(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光遮蔽部材は、前記遮光板よりも下方において、前記導光板の前記端面と前記遮光板のうち前記光源を覆っている部分の光出射面側端縁との間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
最下層の前記光学シートの端部が他の前記光学シートの端よりも前記光源側へ延出され、最下層の前記光学シートの上面に前記光遮蔽部材を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【背景技術】
【0002】
図1に、従来の面光源装置の断面を示す。この面光源装置11では、フレーム12内に導光板13を納め、導光板13の端面(光入射端面14)に対向させて光源15を配置している。導光板13は、導光板本体17の端に光導入部16を連続的に成形したものである。光導入部16は、傾斜面16aを有していて、導光板本体17よりも大きな厚みを有している。導光板本体17は、導光板13の大部分の面積を占めている。光源15は、フレキシブルプリント基板18の下面に実装されている。フレキシブルプリント基板18は、粘着剤19によってフレーム12及び光導入部16の上面に接着されており、それによって光源15が光入射端面14に対向する位置で固定されている。
【0003】
導光板本体17の上面には、3枚の光学シート、すなわち拡散シート20及び2枚のプリズムシート21、22が重ねられている。フレキシブルプリント基板18、フレーム12及びプリズムシート22の上にはリムシート23(遮光板)を貼り付けてあり、リムシート23の開口窓24からは導光板本体17の有効発光領域が露出している。なお、導光板13の有効発光領域とは、面光源装置11の光として利用される光が出射される領域であって、液晶表示パネルなどを照射するために用いられる光の出る領域である(通常は、有効発光領域以外の領域は、面光源装置から出射されないよう、リムシートなどで覆われている)。また、導光板13の下面には、反射シート25が配設されている。
【0004】
このような面光源装置11においては、光源15から出射した光を、光源15とほぼ同程度の高さを有する光入射端面14から光導入部16内に入射させることができる。また、光導入部16に入射した光は、光導入部16の下面と傾斜面16aで反射することによって厚みの薄い導光板本体17へ導かれる。よって、このような面光源装置11によれば、光導入部16の光を効率良く導光板13内に入射させて導光板13の有効発光領域を高い輝度で発光させると同時に、面光源装置11の薄型化を図ることができる。
【0005】
しかし、
図1のような構造の面光源装置11では、主として3つの経路の光がリムシート23の開口窓24から漏れやすい。第1の漏れ光は、光源15から直接漏れる光L1である。すなわち、この光L1は、導光板13内に入らないで、フレキシブルプリント基板18を光導入部16に接着させている透明な粘着剤19を透過して光学シートの端面に入射するものである。第2の漏れ光は、光導入部16の傾斜面16aから漏れる光L2である。すなわち、この光L2は、光入射端面14から光導入部16内に入射して直ちに傾斜面16aから外へ出射し、光学シートの端面に入射する光である。第3の漏れ光は、傾斜面16aで反射して下方へ向かい、さらに反射シート25で反射した後、導光板本体17の上面から漏れて光学シートの端面や下面に入射するものである。
【0006】
これらの光L1、L2、L3は、導光板本体17内を導光して有効発光領域から出射する光のように制御された光でないため、光源15の近傍で有効発光領域を不均一に光らせて見栄えを悪化させる。たとえば、
図2に示す光Aのように、光源15の前方で開口窓24の縁を通って漏れ光が漏れると、
図3のように有効発光領域の縁に目玉状の発光Pが現れ、有効発光領域における輝度の均一性が損なわれる。また、
図2に示す光Bのように、光学シートの端面から光学シート内に入り、光学シート内で反射しながら導光する途中で徐々に漏れると、
図4のように光源15の前方に輝線Qが発生し、有効発光領域における輝度の均一性が損なわれる。
【0007】
上記のような問題を解消する一方法としては、
図5に示すように、拡散シート20を光導入部16側へ延長する方法がある(たとえば、特許文献1を参照)。拡散シート20を光導入部16側へ延長して傾斜面16aを拡散シート20で覆えば、傾斜面16aから漏れる光L2を拡散シート20で拡散させることができるので、光源15の近傍から不均一に漏れる光を低減することができる。しかし、このような方法では、
図3に示すような漏れ光による目玉状の発光Pまで解消することはできない。
【0008】
また、
図6に示すように、プリズムシート21を光導入部16側へ延長する方法がある(たとえば、特許文献2を参照)。この方法によれば、光導入部16の傾斜面16aから出た光L2が光学シート内に入り、光学シートから徐々に漏れる光をリムシート23で吸収させることができるので、輝線Qの発生を防ぐことができる。しかし、この方法では、プリズムシート21の端から測ったリムシート23の距離(開口窓24の縁までの距離)DSが十分に長くなければならず、距離DSが短いと効果が得られない。そのため、面光源装置の有効発光領域が狭くなりやすい。さらに、この方法は、光源15から直接漏れた光L1に対しては効果がなく、漏れ光L1は開口窓24の縁から漏れて目玉状の発光Pが生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的とするところは、導光板から漏れる光の光量を低減することのできる面光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る面光源装置は、端面から光を導入して光出射面から出射する導光板と、前記導光板の前記端面に対向する位置に配置された光源と、前記導光板の上に配置された複数枚の光学シートと、前記光源の上方を覆うように配置された遮光板とを備えた面光源装置において、前記遮光板とは異なる光遮蔽部材を、前記導光板の前記端面と前記光出射面との間に有し、前記導光板は、前記端面から入射した前記光源からの光を閉じ込めるための光導入部と、前記光導入部の最大の厚みよりも小さな厚みで、前記光導入部と連続するように設けられていて閉じ込めた光を光出射手段によって光出射面から外部へ出射させるようにした導光板本体とを備え、前記光導入部は、前記導光板の光出射側の面とその反対面のうち少なくとも一方の面に、前記導光板本体より厚みの大きな部分の表面から前記導光板本体の表面の端に向けて傾斜した傾斜面を有し、前記導光板は、光出射側の面とその反対面のうち少なくとも一方の面に、前記光導入部に入射した光の前記導光板の厚み方向における指向性広がりを導光板の面方向と平行な方向に向けて傾いた指向特性に変換させるための指向性変換パターンを有し、前記指向性変換パターンは、前記導光板の幅方向に沿って稜線と谷線を交互に繰り返すように構成されており、前記端面と平行に切った前記指向性変換パターンの断面のうち、前記光源の前方に位置し、かつ、前記光源と等しい幅を持つ領域内にある部分は、前記指向性変換パターンの稜線のうちいずれかの稜線と当該稜線に隣接する一方の谷線とを結ぶ斜面と、当該稜線と当該稜線に隣接する他方の谷線とを結ぶ斜面とが、当該稜線を通り前記光出射面に垂直な直線に関して非対称となっており、
前記導光板の内部から外部へ向けて前記斜面のそれぞれに法線を立てたとき、前記光源中心を挟む両側の領域では、それぞれ、法線が光源中心側へ傾いている前記斜面の横幅の総和が、法線が光源中心と反対側へ傾いている前記斜面の横幅の総和よりも大きくなっていることを特徴とする。ここでいう光遮蔽部材とは、光を吸収又は反射することによって設計外の光が面光源装置から漏れるのを防止できるものであればよい。
【0013】
本発明に係る面光源装置の
ある実施態様は、前記光遮蔽部材が、前記遮光板よりも下方において、前記導光板の前記端面と前記遮光板のうち前記光源を覆っている部分の光出射面側端縁との間に設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る面光源装置の
別な実施態様は、前記光遮蔽部材の前記光源から遠い側の端と、前記遮光板のうち前記光源を覆っている部分の光出射面側端縁との間の、前記光出射面に平行な方向の距離をDeとし、下からi番目の前記光学シートの厚みと屈折率をそれぞれti、Niとするとき、次の条件
を満たすことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の前記光源から遠い側の端と、前記光学シートの上方に配置される液晶パネルの表示エリアにおける前記光源側の表示エリア端との間の、前記光出射面に平行な方向の距離をDaとし、下からi番目の前記光学シートの厚みと屈折率をそれぞれti、Niとし、液晶パネルの下面側のガラス板の厚みと屈折率をそれぞれtm、Nmとするとき、次の条件
を満たすことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材が、最下層の前記光学シートの少なくとも一方の面の端部に形成され、最下層の前記光学シートの延出した端部が前記光源を実装する配線基板に固定されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材が、最下層の前記光学シートの少なくとも一方の面の端部に形成され、最下層の前記光学シートの延出した端部が前記遮光板に固定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材が、最下層の前記光学シートの少なくとも一方の面の端部に形成され、最下層の前記光学シートの延出した端部が最上層の前記光学シートに固定されていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の一方端部が前記光源を実装する配線基板に固定され、前記光遮蔽部材の他方端部が前記光学シートに固定されていることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の一方端部が最上層の前記光学シートに固定され、前記光遮蔽部材の他方端部が下層部分の前記光学シートに固定されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、最下層の前記光学シートの端部が他の前記光学シートの端よりも前記光源側へ延出され、最下層の前記光学シートの上面に前記光遮蔽部材を設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の上面を前記遮光板の下面に固定したことを特徴とする。
【0023】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の上面を前記光源を実装する配線基板の下面に固定したことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記光遮蔽部材の前記光源から遠い側の端と、前記遮光板のうち前記光源を覆っている部分の光出射面側端縁との間の、前記光出射面に平行な方向の距離をDeとし、下からi番目の前記光学シートの厚みと屈折率をそれぞれti、Niとするとき、次の条件
を満たすことを特徴とする。なお、条件1が満たされていれば、条件3も満たされる。
【0025】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、最下層の前記光学シートの端部が他の前記光学シートの端よりも前記光源側へ延出され、最下層の前記光学シートの上面に前記光遮蔽部材を設け、前記光遮蔽部材の前記光源から遠い側の端と、前記光学シートの上方に配置される液晶パネルの表示エリアにおける前記光源側の表示エリア端との間の、前記光出射面に平行な方向の距離をDaとし、下からi番目の前記光学シートの厚みと屈折率をそれぞれti、Niとし、液晶パネルの下面側のガラス板の厚みと屈折率をそれぞれtm、Nmとするとき、次の条件
を満たすことを特徴とする。なお、条件2が満たされていれば、条件4も満たされる。
【0026】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記導光板が、端面から前記光源の光を導入する光導入部と、前記光導入部の最大厚みよりも薄くて、前記光出射面を有する導光板本体が連続的に形成されたものであり、前記光導入部の最大厚みに対する前記導光板本体の厚みの比が、0.75以下であることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る液晶表示装置は、本発明に係る面光源装置と、液晶パネルとを備えている。
【0028】
本発明に係るモバイル機器は、本発明に係る面光源装置を備えている。
【0029】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、導光板の端面と遮光板の開口窓との間に光遮蔽部材を設けているので、光源から直接漏れた光、導光板の斜面から漏れた光、あるいは導光板の斜面で反射し、さらに導光板の下面で反射して漏れた光などが遮光板の開口窓から漏れにくくなり、開口窓の縁に発生する目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0031】
また、本発明によれば、指向性変換パターンを構成するパターン素子を左右非対称とすることにより、指向性変換パターンのパターン素子が左右対称である場合と比較して、指向性変換パターンからの光の漏れを抑制することができ、光の利用効率を向上させることができる。
【0032】
また、上記条件1から4のいずれか1つを満たしていれば、光遮蔽部材を遮光板の下面側に設けている場合でも、遮光板の開口を通して光遮蔽部材が見えることがなく、面光源装置の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、従来例の面光源装置を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の面光源装置において目玉状の発光や輝線が生じる様子を説明する概略図である。
【
図3】
図3は、
図1の面光源装置に生じる目玉状の発光を示す面光源装置の平面図である。
【
図4】
図4は、
図1の面光源装置に生じる輝線を示す面光源装置の平面図である。
【
図5】
図5は、漏れ光を低減するための一方法を示す面光源装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、漏れ光を低減するための別な方法を示す面光源装置の概略断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1による面光源装置の断面図である。
【
図8】
図8(A)は、本発明の実施形態1(変形例)による面光源装置の断面図である。
図8(B)は、条件1を説明するための図であって、
図8(A)の一部を拡大して表している。
【
図9】
図9(A)及び
図9(B)は、
図7の面光源装置における光遮蔽部材を拡大して示す概略断面図である。
図9(C)及び
図9(D)は、
図8(A)の面光源装置における光遮蔽部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態1による面光源装置を用いた液晶表示装置を示す断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態1の別な変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態2による面光源装置を示す断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態2の変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態3による面光源装置を示す断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態3の変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態4による面光源装置を示す断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態4の変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態4の別な変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態4のさらに別な変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態5による面光源装置を示す断面図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態5の変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態6による面光源装置を示す断面図である。
【
図23】
図23(A)及び
図23(B)は、拡散シートの上の光遮蔽部材の固定方法を示す概略拡大断面図である。
【
図24】
図24は、本発明の実施形態6の変形例による面光源装置を示す断面図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施形態7による面光源装置を示す断面図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施形態8による面光源装置を示す断面図である。
【
図27】
図27は、実施形態8の面光源装置に用いられる導光板の斜視図である。
【
図28】
図28は、実施形態8の面光源装置に用いられる導光板の平面図である。
【
図31】
図31(A)は、本発明の実施形態9による面光源装置を示す平面図である。
図31(B)は、実施形態9の面光源装置の断面図である。
【
図32】
図32は、導光板の光導入部の厚みに対する導光板本体の厚みの比(段差比率)と面光源装置の輝度効率との関係を示す図である。
【
図33】
図33は、本発明に係る面光源装置を用いたモバイル機器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0035】
(実施形態1)
図7及び
図8(A)は、本発明の実施形態1による面光源装置31を示す断面図である。実施形態1の面光源装置31は、拡散シート43の端部を光源側へ延出し、この延出部分の少なくとも一方の面にシート状ないし膜状の光遮蔽部材49を形成し、拡散シート43の端部をフレキシブルプリント基板41に固定したものである。光遮蔽部材49は、
図7のように、拡散シート43の上下両面に設けていてもよく、
図8(A)のように、拡散シート43の下面にのみ設けていてもよい。
【0036】
以下、
図7及び
図8(A)を参照して、本発明の実施形態1による面光源装置31を説明する。実施形態1の面光源装置31では、額縁状をしたフレーム32内に導光板33を納め、導光板33の端面(光入射端面36)に対向させて複数個の光源40を配置している。光源40はLEDを内蔵したものであって、フレキシブルプリント基板41の下面に実装されている。
【0037】
導光板33は、導光板本体35の端に光導入部34を連続一体的に成形したものである。導光板33は、ポリカーボネイト樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA樹脂)、ガラスなどの透明で屈折率の高い材料によって形成されている。光導入部34は導光板本体35よりも大きな最大厚みを有しており、光導入部34の導光板本体側上面に設けられた傾斜面37によって導光板本体35と階段状の段差を生じないように連続している。この傾斜面37は、導光板33の一方側端から他方側端まで帯状に延びている。導光板本体35は、導光板33の大部分の面積を占めている。導光板本体35の上面は照明用の光を出射させるための光出射面39となっており、導光板33の下面のうち光出射面39と対向する領域には光出射手段、すなわち多数の微細な光偏向パターン38が設けられている。
【0038】
図7では光出射手段として三角溝状の光偏向パターン38を示しているが、サンドブラスト加工、拡散インクを写真印刷したもの、回折格子パターン、任意の凹凸パターンなどでもよく、また、光出射手段を導光板本体35の光出射面39、あるいは光出射面39とその反対面の双方に設けていても差し支えない。
【0039】
フレキシブルプリント基板41は、接着剤42(粘着剤を含む。)によってフレーム32及び光導入部34の上面に接着されている。フレキシブルプリント基板41の下面に実装された複数個の光源40は、導光板33(光導入部34)の光入射端面36に対向する位置において、一定間隔で配置されている。
【0040】
導光板本体35の上面(光出射面39)には、複数枚の光学シート、すなわち拡散シート43及び2枚のプリズムシート44、45が重ねられている。プリズムシート44、45は、その表面に多数のプリズム状パターンを平行に形成したものであって、プリズムシート44及び45はプリズム状パターンの延びている方向が直交するようにして重なっている。
【0041】
拡散シート43の光源側端部は、プリズムシート44、45の端よりも長く突出している。拡散シート43の光源側端部は、光源側へ向けて延びており、少なくとも一方の面には光遮蔽部材49が設けられている。
図7では、拡散シート43の上下両面に光遮蔽部材49を設けているが、
図8(A)のように拡散シート43の下面にのみ光遮蔽部材49を設けてもよい。
【0042】
図9(A)と
図9(B)は、拡散シート43の両面に光遮蔽部材49を設けた場合を表している。
図9(A)は、拡散シート43に表面に光遮蔽部材49を印刷(たとえば、シルク印刷)した場合である。また、
図9(B)は、基材49aと接着剤49bからなる光遮蔽部材49を用いた場合であり、接着剤49bによって光遮蔽部材49を拡散シート43の表面に貼り付けている。
図9(A)のように光遮蔽部材49を印刷する場合には、光遮蔽部材49自体をモノクロ材料で形成してあればよい。また、
図9(B)のように光遮蔽部材49を接着剤49bで接着する場合には、接着剤49bがモノクロ材料によって形成されていてもよく、基材49aがモノクロ材料によって形成されていてもよい。ここで、モノクロ材料とは、黒色、白色又はその中間色の灰色の材料である。
【0043】
図9(C)と
図9(D)は、拡散シート43の下面にのみ光遮蔽部材49を設けた場合を表しているが、片面の場合も両面の場合と同様である。
【0044】
一方、フレキシブルプリント基板41の導光板側端部の上面には、その幅方向に沿って切欠部50が設けられている。拡散シート43の延長部分の先端部は、切欠部50に納められ、接着剤などによってフレキシブルプリント基板41の上面に固定される。
【0045】
光源40やプリズムシート45の上には遮光板、すなわちリムシート46が重ねられ、リムシート46の下面はフレキシブルプリント基板41の上面やプリズムシート45の上面に接着されている。リムシート23の開口窓24からは導光板本体35の有効発光領域に当たる部分が露出している。また、導光板33の下面には、反射シート48が配設されている。
【0046】
しかして、この面光源装置31では、光源40から出射した光が光入射端面36から光導入部34内に入射すると、その一部の光は導光板本体35へ直接入射し、あるいはその一部は傾斜面37と反射シート48で反射しながら導光板本体35へ導光される。そして、導光板本体35を導光する光は、光偏向パターン38で反射されることによって光出射面39から出射し、光学シート43〜45を透過して開口窓47から上方へ均一に照射される。
【0047】
このような面光源装置31では、
図7及び
図8(A)に示す光L1のように、接着剤42などを透過して光源40の光が導光板33の上面側へ漏れることがある。また、光L2のように、傾斜面37で反射されないで傾斜面37を透過して導光板33の上面側へ漏れることもある。また、光L3のように、傾斜面37で全反射し、さらに反射シート48で反射した後、導光板本体35の上面から漏れることもある。前記のように、これらの漏れ光L1、L2及びL3は、目玉状の発光P(
図3参照)や輝線Q(
図4参照)の原因となる。
【0048】
しかし、本発明の実施形態1の面光源装置31では、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を拡散シート43で仕切り、拡散シート43の少なくとも一方の面、たとえば下面(光源側を向いた面)に光遮蔽部材49を設けている。したがって、これら漏れ光L1、L2及びL3は、光遮蔽部材49(印刷タイプの場合)や、接着剤49b又は基材49a(接着タイプの場合)で吸収又は反射され、開口窓24から漏れるのを防止される。よって、開口窓24から漏れた漏れ光による目玉状の発光や輝線を防止することができる。
【0049】
なお、光遮蔽部材49(又は基材49a、接着剤49b)が黒色樹脂である場合には、光L1、L2及びL3は光遮蔽部材49で吸収されるため、開口窓47から漏れにくくなる。これに対し、光遮蔽部材49(又は基材49a、接着剤49b)が白色樹脂である場合には、光L1、L2、L3は反射されるので、開口窓47から出る可能性があるが、光遮蔽部材49で散乱する結果、目玉状の発光や輝線とならない。却って面光源装置31の輝度を向上させるので好ましいとも言える。光遮蔽部材49が灰色である場合には、白色の場合と黒色の場合との中間的な状況となる。また、拡散シート43の両面に光遮蔽部材49を設ける場合には、拡散シート43の上面と下面とで色の異なる拡散シート43を設けてもよい。拡散シート43の両面に光遮蔽部材49を設け、少なくとも一方の光遮蔽部材49を黒色材料など光吸収性のものにしてあれば、拡散シート43の端面から拡散シート43内に入った光は、拡散シート43内で反射を繰り返して導光するうち、光吸収性の光遮蔽部材49によって吸収される。
【0050】
フレキシブルプリント基板41の切欠部50は必ずしも必要なものではないが、切欠部50を設けておくことにより、リムシート46が膨らんだり、面光源装置31の厚みが大きくなったりするのを防ぐことができる。
【0051】
上記のように、透明な拡散シート43の延長部分に黒色や白色などの光遮蔽部材49を設けている場合、リムシート46の開口窓47から光遮蔽部材49が透けて見える恐れがある。光遮蔽部材49が透けて開口窓47から見えないようにするためには、つぎの条件1を満たすようにすればよい。いま、
図8(B)に示すように、導光板本体35の上面にn枚の光学シートが重ねられているとし、下からi番目の光学シート(i=1、2、…、n)の厚みをti、屈折率をNiとする。光遮蔽部材49の光源40から遠い側の端から開口窓47の光源側開口端(リムシート46のうち光源40を覆っている部分の光出射面側端縁)まで測った、光出射面39と平行な方向(以下、光出射面39と平行な方向を水平方向という。)における距離Deが、
を満たしていれば、光遮蔽部材49が透けて見えることを防止できる。これは、i番目の光学シートで光が、Si=ti×tan〔arcsin(1/Ni)〕だけ水平方向にずれるので、下面の光遮蔽部材49の端から出た光はリムシート46の下面では、全体として条件1の右辺(ΣSi)だけ水平方向にずれて入射する。この入射点がリムシート46で隠されているための条件が、上記条件1である。
【0052】
図10は、実施形態1の面光源装置62(
図8(A)に示したものと同じもの)の上に液晶パネル63を重ねた液晶表示装置61の断面を示す。液晶パネル63は、一対のガラス板64間の周囲をスペーサ65で囲み、スペーサ65で囲まれた空間(表示エリアK)内に液晶材料や電極などを納め、多数の画素を形成したものである。この例では、スペーサ65はガラス板64の外側へ延出されていて光源40や光導入部34の上方を覆っている。
【0053】
なお、
図10のように液晶パネル63のスペーサ65で光源40や光導入部34の上方を覆っている場合には、リムシート46は省略することができる。
【0054】
この場合には、ガラス板64を透かして光遮蔽部材49が見えないようにするためには、つぎの条件2を満たすようにすればよい。この場合には、スペーサ65の下面の高さまで光が達するまでには、さらに下面側のガラス板64による光のずれが加わる。
図10に示すように下面側のガラス板64の厚みをtm、下面側のガラス板64の屈折率をNmとすれば、下面側のガラス板64による光のずれは、tm×tan〔arcsin(1/Nm)〕である。よって、光遮蔽部材49の光源40から遠い側の端から液晶パネル63の表示エリアKにおける光源側の表示エリア端まで測った水平方向の距離Daが、
を満たしていれば、光遮蔽部材49が透けて見えることを防止できる。
【0055】
図11に示す面光源装置71は、本発明の実施形態1の変形例である。この面光源装置71では、拡散シート43の延出部分の少なくとも一方の面に光遮蔽部材49を設けてあり、拡散シート43の延出部分の端をフレキシブルプリント基板41に接着して固定している。また、面光源装置71では、フレキシブルプリント基板41の端部を傾斜面37に沿って湾曲させてあり、拡散シート43の端部をフレキシブルプリント基板41の湾曲部分の上面に固定している。このような構成によっても、リムシート46が拡散シート43で膨らんだり、面光源装置71の厚みが大きくなったりするのを防ぐことができる。
【0056】
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2による面光源装置81を示す断面図である。この面光源装置81では、光源側へ延出された拡散シート43の延出部分の少なくとも一方の面に光遮蔽部材49を設け、拡散シート43の延出部分をリムシート46の下面に接着して固定している。このような構造であっても、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を光遮蔽部材49で仕切ることができるので、目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0057】
図13は、本発明の実施形態2の変形例による面光源装置83を示す断面図である。この変形例では、フレキシブルプリント基板41の上面に光源40を実装し、フレキシブルプリント基板41を導光板33の下面に位置させ、光源40を光入射端面36に対向させている。この変形例は、フレキシブルプリント基板41が光源40の上面にあっても下面にあっても、拡散シート43の延出部分を同様な方法で固定できることを示している。
図3では、拡散シート43の延出部分をリムシート46の下面に固定した場合を示しているが、他の実施形態でもフレキシブルプリント基板41を下面側にすることは可能である。
【0058】
(実施形態3)
図14は、本発明の実施形態3による面光源装置91を示す断面図である。この面光源装置91では、光源側へ延出された拡散シート43の延出部分の少なくとも一方の面に光遮蔽部材49を設け、拡散シート43の延出部分を上方へ折り返すように湾曲させ、拡散シート43の上面をプリズムシート45の上面に接着剤で固定している。このような構造であっても、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を光遮蔽部材49で仕切ることができるので、目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0059】
図15は、本発明の実施形態3の変形例による面光源装置92を示す断面図である。この変形例では、拡散シート43の延出部分をプリズムシート44、45の端面に沿って略矩形状に折り曲げている。
【0060】
(実施形態4)
図16は、本発明の実施形態4による面光源装置93を示す断面図である。この面光源装置93では、拡散シート43の光源側の端をプリズムシート44、45の端よりも引っ込めている。光遮蔽部材94は、柔軟な黒色、白色又は灰色の材料(モノクロ材料)によってシート状に形成されており、拡散シート43と別個の部材となっている。光遮蔽部材94の一方端部は、フレキシブルプリント基板41の切欠部50に接着して固定されている。光遮蔽部材94の他端は、プリズムシート44の下に差し込んで固定されており、あるいはプリズムシート44の下面に接着して固定されている。このような構造であっても、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を光遮蔽部材94で仕切ることができるので、目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0061】
図17は、本発明の実施形態4の変形例による面光源装置95を示す断面図である。この面光源装置95では、拡散シート43の光源側の端部をプリズムシート44及び45の端よりも突出させている。光遮蔽部材94の一方端部は、フレキシブルプリント基板41の切欠部50に接着して固定されている。光遮蔽部材94の他方端部は、拡散シート43の下に差し込んで固定されており、あるいは拡散シート43の突出部分に重ねて接着されている。この変形例では、光遮蔽部材94と拡散シート43の間に隙間が生じないので、漏れ光抑制の効果が高くなる。
【0062】
図18は、本発明の実施形態4の別な変形例による面光源装置96を示す断面図である。この面光源装置96では、拡散シート43の光源側の端をプリズムシート44、45の端よりも引っ込めている。光遮蔽部材94は、柔軟な黒色、白色又は灰色の材料(モノクロ材料)によってシート状に形成されており、拡散シート43と別個の部材となっている。光遮蔽部材94の一方端部は、フレキシブルプリント基板41の下面に接着して固定されている。光遮蔽部材94の他端は、プリズムシート44の下に差し込んで固定されており、あるいはプリズムシート44の下面に接着して固定されている。
【0063】
図19は、本発明の実施形態4のさらに別な変形例による面光源装置97を示す断面図である。この面光源装置97では、拡散シート43の光源側の端部をプリズムシート44及び45の端よりも突出させている。光遮蔽部材94の一方端部は、フレキシブルプリント基板41の下面に接着して固定されている。光遮蔽部材94の他方端部は、プリズムシート44の下に差し込んで固定されており、あるいは拡散シート43の突出部分に重ねて接着されている。
【0064】
(実施形態5)
図20は、本発明の実施形態5による面光源装置98を示す断面図である。面光源装置98では、シート状をした光遮蔽部材94を円弧状に湾曲させ、光遮蔽部材94の一方端部をプリズムシート44の下に差し込んで固定し、あるいはプリズムシート44の下面に接着して固定している。光遮蔽部材94の他方端部は、プリズムシート45の上面に接着して固定されている。このような構造でも、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を光遮蔽部材94で仕切ることができるので、目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0065】
図21は、本発明の実施形態5の変形例による面光源装置99を示す断面図である。面光源装置99では、シート状をした光遮蔽部材94を矩形状に折り曲げ、光遮蔽部材94の一方端部をプリズムシート44の下に差し込んで固定し、あるいはプリズムシート44の下面に接着して固定している。光遮蔽部材94の他方端部は、プリズムシート45の上面に接着して固定されている。
【0066】
(実施形態6)
図22は、本発明の実施形態6による面光源装置101を示す断面図である。面光源装置101においては、拡散シート43の光源側の端部がプリズムシート44、45の端よりも突出しており、拡散シート43の突出部分の上面、すなわち拡散シート43の上面とリムシート46の下面との間に棒状の光遮蔽部材102が設けられている。光遮蔽部材102は、基材102aと接着剤102bとからなり、
図23(A)のように接着剤102bによって光遮蔽部材102を拡散シート43の上面に接着していてもよく、
図23(B)のように接着剤102bによって光遮蔽部材102をリムシート46の下面に接着していてもよい。この実施形態では、基材102aと接着剤102bのうち拡散シート43と接している部材は黒色材料などの光吸収性の材料が好ましい。他方の部材は白色や灰色の材料であっても差し支えない。
【0067】
この実施形態では、拡散シート43の下面に光遮蔽部材が設けられていないので、光遮蔽部材102が開口窓47や表示エリアから見えないようにするための条件、すなわち上記条件1、条件2は修正が必要になる。光遮蔽部材102が拡散シート43の上面に設けられている場合には、光遮蔽部材102の下面における光源から遠い側の端から出て開口窓47へ向かう光は、最下層の光学シート(拡散シート43)を通らないので、条件1から最下層の光学シートに関する項を除けばよい。よって、光遮蔽部材102が透けて開口窓47から見えないようにするための条件は、つぎの条件3のようになる。なお、記号は条件1の場合と同じである。
【0068】
また、面光源装置101の上に液晶パネルが重ねれている場合(
図10参照)において、液晶パネルの表示エリアから光遮蔽部材102が透けて見えないための条件は、つぎの条件4のようになる。なお、記号は条件2の場合と同じである。
【0069】
図24は、本発明の実施形態6の変形例による面光源装置104を示す断面図である。変形例では、拡散シート43の端部を光源側へ延出するとともに、フレキシブルプリント基板41を導光板本体35の上面まで延出し、光遮蔽部材102を拡散シート43の上面とフレキシブルプリント基板41の下面に接着して固定したものである。
【0070】
(実施形態7)
図25は、本発明の実施形態7による面光源装置106を示す断面図である。面光源装置106においては、光源側へ延出された拡散シート43の延出部分の少なくとも一方の面に光遮蔽部材49を設け、拡散シート43の延出部分を傾斜面37に沿わせている。さらに、リムシート46を弛ませてリムシート46の下面と拡散シート43の延出部分の上面を接着させている。このような構造であっても、光導入部34の上面と開口窓47との間の空間を光遮蔽部材49とリムシート46で仕切ることができるので、目玉状の発光や輝線を抑制することができる。
【0071】
(実施形態8)
図26は、本発明の実施形態8による面光源装置111の断面図である。この面光源装置111は、導光板33の構造を除けば、実施形態1とほぼ同じ構造を有している。
【0072】
図27及び
図28は、面光源装置111に用いられている導光板33の構造を示す斜視図と平面図である。光導入部34の傾斜面37には、指向性変換パターン112が形成されている。指向性変換パターン112は、山形又はV溝状をした複数のパターン素子を光導入部34の幅方向に沿って配列させたものである。すなわち、指向性変換パターン112においては、稜線と谷線が交互に並んでいる。この指向性変換パターン112を光出射面39に垂直な方向から見たとき、パターン素子、あるいは稜線と谷線は、光入射端面36に垂直な方向と平行に配置されており、導光板33の幅方向に沿って互いに平行に並んでいる。また、各パターン素子は、光入射端面36と平行な断面では、左右非対称な形状を有している。また、光源中心の両側の領域には、互いに異なる形状を有する非対称なパターン素子が少なくとも一組存在している。この指向性変換パターン112は、光導入部34に入射した光を反射させることにより、光導入部34に入射した光の導光板厚み方向における指向性広がりを導光板33の面方向と平行な方向に向けて傾いた指向特性に変換させる働きを有している。
【0073】
導光板本体35の上面(光出射面39)には、光入射端面36と垂直な方向に延びたレンチキュラーレンズ113が形成されている。
【0074】
図29は、
図28のX−X線断面における指向性変換パターン112の断面形状を示す。すなわち、
図29は、光入射端面36と平行に切った指向性変換パターン112の断面のうち、光源40の前方に位置し、かつ、光源40と等しい幅(光源幅W)を持つ領域(つまり、光源中心Cから左右両側へW/2の領域)内にある部分を示す。ここで、光源中心Cとは、光源40の発光中心40aを通過し、かつ、導光板33の光入射端面36及び光出射面39に垂直な平面をいう。また、光源幅Wとは、光源40のパッケージの幅をいうものではなく、発光面の幅をいう。
図29では、指向性変換パターン112は、光源中心Cに関して左右対称な形状を有しているが、かならずしも左右対称である必要はない。
【0075】
実施形態8の面光源装置111においては、指向性変換パターン112は、光入射端面36と平行な断面における光源幅Wの領域では、以下に述べるような構造又は特性を有している。光源幅Wの外側の領域においても、光源幅Wの領域と同様な構造又は特性を有していてもよいが、光源40から離れた領域では、供給される光量や光強度が小さいので、光源幅Wの外側では特に指向性変換パターン112の構造は限定されない。
【0076】
光入射端面36と平行な断面における光源幅Wの領域では、指向性変換パターン112を構成する大部分またはすべてのパターン素子は非対称な形状を有している。すなわち、ある稜線(断面の極大点)と当該稜線に隣接する一方の谷線(断面の極小点)とを結ぶパターン斜面114aと、当該稜線と当該稜線に隣接する他方の谷線(断面の極小点)とを結ぶパターン斜面114bが、当該稜線を通り光出射面39に垂直な直線に関して左右非対称となっている。ただし、一部のパターン素子(たとえば、光源中心Cの位置にあるパターン素子)は左右対称であってもよい。ここで、パターン斜面114a、114bとは、隣り合った稜線と谷線との間に位置する指向性変換パターン112の表面である。
図29に示す指向性変換パターン112では、パターン斜面114a、114bは平面となっているが、曲面や屈曲面などであってもよい。
【0077】
また、光源中心Cとそこから向かって左側へW/2の領域(以下、光源中心Cの左側領域という。)においては、導光板33の内部から外部へ向けて各パターン斜面114a、114bに法線Nを立てたとき、法線Nが光源中心側へ傾いているパターン斜面114bの横幅D2の総和(各パターン斜面114bの横幅D2の、幅W/2の左側領域における合計値)が、法線Nが光源中心と反対側へ傾いているパターン斜面114aの横幅D1の総和(各パターン斜面114aの横幅D1の、幅W/2の左側領域における合計値)よりも大きくなっている(条件5:ΣD1<ΣD2)。
【0078】
同様に、光源中心Cとそこから向かって右側へW/2の領域(以下、光源中心Cの右側領域という。)においては、導光板33の内部から外部へ向けて各パターン斜面114a、114bに法線Nを立てたとき、法線Nが光源中心側に向いて傾いているパターン斜面114bの横幅D2の総和(各パターン斜面114bの横幅D2の、幅W/2の右側領域における合計値)が、法線Nが光源中心と反対側へ傾いているパターン斜面114aの横幅D1の総和(各パターン斜面114aの横幅D1の、幅W/2の右側領域における合計値)よりも大きくなっている(条件5:ΣD1<ΣD2)。
【0079】
このような形態を実現するためには、隣接する2つのパターン斜面114a、114b(パターン素子)において、法線Nが光源中心側へ傾いているパターン斜面114bの横幅D2が、法線Nが光源中心と反対側へ傾いているパターン斜面114aの横幅D1よりも大きいか、又は一部において同じであればよい(条件6:D1≦D2)。光源幅Wの領域にある少なくとも一部のパターン素子が、この条件6を満たしていればよい。できるだけ多くのパターン素子が、この条件6を満たしていることが好ましいが、必ずしもすべてのパターン素子に要求されるものではない。
【0080】
面光源装置111においては、光源中心Cの左右の領域においてそれぞれ、法線Nが光源中心側へ傾いたパターン斜面114bの横幅D2の総和が、法線Nが光源中心と反対側へ傾いたパターン斜面114aの横幅D1の総和よりも大きくなっている(条件5)。特に、多くのパターン素子において、法線Nが光源中心側へ傾いたパターン斜面114bの横幅D2が、法線Nが光源中心と反対側へ傾いたパターン斜面114aの横幅D1よりも大きいか、又は一部のパターン素子で同じになっている(条件6)。この結果、
図30に示すように、発光中心40aから斜め方向へ出射した光L1が垂直に近い角度で入射するパターン斜面114aの面積が、パターン素子が左右対称な指向性変換パターンである場合と比較して狭くなり、パターン斜面114aから光が漏れにくくなる。さらに、法線Nが光源中心Cと反対側へ傾いたパターン斜面114aの傾斜角が大きくなるので、指向性変換パターンのパターン素子が左右対称である場合と比較して、パターン斜面114aに入射する光L1の入射角が大きくなり、光L1がパターン斜面114aから漏れにくくなる。この結果、面光源装置111によれば、指向性変換パターン112からの光の漏れを抑制することができ、光の利用効率が向上する。
【0081】
本発明の実施形態8において開示した導光板33の主な構造は、本発明の出願人が国際特許出願(PCT/JP2012/056182)したものである。ここでは、その基本的な構造を説明したが、国際特許出願(PCT/JP2012/056182)に開示している任意の構成は、本発明の実施形態8の面光源装置111に加えて、あるいは実施形態8の面光源装置111に代えて適用することができる。
【0082】
(実施形態9)
図31(A)は、本発明の実施形態9による面光源装置116の平面図である。
図31(B)は、面光源装置116の断面図である。リムシート46は、上記各実施形態のような額縁状をしていて開口窓を有するものに限らない。実施形態9の面光源装置116では、略矩形状のリムシート46を用いて、光源40や光導入部34の上方だけを覆ってあり、光源40の上方を覆うリムシート46の光出射面側端縁と光入射端面36との間に適宜構造の光遮蔽部材49を設けている。
【0083】
なお、導光板の光導入部の厚みに対する導光板本体の厚みの比(段差比率)と面光源装置の輝度効率との関係を
図32に示す。横軸の段差比率とは、光導入部34の最大厚みTに対する導光板本体35の厚みtの比t/Tであって、段差比率が小さいほど面光源装置の薄型化が図られている。輝度効率とは、光導入部34に入射した光のうちどれくらいの比率の光が光出射面39から出射したかを百分率で表したものである。経験的には輝度効率が97%よりも高いと面光源装置の見栄えが悪化することが分かっているので、
図32によれば、導光板の段差比率は0.75以下であることが望ましい。よって、本願のいずれの実施形態においても、段差比率は0.75以下とすることが望ましい。
【0084】
(実施形態10)
図33は、本発明の面光源装置又は液晶表示装置を用いたモバイル機器、すなわちスマートフォン121の平面図であって、正面にはタッチパネル付き液晶表示装置122を備えている。このようなスマートフォンに本発明の面光源装置を用いれば、目玉状の発光や輝線が生じにくくなるので、表示画面の品位が向上する。また、本発明の面光源装置はスマートフォンなどの携帯電話以外にも、タブレット型コンピュータ、電子辞書、電子ブックリーダーなどのモバイル機器にも適用できる。