特許第5696962号(P5696962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大宅 雄一の特許一覧 ▶ 藤瀬 一則の特許一覧

<>
  • 特許5696962-偏心回転式発電装置(1) 図000002
  • 特許5696962-偏心回転式発電装置(1) 図000003
  • 特許5696962-偏心回転式発電装置(1) 図000004
  • 特許5696962-偏心回転式発電装置(1) 図000005
  • 特許5696962-偏心回転式発電装置(1) 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5696962
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】偏心回転式発電装置(1)
(51)【国際特許分類】
   F03G 3/00 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   F03G3/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-91552(P2011-91552)
(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2012-207653(P2012-207653A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年1月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308027400
【氏名又は名称】大宅 雄一
(73)【特許権者】
【識別番号】514009395
【氏名又は名称】藤瀬 一則
(72)【発明者】
【氏名】大宅 雄一
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−068681(JP,A)
【文献】 特開2008−045532(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02296777(FR,A1)
【文献】 特開平05−296138(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/007956(WO,A1)
【文献】 国際公開第02/079648(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0011552(US,A1)
【文献】 特開2010−096170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行関係にした一対のリング枠体110の各外周面側と内周面側に沿って同一磁極を揃えたガイド用の永久磁石111を固定配列した竪型の磁石リング軌条100と、一方を発電装置に連結し他方を自然原動力で回転する回転駆動装置に連結し軸芯300cを磁石リング軌条100の水平直径線100−1の中心C位置から水平方向に所定量変位させた位置に直交して水平に配置した回転駆動軸2と、同一回転駆動軸2にその回転半径方向線Rに沿ってスライド自在にして複数を装着した偏心回転シャフト機構300と、各偏心回転シャフト機構300の両側に支持され前記磁石リング軌条100の永久磁石111の両磁極面に対して反発関係に走行用永久磁石201の磁極面を対面させて保持した永久磁石式被ガイド200と、永久磁石式被ガイド200に装着したはずみウエイト400とからなり、複数の前記偏心回転シャフト機構300は相対位置関係を均等な回転角度の間隔で配置し、前記回転駆動装置により回転駆動軸2を回転させることにより偏心回転シャフト機構300を回転させて永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400を前記磁石リング軌条100に沿って偏心回転させる磁石式発電装置において、
回転駆動軸2の軸芯300cの位置は、回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置に偏位させ、磁石リング軌条100は、前記水平直径線100−1に対して上下面対称形状にし、長軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1056を当該長軸を中心に二分割した第一半楕円105−106と、短軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1034を当該短軸を中心に二分割した第二半楕円103−104とを結合した合成エンドレスリングにし、前記永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204に軸着し、湾曲支持アーム202に複数個の前記永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204により軸支持した湾曲支持アーム202の両端に永久磁石201が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けたことを特徴とする偏心回転式発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏心回転式発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電装置は、従来公知のものとして大別して風力発電装置、蒸気力発電装置、水力発電装置、波力発電装置、太陽光発電装置など大掛かりな様々な発電装置が開発されている。
近年、地球温暖化問題が表面化し、二酸化炭素排出規制が声高に叫ばれている。この対策とするクリーンエネルギー技術として、前記の太陽光電池、風力発電等が注目され開発され現在稼動しているが、コスト及びメンテナンス等の問題でなかなか普及していないのが現状である。
【0003】
そこで本発明者等は地球上の重力を活用し、それを効率よく発電用の回転エネルギーに転換する新規な装置の開発を進めてきた。
この開発の過程で発明したのが、特許文献1から特許文献3に紹介する偏心回転式発電装置である。
この偏心回転式発電装置は、発電回転用の回転駆動軸を駆動エネルギーとして風力、蒸気力、水力、波力などの自然原動力を用いて回転駆動させるもので電気エネルギー変換効率を大幅に高めた偏心回転式発電装置である。
この偏心回転式発電装置は、特許文献1〜特許文献3で紹介のように竪型の真円の磁石リング軌条と、真円の磁石リング軌条の円心位置から水平方向に所定量変位させた位置に直交して水平に配置した回転駆動軸と、回転駆動軸に偏心回転ガイドシャフト機構を介して装着し且つ磁石リング軌条に沿って非接触状態で周回可能に設けた永久磁石式被ガイドと、永久磁石式被ガイドに装着したはずみウエイトとを主構成とする。
縦型の真円の磁石リング軌条は、外周面側と内周面側に同一磁極を揃えたガイド用の永久磁石を固定配列し、永久磁石式被ガイドの永久磁石とは反発関係に磁極を対面させる。
これで永久磁石式被ガイドは、非接触状態で磁石リング軌条の内外周側に沿って倣い周回走行可能にしてある。偏心回転シャフト機構は、回転駆動軸の回転半径方向線に沿ってスライド自在にし且つ180度の回転角度の間隔で永久磁石式被ガイドを支持する。回転駆動軸により偏心回転シャフト機構を回転させて、永久磁石式被ガイドに装着したはずみウエイトを偏心回転させることにより回転駆動軸に回転モーメントを付与して、軽負荷で回転させて発電させるものである。
【0004】
この偏心回転式発電装置は、水力、風力、波力、その他の自然エネルギー、あるいはこれ等から得た微電力等を用いて前記回転駆動軸を微力で一旦回転駆動すれば、エネルギーロスを少なくした効率の良い発電力を確保することが最大の目標である。
しかし、磁石リング軌条に沿って周回する永久磁石式被ガイドとの回転抵抗の低減、およびはずみウエイトと共動する永久磁石式被ガイドと偏心回転シャフト機構との摺動抵抗の低減、さらに偏心回転シャフト機構にかかる回転中の軸力分布を均等化させる工夫をした接触型及び非接触型であるが、そのいずれもが回転抵抗と軸力分布の均一化の問題があり、この問題を解決のために次の開発ステージへと進む結果となった。
【0005】
図4は、従来の偏心回転式発電装置において、固定永久磁石03mを配列した磁石リング軌条03にガイドされて回転する偏心回転シャフト機構01と永久磁石式被ガイド05とはずみウエイト06の回転角度位置において、目的とする左回転方向(→正回転方向)に回転するための回転駆動軸に掛かる回転モーメント発生領域と、その逆回転方向に回転モーメントが発生する領域を示す概略説明図である。
【0006】
前記偏心回転式発電装置において、前記磁石リング軌条03は、図3から明らかなように真円にし、前記偏心回転シャフト機構01の回転中心02位置を、真円の磁石リング軌条03の水平直径線04の3分の1の位置に偏位してあるため、例えば図に示すように、偏心回転シャフト機構01を直線状にし、その両側にすなわち180°の回転角度間隔をおいた位置に、永久磁石式被ガイド05を含んで等重量Wのはずみウエイト06を配置して偏心回転シャフト機構01の回転駆動軸を回転させた場合は、一対の永久磁石式被ガイド05とそのはずみウエイト06が、磁石リング軌条03の円心03cを通る鉛直線07から前記偏心回転シャフト機構01の回転中心02側の単一円弧部03−1に共に存在する領域MOがある。この領域MO以外では常に回転駆動軸に目的とする左回転方向に回転するための回転モーメントが掛かる発生領域である。前記領域MOは左右の回転モーメントが同じニュートラル状態になる二つの位置R1−R1とR2−R2に挟まれる領域であり、この領域に一対の永久磁石式被ガイド05とそのはずみウエイト06が位置する間は、回転駆動軸の芯02に常に図の右回転方向への逆回転負荷が掛かりエネルギーロスを生じ減速状態となり大きな回転変動を起こし安定しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−35393号公報
【特許文献2】特開2010068681号公報
【特許文献3】特開2010−96170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、偏心回転シャフト機構01で支持したはずみウエイトが鉛直直径線上にあるとき時の回転モーメントが0になる以外は、常に一回転方向へのプラス軸力を維持して逆回転負荷による減速状態とそれによるエネルギーロスを超僅少にするとともに、回転慣性力による回転むら現象の僅少で円滑な連続回転状態を安定して得られる新規な偏心回転式発電装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を満足させる本発明の基本的な技術構成は、次の(1)〜(2)の通りである。
(1)、リング枠体の外周面側と内周面側に沿って同一磁極を揃えたガイド用の永久磁石を固定配列した縦型の磁石リング軌条と、軸芯を磁石リング軌条の水平直径線の中心位置から水平方向に所定量変位させた位置に直交して水平に配置した回転駆動軸と、同一回転駆動軸にその回転半径方向線に沿ってスライド自在にして複数を装着した偏心回転シャフト機構と、各偏心回転シャフト機構の両側に支持され前記磁石リング軌条の永久磁石の両磁極面に対して反発関係に走行用永久磁石の磁極面を対面させて保持した永久磁石式被ガイドと、永久磁石式被ガイドに装着したはずみウエイトとからなり、複数の前記偏心回転シャフト機構300に支持される前記各永久磁石式被ガイドとはずみウエイト400の相対位置関係を所定角度均等にずらして配置し、前記回転駆動軸により偏心回転シャフト機構を回転させて、永久磁石式被ガイドとはずみウエイトを偏心回転させることにより回転駆動軸に回転モーメントを付与する偏心回転式発電装置において、
回転駆動軸2の軸芯位置300cは、回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置に偏位させ、磁石リング軌条100は、図4に示すように前記水平直径線100−1に対して上下面対称形状にし、長軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1056を当該長軸を中心に二分割した第一半楕円105−106と、短軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1034を当該短軸を中心に二分割した第二半楕円103−104とを結合した合成エンドレスリングにし、複数の前記偏心回転シャフト機構300に支持される前記各永久磁石式被ガイドとはずみウエイト400の相対位置関係を所定角度均等にずらして配置したことを特徴とする偏心回転式発電装置。
(2)、永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204着し、湾曲支持アーム202に複数個の前記永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204支持した湾曲支持アーム202の両端に永久磁石201が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けたことを特徴とする前記(1)に記載の偏心回転式発電装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の前記特徴とする前記構成の偏心回転式発電装置は、回転駆動軸2によりを偏心回転シャフト機構300少しでも正回転方向(矢印)に回転させると、回転駆動軸2の回転中心軸芯300Cにかかる回転モーメント:kg.mは、はずみウエイト400を含む永久磁石式被ガイド200の重心が、前記鉛直直径線302上に存在するときのみ0でありこれを除くいずれの位置においても正回転方向(矢印)に回転させる高いプラス軸力を維持して逆回転負荷による減速状態とそれによるエネルギーロスを超僅少にするとともに、回転慣性力による回転むら現象の僅少で停止することがなく円滑な連続回転状態を安定して得られる。
【0011】
この回転動作は、偏心回転シャフト機構300が単数の場合は回転駆動軸2の回転速度に若干の変化をきたすが、複数の偏心回転シャフト機構300を回転駆動軸2に装着し前記永久磁石式被ガイド201の機構間の相対位置関係を所定角度均等にずらして配置すれば回転駆動軸2の回転中心軸芯300Cにかかる回転モーメントを高く且つ均等化させて回転速度変動を防止し円滑な連続高速回転状態を安定して得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1を示す側断面説明図である。
図2図1に示す各偏心回転シャフト機構300に付した矢視R1−R1、C1−C1、L1−L1の断面位置が磁石リング軌条100の鉛直直径線100−2上に到来した時点の断面説明図である。
図3図2の一部変形例を示す断面説明図である。
図4図1の磁石リング軌条100の構成を補助的に模式で示す側面説明図である。
図5】従来の真円の磁石リング軌条において回転駆動軸にかかる回転モーメントの状態を示す簡略説明図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を以下に紹介する実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
本発明の実施例を図1図4に示す。
本例の磁石式発電装置の基本構成は、平行関係にした一対のリング枠体110の各外周面側と内周面側に沿って同一磁極を揃えたガイド用の永久磁石111を固定配列した竪型の磁石リング軌条100と、一方を発電装置に連結し他方を自然原動力で回転する回転駆動装置に連結し軸芯300cを磁石リング軌条100の水平直径線100−1の中心C位置から水平方向に所定量変位させた位置に直交して水平に配置した回転駆動軸2と、前記回転駆動軸2にその回転半径方向線Rに沿ってスライド自在にして複数を装着した偏心回転シャフト機構300と、各偏心回転シャフト機構300の両側に支持され前記磁石リング軌条100の永久磁石111の両磁極面に対して反発関係に走行用永久磁石201の磁極面を対面させて保持した永久磁石式被ガイド200と、前記永久磁石式被ガイド200に装着したはずみウエイト400とからなり、複数の前記偏心回転シャフト機構300の相対位置関係を均等な回転角度の間隔で配置し、前記回転駆動装置により回転駆動軸2を回転させることにより偏心回転シャフト機構300を回転させて、永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400を竪型の磁石リング軌条100に沿って偏心回転させるものである。
この磁石式発電装置において、回転駆動軸2の軸芯303位置は、回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置に偏位させる。磁石リング軌条100は、前記水平直径線100−1に対して上下面対称形状にし、長軸Lを回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1056を当該長軸Lを中心に二分割した第一半楕円105−106と、短軸を回転駆動軸芯300cを通る沿直線100−2上においた楕円1034をその短軸を中心に二分割した第二半楕円103−104とを結合した合成エンドレスリングにする。複数の前記偏心回転シャフト機構300に支持される前記各永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400の相対位置関係は、所定角度60度均等にずらして配置してある。
前記一対の磁石リング軌条100は各々、第一半楕円105−106と第二半楕円103−104との合成構成により、水平直径線100−1に対して上下面対称形状であり、水平直径線100−1の両端と交差する円弧部101に対する接線100−3が鉛直線となり、前記鉛直直径線100−2の両端と交差する円弧部102に対する接線100−4が水平線となり、水平直径線100−1と鉛直直径線100−2との間における円弧は、多点湾曲及び又は放物線の連続円弧で形成されることになる。
而して、第一半楕円105−106の短軸と長軸の比は1:2〜1:2.5とする。又、第二半楕円103−104の短軸と長軸の比は0.8:1〜1.2:1とする。
この各比と、前記回転駆動軸2の軸芯303の位置を回転磁石リング軌条100の水平直径線100−1の3分の1〜5分の3の位置にすることにより、前記回転駆動装置で回転する回転駆動軸2は、偏心回転シャフト機構300を回転させて、偏心回転シャフト機構300に装着した永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400を回転磁石リング軌条100に沿って円滑に偏心回転し第一半楕円105−106と第二半楕円103−104におけるモーメントの差を回転駆動軸2に付与して回転駆動軸2の回転力を増強させるのである。
即ち、この各範囲を悦脱すると、はずみウエイト400の回転軌跡が縦または横に極端に扁平化して、磁石リング軌条100における固定永久磁石111に対する永久磁石式被ガイド200の回転抵抗が増大して円滑な回転と充分な回転力が得られない。
この構成により前記した優れた作用効果を呈するのである。
前記永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204に軸着し、湾曲支持アーム202に複数個の前記永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204により軸支持した湾曲支持アーム202の両端に永久磁石201が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けてある。
【0015】
<各構成部の詳細>
1、磁石リング軌条100の固定用の永久磁石111及び永久磁石式被ガイド200の走行用永久磁石201は、実用上の磁力減衰寿命から一般常識の範囲で決まる更新寿命のある永久磁石である。
【0015】
2、またこの永久磁石の形状は、直方体、立方体、円パック体、多角パック体に成型したもの、或いはこれ等を適宜に湾曲成型したものである。
【0016】
3、磁石リング軌条100は、リング枠101の形状を前記した通り第一半楕円と第二半楕円で形成した多点湾曲及び又は放物線に連続形成した単一又は図2例と図3例のように平行して一対設ける。一対の磁石リング軌条100は、各々、一対のリング枠体110を対面配置しこの枠間に固定永久磁石111を挟持配置し、固定永久磁石111は、リング枠体の周方向にその磁極S、Nをリング外周側とリング内周側に揃えて配列する。
【0017】
4、磁石リング軌条100における固定永久磁石111の配列は、内外周間の中央部に配置し、例えば固定永久磁石111のリング内周側の磁極をN極に揃え、リング外周側の磁極をS極に揃える。この場合、固定永久磁石111のリング内周側の磁極と対面する永久磁石式被ガイド200の永久磁石201との対面磁極をN極にし、固定永久磁石111のリング外周側の磁極と対面する永久磁石式被ガイド200の永久磁石201の対面磁極をS極にするなどして永久磁石式被ガイド200の永久磁石201と固定永久磁石111との対向面の磁極は、磁極同士が反発する関係にするのである。
【0018】
5、偏心回転シャフト機構300は、水平直径線100−1と鉛直直径線100−2の交差点に直交する回転駆動軸2の回転中心軸芯300Cを中心に回転するものであり、前記永久磁石式被ガイド200とはずみウエイト400とを180度の等角度間隔で一対を回転半径方向Rに移動自在に支持することにより平滑な回転速度を得ることができる。回転駆動軸2には円柱体のガイド302を取り付け固定し、シャフト部301を回転半径方向に移動自在に支持するものであり、シャフト部301の断面を中空のパイプ状、矩形状、H型状、T型状、I型状等の梁状のものなどを一体的に或いは複合的に組み合わせ、更に二重伸縮構造にしてベアリング支持機構又は摺動支持機構等により摺動伸縮可能にしたもの等を用いても良い。図2例と図3例は一対の平行シャフト部301の一方をはずみウエイト400に片側固定し他方をウエイト400に摺動自在に嵌合装着して、湾曲歪みを防止してある。
また図1図3に示すようにスライドガイド302には偏心回転シャフト機構300を60度の回転角度間隔で3機併設してある。
したがって、一対の磁石リング軌条100は、図2図3に示すように3機分の永久磁石式被ガイド200全てをガイドする。又、永久磁石式被ガイド200は3対である。
【0019】
6、永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400の両側部各々に一対の湾曲支持アーム202を回動可能に軸204着し、湾曲支持アーム202に複数個の永久磁石201をリング軌条の固定永久磁石111に対して所定の間隔を保持して支持配列し、軸204支持した湾曲支持アーム202の両端に磁石が直接リング枠体110に当接しないようにガイドする補助ロール203を設けたものである。永久磁石式被ガイド200は、はずみウエイト400を介して、その回転半径方向Rにスライド自在に支持され各前記磁石リング軌条100の一対の両リング枠体103に沿って非接触状態で回動走行する。
【0020】
8、回転駆動軸2には回転駆動装置と発電装置を接続してあるが、一般に付設する各種の機器は制限するものでなく適宜に設置してよい。
例えば、回転駆動軸2の撓まない任意の位置に、フライホイールを設けることは、偏心回転シャフト機構をより円滑に回転させると共に、その回転力による電力を高効率で得る機能があり有効である。
【0021】
9、また、磁石リング軌条100は、偏心回転シャフト機構300の回転に伴う慣性力はリング円周方向の分布が若干反偏心側に偏るため、これによるリング変形を防止するための構造として例えばリング枠体103を高強度断熱性のFRP繊維強化プラスチック又は磁石リング軌条100の場合はステンレス製にし、その側面にドーナツ型補強板を一体的に装着するなどが揚げられる。
【0022】
10、図2図1に示す磁石リング軌条100の第一半楕円の長軸であり第二半楕円の短軸でもある鉛直直径線100−2上に、各偏心回転シャフト機構300のはずみウエイト400が到来した時点の断面説明図である。
この例は各偏心回転シャフト機構300のシャフト部301を直線状にしてガイド302にパラレルに支持ため、各はずみウエイト400は、磁石リング軌条100の中間部図2(2)とその左側部図2(1)と右側部図2(3)に位置した状態を示す。
図3は、図2同様に図1に示す磁石リング軌条100の鉛直直径線100−2上に、各偏心回転シャフト機構300のはずみウエイト400が到来した時点の断面説明図であるが、各はずみウエイト400を磁石リング軌条100の一対のリング枠体110間の中間部に位置させるため、各偏心回転シャフト機構300は、図3(2)に示すようにガイド302の中央部に位置するシャフト部301を直線状にし、図3(1)と図3(3)に示すように中央部の両側のシャフト部301を、はずみウエイト400近くでクランク状に曲げて、はずみウエイト400に装入したものである。
このように図2又は図3に示す磁石リング軌条100と、永久磁石式被ガイド200と、偏心回転シャフト機構300と、はずみウエイト400を1セットにした場合、複数セットを同一の回転駆動軸2に対して設置し、各セット間におけるはずみウエイト400は、相対的な回転角度位置を360度をはずみウエイト400数で均等分割した回転角度にして配置することにより、より円滑に均等で大きな回転モーメントを回転駆動軸2に発生するものである。
例えば図1図2に示すセットを2セットを同一回転駆動軸2に設置する場合は、はずみウエイト400は12個となりその相対的な回転角度位置は、30度とする。
【0023】
以上本発明の実施例を紹介したが、これらの例の他に、各例のいろいろな組み合わせや単純化を任意にした例が存在することは自明であり、それらは本発明の技術思想を悦脱するものではなく自由に実施することができる。
【産業上の用可能性】
【0024】
本発明の偏心回転式発電装置は、上述のように優れた作用効果を確実に得るものである。このため水力、風力、波力、その他の自然エネルギーあるいはこれ等から得た微電力等を用いて前記回転駆動軸を微力で一旦回転駆動すれば、エネルギーロスを少なくした効率の良い発電力を確実に確保することができる。そしてクリーンエネルギーとして、メンテナンスフリー発電を手軽に低コストで得る事を実現し、各種電力供給産業に広く普及工業界に広く活用される発電装置である。
【符号の説明】
【0025】
2:回転駆動軸 110:対面配置のリング枠体
100:竪型のエンドレスの磁石リング軌条 111:リング枠体間に挟持配置の固定100−1:水平直径線 永久磁石
100−2:鉛直直径線 200:永久磁石式被ガイド
100−3:接線 303:回転半径方向
100−4:接線 300C:回転中心軸芯
100−5:接線 300:偏心回転シャフト機構
101:円弧点 300R:回転半径線
102:水平直径線101の中心点 400:はずみウエイト
103,104,105,106:連続円弧
図1
図2
図3
図4
図5