(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高電圧電源と電気的に接続された放電線と、前記放電線に対向する電極板とを有し、前記放電線に高電圧を印加して、前記放電線と前記電極板との間で放電させる放電ユニットであって、
前記高電圧電源と電気的に接続される短絡部材と、
前記放電線の一端部を支持する支持部とを備え、
前記短絡部材は、
前記支持部に取り付けられるとともに、前記電極板に接触しないで前記放電線に接触し、前記放電線が断線した時に、前記電極板と接触することを特徴とする放電ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の放電ユニットでは、高電圧電源と電極板との間を短絡させるために、電極板とは別に、新たに接地板を設けているので、放電ユニットが大型化する問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、高電圧電源と電極板との間を短絡させることができ、かつコンパクトな放電ユニット、及びこれを備えた空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明にかかる放電ユニットは、高電圧電源と電気的に接続された放電線と、前記放電線に対向する電極板とを有し、前記放電線に高電圧を印加して、前記放電線と前記電極板との間で放電させる放電ユニットであって、前記高電圧電源と電気的に接続される短絡部材
と、前記放電線の一端部を支持する支持部とを備え、前記短絡部材は、
前記支持部に取り付けられるとともに、前記電極板に接触しないで前記放電線に接触し、前記放電線が断線した時に、前記電極板と接触することを特徴とする。
【0009】
この放電ユニットでは、高電圧電源と電気的に接続される短絡部材を備え、この短絡部材が、電極板に接触しないで放電線に接触し、放電線が断線した時に、電極板と接触するので、放電線が断線した時に、高電圧電源と電極板との間を確実に短絡させることができる。また、短絡部材を、放電ユニットに必須の構成である電極板に接触させているので、新たに接地板を設ける必要がない。その結果、高電圧電源と電極板との間を短絡させることができ、かつコンパクトな放電ユニットを提供できる。
また、放電線の端部を支持する支持部を有し、短絡部材が、この支持部に取り付けられているので、短絡部材を取り付けるための部材を別に用意する必要がない。その結果、短絡部材を設置することによるコストアップを抑制できる。
【0010】
第2の発明にかかる放電ユニットは、第1の発明にかかる放電ユニットにおいて、前記短絡部材は、前記電極板に接触しないで前記放電線に接触している際に、前記電極板の方向に付勢されていることを特徴とする。
【0011】
この放電ユニットでは、短絡部材は、電極板に接触しないで放電線に接触している際に、電極板の方向に付勢されているので、放電線が断線した時に、短絡部材を容易に電極板に接触させることができる。
【0012】
第3の発明にかかる放電ユニットは、第1又は第2の発明にかかる放電ユニットにおいて、前記短絡部材と別体に形成され、前記放電線に張力を与える弾性部材をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
この放電ユニットでは、短絡部材と別体に形成され、放電線に張力を与える弾性部材を備えているので、放電線に張力を与える部材を短絡部材と別の部材とできる。従来技術(例えば特許文献1)のように、放電線を支持するばね部材(弾性部材)が、短絡機能を兼ねる場合、放電線を張る際にしか短絡部材を設置することができないが、この放電ユニットでは、放電線を張った後に短絡部材を設置できるので、放電ユニットの組立後でも、短絡部材を容易に設置できる。また、放電線に張力を与える弾性部材と、短絡部材とをそれぞれ別に設計できるので、短絡部材の設計が容易となる。
【0014】
【0015】
【0016】
第
4の発明にかかる放電ユニットは、第1〜第
3のいずれかの発明にかかる放電ユニットにおいて、前記短絡部材は、前記放電線が内部に配置される巻回部を有することを特徴とする。
【0017】
この放電ユニットでは、短絡部材が、放電線が内部に配置される巻回部を有するので、放電線が断線していない時に、短絡部材が放電線から外れて、電極板と接触することを抑制できる。
【0018】
第
5の発明にかかる放電ユニットは、第
4の発明にかかる放電ユニットにおいて、前記電極板は、前記放電線を挟んで互いに対向する2枚の第1側板と、前記放電線に対向し、前記2枚の第1側板と交差する方向に配置された第2側板とを備え、前記巻回部は、前記短絡部材の端部に配置されており、前記巻回部の末端は、前記第2側板から最も離れた位置であって、かつ、一方の第1側板と前記末端との距離と、他方の第1側板と前記末端との距離が同じとなる位置に配置されることを特徴とする。
【0019】
この放電ユニットでは、巻回部が、短絡部材の端部に配置されており、巻回部の末端(即ち、短絡部材の末端)が、第2側板から最も離れた位置であって、かつ、一方の第1側板と末端との距離と、他方の第1側板と末端との距離が同じとなる位置に配置されるので、放電しやすい短絡部材の末端から、異常放電することを抑制できる。
【0020】
第
6の発明にかかる放電ユニットは、第
5の発明にかかる放電ユニットにおいて、前記2枚の第1側板が略平行に配置されており、かつ、前記第2側板と前記末端との距離が、前記一方の第1側板と前記末端との距離よりも長いことを特徴とする。
【0021】
この放電ユニットでは、2枚の第1側板が略平行に配置されており、かつ、第2側板と末端との距離が、一方の第1側板と末端との距離よりも長いので、第1側板と末端との距離、及び第2側板と末端との距離をそれぞれ十分に確保できる。その結果、放電しやすい短絡部材の末端から、異常放電することを抑制できる。
【0022】
第
7の発明にかかる放電ユニットは、第1〜第
6のいずれかの発明にかかる放電ユニットにおいて、前記電極板は、前記放電線を挟んで互いに対向する2枚の第1側板と、前記放電線に対向し、前記2枚の第1側板と交差する方向に配置された第2側板とを備え、前記短絡部材は、前記放電線が断線した時に、前記第2側板と接触することを特徴とする。
【0023】
この放電ユニットでは、放電線が断線した時に、短絡部材が第2側板と接触するので、短絡部材が電極板に接触しないで放電線に接触している際に、短絡部材の接触によって放電線が撓む方向が第2側板の方向となる。そのため、放電線が第1側板の方向に撓むことを抑制できる。その結果、放電線がいずれか一方の第1側板の方向に撓むことによって、放電線から当該一方の第1側板に異常放電することを抑制できる。
【0024】
第
8の発明にかかる放電ユニットは、第
7の発明にかかる放電ユニットにおいて、前記2枚の第1側板が略平行に配置されており、前記短絡部材は、前記電極板に接触しないで前記放電線に接触している際に、前記2枚の第1側板に対して平行な方向に付勢されていることを特徴とする。
【0025】
この放電ユニットでは、2枚の第1側板が略平行に配置されており、かつ、短絡部材が、電極板に接触しないで放電線に接触している際に、2枚の第1側板に対して平行な方向に付勢されているので、放電線が撓む方向が2枚の第1側板に対して平行となる。その結果、放電線が一方の第1側板に異常放電することを抑制できる。
【0026】
第
9の発明にかかる空気清浄機は、第1〜第
8のいずれかの発明に記載の放電ユニットを備えることを特徴とする。
【0027】
この空気清浄機では、コンパクトで、かつ安全性に優れた放電ユニットを備えた空気清浄機を提供できる。
【発明の効果】
【0028】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0029】
第1の発明では、高電圧電源と電気的に接続される短絡部材を備え、この短絡部材が、電極板に接触しないで放電線に接触し、放電線が断線した時に、電極板と接触するので、放電線が断線した時に、高電圧電源と電極板との間を確実に短絡させることができる。また、短絡部材を、放電ユニットに必須の構成である電極板に接触させているので、新たに接地板を設ける必要がない。その結果、高電圧電源と電極板との間を短絡させることができ、かつコンパクトな放電ユニットを提供できる。
また、放電線の端部を支持する支持部を有し、短絡部材が、この支持部に取り付けられているので、短絡部材を取り付けるための部材を別に用意する必要がない。その結果、短絡部材を設置することによるコストアップを抑制できる。
【0030】
第2の発明では、電極板に接触しないで放電線に接触している際に、電極板の方向に付勢されているので、放電線が断線した時に、短絡部材を容易に電極板に接触させることができる。
【0031】
第3の発明では、短絡部材と別体に形成され、放電線に張力を与える弾性部材を備えているので、放電線に張力を与える部材を短絡部材と別の部材とできる。従来技術(例えば特許文献1)のように、放電線を支持するばね部材(弾性部材)が、短絡機能を兼ねる場合、放電線を張る際にしか短絡部材を設置することができないが、この放電ユニットでは、放電線を張った後に短絡部材を設置できるので、放電ユニットの組立後でも、短絡部材を容易に設置できる。また、放電線に張力を与える弾性部材と、短絡部材とをそれぞれ別に設計できるので、短絡部材の設計が容易となる。
【0032】
【0033】
第
4の発明では、短絡部材が、放電線が内部に配置される巻回部を有するので、放電線が断線していない時に、短絡部材が放電線から外れて、電極板と接触することを抑制できる。
【0034】
第
5の発明では、巻回部が、短絡部材の端部に配置されており、巻回部の末端(即ち、短絡部材の末端)が、第2側板から最も離れた位置であって、かつ、一方の第1側板と末端との距離と、他方の第1側板と末端との距離が同じとなる位置に配置されるので、放電しやすい短絡部材の末端から、異常放電することを抑制できる。
【0035】
第
6の発明では、2枚の第1側板が略平行に配置されており、かつ、第2側板と末端との距離が、一方の第1側板と末端との距離よりも長いので、第1側板と末端との距離、及び第2側板と末端との距離をそれぞれ十分に確保できる。その結果、放電しやすい短絡部材の末端から、異常放電することを抑制できる。
【0036】
第
7の発明では、放電線が断線した時に、短絡部材が第2側板と接触するので、短絡部材が電極板に接触しないで放電線に接触している際に、短絡部材の接触によって放電線が撓む方向が第2側板の方向となる。そのため、放電線が第1側板の方向に撓むことを抑制できる。その結果、放電線がいずれか一方の第1側板の方向に撓むことによって、放電線から当該一方の第1側板に異常放電することを抑制できる。
【0037】
第
8の発明では、2枚の第1側板が略平行に配置されており、かつ、短絡部材が、電極板に接触しないで放電線に接触している際に、2枚の第1側板に対して平行な方向に付勢されているので、放電線が撓む方向が2枚の第1側板に対して平行となる。その結果、放電線が一方の第1側板に異常放電することを抑制できる。
【0038】
第
9の発明では、コンパクトで、かつ安全性に優れた放電ユニットを備えた空気清浄機を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0041】
[空気清浄機1の構成]
本発明の実施形態に係る空気清浄機1は、
図1〜
図4に示すように、本体ケース2aと前パネル2bとからなるケーシング2と、電気集塵装置3(放電ユニット)と、ストリーマ放電ユニット4と、ファン5と、フィルタ部20と、加湿ユニット30等を備えている。
【0042】
図1に示すように、空気清浄機1の正面は、前パネル2bで覆われている。正面の下方には、前パネル2bに覆われていない部分があり、当該部分に下吸込口11が設けられている。
図1及び
図2に示すように、空気清浄機1の側面の一部は、本体ケース2aの一部分である合成樹脂製の側方吸込口形成部材2cにより覆われている。側方吸込口形成部材2cには、空気を取り込む第1側方吸込口12が縦方向に延びるように形成されている。つまり、第1側方吸込口12は、縦の寸法の方が、横の寸法よりも大きい。また、空気清浄機1の反対側の側面の一部も同様に側方吸込口形成部材2cにより覆われている。側方吸込口形成部材2cには、第1側方吸込口12に対向する位置に第2側方吸込口13が縦方向に延びるように形成されている。第2側方吸込口13の縦横の寸法は、第1側方吸込口12の寸法と同じである。以下、第1側方吸込口12、第2側方吸込口13、及び下吸込口11の全てを指す場合は、吸込口10と記載する。
【0043】
空気清浄機1内に吸い込まれた空気が吹き出される吹出口14は、
図1に示すように空気清浄機1の上面に設けられている。
【0044】
図3に示すように、ファン5によって吸込口10から吹出口14に至る空気の流れ15が発生する。吸込口10から吸い込まれた室内空気は、フィルタ部20で塵埃や臭い成分などが取り除かれ、ファン5から清浄な空気が吹き出される。
【0045】
[電気集塵装置3の構成]
図4に示すように、電気集塵装置3(放電ユニット)は、縦に長い筒状の形状をしており、第1側方吸込口12及び第2側方吸込口13の近傍に1つずつ、それぞれの吸込口10に沿って縦に、着脱可能に設置されている。電気集塵装置3の縦横それぞれの寸法は、吸込口10の縦横それぞれの寸法よりも大きく、電気集塵装置3は側方吸込口形成部材2cと、その間になるべく隙間ができないように接しているので、吸込口10から吸い込まれる空気は、全て電気集塵装置3を通るように構成されている。電気集塵装置3は、吸込口10から吸い込まれた空気中に浮遊している比較的小さな塵埃を帯電させる。
【0046】
以下、上方或いは上端とは、電気集塵装置3が空気清浄機1に縦に装着された状態における上方或いは上端を指し、下方或いは下端とは、同じく電気集塵装置3が空気清浄機1に縦に装着された状態における下方或いは下端を指すものとする。また、第1側方吸込口12の近傍に配置される電気集塵装置3を電気集塵装置3Lとし、第2側方吸込口13の近傍に配置される電気集塵装置3を電気集塵装置3Rとする。電気集塵装置3Lと電気集塵装置3Rとは、基本的に同じ構成を有する。そのため、以下、電気集塵装置3Lについて説明し、電気集塵装置3Rについての説明は適宜省略する。
【0047】
[電気集塵装置3L]
<放電部>
図5に示すように、電気集塵装置3Lは、縦に長い筒状の形状をした合成樹脂製のケーシング40を有する。このケーシング40は、第1ケーシング41及び第2ケーシング42の2つに縦に分かれており、
図6に示すように、第1ケーシング41と第2ケーシング42とは、ヒンジ43で繋がれている。
【0048】
この第1ケーシング41は、正極である放電線51を保持する。また、第2ケーシング42は、負極である電極板52を保持する。ここで、放電線51とは、具体的には、タングステン製のイオン化線である。また、電極板52とは、ステンレス金属製の板状の電極である。
【0049】
第1ケーシング41は、
図5〜
図7に示すように、縦方向に長く、横断面が略半円形状をしている。この第1ケーシング41は、格子状の格子部41aと、格子部41aの上方に位置する把持部41bとを有する。把持部41bは、格子状とされておらず、把持しやすいように凹みが設けられている。
【0050】
この第1ケーシング41の下端側には、ブリッジ44が設けられている。ブリッジ44は、
図7から分かるように、第1ケーシング41が形成する空間から外に突出した部材であり、その先端付近の両側には、それぞれ放電線51を嵌合するための窪み44aが形成されている。
【0051】
また、第1ケーシング41の上端には、詳細は後述するが、電気集塵装置3Lを接点ユニット70に接続するための第1接点部材45が固定されている。この第1接点部材45には、
図8に示すように、放電線51の両端をそれぞれ支持するフック46、47(支持部)が形成されている。
【0052】
ここで、この放電線51は、
図9に示すように、第1ケーシング41の上端から、下端側のブリッジ44まで延び、ブリッジ44を半周して、再び第1ケーシング41の上端まで延びている。すなわち、1本の放電線51が、U字状に配置されている。この放電線51の両端は、フック46、47により支持されている。また、放電線51は、ブリッジ44の先端付近両側の窪み44aに嵌合している。
【0053】
なお、放電線51の一端は、ばね部材61(弾性部材)を介して、フック46に支持されている。即ち、放電線51は、このばね部材61により張力が与えられ、張られた状態となっている。また、もう一方のフック47には、詳細は後述するが、放電線51が断線した時に、高電圧電源(図示省略)と電極板52とを短絡させる短絡部材62が取り付けられている。
【0054】
第2ケーシング42は、
図5〜
図7に示すように、縦方向に長く、横断面が凹型形状をしている。この第2ケーシング42は、
図6に示すように、格子状の格子部42aと、格子部42aの上方に位置し、格子状となっていない把持部42bとを有する。また、第2ケーシング42の下端には、水抜き穴42cが設けられており、ケーシング内に水が溜まらないようになっている。
【0055】
この第2ケーシング42の内側には、負極である電極板52が支持されている。この電極板52は、
図6に示すように、第2ケーシング42の長手方向に並行して延在する(放電線51に対向する)3つの第1側板53(53a、53b、53c)と、第2ケーシング42の長手方向に延在し(放電線51に対向し)、この3つの第1側板53と直交する第2側板54とを有する。
【0056】
ここで、説明の便宜上、3つの第1側板53のうち、真ん中に位置する側板を中側板53bとし、中側板53bの左右に位置する側板をそれぞれ左側板53c、右側板53aとする。3つの第1側板53は、それぞれ略平行に配置されており、その配置間隔も略同じとされている。
【0057】
また、第2側板54は、
図7及び
図10に示すように、3つの第1側板53のそれぞれ端部を連結している。この第2側板54は、第2ケーシング42の格子部42aと対向する部分は、格子状であり、第2ケーシング42の把持部42bと対向する部分は、格子状となっておらず、平板状である。
【0058】
図6に示すように、ヒンジ43は、第1ケーシング41の左側と、第2ケーシング42の右側とを繋ぎ止めている。第1ケーシング41と第2ケーシング42とを繋ぐヒンジ43を閉めると、
図11に示すように、第1ケーシング41の縁と第2ケーシング42の縁とが接するようになっている。ヒンジ43が閉じられた状態では、放電線51は、第2ケーシング42により形成された空間に位置し、放電線51は、中側板53bをU字状に囲む。また、放電線51は、外側から左側板53c及び右側板53aに囲まれた状態になる。つまり、右側板53aと中側板53bが放電線51を挟んで互いに平行に対向し、また、中側板53bと左側板53cとが放電線51を挟んで互いに平行に対向することとなる。このとき、右側板53aと放電線51との距離L1と、放電線51と中側板53bとの距離L1'は略同じである。また、中側板53bと放電線51との距離L2と、放電線51と左側板53cとの距離L2'も略同じである。なお、距離L1、L2は、放電に適切な一定の距離とされている。また、距離L1とL2は略同じである。
【0059】
放電線51に高電圧を印加すると、2つの電極(放電線51と電極板52)間に電位差が生じ、放電線51と電極板52とが対向している部分において、2つの電極間で1種のコロナ放電が生じる。その結果、吸込口10から吸い込まれ、第1ケーシング41の格子部41aからケーシング40内に入り込んだ空気中の塵埃は、当該放電により帯電される。そして、帯電した塵埃は、後述するフィルタ部20の集塵フィルタ22により捕集される。
【0060】
<接点部>
次に、
図6を参照しつつ放電線51及び電極板52からなる電極と高電圧電源を有する回路との接点について説明する。
【0061】
第1ケーシング41の上端からは、横断面がT字型に近い形状をした合成樹脂製の第1接点部材45が突出している。第1接点部材45は、第1ケーシング41の上端の縦方向の中心線よりも右よりに付いている。第1接点部材45は、本体45aとフランジ部49aとからなる。
図6に示すように、本体45aの左側には、2つの板状突出部が設けられている。2つの板状突出部は、正極の接点端子55であり、正極である放電線51の両端それぞれからハーネスが当該各突出部のいずれか異なる1つの先まで延びている。本体45aの右側は、板状のフランジ部49aと接合している。フランジ部49aの平面は、本体45aの平面と略直角をなすように構成されている。即ち、本体45aとフランジ部49aが接合している部分の横断面は、T字型に近い形状になっている。
【0062】
また、第2ケーシング42の上端からは、横断面がT字型に近い形状をした合成樹脂製の第2接点部材48が突出している。第2接点部材48は、第2ケーシング42の上端の縦方向の中心線よりも左よりに付いている。第2接点部材48は、本体48aとフランジ部49bとからなる。本体48aの右端に沿って、負極である電極板52の一部が第2側板54の上端から板状に延びており、負極の接点端子56を形成している。本体48aの左側は、板状のフランジ部49bと接合している。フランジ部49bの平面は、本体48aの平面と略直角をなすように構成されている。即ち、本体48aとフランジ部49bが接合している部分の横断面は、T字型に近い形状になっている。
【0063】
なお、第1ケーシング41と第2ケーシング42とを繋ぐヒンジ43が閉じると、第1接点部材45のフランジ部49aと第2接点部材48のフランジ部49bとは、1つのフランジを形成する。
【0064】
<短絡部材62>
次に、
図5〜
図15を適宜参照しつつ、放電線51が断線した時に、高電圧電源と電極板52との間を短絡させる短絡部材62について説明する。
【0065】
短絡部材62は、金属製のばね部材であり、高電圧電源と電気的に接続されている。この短絡部材62は、
図8に示すように、第1接点部材45のフック47(支持部)に取り付けられており、フック47に取り付けられるばね部63と、ばね部63の一端から延在し、第1ケーシング41に固定される固定側端部64と、ばね部63の他端から下方側に延在する短絡部65とを有する。
【0066】
短絡部65は、その端部に放電線51が内部に配置される巻回部66を有する。この巻回部66は、
図12に示すように、略2周巻回され、放電線51が断線していない時に、短絡部材62が放電線51から外れにくいようにされている。また、短絡部65は、
図13に示すように、ヒンジ43が閉じられた状態において、2枚の第1側板53(右側板53a及び中側板53b)、及び第2側板54とそれぞれ対向している。なお、
図13においては、内部構造の理解を容易とするため、第1ケーシング41の一部を省略して図示している。
【0067】
この短絡部材62は、放電線51がフック46、47によって支持される前に、まず、フック47に取り付けられる。そして、放電線51がフック46、47に支持されて張られた状態となった後で、放電線51が巻回部66の内部に配置されるよう巻回部66を放電線51に取り付けることにより、短絡部材62は放電線51に取り付けられる。また、この短絡部材62は、放電線51に取り付けられた状態において、電極板52の第2側板54の方向に付勢されている。なお、この短絡部材62は、自由状態においては、
図14(a)に鎖線で示すように、放電線51と直交する方向に位置するものである。
【0068】
この短絡部材62は、
図14(a)に示すように、放電線51が断線していない時には、巻回部66が放電線51に取り付けられることによって、電極板52に接触しないで放電線51に接触している。また、この短絡部材62は、電極板52の第2側板54の方向に付勢されているので、
図14(b)に示すように、放電線51が断線した時には、短絡部材62は、ばね部63の反発力により、電極板52の第2側板54と接触する。そのため、放電線51が断線した時には、短絡部材62を介して、高電圧電源と電極板52との間が短絡されるので、放電線51もアース電位となり、放電線51の切断端部が高電圧の状態のままとなることが抑止される。
【0069】
ここで、巻回部66の末端67は、
図15に示すように、第2側板54から最も離れた位置であって、かつ、右側板53aと末端67との距離L3と、中側板53bと末端67との距離L3'が略同じとなる位置に配置されている。また、この巻回部66の末端67は、第2側板54と末端67との距離L4が、右側板53aと末端67との距離L3、及び中側板53bと末端67との距離L3'よりも長くされている。
【0070】
なお、短絡部材62は、
図15に矢印Aで示すように、右側板53a及び中側板53bに対して平行な方向に付勢されている。これにより、短絡部材62が放電線51に接触することによって、放電線51が撓む方向が、矢印Aの方向となるので、放電線51が撓むことにより、右側板53aと末端67との距離L3と、中側板53bと末端67との距離L3'とに差が出ることを防止できる。その結果、放電線51が撓むことによって、右側板53a又は中側板53bに異常放電することを抑制できる。また、放電線51が撓む方向が、放電線51との距離が十分に大きい第2側板54の方向であるので、放電線51が撓むことによって、第2側板54に異常放電することを抑制できる。
【0071】
[電気集塵装置3R]
電気集塵装置3Rは、次の点を除いては、電気集塵装置3Lと同じ構成を有する。即ち、第1ケーシング41と第2ケーシング42とは、電気集塵装置3Rでは、電気集塵装置3Lとは反対側(第1ケーシング41の右側及び第2ケーシング42の左側)でヒンジ43により繋がれている。また、第1接点部材45及び第2接点部材48がついている位置も電気集塵装置3Lとは、反対側(第1ケーシング41の縦方向の中心線よりも左側、第2ケーシング42の縦方向の中心線よりも右側)よりである。正極の接点端子55は本体45aの右側に突出している。第1接点部材45及び第2接点部材48のフランジ部49a、49bもそれぞれ本体45aの左側及び本体48aの右側に設けられている。
【0072】
[電気集塵装置3の装着]
図4に示すように、空気清浄機1の本体の正面の上部には、接点ユニット70が配置されている。
図16に示すように、接点ユニット70には、電気集塵装置3を高電圧電源に接続する回路を構成するハーネスが収納されている。接点ユニット70の前面には、縦スリット71が当該前面の左右両側に2つずつ計4つ設けられている。電気集塵装置3は、正極の接点端子55及び負極の接点端子56が、接点ユニット70の前面に設けられた各縦スリット71に挿入され、取り付けられる。当該縦スリット71内には、クリップ状のハーネス端子72が設けられている。正極の接点端子55及び負極の接点端子56が縦スリット71に挿入されると、当該ハーネス端子72に挟まれるようになっている。これにより、電気集塵装置3の電極、即ち、放電線51及び電極板52と、短絡部材62が高電圧電源を含む回路と接続され、高電圧電源と電気的に接続される。
【0073】
なお、正極の接点端子55及び負極の接点端子56が、接点ユニット70の前面に設けられた縦スリット71に挿入され、電気集塵装置3が接点ユニット70に取り付けられた状態では、縦スリット71及び電気集塵装置3の正極の接点端子55及び負極の接点端子56は、フランジ49により覆われる。
【0074】
[その他の構成]
<フィルタ部20>
図3に示すように、フィルタ部20は、プレフィルタ21と、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタ22(以下、集塵フィルタ22と記載する)と、脱臭フィルタ23とで構成されている。まず、最も上流側に配置されたプレフィルタ21によって大きな塵埃が取り除かれる。次に、集塵フィルタ22によってさらに微細な塵埃が取り除かれる。さらに、集塵フィルタ22を通過した空気は、活性炭などを含み最も下流側に配置された脱臭フィルタ23によってホルムアルデヒドや臭い成分などが分解され、或いは吸着される。
【0075】
<ストリーマ放電ユニット4>
ファン5から吹き出される空気のうちの一部が、
図3に示す支流16としてストリーマ放電ユニット4に送られる。この支流16がストリーマ放電ユニット4を通過するときに、ストリーマ放電によって活性種が供給される。活性種の供給された支流16は、複数の分流となって放出口17からプレフィルタ21の前に吹き出される。
【0076】
複数の分流は、プレフィルタ21から吸い込まれる室内空気に合流して集塵フィルタ22及び脱臭フィルタ23にまで到達する。脱臭フィルタ23にまで達する活性種によって消臭効果が高められる。
【0077】
ストリーマ放電ユニット4は、正極であるタングステン製の針状の電極と、当該針状電極の近傍に位置し、当該電極に対向する板状の電極(対向電極)を有する。針状電極に高電圧を印加することによりプラズマ放電の一種であるストリーマ放電が発生する。当該放電発生の際に酸化分解力の高い活性種が生成される。これらの活性種には、高速電子、イオン、水酸化ラジカル及び励起酸素分子などが含まれ、これらの活性種は、アンモニア類や、アルデヒド類、窒素酸化物等の小さな有機分子からなる空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0078】
生成された活性種を含む空気は、
図3に示すような2つの鉛直風通路部材18へ流入する。空気清浄機1の第1側方吸込口12及び第2側方吸込口13は、上述のとおり鉛直方向に長い開口であるが、2つの鉛直風通路部材18は第1側方吸込口12及び第2側方吸込口13に沿って配置されている。各鉛直風通路部材18には、複数の放出口17が第1側方吸込口12及び第2側方吸込口13の鉛直方向に沿うように形成されている。鉛直風通路部材18へ流入した活性種を含む空気は、当該放出口17からフィルタ部20のプレフィルタ21の前に吹き出される。
【0079】
<ファン5>
ファン5は、ケーシング2内に配置されており、より詳しくは、加湿ユニット30と吹出口14との間に配置されている。
【0080】
<加湿ユニット30>
加湿ユニット30は、フィルタ部20とファン5との間に配置されており、
図1及び
図3に示すように、加湿ロータ31と、貯水タンク32と、水トレー33とを有する。脱臭フィルタ23を通過した空気は、加湿ユニット30の加湿ロータ31を通過する。加湿ロータ31を空気が通過する際に、加湿ロータ31から空気中に水分が放出される。放出されることによって減少する水分を補うため、加湿ロータ31は、水トレー33から水の供給を受ける。水トレー33は、貯水タンク32から水の供給を受ける。
【0081】
[空気清浄動作]
図3を参照しながら、空気清浄機1による空気清浄動作について説明する。第1側方吸込口12及び第2側方吸込口13から吸い込まれた空気は、電気集塵装置3に到達し、空気は電気集塵装置3を通過する。その際、空気に含まれる塵埃等がプラス電荷に帯電する。そして、空気は、フィルタ部20に到達する。他方、下吸込口11から吸い込まれた空気は、フィルタ部20に到達する。
【0082】
フィルタ部20では、空気は、先ずプレフィルタ21を通過する。その際、比較的大きなホコリや塵が、プレフィルタ21により空気中から除去される。
【0083】
プレフィルタ21を通った空気は、集塵フィルタ22を通過する。当該空気中の帯電した塵埃等は、集塵フィルタ22に吸着される。
【0084】
集塵フィルタ22を通過した空気は、脱臭フィルタ23を通過し、この際脱臭される。
【0085】
その後、当該空気は、加湿ユニット30の加湿ロータ31に到達する。空気は、加湿ロータ31を通過し、加湿される。
【0086】
フィルタ部20及び加湿ロータ31を通過して清浄された空気は、吹出口14から室内へと吹き出される。また、清浄された空気の一部は、室内へと吹き出されることなく支流16となって、ストリーマ放電ユニット4へ導入される。
【0087】
ストリーマ放電ユニット4におけるストリーマ放電により活性種が生成される。活性種を含む空気は、2つの鉛直通風路部材18内を通り、各鉛直通風路部材18に形成された複数の放出口17からプレフィルタ21の前に放出される。活性種を含む空気は、吸込空気と混ざり合ってプレフィルタ21及び集塵フィルタ22に吸い込まれる。これらの活性種を含んだ空気は、ウィルスやカビ菌、細菌などを不活化または消滅させる。
【0088】
[本実施形態の電気集塵装置3の特徴]
本実施形態の電気集塵装置3(放電ユニット)には、以下の特徴がある。
【0089】
本実施形態の電気集塵装置3では、高電圧電源(図示省略)と電気的に接続される短絡部材62を有し、この短絡部材62が、
図14(a)に示すように、電極板52に接触しないで放電線51に接触し、
図14(b)に示すように、放電線51が断線した時に、電極板52と接触する。そのため、放電線51が断線した時に、高電圧電源と電極板52との間を確実に短絡させることができる。また、短絡部材62を、電気集塵装置3に必須の構成である電極板52に接触させているので、新たに接地板を設ける必要がない。その結果、高電圧電源と電極板52との間を短絡させることができ、かつコンパクトな電気集塵装置3を提供できる。
【0090】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、短絡部材62は、電極板52に接触しないで放電線51に接触している際に、電極板52の方向に付勢されている。したがって、放電線51が断線した時に、短絡部材62を容易に電極板52に接触させることができる。
【0091】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、短絡部材62と別体に形成され、放電線51に張力を与えるばね部材61(弾性部材)を備えているので、放電線51に張力を与える部材を短絡部材62と別の部材とできる。従来技術(例えば特許文献1)のように、放電線を支持するばね部材(弾性部材)が、短絡機能を兼ねる場合、放電線を張る際にしか短絡部材を設置することができないが、この電気集塵装置3では、放電線51を張った後に短絡部材62を設置できるので、電気集塵装置3の組立後でも、短絡部材62を容易に設置できる。また、放電線51に張力を与えるばね部材61(弾性部材)と、短絡部材62とをそれぞれ別に設計できるので、短絡部材62の設計が容易となる。
【0092】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、放電線51の端部を支持するフック46、47(支持部)を有し、短絡部材62が、フック47(支持部)に取り付けられている。そのため、短絡部材62を取り付けるための部材を別に用意する必要がない。その結果、短絡部材62を設置することによるコストアップを抑制できる。
【0093】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、短絡部材62が、放電線51が内部に配置される巻回部66を有するので、放電線51が断線していない時に、短絡部材62が放電線51から外れて、電極板52と接触することを抑制できる。
【0094】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、電極板52は、放電線51を挟んで互いに対向する2枚の第1側板53(右側板53a及び中側板53b)と、放電線51に対向し、2枚の第1側板53の端部を連結するように配置される第2側板54とを有する。そして、短絡部材62の巻回部66が、短絡部材62の短絡部65の端部に配置されており、巻回部66の末端67が、
図15に示すように、第2側板54から最も離れた位置であって、かつ、右側板53aと末端67との距離L3と、中側板53bと末端67との距離L3'が同じとなる位置に配置されている。したがって、放電しやすい巻回部66の末端67が、その他の位置にある場合に比べて、巻回部66の末端67から異常放電することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、
図15に示すように、右側板53a及び中側板53bが略平行に配置されており、かつ、第2側板54と末端67との距離L4が、右側板53aと末端との距離L3及び中側板53bと末端との距離L3'よりも長い。そのため、右側板53aと末端との距離L3、中側板53bと末端との距離L3'、及び第2側板54と末端67との距離L4をそれぞれ十分に確保できる。その結果、放電しやすい巻回部66の末端67から、異常放電することを抑制できる。
【0096】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、放電線51が断線した時に、短絡部材62が第2側板54と接触するので、短絡部材62が放電線51に接触している際に、短絡部材62によって放電線51が撓む方向が第2側板54の方向となる。そのため、放電線51が右側板53a又は中側板53bの方向に撓むことを抑制できる。その結果、短絡部材62によって放電線51が撓むことにより、放電線51から右側板53a又は中側板53bに異常放電することを抑制できる。
【0097】
また、本実施形態の電気集塵装置3では、右側板53a及び中側板53bが略平行に配置されており、かつ、短絡部材62が、
図15の矢印で示すように、電極板52に接触しないで放電線51に接触している際に、右側板53a及び中側板53bと平行な方向に付勢されている。そのため、放電線51が撓む方向が右側板53a及び中側板53bに対して平行となる。その結果、放電線51が、右側板53a又は中側板53bに異常放電することを抑制できる。
【0098】
また、本実施形態の空気清浄機1では、上記の電気集塵装置3を備えるので、コンパクトで、かつ安全性に優れた電気集塵装置3を備えた空気清浄機1を提供できる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0100】
本実施形態では、短絡部材62は、金属製のばね部材とされているが、電極板52の方向に付勢可能な部材であれば、短絡部材62は、ばね部材に限られず、金属製の板状体であってもよい。また、短絡部材62は、付勢可能な部材にも限られない。例えば、電気集塵装置3を横向きに配置するなどして、放電線51が断線した時に、重力により短絡部材62を電極板52に接触させるようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、放電線51が断線した時に、短絡部材62を電極板52の第2側板54と接触させているが、短絡部材62は、電極板52のどこに接触させてもよい。例えば、短絡部材62を右側板53a又は中側板53bの方向に付勢して、放電線51が断線した時に、短絡部材62を右側板53a又は中側板53bに接触させてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、右側板53a及び中側板53bが、互いに平行であるが、右側板53a及び中側板53bが放電線51を挟んで対向していれば、必ずしも平行である必要はない。
【0103】
また、本実施形態では、第2側板54が、3枚の第1側板53の端部を連結するように配置されているが、必ずしも3枚の第1側板53の端部を連結している必要はない。例えば、第2側板54は、3枚の第1側板53と連結されておらず、3枚の第1側板53と離れていてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、第2側板54が、右側板53a及び中側板53bに直交するように配置されているが、右側板53a及び中側板53bと交差する方向に配置されていればよい。
【0105】
また、本実施形態では、短絡部材62が、右側板53aと中側板53bとの間に配置されているが、短絡部材62は、中側板53bと左側板53cとの間に配置されていてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、3枚の第1側板53を有し、放電線51が中側板53bの周りにU字状に配置されているが、第1側板53は2枚であって、放電線51は、第1ケーシング41の上端と下端で支持されていてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、電極板52を、第1側板53と第2側板54とで構成しているが、電極板52は、矩形状の板状部材であってもよい。
【0108】
また、本実施形態では、短絡部材62と別体に形成され、放電線51に張力を与えるばね部材61(弾性部材)を有するが、この弾性部材はなくてもない。また、短絡部材62が、放電線51に張力を与える弾性部材の機能を兼ねていてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、短絡部材62が、放電線51の端部を支持するフック47(支持部)に取り付けられているが、短絡部材62が、フック47とは別の部材に取り付けられていてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、第2側板54と、放電線51が内部に配置される巻回部66の末端67との距離L4が、右側板53aと末端67との距離L3よりも長いが、略同じであってもよいし、短くてもよい。
【0111】
また、本実施形態では、巻回部66の末端67が、第2側板54から最も離れた位置であって、かつ、右側板53aと末端67との距離L3と、中側板53bと末端67との距離L3'が同じとなる位置に配置されているが、巻回部66の末端67は、その他の位置に配置されていてもよい。
【0112】
また、本実施形態では、巻回部66が、短絡部材62の短絡部65の端部に形成されているが、巻回部66は、短絡部材62のどこに形成されていてもよい。また、巻回部66は、なくてもよい。
【0113】
また、本実施系形態では、電極板52に接触しないで放電線51に接触している際に、右側板53a及び中側板53bと平行な方向に付勢されているが、必ずしも平行な方向に付勢されている必要はない。
【0114】
また、本実施形態では、放電ユニットを電気集塵装置3として使用した場合について説明したが、放電ユニットは、ストリーマ放電ユニット4のようにストリーマ放電を発生させ、強酸化物である活性種を生成するものでもよい。また、マイナスイオンを発生させるものでもよい。
【0115】
また、本実施形態では、放電線51としてタングステン製のイオン化線を用い、電極板52としてステンレス金属製の板状の電極を用いたが、これらの材質は特に限定されるものではない。
【0116】
また、本実施形態では、短絡部材62は、放電線51がフック46、47によって支持される前に、まず、フック47に取り付けられるが、放電線51がフック46、47によって支持された後で、フック47に取り付けられてもよい。