特許第5696695号(P5696695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000002
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000003
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000004
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000005
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000006
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000007
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000008
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000009
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000010
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000011
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000012
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000013
  • 特許5696695-レセプタクルコネクタ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5696695
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】レセプタクルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20150319BHJP
【FI】
   H01R13/6581
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-172115(P2012-172115)
(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-32816(P2014-32816A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2014年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095636
【弁理士】
【氏名又は名称】早崎 修
(72)【発明者】
【氏名】小野 直之
(72)【発明者】
【氏名】金澤 和明
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−067459(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0022132(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング本体と、前記ハウジング本体の前面から前方に突設された突板部を有する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジングに互いに絶縁して取り付けられ、前記突板部の平面若しくは底面に前方の接触部が前後方向に沿って露出する複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトと絶縁して前記絶縁ハウジングに取り付けられ、前記突板部の表面の一部を覆う補強カバーを有する補強金具と、
前記ハウジング本体の外周面に沿って取り付けられ、前記突板部との間に相手方プラグを挿入する筒状の嵌合凹部が形成されるシールドシェル金具とを備え、
複数のコンタクトの周囲を接地接続したシールドシェル金具で囲うレセプタクルコネクタであって、
前記補強金具に前記ハウジング本体の平坦な平面若しくは底面に沿って露出する接触パッドを一体に形成し、
前記シールドシェル金具の前記接触パッドとの対応部位から内方に傾斜して一体に切り起こされた板バネ舌片を、前記接触パッドに弾性接触させることを特徴とするレセプタクルコネクタ。
【請求項2】
接触パッドは、ハウジング本体の平面若しくは底面に沿って露出する部位の前端からほぼ直角に湾曲された鉛直片部が、前記嵌合凹部に露出するハウジング本体の前記前面に沿って露出することを特徴とする請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項3】
前記補強カバーは、前記複数のコンタクトの接触部が露出する前記突板部の平面若しくは底面と前記突板部を隔てて前記突板部の逆側の底面若しくは平面を覆うことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項4】
前記複数のコンタクトと前記補強金具は、絶縁ハウジングに一体成形されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項5】
補強金具の補強カバーに多数の窓孔が穿設されていることを特徴とする請求項4に記載のレセプタクルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンタクトが露出する突板部の周囲が筒状のシールドシェル金具で覆われ、突板部とシールドシェル金具との間の嵌合凹部に相手側プラグが嵌合接続するレセプタクルコネクタに関し、更に詳しくは、接地接続するシールドシェル金具で複数のコンタクトを電磁シールドするレセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ホスト機器と周辺機器を接続するUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)規格で用いるUSBコネクタ等の高速データ伝送を行う用途で用いられるレセプタクルコネクタは、コンタクトが露出させた突板部の周囲を接地接続した筒状のシールドシェル金具で覆い、高周波信号が流れるコンタクトを外部と遮断している。
【0003】
このレセプタクルコネクタと接続する相手側プラグは、レセプタクルコネクタの突板部とシールドシェル金具間の嵌合凹部に嵌合する筒状に接続部が形成されいるが、突板部の突出方向に対して傾斜する方向から相手側プラグを接続しようとすると、筒状の接続部が突板部や突板部に臨むコンタクトに当接し、これらが変形したり破損することがあった。
【0004】
そこで、導製金属板からなる補強金具101の補強カバー101aを突板部102aに取り付け、傾斜する姿勢で接続しようとする相手側プラグから、突板部102aやコンタクト103を保護するレセプタクルコネクタ100が知られている(特許文献1)。この従来のレセプタクルコネクタ100は、図12図13に示すように、長方形板状の突板部102aとハウジング本体102bとからなる絶縁ハウジング102と、絶縁ハウジング102の成形の際にインサート成形により一体に取り付けられる複数のコンタクト103及び補強金具101と、ハウジング本体102bの外周面に沿って組み付けられる筒状のシールドシェル金具104とからなっている。
【0005】
長方形板状の突板部102aは、ハウジング本体102bから相手側プラグとの接続方向である前方に一体に突設され、複数のコンタクト103が、突板部102aの底面側に所定のピッチで前後方向に整列して臨んでいる。また、突板部102の側面と前面の一部は、補強金具101の前方の補強カバー101aにより覆われている。筒状のシールドシェル金具104は、ハウジング本体102bの外周面に沿って組み付けることにより、図13に示すように、突板部102aとシールドシェル金具104の間に嵌合凹部105が形成され、その一部がレセプタクルコネクタ100を実装する図示しないプリント配線基板の接地電位とした接地パターンに半田接続される。
【0006】
突板部102aとシールドシェル金具104間の嵌合凹部105へ前方から相手側プラグを挿入すると、相手側プラグの図示しない複数のプラグコンタクトが嵌合凹部105に臨む複数のコンタクト103にそれぞれ接触し、レセプタクルコネクタ100と相手側プラグが接続する。この相手側プラグの挿入の際に、正しい挿入方向である前後方向に対して傾斜する方向から挿入する相手側プラグは、突板部102の側面と前面の一部を覆う補強カバー101aに当接し、誤挿入の相手側プラグから突板部102やコンタクト103が保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4819109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この従来のレセプタクルコネクタ100によれば、高周波信号が流れるコンタクト103の周囲が、接地電位としたシールドシェル金具104で囲われるので、電磁シールドされるが、筒状のシールドシェル金具104には、接続した相手側プラグが簡単に抜け出ないように、相手側プラグに係合する係合孔やシールドシェル金具104の一部から切り起こす係合突起が設けられ、これらの係合部を形成することによって、シールドシェル金具104の一部に開口が生じ、また、相手側プラグを接続しない状態で嵌合凹部105が開口し、これらの開口を通して、外部からノイズが侵入したり、コンタクト103に流れる高周波信号が外部に漏れる不要輻射が生じる問題があった。
【0009】
また、上記のレセプタクルコネクタ100には、誤挿入する相手側プラグから突板部102やコンタクト103を保護する補強金具101が取り付けられ、他のコンタクト103の脚部103aに外力が加わらないように、その脚部101bをプリント配線基板へ固定しているが、専ら機械的な外力に対して作用させるように金属板を用いているものであり、電気的にはいずれにも接続せず、不安定な電位となっている。この不安定な電位の補強金具101がコンタクト103に接近して配置されていることから、コンタクト103を流れる高周波伝送路の特性インピーダンスは安定せず、伝送効率が悪化する原因となっていた。
【0010】
補強金具101の脚部101bを接地電位とした接地パターンに半田接続すれば、補強金具101を接地電位として特性インピーダンスを安定させることができるが、そのために、補強金具101に脚部101bを形成する必要があると共に、シールドシェル金具104との接続位置と異なる位置に接地パターンを配線する必要があり、プリント配線基板の実装密度が低下するという新たな課題が生じる。
【0011】
また、シールドシェル金具104と補強金具101がプリント配線基板上の接地パターンを介して接続されることによって、両者間を接続する導電路が長くなり、高周波ノイズが流れることによって電位差が発生し、充分なシールド効果が得られない恐れがあった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、コンタクトを外力から保護する補強金具を利用して、高周波信号が流れるコンタクトをより確実に電磁シールドするレセプタクルコネクタを提供することを目的とする。
【0013】
また、コンタクトを外力から保護する補強金具を利用して、コンタクトを流れる高周波伝送路のインピーダンスコントロールをより確実に行うことが可能なレセプタクルコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、請求項1のレセプタクルコネクタは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の前面から前方に突設された突板部を有する絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングに互いに絶縁して取り付けられ、前記突板部の平面若しくは底面に前方の接触部が前後方向に沿って露出する複数のコンタクトと、前記複数のコンタクトと絶縁して前記絶縁ハウジングに取り付けられ、前記突板部の表面の一部を覆う補強カバーを有する補強金具と、前記ハウジング本体の外周面に沿って取り付けられ、前記突板部との間に相手方プラグを挿入する筒状の嵌合凹部が形成されるシールドシェル金具とを備え、複数のコンタクトの周囲を接地接続したシールドシェル金具で囲うレセプタクルコネクタであって、前記補強金具に前記ハウジング本体の平坦な平面若しくは底面に沿って露出する接触パッドを一体に形成し、前記シールドシェル金具の前記接触パッドとの対応部位から内方に傾斜して一体に切り起こされた板バネ舌片を、前記接触パッドに弾性接触させることを特徴とする。
【0015】
板状で撓みやすい突板部と突板部に露出する複数のコンタクトの接触部は、突板部の表面の一部を覆う補強カバーによって補強され、意図しない外力を受けても変形しない。
【0016】
補強金具の一部の接触パッドは、ハウジング本体の外周面の一部に露出するので、ハウジング本体の外周面に沿って取り付けられるシールドシェル金具に自然に接触し、接地接続される。
【0017】
接触パッドは、突板部の表面の一部を覆う補強カバーに接近して形成されるので、短い導電路でシールドシェル金具に接触する。
【0018】
接触パッドは、ハウジング本体の平坦な平面若しくは底面に沿って露出するので、平坦面で露出し、平坦面の接触パッドに板バネ舌片が弾性接触するので、補強金具とシールドシェル金具は確実に電気接続する。
【0019】
請求項2のレセプタクルコネクタは、ハウジング本体の平面若しくは底面に沿って露出する部位の前端からほぼ直角に湾曲された接触パッドの鉛直片部が、前記嵌合凹部に露出するハウジング本体の前記前面に沿って露出することを特徴とする。
【0020】
ハウジング本体の平面若しくは底面に沿って露出する接触パッドの部位がこれらの面から突出していても、その前端が直角に湾曲されて鉛直片部に連続するので、シールドシェル金具の後方から絶縁ハウジングを挿入する際に、接触パッドの前端がシールドシェル金具に当接しても、前端の湾曲面に沿ってシールドシェル金具は外方に撓み、シールドシェル金具をハウジング本体の外周面に沿って取り付けることができる。
【0021】
接触パッドの鉛直片部は、相手側プラグを挿入する嵌合凹部の内奥面となるハウジング本体の前面に沿って露出する。
【0022】
請求項3のレセプタクルコネクタは、前記補強カバーが、前記複数のコンタクトの接触部が露出する前記突板部の平面若しくは底面と前記突板部を隔てた前記突板部の逆側の底面若しくは平面を覆うことを特徴とする。
【0023】
突板部を介して接地された補強カバーと各コンタクトとの間隔を一定の距離に設定できるので、高周波信号が流れるコンタクトの高周波伝送路の特性インピーダンスを調整できる。
【0024】
請求項4のレセプタクルコネクタは、前記複数のコンタクトと前記補強金具は、絶縁ハウジングに一体成形されることを特徴とする。
【0025】
複数のコンタクトと補強金具は、絶縁ハウジングの成形工程で絶縁ハウジングに一体に取り付けられる。
【0026】
請求項5のレセプタクルコネクタは、補強金具の補強カバーに多数の窓孔が穿設されていることを特徴とする。
【0027】
補強金具が絶縁ハウジングに一体に成形される成形工程で、補強金具の補強カバーに穿設された多数の窓孔内に突板部を成形する成形樹脂の一部が流入して硬化する
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、補強金具に、プリント配線基板上に接地パターンを配線したり、その配線パターンへ接続させる脚部等の接地手段を設けずに、シールドシェル金具をハウジング本体に組み付ける組み立て工程で補強金具を自然に接地させることができる。
【0029】
接地された補強金具の補強カバーが、シールドシェル金具より接近してコンタクトの周囲に配置されるので、高周波信号が流れるコンタクトをより確実に電磁シールドできる。
【0030】
また、突板部の一部を覆う補強カバーと接触パッドが平行若しくは直交するので、一枚の導電性金属板から補強カバーと接触パッドを有する補強金具を簡単な折り曲げ加工で形成できる。
【0031】
また、複数のコンタクトを電磁シールドする補強カバーからシールドシェル金具に接触して接地されるまでの導電路が短いので、高周波ノイズによる電位差が生じることがなく、複数のコンタクトがより確実に電磁シールドされる。
【0032】
平坦面の接触パッドに板バネ舌片を弾性接触させるので、ハウジング本体の外周面と接触パッドが同一面上であるか否かにかかわらず、補強金具はシールドシェル金具に確実に電気接続する。
【0033】
請求項2の発明よれば、接触パッドがハウジング本体の平面若しくは底面から外方に突出していても、接触パッドと干渉せずに、シールドシェル金具をハウジング本体の外周面に沿って取り付けることができる。
【0034】
また、金属板からなる接触パッドの鉛直片部は、嵌合凹部の内奥面に露出するので、嵌合凹部に挿入される相手側プラグのストッパーとして作用させることができ、挿入される相手側プラグから絶縁ハウジングを保護できる。
【0035】
請求項3の発明よれば、補強カバーや突板部の形状から、各コンタクトの特性インピーダンスを所定値とするインピーダンスコントロールが容易になる。
【0036】
請求項4の発明によれば、複数のコンタクトと補強金具を、絶縁ハウジングへの組み立て工程を要せず、絶縁ハウジング成形する一度の成形工程取り付けることができる。
【0037】
請求項5の発明によれば、補強カバーの多数の窓孔に突板部を成形する成形樹脂が流入して硬化するので、補強カバーは突板部の平面若しくは底面に沿って強固に位置決め固定される
【0038】
また、補強カバーに穿設する窓孔の数や大きさを調整することにより、コンタクトを高周波伝送路とする伝送路の特性インピーダンスを所定値に容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施の形態に係るレセプタクルコネクタ1の正面図である。
図2】レセプタクルコネクタ1を前方から見た斜視図である。
図3】レセプタクルコネクタ1を後方から見た斜視図である。
図4】レセプタクルコネクタ1の平面図である。
図5】レセプタクルコネクタ1の背面図である。
図6図1のA−A線断面図である。
図7図1のB−B線断面図である。
図8】コンタクト3と補強金具4を一体成形した絶縁ハウジング2の斜視図である。
図9】コンタクト3と補強金具4を一体成形した絶縁ハウジング2の平面図である。
図10図9のC−C断面図である。
図11】補強金具4の斜視図である。
図12】シールドシェル金具104を除いた従来のレセプタクルコネクタ100の斜視図である。
図13】従来のレセプタクルコネクタ100の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施の形態に係るレセプタクルコネクタ1を図1乃至図11を用いて詳細に説明する。レセプタクルコネクタ1は、図1に示す正面側から挿入される図示しない相手側プラグと接続するものであり、以下、レセプタクルコネクタ1の各部の説明は、相手側プラグとの接続方向を前方として、図4のレセプタクルコネクタ1を上方からみた平面図において、下方を前方、上方を後方、左右方向を左右方向として説明する。
【0041】
これらの図に示すように、レセプタクルコネクタ1は、絶縁ハウジング2と、絶縁ハウジング2に一体に取り付けられる複数のコンタクト3及び補強金具4と、絶縁ハウジング2の外周面に沿って取り付けられる筒状のシールドシェル金具5とから構成される。絶縁ハウジング2は、リフロー炉内の高温下で変形しない耐熱性に優れた液晶ポリマー等の絶縁合成樹脂を用いて、図8に示すように、直方体状のハウジング本体21と板状の突板部22が一体に形成されてなるものである。
【0042】
ハウジング本体21の左右の側面と底面の間は傾斜面で連続し、これによりハウジング本体21の外周面(平面、両側面及び底面)は、前方からみて横長長方形の下側の両角が傾斜線となった6角形となっている。また、平面の中央から後面にかけて長方形の係合凹部23が凹設され、その中央から上方に向けてシールドシェル金具5を後方に対して抜け止めするストッパー24が突設されている。
【0043】
突板部22は、相手側プラグとの接続方向である前方に向かってハウジング本体21の前面から突設され、厚板状の表面側となる平面は、補強金具4の後述する補強カバー41によって覆われる。また、裏面側となる背面には、前後方向に沿って多数の凹溝25が等ピッチで形成されている。各凹溝25の幅は、複数の各コンタクト3の細長帯状の接触部31の横幅にほぼ等しく、各凹溝25の内頂面に沿って各接触部31が露出する状態で接触部31を位置決めしている。
【0044】
複数(本実施の形態では5本)の各コンタクト3は、それぞれ燐青銅等の導電性の金属プレートを打ち抜いた後、図6に示すように、細長帯状に屈曲形成してなるもので、上述した凹溝25の内頂面に沿って露出する接触部31と、クランク状に折り曲げられハウジング本体21に埋設される固定部32と、ハウジング本体21の後面から後方に引き出される脚部33とが一体に連設されている。各コンタクト3の脚部33は、同一平面上に引き出され、同平面を表面とする図示しないプリント配線基板の対応部位に形成されたランドパターンに半田付けされることにより、プリント配線基板の対応するパターンに電気接続する。
【0045】
補強金具4は、ステンレス板等の導電性の薄板金属板をプレス加工して、図11に示すように、長方形状の補強カバー41と、補強カバー41の後方の基部41aから左右の両側に突出する一対の固定片42、42と、各固定片42の前端から上方に起立する鉛直片部41bと、鉛直片部41bの上端から後方に水平に折り返された接触パッド43とが一体に形成される。補強カバー41は、突板部22の平面から前面に沿ってその表面を覆うように、その前端がほぼ直角に湾曲して折り曲げられている。また、突板部22の平面を覆う補強カバー41の部位の横幅(左右方向の幅)は、突板部22の横幅よりわずかに狭く、更に、この平面を覆う部位には、多数の窓孔41cが穿設されている。
【0046】
上述のように構成された複数のコンタクト3と補強金具4は、絶縁ハウジング2を射出成形する際にインサート成形され、絶縁ハウジング2に一体に取り付けられる。この成形の際に、突板部22を成形する成と補強金具4は、絶縁ハウジング2を射出成形する際にインサート成形され、絶縁ハウジング2に一体に取り付けられる。この成形の際に、突板部22を成形する成形樹脂の一部は、補強カバー41の多数の窓孔41c内と補強カバー41の両側に流入して硬化し
【0047】
また、補強カバー41の基部41aと固定片42は、ハウジング本体21に埋設され、ハウジング本体21に一体に固定される。この固定片42がハウジング本体21に固定された状態で、鉛直片部41bと接触パッド43は、突板部22の両側でハウジング本体21の前面から平面にかけて露出する。
【0048】
このように本実施の形態では、補強カバー41が突板部22の側面を覆うものではないが、補強カバー41が突板部22と同一面となるように一体成形されるので、誤姿勢で挿入する相手側プラグが突板部22の側面に当接しても、その内側に埋め込まれた補強カバー41が相手側プラグからの外力を受け、突板部22やその底面に沿って配置されるコンタクト3自体が外力を受けて変形するようなことがない。
【0049】
逆に、補強カバー41が突板部22の側面に露出しないので、相手側プラグが突板部22の側方から当接しても補強カバー41が突板部22から剥がれることがない。
【0050】
絶縁ハウジング2にインサート成形される各コンタクト3は、図6に示すように、固定部32がハウジング本体21に、やや上方に折り曲げられた接触部31の前端が突板部22にそれぞれ一体成形され、他のコンタクト3及び補強金具4と絶縁して絶縁ハウジング2に取り付けられる。接触部31の前端が突板部22に埋設されることにより、突板部22の凹溝25内に沿って臨む接触部31が突板部22の底面から剥がれることがない。
【0051】
シールドシェル金具5は、複数のコンタクト3と補強金具4を一体に取り付けた図8乃至図10に示す絶縁ハウジング2の外側に取り付けられもので、図3に示すように、一枚の導電性金属板を打ち抜いて折り曲げ加工した筒状の筒状部51と、筒状部51の後方に連設され、ハウジング本体21から後方に突出するコンタクト3の脚部33を囲うカバー部52とからなっている。
【0052】
筒状部51は、ハウジング本体21の外周面に沿って取り付けられるもので、後端にカバー部を52が連設される横長長方形状の帯状板の長手方向をハウジング本体21の外周面に沿って折り曲げて筒状に加工している。上述のように、ハウジング本体21の外周面は、前方からみて横長長方形の下側の両角が傾斜線となった6角形となっているので、筒状部51の輪郭も前方からみて、ほぼ同形状の6角形となっている。この6角形の筒状の形状を維持するように、折り曲げ前の帯状板の長手方向で対向する両側片の輪郭は、筒状に加工した際に互いに噛み合う相補形状としている。本実施の形態では、絶縁ハウジング2の外側にシールドシェル金具5を取り付けたレセプタクルコネクタ1を完成品としているが、シールドシェル金具5の筒状部51のみでは、強度が不足したり、筒状の形状が展開される恐れがある場合には、筒状部51の外周を更に別の筒状部材で囲ってレセプタクルコネクタとしても良い。
【0053】
後述するように、筒状部51は、その後端をハウジング本体21の後端とほぼ一致させて、ハウジング本体21の外周面に沿って取り付けられるが、筒状部51の軸方向(前後方向)の長さは、絶縁ハウジング2全体の同方向の長さより長く、ハウジング本体21に取り付けた状態では、ハウジング本体21の前方に突出する突板部22の周囲全体を囲い、前端は突板部22の前方まで突出している。このハウジング本体21から前方に突出する筒状部51とハウジング本体21の前面で囲われる空間は、前方から挿入される相手側プラグと嵌合する嵌合凹部6となる。
【0054】
嵌合凹部6を構成する筒状部51の平面には、相手側プラグのロック突起(図示せず)と係合する一対のロック孔53が穿設されている。相手側プラグを嵌合凹部6内に挿入すると、ロック突起がロック孔53に嵌入して両者が係合し、レセプタクルコネクタ1に接続する相手側プラグは嵌合凹部6から容易に抜けでないように保持される。筒状部51の各ロック孔53の前方には、筒状部51からガイド片54が外方に傾斜して切り起こされ、相手側プラグを挿抜させる際のロック突起を、筒状部51の鉛直面である前面やロック孔53の前面に当接させることなく、円滑に摺動するように案内している。このように、嵌合凹部6を構成する筒状部51の平面には、ロック孔53やガイド片54を切り起こすことによる開口が形成されるが、突板部22を補強する補強カバー41が後述するように接地されるので、コンタクト3とこれらの開口の間に接地した補強カバー41が介在し、コンタクト3はより完全に電磁シールドされる。
【0055】
筒状部51の平面には、更に、後端の中央から前方に向かって位置決め凹部55が凹設され、位置決め凹部55の左右の両側からそれぞれ一対の係合片56が互いの対向方向に向かって突設されている。ハウジング本体21は、ストッパー24の前面が位置決め凹部55内の筒状部51の後面に当接して前方への移動が規制されるとともに、係合凹部23内のハウジング本体21の後面が係合凹部23内に折り曲げられる一対の係合片56に当接して後方への移動が規制され、ハウジング本体21に位置決めされる。
【0056】
筒状部51の平面の位置決め凹部55が形成された両側には、後方に向かってU字状に切り欠かれたU字溝により前方を自由端側とする板バネ舌片57が形成されている。板バネ舌片57は、予め基端から筒状部51の中心軸方向(内側)に折り曲げ加工され、自由状態で前方に向かって折り曲げ方向に傾斜する姿勢に形成されている。一対の板バネ舌片57が形成される部位は、筒状部51をハウジング本体21に取り付けた際のハウジング本体21の平面に露出する接触パッド43に対向する部位であり、従って、図7に示すように、筒状部51をハウジング本体21に取り付けると、一対の板バネ舌片57がそれぞれ対向する接触パッド43に弾性接触する。
【0057】
カバー部52は、筒状部51の底面とその両側で傾斜する傾斜面をそのまま後方に延長させた形状で形成され、ハウジング本体21の後方に突出する各コンタクト3の脚部33の下方と側方を覆う形状となっている。カバー部52の後端の両側には、各コンタクト3の脚部33を接続するプリント配線基板の接地パターンに半田接続させる一対の接地脚部58が立設されている。各コンタクト3の脚部33は、その上方に配置されるプリント配線基板に接続するので、接地されたカバー部52とプリント配線基板とで各コンタクト3の脚部33の周囲全体が囲われ、ハウジング本体21から後方に突出する脚部33の部分も電磁シールドされる。
【0058】
シールドシェル金具5と絶縁ハウジング2との組み立ては、カバー部52の接地脚部58と筒状部51の係合片56を折り曲げ前の水平な姿勢の状態としておき、筒状部51の後方から絶縁ハウジング2を挿入し、ストッパー24が位置決め凹部55の前方の内壁面に当接するまで筒状部51内を前方へ挿入する。このとき、筒状部51の板バネ舌片57は、前方に向かって内方に傾斜しているので、鉛直片部41bの上端から接触パッド43の平面に沿って摺動し、絶縁ハウジング2の前方への挿入が規制される位置で、接触パッド43に弾性接触する。従って、接触パッド43がハウジング本体21の平面から突出する状態で露出していても、接触パッド43の鉛直な前面が筒状部51の端面に当接させずに、確実に所定位置まで挿入できる。
【0059】
ストッパー24が位置決め凹部55内の筒状部51の後面に当接する位置で、一対の係合片56を係合凹部23内に折り曲げ、係合凹部23内のハウジング本体21の後面に当接させて、絶縁ハウジング2をシールドシェル金具5に対して前後方向に位置決めし、両者を組み立てる。その後、カバー部52の接地脚部58を上方へ折り曲げてレセプタクルコネクタ1の組み立てが完了する。
【0060】
レセプタクルコネクタ1を組み立てた状態では、補強金具4は、板バネ舌片57が接触パッド43に弾性接触する2箇所の位置でシールドシェル金具5に電気接続し、シールドシェル金具5の接地脚部58をプリント配線基板の接地電位とした接地パターンへ半田接続することによって、プリント配線基板に接続する脚部を形成することなく接地させることができる。これにより、高周波信号が流れるコンタクト3の接触部31に接近させて、接地電位の補強カバー41を配置させることができ、コンタクト3をより確実に電磁シールドすることができる。また、各コンタクト3の接触部31は、誘電体である突板部22を隔てて等間隔で接地された補強カバー41が配置されるので、コンタクト3を高周波伝送路とする伝送路のインピーダンスが安定する。特に、コンタクト3と補強カバー41を隔てる突板部22の厚さや補強カバー41に穿設する窓孔41cの数や大きさを調整することにより、コンタクト3を高周波伝送路とする伝送路の特性インピーダンスを所定値に容易に設定できる。
【0061】
また、本実施の形態に係るレセプタクルコネクタ1では、嵌合凹部6の内奥面であるハウジング本体21の前面に金属板からなる補強金具4の鉛直片部41bが臨んでいるので、嵌合凹部6挿入する相手側プラグのストッパーとして作用させることができ、異常挿入力で挿入する相手側プラグから合成樹脂からなるハウジング本体21や突板部22が保護される。
【0062】
本実施の形態では、接触パッド43をハウジング本体21の平面に沿って臨ませて、平面を覆うシールドシェル金具5に接触させているが、シールドシェル金具5が取り付けられるハウジング本体21の外周面であれば、その側面や底面などの任意の位置に接触パッド43を臨ませ、補強金具4をシールドシェル金具21に接触させてもよい。
【0063】
また、本実施の形態に係るシールドシェル金具21と絶縁ハウジング2の外形から、絶縁ハウジング2を筒状部51の後方から前方に向けて挿入し、両者を組み立てているが、前方から絶縁ハウジング2を筒状部51へ挿入して組み立ててもよい。
【0064】
また、複数のコンタクト3若しくは補強金具4は、絶縁ハウジング2にインサート成形せずに、別に絶縁ハウジング2に対して組み付けるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、嵌合凹部内にコンタクトが配置される突板部に、相手方プラグからコンタクトや突板部を保護する補強金具が取り付けられたレセプタクルコネクタに適し、特に、コンタクトに高周波信号が流れるレセプタクルコネクタに適している。
【符号の説明】
【0066】
1 レセプタクルコネクタ
2 絶縁ハウジング
21 ハウジング本体
22 突板部
3 コンタクト
31 接触部
4 補強金具
41 補強カバー
41b 鉛直片部
43 接触パッド
5 シールドシェル金具
57 板バネ舌片
6 嵌合凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13