそれぞれのボタンが設けられている操作装置が追加される。
【0075】
この操作装置は、開閉機21の電動モータを駆動制御するための上述した制御装置と無線方式によって接続されるものでもよく、あるいは、この制御装置と信号線を用いる有線方式で接続されるものでもよい。操作装置が制御装置と信号線による有線方式で接続されるものである場合には、この信号線は、
図5で示したシャッターケース5の蓋部材5Cに形成された孔及び支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成された孔に通されて、制御装置が配置されている電動式巻取軸20の側へ配線される。なお、この信号線を、
図5で示されている蓋部材5Cに取り付けられたキャップ部材40に形成した孔に通して、蓋部材5Cに形成された孔や、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成された孔に通してもよい。
【0076】
また、この信号線を、
図5で示したシャッターケース5の蓋部材5Bに形成された孔及び支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに形成された孔に通して、制御装置が配置されている電動式巻取軸20の側へ配線してもよく、さらに、この信号線を、蓋部材5Bに取り付けられたキャップ部材37に形成した孔に通して、蓋部材5Cに形成された孔や、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成された孔に通してもよい。
【0077】
図9及び
図10に示されているように、電動モータが構成要素となっている開閉機21の端部21Aと、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結している中間構成体30は、開閉機21の側に配設された第1中間物41と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側に配設された第2中間物42とからなり、これらの第1及び第2中間物41,42が、窓用シャッター装置の正面側(作業者から見て手前側)から工具等で回転させることができるビス等の接続具43で互いに接続されることにより、開閉機21の端部21Aと支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが中間構成体30により連結されている。
【0078】
図11及び
図12は、
図9のS11−S11線及びS12−S12線での断面図である。また、
図13には、第1中間物41を構成するそれぞれの部材51,52が示されており、
図14には、第2中間物42を構成するそれぞれの部材61〜63が示されている。さらに、
図15及び
図16には、第1中間物41の正面図及び側面図が示されており、
図17及び
図18には、第2中間物42の正面図及び側面図が示されている。
【0079】
図13に示されているように、開閉機21の側の第1中間物41は、板金製の第1部材51と第2部材52により形成されている。板金の打ち抜き品である第1部材51の全体形状は、前後寸法が小さくて上下寸法が大きい幅狭部51Aと、前後寸法が大きくて上下寸法が小さい幅広部51Bとからなる略T字形状であり、幅狭部51Aには凹部53が形成され、幅広部51Bには孔54が設けられている。また、板金の折り曲げ品である第2部材52は、上下方向の中央部に舌片部52Cが設けられている全体形状が略M字状の部材であり、舌片部52Cよりも上下の部分52A,52Bに孔55が形成され、舌片部52Cにも孔56が形成されている。
【0080】
図15及び
図16から分かるように、舌片部52Cが凹部53の内部に挿入されることにより、第1部材51と第2部材52が組み合わせられ、これにより、第1中間物41が組み立てられた後に、これらの第1部材51と第2部材52は溶接により接合される。そして、
図11から分かるように、第1中間物41は、孔54,56に挿入したビス等の止着具57により、開閉機21の前述した端部21Aの端面に止着される。これにより、
図9及び
図10に示されているように、第2部材52は、第1部材51から支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側に突出することになる。
【0081】
また、
図14に示されているように、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側の第2中間物42は、板金製の第1部材61と第2部材62と第3部材63により形成されており、第2部材62には、同一寸法及び同一形状のものが上下2個ある。板金の打ち抜き品である第1部材61の全体形状は円形であり、中央部に大きな四角形の開口部64が形成されているとともに、この開口部64のそれぞれの辺部に電動式巻取軸20の外径方向へ延出する凹部65が形成され、さらに、4個の凹部65のうち、前後2個の凹部65には、前後方向へ延びる細幅状の欠部66が設けられている。また、第1部材61には、上下2個の凹部65よりも外側において、2個の孔67が設けられているとともに、これらの孔67よりも前後の箇所であって、第1部材61の中心部よりも上下の箇所において、合計4個の孔68が第1部材61の円周方向に設けられている。
【0082】
それぞれ板金の打ち抜き品である2個の第2部材62は、向きが上下逆となっているだけであって、同じ寸法による同じ形状となっているため、
図14の下側の第2部材62について説明すると、第2部材62の全体形状は、第1部材61の円形の外輪郭部61Aのうちの一部と同じ円弧状となっている円弧状輪郭部62Aの両端が直線状に延びている直線部62Bで繋がれている略三日月形状となっており、この直線部62Bには、下方へ延出する凹部69が形成されている。そして、第1部材61よりも小さい面積を有している第2部材62の厚さ寸法は、
図2及び
図3で説明した支持用ブラケット8に設けられている軸受け部10のフランジ部17となっている第1及び第2突出部17A〜17Cの厚さ寸法と対応するものになっており、すなわち、第2部材62の厚さ寸法と、第1及び第2突出部17A〜17Cの厚さ寸法は、同じになっている。
【0083】
また、
図19及び
図20に示されているように、第2部材62の凹部69の形状は、軸受け部10の第1突出部17Aの形状と対応する四角形となっており、このため、凹部69の前後寸法(
図20では左右寸法)L1は、第1突出部17Aの前後寸法(
図19では左右寸法)L2と対応しており、これらの寸法L1,L2は同じになっている。なお、凹部69の上下寸法L3は、第1突出部17Aの上下寸法L4よりも小さくなっている。
【0084】
図14で示す第2中間物42の第3部材63は板金の折り曲げ品であり、この第3部材63の全体形状は、上下方向の寸法を有するウェブ部63Aと、このウェブ部63Aの上下両端から後方へ延出したフランジ部63B,63Cとからなる断面チャンネル形状となっている。また、ウェブ部63Aにおける電動式巻取軸20の軸方向における一方の端部となっているこの巻取軸20の側の端部には、凹部70が形成され、この凹部70の上下に2個のねじ孔71が形成されている。
【0085】
以上の第1〜第3部材61〜63により第2中間物42を組み立てるためには、
図17及び
図18から分かるように、上下2個の第2部材62を、これらの第2部材62の向きを上下逆にして、第1部材61の一方の面、すなわち、第1部材61における支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側の面に当てるとともに、これらの第2部材62の円弧状輪郭部62Aを、第1部材61の外輪郭部61Aのうちの上下部分と一致させ、第1部材61に上下2個の第2部材62をスポット溶接等で結合する。
【0086】
また、第3部材63を、第1部材61の大きな開口部64のうち、作業者から見て手前側の部分に、第2部材62が結合された第1部材61の面とは反対側の面から挿入し、これらの第2部材62と第3部材63を溶接等で結合する。
【0087】
これによって製造された第2中間物42は、
図9及び
図10に示されているように、第3部材63が、第1部材61及び第2部材62から電動式巻取軸20の側へ突出したものとなっている。
【0088】
また、
図9及び
図10で示されている中間構成体30の一部を構成する構成物となっている第2中間物42には、
図12に示されているように、支持用ブラケット8の軸受け部10のうち、軸受け部本体16を挿入することができる開口部が、この第2中間物42の第1部材61の大きな開口部64により形成されていることになり、さらに、第2中間物42には、軸受け部10うち、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合されているフランジ部17の第1突出部17Aを収容可能となったフランジ部収容部75(
図12及び
図18を参照)が、上下2個の第2部材62のうち、下側の第2部材62の凹部69により形成されていることになる。また、第2中間物42には、フランジ部17のうち、2個の第2突出部17B,17Cを収容可能となったフランジ部収容部76(
図12及び
図18を参照)が、上下2個の第2部材62の間の間隔の部分で形成されていることになる。
【0089】
以上の第2中間物42は、
図9及び
図10に示されているように、窓用電動式シャッター装置が窓用手動式シャッター装置のときから存在している支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに取り付けられることになる。この取付作業は、上下2個の第2部材62のうち、下側の第2部材62の凹部69により形成されているフランジ部収容部75に第1突出部17Aを収容するとともに、フランジ部収容部76に2個の第2突出部17B,17Cを収容して行い、また、ブラケット本体8Aに設けられている軸受け部10の軸受け部本体16を、第1部材61に大きく形成されている開口部64に挿入して行う。
【0090】
次いで、
図14で説明した第1部材61に4個設けられている孔68のうち、作業者の手前側でかつ上側となっている1個の孔68に位置決めピン77(
図12を参照)挿入して、この位置決めピン77を上側の第2部材62及びブラケット本体8Aを貫通させることにより、第2中間物42をブラケット本体8Aに位置決め仮固定する。
【0091】
なお、このように位置決めピン77により、第2中間物42をブラケット本体8Aに位置決め仮固定する際に、第1部材61の大きな開口部64のうち、第3部材63が挿入されている部分が
図12とは反対側の部分であったために、第2中間物42の向きを上下逆にしても、また、
図4で説明した開閉機21が電動式巻取軸20の内部に収納配置されている箇所が、
図4で示されているこの巻取軸20の端部とは反対側の端部であるため、中間構成体30が
図4の右側の支持用ブラケット7の側に配置されることになっていても、位置決めピン77を挿入できる孔68は第1部材61の円周方向に4個設けられているため、作業者は、作業がし易い手前側でかつ上側となっている箇所に設けられている1個の孔68に位置決めピン77を挿入することができる。
【0092】
以上の作業を行った後に、
図12から分かるように、第1部材61に上下2個設けられている孔67のうち、下側の孔67にリベット等の止着具78を、第1部材61に2個設けられている欠部66にもリベット等の止着具79をそれぞれ挿入し、止着具78を第2部材62及び/又は軸受け部10の第1突出部17Aと、ブラケット本体8Aとに貫通させ、止着具79を軸受け部10の第2突出部17B,17Cとブラケット本体8Aとに貫通させる。これにより、第2中間物42は、止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着されることになる。
【0093】
このように第2中間物42を止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着する際にも、第1部材61の大きな開口部64のうち、第3部材63が挿入されている部分が
図12とは反対側の部分であったために、第2中間物42の向きを上下逆にしても、また、
図4で説明した開閉機21が電動式巻取軸20の内部に収納配置されている箇所が、
図4で示されているこの巻取軸20の端部とは反対側の端部であるため、中間構成体30が
図4の右側の支持用ブラケット7の側に配置されることになっていても、第1部材61の孔67は上下2個あり、欠部66も前後2個あるため、第2中間物42を止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着する作業を所定どおり行うことができる。
【0094】
次いで、電動式巻取軸20の開口端から突出している開閉機21の端部21Aに取り付けられた第1中間物41を支持用ブラケット8に近づけ、この第1中間物41の第2部材52と、第2中間物42の第3部材63の先端部とを、
図9〜
図11に示されているように前後方向に重ね合わせ、第1中間物41の第2部材52に形成されている2個の孔55に
図9及び
図10で説明したビス等の接続具43を挿入して、これらの接続具43を第2中間物42の第3部材63に2個形成されているねじ孔71に螺入して締め付ける。
【0095】
これにより、第1中間物41と第2中間物42は接続され、この接続により形成される中間構成体30により、電動式巻取軸20の内部に収納されている開閉機21と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが連結されることになる。
【0096】
以上において、第1中間物41の第2部材52と、第2中間物42の第3部材63は、
図10に示されているように、これらの中間物41,42における前後方向の中央部よりも作業者の側となっている手前側に配置されているため、接続具43による第1及び第2中間物41,42の接続作業を容易に行うことができる。
【0097】
そして、本実施形態では、第2中間物42の構成部材となっている第1部材61についての電動式巻取軸20の直径方向の寸法が、
図9及び
図10に示されているD1となっており、この寸法D1は、中間構成体30を構成する部材のそれぞれの寸法のうちで最大の寸法となっているが、この寸法D1は、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも小さくなっている。また、この直径寸法D2を支持用ブラケット8の側へ延長した延長直径寸法の内側に中間構成体30が入るように、支持用ブラケット8における中間構成体30の配置位置が設定されている。
【0098】
このため、
図5で示した電動用シャッターカーテン31を構成するスラット32が、前述したように、シャッターケース5の内部において左右方向にスライドする可能性があるものとなっていて、このスライドが実際に生じても、言い換えると、シャッターカーテン31を構成するシャッターカーテン構成部材が、電動式巻取軸20に左右方向にずれて巻き取られても、このずれたシャッターカーテン構成部材が中間構成体30に干渉することはなく、したがって、巻取軸20によるシャッターカーテン31による円滑な巻き取り、繰り出しを確保することができる。
【0099】
また、上述の寸法D1を有している第1部材61は、第2中間物42の板状となっている第2部材62を介して支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合されており、この第1部材61は巻取軸20から大きく離れた箇所に配置されているため、左右方向にスライドしたスラット32の端部が下方に撓むことがあっても、中間構成体30と干渉することを防止できる。
【0100】
なお、シャッターカーテン構成部材が電動式巻取軸20に左右方向にずれて巻き取られても、中間構成体30と干渉しない又は実質的に干渉するおそれがなければ、中間構成体30を構成する部材となっている箇所又は中間構成体30の一部となっている箇所についての寸法を、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも大きくし、かつこの箇所を上述の延長直径寸法の内側に入らないようにしてもよい。これについての一例は、巻取軸20から大きく離れていて、支持用ブラケット8の本体8Aに近い箇所に配置されている第1部材61及び第2部材62の寸法を、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも大きくし、かつ第1部材61及び第2部材62が上述の延長直径寸法の内側に入らないようにすることである。
【0101】
また、上述した電動式巻取軸20の直径寸法D2とは、電動用シャッターカーテン31の上端が吊り元部材を介して電動式巻取軸20の外周面に結合されているなど場合には、この吊り元部材等のャッターカーテン31や電動式巻取軸20に設けられている付属部材を含む寸法である。
【0102】
また、電動式巻取軸20の直径寸法D2は、電動用シャッターカーテン31の上端に、この電動用シャッターカーテン31が全閉位置まで閉じ移動したときでも、電動式巻取軸20に巻かれている捨て巻きの部分がある場合には、この捨て巻きの部分を含む寸法であり、さらに、電動用シャッターカーテン31の上端に、電動用シャッターカーテン31が全閉位置まで閉じ移動したときに、電動式巻取軸20から繰り出される部分であっても、この繰り出される部分が、電動式巻取軸20に左右方向にずれるおそれのない部分となっている場合には、この部分を含む寸法である。
【0103】
また、本実施形態では、第2中間物42の構成部材となっている第1部材61に形成されている開口部64は、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに設けられている既存の軸受け部10を構成する軸受け部本体16とフランジ部17とのうち、軸受け部本体16だけを挿入できる大きさとなっているため、この開口部を軸受け部本体16とフランジ部17との両方を挿入できる大きさとした場合と比較すると、開口部64の大きさを小さくすることができ、このため、第1部材61の強度や、この第1部材61が構成要素となっている第2中間物42の強度、さらには、この第2中間物42が構成要素となっている中間構成体30の強度を充分に大きくすることができる。
【0104】
また、本実施形態では、既存の軸受け部10の軸受け部本体16は、第2中間物42の第1部材61の開口部64に挿入され、この軸受け部10におけるブラケット本体8Aに結合されているフランジ部17となっている第1突出部17Aは、第2中間物42の第2部材62の凹部69によりブラケット本体8Aとの間で形成されているフランジ部収容部75に収容されており、また、軸受け部10の別のフランジ部17となっている2個の第2突出部17B,17Cは、第2中間物42の上下2個の第2部材62の間の間隔によりブラケット本体8Aとの間で形成されているフランジ部収容部76に収容されているため、開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結する中間構成体30は、既存の軸受け部10に邪魔されないで、これらの開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとの間に介入されていることになる。
【0105】
また、
図19及び
図20で示した寸法L1と寸法L2は同じあるため、
図19で示されている軸受け部10のフランジ部17のうち、第1突出部17Aの下端17Eに、第2中間物42の構成部材となっている第2部材62の凹部69の下端69Aを当接させることにより、第1突出部17Aをフランジ部収容部75に収容すると、第2中間物42及び中間構成体30は支持用ブラケット8に対して上下方向と前後方向に位置決めされることになり、このため、この位置決めにより、電動式巻取軸20を、左右一対の支持用ブラケット7,8の間に、上下方向と前後方向の所定位置にして配置することができることになり、これにより、この巻取軸20の高度の水平精度等を確保することができる。
【0106】
また、本実施形態の第2中間物42には、上下2個の第2部材62が上下の向きを逆にして設けられ、これらの第2部材62は、同一寸法で同一形状の凹部69が形成された同じものとなっているため、これらの第2部材62により、中間構成体30の一部を構成する構成物となっている第2中間物42を上下逆転して使用できるようになっている。
【0107】
このため、第2中間物42には上下の区別がなく、したがって、この第2中間物42を支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合する際に、上下を気にすることなくこの結合作業を容易に行える。
【0108】
図21は、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに、軸受け部10とは形状等が異なる軸受け部110が設けられている場合を示す。この軸受け部110も、軸受け部本体116と、軸受け部本体116におけるブラケット本体8Aの側から巻取軸の外径方向に突出しているフランジ部117とからなる。そして、軸受け部本体16は、下方へ湾曲突出している底部116Aと、底部16Aの両端から立ち上がった立上部116B,116Cとを有し、全体的に上向きに開口した形状になっている。また、ブラケット本体8Aに結合されているフランジ部117は、軸受け部本体16の下部から下方へ突出する第1突出部117Aと、軸受け部本体116の両側部から水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部117B,117Cとからなる。
【0109】
この軸受け部110の第1突出部117Aの前後寸法L6及び上下寸法L8は、
図19で示した軸受け部10の第1突出部17Aの前後寸法L2及び上下寸法L4と異なっているため、これらの突出部17A、117Aの形状は相違している。
【0110】
図22には、
図21の軸受け部110に適用される第2中間物42の第2部材162が示されている。この第2部材162に形成されている凹部169の前後寸法L5は、第1突出部117Aの前後寸法L6と対応しているため、これらの寸法L5,L6は同じになっている。また、凹部169の上下寸法L7は、第1突出部117Aの上下寸法L8よりも小さくなっている。
【0111】
この実施形態によると、支持用ブラケット8に設けられている軸受け部が軸受け部10となっている場合には、第2中間物42を構成する第2部材として用意されている部材62と部材162のうち、部材62を選択して用いればよく、また、支持用ブラケット8に設けられている軸受け部が軸受け部110となっている場合には、部材162を選択して用いればよい。そして、いずれの場合にも、第2中間物42を、第1部材61及び第3部材を共通部材として用いて製造することができるため、用意しなければならない部材種類の削減、製造コストの低減を達成することができる。
【0112】
図23と
図24は、
図4、
図7及び
図8で示した紐状部材35を支持用ブラケット7に設けた孔36に通すことに関する別実施形態を示している。
【0113】
図23の実施形態では、金属製の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに紐状部材35を通すために設けた孔36に、支持用ブラケット7の材料である金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成された短寸の案内部材80を嵌入し、この案内部材80の内部孔に紐状部材35を挿通している。
【0114】
これによると、紐状部材35が前述したように引っ張り操作されても、この紐状部材35が金属製の支持用ブラケット7で擦れて損傷することを、案内部材80により防止することができる。
【0115】
図24の実施形態では、金属製の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに紐状部材35を通すために設けた孔36に、紐状部材35の配線方向にしたがって湾曲した湾曲部81Aを有している長寸の案内部材81の一部を嵌入し、止め具82により、この案内部材81をブラケット本体7Aに止めている。
【0116】
この実施形態によると、案内部材81の湾曲部81Aによる湾曲案内作用により、紐状部材35を所定方向に湾曲させて配線することができる。
【0117】
なお、この案内部材81は、
図23の案内部材と同様に、金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成してもよい。