(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開口した上端、並びに前壁、背壁、一対の側壁および底壁を備える箱ボディと、該箱ボディにヒンジを介して接続され、前記箱ボディの前記上端を開閉する蓋と、内部にインナーフレームを介して収容され、内包材でシガレット束を包み込んでなるインナーパックとを有し、前記インナーフレームが前記前壁側に位置し且つ前記上端から突出しているシガレットボックスであって、
前記内包材は、前記シガレット束の前後をそれぞれ覆う前面及び後面と、シガレット束の下端面を覆う一重の底面と、その折り込みによって形成され、シガレット束の上端面を開放可能に閉鎖する閉鎖面とを有し、
前記蓋の開閉に伴って往復動する第1操作子を含み、該操作子の往動に伴い、前記後面を引き上げることで、前記シガレット束とともに前記底面を斜めにリフトアップさせる引き上げ機構とを具備し、
前記引き上げ機構は、
前記前壁と前記底壁との境界線の近傍にて、前記内包材の一部を前記箱ボディに固定する線状の固定部と、
前記操作子の往動と前記内包材の後面の引き上げとを連動させる連動手段と
を更に含む、
ことを特徴とするシガレットボックス。
前記折り返しタッカは、前記インナーフレームと協働してインナーパックの外周を囲む環形状のインナスリーブを形成する、ことを特徴とする請求項3に記載のシガレットボックス。
開口した上端、並びに前壁、背壁、一対の側壁および底壁を備える箱ボディと、該箱ボディにヒンジを介して接続され、前記箱ボディの前記上端を開閉する蓋と、内部にインナーフレームを介して収容され、内包材でシガレット束を包み込んでなるインナーパックとを有し、前記インナーフレームが前記前壁側に位置し且つ前記上端から突出しているシガレットボックスであって、
前記内包材は、前記シガレット束の前後をそれぞれ覆う前面及び後面と、シガレット束の下端面を覆う一重の底面と、その折り込みによって形成され、シガレット束の上端面を開放可能に閉鎖する閉鎖面とを有し、
前記箱ボディに対して昇降方向に往復動可能な前記内包材とは別体の第2操作子を含み、該操作子の往動に伴い、前記前面を引き上げることで、前記シガレット束とともに前記底面を斜めにリフトアップさせる引き上げ機構とを具備し、
前記引き上げ機構は、
前記背壁と前記底壁との境界線の近傍にて、前記内包材の一部を前記箱ボディに固定する線状の固定部と、
前記操作子の往動と前記内包材の前面の引き上げとを連動させる連動手段と
を更に含む、
ことを特徴とするシガレットボックス。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明に係る実施形態となるシガレットを説明する。
図1、
図2は、第1の実施形態に係るシガレットボックスCB−1について示し、
図1は蓋が閉じているときの状態を示す側面図、
図2は蓋を開けたときの状態を示す側面図である。
【0017】
図1、
図2で、シガレットボックスCB−1は、箱ボディ10とその上端(一辺)に設けたヒンジ11を介して回動可能に設けた蓋20を有している。より詳細には、シガレットボックスCB−1は、前壁12、背壁13、これらの間で左右に位置する左右側壁14R、14L(
図1、
図2では内部のシガレットCRが確認できるようにするため、図示していない)により周壁が形成され、その下の底部側は底壁15によって閉じられている。そして、上方側は開口しており、背壁13の上端がヒンジ11となって、蓋20が箱ボディ10の上縁で開閉する。
【0018】
このシガレットボックスCB−1には、箱ボディ10内に収納している複数のシガレットCRをリフトアップさせる仕組みが設けてある。この仕組みを実現するための構成を以下で順に説明する。
まず、シガレットCRの束の全体がシート状の内包材16で包込まれてインナーパックPCを形成している。ここでの内包材16は従来において、シガレットを包んでいる材料と同様のものでよく、例えば紙と金属箔を積層したシート材などを好適に用いることができる。
ただし、このシガレットボックスCB−1内に採用される内包材16は、前壁12、底壁15、そして前記背壁13それぞれの内面に沿っては切れ目の無い、連続形態で配置してある。より詳細には、内包材16は、シガレット束の前後をそれぞれ覆う前後面16−1、16−2と、シガレット束の下端面を覆う一重の底面16−3を有している。そして、その上部は、折り込みによって形成されて、シガレット束の上端面を開放可能に閉鎖する閉鎖面(内包材の端部を折り込んで閉じた面)16−4となっている。
【0019】
ちなみに、本シガレットボックスCB−1は、開封した直後でシガレットCRが一杯に詰まった状態のときに、1本のシガレットCRを容易に引抜くための構成を設けたことを特徴としている。そのため
図1はシガレットCRが詰まった状態での側面を示している。
よって、側面から見て、内包材16は詰まった状態のシガレットCRの束の外側に沿ってU字状に配置される。そして、内包材16の端部は上記のように折り込みできるように長めに設定してあり、シガレットボックスCB−1の開封前ではシガレットCRの口付部(ここでは、フィルタFL)を、内包材16の端部を折り込んだフラップ(先端側フラップ部16aと終端側フラップ部16b)により包み込んだ状態として、前述した閉鎖面16−4が形成されている。
【0020】
なお、内包材16の幅方向(
図1で紙面に垂直方向)での両側部分はシガレットCRの束よりも、幅広く形成してあり、その余分な長さを折代として折り畳むことでシガレットCRの束を側部からも包込んでおり、結局、シガレットCR全体を内包材16で覆う状態が形成される。
また、
図1、
図2のシガレットボックスCB−1は、例えば20本のシガレットCRを収納している場合、前壁に沿った一列目がRW−1に7本で、前記背壁に向って2列目RW−2に6本、そして3列目RW−3が7本というように、複数列に配置されている。
【0021】
そして、底壁15と面している内包材16の一部が、前壁12と底壁15との境界線BL−1の近傍にて、前記底壁15に固定されている。より具体的には、内包材16の一部が境界線BL−1に沿って底壁15上に線状に固定され、固定部FP−1となっている。この固定部FP−1は、箱ボディ10の組立てに用いる接着剤などを用いて、内包材16の一部が底壁15に接着固定するものでよい。
このような固定部FP−1を設け、この固定部FP−1と反対側にある前記背壁13に沿って内包材16を引き上げると、底壁15と対面していた内包材16の底面16−3が、固定部FP−1を基点(中心)にして右上に向かって傾斜した状態になる。
【0022】
上記のように、固定部FP−1は境界線BL−1に沿って線状(実線状、点線状のどちらでもよい)に配置されている。これにより、
図2で示すようにシガレットCRを列毎に、段状にリフトアップさせる状態を形成できる。ここでは、固定部FP−1の線幅を無用に広く(例えば、シガレットCRの半径を超えるような幅に)設定するのは好ましくない。固定部FP−1の幅が広すぎると、傾斜する内包材16の領域が減少して列毎に段状にリフトアップさせるのが困難になる。この点から、固定部FP−1の線幅は2〜6mm程度、或いは、収納するシガレットCRの直径の75%以下とするのが好ましい。
【0023】
また、このシガレットボックスCB−1では、箱ボディ10の内側に取付けられ、内包材16よりも高い剛性を有して、箱ボディ10を内側から補強する後述するインナーフレーム30が配備してある。
【0024】
更に、上記内包材16を引き上げる引上げ機構について説明する。この引上げ機構は、蓋20が開かれたときに、シガレットボックスCB−1の中心軸線(上下方向に延在する軸線)に対して固定部FP−1と反対側にある前記背壁13に沿って内包材16を引き上げる。これにより、前述したように底壁15に接していた底面16−3の内包材16が固定部FP−1を基点に、傾斜して
図2のようになるので、シガレット列RW−1、RW−2、RW−3毎に段状にリフトアップできる。
【0025】
そして、
図1、2で例示している引き上げ機構は、前記内包材16の一方の端部が背壁13から蓋20まで延在されて、その先端部(終端側フラップ部16b)は蓋20の内面20aに接着部21で固定(結合)されている。この終端側フラップ部16bは、蓋20の開閉に伴って往復動する第1操作子(請求項1)として機能する。よって、蓋20が閉じて、前述したようにU字状に配置された内包材16が撓み無い状態(
図1)を初期状態として、
図2のように蓋20が開かれると、内包材16が蓋20の開く動作に基づいて内包材16が引っ張られる。すなわち、蓋20を開く動作が内包材16を引っ張り上げる動作に連動する。その結果、底壁15に接していた内包材16が固定部FP−1を基点に傾斜するので、シガレット列毎に段状にリフトアップできる。更に、
図3も参照して、シガレットボックスCB−1が有する引き上げ機構をより詳細に説明する。
【0026】
図3は、シガレットボックスCB−1を開封し、最初に蓋20を開いた時の様子を示した外観斜視図である。このシガレットボックスCB−1は、蓋20の開き動作に連動する引き上げ機構を備えている。よって、ユーザは、蓋20を開けるという従来の動作をするだけよく、詰まったシガレットを取り出すために追加の動作をする必要がない。また、内包材16の移動量は蓋20の開度に基づくので、内包材16の引っ張り状態は変化せず安定である。そして、一旦、開けた蓋20は、通常、強制的に閉じなければ開いた状態が維持される。よって、
図3で示すように、シガレットも列毎に段状にリフトアップされた状態が維持されるので、ゆっくりと1本のシガレットを取り出せばよい。
【0027】
特に、
図2および
図3で示すように、インナーフレーム30がシガレットボックスCB−1の前壁12側に位置し、且つその上端から突出するように固定されている。
一方、このシガレットボックスCB−1では、背壁13とシガレットCRの束との間に、板状の折り返しタッカ31が配置されている。この折り返しタッカ31は、前記インナーパックPCの後面側にて箱ボディ10の上端から上方に突出して設けられている。前述したように、内包材16の一方の終端となる終端フラップ部16bは、蓋20の内面20aに結合されるが、箱ボディ10から引き出される際に、折り返しタッカ31の上縁31aにて前記後面16−2が折り返される。すなわち、内包材16の後面16−2は、引き上げられる際に、折り返しタッカ31の上端31aに接触して折り返されて、その引き上げ量を増加させるように改善した構造(連動手段)としてある。このような構成を採用すると、蓋20の開き動作で内包材を確実に引上げることができる。
このように折り返しタッカ31の上縁31aに接する構造にしておくと、この上縁31aの高さ位置に基づきガレットCR列のリフトアップ量(すわわち、固定部での傾斜角度α)を適宜に調整できる。
なお、上記シガレットボックスCB−1を製造するためのアウターブランクに変更を加えて、箱ボディ10および蓋20、そして上記折り返しタッカ31についても一枚のアウターブランクから形成するようにしてもよい。
【0028】
ところで、従来におけるインナーフレームはボックス補強用で、一般に前壁および左右両壁の内面を支持するような横断面形状(上面視形状)がU字形状であった。一方、この第1の実施形態に係るシガレットボックスCB−1では、上記した折り返しタッカ31は、インナーパックPCの後面側にて背壁13から突出するように配置してあるのが好ましい。
そこで、シガレットボックスCR−1では、より好適な構造として、通常のインナーフレーム構造の後側(背部)に、折り返しタッカとして機能する構造体を一体に接続して、互いに協働してインナーパックPCの外周を囲むような環形状(ロ字形状)にして、新規なインナーフレームとしてある。すなわち、ここで例示しているインナーフレーム30は、折り返しタッカ31を背部の備える環形状のインナスリーブとなっている。これにより、シガレットボックスCR−1の補強をより強化しつつ、背壁13に付加した折り返しタッカ31の高さを調整してリフトアップ量を適宜に調整できる。すなわち、折り返しタッカ31における上縁の高さ位置は、内包材の底面のリフトアップ量に応じて決定すればよい。
【0029】
以上説明した、第1の形態に係るシガレットCB−1は、ユーザは詰ったシガレットから1本を引き抜くことの面倒、それ自体に配慮をする必要がなく、蓋を開けるという通常の動作をするだけで、詰まった状態にあるシガレットが段状に配置されるので1本のシガレットを面倒がなく、いつも簡易に取ることができる。
【0030】
更に、図を参照して本発明に係る第2の実施形態に係るシガレットボックスCB−2について説明する。
図4、
図5は、第2の実施形態に係るシガレットボックスCB−2について示した図であり、
図4は蓋が閉じているときの状態を示す側面図、
図5は蓋を開けたときの状態を示す側面図である。
【0031】
図4、
図5で、シガレットボックスCB−2は、箱ボディ40とその上端(一辺)に設けたヒンジ41を介して回動可能に設けた蓋50を有している。より詳細には、シガレットボックスCB−2は、前壁42、背壁43、これらの間で左右に位置する左右側壁44R、44L(
図4、
図5では内部のシガレットCRが確認できるようにするため、図示していない)により周壁が形成され、その下の底部側は底壁45によって閉じられている。そして、上方側は開口しており、背壁43の上端がヒンジ41となって、蓋50が箱ボディ40の上縁で開閉する。
【0032】
このシガレットボックスCB−2にも、箱ボディ40内に収納している複数のシガレットCRをリフトアップさせる仕組みが設けてある。この仕組みを実現するための構成を以下で順に説明する。
まず、シガレットCRの束の全体がシート状の内包材46で包込まれてインナーパックPCを形成している。ここでの内包材46は従来において、シガレットを包んでいる材料と同様のものでよく、例えば紙と金属箔を積層したシート材などを好適に用いることができる。
ただし、このシガレットボックスCB−2内に採用される内包材46は、前壁42、底壁45、そして前記背壁43それぞれの内面に沿っては切れ目の無い、連続形態で配置してある。より詳細には、内包材46は、シガレット束の前後をそれぞれ覆う前後面46−1、46−2と、シガレット束の下端面を覆う一重の底面46−3を有している。そして、その上部は、折り込みによって形成されて、シガレット束の上端面を開放可能に閉鎖する閉鎖面(内包材の端部を折り込んで閉じた面)46−4となっている。
【0033】
ちなみに、本シガレットボックスCB−2は、開封した直後でシガレットCRが一杯に詰まった状態のときに、1本のシガレットCRを容易に引抜くための構成を設けたことを特徴としている。そのため
図4はシガレットCRが詰まった状態での側面を示している。
よって、側面から見て、内包材46は詰まった状態のシガレットCRの束の外側に沿ってU字状に配置される。そして、内包材46の端部は上記のように折り込みできるように長めに設定してあり、シガレットボックスCB−2の開封前ではシガレットCRの口付部(ここでは、フィルタFL)を、内包材46の端部を折り込んだフラップ(先端側フラップ部46aと終端側フラップ部46b)により包み込んだ状態として、前述した閉鎖面46−4が形成されている。
【0034】
なお、内包材46の幅方向(
図4で紙面に垂直方向)での両側部分はシガレットCRの束よりも、幅広く形成してあり、その余分な長さを折代として折り畳むことでシガレットCRの束を側部からも包込んでおり、結局、シガレットCR全体を内包材46で覆う状態が形成される。
また、
図4、
図5のシガレットボックスCB−2は、例えば20本のシガレットCRを収納している場合、前壁に沿った一列目がRW−1に7本で、前記背壁に向って2列目RW−2に6本、そして3列目RW−3が7本というように、複数列に配置されている。
【0035】
そして、底壁45と面している内包材46の一部が、背壁43と底壁45との境界線BL−2の近傍にて、前記底壁45に固定されている。より具体的には、内包材46の一部が境界線BL−2に沿って底壁45上に線状に固定され、固定部FP−2となっている。この固定部FP−2は、箱ボディ40の組立てに用いる接着剤などを用いて、内包材46の一部が底壁45に接着固定するものでよい。
このような固定部FP−2を設け、この固定部FP−21と反対側にある前記前壁42に沿って内包材46を引き上げると、底壁45と対面していた内包材46の底面46−3が、固定部FP−2を基点(中心)にして左上に向かって傾斜した状態になる。
【0036】
上記のように、固定部FP−2は境界線BL−2に沿って線状(実線状、点線状のどちらでもよい)に配置されている。これにより、
図5で示すようにシガレットCRを列毎に、段状にリフトアップさせる状態を形成できる。ここでは、固定部FP−2の線幅を無用に広く(例えば、シガレットCRの半径を超えるような幅に)設定するのは好ましくない。固定部FP−2の幅が広すぎると、傾斜する内包材46の領域が減少して列毎に段状にリフトアップさせるのが困難になる。この点から、固定部FP−2の線幅は2〜6mm程度、或いは、収納するシガレットCRの直径の75%以下とするのが好ましい。
【0037】
そして、このシガレットボックスCB−2では、箱ボディ40の内側に、内包材46よりも高い剛性を有して、箱ボディ40を内側から補強しつつ、内包材46の移動を案内する後述するインナーフレーム60が配備してある。
【0038】
更に、上記内包材46を引き上げる引上げ機構について説明する。従来におけるインナーフレームが補強用として、一般に前壁および壁の内面を支持するような横断面形状(上面視で形状)がU字形状であったが、本シガレットボックスCB−2では、このインナーフレームを流用する。
ここでの引上げ機構は、箱ボディ40の内面に沿って昇降方向(図で上下方向)にスライド可能としたインナーフレーム60を備える。このインナーフレーム60は、第2操作子
(請求項5)として機能する。
また、インナーフレーム60と内包材46の前面46−1とを互い結合し、インナーフレーム60の押し上げに伴い前面46−1の引き上げをもたらす結合部として接着部60aが設けてある。すなわち、内包材46の一部が前壁42の内側で、接着部60aによりインナーフレーム60に固定してある。よって、インナーフレーム60を上方へ押上げるスライド動作が、内包材46の引き上げる動作に連動している。
この引上げ機構は、インナーフレーム60がスライドして押し上げられたときに、シガレットボックスCB−2の中心軸線(上下方向に延在する軸線)に対して固定部FP−2と反対側にある前記前壁に沿って内包材46を引き上げる。これにより、前述したように底壁45に接していた底面46−3の内包材46が固定部FP−2を基点に、傾斜して
図5のようになるので、シガレット列RW−1、RW−2、RW−3毎に段状にリフトアップできる。
【0039】
更には、インナーフレーム60は前壁42および左右壁の内側を摺動する横断面U字形状のスライド部材として形成されているだけでなく、蓋50が上端を閉じた状態(
図4参照)で、その蓋50の内面に当接する当接部61が設けてある。そのため、このインナーフレーム60を押し上げる動作をすると、蓋50を跳ね上げつつ、内包材46を引き上げる動作が一体的に実行される。すなわち、インナーフレーム60を押上げる動作が、蓋50を跳ね上げて内包材46を引き上げる動作と連動している。
【0040】
シガレットボックスCB−2では、蓋50が閉じて、前述したようにU字状に配置された内包材46が撓み無い状態(
図4)にある。ここで、インナーフレーム60を上方へスライド操作して蓋50を開けると、
図5のように、これに伴って内包材46が引っ張られる。すなわち、インナーフレーム60を介して行う蓋50を開く動作が、内包材46を引っ張り上げる動作と一体となっている。その結果、蓋50が開いたときには底壁45に接していた内包材46が固定部FP−2を基点に傾斜するので、シガレット列毎に段状にリフトアップできることになる。更に、
図6、
図7も参照して、シガレットボックスCB−1が有する引き上げ機構をより詳細に説明する。
【0041】
図6、
図7は、シガレットボックスCB−2の
図4、
図5にそれぞれ対応する様子を示した外観斜視図である。
この
図6、
図7では、
図4、
図5では示していないアクセス開口47が示されている、ここでのアクセス開口47は、箱ボディ40の前壁42に設けたU字状の切欠部として形成されている。アクセス開口47内にはスライド可能なインナーフレーム60が露出するので、
図6で示す矢印のようにインナーフレーム60にスライド力を付与して、上方へ移動させることができる。なお、このようなアクセス開口は、ユーザがインナーフレーム60に指(例えば、親指)を接触させてスライド力を付与することができるように設けたものであるから、その形状は
図6、
図7で例示のように上端にまで達する切欠とする必要はない。すなわち、アクセス開口47は、例えば円形、楕円形、長方形などの切欠部としてもよい。
このシガレットボックスCB−2について示す第2の実施形態では、前述した結合部としての接着部60aおよび上記アクセス開口47が、第2操作子となるインナーフレーム60の往動と内包材46の引き上げとを連動させる連動手段を構成している。
【0042】
以上のような構成を備えるシガレットボックスCB−2では、
図6で示す蓋50が閉位置にある状態から、ユーザが、インナーフレーム60を矢印で示すように上方へ押し上げすると、
図7で示すように蓋50が開きシガレットが列毎に段状にリフトアップされた状態となる。なお、本シガレットボックスCB−2では、前列RW−1が最も上昇するので、
図7では後側のRW−2、RW−3は図示されない(
図5参照)。
上記のように、このシガレットボックスCB−2に組み込まれた引上げ機構は、インナーフレーム60による蓋50を開く動作(蓋の開動作)で内包材46を引き上げる動作が同時に実行される。
【0043】
以上説明した、第2の形態に係るシガレットCB−2によると、ユーザは、インナーフレーム60を上に向けスライドさせて蓋50を開けるという動作をするだけよく、一杯に詰まったシガレットを取り出すために追加で新たな動作をなす必要がない。また、一旦、上がったインナーフレーム60は、強制的に戻さなければその位置に留まる。よって、
図7で示すように、シガレットも列毎に段状にリフトアップされた状態が維持されるので、ゆっくりと1本のシガレットを取り出せばよい。
【0044】
更に、図を参照して本発明に係る第3の実施形態に係るシガレットボックスCB−3について説明する。
図8、
図9は、第3の実施形態に係るシガレットボックスCB−3について示した図であり、
図8は蓋が閉じているときの状態を示す側面図、
図9は蓋を開けたときの状態を示す側面図である。
【0045】
図8、
図9で、シガレットボックスCB−3は、ボディアウター70-1とボディインナー70−2とにより分割構成されている。
より詳細には、シガレットボックスCB−3のボディアウター70-1は、前壁72、背壁73、これらの間で左右に位置する左右側壁74R、74L(
図8、
図9では内部のシガレットCRが確認できるようにするため、図示していない)により周壁が形成され、その下の底部側は底壁75によって閉じられている。そして、このボディアウター70-1に対し、上下方向へ相対移動(昇降)可能にボディインナー70−2の一部が収容されている。よって、シガレットボックスCB−3は、蓋80を含むボディインナー70−2がボディアウター70-1に対して、上下方向に相対移動可能な構造となっている。
【0046】
上記ボディインナー70−2は、上記ボディアウター70-1に収容される下側のボディロア81と、その上に蓋80を有している。ボディインナー70−2は、上端及び開口した下端を有して、上端側にヒンジ71を介して蓋80が接続された構造である。
ボディインナー70−2のボディロア81は、後述するインナーフレームと協働してインナーパック(PC)を胴回りに囲繞するように配置される。そして、ボディロア81はインナーパックの内包材にインナーフレームを介して結合されている。
【0047】
上記ボディアウター70-1、ボディインナー70−2、及びインナーフレーム90について、更に
図10を参照してより詳細に説明する。
図10は、ボディアウター70-1、ボディインナー70−2、そしてインナーフレーム90それぞれの形状、これらの位置関係を確認し易いように示した斜視図である。なお、これらは、いずれも一枚のシート状のブランクを折り曲げて、組み上げることで作製可能なものである。
前述したように、ボディアウター70-1は前壁72、背壁73、これらの間で左右に位置する左右側壁74R、74L、そして底壁75を備えており、概ねの形態は上方が開放されている中空の箱体である。このボディアウター70-1の背壁73は、上端73tpにて延長部分73exが折り返された構造である。この延長部分73exは背壁73の内面に沿うように(すなわち、ボディアウター70-1の内側に延長部分73exが収容されるように)して折り返されている。延長部分73exの先端中央には外方(
図10で下方)へ突出する突起部73prが設けてある。
【0048】
次に、ボディインナー70−2は、前述したように、ボディロア81上にヒンジ71を介しての蓋80が設けてある。ボティロア81は、ボディアウター70-1内に上下移動可能に収容される。ボディアウター70-1の背壁73とボディロア81を構成している背壁82とは、互いに接触するようにして組付けがされる。
ここで、ボディロア81の上記背壁82の中央部には、長方形状の開口83が設けてある。よって、突起部73prが開口83を介して前側に出るように、組付け時に設定しておくことで、開口83の下側の開口縁83beに延長部分73exの下端73beが当接して移動規制される。これにより、ボディインナー70−2の上昇位置を規制する構造が実現される。
そして、ボディインナー70−2の下降位置については、蓋80の端縁80edがボディアウター70-1の上端縁70−1edに当接することで規制される(
図8参照)。
【0049】
更に、上記ボディインナー70−2は、その前側にインナーフレーム90が接続されて両者が一体化された構造体(以下、接続構造体、と称する場合がある)とされてから、ボディアウター70-1内に収容される。
より詳細には、インナーフレーム90は前壁91の左右に側壁92R、92Lを備えている。側壁92R、92Lそれぞれは、ボディインナー70−2の左右側壁84R、84Lそれぞれの内側に接して配置され、互いの下端位置を揃えて接続される。よって、ボディインナー70−2とインナーフレーム90が接続され一体化された接続構造体は、その内側に一定の空間を囲繞する(擁する)ように周囲に壁を備えて、横断面の形状がロ字形状の筒状である構造部を含んだものとなる。よって、この接続構造体の下側は、開口した下端を有している形態となる。この開口した下端の位置を
図8、
図9では点線ELにて示してある。
図10に基づいて説明した、ボディアウター70-1、ボディインナー70−2およびインナーフレーム90の関係を踏まえ、シガレットボックスCB−3ついて、更に説明する。
【0050】
ボディアウター70-1は、
図8に示すように蓋80を露出させた状態でボディロア81を収容し、底壁75に内包材76の底面76−3が位置した下降位置、そして
図9に示すように底壁75から内包材76の底面76−6が離れた上昇位置との間での昇降を許容して、ボディインナー70−2のボディロア81を収容している。
そして、このボディインナー70−2が前記下降位置にあり、且つ、蓋80が閉じた状態にあるとき、この蓋80の背面と対向する立上部73stを更に備えている。
蓋80が閉じて前記ボディインナー70−2が上方へ移動していない下降位置(初期位置)にあるとき、ボディインナー70−2の蓋80の背面と対向するように、ボディアウター70-1の背壁73に立上部73stが一体に設けてある。換言すると、
図8に示す下降位置にボディインナー70−2があるとき、蓋80を開くには上方に突出している立上部73stが障害となる。よって、ボディインナー70−2を上方へスライドさせてから、蓋80を開くことが必要な構造である。
【0051】
このシガレットボックスCB−3にも、収納している複数のシガレットCRをリフトアップさせる仕組みが設けてある。この仕組みを実現するための構成を以下で順に説明する。
まず、シガレットCRの束の全体がシート状の内包材76で包込まれてインナーパックPCを形成している。ここでの内包材76は従来において、シガレットを包んでいる材料と同様のものでよく、例えば紙と金属箔を積層したシート材などを好適に用いることができる。
ただし、このシガレットボックスCB−3内に採用される内包材76は、前壁72、底壁75、そして前記背壁73それぞれの内面に沿っては切れ目の無い、連続形態で配置してある。より詳細には、内包材76は、シガレット束の前後をそれぞれ覆う前後面76−1、76−2と、シガレット束の下端面を覆う一重の底面76−3を有している。そして、その上部は、折り込みによって形成されて、シガレット束の上端面を開放可能に閉鎖する閉鎖面(内包材の端部を折り込んで閉じた面)76−4となっている。
【0052】
ちなみに、本シガレットボックスCB−3は、開封した直後でシガレットCRが一杯に詰まった状態のときに、1本のシガレットCRを容易に引抜くための構成を設けたことを特徴としている。そのため
図8はシガレットCRが詰まった状態での側面を示している。
よって、側面から見て、内包材76は詰まった状態のシガレットCRの束の外側に沿ってU字状に配置される。そして、内包材76の端部は上記のように折り込みできるように長めに設定してあり、シガレットボックスCB−3の開封前ではシガレットCRの口付部(ここでは、フィルタFL)を、内包材76の端部を折り込んだフラップ(先端側フラップ部76aと終端側フラップ部76b)により包み込んだ状態として、前述した閉鎖面76−4が形成されている。
【0053】
なお、内包材76の幅方向(
図8で紙面に垂直方向)での両側部分はシガレットCRの束よりも、幅広く形成してあり、その余分な長さを折代として折り畳むことでシガレットCRの束を側部からも包込んでおり、結局、シガレットCR全体を内包材76で覆う状態が形成される。
また、
図8、
図9のシガレットボックスCB−3は、例えば20本のシガレットCRを収納している場合、前壁に沿った一列目がRW−1に7本で、前記背壁に向って2列目RW−2に6本、そして3列目RW−3が7本というように、複数列に配置されている。
【0054】
そして、底壁75と面している内包材76の一部が、背壁73と底壁75との境界線BL−2の近傍にて、前記底壁75に固定されている。より具体的には、内包材76の一部が境界線BL−2に沿って底壁75上に線状に固定され、固定部FP−2となっている。この固定部FP−2は、箱ボディ70の組立てに用いる接着剤などを用いて、内包材76の一部が底壁75に接着固定するものでよい。
このような固定部FP−2を設け、この固定部FP−21と反対側にある前記前壁72に沿って内包材76を引き上げると、底壁75と対面していた内包材76の底面76−3が、固定部FP−2を基点(中心)にして左上に向かって傾斜した状態になる。
【0055】
上記のように、固定部FP−2は境界線BL−2に沿って線状(実線状、点線状のどちらでもよい)に配置されている。これにより、
図9で示すようにシガレットCRを列毎に、段状にリフトアップさせる状態を形成できる。ここでは、固定部FP−2の線幅を無用に広く(例えば、シガレットCRの半径を超えるような幅に)設定するのは好ましくない。固定部FP−2の幅が広すぎると、傾斜する内包材76の領域が減少して列毎に段状にリフトアップさせるのが困難になる。この点から、固定部FP−2の線幅は2〜6mm程度、或いは、収納するシガレットCRの直径の75%以下とするのが好ましい。
【0056】
そして、このシガレットボックスCB−3では、箱ボディ70の内側に、内包材76よりも高い剛性を有して、箱ボディ70を内側から補強しつつ、内包材76の移動を案内するインナーフレーム90が配備してある。このインナーフレーム90については、先に
図10で説明しているが、ボディインナー70−2と一体化されて前述した接続構造体とされてからボディアウター70−1内に収納され、内包材76を引き上げる引上げ機構としての役割を担う。
なお、従来におけるインナーフレームは補強用として、一般に前壁および側壁の内面を支持するような横断面形状(上面視で形状)がU字形状であったが、本シガレットボックスCB−3では、このインナーフレームを有効に活用している。
【0057】
図8〜
図10を参照すると、シガレットボックスCB−3における引上げ機構には、箱ボディ70のボディアウター70−1の内面に沿って昇降方向(図で上下方向)にスライド可能とした、上記接続構造体が含まれている。この構造体は、内側に空間を擁し、この空間にインナーパックPCが配置される。すなわち、この構造体はインナーフレーム90とボディインナー70−2とが協働してインナーパックPCを胴回りに囲繞する保護構造でもある。上記接続構造体は、横断面形状がロ字形状のスライド部材となり、これを構成するインナーフレーム90とボディインナー70−2とが第2操作子
(請求項5)として機能する。
【0058】
そして、
図8、
図9に示すように、上記インナーフレーム90と内包材76の前面76−1とを互い結合し、インナーフレーム90の引き上げに伴い前面76−1の引き上げをもたらす結合部として接着部90aが設けてある。すなわち、内包材76の一部が前壁72の内側で、接着部90aによりインナーフレーム90に固定してある。よって、インナーフレーム90(接続構造体)を上方へ引き上げるスライド動作が、内包材76を引き上げる動作に連動している。
この引上げ機構は、インナーフレーム90がスライドしたときに、シガレットボックスCB−3の中心軸線(上下方向に延在する軸線)に対して固定部FP−2と反対側にある前記前壁に沿って内包材76を引き上げる。これにより、前述したように底壁75に接していた底面76−3の内包材76が固定部FP−2を基点に、傾斜して
図9のようになるので、シガレット列RW−1、RW−2、RW−3毎に段状にリフトアップできる。
【0059】
ところで、前述したように、蓋80が閉じて移動前(下降位置)にあるボディインナー70−2の蓋80背面に対向して、ボディアウター70−1の背壁73の立上部73stが存在している。この立上部73stには、ボディインナー70−2(接続構造体)にスライド力を付与すべく前記蓋80の背面を露出させるアクセス開口73deが設けてある。このアクセス開口73deは、
図8、
図9では図示されないが、前述した
図10、後述する
図12、
図14にて示される。
【0060】
シガレットボックスCB−3では、ボディインナー70−2が前述した下降位置にあって蓋80が閉じているとき、前述したようにU字状に配置された内包材76が撓み無い状態(
図8)にある。ここで、ボディインナー70−2を上方へスライド操作すると、これと一体のインナーフレーム90も一緒にスライドするので、
図9のように、これに伴って内包材76が引っ張られる。すなわち、ボディインナー70−2が引き上げて、蓋80を開こうとする動作が、インナーフレーム90を介して、内包材76を引っ張り上げる動作と一体となっている。その結果、ボディインナー70−2が上昇位置となり蓋80が開いたときには底壁75に接していた内包材76が固定部FP−2を基点に傾斜しているので、シガレット列毎に段状にリフトアップできることになる。
【0061】
更に、
図11〜
図14も参照して、シガレットボックスCB−3における引き上げの様子をより詳細に説明する。
図11および
図12は、
図8に示すシガレットボックスCB−3に対応する様子を前面側および背面側から示した外観斜視図、
図13および
図14は、
図9に示すシガレットボックスCB−3に対応する様子を前面側および背面側から示した外観斜視図である。
これらの
図11〜
図14では、
図8、
図9では示していない左右側壁74R、74Lが図示されている。そして、
図13で示すように、インナーフレーム90とボディインナー70−2下側のボディロア81とが互いに側壁(84Rと92R/84Lと92L、
図10参照)で接触しており、重なり部分Laで接着剤にて接続されている。これにより、横断面形状がロ字形状となる構造部を含んだ接続構造体が形成されることも確認できる。ただし、インナーフレーム90とボディインナー70−2とを接続する部位は、ここで例示のように側部に限定する必要はなく、協働してインナーパックPCを胴回りに囲繞する形態が実現されていればよい。
【0062】
更には、
図8、
図9では示していない、アクセス開口73deが
図12、
図14で示されている、ここでのアクセス開口73deは、立上部73stに設けた半円状の切欠部として形成されている。アクセス開口73de内にはスライド可能なボディインナー70−2の背面が露出するので、
図12で示す矢印のようにボディインナー70−2(接続構造体)にスライド力を付与して、上方へ移動させることができる。なお、アクセス開口73deはユーザがボディインナー70−2に指(例えば、親指)を接触させてライド力を付与することができるように設けたものであるから、その形状は図で例示のように上端をまで達する切欠とする必要はない。すなわち、アクセス開口は、例えば円形、楕円形、長方形などの切欠部としてもよい。
ただし、上記のようにアクセス開口73deを設けた形態は、より好適な形態例と理解すべきものである。立上部73stに、アクセス開口73deを設けない場合、蓋80の両側に指を当てて、蓋80を挟持して引き上げることでもボディインナー70−2(接続構造体)を上方へ移動させることができる。
そして、このシガレットボックスCB−3について示す第3の実施形態では、前述した結合部としての接着部90aと共に、第2操作子を兼ねるインナーフレーム90およびボディインナー70−2の往動が内包材76の引き上げと連動させる連動手段を構成している。
【0063】
以上のような構成を備えるシガレットボックスCB−3では、
図8から
図9で示すように蓋80を開く動作をすると、
図12のように、シガレットが列毎に段状にリフトアップされた状態となる。ただし、本シガレットボックスCB−3では、前列RW−1が最も上昇するので、
図12では後側のRW−2、RW−3は図示されない(
図9参照)。
ところで、上記で例示したシガレットボックスCB−3では、背壁73に設ける立上部73stは、蓋80が閉じて前述したインナーフレーム90とボディインナー70−2とによる接続構造体が上方へ移動していない下降位置(初期位置)にあるときに、その立上高さは同じ高さとなっている。しかし、これは一例である。立上部73stの立上高さは任意に定めることができ、これにより内包内の底面のリフトアップ量を決定できる。すなわち、立上部73stの立上高さは、内包材の底面のリフトアップ量に応じて決定すればよい。
【0064】
以上で説明した、第3の形態に係るシガレットCB−3によると、ユーザは、ボディインナー70−2を上に向けスライドさせて蓋80を開けるという動作をすると、これに伴って上記接続構造体が移動してシガレットが列毎に段状にリフトアップされる。よって、一杯に詰まったシガレットを取り出すために追加で新たな動作をなす必要がない。また、一旦、上がった接続構造体は、蓋80を閉じてボディインナー70−2を強制的に下げ戻さなければ、その位置に留まる。よって、
図13で示すように、シガレットも列毎に段状にリフトアップされた状態が維持されるので、ゆっくりと1本のシガレットを取り出せばよい。
【0065】
以下、更に、前述したシガレットボックスCBで採用するのが好ましい、内包材について
図15を参照して説明する。前述したように、インナーパック(PC)を包込む内包材(16、46、76)は一重のシート状とされ、シガレットボックス内においてU字状で切れ目の無い形態で配置することにより、シガレットを列毎に段状にリフトアップさせることができる。
箱ボディ(10、40、70)の底壁(15、45、75)に固定される固定部では、内包材の一部に移動をスムーズとさせるための切込みを設けておくのがより好ましい。より詳細には、各内包材は底壁の接着剤などで線状に固定されるが、その固定部(FP−1又はFP−2)を中心に動くので、切込みを設けておくことで、内包材が無理なく折れ曲がるようにして、底面を傾斜させた姿勢をスムーズに形成できる。
【0066】
図15は、上記切込みを設けた内包材用のブランク100を示した図である。
図15では、前面に対応する領域にFR、後面に対応する領域にRE、そして底面に対応する領域にBAを付している。なお、前面FR中の破線LNはシガレットボックスを最初に開いたときに、手前側の余分なフラップを引きちぎる為に設けてある切断用線である。
このブランク100で、切込み110は、接着剤で固定される領域MAよりも両外側に設けられる。この外側部分はインナーパックPCの側部を包み込むのに用いる部分(折代)である。
図15で例示のブランク100は、前述した第1実施例から第3実施例に適用できる。
なお、前述した第1実施例の場合は、前壁と底壁との前側境界部の近傍で内包材が固定されるので、前面FRと底面BAとの間の両外側に切込み110aを設けたブランク100を採用するのが好ましい。そして、第2、第3実施例の場合には後壁と底壁との後側境界部の近傍で内包材が固定されるので、後面REと底面BAとの間の両外側に切込み110bを設けたブランク100を採用するのが好ましい。
【0067】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
前述した実施例では、前記箱ボディの前壁と底壁との境界線の近傍、または、前記背壁と底壁との境界線の近傍に、前記内包材を固定する固定部を、箱ボディの底壁に設定する場合を説明したが、これに限らない。境界線の近傍であれば、上記固定部は前壁側、或いは、背壁側に設定してもよい。
また、上記では、シガレットの列を3列としたがこれに限らない、これより少ない2列、或いは逆に4列以上としてもよい。