(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載のバンド締付具において、ベース部における電柱等の対象物側となる底面の前後両端部には、それぞれ、脚部が設けられていることを特徴とするバンド締付具。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかるバンド締付具の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかるバンド締付具1の斜視図である。
【0011】
図1に示すように、このバンド締付具1は、合成樹脂等からなるもので、回動レバー11と、ベース部12とから構成される。回動レバー11は、基端部側にバンド巻付部11aおよび回動軸部11fを有すると共に、先端部側に係合部11bと舌片部11dを有し、回動軸部11fを中心とした回動により
図1に示す全開状態からほぼ180度回転してロック(閉止)状態になる。
【0012】
ベース部12は、回動レバー11の回動軸部11fを回動可能に支持する回動軸支持部12aと、回動レバー11の係合部11bが係合する被係合部12bと、バンド2の他端が係止されるバンド係止孔12c1〜12c3とを有する。なお、
図1は、回動レバー11が180度開いた全開状態であり、ベース部12のバンド係止孔12c1にのみバンド2の他端が係止されている状態を示しており、回動レバー11にバンド2の一端は係止されていない。また、バンド係止孔12c1〜12c3の横および縦方向の幅は、バンド2の断面の横および縦方向の幅より若干大きく、バンド2が円滑に挿入できる大きさを確保している。バンド2は、ポリ塩化ビニル(PVC)中にガラス繊維等やワイヤーを入れたバンドやスチール製のバンド等の伸びがほとんど無いバンドである。
【0013】
図2は、バンド締付具1を構成する回動レバー11の斜視図、
図3(a)〜(d)は、それぞれ、回動レバー11の平面図、正面図、底面図、右側面図である。また、
図4(a),(b)は、それぞれ、
図3(a)におけるA−A線断面図、
図4におけるB部分の拡大断面図である。
【0014】
図2〜
図4に示すように、回動レバー11の基端部側には、上述したようにバンド巻付部11aおよび回動軸部11fが設けられており、そのバンド巻付部11aには、バンド2の一端が通るバンド挿通孔11a1が設けられている。また、そのバンド巻付部11aの回動中心より回動レバー11の先端部側には、回動レバー11を開放状態からロック状態へ回動させた際にバンド2に摺接しつつその摺接部分を回動レバー11の先端部側に移動させ、バンド2の一端を引っ張る摺接部11cが設けられている。ここで、摺接部11cは、
図2、
図3(a),(c)等に示すように、その幅方向(回動レバー11の短手方向または回動軸部11fの回動軸方向)の中央から両側に向かうに従って回動レバー11の先端部側に位置するように、すなわちその幅方向の中央が両側より回動軸部11fの回動軸側に位置するように平面視湾曲形状に形成されている。ただし、この摺接部11cは、その幅方向の中央から両側に向かうに従い回動レバー11の先端部側に位置するように形成されていれば良いので、平面視湾曲形状に限らず、平面視V形状等でも勿論よい。なお、11eは、回動レバー11の中央に設けられた中央開口部であり、作業者によってバンド2の一端がその中央開口部11eの表面側(
図1では、下側、
図2では上側となる。)から通され、その裏面側のバンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1に通される。また中央開口部11eは、回動レバー11の軽量化や原材料費を抑えるために大きめの開口部としている。なお、バンド挿通孔11a1の横および縦方向の幅も、バンド2の断面の横および縦方向の幅より若干大きく、バンド2が円滑に挿入できる大きさを確保している。
【0015】
ここで、
図4(a),(b)に示すようにバンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1における表面側の後側に角部(エッジ)11a2が設けられている。そのため、後述するようにバンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1にバンド2の一端を挿入して回動するだけでも、その角部(エッジ)11a2のところでバンド2が折れ曲がり、バンド巻付部11aに巻き付いていくので、バンド2をバンド挿通孔11a1に挿入し、回動レバー11をロックする方向に回動させるだけで、バンド2を確実に留めることができる。
【0016】
また、回動レバー11の先端部側には、上述したように係合部11bと、舌片部11dとが設けられている。係合部11bは、
図3(a)〜(c)に示すように、回動レバー11の先端の側面から側方に突出して設けられており、ベース部12の被係合孔12b2に係合する。また、この係合部11bは、
図3(b)に示すように上面が平面で、下面が湾曲面に形成されており、ベース部12の被係合孔12b2も後述するようにこの係合部11bが嵌合するよう同様な形状に形成されている。そのため、後述するように、回動レバー11をロック(閉じる)際は、係合部11bの湾曲面部がベース部12の被係合部12bの上面に当接し、回動レバー11を開放する際には、係合部11bの平面部がベース部12の被係合孔12b2の内周の平面部に当接するので、ロックおよびそのロック状態を保持し易い形状に形成されている。つまり、係合部11bは、閉め易く、かつ、取外し難い形状に構成されている。なお、係合部11bおよび被係合孔12b2の形状も任意で良い。
【0017】
また、回動レバー11の舌片部11dは、
図3(d)や
図4(a)に示すように回動レバー11本体の底面よりも下方に突出している。これにより、後述する
図12に示すように、バンド2の一端が回動レバー11のバンド巻付部11aから舌片部11dにまで達している場合でも、この舌片部11dがそのバンド2の一端を上から押さえて電柱3等に沿うようにし、電柱3等から浮き上がることを防止する。特に、この舌片部11dは、
図3(b)および
図4(a)に示すように湾曲して形成されているため、バンド2の一端を電柱3の外周面に沿うように下方へ円滑に曲げることができる。また、ロック状態にある回動レバー11を、解放する場合には、舌片部11dに先端が先細のドライバー(図示せず。)等を挿入して回動レバー11を持ち上げることができる。なお、本発明では、回動レバー11の先端部に舌片部11dを設けることは、任意であり、省略しても良い。
【0018】
図5は、バンド締付具1を構成するベース部12の斜視図、
図6(a)〜(d)は、それぞれ、ベース部12の平面図、正面図、底面図、右側面図である。また、
図7(a)〜(c)は、それぞれ、
図6(a)におけるC−C線断面図、
図6(b)におけるD−D線断面図、E−E線断面図である。
【0019】
ベース部12は、上述したように回動レバー11の回動軸部11fを回動可能に支持する回動軸支持部12aと、回動レバー11の係合部11bが係合する被係合部12bとを有する。回動軸支持部12aは、当該ベース部12の後方両側から後方側壁12a1を立設して設けられており、その後方側壁12a1に、回動レバー11の両側から突出した回動軸部11fが挿入される軸受け孔12a2が設けられている。同様に、被係合部12bは、当該ベース部12の前方両側から前方側壁12b1を立設して設けられており、その前方側壁12b1に、回動レバー11の係合部11bの断面形状と同様の断面形状でその係合部11bが嵌合等して係合する被係合孔12b2が設けられている。
【0020】
そのため、ベース部12では、
図5や、
図6(b)、
図7(a)に示すように、その後方側壁12a1と前方側壁12b1との間に、側壁が設けられていないことになる。そのため、このバンド締付具1は、後述するようにバンド2の一端が接続された回動レバー11をベース部12に対しロックする際に、後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍で側壁が存在しないので、中央部近傍で側壁が存在する場合よりもその中央部近傍で撓み易くなり、伸びがほとんど無いバンド2でも、過大な力を必要とせずに電柱3等の対象物に巻き付けることができる。なお、本発明では、後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍で側壁が存在しないようにすることは必須ではなく、その中央部近傍にも側壁を設けるようにしても良い。
【0021】
また、ベース部12には、バンド2の他端を連続して通すことによりベース部12に係止させる3つのバンド係止孔12c1〜12c3を設けている。ここで、バンド係止孔12c1〜12c3間の間隔は、一定でも良いし、一定でなくも良い。特に、このベース部12は、回動レバー11を閉じてロック状態にする際、撓むので、撓む際に応力が集中する部分にバンド係止孔12c1〜12c3のいずれも存在しないように配置する方が望ましい。そのため、このベース部12では、
図6(a)や
図7(a)に示すようにバンド係止孔12c1は左右両側の前方側壁12b1間の底面に設ける一方、バンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3は、それぞれ、左右両側の前方側壁12b1と後方側壁12a1の立ち上がり部分間の底面に設けている。その結果、ベース部12では、バンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3の間が側壁の存在しない区間となり、ベース部12が撓む際の応力が集中する部分となるので、3つのバンド係止孔12c1〜12c3を設けた区間では撓む際の応力が集中しなくなり、ベース部12の破損も防止できる。
【0022】
また、このベース部12では、側壁の存在しないバンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3の間の区間が撓み易くなるように、
図6(a),(b)や
図7(a)に示すように、その図上、上側、すなわち電柱3等の対象物とは反対側に出っ張るように湾曲させた湾曲部12c4を設けている。これにより、回動レバー11を閉じる際に、バンド2に引張力がかかってもバンド2が伸びずに、ベース部12が撓もうとすると、バンド係止孔12c1〜12c3が形成されていない湾曲部12c4で撓むことになる。その結果、湾曲部12c4の両側に側壁が存在しないようにした点も含め、強度的にも弱くなる破損し易いバンド係止孔12c1〜12c3における応力集中や撓みを軽減することができる。
【0023】
また、この湾曲部12c4は、電柱3等の対象物とは反対側に出っ張る形状に湾曲しているので、後述する
図13に示すような順序で、バンド2の他端をバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通した場合でも、バンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3の間の湾曲部12c4では、バンド2は、ベース部12の上面側を通り、底面側を通らない。そのため、後述するベース部12の脚部12dの存在も併せ、湾曲部12c4の底面と電柱3との間に空間ができるので、その湾曲部12c4で電柱3側に撓み易くなるという効果もある。
【0024】
さらに、回動レバー11を閉める際、バンド2に徐々に強い引張力(テンション)がかかるが、後述する
図13に示すような順序でバンド2の他端をバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通した場合、この湾曲部12c4では、バンド2が上面側を通り、湾曲部12c4の上面側でバンド2に引張力がかかるため、その引張力により湾曲部12c4が電柱3側に突出して撓み易くなる。なお、本発明では、電柱3等の対象物とは反対側に出っ張る湾曲部12c4を設けることは必ずしも必要なものではなく、後述する
図14に示すように電柱3等の対象物に出っ張る湾曲部12c4’等を設けるようにしても良いし、省略しても良い。また、本発明では、バンド係止孔12c1〜12c3へのバンド2の他端の係止の方法は、この方法に限らず、例えば、
図1に示すように3つのバンド係止孔12c1〜1cb3のうち、先端部側のバンド係止孔12c1のみを使用してバンド2の他端を折り返して溶着等して係止するようにしても良い。要は、3つのバンド係止孔12c1〜12c3を適宜使用して当該バンド2の他端を係止できれば良い。
【0025】
また、ベース部12の底面側、すなわち電柱3側の前後端部の4隅には、
図6(b)〜(d)等に示すように、それぞれ、脚部12dを設けている。そのため、このバンド締付具1は、電柱3などに取付ける場合も、電柱3にはベース部12の底面が直接当接せず、4本の脚部12dが当接することになる。その結果、バンド2の一端が接続された回動レバー11を回動させてベース部12に対しロックする際、脚部12dが存在しないベース部12の中央部近傍が電柱3側に撓む(曲がる)ことになり、伸びがほとんど無いバンド2でも、過大な力を必要とせずに電柱3等の対象物に巻き付けることができる。
【0026】
ここで、この脚部12dの高さは、バンド2の厚さより大きくすると良い。なお、本発明では、脚部12dを設けることも必須ではなく、省略しても良い。また、4本の脚部12dの代わりに、ベース部12底面の前後両端部にそれぞれベース部12の短手方向に伸びる凸条部を設けるようにしても勿論良い。
【0027】
以上のように、このベース部12では、裏面に4本の脚部12dを設けるだけでなく、後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍に側壁を設けず、かつ、電柱3とは反対側に出っ張るように湾曲した湾曲部12c4を設けているので、これらの相乗効果から回動レバー11を閉める際、ベース部12の中央部近傍の湾曲部12c4で撓み易い。その結果、このようなベース部12の特徴により、伸びがほとんど無いバンド2でも、過大な力を必要とせずに電柱3等の対象物に巻き付けることが可能となる。
【0028】
なお、
図6(a)および
図7(a),(b)に示すように、ベース部12の上面であって、回動レバー11のバンド巻付部11aに斜め方向に対向する箇所には、全開状態の回動レバー11の裏面側のバンド挿通孔11a1から挿入されたバンド2の一端をその傾斜面ないしは湾曲面等によって上方へ反り返らせる山部12eが設けられている。これにより、後述するように全開状態の回動レバー11のバンド巻付部11aからベース部12の上面に向かってバンド2の一端を挿入した際、その山部12eによりバンド2の一端が跳ね返され、斜め上方向へ延びる。そのため、バンド締付具1が小さく、また、バンド2が薄く曲がり難い場合でも、バンド2の一端が山部12eにより斜め上方向に跳ね返されることにより、作業者はバンド2の一端を掴み易くなる。これにより、このバンド締付具1を使用した作業の作業性が向上する。なお、本発明では、この山部12eを設けることも必須ではなく、省略できる。
【0029】
次に、このバンド締付具1の使用方法について、
図8〜
図10を参照して説明する。
【0030】
図8(a)〜(c)は、それぞれ、バンド2の他端をベース部12のバンド係止孔12c1のみに通して折り返し溶着して係止し、全開状態の回動レバー11にバンド2の一端を取付ける前の状態を示す平面図、正面図、F−F線断面図である。なお、バンド2の他端は、溶着に限らず、バンド2の他端の折り返し部分に図示しない筒部等を通してカシメる等して係止するようにしても良い。また、後述する
図13に示すようにバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通して係止するようにしても良い。従って、バンド2の一端は、バンド2を電柱3等の外周に廻した後に、回動レバー11のバンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1に、バンド2の長さや引張力を適宜調整しながら挿入することになる。
【0031】
図9(a)〜(c)は、それぞれ、全開状態の回動レバー11にバンド2の一端を挿入し、山部12eにより上方へ折り返される状態を示すF−F線断面図である。
【0032】
まず、
図8に示すようにバンド2の他端がベース部12に係止されたバンド締付具1を電柱3に当てた状態で、バンド2の一端をその電柱3の周面に沿って一周させ、
図9(a)に示すように、全開状態の回動レバー11の中央開口部11dの表面側から通し、裏面側から回動レバー11のバンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1からベース部12の表面に向かって挿入する。
【0033】
すると、
図9(b)に示すように、バンド2の一端の先端部は、ベース部12の上面に設けられた山部12eの表面に当接し、山部12eの表面により斜め上方向へ跳ね返される。さらにバンド2を押し込むと、
図9(c)に示すように山部12eによって斜め上方向へ跳ね返されて、電柱3から離れる方向に延びていく。そのため、バンド締付具1が小さく、また、バンド2が曲がり難い場合でも、回動レバー11のバンド巻付部11aに挿入したバンド2の一端は、ベース部12の表面に沿って延びることなく、電柱3の表面から浮き上がってくるので、作業者はバンド2の一端を掴み易くなる。その結果、回動レバー11にバンド2の一端を挿入した後のバンド2の長さや引張力(テンション)の調製も行い易くなり、作業性が向上する。なお、
図9(c)に示す状態でバンド2の一端を引っ張り、電柱3の周りを回るバンド2に緩みがなくなって、手で支えなくても電柱3からバンド2およびバンド締付具1が落下しない状態を仮止め状態とする。
【0034】
図10(a)〜(c)は、それぞれ、全開状態の回動レバー11にバンド2の一端を挿入後、回動レバー11を回動させてロック状態になるまでの状態を示すF−F線断面図で、
図10(a)は、全開状態の回動レバー11を60度ほど回転させた状態を示しており、
図10(b)は、さらに回転させて、全開状態の回動レバー11から120度ほど回転させた状態、
図10(c)は、さらに回転させて、全開状態の回動レバー11から180度回転させて、完全に閉じた状態、すなわちロック(閉止)状態を示している。
【0035】
また、
図10(a)〜(c)から明らかなように、バンド巻付部11aのバンド挿通孔11a1にバンド2を挿入した回動レバー11を、
図9に示す全開状態から、
図10(a)に示す60度ほど回転させた状態、
図10(b)に示す120度ほど回動させた状態、さらに
図10(c)に示す180度ほど回動させたロック状態に向けて回動していくと、バンド2の一端は、バンド巻付部11aの角部11a2(
図4参照。)で折れ曲がり、バンド巻付部11aの外周面に巻き付いていく。そして、
図9(c)に示すように、回動レバー11が全開状態にあるときには、下方にあったバンド巻付部11aの角部11a2は、
図10(c)に示すような完全に閉じたロック状態では、180度回動して、バンド巻付部11aの上方に来る。
【0036】
そのため、回動レバー11がロック状態にあるときには、バンド巻付部11aの角部11a2で折れ曲がったバンド2の上にさらに引張力のかかったバンド2が重なることにより、下側のバンド2が上側のバンド2と角部11a2との間で鋭角的に挟まれることになる。その結果、バンド2の一端を溶着しないでも、バンド巻付部11aのバンド挿通孔11に挿入し回動レバー11を回動させるだけで、所望の引張力がかかった状態でバンド2を回動レバー11に固定できることになる。
【0037】
図11(a)〜(c)は、それぞれ、
図10(a)〜(c)に示す回動レバー11の各回動状態における回動レバー11の上面に対し垂直方向から見た場合の摺接部11cとバンド2との関係を示す図である。
【0038】
つまり、
図10(a)に示すように回動レバー11を全開状態から60度ほど回動させた状態では、
図11(a)に示すように、バンド2はバンド巻付部11aにまだ少量しか巻き付けられていないため、バンド2にかかる引張力は弱く、バンド2は摺接部11cの両側で当接する程度である。
【0039】
しかし、回動レバー11をさらに回動させていくと、バンド2は摺接部11cに摺接して回動レバー11の先端部側に引っ張られながらバンド巻付部11aに巻き付いていく。そのため、
図10(b)に示す120度ほど回動させた状態では、バンド2にかかる引張力は、
図10(a)に示す60度ほど回転させた状態よりも強くなる。その結果、
図10(b)に示す120度ほど回動させた状態では、
図11(b)に示すように、
図11(a)に示す場合よりもバンド2はその幅方向(回動レバー11の短手方向または回動軸部11eの回動軸方向)の中央部が撓み、摺接部11cとの摺接部分が増加する。
【0040】
そして、さらに回動レバー11を回動させ、回動レバー11を全開状態から180度ほど回転させた
図10(c)に示すロック(閉止)状態では、バンド2はバンド巻付部11aへの巻き付き量が最大となり、しかも、摺接部11cが回動レバー11の先端側により近付くため、バンド2にかかる引張力は、
図10(b)に示す120度ほど回転させた状態よりも強くなる。その結果、摺接部11cにおけるバンド2は、
図11(c)に示すように、
図11(b)に示す場合よりもバンド2の幅方向の中央部がより撓み、摺接部11c全部にほぼ接触するようになり、摺接部11cとの摺接部分が増加する。
【0041】
つまり、バンド2の他端はベース部12に係止する一方、バンド2の一端は電柱3の周りを回した後、回動レバー11のバンド挿通孔11a1に挿入したバンド2の仮止め状態で、回動レバー11を開放状態からロック状態へ回動させると、バンド2の一端は、バンド巻付部11aに巻き付けられていくと同時に、摺接部11cとの摺接部分がより回動レバー11の先端部側に移動していくので、バンド2の引張力は徐々に大きくなる。しかし、このバンド締付具1の回動レバー11では、バンド2に摺接しバンド2を回動レバー11の先端部側へ引っ張る摺接部11cは、その幅方向の両側より中央部の方が回動軸部11fの回転中心側に窪んだ湾曲形状に形成されているため、バンド2の幅方向の中央部は、その両側よりも短い半径でバンド巻付部11aを回ることになる。そのため、摺接部11cに摺接して引っ張られるバンド2の幅方向の両側では、引張力が強く作用するものの、バンド2の幅方向の中央部では、両側ほどの引張力は作用しないので、伸びがほとんど無いバンドでもバンド締付具1全体を大型化させず、また過大な力も必要とせずに電柱3等の対象物に巻き付け固定することができる。
【0042】
以上説明したように、このバンド締付具1では、摺接部11cの湾曲形状により回動レバー11を回動させてベース部12にロックする際にバンド2にかかる引張力を軽減させているだけでなく、上述したようにベース部12の底面側の4隅に脚部12dを設けた点、ベース部12の後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍に側壁を設けない点、さらにはベース部12の中央部付近に電柱3とは反対側に出っ張るように湾曲した湾曲部12c4を設けた点によってもバンド2にかかる引張力によりベース部12の中央部近傍が電柱3側に撓む(曲がる)ようにして、バンド2にかかる引張力を軽減させて、伸びがほとんど無いバンド2でも、バンド締付具1自体を大型化させず、また過大な力も必要とせずに電柱3等の対象物に巻き付けることができる。
【0043】
つまり、このバンド締付具1では、電柱3等の取付対象物の保持に必要な締付(引張)力の確保と、回動レバー11の起倒操作性の確保という従来は互いに阻害要因として作用していた課題を、上述の摺接部11cの湾曲形状にした点と、ベース部12の底面4隅に脚部12dを設けた点、ベース部12の後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍に側壁を設けない点、さらにはベース部12の中央部付近に電柱3とは反対側に出っ張るように湾曲した湾曲部12c4を設けた点等の構成を組合わせ、これらの構成の相乗効果により解決したものである。
【0044】
なお、このバンド締付具1では、摺接部11cの湾曲形状により回動レバー11を回動させてベース部12にロックする際にバンド2にかかる引張力を軽減させた点、ベース部12の底面側の4隅に脚部12dを設けた点、ベース部12の後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍に側壁を設けない点、さらにはベース部12の中央部付近に電柱3とは反対側に出っ張るように湾曲した湾曲部12c4を設けた点等の構成を全て有するものとして説明したが、本発明では、これに限らず、摺接部11cの湾曲形状によりロックする際のバンド2にかかる引張力を軽減させていれば十分であり、また、この摺接部11cの湾曲形状にして引張力を軽減させる構成と、ベース部12の底面側の4隅に脚部12dを設けた点、ベース部12の後方側壁12a1と前方側壁12b1との間の中央部近傍に側壁を設けない点、さらにはベース部12の中央部付近に電柱3とは反対側に出っ張るように湾曲した湾曲部12c4を設けた点のいずれか1つまたは2つを任意に組合せるようにしても良い。
【0045】
図12は、回動レバー11の舌片部11dによるバンド押さえ機能を示す図である。
【0046】
つまり、回動レバー11の舌片部11dは、回動レバー11本体の底面よりも下方に突出しているので、
図12に示すように、バンド2の一端が回動レバー11のバンド巻付部11aから舌片部11dにまで達している場合でも、この舌片部11dがそのバンド2の一端を上から押さえてハンド2の他端および電柱3等に沿うようにし、ハンド2の他端および電柱3等から浮き上がることを防止できる。
【0047】
図13は、バンド2の他端をバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通すことにより係止した状態を示すF−F線断面図である。
【0048】
図13に示すように、バンド2の他端は、バンド係止孔12c1〜12c3にその順に連続して通すことによりベース部12に係止できる。詳細には。バンド2の他端を、バンド係止孔12c1では上方から挿入し、バンド係止孔12c2では下方から挿入し、バンド係止孔12c3では再度上方から挿入する。すると、最後には、バンド2の他端は、ベース部12の底面と電柱3の表面との間の隙間を延びていくことになり、ベース部12の底面の反対側から突出したとしても、バンド2の一端により覆われることになる。このようにバンド2の他端をバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通すことによりベース部12に係止すると、ベース部12側でもバンド2の長さなどを調整できる。従って、現場にて、バンド2の他端の長さを調節等しながらベース部12に係止できる。
【0049】
また、この順序でバンド2の他端をバンド係止孔12c1〜12c3に連続して通すと、
図13に示すように、湾曲部12c4では、バンド2は、ベース部12の上面側を通り、底面側を通らないため、ベース部12の脚部12dの存在も併せて、湾曲部12c4の底面と電柱3との間に空間ができるので、この点でも、その湾曲部12c4で電柱3側に撓み(曲がり)易い。また、回動レバー11を閉める際、バンド2に引張力がかかるが、湾曲部12c4の上面を通るバンド2にも引張力がかかるため、この点でも湾曲部12c4でベース部12が電柱3側に撓み(曲がり)易くなる。ただし、本発明では、バンド係止孔12c1〜12c3へのバンド2の他端の通し方は、この方法に限らず、要は、3つのバンド係止孔12c1〜12c3を適宜使用して当該バンド2の他端を係止できれば良い。
【0050】
図14は、ベース部12の変形例であるベース部12’を示す図であって、(a)は正面図、(b)はC−C線(
図6(a)参照。)断面図である。
【0051】
図14(a),(b)に示すように、ベース部12’の湾曲部12c4’は、図上下方である電柱3等の対象物に出っ張るようにしても良い。ただし、この場合には、湾曲部12c4’が電柱3等に突出して撓んでも支障がないように、
図14(a),(b)に示すように少なくともベース部12’の下面に対する湾曲部12c4’の突出量よりも脚部12dの高さを高くする。要は、側壁の存在しないバンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3の間の区間が撓み易くなるように湾曲していれば良く、湾曲部が連続した波形状になっていても良いし、その湾曲部の代わりベース部12’の上面または下面、またはその両面を局所的に窪ませて厚さの薄い薄肉部(図示せず。)を設け、側壁の存在しないバンド係止孔12c2とバンド係止孔12c3の間の区間が撓み易くなっていれば良い。