【実施例】
【0014】
本発明の実施例を
図1〜
図4に示す。
本例の磁石式発電装置の基本構成は、
平行関係にした一対のリング枠体110の各外周面側と内周面側に沿って同一磁極を揃えたガイド用の永久磁石111を固定配列した
竪型の磁石リング軌条100と、
一方を発電装置に連結し他方を自然原動力で回転する回転駆動装置に連結し軸芯300cを磁石リング軌条100の水平直径線100−1の中心C位置から水平方向に所定量変位させた位置に直交して水平に配置した回転駆動軸2と、
前記回転駆動軸2にその回転半径方向線Rに沿ってスライド自在にして複数を装着した偏心回転シャフト機構300と、各偏心回転シャフト機構300の両側に支持され前記磁石リング軌条100の永久磁石111の両磁極面に対して反発関係に走行用永久磁石201の磁極面を対面させて保持した永久磁石式被ガイド200と、前記永久磁石式被ガイド200に装着したはずみウエイト400とからなり、複数の前記偏心回転シャフト機構300の相対位置関係を
均等な回転角度の間隔で配置し、前記
回転駆動装置により回転駆動軸2を回転させることにより偏心回転シャフト機構300を回転させて、永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400を
竪型の磁石リング軌条100に沿って偏心回転させるものである。
この磁石式発電装置において、回転駆動軸2の軸芯303位置は、回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置に偏位
させる。磁石リング軌条100は、前記水平直径線100−1に対して上下面対称形状にし、長軸Lを回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1056を当該長軸Lを中心に二分割した第一半楕円105−106と、短軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1034をその短軸を中心に二分割した第二半楕円103−104とを結合した合成エンドレスリングに
する。複数の前記偏心回転シャフト機構300に支持される前記各永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400の相対位置関係
は、所定角度60度均等にずらして配置してある。
前記
一対の磁石リング軌条100は各々、第一半楕円105−106と第二半楕円103−104との合成構成により、水平直径線100−1に対して上下面対称形状であり、水平直径線100−1の両端と交差する円弧部101に対する接線100−3が鉛直線となり、前記鉛直直径線100−2の両端と交差する円弧部102に対する接線100−4が水平線となり、水平直径線100−1と鉛直直径線100−2との間における円弧は、多点湾曲及び又は放物線の連続円弧で形成されることになる。
而して、第一半楕円105−106の短軸と長軸の比は1:2〜1:2.5とする。又、第二半楕円103−104の短軸と長軸の比は0.8:1〜1.2:1とする。
この各比と、前記回転駆動軸2の軸芯303の位置を回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置にすることにより、前記
回転駆動装置で回転する回転駆動軸2は、偏心回転シャフト機構300を回転させて、
偏心回転シャフト機構300に装着した永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400を
回転磁石リング軌条100に沿って円滑に偏心回転し、
第一半楕円105−106と第二半楕円103−104におけるモーメントの差を回転駆動軸2に付与して回転駆動軸2の回転力を増強させるのである。
即ち、この各範囲を悦脱すると、はずみウエイト400の回転軌跡が縦または横に極端に扁平化して、磁石リング軌条100における固定永久磁石111に対する永久磁石式被ガイド200の回転抵抗が増大して円滑な回転と充分な
回転力が得られない。
この構成により前記した優れた作用効果を呈するのである。
前記永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204
に軸着し、湾曲支持アーム202に複数個の前記永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204
により軸支持した湾曲支持アーム202の両端に永久磁石201が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けてある。
【0015】
<各構成部の詳細>
1、磁石リング軌条100の固定用の永久磁石111及び永久磁石式被ガイド200の走行用永久磁石201は、実用上の磁力減衰寿命から一般常識の範囲で決まる更新寿命のある永久磁石である。
【0015】
2、またこの永久磁石の形状は、直方体、立方体、円パック体、多角パック体に成型したもの、或いはこれ等を適宜に湾曲成型したものである。
【0016】
3、磁石リング軌条100は、リング枠101の形状を前記した通り第一半楕円と第二半楕円で形成した多点湾曲及び又は放物線に連続形成した単一又は
図2例と
図3例のように平行して一対設ける。一対の磁石リング軌条100は、各々、一対のリング枠体110を対面配置しこの枠間に固定永久磁石111を挟持配置し、固定永久磁石111は、リング枠体の周方向にその磁極S、Nをリング外周側とリング内周側に揃えて配列する。
【0017】
4、磁石リング軌条100における固定永久磁石111の配列は、内外周間の中央部に配置し、例えば固定永久磁石111のリング内周側の磁極をN極に揃え、リング外周側の磁極をS極に揃える。この場合、固定永久磁石111のリング内周側の磁極と対面する永久磁石式被ガイド200の永久磁石201との対面磁極をN極にし、固定永久磁石111のリング外周側の磁極と対面する永久磁石式被ガイド200の永久磁石201の対面磁極をS極にするなどして永久磁石式被ガイド200の永久磁石201と固定永久磁石111との対向面の磁極は、磁極同士が反発する関係にするのである。
【0018】
5、偏心回転シャフト機構300は、水平直径線100−1と鉛直直径線100−2の交差点に直交する回転駆動軸2の回転中心軸芯300Cを中心に回転するものであり、前記永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400とを180度の等角度間隔で一対を回転半径方向Rに移動自在に支持することにより平滑な回転速度を得ることができる。回転駆動軸2には円柱体のガイド302を取り付け固定し、シャフト部301を回転半径方向に移動自在に支持するものであり、シャフト部301の断面を中空のパイプ状、矩形状、H型状、T型状、I型状等の梁状のものなどを一体的に或いは複合的に組み合わせ、更に二重伸縮構造にしてベアリング支持機構又は摺動支持機構等により摺動伸縮可能にしたもの等を用いても良い。
図2例と
図3例は一対の平行シャフト部301の一方をはずみウエイト400に片側固定し他方をウエイト400に摺動自在に嵌合装着して、湾曲歪みを防止してある。
また
図1〜
図3に示すようにスライドガイド302には偏心回転シャフト機構300を60度の回転角度間隔で3機併設してある。
したがって、一対の磁石リング軌条100は、
図2と
図3に示すように3機分の永久磁石式被ガイド200全てをガイドする。又、永久磁石式被ガイド200は3対である。
【0019】
6、永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204着し、湾曲支持アーム202に複数個の永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204支持した湾曲支持アーム202の両端に磁石が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けたものである。永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400を介して、その回転半径方向Rにスライド自在に支持され各前記磁石リング軌条100の一対の両リング枠体103に沿って非接触状態で回動走行する。
【0020】
8、回転駆動軸2には回転駆動装置と発電装置を接続してあるが、一般に付設する各種の機器は制限するものでなく適宜に設置してよい。
例えば、回転駆動軸2の撓まない任意の位置に、フライホイールを設けることは、偏心回転シャフト機構をより円滑に回転させると共に、その回転力による電力を高効率で得る機能があり有効である。
【0021】
9、また、磁石リング軌条100は、偏心回転シャフト機構300の回転に伴う慣性力はリング円周方向の分布が若干反偏心側に偏るため、これによるリング変形を防止するための構造として例えばリング枠体103を高強度断熱性のFRP繊維強化プラスチック又は磁石リング軌条100の場合はステンレス製にし、その側面にドーナツ型補強板を一体的に装着するなどが揚げられる。
【0022】
10、
図2は
図1に示す磁石リング軌条100の第一半楕円の長軸であり第二半楕円の短軸でもある鉛直直径線100−2上に、各偏心回転シャフト機構300のはずみウエイト400が到来した時点の断面説明図である。
この例は各偏心回転シャフト機構300のシャフト部301を直線状にしてガイド302にパラレルに支持ため、各はずみウエイト400は、磁石リング軌条100の中間部
図2(2)とその左側部
図2(1)と右側部
図2(3)に位置した状態を示す。
図3は、
図2同様に
図1に示す磁石リング軌条100の鉛直直径線100−2上に、各偏心回転シャフト機構300のはずみウエイト400が到来した時点の断面説明図であるが、各はずみウエイト400を磁石リング軌条100の一対のリング枠体110間の中間部に位置させるため、各偏心回転シャフト機構300は、
図3(2)に示すようにガイド302の中央部に位置するシャフト部301を直線状にし、
図3(1)と
図3(3)に示すように中央部の両側のシャフト部301を、はずみウエイト400近くでクランク状に曲げて、はずみウエイト400に装入したものである。
このように
図2又は
図3に示す磁石リング軌条100と、永久磁石式被ガイド200と、偏心回転シャフト機構300と、はずみウエイト400を1セットにした場合、複数セットを同一の回転駆動軸2に対して設置し、各セット間におけるはずみウエイト400は、相対的な回転角度位置を360度をはずみウエイト400数で均等分割した回転角度にして配置することにより、より円滑に均等で大きな回転モーメントを回転駆動軸2に発生するものである。
例えば
図1と
図2に示すセットを2セットを同一回転駆動軸2に設置する場合は、はずみウエイト400は12個となりその相対的な回転角度位置は、30度とする。
【0023】
以上本発明の実施例を紹介したが、これらの例の他に、各例のいろいろな組み合わせや単純化を任意にした例が存在することは自明であり、それらは本発明の技術思想を悦脱するものではなく自由に実施することができる。