(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5697003
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】蜜蝋香りお香
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20150319BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20150319BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
A61K8/92
A61Q13/00 201
C11B9/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-63445(P2014-63445)
(22)【出願日】2014年3月26日
【審査請求日】2014年9月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514221595
【氏名又は名称】株式会社池田商店
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(72)【発明者】
【氏名】池田 直秋
【審査官】
山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3127917(JP,U)
【文献】
特開2008−273903(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0298936(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
お香本体に蜜蝋又は蜜蝋混合物を含有させ、該お香本体にマッチ用頭薬を塗布させたことを特徴とする蜜蝋香りお香。
【請求項2】
お香本体への蜜蝋又は蜜蝋混合物の含有を、お香本体の内部への液状の蜜蝋又は蜜蝋混合物の浸入、お香本体の外周面への液状の蜜蝋又は蜜蝋混合物のコーティング、あるいは、お香本体の内部への液状の蜜蝋又は蜜蝋混合物の浸入後にお香本体の外周面への液状の蜜蝋又は蜜蝋混合物のコーティングによって含有させることを特徴とする請求項1に記載の蜜蝋香りお香。
【請求項3】
前記蜜蝋混合物中に、芳香成分となる精油や樹脂の天然香料、合成香料又は調合香料が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蜜蝋香りお香。
【請求項4】
蜜蝋又は蜜蝋混合物を溶解させて液化させる蜜蝋液化工程と、蜜蝋液又は蜜蝋混合物液へのお香本体の浸漬、お香本体への蜜蝋液又は蜜蝋混合物液のコーティング、あるいは、蜜蝋液又は蜜蝋混合物液へのお香本体の浸漬後にお香本体への蜜蝋液又は蜜蝋混合物液のコーティングにより、お香本体に蜜蝋又は蜜蝋混合物を含有させる蜜蝋含有工程と、該蜜蝋含有工程後にマッチ用頭薬を前記お香本体に塗布する頭薬塗布工程と、を備える工程からなることを特徴とする蜜蝋香りお香の製造方法。
【請求項5】
前記蜜蝋液化工程において、芳香成分となる精油や樹脂の天然香料、合成香料又は調合香料を蜜蝋液中に溶かしては蜜蝋混合物液を造ることを特徴とする請求項4に記載の蜜蝋香りお香の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚いて蜜蝋の香りをかぐことのできる蜜蝋香りお香に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、お香の製造方法において、カワラケツメイを焙煎し、それを粉末化したものをお香の原料に含むお香の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−167059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のお香は、お香の製造時に香り原料として混練するカワラケツメイ茶の香りしか発生しないので、蜜蝋の甘い香りを追加して2種類の香りを嗅ぎたいという要望には対応できないという問題があった。一般的にお香の製造方法としてはお香の全原料を常温で混練して30℃〜40℃で乾燥させている。前記混練時に加熱するとお香の原料からの香り成分が発生してしまうことから混練時は加熱しないことが一般的である。したがって、蜜蝋の融点が62℃〜65℃であることから、お香の混練時に蜜蝋を投入させることができず、お香から蜜蝋の香りを発生させることは困難であるという問題があった。
【0005】
また、マッチではマッチの炎がすぐ消えてお香の先端部に着火しにくいことがあるため、まず先にマッチを着火させてマッチの炎でろうそくを着火させてから、該ろうそくの炎によりお香の先端部を着火させるということを行うことがよくあり、お香に容易に着火させるにはマッチやろうそくを準備しなければならないという煩しい問題があった。
【0006】
さらに、お香を空気中に長期間静置していると、お香の香りが薄らぐという問題があった。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、甘い香りを発生させる蜜蝋の香りを嗅ぐことができ、マッチやろうそくを準備しなくても着火が容易なお香を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明におけるお香本体2とは、一般的に市場に販売されているお香、又は一般的に市場に販売されているお香と同じ構成からなるお香を意味する。
【0009】
請求項1に記載の蜜蝋香りお香1は、お香本体2に
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を含有させ、該お香本体2にマッチ用頭薬4を塗布させたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の蜜蝋香りお香1は、請求項1において、お香本体2への
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5の含有を、お香本体2の内部への液状の
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5の浸入、お香本体2の外周面への液状の
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5のコーティング、あるいは、お香本体2の内部への液状の
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5の浸入後にお香本体2の外周面への液状の
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5のコーティングによって含有させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の蜜蝋香りお香1は、請求項1又は2において、前記蜜蝋混合物5中に、芳香成分となる精油や樹脂の天然香料、合成香料又は調合香料が含有されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の蜜蝋香りお香1の製造方法は、蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を溶解させて液化させる蜜蝋液化工程9と、蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液へのお香本体2の浸漬、お香本体2への蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液のコーティング、あるいは、蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液へのお香本体2の浸漬後にお香本体2への蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液のコーティングにより、お香本体2に
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を含有させる
蜜蝋含有工程10と、該
蜜蝋含有工程10後にマッチ用頭薬4を前記お香本体2に塗布する頭薬塗布工程11と、を備える工程からなることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の蜜蝋香りお香1の製造方法は、請求項4において、前記蜜蝋液化工程9において、芳香成分となる精油や樹脂の天然香料、合成香料又は調合香料を蜜蝋3液中に溶かして
蜜蝋混合物5液を造ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の蜜蝋香りお香1は、お香本体2の原料である草木の粉末等の香りに、別の香りである蜜蝋3の香りを付加させて2種類の香りを発生させることができ、又は、蜜蝋3と添加した香料の2種類の香りを有する
蜜蝋混合物5の香りを付加させて3種類の香りを発生させることができるという効果を奏する。
【0015】
お香本体2を収納する箱の外面に赤燐を含有させた側薬を塗布することにより、マッチがなくても前記箱の側薬に本発明である蜜蝋香りお香1の先端部に塗布した頭薬4をこすりつけることにより、マッチやろうそくがなくても容易に着火させることができるという効果を奏する。また、お香本体2を収納する箱の外面に赤燐を含有させた側薬が塗布されてない場合には、マッチ箱があればマッチ箱側薬で容易にお香に着火させることもできる。
【0016】
また、お香本体2の外周面を蜜蝋3でコーティングした形態の場合は、衝撃等によって外周面にキズがついたり破損しやすいお香本体2を、衝撃等が加わっても外周面にキズがつきにくく破損しにくくするという効果を奏する。
【0017】
請求項2に記載の蜜蝋香りお香1は、請求項1と同じ効果を奏するとともに、2種類又は3種類の香りが長期間であっても薄まらないという効果を奏する。
【0018】
請求項3に記載の蜜蝋香りお香1は、請求項1又は2と同じ効果を奏するとともに、花や木などの植物に由来する自然の香り、化学的に合成する等で得られる合成香料の香り、又は、室内香料等に使用されるフレグランスや食品に使用されるフレーバー等の調合香料の香りを発生させることができ、お香本体2、蜜蝋3及び植物等の3種類の香りを発生させることができる。
【0019】
請求項4に記載の蜜蝋香りお香1の製造方法は、請求項1と同じ効果を奏する。
【0020】
請求項5に記載の蜜蝋香りお香1の製造方法は、請求項3と同じ効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の蜜蝋香りお香(コーン型)の概要図である。
【
図2】本発明の蜜蝋香りお香の製造方法のフロー図である。
【
図3】蜜蝋香りお香のA−A断面における縦断面概要図である。
【
図4】コーティング工程後の蜜蝋香りお香のA−A断面における縦断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一般的なお香本体2の製造方法は、例えば、白檀、丁香、沈香、伽羅、桂皮、山奈、甘松、竜脳、ウコン又はハーブ等の草木の粉末と、備長炭、ヤシ殻炭、木炭又は竹炭等の炭粉末と、硝酸鉄、硝酸バリウム、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウム等の助燃剤と、カゼイン、でんぷん粉又は松脂等の結合剤等を常温で混練して乾燥させて製造する。混練は常温で行っているのは、白檀や丁香等の草木の粉末からの香りを製造時に加熱すると前記香りが製造時に発生してしまい、お香本体2として使用するときに香りが薄くなるのを防ぐためである。したがって、融点が62℃〜65℃の蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5をお香本体2に香り成分として含有させることは困難であった。
【0023】
本発明に係る蜜蝋香りお香1は、
図1に示すように、お香本体2内部に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を浸入、お香本体2の外周面に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5をコーティング、又は、香本体2内部に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を浸入後にお香本体2の外周面に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5をコーティングしてお香本体2に
蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を含有させ、さらに該お香本体2にマッチ用頭薬4を塗布させたお香である。
【0024】
前記
蜜蝋混合物5は、加熱して液化した蜜蝋3液に、花や木などの植物の芳香成分となる精油や樹脂等の天然香料、化学的に合成する等で得られる合成香料、又は、室内香料等に使用されるフレグランスや食品に使用されるフレーバー等の調合香料を添加して製造する。
【0025】
そして、本発明である蜜蝋香りお香1は、
図2に示すように、蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を加熱して液化する
蜜蝋液化工程9と、お香本体2に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5を含有させる
蜜蝋含有工程10と、該
蜜蝋含有工程10後にマッチ用頭薬4を前記お香本体2に塗布する頭薬塗布工程11と、を備える工程から製造される。
【0026】
前記
蜜蝋含有工程10は、蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液へのお香本体2の浸漬からなる浸漬工程21、お香本体2への蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液のコーティングからなるコーティング工程22、あるいは、蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液へのお香本体2の浸漬後にお香本体2への蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液をコーティングする浸漬コーティング工程23の3つの工程のうちのいずれかの工程から構成される。
【0027】
本発明の蜜蝋香りお香1の製造方法は、前準備として、
図5に示すような、白檀、丁香、沈香、伽羅、桂皮、山奈、甘松、竜脳、ウコン又はハーブ等の草木の粉末、炭粉末、助燃剤、結合剤等を常温で混練して乾燥させたお香であって、形態は、棒状、コーン状、円筒状などの柱状形状のお香本体2を準備する。
【0028】
次に、蜜蝋液化工程9である。蜜蝋液化工程9では、蜜蝋3を加熱して液化させて
蜜蝋3液を製造する第一の方法、あるいは、蜜蝋3を加熱して液化させた蜜蝋3液中に、花や木などの植物の芳香成分となる精油や樹脂等の天然香料、化学的に合成する等で得られる合成香料、又は、室内香料等に使用されるフレグランスや食品に使用されるフレーバー等の調合香料を溶かし込んで
蜜蝋混合物5液を造る第二の方法がある。お香本体2の香り及び蜜蝋3の甘い香りを楽しむ蜜蝋香りお香1を製造する場合は第一の方法で行い、一つ目にお香本体2の香り、二つ目に蜜蝋3の甘い香り、及び三つ目に花や木の芳香成分の精油や樹脂からの自然な香り、化学的に合成する等で得られる合成香料の香り、又は、室内香料等に使用されるフレグランスや食品に使用されるフレーバー等の調合香料の香りの三つの香りを楽しむ蜜蝋香りお香1を製造する場合は第二の方法で行う。
【0029】
前記精油は花や木などの植物に含まれており、例えば、前記精油が花や蕾から取れる植物としてイランイラン、カモミール・ローマン、ネロリ、ラベンダー、ローズオットー、ジャスミン等があり、前記精油が葉や枝から取れる植物としてクラリセージ、スイートマージョラム、ゼラニウム、ティートリー、ペパーミント、ユーカリ、レモングラス、ローズマリー、ゼラニウム、プチグレイン等があり、前記精油が果皮から取れる植物としてオレンジスイート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、ライム、ビターオレンジ等があり、前記精油が果実や種子から取れる植物としてセイヨウネズ、バニラ、ジュニパーベリー等がある。
【0030】
前記樹脂は、天然樹脂であり、木を傷つけるとそこに樹脂が分泌されるのでそれを掻きとって集め、細かく砕いて水蒸気蒸留するか、あるいは有機溶媒に溶解させて得る。天然樹脂の例としては、乳
香、没薬、蘇合香、安息香、ペルーバルサム、オポパナックス、ガルバナム又はラブダナム等がある。
【0031】
次に、
蜜蝋含有工程である。
蜜蝋含有工程10は、浸漬工程21、コーティング工程22、あるいは、浸漬コーティング工程23の3つの工程から選択される。以下、各工程を説明する。
【0032】
浸漬工程21では、前記お香本体2の内部に、加熱させて溶解させた蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を浸入させる工程である。お香本体2の内部に溶解中の蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を浸入させる方法としては、第一の方法が、前記お香本体2を、加熱させて液状に溶解させている蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液中にそのまま浸漬する方法、第二の方法が、前記お香本体2を、加熱させて溶解させている蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液中に浸漬させながら前記お香本体2に対して外周面から蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を浸入させるように擦り込む方法、第三の方法が、前記お香本体2を、加熱させて溶解させている蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液中に浸漬させながら前記お香本体2に対して外周面から蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を浸入させるように蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液に加圧をかける方法、又は、第四の方法が、お香本体2を大気中で把持しながら、お香本体2の底面側から、加熱させて液状に溶解させている蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液中に徐々に沈降させていく方法等がある。
【0033】
蜜蝋3の融点62℃〜65℃以上の温度である62℃〜80℃の蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を、草木の粉末、炭粉末、助燃剤及び結合剤などのお香本体2を構成する各原料間の空隙に毛細管現象のように浸入させる。このときに、お香本体2の内部に浸入した蜜蝋3の温度が、蜜蝋3が固化する温度になると、お香本体2内の蜜蝋3が固化してしまい新たに浸入させようとする蜜蝋3液がお香本体2内に浸入しないので、お香本体2内に蜜蝋3液を毛細管現象のように浸入させるときには、常にお香本体2内に浸入した蜜蝋3の温度を融点以上の温度に維持させるようにお香本体2を加温させる。
【0034】
溶解した蜜蝋2液又は
蜜蝋混合物5液をお香本体2内に浸入させるときは、お香本体2の蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を浸入させる範囲の外周面を蜜蝋2液又は
蜜蝋混合物5液で覆う状態となるので、お香本体2内に含有されている白檀、丁香、沈香、伽羅、桂皮、山奈、甘松、竜脳、ウコン又はハーブ等の草木の粉末の香りがお香本体2から逃げない。
【0035】
次に、コーティング工程22である。該コーティング工程22は、蜜蝋3の融点以上に加熱して溶解した蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液を刷毛などでお香本体2の外周面に塗布する方法、蜜蝋3の融点以上に加熱して溶解した蜜蝋3液中又は
蜜蝋混合物5液中に浸漬する方法、又は、蜜蝋3の融点以上に加熱して溶解した蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液をスプレーでお香本体2に吹き付ける方法、がある。そして、いずれの場合であっても、コーティングされた蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5が蜜蝋3の融点以下になって固まるまで放置する。コーティング工程22後の状態は、
図4に示すようにお香本体2の外周面に蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5の薄膜が形成されている状態となる。
【0036】
次に、浸漬コーティング工程23である。浸漬コーティング工程23は、前記浸漬工程21後に前記コーティング工程22という組み合わせからなる。浸漬工程21後に、お香本体2に付着した蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5液の温度が融点未満になって固体化した後にコーティング工程22が実施される。お香本体2に付着した蜜蝋3又は
蜜蝋混合物5液の温度が融点以上でコーティングを実施すると浸入させた蜜蝋3液又は
蜜蝋混合物5液が漏出してしまう懸念が生ずる。
【0037】
次に、頭薬塗布工程12である。該頭薬塗布工程12は、外周面にコーティングされた蜜蝋3が固まった後に、前記お香本体2の先端部にマッチ用頭薬4を塗布する。塗布作業は、人手で塗布してもよいし、機械で自動的に塗布してもよい。
図3に示すようにお香本体2の先端部に頭薬が塗布された状態となる。
【0038】
前記頭薬4は、マッチ用の頭薬4であればよく、塩素酸カリウム、硫黄又は膠などが使用された頭薬4を使用する。また、蜜蝋香りお香1を収納する箱の外面には、赤燐、硫化アンチモン又は塩化ビニルエマルジョンなどを使用した側薬を塗布する。これによって、箱の外面の塗布された側薬に、蜜蝋香りお香1の先端部に塗布された頭薬4の部位を擦りあわせれば発火するので、マッチやろうそくを用意していなくてもお香本体2の香りを楽しむことができる。
【0039】
以上の工程を経て、コーン状等の柱状体からなるお香本体2内部に蜜蝋3を浸入させ、該お香本体2の外周面に蜜蝋3をコーティングし、さらに該お香本体2の先端部にマッチ用頭薬4を塗布させた蜜蝋香りお香1が完成する。
【0040】
次に、本発明の蜜蝋香りお香1の使用方法について説明する。本発明の蜜蝋香りお香1を箱入り状態で用意する。前記蜜蝋香りお香1の先端部の頭薬4部を前記箱の側薬に強くこする。すると、前記蜜蝋香りお香1の先端部が発火するので、香り成分を含む草木の香りの他に、蜜蝋の甘い香りを加えた2種類の香りを楽しむことができる。または、蜜蝋3中に植物由来の芳香成分である精油を含有させた場合には、香り成分を含む草木の香りの他に、蜜蝋の甘い香り及び植物の自然の香りを加えた3種類の香りを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0041】
1 蜜蝋香りお香
2 お香本体
3 蜜蝋
4 頭薬
5
蜜蝋混合物
9 蜜蝋液化工程
10
蜜蝋含有工程
11 頭薬塗布工程
21 浸漬工程
22 コーティング工程
23 浸漬コーティング工程
【要約】
【課題】甘い香りを発生させる蜜蝋の香りを嗅ぐことができ、マッチやろうそくを準備しなくても着火が容易なお香を提供する。
【解決手段】お香本体の内部への液状の密蝋又は密蝋混合物の浸入、お香本体の外周面への液状の密蝋又は密蝋混合物のコーティング、あるいは、お香本体の内部への液状の密蝋又は密蝋混合物の浸入後にお香本体の外周面への液状の密蝋又は密蝋混合物のコーティングによって、お香本体に密蝋又は密蝋混合物を含有させて、該お香本体にマッチ用頭薬を塗布させたことにより課題解決できた。
【選択図】
図2