(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の面にレーザー光を照射することで凹部が形成される樹脂フィルムを用いてシート状に形成されており、該凹部が被包装物と重なるように筒状に巻き回されて被包装物を包むと共に、筒状となった際の軸線方向の両端部と被包装物との間の位置で捻りが加えられることによって、被包装物を包装するように構成された包装材を製造する包装材の製造方法において、
前記樹脂フィルムの他方の面に樹脂フィルムよりも高い割合でレーザー光を吸収して発熱する発熱層を形成し、樹脂フィルムの一方の面における発熱層に対応した領域にレーザー光を照射することで樹脂フィルムにおけるレーザー光が照射された領域の一方の面側を発熱させると共に、樹脂フィルムを透過したレーザー光を発熱層が吸収して発熱することで樹脂フィルムにおけるレーザー光が照射された領域の他方の面側を加熱することにより、レーザー光を照射した領域の樹脂フィルムの両面の対応する位置に一対の凹部を形成することを特徴とする包装材の製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂フィルムを用いてシート状に形成された包装材によって食品等の被包装物を包装する方法が知られている。例えば、被包装物を包むように包装材を巻き回して筒状にすると共に、筒状となった包装材を被包装物よりも開口両端部側の位置で捻ることによって、被包装物を包装する方法(以下、捻り包装とも記す)が知られている。
【0003】
上記のような捻り包装によって形成される包装体は、被包装物を収容した収容部と、包装材を巻き回した際の軸線(即ち、収容部の軸線)上に形成されて指などで把持可能に構成された一対の把持部とを備えている。そして、包装された被包装物を取り出す際には、収容部の軸線に沿って一対の把持部を収容部から引き離す方向に引っ張ることで、包装材に加えられた捻りが解けて被包装物を取り出すことが可能となる。
【0004】
上記のように包装材に加えられた捻りを解くことなく、被包装物を取り出すことが可能な包装材が提案されている。例えば、包装材の中央部に一方向に沿ってミシン目(開封用切れ目)が形成された包装材が提案されている(特許文献1参照)。該包装材は、捻り包装によって被包装物を包装した際に、収容部の軸線方向に直交する周方向に沿ってミシン目が形成されるように構成されており、収容部の軸線に沿って一対の把持部を収容部から引き離す方向に引っ張ることで、収容部に対して引き裂くような力を加え、ミシン目を切っ掛けに収容部を破断させて被包装物を取り出すことが可能となっている。
【0005】
ところが、包装材にミシン目を形成すると、被包装物を包装した際にミシン目を通って収容部の内側に埃等の異物が侵入する虞がある。このため、特に、食品等を包装する場合には、ミシン目を備えた包装材を用いることは、好ましくない。従って、ミシン目に代えて、一方の面側にハーフカット部を形成した包装材が用いられる場合がある。斯かる包装材は、上記のように、収容部に引き裂く力を加えることによって、ハーフカット部を切っ掛けに収容部を破断させ、被包装物を取り出すことが可能となるように構成されている。
【0006】
上記のようなハーフカット部を形成する方法としては、レーザー光を用いた方法が知られている。例えば、包装材として、レーザー光を吸収することで加熱されて溶解したり昇華したりする樹脂層と、レーザー光を透過させる樹脂層とが積層されてなる樹脂フィルムを用い、レーザー光を吸収する樹脂層側にレーザー光を照射することで、斯かる樹脂層のみを切断して樹脂フィルムにハーフカット部を形成する方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、レーザー光を用いてハーフカット部(即ち、凹部)を形成する際には、樹脂フィルムの一方の面にレーザー光が照射されるため、樹脂フィルムの一方の面側にしかハーフカット部が形成されず、他方の面は、平滑な状態となる。このような樹脂フィルムを用いて形成された包装材は、ハーフカット部が形成された領域に引き裂く力を加えると、一方の面側のハーフカット部には引き裂く力が集中するものの、他方の面側の平滑な領域では引き裂く力が分散してしまう。このため、このような包装材は、ハーフカット部が形成された領域の一方の面側から他方の面側に向かっては容易に破断が生じるものの、逆方向に向かっては破断が生じにくいものとなる。このため、斯かる包装材を用いて捻り包装を行うと、上記のように収容部を引き裂いて破断させて、被包装物を取り出すことが困難となる場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、捻り包装に用いられる包装材であって、レーザー光を用いてハーフカット部等の凹部が形成された領域を容易に破断可能となる包装材を得ることができる包装材の製造方法を提供すること、及び、該製造方法によって形成された包装材を提供すると共に、該包装材を用いて被包装物が包装されてなる包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る包装材の製造方法は、一方の面にレーザー光を照射することで凹部が形成される樹脂フィルムを用いてシート状に形成されており、該凹部が被包装物と重なるように筒状に巻き回されて被包装物を包むと共に、筒状となった際の軸線方向の両端部と被包装物との間の位置で捻りが加えられることによって、被包装物を包装するように構成された包装材を製造する包装材の製造方法において、前記樹脂フィルムの他方の面に樹脂フィルムよりも高い割合でレーザー光を吸収して発熱する発熱層を形成し、樹脂フィルムの一方の面における発熱層に対応した領域にレーザー光を照射することで樹脂フィルムにおけるレーザー光が照射された領域の一方の面側を発熱させると共に、樹脂フィルムを透過したレーザー光を発熱層が吸収して発熱することで樹脂フィルムにおけるレーザー光が照射された領域の他方の面側を加熱することにより、レーザー光を照射した領域の樹脂フィルムの両面の対応する位置に一対の凹部を形成することを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、樹脂フィルムの他方の面に、樹脂フィルムよりも高い割合でレーザー光を吸収して発熱する発熱層が形成され、樹脂フィルムの一方の面における発熱層に対応した領域にレーザー光を照射することで、レーザー光が照射された領域における樹脂フィルムの両面の対応する位置に一対の凹部が形成される。このため、斯かる樹脂フィルムを用いて包装材を形成することで、一対の凹部が形成された領域(以下、凹部形成領域とも記す)を容易に破断することができる包装材を得ることができる。
【0012】
具体的には、樹脂フィルムは、一方の面に照射されたレーザー光を一部吸収することによって、レーザー光が照射された領域の一方の面側が発熱する。そして、斯かる発熱によって、レーザー光が照射された領域の一方の面側が溶解したり昇華したりすることで、一方の面側から他方の面側に向かって凹部(以下、照射面側凹部とも記す)が形成される。
【0013】
また、照射面側凹部の形成に伴って、樹脂フィルムの他方の面側における照射面側凹部に対応した位置に凹部が形成される。具体的には、樹脂フィルムの他方の面に形成された発熱層は、樹脂フィルムよりも高い割合でレーザー光を吸収するため、樹脂フィルムを透過したレーザー光を吸収した領域が発熱する。そして、樹脂フィルムにおけるレーザー光が照射された領域の他方の面側が発熱層によって加熱されて溶解したり昇華したりすることで、照射面側凹部に対応した位置に、他方の面側から一方の面側に向かって凹部(以下、発熱層側凹部とも記す)が形成される。
【0014】
つまり、樹脂フィルムの一方の面へのレーザー光の照射によって、樹脂フィルムの両面の対応する位置に一対の凹部(照射面側凹部および発熱層側凹部)を形成することができる。これにより、斯かる樹脂フィルムを用いて形成された包装材に引き裂くような力が加わった際には、照射面側凹部と発熱層側凹部に引き裂く力が集中するため、凹部形成領域が一方の面側(照射面側凹部の内部)から他方の面側(発熱層側凹部の内部)に向かって破断すると共に、他方の面側(発熱層側凹部の内部)から一方の面側(照射面側凹部の内部)に向かっても破断させることができる。このため、一方の面側から他方の面側に向かってのみ破断が生じる場合よりも少ない力で容易に包装材を破断させることができる。
【0015】
そして、一対の凹部が被包装物と重なるように包装材を筒状に巻き回して被包装物を包むと共に、筒状となった際の軸線方向の両端部と被包装物との間の位置で包装材に捻りを加えて被包装物を包装することで、被包装物を包んでいる領域に引き裂くような力が加わった際に、凹部形成領域が上述のように容易に破断されるため、包装された被包装物を容易に取り出すことができる。
【0016】
前記樹脂フィルムは、オレフィン系樹脂を用いて構成されることが好ましい。
【0017】
本発明に係る包装材は、上記何れかに記載の包装材の製造方法を用いて形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る包装体は、上記に記載の包装材を用いて被包装物が包装されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、レーザー光を用いて凹部が形成された領域を容易に破断することができる包装材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について
図1〜4を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態に係る包装材の製造方法(以下、本製造方法とも記す)は、樹脂フィルムを用いてシート状に形成されてなる包装材を製造する方法である。具体的には、樹脂フィルムの一方の面にレーザー光を照射することによって形成された凹部(具体的には、後述する一対の凹部1d,1e)を備える包装材を製造する方法である。本製造方法で用いられる樹脂フィルムとしては、
図1(a)に示すように、一方向が長手となるように長尺状に形成された樹脂フィルム1を用いることができる。
【0023】
樹脂フィルム1は、一方の面(以下、レーザー光照射面とも記す)1aに照射されたレーザー光を透過させると共に一部を吸収するように構成されている。また、樹脂フィルム1は、レーザー光を吸収することで発熱し、斯かる発熱によってレーザー光が照射された領域(後述する凹部形成領域1cとなる領域)の一方の面1a側が溶解したり昇華したりすることで、一方の面1a側から他方の面1b側に向かって凹部(上述する照射面側凹部1d)が形成されるように構成されている。
【0024】
樹脂フィルム1を構成する素材としては、特定波長のレーザー光を透過させると共に一部を吸収することで溶解等が生じる程度に加熱される素材が用いられる。具体的には、用いるレーザー光の波長に応じて適宜選択することができ、例えば、オレフィン系樹脂等を用いて形成されたフィルム、又は、斯かるフィルムを一軸延伸又は二軸延伸したフィルム等を用いることができ、更には、異なる素材からなるフィルムを積層したものを用いることもできる。オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。レーザー光として炭酸ガスレーザー(赤外線光)を用いる場合には、上記オレフィン系樹脂からなるフィルムを好適に用いることができる。
【0025】
樹脂フィルム1の厚みとしては、特に限定されるものではなく、好ましくは10μm〜50μm、より好ましくは15μm〜30μmのものを用いることができる。このような厚みとすることで、樹脂フィルム1が柔軟なものとなると共に、後述する一対の凹部1d,1eの深さ等の調整を良好に行うことができる。また、樹脂フィルム1の色彩や透明性については、特に限定されるものではなく、本実施形態では、無色透明な素材を用いて樹脂フィルム1が形成されている。
【0026】
樹脂フィルム1の他方の面1bには、レーザー光を吸収して発熱する発熱層2が備えられている。該発熱層2は、後述する一対の凹部1d,1eを形成する領域、即ち、後述する凹部形成領域1cに沿って帯状に形成されている。具体的には、樹脂フィルム1における凹部形成領域1cの予定位置が帯状に形成された発熱層2の内側に位置するように、発熱層2が形成されている。また、本実施形態では、発熱層2は、樹脂フィルム1の一方向に沿って延びるように形成されており、該一方向に直交する他方向(幅方向)の略中央部に形成されている。また、樹脂フィルム1として一軸延伸された素材を用いる場合には、発熱層2は、延伸方向に沿って形成されることが好ましい。
【0027】
発熱層2は、樹脂フィルム1よりもレーザー光を高い割合で吸収して発熱するように構成されている。具体的には、発熱層2は、樹脂フィルム1を透過したレーザー光を吸収することで、自身が溶融したり昇華したりする程度に発熱するように構成されている。さらに、発熱層2は、斯かる発熱によって樹脂フィルム1を加熱可能に構成されている。具体的には、発熱層2は、レーザー光を吸収して発熱することで樹脂フィルム1を他方の面1b側から溶融させたり昇華させたりし得る程度に発熱するように構成れている。つまり、発熱層2は、斯かる発熱によって樹脂フィルム1におけるレーザー光が照射された領域(後述する凹部形成領域1cとなる領域)の他方の面1b側を溶解させたり昇華させたりすることで、他方の面1b側から一方の面1a側に向かって凹部(上述する発熱層側凹部1e)を形成するように構成されている。
【0028】
発熱層2を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、樹脂フィルム1の他方の面1bに印刷インキを塗布して印刷層を形成することで発熱層2とすることができる。印刷インキとしては、樹脂フィルム1よりもレーザー光の吸収率が高い色素成分を含有するものを用いることが好ましい。
【0029】
発熱層2の厚みとしては、特に限定されるものではなく、好ましくは1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜3μmとすることができる。このような厚みとすることで、発熱層2と樹脂フィルム1との間に生じる段差を抑制することができる。これにより、発熱層2が形成された樹脂フィルム1を長手方向に巻き回してロール状にする際に、発熱層2の厚みの影響によって樹脂フィルム1が蛇行してしまうのを抑制することができる。また、発熱層2の色彩については、特に限定されるものではなく、種々の色を用いることができる。
【0030】
上記の構成からなる樹脂フィルム1に凹部を形成するレーザー光としては、特に限定されるものではなく、樹脂フィルム1を透過すると共に一部が樹脂フィルム1に吸収されて樹脂フィルム1を発熱させ得るものが用いられる。具体的には、レーザー光としては、樹脂フィルム1を構成する素材に応じて適宜選択することができ、例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、YAGレーザー、Ti:Sレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、または炭酸ガスレーザー等を使用することができる。これらのレーザー光のうち、炭酸ガスレーザーは、高出力であり、汎用性があると共に、生産効率が良いため、特に好ましい。
【0031】
レーザー光を照射する装置(図示せず)は、レーザー光を出力するレーザー光出力部と、出力されたレーザー光を集光する集光レンズとを備えており、樹脂フィルム1に対して略直角にレーザー光を照射するように構成されている。つまり、樹脂フィルム1に照射されるレーザー光としては、集光レンズによって集光されたものを用いることができる。このような構成を用いることで、集光レンズによって集光されたレーザー光は、焦点位置でエネルギーが最大となると共に、焦点位置から離れた位置ではレーザー光が拡散した状態であるため、焦点位置よりもエネルギーが低くなる。また、レーザー光の断面形状(レーザー光の照射方向に直交する断面形状)は、焦点位置で略円形状となっている。なお、レーザー光の焦点位置での直径を集光径という。該集光径は、形成する凹部の形状、樹脂フィルム1の素材、または加工速度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。
【0032】
なお、以下の説明においては、レーザー光における焦点位置と集光レンズと間の領域を集光領域L2といい、レーザー光における焦点位置よりもレーザー光の照射方向側の領域を拡散領域L3という。また、レーザー光において、焦点位置の断面積に対する集光領域L2の断面積の割合を「集光領域L2における拡散度」という。また、焦点位置の断面積に対する拡散領域L3の断面積の割合を「拡散領域L3における拡散度」という。つまり、集光領域L2および拡散領域L3における拡散度が大きいほど、即ち、焦点位置から離れるほど、レーザー光のエネルギーは、減少することとなる。
【0033】
次に、レーザー光を用いて樹脂フィルム1に凹部を形成する方法について説明する。
図1(b)に示すように、樹脂フィルム1にレーザー光Lを照射する際には、樹脂フィルム1の一方の面(レーザー光照射面)1a、即ち、発熱層2が形成されていない側の面にレーザー光Lを照射する。この際、レーザー光Lの焦点位置L1は、樹脂フィルム1の厚み方向の内側(本実施形態では、厚み方向の中央部よりもレーザー光照射面1a側)に位置するように調整される。
【0034】
具体的には、焦点位置L1は、レーザー光照射面1aとの間の間隔が所定の間隔となるように調整されることが好ましい。より詳しくは、集光領域L2における拡散度が所定の範囲となる位置にレーザー光照射面1aが位置するように、焦点位置L1とレーザー光照射面1aとの間の間隔が調整されることが好ましい。言い換えれば、集光領域L2における拡散度が所定の範囲となる位置から焦点位置L1側にレーザー光照射面1aが位置することが好ましい。焦点位置L1がこのように調整されることで、レーザー光Lが照射された領域の一方の面1a側を効果的に発熱させることができ、樹脂フィルム1の一方の面1a側の凹部(後述する照射面側凹部1d)をより効率的に形成することができる。
【0035】
また、焦点位置L1は、発熱層2との間の間隔が所定の間隔となるように調整されることが好ましい。具体的には、拡散領域L3における拡散度が所定の範囲となる位置に発熱層2が位置するように、焦点位置L1と発熱層2との間の間隔が調整されることが好ましい。言い換えれば、拡散領域L3における拡散度が所定の範囲となる位置から焦点位置L1側に発熱層2が位置することが好ましい。焦点位置L1がこのように調整されることで、発熱層2による樹脂フィルム1の他方の面1b側の加熱を良好に行うことができる。具体的には、焦点位置L1から離れるに従ってレーザー光Lのエネルギーは減少するため、上記のような拡散度の範囲に発熱層2が位置することで、高いエネルギーのレーザー光Lを発熱層2が吸収することができる。これにより、発熱層2を効果的に発熱させることができ、樹脂フィルム1の加熱を良好に行うことができるため、他方の面1b側の凹部(後述する発熱層側凹部1e)をより効率的に形成することができる。
【0036】
そして、上記のように焦点位置L1を調整したレーザー光を樹脂フィルム1の一方の面(レーザー光照射面)1aにおける発熱層2に対応した領域(言い換えれば、樹脂フィルム1の厚み方向における発熱層2の投影領域内)に照射する。本実施形態では、かかる領域の略中央部にレーザー光Lが照射される。
【0037】
レーザー光Lが上記の領域に照射されることで、
図2に示すように、樹脂フィルム1におけるレーザー光Lが照射された領域の両面の対応する位置に一対の凹部1d,1eが形成される。具体的には、樹脂フィルム1は、レーザー光Lの一部を吸収してレーザー光照射面1a側が発熱する。そして、斯かる発熱によってレーザー光Lが照射された領域のレーザー光照射面1a側が溶解したり昇華したりすることで、樹脂フィルム1の一方の面(レーザー光照射面)1a側から他方の面1b側に向かって凹部(以下、照射面側凹部とも記す)1dが形成される。
【0038】
一方、樹脂フィルム1の他方の面1bに形成された発熱層2は、樹脂フィルム1を透過したレーザー光Lを吸収し、レーザー光Lを吸収した領域が発熱することとなる。そして、斯かる発熱によって樹脂フィルム1の他方の面1b側が加熱される。具体的には、樹脂フィルム1の他方の面1b側における発熱層2(具体的には、レーザー光Lを吸収した領域)に重なる領域(以下、被加熱領域とも記す)が加熱される。これにより、樹脂フィルム1の被加熱領域が発熱層2からの熱によって溶解したり昇華したりすることで、樹脂フィルム1の他方の面1b側から一方の面1a側に向かって凹部(以下、発熱層側凹部とも記す)1eが形成される。
【0039】
この際、発熱層2における発熱した領域は、自身の熱によって溶融したり昇華したりすることで消失する。本実施形態では、発熱層2として印刷層が用いられているため、一対の凹部1d,1eが形成されることで、発熱層側凹部1eの端縁に沿って一対の印刷層2が残存することとなる。
【0040】
照射面側凹部1dおよび発熱層側凹部1eは、レーザー光照射面1aへのレーザー光Lの照射によって、樹脂フィルム1の両面の対応した位置に略同時に形成される。そして、樹脂フィルム1における照射面側凹部1dおよび発熱層側凹部1eが形成された領域が凹部形成領域1cとなる。樹脂フィルム1における凹部形成領域1cは、樹脂フィルム1の他の領域(一対の凹部1d,1eが形成されていない領域)よりも薄肉となる。具体的には、樹脂フィルム1の両面の対応した位置に一対の凹部1d,1eが形成されるため、一対の凹部1d,1eの間の樹脂フィルム1の厚みが樹脂フィルム1の他の領域よりも薄肉となっている。つまり、凹部形成領域1cは、レーザー光Lの照射前の樹脂フィルム1の厚みよりも薄肉となっている。
【0041】
また、レーザー光Lの照射に伴って、レーザー光Lを樹脂フィルム1に対して相対移動させる。具体的には、レーザー光Lを樹脂フィルム1の一方の面1aに沿って相対移動させる。本実施形態では、樹脂フィルム1の長手方向に沿って発熱層2が形成されているため、該発熱層2に沿ってレーザー光Lを相対移動させる。これにより、レーザー光Lが相対移動する方向に沿って、一対の凹部1d,1eが溝状(本実施形態では、直線状の溝状)に形成される。これにより、樹脂フィルム1に一対のハーフカット部1d,1eを形成することができる。
【0042】
一対のハーフカット部1d,1eの深さの調整は、単位時間当たりに樹脂フィルム1および発熱層2が吸収するレーザー光Lの吸収量を調整することで行うことができる。具体的には、レーザー光Lが相対移動する速度(走査速度)を調整すること、またはレーザー光Lの出力を調整することによって一対のハーフカット部1d,1eの深さの調整を行うことができる。例えば、レーザー光Lの出力が一定の場合、レーザー光Lの走査速度を速くすることで、樹脂フィルム1および発熱層2が単位時間当りに吸収するレーザー光Lの吸収量が減少するため、一対のハーフカット部1d,1eは浅く形成される。逆に、レーザー光Lの走査速度を遅くすることで、樹脂フィルム1および発熱層2が単位時間当りに吸収するレーザー光Lの吸収量が増加するため、一対のハーフカット部1d,1eは深く形成される。
【0043】
また、レーザー光Lの走査速度が一定の場合には、レーザー光Lの出力を弱めることで、単位時間当りに吸収するレーザー光Lの吸収量が減少するため、一対のハーフカット部1d,1eが浅く形成される。逆に、レーザー光Lの出力を強くすることで、単位時間当りに吸収するレーザー光Lの吸収量が増加するため、一対のハーフカット部1d,1eが深く形成される。
【0044】
また、一対の凹部(即ち、ハーフカット部)1d,1eが形成されることによって、一対のハーフカット部1d,1eの両側には、一対のハーフカット部1d,1eに沿って盛り上がった隆起部1f,1fが形成されている。該隆起部1f,1fは、凹部形成領域1cとは反対に、レーザー光Lを照射する前の樹脂フィルム1の厚みよりも厚肉となっている。これにより、樹脂フィルム1には、薄肉となることで強度が低下した領域(即ち、凹部形成領域1c)が形成されると共に、厚肉となることで他の部分よりも強度が向上した領域(隆起部1f,1f)が形成される。
【0045】
これにより、一対のハーフカット部1d,1eを基点に樹脂フィルム1(即ち、後述する包装材10)を引き裂く際に、凹部形成領域1cの内側のみで樹脂フィルム1(即ち、後述する包装材10)を破断させることができる。具体的には、隆起部1f,1fが凹部形成領域1cの両側に形成されているため、凹部形成領域1cの内側よりも両側の強度の方が高くなっている。このため、凹部形成領域1cの内側で生じる樹脂フィルム1(即ち、後述する包装材10)の破断が隆起部1f,1fを超えて外側に向かうのを防止することができる。つまり、樹脂フィルム1(即ち、後述する包装材10)が破断される方向を凹部形成領域1c(具体的には、隆起部1f,1f)に沿って制御することができる。なお、実際に樹脂フィルム1に発熱層2を形成し、レーザー光を照射して一対の凹部1d,1eを形成した状態の写真を
図3に示す。
【0046】
上記のように、凹部形成領域1cが形成された長尺状の樹脂フィルム1は、長手方向に直交する幅方向に沿って切断されることで、
図4(a)に示すように、枚葉体状の包装材10が形成される。包装材10は、樹脂フィルム1の幅方向に相当する一方向が長手となるように長方形状に形成されている。つまり、包装材10は、長手方向に直交する幅方向に沿って凹部形成領域1c(即ち、一対のハーフカット部1d,1e)が直線状に形成されている。
【0047】
斯かる包装材10を用いて被包装物Aを包装することで、包装体Bが形成される。該包装体Bを形成する際には、凹部形成領域1cに重なるように被包装物Aを包装材10上に配置する。本実施形態では、被包装物Aの略中央部が凹部形成領域1c上に位置するように被包装物Aを配置する。また、被包装物Aの長手方向が包装材10の一方向(即ち、直線状の凹部形成領域1cに直交する方向)に沿うように被包装物Aを配置する。
【0048】
そして、被包装物Aを包むように包装材10を筒状に巻き回す。具体的には、凹部形成領域1cが延びる方向(即ち、幅方向)に向かって、被包装物Aを包むように包装材10を筒状に巻き回す。これにより、被包装物Aの外周に沿って凹部形成領域1cが位置することとなる。そして、筒状となった包装材10の軸線を軸として、斯かる軸線方向の両端部と被包装物Aとの間の位置で包装材10に捻りを加える。これにより、捻りを加えた位置で筒状の包装材10の内部空間が閉塞されて被包装物Aが包装(捻り包装)され、
図4(b)に示すような包装体Bが形成される。
【0049】
該包装体Bには、被包装物Aを収容した収容部B1と、包装材10を巻き回して筒状にした際の軸線(即ち、収容部B1の軸線)上に形成されて指などで把持可能に構成された一対の把持部B2,B2とが形成されている。そして、包装体Bの略中央部(即ち、収容部B1の略中央部)には、収容部B1の軸線に直行する外周の全周に亘って、凹部形成領域1cが位置している。
【0050】
上記のように形成された包装体Bは、収容部B1を破断させることによって、被包装物Aを取り出すことが可能となる。具体的には、収容部B1の軸線に沿って一対の把持部B2,B2を収容部B1から引き離す方向に引っ張ることで、収容部B1を引き裂くような力を加える。つまり、収容部B1には、凹部形成領域1cを中心に、凹部形成領域1cに対して直行する方向に向かって引き裂くような力が働くこととなる。そして、斯かる引き裂く力によって、一対のハーフカット部1d,1eによって形成された薄肉となった領域(凹部形成領域1c)が破断する。具体的には、凹部形成領域1cの一方の面側(照射面側凹部1dの内部)から他方の面側(発熱層側凹部1eの内部)に向かって包装材10の破断が生じると共に、凹部形成領域1cの他方の面側(発熱層側凹部1eの内部)から一方の面側(照射面側凹部1dの内部)に向かって包装材10(収容部B1)の破断が生じる。これにより、収容部B1が凹部形成領域1cを境に2つに分断され、収容部B1内から被包装物Aを露出させることができる。これにより、被包装物Aを取り出すことが可能となる。
【0051】
以上のように、本発明にかかる包装材の製造方法によれば、レーザー光を用いて凹部が形成された領域を容易に破断することができる包装材を得ることができる。
【0052】
即ち、樹脂フィルム1の一方の面1a側へのレーザー光Lの照射によって、樹脂フィルム1の両面の対応する位置に一対の凹部(照射面側凹部1dおよび発熱層側凹部1e)を形成することができる。これにより、斯かる樹脂フィルム1を用いて形成された包装材10に引き裂くような力が加わった際には、照射面側凹部1dと発熱層側凹部1eに斯かる力が集中するため、凹部形成領域1cが一方の面側(照射面側凹部1dの内部)から他方の面側(発熱層側凹部1eの内部)に向かって破断すると共に、他方の面側(発熱層側凹部1eの内部)から一方の面側(照射面側凹部1bの内部)に向かっても破断することとなる。このため、一方の面側から他方の面側に向かってのみ破断が生じる場合よりも少ない力で容易に包装材10を破断させることができる。
【0053】
そして、一対の凹部1d,1eが被包装物Aと重なるように包装材10を筒状に巻き回して被包装物Aを包むと共に、筒状となった際の軸線方向の両端部と被包装物Aとの間の位置で包装材10に捻りを加えて被包装物Aを包装することで、被包装物Aを包んでいる領域に引き裂くような力が加わった際に、凹部形成領域1cが上述のように容易に破断されるため、包装された被包装物Aを容易に取り出すことができる。
【0054】
また、レーザー光Lの吸収率が低い素材(例えば、オレフィン系樹脂等)を用いて樹脂フィルム1が形成されている場合には、発熱層2が形成されていないと、樹脂フィルム1にレーザー光Lを照射しても、樹脂フィルム1の一方の面1a側に浅い凹部しか形成されず、樹脂フィルム1を容易に破断させることが困難となる。しかしながら、発熱層を形成することで、樹脂フィルム1の両面の対応する位置に一対の凹部を形成することができるため、レーザー光Lの吸収率が低い素材からなる樹脂フィルム1であっても、凹部形成領域1cで容易に破断させることができる包装材10となる。
【0055】
なお、本発明に係る包装袋の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、樹脂フィルム1が長尺状に形成されているが、これに限定されるものではなく、樹脂フィルム1の長手方向に直交する幅方向に沿って樹脂フィルム1が切断されて、枚葉体状に形成された樹脂フィルムを用いてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、凹部形成領域1c(即ち、一対のハーフカット部1d,1e)が直線状に形成されているが、これに限定されるものではなく、様々な形状に形成することができる。例えば、
図5(a)および(b)に示すように、直線状に形成された複数の領域が所定の角度で連結されることで凹部形成領域1cが形成されてもよい。つまり、凹部形成領域1cが折れ線状に形成されてもよい。具体的には、
図5(a)では、凹部形成領域1cは、長さの異なる2つの凹部形成領域1c’,1c’’が所定の角度で連結された領域と、長さが同一である2つの凹部形成領域1c’,1c’(又は、凹部形成領域1c’’,1c’’)が所定の角度で連結された領域とから構成されている。一方、
図5(b)では、長さが同一である2つの凹部形成領域1c’,1c’が所定の角度で連結されて構成されている。
【0058】
または、
図5(c)に示すように、凹部形成領域1cを破線状に形成してもよい。または、
図5(d)に示すように、V字状に形成された凹部形成領域1cが包装材10の幅方向に沿って複数並列するように形成されてもよく、この場合には、V字状の凹部形成領域1cの角部が包装材10を引き裂く方向(包装材10の一方向)に向くように形成される。