特許第5696336号(P5696336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5696336
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】特に食品産業界用のバーコンベヤベルト
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/06 20060101AFI20150319BHJP
   B65G 17/38 20060101ALI20150319BHJP
   B65G 17/00 20060101ALN20150319BHJP
【FI】
   B65G17/06 D
   B65G17/38 A
   !B65G17/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-549692(P2011-549692)
(86)(22)【出願日】2010年2月11日
(65)【公表番号】特表2012-517951(P2012-517951A)
(43)【公表日】2012年8月9日
(86)【国際出願番号】IB2010000264
(87)【国際公開番号】WO2010092460
(87)【国際公開日】20100819
【審査請求日】2013年1月10日
(31)【優先権主張番号】VE2009A000014
(32)【優先日】2009年2月13日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511185759
【氏名又は名称】テクノ プール エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ラゴ,レオポルド
【審査官】 土井 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−056489(JP,A)
【文献】 実開平07−028118(JP,U)
【文献】 米国特許第05954187(US,A)
【文献】 米国特許第06550610(US,B2)
【文献】 特開2008−267589(JP,A)
【文献】 特開2000−185809(JP,A)
【文献】 特開平10−035846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00 − 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの平行な長手方向のチェーン(6)と、搬送表面を形成するとともに2つのチェーン(6)の連続するリンク(4)に対して端部で固定される複数のバー(2)とを含むバーコンベヤベルトであって、
各々のチェーンリンクは、チェーンの前進方向に対して上流に位置する隣接するリンク(4)を部分的に収容するよう意図された空間を定義するために配された、挿入部(8)の側壁(10)に近接する内部アーム(16)と、外部アーム(18)とを備えたU字状に曲げられた金属板からなり、
前記内部アーム(16)と外部アーム(18)は、下流のリンクに接続される前記バー(2)の経路のための長手方向の溝部(26)とともに提供され、
各々のリンクの外部アーム(18)は、駆動スプロケット(24)の歯によって係合可能な突起物(22)を形成するために外側に伸張し
−各々のリンク(2)の突起物(22)は、完全なインボリュート形状を備えた歯を形成するために、チェーンの進行方向に曲げられ、および、
−前記リンク(4)の内部アーム(16)と外部アーム(18)に設けられた2つの穴部と、上流のリンクの内部アーム(16)及び外部アーム(18)に設けられた溝部(26)とを通った後に、各々のバー(2)の端部は前記突起物(22)内に伸張して、その上部に固定されることを特徴とするバーコンベヤベルト。
【請求項2】
牽引状態における各々のチェーンの2つの隣接するリンク(4)の突起物(22)の間の高さと距離は、前記駆動スプロケット(24)と前記突起物(22)との間の係合が前記スプロケット(24)の少なくとも3つの連続した歯に同時に作用するようなものであることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
曲げられた突起物(22)の自由端部が、夫々のリンク(4)の外部アーム(18)の外側面で静止するまで伸張することを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
各々のバー(2)が、内部アーム(16)と、各々のリンク(4)の突起物(22)の上部とに溶接されることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
各々のバー(2)が同様に各々のリンク(4)の外部アーム(18)にも溶接されることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に食品産業界用のバーコンベヤベルトに関する。食品産業界において、施設(オーブン、ドライヤー、冷蔵庫など)には、扱う製品を配した既知のエンドレスコンベヤベルトとともに提供される。
【背景技術】
【0002】
これらの既知のコンベヤベルトは、本質的には複数の金属バーを備え、この金属バーは、その端部で、施設内部のあらかじめ決められた経路に沿って伸張するガイド部に沿って駆動するチェーンのリンクに溶接される。
【0003】
ベルトを曲線の経路に沿って駆動させることができるようにするために、個々のバーはその平行性を保てるように一緒に固定されてはならないが、その代わりに、少し角度を付けた相対位置を取ることもできなければならない。これは、バーに対して剛性な各リンクに、隣接するバーが係合する長手方向の溝部を形成することによって達成される。
【0004】
これらの既知のコンベヤベルトは、2つの異なる方法によって駆動される。そのうちの1つは、回転ドラム周りに螺旋状にねじられた長手方向のベルトを、巻きと引っ張りの組み合わせ効果により生じた摩擦によってベルトが縁部で接着するドラムの外側面に対して引っ張る工程からなり、もう1つの方法は、ベルトの縁部を、その支持構造体に適用された駆動スプロケットと係合させる工程からなる。
【0005】
最初のケースでは、個々のバーの端部に溶接されたリンクは、回転ドラムの表面との摩擦結合のために配置され、第2のケースでは、個々のバーの端部に溶接されたリンクは、駆動スプロケットが係合可能な一種の多関節ラック全体を形成する、外側に突出した突起物(appendices)とともに提供される。
【0006】
第1の方法で駆動されるコンベヤベルトの例は、例えば、特許文献1と特許文献2に記載されている一方で、第2の方法で駆動されるコンベヤベルトの例は、例えば、特許文献3と特許文献4に記載されている。
【0007】
同じ出願人の特許文献3は、各々のチェーンリンクがスプロケットの歯によって係合可能な平らな突起物を有するような形状板からなる、前述のタイプのコンベヤベルトについてすでに記載している。この板はインボリュート形状を呈しておらず、スプロケットの歯との不十分な係合を決定して、摩擦と摩耗を生じさせる。さらに、突起物の平らな形状は動作時の大きな負荷に十分には耐えられず、突起物は、時が経つにつれて駆動スプロケットの歯によりもたらされる推力によって変形していく。
【0008】
同じ出願人の特許文献は、完全なインボリュート形状を有する各々のチェーンリンクの突起物を形成することによって、先の解決策の制限を部分的に克服する。この解決策は、チェーンリンクと駆動スプロケットとの間の不十分な結合に関連する欠点をある程度減少させるが、リンク突起物の開かれた形状自体が、インボリュート形状の変形および損失を引き起こさずに突起物上に加えることが可能な最大限の圧力に対する限定を表しているため、駆動スプロケットによってチェーンリンクに伝達可能な限定された出力の問題を完全には解決していない。
【0009】
その結果として、この既知の解決策は、達成可能な最大動作速度と、運ばれる製品の重量に関しても制限がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP第1010648号
【特許文献2】US第59541号
【特許文献3】イタリア実用新案出願第MI2005U000149号
【特許文献4】イタリア特許出願MI2006A001395号
【特許文献5】US7762388−B2号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの欠点は、請求項1で主張するコンベヤベルトにより、本発明に従って除去される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるコンベヤベルトの一部を示す。
図2】ベルトの一部と駆動スプロケットとの結合を拡大した詳細な斜視図である。
図3】その結合の斜視図を示す。
図4】食品産業界において施設に適用されるコンベヤベルトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態が、添付の図面を参照して以下に記載される。
【0014】
図からわかるように、本発明のコンベヤベルトは、コンベヤベルトが適用される施設の特質に適合可能な鉄または他の材料で形成された複数の金属バーを備える。
【0015】
各々のバー(2)は、その端部において、2つの多関節チェーン(6)を全体的に形成するとともに、適切なプラスチック材料で作られた従来の挿入部(8)に付随するチェーンリンク(4)に接続され、含有する側壁(a containing side wall)を形成するために、コンベヤベルトの上面から上方に現れる部分(10)と、コンベヤベルト全体の対応するガイドレール(14)に沿って挿入部をスライドさせるためのスキッド形状の下方部分(12)とを含む。
【0016】
チェーン(6)の各々のリンク(4)は、挿入部(8)の側壁(10)に近接する内部アーム(16)と、外部アーム(18)とを備えた、U字状に曲がった金属板からなる。
【0017】
2つのアーム(16)と(18)は平らではないが、図に示すように、リンク間の部分的な同時貫通を可能にするなどのために、リンク(4)が上流部分よりも狭いU字状要素の上部に近接する部分を有するような形状をしている。
【0018】
さらに、U字状要素の上部が、図2の矢印(20)で示されるベルトの前進方向に関して下流に位置するように、各々のチェーン(6)のすべてのリンク(4)は配される。
【0019】
各々のリンクの外部アーム(18)は、突起物(22)を形成するために外側に伸張する。この突起物は、同じ外部アーム(18)の外部表面上で静止するまで、まず外側に、その後下流に向かって、そして内側に向かって曲げられる。この突起物(22)は、チェーン(6)の他のすべてのリンク(4)の突起物(22)によって、コンベヤベルト用の駆動スプロケット(24)によって係合可能な一種の連結ラックを形成するために、完全なインボリュート形状の歯形をしている。
【0020】
各々のバー(2)の端部と対応するチェーン(6)のリンク(4)との間の接続は、バー(2)が、突起物(22)の上部の内側で終わるように、リンクの内部アーム(16)に設けられた穴部と、同じリンクの外部アーム(18)に設けられた貫通穴部とを通るようなものであり、バー(2)は、内部アーム(16)、外部アーム(18)、および、突起物(22)の上部にも溶接される。しかしながら、外部アーム(18)への溶接は必要ではないこともある。
【0021】
隣接するリンク(4)間の関節式接続は、下流のリンク(4)の2つのアーム(16)と(18)によって囲まれるそのバー部分を、上流のリンク(4)の幅の狭い部分に提供された、および、下流のリンクの幅の広い部分に収容された長手方向の溝部(26)に係合させることによって達成される。
【0022】
本発明のコンベヤベルトの操作は記載内容から明らかである。すなわち、スプロケット(24)に接続するシャフト(28)を回転させることで、チェーン(6)のすべてのリンク(4)の突起物(22)によって形成されたラックに接続されるスプロケット自体の回転を生じさせ、チェーンをそれに接続される全てのバーとともに前進させる。
【0023】
さらに、既知のコンベヤベルトとは対照的に、本発明のベルトは、完全に自由な隣接するリンクの突起物(22)との間に空間を有しており、スプロケット(24)の歯がこれらの空間に十分に入り込むのを可能にし、少なくとも3つの歯を同時に係合させることを可能にする。
【0024】
それ自体でベルトに高い駆動力を生じさせるが、個々の突起物(22)上には比較的低い圧力をかけることが可能なこの環境は、突起物の十分な非変形性が、その形状によって、および、バー(2)の端部のそれらの内部に存在することによって、個々の突起物(22)にかけられた圧力を著しく上昇させることが可能であるという事実と一緒に、コンベヤベルトに適用可能な荷重を著しく増加させるという結果をもたらす。このことは、
−高速操作速度を達成可能である
−より重い荷物を運ぶことができる
−より多くの駆動スプロケットを同じコンベヤベルト上で作動可能であるとともに、さらに離間して配置することが可能である
−そのシュー(shoe)は、高作業温度を達成可能であるが従来の熱可塑性プラスチック材料よりも高い摩擦係数を有する特別な材料から、形成可能である。この点において、これらの材料は、一般的にはより低い摩擦係数を有するが、作業温度が100℃を超えるような環境下では使用することができない。
図1
図2
図4
図3