【文献】
J. Opt. Soc. Am. B,2003年, Vol.20 No.8, p.1675-1694
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の波長変換デバイスでは、ウォークオフ量ΔZを小さくするためには、厚さの薄いプレートを多数準備する必要があり、産業用等のデバイスとして広く活用するには生産性の点で難がある。また、上記波長変換デバイスは、単にプレート同士を当接させているだけなので、プレート接合面で隙間ができるだけでなく、c軸の傾きと位相整合角θとの間にずれが生じてしまい、結果として変換効率が大幅に低下するといった問題点があった。
2枚のプレート同士を接合する方法としては、表面をケミカルエッチングした後に圧着させる方法などが考えられるが、この場合にも、2枚のプレートの界面に原子レベル以上の隙間ができてしまい、そのため、光が界面で散乱されて十分な変換効率を得ることが困難であった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、少ないプレート数で効率良くウォークオフを低減することのできる複屈折位相整合波長変換デバイスと、変換効率の高い複屈折位相整合波長変換デバイスを容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本願発明の構成として、互いに接合され、結晶のc軸が厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して傾く非線形光学結晶から成る複数のプレートを備え、複数のプレートの配置が互いに隣接するプレートのc軸の方向が接合面に対して面対称であり、複数のプレートにおけるレーザー光の入射側端部の入射側プレートと、レーザー光の高調波を出射する出射側端部の出射側プレートとの間に位置するプレートの厚さが同一であり、入射側プレート及び出射側プレートの厚さが、入射側プレートと出射側プレートとの間に位置するプレートの厚さの1/2である構成とした。
本構成によれば、波長変換デバイスのウォークオフ量を厚さの薄い(結晶長の短い)入射側プレート及び出射側プレートのウォークオフ量と同じにできるので、少ないプレート数でウォークオフを効果的に低減することができる。
【0007】
また、本願発明の他の構成として、非線形光学結晶がβ−BBO結晶又はLBO結晶である構成とした。
本願構成によれば、非線形光学結晶として、高品質の結晶が得られ易く損傷閾値の高いβ−BBO結晶やLBO結晶を用いることにより変換効率の高くかつ安定した性能を有する複屈折位相整合波長変換デバイスを得ることができる。
【0008】
また、製造方法に係る態様として、結晶のc軸が厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して傾く非線形光学結晶から成る
同一な厚さのプレート同士をc軸の方向が接合面に対して面対称となるように対向させ、プレート同士の接合面となる表面に原子ビーム、分子ビーム、イオンビームのうちいずれかを照射して表面を活性化処理する工程と、活性化処理されたプレート同士の表面を常温にて接合する工程と
、接合されたプレート群の両端部に、当該プレート群を構成する前記各プレートの1/2の厚さを有し、結晶のc軸が厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して傾く非線形光学結晶から成るプレートを接合するに際し、当該1/2の厚さを有するプレートをc軸の方向が接合面に対して面対称となるように対向させ、プレート同士の接合面となる表面に原子ビーム、分子ビーム、イオンビームのうちいずれかを照射して表面を活性化処理する工程と、活性化処理されたプレート同士の表面を常温にて接合する工程とを備えた態様とした。
本願態様によれば、結晶のc軸が厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して傾く非線形光学結晶から成るプレート同士を短時間のうちに原子レベルで接合できるので、変換効率の高い複屈折位相整合波長変換デバイスを容易に製造できる。
また、プレート群を構成する各プレートの1/2の厚さを有し、結晶のc軸が厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して傾く非線形光学結晶から成るプレート同士を短時間のうちに原子レベルで接合でき、さらに波長変換デバイスのウォークオフ量を入射側プレート及び出射側プレートのウォークオフ量と同じにできるので、変換効率の高い複屈折位相整合波長変換デバイスを容易に製造できる。
【0010】
また、製造方法に係る他の態様として、1/2の厚さを有するプレートにおける入射端面となる面と出射端面となる面をのみを無反射コーティング処理する工程を備えた態様とした。
本願態様によれば、入射側に配置されるプレートと出射側に配置されるプレートの入射端面と出射端面のみをコーティング処理しているので、各接合面での損失を大幅に低減できるとともに、中間プレートの枚数を増やす場合にも同じ常温接合条件で済むので、生産効率が向上する。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は本発明の実施の形態を示す図で、(a)図は複屈折位相整合波長変換デバイス(以下、波長変換デバイスという)を示す図、(b)図は波長変換デバイスの各プレートと結晶のc軸との関係を示す図、(c)図は入射光及び常光の光軸方向とプレートの結晶のc軸との関係を示す図である。
本例の波長変換デバイス10は、非線形光学結晶であるβ−BaB
2O
4の単結晶(以下、BBOという)から成る複数枚のプレートを備え、レーザー装置20から入射された波長がλ
1=532nmのレーザー光(基本波)を波長変換して、前記基本波の第2高調波(SH)である波長がλ
2=266nmのレーザー光を出射する。各プレートは、互いに隣接する板面同士を接合面として、後述する常温接合法により接合されている。
波長変換デバイス10を構成するプレートは、厚さがdの4枚のプレート11(111〜114)と厚さがd/2の2枚のプレート12(121,122)とを備え、プレート121がレーザー装置20の入射側に配置され、プレート122がレーザー装置20の波長変換デバイス10の出射側に配置される。
プレート111〜114はプレート121とプレート122との間に配置される。以下、必要に応じて、プレート121を入射側プレート、プレート122を出射側プレート、プレート111〜114を中間プレートと呼ぶ。
プレート11,12及びプレート11,11は、互いに隣接するプレートの結晶のc軸の方向が接合面に対して面対称になるように配置される。
ここで、
図1(a)の左右方向である常光の光軸方向であるプレートの板面に垂直な方向を厚さ方向もしくはx軸方向、紙面に垂直な方向を幅方向もしくはy軸方向、上下方向を高さ方向もしくはz軸方向とすると、プレート121のc軸とプレート112,114のc軸とは、厚さ方向に平行な面(z-x面)内において、厚さ方向に対し反時計回りに位相整合角θだけ傾いている。一方、プレート122のc軸とプレート111,113のc軸とは、厚さ方向に平行な面(z-x面)内において、厚さ方向に対し(π−θ)だけ傾いている。位相整合角θは非線形光学結晶の種類や入射する波長によっても異なるが、BBOの場合位相整合角θは例えば45°〜50°の範囲にある。
【0014】
次に、
図2を参照して上記構成からなる波長変換デバイス10の動作を説明する。
レーザー装置20から照射された波長がλ
1=532nmのレーザー光は、波長変換デバイス10の入射端面である入射側プレート121のレーザー装置20側の板面に垂直に入射する。この入射光は入射側プレート121の入射端面において複屈折して常光(o-ray)と異常光(e-ray)とに分離する。常光(o-ray)の屈折率n
oは入射光の光軸に対する角度依存はないが、異常光(e-ray)の屈折率n
eは入射光の光軸と結晶の光学軸であるc軸との成す角度によって変化するので、常光(o-ray)はレーザー光の入射方向に直進し、異常光(e-ray)は−z方向に屈折する。
入射側プレート121のc軸はBBOの位相整合角θだけ傾いているので、常光(o-ray)と異常光(e-ray)とは位相整合する。その結果、第2のプレート111の出射端面からは基本波であるλ
1=532nmのレーザー光の第2高調波(SH;波長λ
2=266nm)が出射される。常光(o-ray)と異常光(e-ray)との成す角度であるウォークオフ角をρとすると、入射側プレート121におけるウォークオフ量はΔZ=(d/2)・tanρとなる。
入射側プレート121から出射した常光(o-ray)と異常光(e-ray)とはレーザー装置20側の中間プレート111に入射し、常光(o-ray)はレーザー光の入射方向に直進する。
一方、中間プレート111では、c軸の方向が隣接する入射側プレート121のc軸と接合面に対して面対称になるように配置されているので、異常光(e-ray)は+z方向、すなわち、常光(o-ray)の進行方向に屈折する。これにより、相互作用長が長くなるので変換効率が向上する。
中間プレート111での異常光(e-ray)のズレ量はΔz’=d・tanρと入射側プレート121のウォークオフ量ΔZの2倍になるが、常光(o-ray)の光軸方向とのズレ量であるウォークオフ量ΔZ’はΔZ’=(d/2)・tanρで入射側プレート121におけるウォークオフ量ΔZと等しい。
【0015】
同様に、中間プレート112,113,114では、それぞれ、c軸の方向が隣接する中間プレート111,112,113のc軸の方向と接合面に対して面対称になるように配置されているので、異常光(e-ray)は、中間プレート112では−z方向に、中間プレート113では+z方向に、中間プレート114では−z方向に屈折する。このとき、中間プレート112,113,114での異常光(e-ray)のズレ量はいずれも、Δz’=d・tanρとなる。また、ウォークオフ量ΔZ’は入射側プレート121及び中間プレート111におけるウォークオフ量ΔZと等しくなる。
端部側の中間プレート114から出射した常光(o-ray)と異常光(e-ray)とは出射側プレート122に入射し、常光(o-ray)はレーザー光の入射方向に直進して出射側プレート122のレーザー装置20とは反対側の板面から出射される。出射側プレート122の結晶のc軸の方向は端部側の中間プレート114のc軸と接合面に対して面対称になるように配置されているので、異常光(e-ray)は+z方向に屈折して出射される。
出射側プレート122は、厚さが中間プレート114の半分であるので、異常光(e-ray)のズレ量Δzもウォークオフ量ΔZもΔz=ΔZ=(d/2)・tanρとなる。
このように、波長変換デバイス10では、中間プレートとして4枚の厚さがdのプレート111〜114を使用していても、ウォークオフ量を厚さがd/2のプレートを使用した場合と同じΔZ=(d/2)・tanρにすることができるので、少ないプレート数でウォークオフを効果的に低減することができる。
【0016】
次に、本発明の波長変換デバイス10の製造方法について、
図3のフローチャートに基づき説明する。始めに、CZ法(チョコラスキー法)もしくはフラックス法で成長させたBBOの単結晶から厚さがdとd/2(ここでは、1mmと0.5mm)の所定の面積(ここでは、一辺が5mm)の正方形板状のプレートを複数枚切り出す(ステップS10)。
BBOの結晶のウエハーは、通常、
図4に示すように、c軸の方向がウエハー55の厚さ方向であるp方向を向いているので、切り出し方向をq方向とすると、p方向とq方向のなす角度が(90°−θ)となるように切り出せばよい。これにより、切り出し後のc軸の方向が接合面となる切り出し面に垂直な面内で厚さ方向xに対して位相整合角θだけ傾いたプレートを得ることができる。
なお、ここでは、厚さがdの4枚のプレートを中間プレートとし、厚さがd/2の2枚のプレートを端部側(入射側と出射側)プレートとし、これらのプレートを、
図5に示すような、真空チャンバー31と、真空チャンバー31内に設置された第1及び第2の試料ホルダー32,33と、第1及び第2の試料ホルダー32,33の側面側に設置されたビーム源34とを備えた常温接合装置30を用いて接合する。
まず、前記プレートのうち中間プレートとなる2枚のプレート111,112を第1及び第2の試料ホルダー32,33の試料取付面32a,33aにそれぞれ取付ける(ステップS11)。このとき、プレート111,112を当該プレート111,112の結晶のc軸の方向が接合面に対して対称になるように対向して取付ける。ここで、第1及び第2の試料ホルダー32,33の試料取付面32a,33aを水平面とし、この面に垂直な方向を上下方向とする。なお、本例では、第1の試料ホルダー32を可動ホルダーとし、第2の試料ホルダー33を固定ホルダーとした。第1の試料ホルダー32は、図示しない昇降機構により、第2の試料ホルダー33方向に上下動する。
ビーム源34は、プレートの接合予定面にArビームを照射する装置で、照射されるArビームの中心が固定ホルダーである第2の試料ホルダー33の試料取付面33aから所定距離離れた位置になるよう配置される。
【0017】
プレート111,112の取付けが終了すると、真空チャンバー31を閉じ、図示しない真空ポンプにより、真空チャンバー31内を10
-5Pa以下の高真空になるまで真空引きする(ステップS12)とともに、可動ホルダーである第1の試料ホルダー32を、固定ホルダーである第2の試料ホルダー33方向に下降させた後、プレート111の表面111aとプレート112の表面112aとの距離が所定の距離dになった位置で保持する(ステップS13)。
そして、真空チャンバー31内が所定の真空度に到達してから、
図6(a)に示すように、ビーム源34を作動させて、Arビームをプレート111,112の表面111a,112aに所定時間照射して、表面111a,112aをエッチングする(ステップS14)。これにより、プレート111,112の表面111a,112aを活性化処理することができる。
前記活性化処理の条件としては、Arビームの広がり角をω=10°〜30°、2枚のプレート111,112の間隔dを1〜5mm、Arビームの照射エネルギー密度としては90〜1200J/cm
2の範囲とすることが好ましい。これにより、プレート111,112の表面111a,112aを均一にエッチングできるだけでなく、ケミカルエッチングのように、不要に深くエッチングすることがないので、表面111a,112aを適正に活性化処理することができる。したがって、原子レベルでの接合を確実に行うことができ、変換効率を向上させることができる。
【0018】
前記プレート111,112の表面111a,112aの活性化処理が終了すると、
図6(b)に示すように、Arビームの照射を停止するとともに、第2の試料ホルダー33を第1の試料ホルダー32方向に下降させて、プレート111の表面111aとプレート112の表面112aとを密着させて、プレート111とプレート112とを常温接合する(ステップS15)。本例では、2枚のプレート111,112の間隔dを1〜5mmとしているので、接合を1〜3秒程度の短時間で行うことができる。
その後、真空ポンプを停止させるとともに、真空チャンバー31内に不活性ガスを導入して、真空チャンバー31内を大気圧に戻した後、前記真空チャンバー31を開けて、プレート111とプレート112とが接合された複合プレート10Aを取り出す(ステップS16)。
【0019】
次に、この複合プレート10Aを第1の試料ホルダー32に取付け、第2の試料ホルダー33には、新たなプレート113を取り付ける(ステップS17)。このとき、第2の試料ホルダー33に取付けられた新たなプレート113の結晶のc軸の方向と第1の試料ホルダー32に取付けられた複合プレート10Aの接合予定面側のプレート112のc軸の方向とが接合面に対して対称になるように対向して取付ける。
そして、前記ステップS12〜ステップS14までの操作を行い、
図6(c)に示すように、新たなプレート113の表面113aと複合プレート10Aの表面とを活性化処理した後、ステップS15に進み、
図6(d)に示すように、新たなプレート113と複合プレート10Aとを常温接合して3枚のプレート111,112,113を接合した複合プレート10Bを得る。
同様の操作を繰り返すことにより、4枚の中間プレート111〜114を接合した複合プレート10Cを得る(複合プレート10Cについては、
図6(e)を参照)。
【0020】
次に、
図6(e)に示すように、複合プレート10Cと端部側プレート12のうちの一方の(入射側プレート121もしくは出射側プレート122)を常温接合する(ステップS18)。このとき、端部側プレート12の入射端面もしくは出射端面となる面を予め無反射コーティング処理する。そして、端部側プレート12の結晶のc軸の方向と第1の試料ホルダー32に取付けられた複合プレート10Cの接合予定面側のプレート111のc軸の方向とが接合面に対して対称になるように、複合プレート10Cを第1の試料ホルダー32に取付け、前記ステップS12〜ステップS14までの操作を行うことで、端部側プレート12の表面と複合プレート11aの表面とを活性化処理する。その後、ステップS15に進み、端部側プレート12と複合プレート11bとを常温接合して、端部側プレート12と中間プレート111〜114とから成る複合プレート10Dを得る。
最後に、
図6(f)に示すように、端部側プレート12のうちの他方のプレートと複合プレート10Dとを常温接合する(ステップS19)ことで、
図1に示すような、波長変換デバイス10を得ることができる。
【0021】
図7は、常温接合装置30を用いて作製した、厚さが1mmの4枚のプレートと厚さが0.5mmの2枚のプレートから成る全長が5mmの波長変換デバイスに、波長がλ
1=532nmのレーザー光(基本波)を入射し、波長がλ
2=266nmである前記レーザー光の第2高調波(SH)を発生させたときの基本波のパワー(Fundamental Power;[W]) と第2高調波(SH)のパワー(SH Power;[μW])との関係を示すグラフで、比較例として、バルク結晶を用いて作製した波長変換デバイスの測定結果を合わせて記した。なお、この時のウォークオフ角は、約4.8°である。
また、本発明による波長変換デバイスの作製条件は以下の通りである。
真空度……2.0×10
-6Torr
Arビーム……電流:2mA、電圧:5kV、
広がり角:20°、照射時間:60秒
試料間距離……2mm
ビーム−試料間の距離……10mm
接合時間……2秒
図7のグラフから、本願発明による波長変換デバイスは、バルク状の結晶を用いて作製した波長変換デバイスに比較して約2倍の出力が得られることがわかる。これにより、少ないプレート数で効率良くウォークオフを低減することのできる複屈折位相整合波長変換デバイスを容易に製造することができることが確認された。
【0022】
なお、前記実施の形態では、2枚の端部側プレートと4枚の中間プレート11とにより波長変換デバイス10を構成したが、これに限るものではなく、プレートの厚さを薄くして接合枚数を更に増やすようにすれば、ウォークオフを更に低減して変換効率を向上させることができる。なお、この場合にも、結晶のc軸を厚さ方向に平行な面内において厚さ方向に対して位相整合角θだけ傾かせ、かつ、互いに隣接する2枚のプレートのc軸の方向が接合される面に対して面対称になるように配置するとともに、端部側プレート12の厚さを中間プレート11の厚さの半分に設定することはいうまでもない。
また、前記例では、始めに中間プレート12を常温接合し、その後、常温接合した中間プレートと端部側プレートとを常温接合したが、常温接合する順番はこれに限るものではなく、端部側プレートから順に常温接合してもよい。
また、前記例では、非線形光学結晶としてβ−BBO結晶を用いたが、LBO結晶、CLBO結晶、あるいは、KTP結晶などの他の非線形光学結晶を用いてもよい。中でも、β−BBO結晶やLBO結晶は、高品質の結晶が得られ易く損傷閾値も高いので、変換効率の高くかつ安定した性能を得ることができる。
また、前記例では、プレート11,12の表面をArの原子ビームでエッチングしたが、分子ビーム、もしくは、イオンビームを用いてもよい。
【0023】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
【0024】
本発明によれば、少ないプレート数でウォークオフを効果的に低減することができるので、複屈折位相整合波長変換デバイスの生産性を向上させることができる。また、プレート同士を常温接合したので、変換効率の高くかつ安定した性能を有する複屈折位相整合波長変換デバイスを容易に提供することができる。