特許第5696095号(P5696095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5696095
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】固定振れ止め
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/76 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   B23Q1/76 S
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-124324(P2012-124324)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-13993(P2013-13993A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2013年7月2日
(31)【優先権主張番号】11172350.8
(32)【優先日】2011年7月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596007164
【氏名又は名称】エスエムヴェー アウトブローク シュパンジステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】エックハルト マウラー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン マルクヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト シェミング
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−157742(JP,A)
【文献】 特開2003−117747(JP,A)
【文献】 特開平04−365556(JP,A)
【文献】 実開平06−009841(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転対称な加工部品を空間において心出しするための固定振れ止め(1)であって、
格納ケース(2)及び格納ケースカバー(3)と、
一つのガイドスライド(7)及び第一作動ロッド(5)と、
二つの制御面(8)と、
真中の固定振れ止めアーム(6)と、
二つの外側の固定振れ止めアーム(9、10)とで構成され、
前記格納ケース(2)と格納ケースカバー(3)は互いに固く結合されて内部空間(4)を形成し、
前記一つのガイドスライド(7)は軸方向に調整可能な配置で前記内部空間(4)内に取り付けられ、且つ、前記第一作動ロッド(5)は前記ガイドスライド(7)と確動結合状態にあり、
前記二つの制御面(8)は、前記ガイドスライド(7)上に互いに逆向きに形成され、前記ガイドスライド(7)が特に三角形の断面形状を有し、その一つの頂点が前記加工部品(12)の方を向いており、反対側の二つの頂点は前記第一作動ロッド(5)の方を向いており、
前記真中の固定振れ止めアーム(6)は、前記第一作動ロッド(5)と結合状態にあり、
前記二つの外側の固定振れ止めアーム(9、10)は、各々前記真中の固定振れ止めアーム(6)に隣り合って配置され、前記格納ケース(2)及び/又は格納ケースカバー(3)内に旋回可能に取り付けられ、且つ、その第一自由端(11)は前記ガイドスライド(7)の前記制御面(8)と接触しており、その際、反対側の第二自由端(13)がクランプ留めすべき加工部品(12)の周りを把持しているので、前記真中の固定振れ止めアーム(6)と共に三点支持を形成して加工部品(12)を保持する、固定振れ止め(1)において、
前記第一作動ロッド(5)は、その中に加工された通路孔(14)を有しており、その中に力作動要素(15)が挿入されること、及び、
前記力作動要素(15)は、中間要素(16、17、20、30、35)によって、第一及び第二調整装置(31及び32)と係合状態にあり、前記加工部品(12)がクランプ留めされると、前記第一調整装置(31)は、前記三つの固定振れ止めアーム(6、9、10)を互いに一緒に且つ同時に、前記クランプ留めした状態で加工部品(12)を水平面内において位置合せするための指定の位置に調整することが可能であり、且つ、前記第二調整装置(32)は、前記クランプ留めした状態の加工部品(12)を垂直面内において位置変化するために前記二つの外側の固定振れ止めアーム(9、10)の位置を調整可能であること、を特徴とする、固定振れ止め。
【請求項2】
二つの腎臓形状をした第一及び第二押面(26、27)が力作動要素(15)上に設けられ、互いに逆方向に、且つ、互いに交差して伸び、さらに、格納ケース(2)又は格納ケースカバー(3)に面していることを特徴とする、請求項1に記載の固定振れ止め。
【請求項3】
力作動要素(15)は、二つの前記第一及び第二調整装置(31及び32)から生じる調整力を切り離し、この切り離しが、前記第一調整装置(31)の水平に作用する力の成分と、前記第二調整装置(32)の垂直な力の成分とが、前記力作動要素(15)上に交互に又は一緒に作用すること、及び、前記力作動要素(15)が、第一及び第二調整装置(31及び32)、又は、それらの個々の中間要素(16、17、20、30、35)の間の相対運動をもたらすことにおいて成し遂げられること、を特徴とする、請求項1又は2に記載の固定振れ止め。
【請求項4】
水平方向の前記第一調整装置(31)が一つの第二作動ロッド(35)で構成され、当該第二作動ロッド(35)は、前記第一作動ロッド(5)の移動方向に対し直角に格納ケース(2)内に設置され、且つ、その中に可動配置状態で取り付けられ、内部空間(4)に面している当該第二作動ロッド(35)の自由端には調整板(30)が形成されること、
前記調整板(30)は、その上に形成された一つの腎臓形状をした第三押面(34)を有しており、当該第三押面(34)は前記水平面からある角度をつけられており、且つ、加工部品(12)の方へ向いていること、
格納ケース(2)が、その中に加工された第三ガイド溝(18)を有しており、当該第三ガイド溝(18)は前記水平面からある角度をつけられており、当該第三ガイド溝(18)内には軸方向に調整可能な第一ガイドストリップ(16)が挿入され、前記第一ガイドストリップ(16)自身、その中に加工された第一ガイド溝(22)を有しており、当該第一ガイド溝(22)は、前記水平面からある角度をつけられ、前記調整板(30)と確動結合状態で前記第三押面(34)に適合され、且つ、前記第三ガイド溝(18)に対し交差路内を又は逆の角度で伸びていること、
前記第一ガイドストリップ(16)は、組立てられた状態で前記真中の固定振れ止めアーム(6)と固く結合されること、及び、
前記力作動要素(15)は、その上に形成された一つのレールを有しており、当該レールは、軸方向に調整可能な配置で、長手方向軸と平行に前記第一ガイド溝(22)内に取り付けられること、を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項5】
力作動要素(15)が、前記第一作動ロッド(5)と反対側に加工部品(12)の垂直方向調整用の腎臓形状をした第一押面(26)を有しており、前記第一押面(26)は、当該第一押面(26)に対応する保持溝(28)をその中に加工されて備えている送り板(20)内に挿入されること、
前記送り板(20)が、ガイドスライド(7)内に加工された開口部(21)内に挿入されること、
力作動要素(15)の第二押面(27)が、ガイドスライド(7)と送り板(20)とで形成された面から突き出しており、且つ、前記水平面からある角度をつけられて伸びる第二ガイド溝(23)をその中に加工されて備えている第二ガイドストリップ(17)内に、確動結合により挿入されること、
前記第二ガイドストリップ(17)が、格納ケースカバー(3)内にある角度をもって加工された第四ガイド溝(19)内に、軸方向に調整可能に取り付けられること、ここで前記角度は前記第四ガイド溝(19)と逆方向に又は交差して伸びる、及び、
前記第二ガイドストリップ(17)はある角度をもって伸びる調整溝(24)を有し、当該調整溝内には、外側から接触可能な第二作動ロッド(35)によって垂直方向に可動な調整板であって、格納ケースカバー(3)上を直線方向に可動な調整板(30)が、腎臓形状をした第三押面(34)によってもたらされる確動結合により挿入されること、を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項6】
格納ケース(2)に面している力作動要素(15)の第二押面(27)が、前記第一調整装置(31)の第一ガイドストリップ(16)の第一ガイド溝(22)内に軸方向に調整可能に挿入された、水平方向に伸びるレール(36)を有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項7】
送り板(20)内の保持溝(28)は、力作動要素(15)の腎臓形状をした第一押面(26)の長手方向の範囲よりも長い、長手方向範囲を有していること、及び、
前記力作動要素(15)が、前記送り板(20)を基準として、溝形状をした開口部(21)の方へ可動であること、を特徴とする、請求項5又は6に記載の固定振れ止め。
【請求項8】
真中の固定振れ止めアーム(6)が、その中に加工された溝形状をした開口部(21)を有しており、当該開口部は、前記第一作動ロッド(5)の通路孔(14)と概ね同じ高さであり、力作動要素(15)の部分は、前記開口部(21)を、前記第一調整装置(31)の第二ガイドストリップ(17)の方向へ通り抜けることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項9】
第四ガイド溝(19)が、水平面から3°〜10°の角度をもって格納ケースカバー(3)内に加工されること、
第二ガイド溝(23)が、第二ガイドストリップ(17)の設置条件に関して、前記角度と同じ大きさであるが反対方向の角度で配置されること、及び、
軸の長手方向と平行に特に可動であるレール(33)が前記第二ガイド溝(23)に挿入されること、を特徴とする、請求項4に記載の固定振れ止め。
【請求項10】
第三ガイド溝(18)が、水平面から3°〜10°の角度をもって格納ケース(2)内に加工されること、
第一ガイドストリップ(16)内に加工された第一ガイド溝(22)が、前記角度と同じ大きさであるが逆方向又は交差している角度をもって伸びること、及び、
前記第一ガイド溝(22)に挿入されたレール(36)が、軸の長手方向と平行に可動であること、を特徴とする、請求項5に記載の固定振れ止め。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1のプレアンブル部(おいて部)に係る、回転対称な加工部品を空間において心出し(センタリング)するための固定振れ止めに関連している。
【背景技術】
【0002】
この種類の固定振れ止めは、回転対称な加工部品を工作機械上で支持するために、何十年もの間用いられてきた。特に重くて長い回転対称な加工部品の場合、当該加工部品の湾曲を防ぐために、互いに間隔をあけた一つ以上の固定振れ止めによってそれらを空間において中央に固定する必要がある。つまり加工部品は、特に金属切削を含む機械加工するために回転する場合に、自身の重量を受けて湾曲する。
【0003】
また、一連の多くの機械加工工程において、加工部品に作用する更なる機械加工力が作り出され、それによって加工部品の中心位置が変化することもありえた。従来の固定振れ止めは、したがって、加工部品に作用する機械加工力がこのような位置変化を生じることを防ぐことを意図された。
【0004】
金属切削を含む機械加工は加工部品の重量を減じて、しばしば位置変化も生じる、それにより、加工部品の所定の重量減少後に、長手方向の軸が、重心軸からずれることなく直線に沿って伸びるクランプ留めした加工部品となるように、固定振れ止めを再び開放して前記加工部品を空間において位置決めしなければならない。
【0005】
加工部品の重心軸用の内部調整装置を備えた固定振れ止めが、特許文献1に開示されている。これを成し遂げるために、加工部品の垂直方向の心合わせ(位置合せ)を成し遂げる互いに別々に動かされるべき二つの外側の固定振れ止めアームが必要となる。加工部品の水平方向の心出しは、同時に又は互いに違う時に加工部品と作動接触するようになる、三つの固定振れ止めアーム全てが共同して実施する。
【0006】
特許文献1は、著しく複雑なデザインを有する、複数の固定振れ止めアームの、垂直及び水平方向における心合わせ(位置合せ)用調整装置を提案している。
【0007】
加工部品を心出しするために開放しなければならないことが、この種類の調整装置の不利益となることが証明された。これに続き、前記三つの固定振れ止めアームの停止点を、空間における加工部品の必然的な位置ずれに伴って変化させなければならないのである。
【0008】
この後、前記三つの固定振れ止めアームは、加工部品を再度掴んで保持する。
【0009】
この最新技術は固定振れ止めアームの送り運動を調整することに対しては有効と証明されたが、しかしながら、当該固定振れ止めアームを開放する必要があり、それにより、固定振れ止めのクランプ力がもはや加工部品に作用しなくなり、そしてこのことは、特に重い加工部品について、著しい位置ずれが生じることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP 0 554 506 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、高い機械加工力によって空間で加工部品の位置を変化することなく高い機械加工力が確実に維持されることと同時に、加工部品から取り除かれるべき前記三つの固定振れ止めアームの接触効果を必要とすることなく、前記固定振れ止めアームの位置を変化することにより、迅速で容易に当該空間における加工部品の心出しが調整され、その結果、加工部品がクランプ留めされた際に加工部品の空間位置が所望のとおりに調整され得ることを保証する、上述した種類の固定振れ止めをもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にしたがうと、これら課題は、特許請求項1の特徴構成部分の特徴によって解決される。
【0013】
また本発明の有利な実施形態は、従属請求項から得られる。
【0014】
作動ロッド内に加工された通路により、相対運動を二つの調整装置間で生じさせるために力作動要素を当該作動ロッドに誘導することが可能となり、それによって、三つの固定振れ止めアームを共に調整して加工部品を水平に動かすことが可能であり、及び/又は、それによって、ガイドスライドの制御面が互いに同時に垂直方向に動かされて加工部品の垂直心出しを成し遂げることが可能である。この結果、加工部品は、水平のみならず、垂直にも、クランプ留めされた状態で心出しすることが可能であり、加工部品のクランプ状態がこのようにして維持され得る。
【0015】
二つの調整装置を用いることは特に有利な構成を意味する、というのも、加工部品が、互いに直角に伸びる二つの面内で心合わせ(位置合せ)され得ることを意味するからである。しかしながら、二つの調整装置のうち一つだけを固定振れ止めに接続することも可能である。
【0016】
外側にある二つの固定振れ止めアームの空間位置を変化するための、三つの固定振れ止めアーム又はガイドスライドの垂直方向への互いに独立した相対運動をもたらすために、格納ケースカバー又は格納ケース内において、前記複数の調整装置が互いに空間間隔をあけて配置されることが特に有利である、というのも、これはクランプ留めした加工部品を水平方向に、及び/又は、垂直方向において、同時に又は別々に心出しすることを可能にするからである。
【0017】
互いに固く結合され、互いに逆に且つ交差して伸び、格納ケース又は格納ケースカバーに面する、二つの腎臓形状をした押面(モールディング:moulding)で構成された力作動要素において、この種類の相対運動が成し遂げられ、それによって、前記(複数の)調整装置が、中間要素を介して力作動要素と駆動能動結合(driving active connection)状態であり、その結果、調整装置の僅かな動きが力作動要素に伝達され、そこから、水平方向の共同調整のために三つの固定振れ止めアームへ渡されるか、又は、外側の固定振れ止めアームの垂直方向心合わせのためにガイドスライドへ渡され、その際、調整装置の等しい力の成分が互いに切り離される。
【0018】
図面は、本発明にしたがって構成された固定振れ止めの例示的な実施形態を表しており、その詳細は以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】格納ケースと格納ケースカバーとを備えた固定振れ止めを表しており、前記格納ケースと格納ケースカバーは互いに固く結合され、それによって内部空間が形成され、その中おいて、三つの固定振れ止めアームと駆動能動結合状態にある作動ロッドが、空間内で心出しされた加工部品を保持するために軸方向に調整可能な配置である、格納ケースカバーが最前面にある分解図である。
図2】格納ケースが最前面にある、図1に係る固定振れ止めの分解図である。
図3a図1に係る固定振れ止めの拡大小区分図である。
図3b図1に係る固定振れ止めの、作動ロッドと、真中の固定振れ止めアームの分解図である。
図4図2に係る固定振れ止めの拡大小区分図である。
図5a図4に係る固定振れ止めの、さらに拡大した小区分図である。
図5b図2に係る固定振れ止めの拡大小区分図である。
図6a図1に係る固定振れ止めの拡大小区分図である。
図6b図2に係る固定振れ止めの拡大小区分図である。
図7】組立てられた状態の、図1に係る固定振れ止めの側面図である。
図8】断面線VIIIに沿った、図7に係る固定振れ止めの図である。
図9】切断線IXに沿った、図7に係る固定振れ止めの図である。
図10】水平方向の中央位置にある図7に係る固定振れ止めの図である。
図11】断面線XI−XIに沿った、図10に係る固定振れ止めの図である。
図12】断面線XII−XIIに沿った、図10に係る固定振れ止めの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜12は、三つの固定振れ止めアーム6、9、10によって加工部品12の空間心出しをするための固定振れ止め1を表している。この手段により、加工部品12がクランプ留めされた状態で、即ち、固定振れ止めアーム6、9、10が加工部品12の外側ジャケット面にしっかりと接触して空間内で固定している際に、前記固定振れ止めアーム6、9、10の垂直方向の、及び/又は、水平方向の移動によって当該加工部品12の空間位置決めが可能となるはずである。先ず、前記固定振れ止め1の構造設計を、次に、選択肢設定、及び、結果として得られる固定振れ止め1の機能モードを説明する。
【0021】
図1、2、3aは、格納ケース2と格納ケースカバー3で構成される固定振れ止め1を表しており、組立てられる際にこれらは互いに結合されて内部空間4を形成する。前記内部空間4は第一作動ロッド5を有しており、当該第一作動ロッドは当該内部空間内に配置され、且つ、加圧ピストン5’と能動結合(アクティブ結合)して置かれており、その結果、格納ケース2及び格納ケースカバー3内を軸方向に前後に動くことができる。以下により詳細に説明するように、真中の固定振れ止めアーム6は、複数の中間要素を介して第一作動ロッド5と駆動結合状態になる。
【0022】
また、ガイドスライド7が、より詳細に説明するようにして第一作動ロッド5に取り付けられる。ガイドスライド7は、特に三角形の断面形状を有している。前記三角形の三頂点のうち一つは、クランプ留めすべき加工部品12の方へ面しており、一方で、一つの共用軸内にある三角形の他の二点は第一作動ロッド5の方へ面しており、それによって、前記三角形の二点によって形成された前記軸は、第一作動ロッド5に対して直角に伸びる。前記ガイドスライド7の側面上にある二つの端面は、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10用の制御面8として機能する形状を有している、というのも、ガイドスライド7に面しているそれら(アーム)の自由端11が、ガイドスライド7の対応する制御面8と遊びのない状態で接触するように設置されるからである。
【0023】
また、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10は、連結ピン25を介して格納ケース2及び格納ケースカバー3上に旋回可能に取り付けられているので、第一作動ロッド5の軸方向の運動中に、真中の固定振れ止めアーム6と二つの外側の固定振れ止めアーム9、10の両者が、加工部品12の方へ同時に動かされ、一般的に言うと、加工部品の外側ジャケット表面との能動接触を同時に生じさせる。第一作動ロッド5を前方へ動かせば動かすほど、三つの固定振れ止めアーム6、9、10によって加工部品12上へかけられるクランプ力は大きくなる。
【0024】
前記二つの外側の固定振れ止めアーム9、10は、連結ピン25によって旋回可能に取り付けられ、且つ、ガイドスライド7は、真中の固定振れ止めアーム6と同様に、加工部品の方へ直線方向に前進する、その結果、前記二つの外側の固定振れ止めアーム9、10は、加工部品12の方へ連結ピン25の周りを旋回する。この場合、ガイドスライド7上にある二つの制御面8の形状は、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10の旋回運動が互いに、且つ、真中の固定振れ止めアーム6と同時に生じるように構成しなければならない。真中の固定振れ止めアーム6で覆われた距離と、加工部品12の方を向いている外側の固定振れ止めアーム9、10の二つの自由端13で覆われた距離は異なっているので、真中の固定振れ止めアーム6ならびにガイドスライド7の線送り速度が同じであるが、外側の固定振れ止めアーム9、10の送り距離が真中の固定振れ止めアーム6のものよりも長い場合には、外側の固定振れ止めアーム9、10の送り速度は制御面8によってより速くなる。二つの外側固定振れ止めアーム9、10の旋回の結果生じる調整運動に対応する物理的/数学的埋め合わせが、したがって制御面8の形状によって成し遂げられる。
【0025】
図3bは、特に、第一作動ロッド5が、その中に長方形の内側形状でもって加工された通路孔14を有していることを表している。前記通路孔14は、その中に挿入される力伝達器15を有しており、それによって、直角にずれた二つの調整力が、交互に又は同時に互いに破断効果を及ぼす前記二つの異なる調整力の均整なしで伝達される。逆に、加工部品12がクランプ留めされる場合に、垂直及び/又は水平面における加工部品12の空間位置に影響を及ぼす、第一及び第二調整装置31、32によって与えられる(複数の)調整力は、加工部品12の空間心出しを成し遂げるように、互いに別々に加工部品12に作用できるようにすべきである。
【0026】
加圧ピストンによって第一作動ロッド5上に加えられるクランプ力は、真中の固定振れ止めアーム6及びガイドスライド7の両者、ならびに、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10にも絶えず作用する。
【0027】
力作動要素15は、その二つの向かい合った端面のそれぞれに形成された、腎臓形状をした第一押面26又は第二押面27を有する正方形のブロックとして構成され、前記押面は互いに交差し、且つ、前記端面の同じ対角線に沿って伸びる。力作動要素15の、第一の腎臓形状をした第一押面26は、ガイドスライド7の方に面しており、且つ、第二の腎臓形状をした第二押面27は、格納ケース2の方に面している。
【0028】
図3aは、一つの送り板20が前記第一の腎臓形状をした第一押面26の上に設置され、且つ、当該送り板20は、その中に加工された溝28を有しており、その並びは、力作動要素15の第一押面26の形に適合していることを表している。しかしながら、前記溝28の長さは第一押面26の長手方向の範囲よりも長く、それによって、送り板20は力作動要素15に対して溝28の長手方向に可動である。前記溝28の長手方向軸と平行して延びる、溝28の複数の側壁は、しかしながら、第一押面26の側面上に遊びがない状態で配置されている。
【0029】
前記送り板20は、締付ねじ29によって第一作動ロッド5上に保持されたガイドスライド7内に加工された開口部21内に、遊びがない状態で挿入される。
【0030】
図3b、4、及び5aは、どのような構成手段によってガイドスライド7が第二垂直方向調整装置32と相互作用するかを表している、というのも、前記ガイドスライド7はその中に加工されたガイド溝39を備えており、その中において、ガイド板38が軸方向に可動であるが垂直方向に遊びがない状態で挿入されるからである。レール33が、ガイドスライド7に面していない側のガイド板38上に形成され、その際、レール33は、ガイドスライド7の長手方向軸に対する水平面と平行に伸びる。前記レール33は、第二ガイドストリップ17内に加工された第二ガイド溝23内を軸方向に移動可能であるが、垂直方向には遊びのない状態で取り付けられる。前記第二ガイドストリップ17は、約5°の角度をもって、格納ケースカバー内に加工された第四ガイド溝19内に設置され、且つ、軸方向に可動である。第二ガイドストリップ17内に設けられた第二ガイド溝23は、前記第四ガイド溝19の角度位置とは交差状態で又は逆の角度の、約5°の角度で伸び、それによって、設置された状態において、前記レール33は長手方向軸と平行に動かされるが、第二ガイドストリップ17とは遊びのない状態で係合している。前記垂直面から或る角度をもって成形された切欠24が、ガイド板38に面していない第二ガイドストリップ17の側に設けられ、且つ、前記切欠24は、前記垂直面について、且つ、加工部品12の方向に、約20°の角度で伸びる。
【0031】
格納ケースカバー3内の切欠24は、腎臓形状をした第三押面34を挿入されて備えている調整板30を有しており、調整板30は第二作動ロッド35によって格納ケースカバー3内を垂直方向に可動である、というのも、前記第二作動ロッド35は外側から接触可能であるからである。
【0032】
このようにして前記第二作動ロッド35が垂直方向に動かされた場合、次に、調整板30の第三押面34と第二ガイドストリップ17との間のハスバ歯車が垂直レベルにおける偏移をもたらし、その結果、角度をつけられたレール33の配置と同時に水平板と連係して上昇又は下降することにより、前記ガイド板38は軸方向に動かされるということは、ガイドスライド7が上方へ又は下方へ、つまり、垂直方向において移動することを意味する。垂直方向へのガイドスライド7の移動は、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10に、互いに同時にガイドスライド7のこの動きを受けさせ、第二作動ロッド35の移動方向に応じて前記垂直面内において加工部品12の空間位置を変化し得るという効果をもたらす。同時に、送り板20が第一押面26に沿って滑り、垂直方向の位置変化は力作動要素15と第一作動ロッド5上には伝わらない。
【0033】
図6aは、加工部品12が水平方向移動するための第一調整装置31の構成を表している。水平面内を伸びるレール36も、腎臓形状をした第二押面27上の力作動要素15に設けられ、レール36の空間範囲は、当該レール36が第一作動ロッド5によって形成された面を通り抜けて、別の第一ガイドストリップ16の方向へこれを越えて突き出るようになっている。格納ケース2に隣接する第一ガイドストリップ16は、その中に加工された第一ガイド溝22を備えており、水平面から5°だけ角度をもって形成されている。設置された状態において、第一ガイドストリップ16は、長手方向軸について約5°の角度で動き、且つ、調整板30と遊びのない状態で係合している、というのも、前記第一ガイドストリップ16は、約5°の角度をもって格納ケース2内に加工された第三ガイド溝18内に、軸方向に調整可能な配置でもって設置されているからである。前記第一ガイド溝22は、長手方向軸について約5°の角度をもって伸びており、その場合、第一ガイドストリップ16、及び/又は、格納ケース内の第三ガイド溝18の配置に対し、交差状態で又は逆の角度をもって伸び、その結果、図6aによると、第一ガイド溝22の動きは、前記長手方向軸と平行である。切欠24が、その端面が第一ガイド溝22の方を向くように第一ガイドストリップ16内に設けられ、且つ、第三押面34を備えた調整板30が前記切欠24内に挿入される。
【0034】
前記第三押面34は垂直面から約20°の角度をつけられ、且つ、加工部品12の方へ向いている。調整板30の高さは、第二作動ロッド35により、格納ケース2内で軸方向に調整可能な配置で変化することが可能であり、その結果、第三押面34と切欠24との間のハスバ歯車によって、第一作動ロッド5の長手方向における、第一ガイドストリップ16の軸方向運動が生じる。
【0035】
第一ガイドストリップ16内の第一ガイド溝22の角度をつけられた配置の結果、力作動要素15の高さは、その上に形成されたレール36との間の確動ロック(ポジティブロック)能動結合によって変化され、その結果、力作動要素15は上昇又は下降され、且つ、真中固定振れ止めアーム6の接触の瞬間、ならびにガイドスライド7の軸方向の送り出し運動は前記第二押面27によって調整される、というのも、真中の固定振れ止めアーム6とガイドスライド7の位置は、水平方向において僅かに変化可能であるからである。加工部品12がクランプ留めされた場合、これは、真中の固定振れ止めアーム6が例えば動かされて加工部品12から僅かに離れたことを意味し、同時に、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10は、前記真中の固定振れ止めアーム6よりも遥かに離れて位置した接触点で加工部品12の周りに達することを意味し、真中の固定振れ止めアーム6が加工部品の方へ動かされる場合、加工部品12上の二つの外側固定振れ止めアーム9、10の接触点においても、真中の固定振れ止めアーム6の方へ同時に変化が生じる、というのも、ガイドスライド7は、真中の固定振れ止めアーム6の位置偏移と同時関連しており、その結果、二つの外側の固定振れ止めアーム9、10の送り出し角度がガイドスライド7の動きに従って調整され且つ変化するからである。
【0036】
図7、8、9は、組立てられ、且つ、垂直中間位置にある状態の、固定振れ止め1を表している。エアギャップ37が、力作動要素15と、特に、第一押面26と送り板20との間に設けられ、その結果、力作動要素15の外側形状は、送り板20の内側形状から距離をあけており、それによって、力作動要素15はエアギャップ37の方向に前後に可動である。
【0037】
図8、9は、特に、第二作動ロッド35から始まり、調整板30がガイドストリップと確動ロック能動結合状態であり、その結果、後者は調整板30と第二ガイドストリップ17の間のハスバ歯車による軸方向の偏移を受け、角度をつけられた第二ガイド溝23の形状の結果、ガイドスライド7は垂直方向において上昇又は下降されることを表している。ガイドスライド7のこの動きは、エアギャップ37により力作動要素15上には伝わらず、したがって、ガイドスライド7の垂直方向の位置合せは、力作動要素15の位置においていかなる変化も引き起こさない。
【0038】
図10、11、12は、三つの固定振れ止めアーム6、9、10の水平方向の調整を表している。水平方向の調整装置31とその第二作動ロッド35から始まり、調整板30は垂直方向において再度上昇又は下降され、その結果、調整板30と第一ガイドストリップ16との間における歯車の形をした確動ロック能動結合が、第一ガイドストリップ16の軸方向の偏移を誘発する。第一ガイド溝22の角度をつけられた配列、及び、レール36と腎臓形状をした第二押面27との間の確動ロック結合は、第一ガイドストリップ16のこの調整が力作動要素15に伝達されることを意味する。力作動要素15の位置におけるこの変化は、真中の固定振れ止めアーム6と、ガイドスライド7とが、前記力作動要素15と送り板20との間の結合により、水平面内を加工部品12の方向へ、又はそれとは離れる方向へ動かされることを意味する。この僅かな変位走行は、次に、三つの固定振れ止めアーム6、9、10の接触位置が、加工部品12と能動接触状態にありながら、同時に変化されることをもたらす。三つの固定振れ止めアーム6、9、10の同時偏移は、加工部品12の空間位置のみ偏移する。クランプ留め状態は開放されないので、これは必要でなくなる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12