(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記感知回路に結合された一つ以上のストレージデバイスに記憶されたルックアップテーブルを更に備え、前記ルックアップテーブルが、前記少なくとも一つのアドレシング特性及び前記少なくとも一つの感知特性を含む、請求項1に記載のタッチ感知ディスプレイデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
多様な図面における同様の参照番号及び符号は、同様の要素を示す。
【0012】
以下の詳細な説明は、革新的側面を説明する目的で特定の実施形態に向けられたものである。しかしながら、本明細書の教示は多様な方法において適用可能である。説明される実施形態は、動的なもの(例えばビデオ)又は静的なもの(例えば静止画)であり且つ文字、グラフィック又は写真である画像を表示するように構成されたあらゆるデバイスにおいて実施可能である。特に、実施形態は、多様な電子デバイスにおいて実施され又はこれらに付随し得ることが想定され、そのような電子デバイスとして、携帯電話、マルチメディアインターネット可能携帯電話、携帯テレビ受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、ブルートゥース(登録商標)デバイス、PDA(personal data assistant)、ワイヤレス電子メール受信機、携帯型コンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読書デバイス(例えばe‐リーダ)、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(例えばオドメータ等)、コックピット制御部及び/又はディスプレイ、カメラ後方ディスプレイ(例えば、車両の背面カメラのディスプレイ)、電子写真、電子掲示板又は標識、プロジェクタ、建造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダ又はプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、携帯型メモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(例えば、MEMS及び非MEMS)、審美的構造物(例えば、宝石上の画像表示)、及び多様な電気機械システムデバイスが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、本明細書の教示は、非ディスプレイ応用においても用いることができ、そうした応用として、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動作感知デバイス、磁力計、家庭用電子機器の慣性部品、家庭用電子機器の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、ドライブスキーム、製造プロエス、電子試験設備が挙げられるがこれらに限定されるものではない。従って、本教示は、単に図面に示された実施形態に限定されるものではなく、当業者に明示的である多様な適用性を有するものである。
【0013】
一部実施形態では、タッチ感知ディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイス(例えば、干渉ディスプレイ)の少なくとも一部の上に配置された感知デバイスを含むことができる。感知デバイスは、導電性物体(例えば、人間の指やスタイラス)のタッチ又は近接配置として使用者の入力を検出することができるように構成され得る。感知デバイスは、感知デバイスに対する相対的な使用者の入力の位置を検出するように更に構成され得て、その検出位置が、感知回路によって、外部回路(例えば、下方に存在するディスプレイをアドレスするアドレシング回路)に提供され得る。従って、下方に存在するディスプレイデバイスのアドレシングが、感知デバイスからアドレシング回路が受信する入力に少なくとも部分的に基づいたものとなり得る。例えば、一部実施形態では、感知デバイスは、指又はスタイラスのタッチを検出し得て、アドレシング回路が、検出されたタッチに近接してカーソルエレメントを表示し得る。更に、一つ以上の感知デバイスを含むタッチ感知ディスプレイデバイスの実施形態では、ディスプレイをアドレスすると、感知デバイスの性能に影響を与える電気的干渉が発生し得る。
【0014】
本願で開示される多様な実施形態は、適応感知設計及び/又は適応アドレシング設計を備えたタッチ感知ディスプレイデバイスを含む。一部実施形態では、タッチ感知ディスプレイデバイスは、ディスプレイをアドレスする(それによって電気的干渉を生じさせる)アドレシング回路を含むことができる。電気的干渉は感知デバイスの性能に影響を与える可能性があるので、タッチ感知ディスプレイデバイスが、ディスプレイをアドレスすることによって生じる電気的干渉に少なくとも部分的に基づいて、感知デバイスの少なくとも一つの感知特性を調節する適応感知回路を含むことができる。一部実施形態では、感知回路によって調節可能な感知特性として、例えば、信号対ノイズ比、感度閾値、開始/停止時間、部分的走査、感知回路に対する入力波形の電圧、感知波形の電流駆動、周波数(例えば、サンプリングレート)、受信された感知信号に対して適用されるフィルタリングの種類及び量を挙げることができる。電気的干渉は、ディスプレイのアドレシング特性に少なくとも部分的に関係し得るので、一部実施形態では、適応感知回路が、関連するディスプレイのアドレシング特性に少なくとも部分的に基づいて、及び/又は、ディスプレイが発生させる電気的干渉に少なくとも部分的に基づいて、感知デバイスの少なくとも一つの感知特性を調節することができる。
【0015】
一部実施形態では、タッチ感知ディスプレイデバイスは、タッチ入力を検出する感知回路を含むことができて、その感知回路が、その入力を適応アドレシング回路に提供することができる。アドレシング回路は、感知回路から受信したタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイのアドレシング特性を調節することができる。一部実施形態では、アドレス回路によって調節可能なアドレシング特性として、例えば、部分的アップデート、アップデート速度、アドレシング領域の識別、高電圧アドレシング、低電圧アドレシング、高セグメント駆動、低セグメント駆動、ライン反転、ドット反転、フレーム反転、解像度を挙げることができる。一部実施形態では、タッチ感知ディスプレイデバイスは、適応感知設計及び適応アドレシング設計を含み、アドレシング特性を使用者の入力(例えば、タッチ)によって調節することができるようになり、アドレシング特性の及び/又は結果としての電気的干渉の調節が、一つ以上の特性の調節を少なくとも部分的に生じさせ得る。
【0016】
本開示で説明される主題の特定の実施形態は、以下の潜在的な利点の一つ以上を実現するように実施可能である。例えば、本願で開示されるタッチ感知ディスプレイデバイスは、適応アドレシング設計を含み、ディスプレイの電力消費を制限し、及び/又は、ディスプレイが生じさせる電気的干渉を制限することができる。電気的干渉の低減は、関連する感知デバイスの性能を改善することができ、電力消費の制限は、バッテリの寿命を改善し、動作コストを低下させることができる。他の例では、本願で開示されるタッチ感知ディスプレイデバイスは、適応感知設計を組み込み、ディスプレイのアドレシング特性及び/又はディスプレイが発生させる電気的干渉に少なくとも部分的に基づいて感知デバイスの感知特性を調節することができる。例えば、手書き等のアプリケーションのための導電性スタイラスを使用する際により高い解像度及びより速い速度を可能にするように、感知特性が修正され得る。このような修正は、関連するディスプレイパネルからのより小さな干渉を要し得る。従って、ディスプレイがどのようにアドレスされているのかに基づいて、感知デバイスの性能を改善するように、感知デバイスが適合し得る。更に、ディスプレイの駆動及び/又は感知デバイスに対する入力信号を低減することによって、タッチ感知ディスプレイデバイスが全体として放出する電磁的干渉の総量を減らすことができる。
【0017】
説明される実施形態を適用することができる適切なMEMSデバイスの一例は、反射ディスプレイデバイスである。反射ディスプレイデバイスは、光学干渉原理を用いて入射光を選択的に吸収及び/又は反射する干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収体、その吸収体に対して相対的に可動する反射体、吸収体と反射体との間に画定される光学共鳴キャビティを含み得る。反射体は、二つ以上の異なる位置に移動可能であり、光学共鳴キャビティのサイズを変化させることによって干渉変調器の反射率に影響を与えることができる。IMODの反射スペクトルは、多様な色を発生させるように可視波長にわたってシフト可能であるかなり広範なスペクトル帯を形成することができる。スペクトル帯の位置は、光学共鳴キャビティの厚さを変化させることによって、つまり反射体の位置を変化させることによって、調整可能である。
【0018】
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一組の画素における二つの隣接画素を示す等角図の例を示す。IMODディスプレイデバイスは、一つ以上の干渉MEMSディスプレイ素子を含む。こうしたデバイスにおいて、MEMSディスプレイ素子の画素は、明状態又は暗状態のいずれかとなり得る。明(“緩和”、“開”、“オン”)状態においえ、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を例えば使用者に向けて反射する。逆に、暗(“作動”、“閉”、“オフ”)状態では、ディスプレイ画素は僅かな入射可視光しか反射しない。一部実施形態では、オン状態及びオフ状態の光反射特性が逆になり得る。MEMS画素は、白黒に加えて、カラーディスプレイを可能にするように特定の波長において主に反射するように構成可能である。
【0019】
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含み得る。各IMODは空隙(光学ギャップ又はキャビティとも称される)を形成するように互いに可変且つ制御可能な距離に配置された一対の反射層、つまり可動反射層及び固定部分反射層を含み得る。可動反射層は、少なくとも二つの位置の間を移動し得る。第一の位置、つまり緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きな距離に配置され得る。第二の位置、つまり作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近づいて配置され得る。二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合って又は弱め合って干渉して、各画素に対して全体的な反射状態又は非反射状態のいずれかを形成することができる。一部実施形態では、IMODは、非作動時において反射性状態であり、可視スペクトル内の光を反射し得て、また、非作動時において暗状態であり、可視範囲外の光(例えば、赤外線)を反射している。しかしながら、他の一部実施形態では、IMODは、非作動状態において暗状態であり、作動状態において反射状態となり得る。一部実施形態では、印加電圧の導入が画素を駆動させて状態を変化させることができる。他の一部実施形態では、印加電荷が画素を駆動させて状態を変化させることができる。
【0020】
図1の画素アレイの図示されている部分は、二つの隣接干渉変調器12を含む。(図示されるような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、光学積層体16(部分反射層を含む)から所定の距離の緩和位置にあるものとして示されている。左側のIMOD12にわたって印加された電圧V
0は、可動反射層14の作動を生じさせるには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14が、光学積層体16の近くの又はこれに隣接した作動位置にあるものとして示されている。右側のIMOD12にわたって印加された電圧V
biasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
【0021】
図1では、画素12の反射性は、画素12に入射する光を示す矢印13及び左側12の画素から反射する光15で一般的に示されている。詳細には図示されていないが、画素12に入射する光13の大部分は、透明基板20を透過して光学積層体16に向かうことを当業者は理解されたい。光学積層体16に入射する光の一部は、光学積層体16の部分反射層を透過し、一部は反射されて戻されて透明基板20を介する。光学積層体16を透過する光13の一部は、可動反射層14において反射されて、透明基板20に向けて(また、これを介するように)戻される。光学積層体16の部分反射層から反射された光と、可動反射層14から反射された光との間の干渉(強め合う又は弱め合う)が、画素12から反射される光15の波長を決める。
【0022】
光学積層体16は、単一の層又は複数の層を含み得る。その層は、電極層と、部分反射及び部分透過層と、透明誘電体層のうちひとつ以上を含み得る。一部実施形態では、光学積層体16は導電性であり、部分透明且つ部分反射性であり、例えば透明基板20上に上記層のうち一つ以上を堆積させることによって製造可能である。電極層は、多様な物質製、例えば多様な金属(例えばインジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide))製であり得る。部分反射層は、例えば、多様な金属(例えばクロム(Cr))、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質製であり得る。部分反射層は、一層以上の物質層で形成可能であり、その各層は、単一の物質又は複数物質の組み合わせで形成可能である。一部実施形態では、光学積層体16は、光学吸収体及び電気導体の両方として機能する金属又は半導体の単一の半透明な厚さを有し得る一方、他のより導電性の層又は部分(例えば光学積層体16の部分、又はIMODの他の構造の部分)が、IMOD画素間に信号をバス伝送するのに役立つ。また、光学積層体16は、一つ以上の導電層又は導電性/吸収性層を覆う一つ以上の絶縁層又は誘電体層も含み得る。
【0023】
一部実施形態では、光学積層体16の層は、平行なストリップにパターニングされ得て、後述のようなディスプレイデバイスの行電極を形成し得る。当業者に理解されるように、“パターニング”との用語は本願において、マスキング及びエッチングプロセスを称するものとして用いられる。一部実施形態では、例えばアルミニウム(Al)等の高導電性反射物質が、可動反射層14用に使用され得て、それらのストリップがディスプレイデバイスの列電極を形成し得る。可動反射層14は、堆積金属層(一層又は複数層)の一組の平行ストリップ(光学積層体16の行電極と直交する)として形成可能であり、ポスト18の頂部に堆積させた列と、ポスト18間に堆積された介在犠牲物質とを形成する。犠牲物質がエッチング除去されると、可動反射層14と光学積層体16との間に画定されたギャップ19又は光学キャビティが形成され得る。一部実施形態では、ポスト18間の間隔は略1〜1000μmであり、ギャップ19が10000オングストローム(Å)以下となり得る。
【0024】
一部実施形態では、IMODの各画素は本質的に、作動状態であろうと緩和状態であろうと、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタである。電圧が印加されないと、
図1の左側の画素12に示されるように、可動反射層14は、機械的に緩和された状態のままであり、可動反射層14と光学積層体16との間にギャップ19を有する。しかしながら、電位差(電圧)が選択された行及び列のうち少なくとも一つに印加されると、対応する画素における行電極及び列電極の交点に形成されたキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。印加電圧が閾値を超えると、可動反射層14が変形して、光学積層体の近くに又はその逆方向に動くことができる。光学積層体16内部の誘電体層(図示せず)は、短絡を防止して、
図1の右側の作動画素12に示されるように、層14と16との間の離隔距離を制御することができる。挙動は、印加電位差の極性に関係なく同じである。アレイ中の一組の画素を、場合によって“行”又は“列”と称することができるが、当業者は、一方の方向を“行”と称し、他方の方向を“列”と称することが任意のものであると理解するものである。言い換えると、向きによっては、行が列と見なされて、列が行と見なされる。更に、ディスプレイ画素は、直交する行及び列において均等に配置可能であり(“アレイ”)、又は、例えば互いに特定の位置的なずれを有する非線形な構成で配置され得る(“モザイク”)。“アレイ”及び“モザイク”との用語は、いずれの構成でも称され得る。従って、ディスプレイが“アレイ”又は“モザイク”を含むとして称されても、素子自体は互いに直交に配置されたり、均等な分布で配置されたりする必要ななく、いずれの場合でも、非対称な形状及び不均一に分布した素子を有する配置を含み得る。
【0025】
図2は、3×3の干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の例を示す。電子デバイスは、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成可能なプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、又は他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0026】
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、例えばディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含み得る。
図1に示されるIMODディスプレイデバイスの断面が
図2の線1−1によって示される。
図2は、明確性のため3×3のアレイのIMODを示すが、ディスプレイアレイ30は、非常に多数のIMODを含み得て、列と行とで異なる数のIMODを含み得て、又はその逆も同様である。
【0027】
図3は、
図1の干渉変調器について、可動反射層の位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS干渉変調器について、行/列(つまり、共通/セグメント)の書き込み手順は、
図3に示されるようなデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。例えば、干渉変調器は、例示的な一実施形態では、可動反射層又はミラーが、緩和状態から作動状態に変化するようにするのに略10ボルトの電位差が必要とされ得る。電圧がこの値から減少しても、可動反射層はそのままの状態を維持し、電圧が、例えば10ボルト以下に低下しても、電圧が2ボルト以下に低下するまでは、可動反射層が完全に緩和しない。従って、
図3に示されるように、略3から7ボルトの電圧範囲が存在し、その範囲内では、デバイスが緩和状態又は作動状態のいずれかで安定である印加電圧のウィンドウが存在する。これは、本願において、“ヒステリシスウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”と称される。
図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30に対して、行/列の書き込み手順は、一つ以上の行を一度にアドレスするように設計可能であり、所定の行のアドレス中において、そのアドレスされた行中の作動される画素が、略10ボルトの電位差を受ける一方、緩和される画素が、ゼロボルト近くの電圧差を受けるようになる。アドレス後には、画素が、この例では略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧差を受けて、以前のストローブ状態のままとなる。この例では、アドレス後において、各画素は、略3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。このヒステリシス特性は、例えば
図1に示される画素の設計が、同じ印加電圧条件下において作動又は緩和のいずれかの既存状態で安定なままであることを可能にする。各IMOD画素は本質的に、作動状態であろうと緩和状態であろうと、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費したり失ったりせずにヒステリシスウィンドウ内の安定電圧で保持可能である。更に、印加電圧(電位)が実質的に固定されたままであると、本質的にはIMOD画素内にほとんど又は全く電流が流れない。
【0028】
一部実施形態では、所定の行内の画素の状態に対する所望の変化(存在する場合)に応じて、一組の列電極に沿った“セグメント”電圧としてのデータ信号を印加することによって、画像のフレームを生成することができる。そして、アレイの各行を、フレームが一つの行において一度に書き込まれるようにアドレスすることができる。所望のデータを第一の行の画素に書き込むため、第一の行内の画素の所望の状態に対応するセグメント電圧を列電極に印加することができて、特定の“共通”電圧又は信号としての第一の行パルスを、第一の行電極に印加することができる。そして、一組のセグメント電圧を、第二の行の画素の状態に対する所望の変化(存在する場合)に対応するように、変化させることができて、第二の共通電圧を第二の行電極に印加することができる。一部実施形態では、第一の行内の画素は、列電極に沿って印加されるセグメント電圧の変化によって影響を受けず、第一の共通電圧の行パルスの間において、設定された状態のままである。このプロセスを、全ての組の行、又は列に対して逐次的に繰り返して、画像フレームを形成することができる。このプロセスを一秒当たり所望の数のフレームで連続的に繰り返すことによって、新たな画像データでフレームをアドレス、リフレッシュ及び/又はアップデートすることができる。
【0029】
各画素にわたって印加されるセグメント信号及び共通信号の組み合わせ(つまり、各画素にわたる電位差)は、各画素の結果としての状態を決める。
図4は、多様な共通電圧及びセグメント電圧を印加した場合の干渉変調器の多様な状態を示す表の一例を示す。当業者には容易に理解されるように、“セグメント”電圧は、列電極又は行電極の一方に印加可能であり、“共通”電圧は、列電圧又は行電圧の他方に印加可能である。
【0030】
図4に示されるように(及び
図5Bのタイミング図に示されるように)、リリース電圧VC
RELが共通ラインに沿って印加されると、セグメントラインに沿って印加される電圧(つまり、高セグメント電圧VS
H及び低セグメント電圧VS
L)に関わらず、その共通ラインに沿った全ての干渉変調器素子が緩和状態(リリース状態、非作動状態とも称される)にされる。特に、リリース電圧VC
RELが共通ラインに沿って印加されると、高セグメント電圧VS
H及び低セグメント電圧VS
Lがその画素に対応するセグメントラインに沿って印加された際にいずれも、変調器にわたる電位差(画素電圧とも称される)が、緩和ウィンドウ内に存在する。
【0031】
高保持電圧VC
HOLD_H又は低保持電圧VC
HOLD_L等の保持電圧が共通ラインに印加されると、干渉変調器の状態が一定のままとなる。例えば、緩和IMODは緩和位置のままであり、作動IMODは作動位置のままである。保持電圧は、高セグメント電圧VS
H及び低セグメント電圧VS
Lが対応するセグメントラインに沿って印加された場合にいずれも画素電圧が安定ウィンドウ内に留まるように選択され得る。従って、セグメント電圧のふり幅(つまり、高セグメント電圧VS
Hと低セグメント電圧VS
Lとの間の差)は、正又は負の安定ウィンドウのいずれの幅以下である。
【0032】
アドレス又は作動電圧(高アドレス電圧VC
ADD_Hや低アドレス電圧VC
ADD_L等)が共通ラインに印加されると、個々のセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、そのラインに沿った変調器にデータを選択的に書き込むことができる。セグメント電圧は、作動が印加されるセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス電圧を共通ラインに沿って印加すると、一つのセグメント電圧の印加が、安定ウィンドウ内の画素電圧を生じさせて、画素を非作動のままにする。対照的に、他のセグメント電圧の印加は、安定ウィンドウを超えた画素電圧を生じさせて、画素を作動させる。作動を生じさせる具体的なセグメント電圧は、どのようなアドレス電圧を用いるかに応じて変化し得る。一部実施形態では、高アドレス電圧VC
ADD_Hを共通ラインに沿って印加する場合、高セグメント電圧VS
Hの印加は、変調器がその現状の位置に留まるようにする一方、低セグメント電圧VS
Lの印加が、変調器の作動を生じさせることができる。当然の結果として、セグメント電圧の影響は、低アドレス電圧VC
ADD_Lを印加する場合には逆となり得て、高セグメント電圧VS
Hが変調器の作動を生じさせて、低セグメント電圧VS
Lは、変調器の状態に対して影響しない(つまり安定なままである)。
【0033】
一部実施形態では、変調器にわたって同じ極性の電位差を常に生じさせる保持電圧、アドレス電圧、及びセグメント電圧が用いられ得る。他の一部実施形態では、変調器の電位差の極性を交互に入れ替える信号を用いることができる。変調器にわたる極性の交互入れ替え(つまり、書き込み手順の極性の交互入れ替え)は、単一極性の書き込み動作を繰り返した後に生じ得る電荷蓄積を低減又は抑止し得る。
【0034】
図5Aは、
図2の3×3の干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の例を示す。
図5Bは、
図5Aに示されるディスプレイデータのフレームを書き込むのに使用可能な共通信号及びセグメント信号に対するタイミング図の例を示す。信号は、例えば、
図2の3×3のアレイに印加可能であり、最終的には、
図5Aに示されるライン時間60eのディスプレイ配置を生じさせる。
図5Aの作動変調器は暗状態であり、つまり、反射光の実質的部分が可視スペクトル外であり、例えば視聴者に暗い見た目をもたらす。
図5Aに示されるフレームの書き込みの前において、画素はあらゆる状態であり得るが、
図5Bのタイミング図に示される書き込み手順は、各変調器がリリースされていて、第一のライン時間60aの前においては非作動状態であることを前提としている。
【0035】
第一のライン時間60aにおいて、リリース電圧70が共通ライン1に印加され、共通ライン2に印加された電圧が高保持電圧72から始まり、リリース電圧70に移り、低保持電圧76が共通ライン3に沿って印加される。従って、共通ライン1に沿った変調器(共通1,セグメント1)、(1,2)及び(1,3)は、第一のライン時間60aの期間に対して緩和又は非作動状態のままであり、共通ライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)及び(2,3)は緩和状態に移り、共通ライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)及び(3,3)は以前の状態のままである。
図4を参照すると、セグメントライン1、2及び3に沿って印加されるセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しない。何故ならば共通ライン1、2又は3が、ライン時間60a中に作動を生じさせる電圧レベル(つまり、VC
REL−緩和、VC
HOLD_L−安定)を受けていないからである。
【0036】
第二のライン時間60bの間において、共通ライン1に対する電圧は高保持電圧72に動き、共通ライン1に沿った全ての変調器が、印加されるセグメント電圧に関わらず緩和状態のままとなる。何故ならば、アドレス又は作動電圧が共通ライン1に印加されていなかったからである。共通ライン2に沿った変調器は、リリース電圧70の印加に起因して緩和状態のままであり、共通ライン3に沿った電圧がリリース電圧70に移ると、共通ライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)及び(3,3)が緩和する。
【0037】
第三のライン時間60cの間において、共通ライン1に対して高アドレス電圧74を印加することによって、共通ライン1がアドレスされる。このアドレス電圧の印加中においてセグメントライン1及び2に沿って低セグメント電圧64が印加されているので、変調器(1,1)及び(1,2)にわたる画素電圧は、変調器の正の安定ウィンドウの上限よりも大きく(つまり、電圧差が所定の閾値を超える)、変調器(1,1)及び(1,2)が作動される。逆に、高セグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)にわたる画素電圧は、変調器(1,1)及び(1,2)の画素電圧以下であり、変調器の正の安定ウィンドウ内に留まるので、変調器(1,3)が緩和したままである。また、ライン時間60cの間において、共通ライン2に沿った電圧が低保持電圧76に低下し、共通ライン3に沿った電圧がリリース電圧70のままであり、共通ライン2及び3に沿った変調器を緩和位置のままとする。
【0038】
第四のライン時間60dの間において、共通ライン1に対する電圧は高保持電圧72に戻り、共通ライン1に沿った変調器を個々のアドレスされた状態のままにする。共通ライン2に対する電圧は低アドレス電圧78に低下する。高セグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)にわたる画素電圧は、変調器の負の安定ウィンドウの下限以下であり、変調器(2,2)を作動させる。逆に、低セグメント電圧64がセグメントライン1及び3に沿って印加されるので、変調器(2,1)及び(2,3)は、緩和位置のままである。共通ライン3に対する電圧は高保持電圧72に増大し、共通ライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
【0039】
最後に、第五のライン時間60eの間において、共通ライン1に対する電圧は高保持電圧72のままであり、共通ライン2に対する電圧は低保持電圧76のままであり、共通ライン1及び2に沿った変調器を個々のアドレスされた状態のままにする。共通ライン3に対する電圧は高アドレス電圧74に増大して、共通ライン3に沿った変調器をアドレスする。低セグメント電圧64がセグメントライン2及び3に印加されるので、変調器(3,2)及び(3,3)が作動する一方、セグメントライン1に沿って印加される高セグメント電圧62が、変調器(3,1)を緩和位置のままにさせる。従って、第五のライン時間60eの終わりにおいて、3×3の画素アレイは
図5Aに示される状態にあり、他の共通ライン(図示せず)に沿った変調器がアドレスされている際に生じ得るセグメント電圧の変動に関係なく、保持電圧が共通ラインに沿って印加されている限りは、その状態を保つ。
【0040】
図5Bに示されるタイミング図において、所定の書き込み手順(つまりライン時間60a〜60e)は、高保持電圧及びアドレス電圧、又は、低保持電圧及びアドレス電圧のいずれかの使用を含み得る。書き込み手順が所定の共通ラインに対して完了すると(また、共通電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、画素電圧は所定の安定ウィンドウ内に留まり、リリース電圧がその共通ラインに印加されるまでは、緩和ウィンドウを通り過ぎない。更に、各変調器が、変調器をアドレスする前の書き込み手順の一部としてリリースされるので、リリース時間ではなくて、変調器の作動時間が、必要なライン時間を決定し得る。特に、変調器のリリース時間が作動時間よりも長い実施形態では、
図5Bに示されるように、リリース電圧が単一のライン時間よりも長く印加され得る。他の一部実施形態では、共通ライン又はセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる変調器(異なる色の変調器等)の作動電圧及びリリース電圧の変動を考慮して変化し得る。
【0041】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は多様なものであり得る。例えば、
図6A〜
図6Eは、可動反射層14及びその支持構造を含む干渉変調器の多様な実施形態の断面の例を示す。
図6Aは、
図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面の例を示し、金属物質のストリップ、つまり可動反射層14が、基板20から直交して延伸している支持体18の上に堆積されている。
図6Bでは、各IMODの可動反射層14が略正方形又は矩形の形状であり、テザー32上でコーナーにおいて又はその付近において支持体に取り付けられる。
図6Cでは、可動反射層14は略正方形又は矩形の形状であり、変形可能層34(フレキシブル金属を含み得る)から懸架されている。変形可能層34は、可動反射層14の周囲付近において基板20に直接又は間接に取り付けされる。こうした接続部を本願では支持ポストと称する。
図6Cに示される実施形態は、可動反射層14の光学的機能をその機械的機能から分離することに起因する追加の利点を有するが、これは変形可能層34によって達成される。この分離は、反射層14に対して用いられる構造設計及び物質と、変形可能層34に対して用いられる構造設計及び物質を互いに独立的に最適化することを可能にする。
【0042】
図6Dは、IMODの他の例を示し、可動反射層14が、反射副層14aを含む。可動反射層14は、支持構造(支持ポスト18等)上に存在する。支持ポスト18は、下方の静止電極(つまり、図示されるIMODの光学積層体16の一部)からの可動反射層14の離隔を提供して、例えば可動反射層14が緩和位置にある際に、ギャップ19が、可動反射層14と光学積層体16との間に形成される。また、可動反射層14は、電極として機能するように構成可能な導電層14cと、支持層14bも含み得る。この例では、導電層14cが、基板20の反対側の支持層14bの一方の面上に配置されていて、反射副層14が、基板20側の支持層14bの他方の面上に配置されている。一部実施形態では、反射副層14aが導電性であり、支持層14bと光学積層体16との間に配置され得る。支持層14bは、誘電体(例えば、酸窒化シリコン(SiON)や、二酸化シリコン(SiO
2))の一層以上の層を含み得る。一部実施形態では、支持層14bは、複数層の積層体であり得て、例えば、SiO
2/SiON/SiO
2三重層積層体等であり得る。反射副層14a及び導電層14cのいずれか一方又は双方は、略0.5%の銅(Cu)を有するアルミニウム(Al)合金や、他の反射性金属物質を含み得る。誘電体支持層14bの上下に導電層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、導電性を増強させることができる。一部実施形態では、反射副層14a及び導電層14cは、可動反射層14内部に特定の応力プロファイルを達成する等の多様な設計目的に対して異なる物質で形成可能である。
【0043】
図6Dに示されるように、一部実施形態では、ブラックマスク構造23も含まれ得る。ブラックマスク構造23は光学的に不活性な領域(例えば画素の間やポスト18の下)に形成されて、環境光又は迷光を吸収し得る。また、ブラックマスク構造23は、光がディスプレイの不活性部分から反射したり又はそこを透過したりすることを抑制することによって、ディスプレイデバイスの光学性能を改善して、コントラスト比を増大させることができる。更に、ブラックマスク構造23は、導電性であり得て、電気バス層として機能するように構成可能である。一部実施形態では、行電極をブラックマスク構造に接続して、接続された行電極の抵抗を低下させることができる。ブラックマスク構造23は、堆積及びパターニング法を含む多様な方法を用いて形成可能である。ブラックマスク構造23は一層又は複数の層を含み得る。例えば、一部実施形態では、ブラックマスク構造23は、光学吸収体として機能するモリブデンクロム(MoCr)層と、或る層と、反射体及びバス層として機能するアルミニウム合金層とを含み、それぞれの厚さの範囲は、略30〜80Å、500〜1000Å、500〜6000Å、である。一層又は複数の層は、フォトリソグラフィ、乾式エッチングを含む多様な方法を用いてパターニング可能であり、例えば、MoCr層及びSiO
2層に対しては四フッ化炭素(CF
4)及び/又は酸素(O
2)が使用され、アルミニウム合金層に対しては塩素(Cl
2)及び/又は三塩化ホウ素(BCl
3)が使用される。一部実施形態では、ブラックマスク23は、エタロン、又は干渉積層体構造であり得る。このような干渉積層体ブラックマスク構造23においては、導電性吸収体を用いて、各行又は列の光学積層体16内の下方の静止電極間に信号を伝達又はバス伝送させることができる。一部実施形態では、スペーサ層35が、吸収体層16aをブラックマスク23の導電層から一般的に電気的に絶縁する機能を果たし得る。
【0044】
図6Eは、IMODの他の例を示し、可動反射層14が自己支持となっている。
図6Dとは対照的に、
図6Eの実施形態は、支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14が複数箇所において下方の光学積層体16と接触して、可動反射層14の曲率が、十分な支持を提供して、干渉変調器にわたる電圧が作動を生じさせるには不十分である際に、可動反射層14が、
図6Eの非作動位置に戻る。光学積層体16は、複数の異なる層を含み得るが、明確性のため、この図では、光学吸収体16a及び誘電体16bを含むものとして示されている。一部実施形態では、光学吸収体16aは、固定電極及び部分反射層の両方として機能し得る。
【0045】
図6A〜
図6Eに示されるような実施形態では、IMODが直視型デバイスとして機能して、画像は透明基板20の前方から、つまり変調器が配置されている面の反対側から視られる。このような実施形態では、デバイスの後方部分(つまり、可動反射層14の後方のディスプレイデバイスの部分であり、例えば、
図6Cに示される変形可能層34を含む)を、ディスプレイデバイスの画像の質に作用したり悪影響を与えたりせずに構成及び動作させることができる。何故ならば、反射層14がデバイスのこれらの部分を光学的に遮蔽するからである。例えば、一部実施形態では、バス構造(図示せず)を可動反射層14の後方に含ませることができて、変調器の光学特性を変調器の電気機械特性(電圧アドレスやそのようなアドレスの結果としての移動等)と分離することができる。また、
図6A〜
図6Eの実施形態は、例えばパターニング等の処理を単純化し得る。
【0046】
図7は、干渉変調器の製造プロセス80を示す流れ図の例を示し、
図8A〜
図8Eは、このような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示す。一部実施形態では、製造プロセス80を実施して、例えば
図1及び
図6に示される一般的なタイプの干渉変調器を製造することができる。
図7に示されていない他のブロックも含まれる。
図1、
図6及び
図7を参照すると、プロセス80は、基板20上に光学積層体16を形成するブロック82で開始する。
図8Aは、基板20上に形成されたこのような光学積層体16を示す。基板20は、ガラスやプラスチック等の透明基板であり得て、また、フレキシブルであるか又は比較的硬くて曲がらないものであり得て、また、例えば光学積層体16の効率的な形成を促進するためのクリーニング等の前処理プロセスを受けたものであり得る。上述のように、光学積層体16は、導電性、部分透明且つ部分反射性であり得て、また、例えば透明基板20上に所望の特性を有する一層以上の層を堆積させることによって形成され得る。
図8Aでは、光学積層体16が、副層16a及び16bを有する多層構造を含むが、他の一部実施形態ではこれよりも多い又は少ない副層が含まれ得る。一部実施形態では、副層16a及び16bの一つが光学吸収性及び導電性の両方を備えて形成可能であり、例えば、導体/吸収体の組み合わさった副層16aとなる。また、副層16a及び16bの一つ以上が、平行なストリップにパターニングされ得て、ディスプレイデバイスの行電極を形成し得る。このようなパターニングは、マスキング及びエッチングプロセスや、当該分野において既知の他の適切なプロセスによって実行可能である。一部実施形態では、副層16a及び16bの一つが、絶縁層又は誘電体層であり得て、一層以上の金属層(例えば、一層以上の反射及び/又は導電層)の上に堆積された副層16b等である。また、光学積層体16を、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングすることができる。
【0047】
プロセス80は、光学積層体16の上に犠牲層25を形成するブロック84へと続く。犠牲層25は、後で除去されて(例えばブロック90で)、キャビティ19を形成するので、犠牲層25は、
図1に示される結果物の干渉変調器12には示されていない。
図8Bは、光学積層体16の上に形成された犠牲層25を含む製造途中のデバイスを示す。光学積層体16上への犠牲層25の形成は、モリブデン(Mo)やアモルファスシリコン(Si)等の二フッ化キセノン(XeF
2)エッチング可能物質を、所望のサイズを有するギャップ又はキャビティ19(
図1及び
図8Eを参照)を後の除去後に提供するように選択された厚さで堆積させることを含み得る。犠牲物質の堆積は、スパッタリング等の物理気相堆積(PVD,physical vapor deposition)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD,plasma−enhanced chemical vapor deposition)、熱化学気相堆積(熱CVD)や、スピンコーティング等の堆積法を用いて行われ得る。
【0048】
プロセス80は、支持構造(例えば
図1、
図6及び
図8Cに示されるようなポスト18)を形成するブロック86へと続く。ポスト18の形成は、犠牲層25をパターニングして、支持構造アパーチャを形成し、PVD、PECVD、熱CVD又はスピンコーティング等の堆積法を用いて、そのアパーチャ内に物質(例えば、ポリマー、又は無機物質(例えば酸化シリコン))を堆積させて、ポスト18を形成することを含み得る。一部実施形態では、犠牲層内に形成された支持構造アパーチャが、犠牲層25及び光学積層体16を貫通して下方の基板20まで延伸し得て、
図6Aに示されるようにポスト18の下端が基板20に接触する。代わりに、
図8Cに示されるように、犠牲層25内に形成されたアパーチャは、犠牲層25を貫通して延伸するが、光学積層体16は貫通しない。例えば、
図8Eは、光学積層体16の上面と接触している支持ポスト18の下端を示す。ポスト18又は他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造物質の層を堆積させて、犠牲層25内のアパーチャから離れた位置の支持構造物質の一部をパターニングすることによって、形成され得る。支持構造は、
図8Cに示されるようにアパーチャ内部に位置し得るが、犠牲層25の一部の上に少なくとも部分的に延伸し得る。上述のように、犠牲層25及び/又は支持ポスト18のパターニングは、パターニング及びエッチングプロセスによって実行可能であるが、代わりのエッチング法でも実行可能である。
【0049】
プロセス80は、
図1、
図6及び
図8Dに示される可動反射層14等の可動反射層又は膜を形成するブロック88へと続く。可動反射層14は、一以上の堆積ステップ(例えば反射層(例えばアルミニウム、アルミニウム合金)の堆積)を、一以上のパターニングステップ、マスキングステップ及び/又はエッチングステップと共に採用することによって形成され得る。可動反射層14は、導電性であり得て、導電層と称され得る。一部実施形態では、可動反射層14は、
図8Dに示されるような複数の副層14a、14b及び14cを含み得る。一部実施形態では、副層14a及び14c等の副層のうち一つ以上が、その光学特性に対して選択された高反射副層を含み得て、他の副層14bは、その機械特性に対して選択された機械副層を含み得る。犠牲層25が、ブロック88で形成された製造途中の干渉変調器に依然として存在しているので、可動反射層14は典型的にはこの段階で可動しない。犠牲層25を含む製造途中のIMODは、本願において、“リリースされていない”IMODとも称され得る。
図1に関して上述したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
【0050】
プロセス80は、キャビティ(例えば
図1、
図6及び
図8Eに示されるキャビティ19)を形成するブロック90へと続く。キャビティ19は、犠牲物質25(ブロック84において堆積された)をエッチング剤に晒すことによって形成され得る。MoやアモルファスSi等のエッチング可能犠牲物質を、乾式化学エッチングによって除去することができ、所定の量の物質(典型的には、キャビティ19を取り囲む構造に対して選択的に除去される)を除去するのに有効な期間にわたって固体XeF
2由来の蒸気等のガス状又は蒸気のエッチング剤に犠牲層25を晒すことによって除去する。例えば湿式エッチング及び/又はプラズマエッチング等の他のエッチング法も使用可能である。犠牲層25がブロック90の間に除去されるので、可動反射層14は典型的にはこの段階の後に可動する。犠牲物質25の除去の後において、結果物の完成した又は製造途中のIMODが、本願において“リリースされた”IMODと称され得る。
【0051】
上述のように、タッチ感知ディスプレイデバイスは、一つ以上のディスプレイ(例えば、
図1〜
図8Eを参照して説明した干渉変調器)の上に配置可能な感知デバイスを含み得る。一部実施形態では、タッチ感知デバイスは、一つ以上のMEMSデバイス、干渉変調器デバイス、反射ディスプレイデバイス、及び/又は他のディスプレイデバイスの少なくとも一部の上に配置され得る。タッチ感知デバイスの性能は、その感知デバイスと関係してアドレスされたディスプレイが発生させる電気的干渉によって、悪影響を受け得る。また、ディスプレイのアドレシングは、感知デバイスが受信したタッチ入力に少なくとも部分的に基づいたものとなり得る。本願で開示されるタッチ感知ディスプレイデバイスは、適応感知設計及び/又は適応アドレシング設計を含むことができる。以下で詳細に説明されるように、適応アドレシング設計は、感知回路によってアドレシング回路に提供されるタッチ入力に少なくとも部分的に基づいてディスプレイをアドレスすることによって、電力消費を制限して、また、電気的干渉を制限することができる。また、適応感知設計は、感知回路に対してアドレシング回路によって提供されるアドレシング特性に少なくとも部分的に基づいて感知を行うことによって、及び/又は、ディスプレイデバイスの電気的干渉特性に少なくとも部分的に基づいて感知を行うことによって、感知性能を改善することができる。
【0052】
図9Aは、センサアレイの上の導電性物体の存在を感知するための複数の導電性の行及び列を有する例示的な感知デバイスの平面図を示す。本願で開示される一部の導電性構造のことを“行(ロウ)”又は“列(カラム)”と称し得るが、“行”としての一方向と、“列”としての他の方向が任意のものであることは、当業者には容易に理解される。言い換えると、配列によっては、行を列とみなすことができ、列を行とみなすことができる。更に、導電性構造は、直交する行及び列において均等に配置可能であり(“アレイ”)、又は、例えば互いに特定の位置的なずれを有する非線形な構成で配置され得る(“モザイク”)。従って、行及び列と称される導電性構造は、常に互いに直交して配置されたり、均一に配されたりする必要があるものではなく、非対称な継承や不均一に分布した要素を有する構造が含まれ得る。
【0053】
感知デバイス900aは、感知デバイス900aに対する相対的な導電性物体(例えば、使用者の指やスタイラス)の位置を決定して、この位置を外部回路(例えば、アドレシング回路、コンピュータ、又は他の電子デバイス)に提供するように構成可能である。一実施形態では、感知デバイス900aを、その下方の反射ディスプレイ(図示せず)(例えば、干渉ディスプレイ)の上に配置することができる。このような実施形態では、視聴者は、感知デバイス900aのセンサ領域908aを通して下方の反射ディスプレイの少なくとも一部を視ることができる。
【0054】
感知デバイス900aは、実質的に透明なカバー基板902aを含み得て、そのカバー基板902aは、カバー基板902aの下に配置された一組の導電性の行906a及び一組の導電性の列904aを有する。一組の導電性の行906a及び一組の導電性の列904aの詳細については、明確性のため
図9Aに示されていない。カバー基板902aは、絶縁体(例えば、ガラス)を含むことができる。導電性の行及び列906a、904aは、センサ領域908a内部にセンサアレイ920aを画定する。導電性の行及び列906a、904aは、導電性リード912a、914aによって感知回路910aに電気的に結合される。
【0055】
一部実施形態では、感知回路910aは、個々の導電性の行及び列906a、904aにパルス信号を周期的に印加して、個々の導電性の行906aと列904aとの間のキャパシタンス、又は導電性の行若しくは列と任意の接地点との間のキャパシタンスを検出する。感知回路910aは、ハードウェア及び/又はプログラマブル論理を含むことができる。導電性の行と導電性の列との間のキャパシタンスは、“相互キャパシタンス”と称され得て、導電性の行若しくは列と任意の接地点との間のキャパシタンスは、“自己キャパシタンス”と称され得る。導電性の行906aと列904aとの間の重なり付近に導電性物体を配置すると、導電性の行906aと列904aとの間の相互キャパシタンスを低下させる局所的な静電場が変化する。感知回路910aは、導電性の行及び行906a、904aの相互キャパシタンス及び/又は自己キャパシタンスを周期的に検出して、元々の状態(デフォルト状態)からのキャパシタンスの変化を比較することによって、感知領域908aの一エリアに対して近接して配置された導電性物体(例えば、タッチしている、又は近くに配置された)の存在を検出することができる。従って、一以上の行及び列906a、904a付近の局所的静電場を変化させ得る他の要因(例えば、他の回路(例えば、下方のディスプレイ)が生じさせる電気的干渉)が、感知回路910aの感知性能に影響を与える可能性がある。導電性の行及び列906a、904aの幾何学的形状のパターニングに基づいて、感知デバイス900aに対する相対的な導電性物体の位置を決定することができる。この感知された位置を、感知回路910aによって、外部回路(例えば、下方に存在する反射ディスプレイを制御するアドレシング回路)に提供することができる。
図11A〜11Dを参照して説明するように、アドレシング回路は、感知回路によってアドレシング回路に提供される感知位置に少なくとも部分的に基づいて、下方に存在するディスプレイデバイスのアドレシング特性を調節することができる。
【0056】
図9Bは、感知デバイスを動作させる例示的な方法を示す流れ図を示す。方法930を用いて、多様な感知デバイス(例えば、
図9Aの感知デバイス900a)を作動させることができる。ブロック932に示されるように、互いに離隔された導電性の行及び列を提供して、センサ領域内部にセンサアレイを形成することができる。上述のように、センサ領域を、下方に存在するディスプレイ(例えば、反射ディスプレイ)の上に配置することができる。ブロック934に示されるように、信号を外部感知回路によって各導電性の行及び列に提供することができ、そして、ブロック936に示されるように、各行及び列のキャパシタンスの変動を、時間に対して測定することができる。ブロック938に示されるように、感知回路は、隣接する行及び隣接する列の間の時間的なキャパシタンスの変動を比較することができる。各行を、センサ領域上の一つの座標位置(例えば、垂直位置)に関係させ、各列が、センサ領域状の他の座標位置(例えば、水平位置)に関係させて、ブロック940に示されるように、比較されるキャパシタンスの変動を用いて、センサ領域の上の導電性物体の二次元入力位置(例えば、水平‐垂直の座標位置)を決定するようにすることができる。
【0057】
図9Cは、タッチ感知ディスプレイデバイスの一例を示す。タッチ感知ディスプレイデバイス950cは、感知デバイス900cと、感知デバイス900cの少なくとも一部の下に配置されたディスプレイデバイス960cとを含み得る。ディスプレイデバイス960cは、
図2を参照して上述したディスプレイと同様の干渉変調器ディスプレイを含むことができる。ディスプレイデバイス960cは、複数のディスプレイ行966cと複数のディスプレイ列964cをアドレスするように構成可能なアドレシング回路962cを含むことができる。一部実施形態では、アドレシング回路962cは、導電性リード970cを介して複数のディスプレイ行966cに信号を提供する行ドライバ回路を含むことができる。一部実施形態では、アドレシング回路962cは、導電性リード972cを介して複数のディスプレイ列964cに信号を提供する列ドライバ回路も含むことができる。上述のように、複数のディスプレイ行966c及び/又は複数のディスプレイ列964cをアドレスすると、感知デバイス900cの性能に影響を与え得る電気的干渉を生じさせる可能性がある。
【0058】
図9Aを参照して上述した感知デバイス900aと同様に、
図9Cの感知デバイス900cは実質的に透明なカバー基板902cを含むことができ、そのカバー基板902cは、カバー基板902cの下に配置された一組の導電性の行906c及び一組の導電性の列904cを有する。導電性の行及び列906c、904cは、センサ領域908c内部にセンサアレイ920cを画定することができる。導電性の行及び列906c、904cは、導電性リード912c、914cによって感知回路910cに電気的に結合され得る。
【0059】
感知回路910cは、個々の導電性の行及び列906c、904cにパルス信号を周期的に印加して、個々の導電性の行906cと列904cとの間のキャパシタンス、及び/又は、導電性の行若しくは列と任意の接地点との間のキャパシタンスを検出することができる。一つ以上の感知特性(例えば、信号対ノイズ比、感度閾値、開始/停止時間、部分的走査、感知回路に対する入力波形の電圧、感知波形の電流駆動、周波数、受信される感知信号に対して適用されるフィルタリングの種類及び量)に応じて、パルス信号を導電性の行及び列906c、904cに印加することができる。
【0060】
導電性の行906cと列904cとの間の重なり付近に導電性物体を配置すると、導電性の行906cと列904cとの間の相互キャパシタンスを低下させ得る局所的な静電場を変化させることができる。感知回路910cは、導電性の行及び列906c、904cの相互キャパシタンス及び/又は自己キャパシタンスを周期的に検出して、元々の状態からのキャパシタンスの変化を比較することによって、センサ領域908cの一エリアに対して近接して配置された導電性物体(例えば、タッチしている、近くに配置された)の存在を検出することができる。しかしながら、下方に存在するディスプレイデバイス960が生じさせる電気的干渉が、感知デバイス900cの感度に影響を与える可能性がある。従って、
図12A〜
図12Cを参照して後述するように、アドレシング回路962cが、複数のディスプレイ行966c及び複数のディスプレイ列964cをアドレスしている際に、感知デバイス900cの感知特性を、ディスプレイデバイス960cが生じさせる電気的干渉を考慮するように調節することができる。
【0061】
図10A及び
図10Bは、二つの例示的な実施形態の感知デバイスの断面図を示す。
図10Aは、下方に存在する干渉ディスプレイ1070aの上に配置された感知デバイス1001aを含むディスプレイデバイス1000aの断面図を示す。上述のように、感知デバイスを、他のタイプのディスプレイ及び/又はディスプレイではない物体の上に配置することができる。一部実施形態では、感知デバイスを、感知デバイスの下に配置されていないディスプレイデバイスと関連付けることができる。例えば、感知デバイスを、感知デバイスに隣接して配置されたディスプレイデバイスに関係付け得る。
【0062】
感知デバイス1001aは、第一の側に配置されたカバー層1002aと、反対側に配置された絶縁層1082aを含むことができる。一部実施形態では、カバー層1002は、カバー層1002aの下に配置された構成要素を保護するように構成され得て、また、0.02mmから1.5mmの間の厚さを有することができる。他の実施形態では、カバー層1002aは、20μm未満で、略0.5μmという薄さの厚さを有することができる。一部実施形態では、絶縁層1082aは、任意の非導電性物質を含み、下方に存在する干渉ディスプレイ1070aから感知デバイス1001aを電気的に絶縁するように構成され得る。
【0063】
また、感知デバイス1001aは、x軸(図において左から右に示される)に略平行に延伸する導電性の行1006aと、導電性の行1006aと略平行で且つy軸(図の面内及び面外として示される)に略平行に延伸する一組の導電性の列1004aとを含むことができる。導電性の列1004a及び導電性の行1006aはセンサアレイ1005aを形成することができて、そのセンサアレイ1005aは、上述のように一つ以上の感知回路(図示せず)に電気的に結合されて感知デバイスを形成することができる。絶縁層及びその上又は下の交差セグメント(図示せず)を介した電気ビアによって、隣接する又は重なっている導電性の行1006a及び導電性の列1004aの間の電気的短絡を回避しながら、導電性の列1004a又は導電性の行1006aの一部を、導電性の列1004a又は導電性の行1006aの他の部分にそれぞれ電気的に接続することができる。
【0064】
更に
図10Aを参照すると、干渉ディスプレイ1070aをセンサアレイ1005aの下に配置して、ディスプレイデバイス1000aに入射する光が、センサアレイ1005aを通って干渉ディスプレイ1070aに向かうようにすることができる。干渉ディスプレイ1070aは、吸収体層1016a(例えば半反射半透過層)と、一つ以上のポストによって吸収体層1016aからずらされた可動反射体層1014aを含むことができる。一つ以上の光学共鳴キャビティ1019aを、吸収体層1016aと可動反射体層1014aとの間に配置することができる。
図1〜
図8Eの一部を参照して説明した可動反射層について上述したように、可動反射体層1014aを、少なくとも二つの状態の間で駆動させて、ディスプレイデバイス1000aから反射される光の波長を変化させることができる。従って、干渉ディスプレイ1070aを、第一の状態と第二の状態との間で可動反射体層1014aを駆動させるようにアドレシング回路によってアドレスすることができる。
【0065】
図10Bは、下方に存在する干渉ディスプレイ1070bの上に配置された感知デバイス1001bを組み込んだディスプレイデバイス100bの他の実施形態を概略的に示す。この実施形態では、センサアレイ1005bは、一組の導電性の行1006bと一組の導電性の列1004bとの間に配置された第二の絶縁層1084bを含むことができる。第一及び第二の絶縁層1082b、1084bは、導電性の行及び列1006b、1004bを互いに絶縁し、且つ、吸収体層1016bから絶縁するように構成された任意の絶縁体又は誘電体を含むことができる。第一及び第二の絶縁層1082b、1084bは、光が顕著に吸収されずにそれらを通過することができるように光学的に透明であり得る。また、第一及び第二の絶縁層1082b、1084bの屈折率は、それらを通過する光の屈折を抑止するように選択され得る。例えば、絶縁層1082b、1084bは、それらの層の真上又は真下に配置される物質と屈折率整合され得る。更に、一部実施形態では、任意の反射防止層が、絶縁層1082b、1084bの上及び/又は下に配置され得る。このような反射防止層は、反射防止層の真上及び真下の物質の反射率の積のルートに等しい屈折率において波長の四分の一の厚さの材料層から形成され得る。一部実施形態では、絶縁層1082b、1084b及び/又は任意の反射防止層は、1.30から1.60の範囲内の屈折率を有することができる。
【0066】
図11A〜
図11Dは、適応アドレシング設計を含むタッチ感知ディスプレイデバイスの一例を示す。タッチ感知ディスプレイデバイス1100は、ディスプレイデバイス(例えば、干渉変調器)の上に少なくとも部分的に配置可能なセンサ領域1108を含むことができる。
図11Aに示されるように、タッチ感知ディスプレイデバイス1100は、導電性物体(例えば、指1102)によるタッチ入力のエリア1110を感知するように構成され得る。タッチ感知ディスプレイデバイス1100に含まれる感知デバイスは、一つ以上の導電性の行1106及び一つ以上の導電性の列1104を含むことができる。明確性のため、
図11A及び
図11Bは、単一の導電性の行1106及び単一の導電性の列1104を示す。
【0067】
図9A及び
図9Cを参照して上述したように、感知回路は、個々の導電性の行及び列1106、1104にパルス信号を周期的に印加して、個々の導電性の行1106と列1104との間のキャパシタンス、及び/又は、導電性の行若しくは列と任意の接地点との間のキャパシタンスを検出することができる。導電性の行1106と導電性の列1104との間の重なり付近に指1102配置すると、導電性の行1106と列1104との間の相互キャパシタンスを低下させる局所的静電場を変化させることができる。感知回路は、導電性の行及び列1106、1104の相互キャパシタンス及び/又は自己キャパシタンスを周期的に検出して、元々の状態からのキャパシタンスの変化を比較することによって、センサ領域1108の一エリア1110の近傍に配置された指1102(例えば、タッチしている、又は近くに配置された)の存在を検出することができる。タッチ感知ディスプレイデバイスの一部実施形態では、タッチ入力を用いて、組み込みソフトウェアと相互作用することができる。例えば、タッチ入力を用いて、カーソルエレメントを操作して、ソフトウェアを介したナビゲーションを行ったり、及び/又は、手書きの文字を表示したり、及び/又は、手書きの文字をメモリ内に入力することができる。
【0068】
次に
図11Bを参照すると、タッチ感知ディスプレイデバイス1100が、
図11Aのタッチ入力のエリア1110の下に表示されたカーソルエレメント1112と共に示されている。使用者は、タッチ入力の位置を変更することによって、カーソルエレメント1112を操作し得る。例えば、使用者は、指1102でセンサ領域1108をタッチして、カーソルエレメント112をタッチエリア1110の下に表示して、次に、指1102をタッチ領域1108の第二のエリアに移動させて、第二のエリアの下にカーソルエレメント1112を表示し得る。
【0069】
多くの場合において、カーソルエレメント1112は、静的な背景画像(例えば、ウェブページの画像やワープロ文書の画像)の上に表示され得る。反射ディスプレイ(例えば、干渉変調器)を含むタッチ感知ディスプレイデバイスの実施形態では、デバイスは、モードを維持する際に低消費電力を、ディスプレイをアドレスする際に(例えば、ディスプレイをリフレッシュする際に)高消費電力を有し得る。カーソルエレメントの表示は、カーソルエレメントの移動を反映するように継続的なアドレシングを必要とし得るので、既存のタッチ感知ディスプレイデバイスは、カーソルエレメントを表示する際にディスプレイ全体をアドレスし得て、高消費電力及び電気的干渉の発生がもたらされる。
図11C及び
図11Dを参照して後述するように、本願で開示されるタッチ感知デバイスの実施形態は、ディスプレイの一部分のみを継続的にアドレスする際に電力消費及び電気的干渉を制限する適応アドレシング設計を組み込むことができる。
【0070】
図11Cは、カーソルエレメント1112を表示するようにタッチ感知ディスプレイデバイス1100のアドレシング回路をアドレスすることによって、アドレス可能なディスプレイ行1116a及びディスプレイ列1114aを示す。タッチ感知ディスプレイデバイス1100は、複数のディスプレイ行1116及び複数のディスプレイ列1114を含み、画像を表示するようにデバイスの他の部分をアドレスすることができる。しかしながら、カーソルエレメント1112以外のディスプレイの部分が静的である場合、適応アドレシング回路は、ディスプレイの静的な部分を連続的にアドレシングすることなく、動的なカーソルエレメント1112を表示するようにディスプレイ行1116a及びディスプレイ列1114aのみを継続的にアドレスすることができる。従って、適応アドレシング設計をタッチ感知ディスプレイデバイスに組み込むと、タッチ入力に応答してディスプレイの一部のみをアドレスすることによって、電力消費及び電気的干渉を制限することができる。一部実施形態では、ディスプレイ行1116aに隣接する一つ以上の行1116及びディスプレイ列1114aに隣接する一つ以上の列1114を、ディスプレイ行1116a及びディスプレイ列1114aと共に継続的にアドレスして、タッチ入力がエリア1110から僅かに逸脱した場合においてもカーソルエレメント1112が継続的に表示されることを保証する。このような実施形態では、ディスプレイ行1116aからずれている他のディスプレイ行1116をアドレスせず、また、ディスプレイ列1114aからずれているディスプレイ列1114をアドレスしないことによって、電力消費及び電気的干渉を低減することができる。
【0071】
図11Dは、
図11A〜
図11Cのタッチ入力のカーソルエレメント1112を第一の位置から第二の位置に操作する様子を概略的に示す。
図11Dは、第一の位置にある
図11Cのカーソルエレメント1112を表す第一のカーソルエレメント1112aと、第二の位置にある
図11Cのカーソルエレメント1112を表す第二のカーソルエレメント1112bとを含む。図示されているように、第一のカーソルエレメント1112aを、ディスプレイ行1116a及びディスプレイ列1114aをアドレスすることによって、表示することができる。同様に、第二のカーソルエレメント1112bを、ディスプレイ行1116b及びディスプレイ列1114bをアドレスすることによって、表示することができる。カーソルエレメント1112が第一の位置から第二の位置に移動すると、適応アドレシング回路は、他のディスプレイ行及びディスプレイ列をアドレスせずに、使用者のタッチ入力に対応するディスプレイ行及びディスプレイ列1116、1114のみをアドレスすることができる。このようにして、適応アドレシング回路は、電力消費及び電気的干渉を制限することができる。電気的干渉を制限することによって、感知感度を増大させて、感知速度を上昇させることができる。一部実施形態では、感知デバイスは、カーソルエレメントのそれまでの移動経路の軌跡に基づいて、カーソルエレメントの移動経路を予測することができる。タッチ入力経路の予測は、感知回路によって適応アドレシング回路に提供され得て、タッチ感知ディスプレイデバイスのアドレシング速度を上昇させて、並びに/又は、電力消費及び/若しくは電気的干渉を更に制限する。
【0072】
上述のように、本願で開示されるタッチ感知ディスプレイデバイスの一部実施形態は、適応アドレシング設計を含み、電力消費及び/又は電気的干渉を制限することができる。更に、タッチ感知ディスプレイデバイスの一部実施形態は、適応感知設計を含み得る。適応感知設計は、アドレシング回路のアドレシング特性及び/又は関連するディスプレイの電気的干渉特性に少なくとも部分的に基づいて、感知デバイスの感知特性を調節する感知回路を含むことができる。従って、適応感知設計を、ディスプレイの変化のアドレシング特性として、感知性能を調節するように実施し得る。一部実施形態では、アドレシング特性として、部分的アップデート、アップデート速度、アドレシング領域の識別、高電圧アドレシング、低電圧アドレシング、高セグメント駆動、低セグメント駆動、ライン反転、ドット反転、フレーム反転、解像度を挙げることができる。
【0073】
一部実施形態では、感知特性として、信号対ノイズ比、感度閾値、開始/停止時間、部分的走査、感知回路に対する入力波形の電圧、感知波形の電流駆動、周波数、受信される感知信号に対して適用されるフィルタリングの種類及び量を挙げることができる。一例では、ディスプレイのアドレシング特性を調節すると、ディスプレイの電気的干渉特性が増大し得て、感知回路が、その増大した電気的干渉特性に基づいて、及び/又は、調節されたアドレシング特性に基づいて、感知特性(例えば、感度閾値)を低減させ得る。従って、感知デバイスの性能を、アドレシング特性の変化に起因する電気的干渉の変化と共に調節することができる。他の例では、ディスプレイのアドレシング特性を調節すると、ディスプレイの電気的干渉特性が低減し得て、感知回路が、低減した電気的干渉特性に基づいて、及び/又は、調節されたアドレシング特性に基づいて、感知特性を増大させ得る。他の例では、感知のタイミング及びアドレシングのタイミングが互いに干渉し得る。このような例では、アドレシング周波数、又はその調波の一つが感知周波数と近くなり、電気的干渉特性が増大する。電気的干渉特性を制限及び/又は低減するため、アドレシング周波数又は感知特性のいずれかを調節し得る。例えば、システムに対するビデオ入力速度の変化に適合するようにアドレシング周波数を調節することが重要である場合、感知周波数を変化させ得る。代わりに、周囲条件(例えば、温度)の変化に適合するようにアドレシング波形を増大させる場合、電気的干渉特性が増大し得る。このような例では、感知特性が、更なる平均化を必要とするように調節され得て、及び/又は、感知回路がより大きな電圧パルスを送信し得る。
【0074】
図12Aは、適応感知設計及び/又は適応アドレシング設計を有するタッチ感知ディスプレイデバイスの一例を示す。
図12のタッチ感知ディスプレイデバイス1250cは、
図9Cのタッチ感知ディスプレイデバイス950cと同様のものである。しかしながら、アドレシング回路962c及び感知回路910cが、例えば接続980を介して、互いに通信することができる。一部実施形態では、アドレシング回路962cは、感知回路910cからの入力を受け取り、及び/又は、感知回路910cがアドレシング回路962cからの入力を受け取ることができる。
【0075】
一部実施形態では、感知回路910cは、アドレシング回路962から受信した入力に少なくとも部分的に基づいて、感知デバイス900cの感知特性を調節することができる。一部実施形態では、感知回路910cによる感知特性の調節は、アドレシング回路962cによるアドレシング特性の調節に基づいて変更された電気的干渉特性に基づいたものとなり得る。
図12B及び
図12Cを参照して後述するように、感知回路910cによる感知特性の調節は、一つ以上のルックアップテーブルに基づいたものとなり得る。例えば、アドレシング回路962cは、ディスプレイが発生させる電気的干渉を増大させ得る解像度等のアドレシング特性を増大させ得る。感知回路910cは、アドレシング特性の調節に関係している及び/又は電気的干渉の増大に関係しているアドレシング回路からの入力を受け取り、それに応じて感知特性を調節することができる。従って、感知回路910cは、アドレシング回路の調節に少なくとも部分的に基づいて、電気的干渉の変化に応答して感知特性を調節することができる。一部実施形態では、感知回路910cは、電気的干渉の変化を感知して、その感知された変化に少なくとも部分的に基づいて感知特性を調節することができる。
【0076】
一部実施形態では、アドレシング回路962cは、感知回路910cから受信した入力に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイデバイス960cのアドレシング特性を調節することができる。一部実施形態では、アドレシング回路によるアドレシング特性の調節は、感知回路910cによってアドレシング回路962cに提供されるタッチ入力に基づいたものとなり得る。一例では、センサ領域908cの一エリアに対応するタッチ入力がアドレシング回路962cに提供されて、ディスプレイの他の部分をアドレスせずに、感知領域908cのそのエリアに対応するディスプレイ行966c及びディスプレイ列964cのみがアドレシングされるようにすることができる。このようにして、アドレシング回路962cは、感知回路910cから受信した入力に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイデバイス960cの電力消費及び電気的干渉の発生を制限することができる。
【0077】
一部実施形態では、タッチ感知ディスプレイデバイス1250cは、適応感知設計及び適応アドレシング設計の両方を含むことができる。このような実施形態では、感知回路がタッチ入力の位置を検出して、その位置をアドレシング回路に提供することができる。アドレシング回路は、タッチ入力に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイのアドレシング特性を変化させ得る。例えば、ディスプレイの残りの部分が静的画像を含みながら、カーソルエレメントがタッチ入力の下に表示されるように、アドレシング回路が、ディスプレイのアドレシング特性(例えば、部分的アップデート)を調節し得る。感知回路は、調節されたアドレシング特性を識別する情報、及び/又は、アドレシング特性によって生じる干渉の変化を識別する情報を受信し得る。感知回路は、受信した情報に少なくとも部分的に基づいて感知特性を調節し得る。一部実施形態では、感知回路は、調節されたアドレシング特性に応答して、及び/又は、ディスプレイの電気的干渉特性に応答して走査されたディスプレイの部分を調節し得る。例えば、アドレシング回路がカーソルエレメントを表示する際に、感知回路は、カーソルエレメントを含むディスプレイの領域のみを部分的に走査して、及び/又は、カーソルエレメントを含むディスプレイの領域の走査速度を上昇させ得る。
【0078】
図12B及び
図12Cは、
図12Aのタッチ感知ディスプレイデバイスで使用可能なルックアップテーブルの例を示す。
図12Bは、アドレシング特性入力の列1282b及び感知特性出力の列1284bを含むルックアップテーブル1280bの一例を示す。アドレシング特性入力の列1282bは、アドレシング回路によって調節され感知回路に提供可能な多様なアドレシング特性を含むことができる。明確性のため、アドレシング特性入力の列1282bに含まれるアドレシング特性は数字によって識別され、各数字が、アドレシング特性(例えば、部分的アップデート、アップデート速度、アドレシング領域の識別、高電圧アドレシング、低電圧アドレシング、高セグメント駆動、低セグメント駆動、ライン反転、ドット反転、フレーム反転、解像度)に対応している。一部実施形態では、アドレシング特性入力の列1282bに含まれる各アドレシング特性は、同じ種類のものとなり得る。例えば、アドレシング特性入力の列1282bの各アドレシング特性は、ディスプレイの一部の解像度であり得る。一部実施形態では、アドレシング特性入力の列1282bに含まれるアドレシング特性は、異なる種類のアドレシング特性を含み得る。各アドレシング特性は、ディスプレイをアドレスする際にアドレシング回路によって任意で変更され得て、ディスプレイが生じさせる干渉の変化をもたらし得る。
【0079】
感知特性出力の列1284bは、アドレシング特性入力の列1282bの一つ以上のアドレシング特性に対応する多様な感知特性を含むことができる。一例として、感知特性入力の列1284bに含まれる感知特性は、部分的走査特性として識別される。しかしながら、感知入力の列1284bに含まれる感知特性は、異なる種類のもの、例えば、部分的走査特性及び周波数となり得る。また、一部実施形態では、多数の感知特性が、アドレシング特性入力の列1282bの単一のアドレシング特性入力に対応し得る。従って、感知回路は、アドレシング回路から受信した一つ以上のアドレシング特性入力に基づいて、異なる種類の感知特性及び/又は多数の感知特性を調節することができる。
【0080】
図12Cは、干渉特性入力の列1283c及び感知特性出力の列1284cを含むルックアップテーブル1280cの一例を示す。干渉特性入力の列1283cは、アドレシング回路によって影響されて感知回路によって提供可能な多様な干渉特性(例えば、電気的干渉特性)を含むことができる。明確性のため、干渉特性入力の列1283cに含まれる干渉特性は、数字によって識別されていて、各数字が干渉特性に対応している。一部実施形態では、干渉が、干渉特性入力の列1283cを下るにつれて、大きくなり得る。各干渉特性は、ディスプレイをアドレスする際にアドレシング回路によって任意で影響を受け得て、また、一つ以上の感知素子付近の局所的静電場を変更することによって、タッチセンサデバイスの性能に影響を与え得る。
【0081】
感知特性出力の列1284cは、干渉特性入力の列1283cの一つ以上の干渉特性に対応する多様な感知特性を含むことができる。一例では、感知特性入力の列1284cに含まれる感知特性は、周波数又はサンプルレートとして識別される。しかしながら、感知入力の列1284cに含まれる感知特性は、異なる種類のもの、例えば、部分的走査特性及び周波数となり得る。また、一部実施形態では、多数の感知特性が、干渉特性入力の列1283cの単一のアドレシング特性に対応し得る。従って、感知回路は、干渉特性入力に基づいて、異なる種類の感知特性及び/又は多数の感知特性を調節することができる。
【0082】
ルックアップテーブル1280b、1280cを、予め設定された入力及び出力を含むようにプログラムすることができ、及び/又は、使用者の入力によって入力及び出力を変更するようにプログラム可能であり得る。ルックアップテーブル1280b、1280cを、アドレシング回路に結合された一つ以上のストレージデバイスに記憶することができる。代わりに、アドレシング回路は、ルックアップテーブル1280b、1280cに記された値に対して固定され得る。動作時には、アドレシング回路は、一つ以上のアドレシング特性に応じて、ディスプレイをアドレスし得る。所定の時間にディスプレイをアドレスするのに用いられる特性は、感知性能に影響を与える可能性のある干渉をもたらし得る。従って、アドレシング特性及び/又は干渉特性を、感知回路によって受信することができる。感知回路は、ルックアップテーブル(例えば、
図12B及び
図12Cのルックアップテーブル1280b、1280c)に記されたものとして受信したアドレシング特性及び/又は干渉特性に少なくとも部分的に基づいて、感知特性を任意で調節することができる。ルックアップテーブル1280b、1280cは、感知回路に結合された一つ以上のストレージデバイスに記憶され得る。代わりに、感知回路は、ルックアップテーブル1280b、1280cに記された値に対して固定され得る。一部実施形態では、感知回路は、アドレシング特性入力のルックアップテーブル(例えば、テーブル1280b)に基づいて、感知特性を調節することができる。一部実施形態では、感知回路は、干渉特性入力のルックアップテーブル(例えば、テーブル1280c)に基づいて、感知特性を調節することができる。一部実施形態では、感知回路は、干渉特性入力のルックアップテーブル及びアドレシング特性入力のルックアップテーブルに基づいて、感知特性を調節することができる。このようにして、感知回路による感知特性の調節を、一つ以上のルックアップテーブルによって決定することができる。
【0083】
図13は、タッチ感知ディスプレイデバイスで使用されるプロセスの一例を示す。ブロック1301に示されるように、例示的なプロセス1300は、ディスプレイの少なくとも一つのアドレシング特性を調節することを含み、その少なくとも一つのアドレシング特性を調節することが、ディスプレイの干渉特性を変更する。調節されるアドレシング特性として、例えば、アドレシング領域の識別や、アップデート速度を挙げることができる。
【0084】
ブロック1303に示されるように、例示的なプロセス1300は、アドレシング特性又は干渉特性に少なくとも部分的に基づいて、タッチセンサの少なくとも一つの感知特性を調節することを含むことができる。一部実施形態では、調節される感知特性として、例えば、信号対ノイズ比、感度閾値、開始/停止時間、部分的走査、感知回路に対する入力波形の電圧、感知波形の電流駆動、周波数、受信される感知信号に対して適用されるフィルタリングの種類及び量を挙げることができる。一部実施形態では、少なくとも一つの感知特性を調整することが、干渉特性を増大させることを含み得て、感知特性を調整することが、感知特性を低減させることを含み得る。例示的なプロセス1300は、ブロック1305に示されるように、調節された感知特性に基づいて感知を行うことも含むことができる。
【0085】
図14A及び
図14Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示す。ディスプレイデバイス40は例えば携帯電話であり得る。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ部品又はその若干の変更例は、テレビ、電子リーダ、携帯メディアプレーヤー等の多様なタイプのディスプレイデバイスを表すものでもある。
【0086】
ディスプレイデバイス40は、筐体41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ45と、入力デバイス48と、マイク46とを含む。筐体41は、多様な製造プロセスで形成可能であり、射出成形や真空成形が挙げられる。また、筐体は多様な物質から作製可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。筐体41は、取り外し可能な部分(図示せず)を含み得て、色が異なったり、異なるロゴ、写真、又は記号を含んだりする他の取り外し可能な部分と相互交換可能となり得る。
【0087】
ディスプレイ30は、本願で説明されるような、双安定ディスプレイやアナログディスプレイを含む多様なディスプレイのいずれかであり得る。また、ディスプレイ30は、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TET LCD等のフラットパネルディスプレイ、又はCRTや他のチューブデバイス等のフラットパネルではないディスプレイを含むようにも構成され得る。また、ディスプレイ30は、本明細書で説明されるような、干渉変調器ディスプレイを含み得る。
【0088】
ディスプレイデバイス40の構成要素が、
図14Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、筐体41を含み、また、それに少なくとも部分的に取り囲まれた追加の構成要素も含み得る。例えば、ディスプレイデバイス40は、送受信機47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。送受信機47はプロセッサ21に接続され、そのプロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイク46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48及びドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29はフレームバッファ28とアレイドライバ22とに結合されて、そのアレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合される。電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計により必要とされるような全ての構成要素に電力を供給することができる。
【0089】
ネットワークインターフェース27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、ディスプレイデバイス40が、ネットワーク上の一つ以上のデバイスと通信できるようにする。ネットワークインターフェース27は、例えばプロセッサ21のデータ処理要求を軽減するようにある程度の処理性能も有し得る。アンテナ43は、信号を送受信する。一部実施形態では、アンテナ43は、IEEE 16.11規格(IEEE 16.11(a)、(b)、(g)を含む)又はIEEE 802.11規格(IEEE 802.11a、b、g、nを含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の一部実施形態では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナ43は、CDMA(code division Multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、GSM(登録商標)/GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)、TETRA(Terrestrial Trunked Radio)、W‐CDMA(Wideband‐CDMA)、EV‐DO(Evolution Data Optimized)、1xEV‐DO、EV‐DO Rev A、EV‐DO Rev B、HSPA(High Speed Packet Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、HSPA+(Evolved High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、AMPS、又は、3Gや4G技術を用いたシステム等のワイヤレスネットワーク内の通信に使用される他の既知の信号を受信するように設計される。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理することができて、その信号が、プロセッサ21によって受信されて更に操作されるようにする。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号を処理することもできて、その信号が、アンテナ43を介してディスプレイデバイス43から送信されるようにする。
【0090】
一部実施形態では、送受信機47を受信機に置換し得る。また、ネットワークインターフェース27を、プロセッサ21に送信される画像データを記憶又は発生させることができる画像ソースに置換し得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作全体を制御し得る。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27又は画像ソースから圧縮画像データ等のデータを受信して、そのデータを、生の画像データ、又は生の画像データへと簡単に処理されるフォーマットへと処理する。プロセッサ21は、処理されたデータを、ドライバコントローラ29又は記憶用のフレームバッファ28に送信し得る。生データとは典型的に、画像内の各位置における画像特性を識別する情報のことを称する。例えば、そのような画像特性として、色、彩度、グレイスケールレベルが挙げられる。
【0091】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み得る。調整ハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、また、マイク46から信号を受信するために、アンプ及びフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内部の個別部品であり得て、または、プロセッサ21又は他の構成要素内に組み込まれ得る。
【0092】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサ21から直接又はフレームバッファ28から受け取って、アレイドライバ22への高速伝送のために、その生の画像データを再フォーマットし得る。一部実施形態では、ドライバコントローラ29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットし得て、そのデータフローがディスプレイアレイ30にわたる走査に適したタイムオーダを有するようにする。そして、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCDコントローラ等のドライバコントローラ29は、スタンドアローン型集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に付随することが多いが、このようなコントローラは、多様な方法で実現され得る。例えば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に実装されるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21に実装されるか、又はアレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積され得る。
【0093】
アレイドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信して、ビデオデータを、並列な組の波形に再フォーマットすることができて、その並列な組の波形は、一秒当たり何度も、数百、場合によっては数千(又はそれ以上)のリード(ディスプレイの画素のx‐yマトリクスから来る)に印加される。
【0094】
一部実施形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに適したものである。例えば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定ディスプレイコントローラ(例えば、IMODコントローラ)であり得る。また、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定ディスプレイドライバ(例えば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。更に、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイ又は双安定ディスプレイアレイ(例えば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。一部実施形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と集積され得る。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、及び他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて共通している。
【0095】
一部実施形態では、入力デバイス48は、使用者がディスプレイデバイス40の動作を制御することができるように構成され得る。入力デバイス48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチ感知スクリーン、又は圧力感知若しくは熱感知膜を含み得る。マイク46は、ディスプレイデバイス40用の入力デバイスとして構成され得る。一部実施形態では、マイクロ46を介した音声命令を用いて、ディスプレイデバイス40の動作を制御することができる。
【0096】
電源50は、当該分野において周知であるような多様なエネルギーストレージデバイスを含み得る。例えば、電源50は、充電式バッテリ(例えばニッケルカドミウムバッテリやリチウムイオンバッテリ等)であり得る。また、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、太陽電池(プラスチック太陽電池や太陽電池ペイント等)でもあり得る。また、電源50は、コンセントから電力供給されるようにも構成可能である。
【0097】
一部実施形態では、制御プログラム可能性は、電子ディスプレイシステム内の複数箇所に配置可能なドライバコントローラ29内に在る。他の一部実施形態では、制御プログラム可能性はアレイドライバ22内に在る。上述の最適化は、あらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素及び多様な構成において実施可能である。
【0098】
本願で開示される実施形態に関して説明される多様で例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、アルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実施され得る。ハードウェア及びソフトウェアの可換性は、一般的にその機能性に関して説明され、上述の多様で例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップにおいて説明されている。このような機能性がハードウェアにおいて実施されるかソフトウェアにおいて実施されるのかは、具体的な応用と、システム全体に課せられる設計の制約に依存する。
【0099】
本願で開示される側面に関して説明される多様で例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路を実施するために用いられるハードウェア及びデータ処理装置は、本願で説明される機能を実施するように設計された汎用の単一又はマルチチッププロセッサ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア部品、又はこれらの組み合わせを用いて、実施又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、又は従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であり得る。また、プロセッサは、複数の計算デバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた一つ以上のマイクロプロセッサ、このような他の構成)としても実施可能である。一部実施形態では、特定のステップ及び方法が、所定の機能専用の回路によって実行され得る。
【0100】
一以上の側面において、説明される機能が、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア(本明細書で開示される構造、その等価な構造物、又はそれらの組み合わせを含む)において実施され得る。本明細書で説明される主題の実施形態は、データ処理装置によって実行される又はその動作を制御するコンピュータストレージ媒体に実装された一つ以上のコンピュータプログラム(つまり、コンピュータプログラム命令の一つ以上のモジュール)としても実施され得る。
【0101】
本開示で説明される実施形態の多様な修正が当業者には明らかであり、本願で定められる一般原理は、本願の精神又は範囲を逸脱せずに他の実施形態に適用可能である。従って、本開示は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本願で開示される特許請求の範囲、原理及び新規特徴と矛盾しない最も広範な範囲に従うものである。“例示的”との用語は、本願において専ら、“例となる”ことを意味するものである。また、“例示的”に本明細書で説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態に対して好ましいものであったり有利であったりするものではない。また、 “上”及び“下”との用語が図面を簡単に説明するために使われることがあるものであって、適当な向きのページに対する図面の位置に対応する相対的な位置を示すものであって、実施されるようなIMODの適当な向きを反映しないことがある点を当業者は理解されたい。
【0102】
別々の実施形態に関連して本明細書で説明される具体的な図面は、単一の実施形態において組み合わせ実施され得る。逆に、単一の実施形態に関連して説明される多様な図面は、複数の実施形態において別々に実施されたり、適切な部分組み合わせで実施されたりし得る。更に、特徴が、特定の組み合わせにおいて作用するものとして上記で説明されたり、そのようなものとして特許請求されたりし得るが、場合によっては、特許請求される組み合わせからの一つ以上の特徴が、その組み合わせから削除され得て、特許請求される組み合わせが、一部組み合わせ、又は一部組み合わせのバリエーションを対象とし得る。
【0103】
同様に、動作は図面において特定の順番で示されているが、これは、所望の結果を得るためには、そのような動作を図示される特定の順番又は逐次的な順番で実施しなければならないと理解されるものではなく、全ての図示された動作を行わなければならないと理解されるものでもない。更に、図面は、流れ図において一つ以上の例示的なプロセスを概略的に示したものであり得る。しかしながら、示されていない他の動作が、概略的に示された例示的プロセスに組み込まれ得る。例えば、一つ以上の追加動作が、図示されたいずれかの動作の前、後、同時、又は間に実行され得る。場合によっては、マルチタスク及び並列処理が有利となり得る。更に、上述の実施形態における多様なシステムコンポーネントの分離は、そのような分離が全ての実施形態において必要であると理解されるものではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは一般的に、単一のソフトウェア製品内に互いに統合されるか、又は複数のソフトウェア製品内にパッケージングされ得る。また、他の実施形態も、特許請求の範囲内に存在する。場合によっては、特許請求の範囲内の動作が、異なる順番で実行可能であり、それでも所望の結果が達成される。