(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5696232
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】インタラクティブディスプレイユニット
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150319BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G09F9/00 366A
G09F9/00 362
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-552122(P2013-552122)
(86)(22)【出願日】2011年12月29日
(65)【公表番号】特表2014-511518(P2014-511518A)
(43)【公表日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】EP2011074220
(87)【国際公開番号】WO2012103996
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2013年9月25日
(31)【優先権主張番号】102011009968.9
(32)【優先日】2011年2月1日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102011078127.7
(32)【優先日】2011年6月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502156098
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、 ヤンニン
(72)【発明者】
【氏名】エッピンガー、 アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ジェンドリツァ、 ダニエル
【審査官】
遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/075267(WO,A1)
【文献】
特開平10−187332(JP,A)
【文献】
特開2002−055630(JP,A)
【文献】
特開2002−049295(JP,A)
【文献】
特開2011−002926(JP,A)
【文献】
Savas Tay et al,An updatable holographic three-dimensional display,NATURE,英国,Nature Publishing Group,2008年 2月 7日,Vol. 451,pp494-498
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両インテリア(2)における、情報を提示するためおよび/またはユーザとの相互作用のためのインタラクティブディスプレイユニット(1)であって、
密封配置にある2つの透明な基板キャリア(3.1、3.2)の間の光屈折ポリマー材料層(3.3)を含む少なくとも1つの撮像セル(3)で、各基板キャリアは光屈折ポリマー材料層(3.3)に面する表面上に透明な電極層が設けられており、透明な電極層は光屈折効果を引き起こすために光屈折ポリマー材料層(3.3)に電圧を印加するように制御されているものと、
光屈折ポリマー材料層(3.3)の方向に向けられた伝播をもった少なくとも1つの書き込み光源(5)が、それと平行な基板キャリア(3.1)の1つの上に配置され、触覚センサー/アクチュエーターユニット(6)と、横向きに、光屈折ポリマー材料層(3.3)の方向に向けられた伝播をもった少なくとも1つの読み出し光源(4)が、もう1つの基板キャリア(3.2)の上に配置されていること、
を特徴とするインタラクティブディスプレイユニット。
【請求項2】
触覚センサー/アクチュエーターユニット(6)は、書き込み光源(5)および光屈折ポリマー材料層(3.3)から離れた、関連付けられた透明な基板キャリア(3.2)の外側サイド上に配置されていることを特徴とする、請求項1記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項3】
触覚センサー/アクチュエーターユニット(6)は、多数の交互に配置されたアクチュエーター層(6.2)と電極層(6.1)から形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項4】
アクチュエーター層(6.2)と電極層(6.1)は、各場合において光学的に透明な材料から形成されていることを特徴とする、請求項3記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項5】
アクチュエーター層(6.2)の光学的に透明な材料は、導電性ポリマー、特に電気活性の、特に強誘電性または圧電性のポリマー、金属ポリマー複合物、および/または誘電性エラストマーおよび/または二フッ化ポリビニリデンであることを特徴とする、請求項4記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項6】
触覚センサー/アクチュエーターユニット(6)は、電極層(6.1)を使って個別におよび/またはグループで制御可能なフィールドに分割されていることを特徴とする、請求項3〜5の1つに記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項7】
光屈折ポリマー材料層(3.3)から離れている触覚センサー/アクチュエーターユニット(6)の外側表面は、保護層(7)を有することを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項8】
読み出し光源(4)が異なる発光スペクトルを有する複数の光源を含み、読み出し光源(4)は、書き込み光源(5)の周波数とは異なる周波数の光を発生することを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項9】
マイクロレンズフィールド(8)が、書き込み光源(5)と、関連付けられた透明な基板キャリア(3.1)との間に配置され、そのマイクロレンズフィールドは、特に同一の寸法を有する複数のマイクロレンズ(8.1)を含み、そのマイクロレンズは、相互に直交しお互いと隣り合った行と列のグリッドかまたは六角形グリッドに配列されていることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【請求項10】
光学的拡散器と光学的変調器が、書き込み光源(5)の放射方向におけるマイクロレンズフィールド(8)の上流に配置されていることを特徴とする、請求項9記載のインタラクティブディスプレイユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、特に車両インテリアにおける、情報を提示するためおよび/またはユーザとの相互作用のためのインタラクティブディスプレイユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
視覚についての人の生理学は、3次元で環境を観察することを可能とする。情報の3次元的な提示もまた、例えばディスプレイユニットにおいて使われる。現在知られている3次元技術は、例えばテレビおよび/または映画館において使われているような立体視的方法に基づいている。デジタル画像統合および2次元半透明スクリーンも知られている。しかしながら、情報の3次元的な提示はこれまで、例えばダッシュボード上の情報のように、自動車部門においては稀にしか使われていなかった。
【0003】
知覚についての人間の生理学の別の重要な部分は、触覚知覚である。我々は、感情と同じくらい効果的にタッチによって機能的信号を通信する。視覚はしばしば触覚知覚よりも多様な知覚を供するが、触覚知覚の範囲は依然として驚くほど広く、触覚知覚は特に物理的なユーザインターフェースにとっては根本的に重要なものである。
【0004】
特にタッチ感応ディスプレイユニットまたはタッチディスプレイにおける触覚知覚の一体化は、人とマシーンの間の直接的な相互作用を許容し、それはそれらのディスプレイユニットのユーザフレンドリー性を顕著に改善する。
【0005】
タッチ感応ディスプレイユニットをもった多数の移動デバイスが現在利用可能であり、それらは典型的にはユーザのために光学的および視覚的フィードバックをサポートするが、触覚的フィードバックはサポートしていない。
【0006】
この文脈で知られているのは、マイクロスイッチのような技術的スイッチエレメントであり、それは伝導経路を変更するためのスナップアクションシステムに基づいており、よって多くの電気的デバイスにおいて標準的なコンポーネントとして使われている。シリコーンゴムまたは金属ドームで作られたスナップアクションプレートも知られており、それは目立った圧力ポイントを有し、そこでは結果として得られるクリック効果が触感覚によって主に知覚される。
【0007】
圧電アクチュエーターも知られており、それは圧電効果を利用することによって電圧をロジック信号に変換する。
【0008】
自動車部門におけるユーザインターフェースの発展と共に、特にユーザインターフェースには高い要求がされており、それらは使用の柔軟性を許容しながらコンパクトなサイズを許容することが意図されている。
【0009】
1つの可能な挑戦は、例えばキーの可変な構成を許容するタッチ感応ディスプレイユニットをもったユーザインターフェースの開発である。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明の目的は、従来技術に対して改善されており、情報の3次元的な提示と、ユーザとマシーンの間の直接的な相互作用を可能とする、ディスプレイユニットを指定することである。
【0011】
目的は、請求項1の特徴を有するインタラクティブディスプレイユニットによって発明に従って達成される。
【0012】
発明の好ましい実施形態と発展は、従属請求項に指定される。
【0013】
特に車両インテリアにおける、情報を提示するためおよび/またはユーザとの相互作用のためのインタラクティブディスプレイユニットは、密封配置にある2つの透明な基板キャリアの間の光屈折ポリマー材料層を含む少なくとも1つの撮像セルを有し、各基板キャリアは光屈折材料に面する透明な電極層が設けられており、ポリマー材料層の方向に向けられた投影をもった少なくとも1つの書き込み光源が、それと平行な基板キャリアの1つの上に配置され、触覚センサー/アクチュエーターユニットと、光屈折ポリマー材料層に対して横向きに、ポリマー材料層の方向に向けられた投影をもった少なくとも1つの読み出し光源が、もう1つの基板キャリアの上に配置されている。
【0014】
書き込み光源と関連付けられた透明な基板キャリアは、この場合には、光屈折ポリマー材料層の下にディスプレイユニットの視線方向に配置され、反対に位置し触覚センサー/アクチュエーターユニットと関連付けられているもう1つの透明な基板キャリアは、光屈折ポリマー材料層の上にディスプレイユニットの視線方向に配置される。
【0015】
基板キャリアの透明な電極層を制御し、書き込み光源からの光と参照光源からの光を光屈折ポリマー材料層上に放射することによって、発明によるインタラクティブディスプレイユニットは、ポリマー材料層の光屈折ポリマー材料のおかげで、光屈折効果、即ち、光に誘発された屈折率の変化を可能とし、それにより、このディスプレイユニットの観察者が例えば色フィルター眼鏡のような特別な光学的補助を必要とすること無しに、情報の3次元的な格納および提示が可能である。一体化されたインタラクティブディスプレイユニットが、撮像セルを使った3D提示との組み合わせで触覚センサー/アクチュエーターユニットを追加的に駆動することによって可能とされる。
【0016】
光屈折ポリマー材料は、好ましくは、有機ポリマーまたは液体ポリマー材料セルから形成される。その場合のポリマーは、例えば、非線形光学的(NLO)発色団(例えばPDCST、FDCST、AODCST、TDDCSTまたは7−DCST)が添加された、ホール輸送ポリマーポリ(例えばPVKCAANまたはPATPDCAANコポリマー)からなり、そこでは増感剤として可塑剤(例えばBBPまたはECZ)が典型的に使われる。
【0017】
触覚センサー/アクチュエーターユニットを使って、触覚信号が、ユーザによって検出可能である(ユニットがアクチュエーターとして働く)と共に、ユーザによって生成されることができる(ユニットがセンサーとして働く)。例として、ユーザは、ユーザの指がインタラクティブディスプレイユニットのタッチフィールド上の仮想キーを稼動すると直ちに触覚信号を生成し、それはセンサー/アクチュエーターユニットを使って検出可能である。センサー/アクチュエーターユニットはしかも、電圧を印加する時に、触覚信号、例えば形状変化および/または振動を、生成することができ、それはユーザによって検出可能であり、例えばキーの押しがディスプレイユニットによって検出されたことの確認としての役目を果たす。ユーザの要求にマッチし、よってインタラクティブディスプレイユニットのユーザフレンドリー性を顕著に改善する、ユーザインターフェース、特に人マシーンインターフェースが、それにより特に有利なやり方で可能とされる。
【0018】
代替的に、ペンまたは別の物体を使ってインタラクティブディスプレイユニットを操作することも考えられ、ユーザとディスプレイユニットの間の間接的な相互作用だけが可能ではあるものの、前記相互作用は触覚的フィードバック無しの車両中の従来のディスプレイユニットと比較してかなり改善されるようになる。
【0019】
触覚センサー/アクチュエーターユニットは、関連付けられた透明な基板キャリアの外側サイド上に配置される。前記基板キャリアの外側サイドは、本場合では、光屈折ポリマー材料から離れており、よってインタラクティブディスプレイユニットのユーザに面している表面であり、ユーザとインタラクティブディスプレイユニットの間の直接的な相互作用が可能であるようになる。
【0020】
触覚センサー/アクチュエーターユニットは、交互に配置されたアクチュエーター層と電極層の層配列として構成されている。電極層を使って制御可能であるアクチュエーター層は、ユーザによるディスプレイユニットの稼動の触覚的検出のためと触覚的フィードバックのためのそれ自身の電子的スイッチング構造をもったインタラクティブディスプレイユニットの仮想入力および/または出力フィールドを構成する。ここで、アクチュエーター層の両側に配置された電極層は陽極および陰極として働き、そこでは電圧の印加が、電圧が印加される前の滑らかな状態から電圧の印加後の隆起および/または陥没をもった構造化された状態に遷移することをアクチュエーター層に引き起こす。追加の電気的スイッチングによって、アクチュエーター層の構造化は、変更されるおよび/または繰り返されることができる。
【0021】
1つの好ましい実施形態では、アクチュエーター層と電極層は、各場合において光学的に透明な材料で作られている。このために、電極層は、好ましくは、基板キャリアの電極層と類似して、半導電性で主として光学的に透明な材料であり、良好な導電性と柔軟な性質を顕示する、酸化インジウム錫(または短縮形でITO)から形成される。代替的に、電極は、酸化亜鉛または別の金属薄層から形成されることができる。
【0022】
少なくとも1つのアクチュエーター層の材料は、好ましくは、アクチュエーター材料として特に好適な、それが電界によって励起された時にサイズと形状についての変化を顕示するポリマーで、特に電気活性ポリマー、金属ポリマー複合物、イオン性ゲルまたは誘電性エラストマー(例えばシリコーンおよび/またはアクリリックエラストマーおよび/またはポリウレタン)で、または二フッ化ポリビニリデンで、作られている。これらの材料は、高い伸長性と、低い密度と、自由な形成可能性を顕示する。
【0023】
1つの可能な実施形態によると、触覚センサー/アクチュエーターユニットはフィールドに分割されている。異なるタイプのインタラクティブディスプレイユニットのタッチおよび/またはセンサーユニットの仮想キーフィールドがよって規定可能である。仮想キーフィールドは、好ましくは、電極層を使った対応するピクセル毎のかまたはフィールド毎の稼動によって自由に構成可能である。例えば、作成された構造化の程度および/または形状の変化が、印加された電界の強度、電極の寸法取り、形状および構造化、および/または電気活性ポリマーのアクチュエーター層の厚さ、によって影響されることができる。
【0024】
センサー/アクチュエーターユニットの外側サイド上の外部影響に対する保護のために、少なくとも1つのアクチュエーター層の外側表面に保護コーティングが施され、その保護コーティングは、好ましくは、引っ掻き抵抗性で抗反射性の性質をもつ、ナノ粒子をもったポリマーから形成される。保護的粒子の追加に依っては、保護層は自己清掃のために好適となるように構成されることができる。
【0025】
インタラクティブディスプレイユニットの背景照明または読み出し照明のために、少なくとも1つの読み出し光源(第1の光源)が撮像セルの横向きに配置される。好ましくは、赤色、緑色および/または青色の光を発生するための異なる発光スペクトルをもった複数の読み出し光源が設けられる。好ましくは、読み出し光源は、様々な色の光のための予め指定された発光スペクトルをもったレーザーユニットおよび/または発光ダイオードとして構成されており、その光は撮像セルの方向に放出される。読み出し光源は、便宜上書き込み光源の周波数とは異なる周波数の光を発生し、その結果として光屈折ポリマー材料層中に格納された情報が、読み出し光源を使った照射の下で外側からユーザにとって視認可能となる。
【0026】
インタラクティブディスプレイユニットは更に、書き込み光源としての第2の光源からなり、それは関連付けられた透明な基板キャリアの下、即ち、光屈折ポリマー材料層から離れた透明な基板キャリアのサイド上に配置される。この第2の光源は、好ましくは、ダイオードレーザーとしてかまたは固体レーザーとして構成されている。その励起を通して光屈折ポリマー材料を使って情報を格納および削除するために、書き込み光源に加えて、光屈折ポリマー材料層の方向に同様に向けられた伝播をもった参照光源と削除光源が設けられている。書き込み光源からの光ビームと参照光源からの光ビームの干渉を通して、ホログラフィック情報がここでは生成されて格納される。
【0027】
マイクロレンズのフィールド、それは特に同一の寸法を有する複数のマイクロレンズからなり、そのマイクロレンズは、相互に直交しお互いと隣り合った行と列のグリッドかまたは六角形グリッドに配列されているもの、が書き込み光源と、関連付けられた透明な基板キャリアとの間に配置される。マイクロレンズは、レーザーからの色の付いた光を望ましい色温度にまで混合し、インタラクティブディスプレイユニット中の光の一様な分布を調整する。
【0028】
マイクロレンズフィールドの上流に配置されているのは、書き込み光源の放射方向における、光学的拡散器と光学的変調器である。光学的変調器は、ここでは、書き込み光源の放射方向において、書き込み光源と光学的拡散器の間に配置され、好ましくは、六角形グリッドに配列された多数のマイクロミラーで形成されている。マイクロミラーのグリッド配列は、作成されるべき画像のグリッド配列に大部分が対応している。光学的変調器を使って、好ましくは、書き込み光源からのレーザービームのダイナミックな変調が可能である。光学的拡散器は、書き込み光源の放射方向において、光学的変調器とマイクロレンズフィールドの間に配置され、便宜上書き込み光源からのレーザービームの均質化の役目を果たす。
【0029】
発明の例示的実施形態が、図面を参照して以下により詳細に説明される。対応する部分は、全ての図を通して同じ参照符号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、発明によるインタラクティブディスプレイユニットの斜視分解図を概略的に示す。
【
図2】
図2は、半透明描写で車両の斜視側面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、発明によるインタラクティブディスプレイユニット1を斜視分解図で示す。
【0032】
インタラクティブディスプレイユニット1は、タッチ感応ディスプレイユニット1として、好ましくは、
図2により詳細に描かれた車両インテリア2において、ダッシュボード2.1、インテリアコンソール2.2、センターコンソール2.3および/またはドアパネル2.4のための機能的インタラクティブセントラルユニットとして、構成されている。
【0033】
本例示的実施形態では、インタラクティブディスプレイユニット1は、撮像セル3、第1の光源4(以下の読み出し光源4)と第2の光源5(以下の書き込み光源5)、および触覚センサー/アクチュエーターユニット6を有する。
【0034】
代替的に、ディスプレイユニット1はまた、複数の撮像セル3からなることもできる。
【0035】
撮像セル3は、光屈折ポリマー材料で作られた光屈折ポリマー材料層3.3からなり、それは第1の透明な基板キャリア3.1と第2の透明な基板キャリア3.2の間に配置される。
【0036】
本例示的実施形態では、基板キャリア3.1と3.2は、プレートの形状に構成され、各場合において、例えばガラスで作られている。基板キャリア3.1と3.2は、各場合において、光屈折ポリマー材料層3.3に面する表面上に、電極層を有し、その電極層は好ましくは半導電性で光学的に透明な材料、例えば酸化インジウム錫、から形成されている。高い電圧と従って電界が、よって光屈折ポリマー材料層3.3上に印加されるかまたはそこで使用されることができる。
【0037】
光屈折ポリマー材料層3.3は、好ましくは、有機ポリマーまたは液体ポリマー材料セルから形成される。その場合のポリマーは、例えば、非線形光学的(NLO)発色団(例えばPDCST、FDCST、AODCST、TDDCSTまたは7−DCST)が添加された、ホール輸送ポリマーポリ(例えばPVKCAANまたはPATPDCAANコポリマー)からなり、そこでは増感剤として可塑剤(例えばBBPまたはECZ)が典型的に使われる。
【0038】
ポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料があると、光屈折効果が可能であり、それは一般に電気光学的効果を介して材料の光学的屈折率の変化をもたらす。これはつまり、その光ビームがお互いと干渉する書き込み光源5と参照光源(より詳細には描かれていない)を使って光屈折ポリマーを照らすことによって、ポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料中に電気的空間電荷が生成され、それはポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料の活性表面に移動し、そこで電界上に局所的に働いて、その結果として後者が帯電される。空間電荷はよって、ポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料の屈折率の変調をもたらし、その結果としてホログラムが作成される。例えばビットマトリクスから形成されている情報が、よってディスプレイユニット1中にホログラムとして格納可能である
書き込み光源5は、ここでは第1の基板キャリア3.1の下、即ち、光屈折ポリマー材料から離れた第1の基板キャリア3.1のサイド上に配置され、好ましくは、ダイオードレーザーまたは固体レーザーとして構成されている。ヘリウムネオンレーザーが代替的に使われることもできる。レーザーの対応する周波数、例えば532nmは、この場合にはポリマー材料層3.3の利用された光屈折ポリマー材料に依存する。
【0039】
書き込み光源5の放射方向において、その出力には、光学的変調器(より詳細には描かれていない)、光学的拡散器(同様により詳細には描かれていない)、およびマイクロレンズフィールド8が配置される。
【0040】
光学的変調器は、この場合には、書き込み光源5の放射方向において、後者と光学的拡散器の間に配置される。光学的変調器は、好ましくは、六角形グリッドに配列された多数のマイクロミラーから形成されている。マイクロミラーのグリッド配列は、ここでは生成されるべき画像のグリッド配列に大部分が対応している。光学的変調器を使って、好ましくは、書き込み光源5からのレーザービームのダイナミックな変調が可能である。
【0041】
光学的拡散器は、書き込み光源5の放射方向において、光学的変調器とマイクロレンズフィールドの間に配置され、便宜上書き込み光源5からのレーザービームの均質化の役目を果たす。
【0042】
マイクロレンズフィールド8は、同一の寸法を有する複数のマイクロレンズ8.1からなり、そのマイクロレンズは、相互に直交しお互いと隣り合った行と列のグリッドかまたは六角形グリッドに配列されており、書き込み光源5からの色の付いた光を望ましい色温度にまで混合し、インタラクティブディスプレイユニット1中の光の一様な分布を調整する。
【0043】
更には、その励起を通してポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料を使って情報を格納および削除するために、書き込み光源5に加えて、光屈折ポリマー材料層3.3の方向に同様に向けられた伝播をもった参照光源と削除光源(描かれていない)が設けられている。参照光源と削除光源によって発生された光の周波数は、この場合には、書き込み光源5を使って発生された光の周波数と等価であるかほぼ等価である。特に書き込み光源5からと参照光源からの光ビームの干渉によって、ホログラムが生成されて格納されることができる。ホログラムを削除するためには、均質な光を放出する削除光源のみの使用で十分である。
【0044】
ポリマー材料層3.3の光屈折材料中に格納されたホログラムを提示するために、読み出し光源4が撮像セル3の横向きに配置され、その読み出し光源4は、赤色、緑色および/または青色の光を発生するための異なる発光スペクトルを有する複数の光源が設けられている。
【0045】
読み出し光源4の光源は、異なる色の非干渉性光のための予め指定された発光スペクトルをもったレーザーユニットおよび/または発光ダイオードとして構成されており、その光は撮像セル3の方向に放出される。
【0046】
しかも、読み出し光源4を使って発生された光は、書き込み光源5によって発生された光の周波数とは異なる周波数を有し、色眼鏡のような更なる光学的補助をユーザが要求すること無く、ポリマー材料層3.3の光屈折ポリマー材料中に格納された情報が、読み出し光源4を使った照射の下で外側からユーザにとって視認可能となるようになっている。
【0047】
ユーザとインタラクティブディスプレイユニット1の間の直接的な相互作用を実現するために、後者は、触覚センサー/アクチュエーターユニット6からなり、それは第2の基板キャリア3.2の外側サイド上に配置される。第2の基板キャリア3.2の外側サイドは、この場合には、光屈折ポリマー材料層3.3から離れており、よってインタラクティブディスプレイユニット1のユーザに面している表面である。
【0048】
触覚センサー/アクチュエーターユニット6は、この場合には、2つの電極層6.1の間に配置されたアクチュエーター層6.2からなる。触覚センサー/アクチュエーターユニット6は代替的に、複数の交互に配置されたアクチュエーター層6.2と電極層6.1からなる。
【0049】
電極層6.1を使って制御可能であるアクチュエーター層6.2は、ユーザによるインタラクティブディスプレイユニット1の稼動の触覚的検出のためと触覚的フィードバックのためのそれ自身の電子的スイッチング構造をもったインタラクティブディスプレイユニット1の仮想入力および/または出力フィールドを構成する。
【0050】
ここで、アクチュエーター層6.2の両側に配置された電極層6.1は陽極および陰極として働き、そこでは電圧の印加が、電圧が印加される前の滑らかな状態から電圧の印加後の隆起および/または陥没をもった構造化された状態に遷移することをアクチュエーター層6.2に引き起こす。追加の電気的スイッチングによって、アクチュエーター層6.2の構造化は、変更されるおよび/または繰り返されることができる。
【0051】
アクチュエーター層6.2と電極層6.1は、各場合において好ましくは、光学的に透明な材料で作られている。
【0052】
このために、電極層6.1は、好ましくは、酸化インジウム錫から形成される。代替的に、電極層6.1は、酸化亜鉛または別の金属薄層から形成されることができる。電極層6.1の個々の電極6.1.1は、アレイに配列されており、それは触覚センサー/アクチュエーターユニット6の拡大された詳細な描写において特に見られることができる。電極層6.1の表面全体に渡った電極6.1.1の一様な分布がよって可能である。
【0053】
アクチュエーター層6.2の材料は、好ましくは、アクチュエーター材料として特に好適な、それが電界によって励起された時にサイズと形状についての変化を顕示するポリマーで、特に電気活性ポリマー、金属ポリマー複合物、イオン性ゲルまたは誘電性エラストマー(例えばシリコーンおよび/またはアクリリックエラストマーおよび/またはポリウレタン)で、または二フッ化ポリビニリデンで、作られている。これらの材料は、高い伸長性と、低い密度と、自由な形成可能性を顕示する。
【0054】
触覚センサー/アクチュエーターユニット6は、好ましくは、フィールドに分割されている。異なるタイプのインタラクティブディスプレイユニット1のタッチおよび/またはセンサーユニットの仮想キーフィールドがよって規定可能である。仮想キーフィールドは、好ましくは、触覚センサー/アクチュエーターユニット6の電極層6.1を使った対応するピクセル毎のかまたはフィールド毎の稼動によって自由に構成可能である。例えば、作成された構造化の程度および/または形状の変化が、印加された電界の強度、個々の電極6.1.1の寸法取り、形状および構造化、および/または電気活性ポリマーのアクチュエーター層6.2の厚さ、によって影響されることができる。
【0055】
センサー/アクチュエーターユニット6の外側サイド上の外部影響に対する保護のために、例えば30μmから100μmの厚さを有する保護層7がアクチュエーター層6.2の外側表面に施され、その保護層は、好ましくは、引っ掻き抵抗性で抗反射性の性質を有する、ナノ粒子をもったポリマーから形成される。保護的粒子の追加に依っては、保護層7は自己清掃のために好適となるように構成されることができる。
【0056】
インタラクティブディスプレイユニット1における触覚知覚とフィードバックの一体化は、従来のディスプレイユニットと比較してユーザフレンドリー性を改善する。しかも、物理的キー無しでのユーザとマシーンの間の相互作用のための完全に新しい効果モードを作り出すことができる。
【0057】
図2は、車両インテリア2における発明によるインタラクティブディスプレイユニット1の例示的実施形態を示し、それは半透明描写である。
【0058】
インタラクティブディスプレイユニット1は、例えば、ダッシュボード2.1上に情報を表示するために使われることができる。
【0059】
インタラクティブディスプレイユニット1は更には、様々な車両/技術的情報を表示するためおよび/または車両占有者を楽しませるために、インテリアコンソール、センターコンソールおよびドアパネルにおいて使われることが出来る。
【0060】
[参照番号のリスト]
1 インタラクティブディスプレイユニット
2 車両インテリア
2.1 ダッシュボード
2.2 インテリアコンソール
2.3 センターコンソール
2.4 ドアパネル
3 撮像セル
3.1 第1の基板キャリア
3.2 第2の基板キャリア
3.3 光屈折ポリマー材料層
4 読み出し光源
5 書き込み光源
6 触覚センサー/アクチュエーターユニット
6.1 電極層
6.1.1 電極
6.2 アクチュエーター層
7 保護層
8 マイクロレンズフィールド
8.1 マイクロレンズ