(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、特許請求する本発明の好適な実施形態と限定考えられているものについて記載する。機能、目的、または構造におけるいずれかの代替または変更は、本出願の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いる場合、単数形「1つの(a)、(an)、(the)」は、文脈によって明らかに他の場合が示されない限り、複数形を含む。「含む」または「含んでいる」という用語あるいはその両方は、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられた場合、述べた特徴、ステップ、要素、材料、またはグループあるいはそれら全ての存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、要素、材料、またはそれらのグループあるいはそれら全ての存在または追加を除外するものではない。
【0038】
本明細書において用いる場合、「分岐連結基」という用語は、本発明のポリマー組成物上でスルホンアミド基をメタクリレート基に連結する非直鎖および非環式連結基を示すために用いられる。「分岐連結基」は、分岐構造において必ず少なくとも1つのメチル基を有する。少なくとも1つのメチル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等のいずれかのメチル含有基を含むことができることは理解されよう。あるいは、少なくとも1つのメチル基は、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル等の官能化メチル基、または他のいずれかの非環式フッ素化アルキル基を含むことができる。上記の式(I)を参照すると、R
4、R
5、およびR
6は分岐連結基を含み、R
4、R
5、およびR
6の少なくとも1つが炭素を含む
(但し、当該炭素の数が1である場合を除く)。
【0039】
「フッ素化C1〜C12アルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、限定なしに、トリフルオロメチルおよびペルフルオロブチル等のペルフルオロC1〜C12アルキルを含むことが意図される。
【0040】
「任意の」または「任意に」という用語は、本明細書において用いる場合、発生する場合もあるし発生しない場合もある環境を示すために用いられる。例えば、本明細書において記載するリソグラフィ方法において、「任意に、トップコード・ポリマーをベーキングする」、「任意に、露光したフォトレジストをベーキングする」、または「任意に、露光したフォトレジストをベーキングする」という用語は、トップコート・ポリマーまたはフォトレジストあるいはその両方を、記載した方法内でベーキングする場合もあるしベーキングしない場合もあることを意味する。
【0041】
本明細書において、新しい一連のスルホンアミド官能化メタクリレート材料を提供する。アルカリ現像剤における比較的高い溶解速度を保持しながら、分岐連結基を用いて疎水性を高める。
図2に、本発明の例示的なスルホンアミド官能化メタクリレートを示す。
【0042】
一般に、水液浸リソグラフィのためのトップコート材料に望ましい特性は、高いSRCA値および高いTMAHにおける溶解速度を含む(例えばグラフ(
図3)の右上の領域)。しかしながら、HFAベースの材料を用いてこれらの特性の双方で高い値を達成することはできない。モノマー構造を変更して静止後退接触角を大きくすると、0.26N TMAH現像剤におけるモノマーの溶解速度は急速に低下する。トップコート用途のために最適な特性の組み合わせを有するHFAベースの材料は、ポリ(MA−BTHB−OH)である。
【0043】
図3は、当技術分野において既知のHFA−官能化メタクリレートのホモポリマー(黒い四角)、当技術分野において既知のスルホンアミド含有メタクリレートのホモポリマー(黒い丸)、および本発明の分岐連結基を有するスルホンアミド含有メタクリレートのホモポリマー(黒い三角)の関数として、溶解速度を示す。点線で、
図3の特性境界を示す。既知のスルホンアミド・ベースの材料は、HFA−ベースの材料のものに比べて望ましくない特性の組み合わせを有する。
【0044】
分岐連結基を有するスルホンアミド・ベースのメタクリレートのホモポリマー(
図3に示すように黒い三角)は、現在のHFAベースの材料および直鎖または環式連結基を有する既知のスルホンアミド・ベースの材料に比べ、優れたTMAHにおける溶解速度および高いSRCA値の双方を示す。これらの材料の特性境界は、既知の材料のものに比べて著しく良好である(例えば上側および右側に移行している)ことが明らかである。直鎖連結基を有する既知のスルホンアミド材料(例えばポリ(EATf−MA))と比べた場合、分岐連結基を有する本発明の材料は、高いSRCA値および高いガラス転移温度を示すという利点があり、同時に許容可能なアルカリ溶解速度を有する。更に、環式または多環式連結基を有するスルホンアミド材料(例えばポリ(1,4−CHTf−MA)およびポリ(AMNB−Tf−MA))と比べた場合、分岐連結基を有する本発明の材料は、高いSRCAおよび概ね高い溶解速度を示し、同時に許容可能なガラス転移温度を有する。1位置に置換基を有する(例えばメタクリレートの隣)分岐連結基は、2位置において置換された(例えばスルホンアミドの隣)類似の材料に比べ、わずかに高い後退水接触角を示す。好都合なことに、本発明の材料を2位置において置換した場合、合成がいっそう容易になり、低コストかつ広く利用可能な供給材料で生成できることがわかっている。更に、2位置は2つの置換基を有することができるという利点もある。これに対して、1位置に2つの置換基を有する類似の材料は第3級エステルであるが、これは酸に弱いことが知られている。例えば、
図2を参照すると、ポリ(2,2−diMe−EATf−MA)は2位置に2つのメチル置換基を有し、従ってこのスルホンアミドは高いTgおよび高いSRCAの双方を有し、予想外で驚くべきことに、0.26N TMAH現像剤における溶解速度は、広く用いられているHMAベースの材料、ポリ(MA−BTHB−OH)の約6倍より高い。
【0045】
上述のように、本発明のスルホンアミド官能基メタクリレートの別の利点は、これらの新しいモノマーが安価な開始材料に基づくことである。これらのモノマーは、広く入手可能であり安価な市販の1,2−アミノアルコールからの合成が簡単である。更に、フッ素化置換基および他の基を含有する多くの人工アミノ酸が報告されている。これらは、カルボキシル酸の還元によって簡単にそれぞれの1,2−アミノアルコールに変換することができる。興味深いことに、分岐連結基にフッ素が存在すると、SRCA値の著しい上昇はなかった(表1の2−Et−EATf−MA対3−TFE−EATf−MAを参照のこと)。この例では、非フッ素化分岐1,2−アミノアルコールに基づいた材料は、著しく低下したコストで同様の性能を提供することができる。
【表1】
【0046】
好都合なことに、スルホンアミドのpK
aは、スルホニル官能基に付与した基のアイデンティティを変更することによって調節することができる。透過性、酸性度、および疎水性のために、トリフルオロメタンスルホンアミド基が特に有用である。pKaおよび疎水性は、例えばペルフルオロブタンスルホン酸またはペルフルオロオクタンスルホン酸から誘導されたスルホンアミドを用いることによって、変更することができる。フッ素化鎖が長いとSRCA値が高くなるが、C8ペルフルオロ鎖を有する材料は規制監視のもとにあり、C4ペルフルオロ鎖も間もなくそうなる可能性がある。従って、低いpKaおよび比較的低いコストのため、トリフルオロメタンスルホンアミドが特に望ましい。p−トルエンスルホン酸から誘導されたスルホンアミドは、高い吸光度のために、193nmリソグラフィ向けに意図された材料には適していない。同様に、メチルスルホン酸から誘導された非フッ素化スルホンアミドは、比較的高いpK
a値および親水性のため、液浸材料にあまり適していない。
【0047】
液浸リソグラフィのためのトップコートまたは添加剤材料を設計する場合、これらの新しい分岐スルホンアミド材料の高いTMAHへの溶解速度によって、大量の非アルカリ可溶性、疎水性モノマーを共重合により組み込んで、HFAベースの材料で可能となるよりも高いSRCA値の液浸材料を生成することができる。例えば、TMAH現像剤における非ゼロ溶解速度を保持しながら、MA−BTHB−OHのポリマーに、わずか〜20モル%の1,1,1,3,3,3−トリフルオロプロプ−イルメタクリレート(HFIPMA)を組み込むことができる。これに比べて、2,2−diMe−EATf−MAのホモポリマーのみで、ポリ(MA−BTHB−OH−co−HEIPMA)のものよりも優れたSRCA値を有する。SRCA値を高めるために30モル%のHEIPMAを組み込んだ場合であっても、TMAH現像剤における溶解速度は高いままである(150nm/s超)。このため、著しい大量の疎水性モノマーを組み込んで、SRCA値を上昇させるか、またはトップコートにおいて用いる他のコモノマー(強酸性コモノマー等)のSRCA低下効果を補償して、フォトレジスト・プロファイルを制御することができる。トップコートなしのフォトレジストのための表面活性添加剤の場合には、新しい分岐スルホンアミドの高いSRCA値およびTMAH現像剤における高い溶解速度によって、(当技術分野において既知のスルホンアミド・モノマーに比べて)大量のこれらのモノマーを用いて、添加剤のTMAHへの溶解速度(または光速度)を向上させることができるが、添加剤のSRCA値を劇的に低下させることはなく、空気−フォトレジスト界面で濃縮濡れ層を形成する添加剤の能力に悪影響を与えることもない。あるいは、HFAベースの材料に比べて少量を用いることで、適正なSRCA値を維持しながら同じ現像剤濡れ特性を達成することができる。
【0048】
本発明の一実施形態においては、式(I)に示された、スルホンアミド基および分岐連結基を含む反復単位を含む組成物が提供される。更に別の実施形態では、反復単位は、上記の式(II)、(III)、(V)、および(VI)のいずれか1つに示された構造を有する。別の実施形態では、反復単位は、上記の式(IV)および(VII)〜(IX)から成る群から選択される。更に別の実施形態では、反復単位は、上記の式(X)〜(XIII)から成る群から選択される。更に別の実施形態では、反復単位はポリマー組成物の少なくとも5モル%を構成する場合がある。当業者には認められるであろうが、反復単位の5モル%は、本発明の組成物を調製するために用いられるコモノマー(もしあれば)のタイプに依存する(例16〜31を参照のこと)。
【0049】
本発明の別の実施形態においては、ポリマーおよび溶剤を含むトップコート組成物が提供され、ポリマーがスルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を含む。別の実施形態では、反復単位は上記の式(I)〜(XIII)から成る群から選択された構造を有する。更に別の実施形態では、反復単位はポリマーの少なくとも5モル%を構成する場合がある。反復単位は、ポリマーの5から100モル%、更に具体的にはポリマーの30〜90モル%、最も具体的にはポリマーの50〜80モル%を構成する場合がある。
【0050】
必要な場合または所望の場合、トップコート組成物は、キャスティング溶剤および本発明のトップコート・ポリマーの他に、他のトップコート・ポリマーまたは、染料、増感剤、安定剤として用いられる添加剤、光酸発生剤、溶解改良剤または溶解抑制剤、酸拡散制御剤、塩基性化合物、光分解性塩基(PDB)、酸増幅剤(AA)、界面活性剤または消泡剤等のコーティング補助剤、架橋剤、光速度制御剤、接着促進剤および可塑剤等の添加剤あるいはその両方を含むことができる。
【0051】
トップコート・ポリマーは、更に、トップコートの様々な特性を調整するためにコモノマーから誘導された反復単位を含むことができる。例えば、疎水性コモノマーを組み込んで水接触角の値を高めることができる。適切な疎水性コモノマーは、メタクリレート、α−(トリフルオロメチル)アクリレート、α−(フルオロ)アクリレート、ならびに、アルキル、フルオロアルキル、およびペルフルオロアルキル置換基を有するアクリレート・モノマーを含む。少数の例として、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロプ−2−イルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、4,4,4,3,3,2,2−ヘプタフルオロブチルメタクリレートが含まれる。代替的なコモノマーは、アルキル、フルオロアルキル、およびペルフルオロアルキル置換基等の疎水性基を含むことができる環式オレフィン(例えばノルボルネン・ベース)・モノマーを含む。
【0052】
また、ベース可溶性基を含むコモノマーを組み込んで、アルカリ性現像溶液における溶解速度を高めることができる。適切なベース可溶性基は、カルボキシル酸およびフルオロアルコール(特に、ヘキサフルオロアルコール)基を含む。代表的なカルボキシル酸含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸、α−(フルオロ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ノルボルン5−エン−2−カルボキシル酸、ノルボルン5−エン−2−メチル−2−カルボキシル酸、ノルボルン5−エン−2−フルオロ−2−カルボキシル酸、ノルボルン5−エン−2−トリフルオロメチル−2−カルボキシル酸等を含む。
【0053】
代表的なヘキサフルオロアルコール含有モノマーは、5/6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル)ビシクロ[2.2.1]へプタン−2−イルメタクリレート(NBHFAMA)、1−シクロエチル−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−1−イルメタクリレート(MA−ACH−HFA)、および3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート、および1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−ペント−4−エン、2(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロプ−3−イル)ノルボルン5−エン(NBHFA)、および1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−ペンタン−4−イルメタクリレート(MA−BTHB−OH)を含む。他の適切なヘキサフルオロアルコール含有モノマーは、H. Itoの「Chemical Amplification Resistor for Microlithography」、Adv. Polym. Sci.172巻、37ページ(2005年)およびSanders等のProc. SPIE 6519:651904(2007年)に報告されている。
【0054】
あるいは、ラクトンおよびカルボキシル酸無水物等のベース反応基を代わりに用いることも可能である。カルボキシル酸無水物を有する代表的なモノマーは、無水マレイン酸、ノルボルン5−エン−2,3−カルボキシル酸無水物を含む。ラクトン基を有する代表的なモノマーは、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、2−オキソ−テトラヒドロフラン−3−イルアクリレート、2−オキソ−テトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート、5−オキソ−テトラヒドロフラン−3−イルアクリレート、5−オキソ−テトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート、ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルメタクリレート(NLM)等を含む。
【0055】
強い酸性基を有するコモノマーを組み込んで、トップコートのフォトレジストとの相互作用を調整し、像形成されるフォトレジスト構造のプロファイルを制御することができる。具体的には、スルホン酸基を有するモノマーは、この目的に適していることが実証されている。スルホン酸基を有する代表的なモノマーは、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、および4−ビニル−ベンゼンスルホン酸を含む。
【0056】
強い酸性基を有するモノマーの代わりに、光酸発生部を有するモノマーをトップコートに組み込むことも可能である。紫外線照射に露光される領域では、ポリマー結合PAGは光化学的に変換されて、例えばポリマー結合スルホン酸となる。PAG置換基を有する適切なモノマーが文献において既知である。
【0057】
溶剤は、1つの溶剤または2つ以上の異なる揮発性溶剤を含むことができる。下にあるレジストに溶解しない好適な溶剤は、低級脂肪族アルコール、脂肪族または芳香族エーテル、ペルフルオロアルキルエーテル、フルオロアルキルエーテル、飽和炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、およびそれらの混合物を含む。キャスティング溶剤の例は、2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ジ−n−ブチルエーテル、および2−オクタノールおよびn−デカンの混合物を含む。当技術分野では、他にも多くの適切な溶剤の例が既知である。キャスティング溶剤は、合計固体計算値には含まれない。更に、キャスティング溶液に、安定剤、界面活性剤、および他の添加剤(もしあれば)を加えることができる。一例において、界面活性剤は、キャスティング溶液の合計固体含量の約1重量%未満を含む。一例では、安定剤および他の添加剤は合わせて、キャスティング溶液の合計固体含量の約10重量%未満を含む。基本的なキャスティング溶液に、固体としてまたは溶解した固体の溶液として、界面活性剤、安定剤、および他の添加剤を加えて、完成したキャスティング溶液を形成することができる。
【0058】
本発明の一実施形態においては、本発明のトップコート組成物の使用を含む、フォトレジストをパターニングする方法が提供される。別の実施形態では、フォトレジストをパターニングする方法は、193nm水液浸リソグラフィを用いる。一実施形態では、一実施形態では、トップコート組成物は、スルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を有するポリマーを含む。更に別の実施形態では、トップコート組成物は、トリフルオロメタンスルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を有するポリマーを含む。
【0059】
本発明のトップコート組成物を用いてフォトレジストをパターニングする方法は、
(a)本発明のトップコート組成物の層を塗布してフォトレジスト材料の層上にトップコートを形成するステップと、
(b)任意に、トップコートをベーキングするステップと、
(c)フォトレジストをパターン状に露光するステップと、
(d)任意に、露光したフォトレジストをベーキングするステップと、
(e)フォトレジストを現像してトップコートおよびフォトレジストの部分を選択的に除去するステップと、
を含む。
【0060】
トップコートは典型的に、スピン・コーティングによってフォトレジストの上に塗布される。しかしながら、スプレー・コーティング、ディップ・コーティング、ドクター・ブレード、ロール・コーティング等も使用可能である。下にあるフォトレジストの膜厚は1nmから5000nmの範囲とすることができる。193nm水液浸リソグラフィにおいて用いられる典型的なフォトレジストの厚さは、40から150nmの範囲である。EUVまたは電子ビーム・リソグラフィではもっと薄いフォトレジスト厚が好ましい場合があり、248nm、365nm、または436nmのリソグラフィではもっと厚い層が好ましい場合がある。
【0061】
トップコートを塗布した後、基板を任意に高温でベーキングして、残りのキャスティング溶剤を除去し、トップコート膜の密度を上げることができる。典型的に、塗布後ベーキングの温度は、下にあるフォトレジスト膜のガラス転移温度よりも低くして、2つの材料層の相互拡散を最小限に抑える。典型的な塗布後ベーキングの温度は、60℃から150℃、更に典型的には70℃から120℃、いっそう典型的には80℃から100℃の範囲である。塗布後ベーキングは、1秒から10分間以上にわたって継続することができるが、典型的な塗布後ベーキングは30から90秒間継続する。
【0062】
トップコートの膜厚は1nmから5000nmの範囲とすることができる。193nm水液浸リソグラフィにおいて用いられる典型的なトップコートの厚さは、30から120nmの範囲である。トップコートの膜厚を調節して、良好な反射防止特性および良好な浸出耐性を得ることができる。乾式リソグラフィにおいて、反射率を最小限に抑えると共にリソグラフィ性能を最大限とするために上部反射防止コーティング(TARC)材料が用いられている。非吸収TARCの理想的な屈折率は、以下により与えられる。
【数1】
ここで、n
TARC、n
imersionfluid、およびn
resistは、それぞれTARC、液浸流体、およびフォトレジストの屈折率である。更に、理想的な厚さ(T)は4分の1波長に相当する。
【数2】
ここで、λ
0は照射の真空波長である。吸収TARC材料の理想的な光学特性および厚さを計算するための更に一般的な方法は、文献において既知である。
【0063】
紫外線照射(例えばi線またはg線)、深紫外線照射(例えば260nm未満の波長)、極紫外線照射、または電子ビーム照射を用いて、フォトレジストを露光することができる。特に有用な波長は、436nm、365nm、254nm、248nm、193nm、157nm、および13.5nmを含む。一実施形態においては、193nm液浸リソグラフィを用いてフォトレジストを露光することができる。更に別の実施形態では、193nm水液浸リソグラフィを用いてフォトレジストを露光することができる。水は、高い透過性、良好な屈折率、良好な表面張力対粘度比、優れた熱特性、低コスト、低毒性、および高純度での高い可用性のために、特に適切な液浸流体である。
【0064】
代替的な液浸流体は、酸の水溶液、無機塩およびアンモニウム塩を含むイオン種、水溶性有機化合物、界面活性剤、ミセル、およびナノ粒子を含む。更に別の液浸流体は、炭化水素液を含む。炭化水素液浸流体は、直鎖、分岐、環式、および多環式の飽和アルカンを含むことができる。これらのうち、8から12の炭素の飽和多環式アルカンは、193nmにおいて高い屈折率および適切な透過性の特に有利な組み合わせを有する。炭化水素液浸流体の例は、オクタヒドロインデン、1,1−ビシクロヘキシル、シス−デカヒドロナフタレン、トランス−デカヒドロナフタレン、シス/トランス−デカヒドロナフタレン、およびエクソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンを含む。また、水および炭化水素ベースの液浸流体は更にナノ粒子を含むことができる。適切なナノ粒子材料の例は、酸化ハフニウム、ルテニウムアルミニウムガーネット、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化ケイ素を含む。また、ナノ粒子は、リガンドまたは表面グラフト界面活性剤を含むことができ、これはナノ粒子の分散を安定化させると共に凝集を防ぐ。
【0065】
露光の後、フォトレジストに露光後ベーキング(PEB)を任意に行って化学反応を促進することができる。PEB温度は、50から150℃、具体的には60と140℃との間であり、更に具体的には70と130℃との間の範囲とすることができる。露光後ベーキング・プロセスは、1秒から10分間、更に好ましくは2秒から2分間、いっそう好ましくは10秒から1分間継続することができる。
【0066】
下にあるフォトレジストの現像の前にまたは現像中に、トップコートを除去することができる。一実施形態においては、標準的なアルカリ性フォトレジスト現像剤(通常は0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いて、フォトレジスト現像プロセスの間にトップコートを除去する。あるいは、下にあるフォトレジストの現像前に、有機溶剤を用いてトップコートを除去することができる。この目的のために適切な溶剤は、先に列挙したトップコート・キャスティング溶剤を含む。更に、トップコートは、有機溶剤を用いて、下にあるフォトレジストの現像中に除去することも可能である。かかるプロセスでは、有機溶剤は、露光したかまたは非露光のフォトレジスト材料を選択的に除去するように選択しなければならない。フォトレジストの露光した領域を除去する場合、適切な有機溶剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール、およびそれらの混合物を含む。架橋ネガティブ・トーン・フォトレジストを用いる場合は、架橋フォトレジスト材料の膨張が許容可能な限度内にある限り、非露光のフォトレジスト材料を選択的に除去するために多種多様な有機溶剤を使用可能である。フォトレジストが架橋メカニズムでなく極性変化メカニズムによって作用する場合、非露光領域のみを溶解するために選択的有機溶剤を用いなければならない。この目的に合う適切な有機溶剤はアニソールを含む。
【0067】
結果として得られるフォトレジスト・パターンを、直接用いるか、または更に操作することができる。追加の操作は、様々なリソグラフィ、表面改質、トリミング、および付着プロセスを含み、特にダブル・パターニング・リソグラフィ・プロセスに必要とされる。フォトレジスト・パターンを用いて、イオン注入の間に基板を保護することができる。特に、フォトレジスト・パターンは、最終的には下にある基板に転写することができる。パターン転写は、ドライまたはウェット・エッチング・プロセスにより達成可能である。特に、基板の化学的性質に応じて、酸素またはフッ素含有ガスを用いた反応性イオン・エッチング(RIE)を用いて、パターンを転写することができる。基板が底部反射防止コーティング(BARC)層を含む場合、パターンを下にある基板に転写する前に、ブレイクスルー・エッチ・プロセスが必要であることがある。光像形成可能または現像可能BARCを用いる場合、かかるプロセスは必要でないことがある。酸化物層等の誘電材料にパターンを転写する場合、結果として得られるフィーチャにライニングを施し、次いでアルミニウム、銅、またはタングステン等の導電性金属を充填して、金属ワイヤ、相互接続、および接点を形成することができる。
【0068】
本発明の別の実施形態においては、添加ポリマー、フォトレジスト、PAG、および溶剤を含むトップコートなしのフォトレジスト組成物が提供される。添加ポリマーは、スルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を含む。別の実施形態では、反復単位は、上記の式(I)〜(XIII)から成る群から選択された構造を有する。更に別の実施形態では、反復単位は添加ポリマーの少なくとも5モル%を構成する場合がある。反復は、添加ポリマーの5から100モル%、更に具体的には添加ポリマーの10〜70モル%、最も具体的には添加ポリマーの15〜50モル%を構成することができる。
【0069】
トップコートなしのフォトレジスト配合物は、典型的に、フォトレジスト・ベース・ポリマーまたはオリゴマー、添加ポリマー、光酸発生剤、ベース、およびキャスティング溶剤を含む。添加ポリマーを用いたフォトレジスト配合物を塗布してフォトレジスト層を形成した後、添加ポリマーはフォトレジスト層の表面に分離し、その場(in situ)トップコートとして機能する。添加ポリマーは、大きい水接触角を生じるが、良好なリソグラフィ性能を維持すると共に、液浸流体内へのフォトレジスト成分(例えば光酸発生剤またはPAG)の浸出を軽減する。
【0070】
本発明の添加ポリマーは以下の特性を有する。(1)フォトレジスト配合物に可溶性である。(2)高い表面活性を有する。(3)露光およびベーキングの後にフォトレジストの溶解特性(例えば現像プロセス)を著しく劣化させない。(4)フォトレジスト成分の浸出を阻止または軽減する能力を有する。(5)後退水接触角が約70度超、好ましくは約75度超である。(6)前進水接触角が約96度未満である。(7)酸性水溶液に疎水性であり、塩基性水溶液に親水性である。
【0071】
本発明の添加ポリマーは、水性ベース現像剤において可溶性である(トップコート・タイプ)か、または露光後に可溶性となる(レジスト・タイプ)。分岐スルホンアミド構造の他に、トップコート・タイプの添加剤は、トップコートにおける使用について前述したコモノマーのいずれかから成ることができる。更に、レジスト・タイプの添加剤は典型的に、酸不安定基によって保護されたベース可溶性基を有するモノマーを含む。特に、第3級エステルまたはアセタール/ケタールとして保護されたカルボキシル酸基は、それぞれ酸分解または酸触媒加水分解を受けて、フォトレジストの露光領域において遊離カルボキシル酸基を発生する。かかる基を有するアクリルまたは環式オレフィン・モノマーは特に有用である。適切な第3級エステル保護基は、t−ブチル、1−メチルアダマンチル、1−エチルアダマンチル、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、1−エチルシクロオクチル、1−イソプロピルシクロヘプチル、t−アミル、および2,3−ジメチル−ブト−1−イル基を含む。適切なアセタール/ケタール基は、メトキシメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、テトラヒドロピラニル、およびアンゼリカラクトニル基を含む。第3級エステルおよびアセタール/ケタール保護基は、更に、フッ素化またはペルフルオロ置換基を含むことができる。
【0072】
フォトレジスト配合物における添加ポリマーの使用量は、フォトレジスト・ポリマーに対して0.01wt%から20wt%の範囲とすることができ、更に好ましくは0.1wt%から5wt%の範囲とすることができる。
【0073】
本発明の組成物、トップコート・ポリマー、および添加ポリマーは、アニオン、ラジカル重合、および制御されたラジカル重合を含むいずれかの既知の技法によって合成することができる。制御されたラジカル重合は、原子移動ラジカル重合(ATRP:atom transfer radical polymerization)、ニトロキシド媒介重合(NMP:nitroxide mediated polymerization)、可逆的付加開烈連鎖移動(RAFT:reversible addition fragmentationchain transfer)重合、グループ・トランスファ重合(GTP:group transfer polymerization)、触媒的連鎖移動(CCT:catalytic chain transfer)重合、および他の既知の方法を含む。本発明の材料は、直鎖、分岐、超分岐、樹枝状、環式、または他の配列を有するポリマーまたはオリゴマーとすることができる。本発明の材料は、様々なコモノマーのランダムな、交互の、傾斜した、および他の統計的な分布のオリゴマーまたはポリマーを含むことができる。更に、本発明の材料は、ブロック、マルチブロック、グラフト、または他のアーキテクチャを有するオリゴマーまたはポリマーを含む。また、材料の特性は、分子量、分子量分布(すなわち多分散)、および末端基を制御することによって調整することができる。分子量は、500g/モルから250,000g/モル、好ましくは1000g/モルから100,000g/モル、いっそう好ましくは2000g/モルから50,0000g/モル、更にいっそう好ましくは5000g/モルから30000g/モルの範囲とすることができる。ポリマーの重量平均分子量対数平均分子量の比である多分散指数(PDI)(すなわちM
w/M
n)は、1から10、より好ましくは1から2、より好ましくは1から1.5の範囲とすることができる。本発明の材料の分子量および分子量分布は、トップコートなしのフォトレジストにおける添加ポリマーの可溶性特性(例えば溶解速度)および表面分離挙動に影響を与える。
【0074】
末端基は、開始種の選択によって操作することができる。例えば、適切なアゾ基を含むまたは過酸化物の開始剤を選択すると、ラジカル重合によって生成されるポリマーにおける末端基のいくつかが決定する。ラジカル重合にチオール等の連鎖移動剤を加えて、ポリマーの分子量を低下させ、ポリマー連鎖に特定の末端基を加えることができる。あるいは、特定のRAFT重合、ATRP、またはNMP開始剤分子を用いることができ、これによって各連鎖の最初の部分に特定の末端基を加える。更に、かかる制御されたラジカル重合技法によって形成されたポリマーは、連鎖の末端に活性基を有し、これを置換することでポリマー末端基として幅広い範囲の官能基を組み込むことができる。末端基は、トップコートなしのフォトレジストにおける添加ポリマーの可溶性特性(例えば溶解速度)および表面分離挙動に影響を与える。
【0075】
リソグラフィ構造の形成において、本発明のトップコート組成物および添加ポリマーを、いずれかの所望のフォトレジスト配合物と組み合わせて用いることができる。フォトレジストは、フォトレジストは、紫外線照射(例えばi線またはg線)、深紫外線照射(例えば260nm未満の波長)、極紫外線照射、または電子ビーム照射に対して高感度とすることができる。本発明の一実施形態では、フォトレジスト配合物は、短い波長の紫外線照射(例えば260nm未満の波長)に対して、または極紫外線照射(EUV)または電子ビーム照射に対して高感度である化学増幅フォトレジストである。特に、フォトレジストは、254nm、248nm、193nm、157nm、および13.5nmを含む波長に対して高感度とすることができる。適切な化学増幅フォトレジストの例は、H. Itoの「Chemical Amplification Resistor for Microlithography」、Advances in Polymer Science.172巻、37〜245ページ(2005年)に記載されている。適切なフォトレジストはポジティブ・トーン・フォトレジストおよびネガティブ・トーン・フォトレジストの双方を含む。
【0076】
フォトレジスト配合物におけるフォトレジスト・ポリマーまたはオリゴマーは、配合物に含まれる固体の約99重量%までとすることができ、光酸発生剤は、フォトレジスト配合物に含有される固体の約0.1重量%と約25重量%との間とすることができる。
【0077】
フォトレジスト配合物において用いられる典型的なポリマーおよびオリゴマーは、アクリレート、メタクリレート、シクロオレフィン・ポリマー、シクロオレフィンマレイン酸無水物ポリマー、シクロオレフィンビニルエーテルコポリマー、シロキサン、シルセスキオキサン、およびカルボシランを含む。オリゴマーは、多面体オリゴメリックシルセスキオキサン、炭水化物、および他のかご型化合物を含む。これらのポリマーまたはオリゴマーは、必要に応じて、水性ベース可溶性基、酸不安定基、極性官能基、およびシリコン含有基によって適切に官能化される。
【0078】
また、フォトレジスト配合物は典型的に光酸発生剤(PAG)も含む。光酸発生剤は、照射線で露光されると強い酸を発生しフォトレジスト配合物の他の成分と適合性があるいずれかの化合物とすることができる。光化学酸発生剤(PAG)の例は、限定ではないが、Rennerの米国特許第4,371,605号に開示されているように、スルホン酸塩、オニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、およびN−ヒドロキシアミドまたはN−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステルを含む。本フォトレジストに組み込まれるいかなるPAGも、前露光処理の間に劣化しないように、高い熱安定性を有しなければならない。すなわち、少なくとも140℃において安定していなければならない。
【0079】
本発明のフォトレジスト配合物において、いずれかの適切な光酸発生剤を用いることができる。典型的な光酸発生剤は、限定ではないが、以下を含む。
(1)トリフェニルスルホニウムペルフルオロメタンスルホン酸塩(トリフェニルスルホニウムトリフラート)、トリフェニルスルホニウムペルフルオロブタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムペルフルオロペンタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロヒ酸塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩、トリフェニルスルホニウム臭化物、トリフェニルスルホニウム塩化物、トリフェニルスルホニウムヨウ化物、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムペルフルオロブタンスルホン酸塩、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムベンゼンスルホン酸塩、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロオクタンスルホン酸塩、ジフェニルエチルスルホニウム塩化物、およびフェナシルジメチルスルホニウム塩化物等のスルホニウム塩。
(2)ハロニウム塩、特に、ジフェニルヨードニウムペルフルオロメタンスルホン酸塩(ジフェニルヨードニウムトリフラート)、ジフェニルヨードニウムペルフルオロブタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムペルフルオロペンタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムペルフルオロオクタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフラート、およびビス−(t−ブチルフェニル)−ヨードニウムカンファニルスルホン酸塩を含むヨードニウム塩。
(3)ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、およびビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のα,α’−ビス−スルホニル−ジアゾメタン。
(4)例えばα−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MDT)のような、イミドおよびヒドロキシイミドのトリフルオロメタンスルホン酸塩。
(5)2−ニトロベンジルp−トルエンスルホン酸塩、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホン酸塩、および2,4−ジニトロベンジルp−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸塩等のニトロベンジルスルホン酸塩。
(6)N−カンフォルスルホニルオキシナフタルイミドおよびN−ペンタフルオロフェニルスルホニルオキシナフタルイミド等のスルホニルオキシナフタルイミド。
(7)ピロガロール誘導体(例えばピロガロールのトリメシラート)。
(8)ナフトキノン−4−ジアジド。
(9)アルキルジスルホン。
(10)米国特許第4,189,323号に記載されているようなs−トリアジン誘導体。
(11)t−ブチルフェニル−α−(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテート、t−ブチル−α−(p−トルエンスルホニルオキシ)アセテート、およびN−ヒドロキシ−ナフタルイミドドデカンスルホン酸塩(DDSN)、およびベンゾイントシラートを含む多種多様のスルホン酸発生剤。
【0080】
他の適切な光酸発生剤が、Reichmanis等のChemistry of Materials 3:395(1991年)、およびYamachika等の米国特許第5,679,495号に開示されている。
【0081】
光酸発生剤(PAG)は、フォトレジスト・ポリマー自体に組み込むことができる。紫外線照射に露光される領域では、ポリマー結合PAGは光化学的に変換されて、例えばポリマー結合スルホン酸基となる。PAG置換基を有する適切なモノマーは、文献において周知である。
【0082】
本明細書に提供する組成物および方法と関連付けて役立つ追加の適切な酸発生剤は、当業者には既知であるか、または、関連する文献に記載されているか、あるいはその両方である。
【0083】
必要な場合または所望の場合、フォトレジスト配合物(本発明の添加ポリマーの追加前)は、染料、増感剤、安定剤等の添加剤、溶解改良剤または溶解抑制剤、酸拡散制御剤、塩基性化合物、光分解性塩基(PDB)、酸増幅剤(AA)、界面活性剤および消泡剤等のコーティング補助剤、架橋剤、光速度制御剤、接着促進剤および可塑剤等の添加剤を含むことができる。
【0084】
配合したフォトレジストの光密度を調節するために染料を使用可能であり、照射を吸収して光酸発生剤に移送することによって光酸発生剤の活性を高める増感剤を使用可能である。染料および増感剤の例は、官能化ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ビフェニレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、クマリン、アントラキノン、他の芳香族ケトン等の芳香族、および前述のいずれかの誘導体および類似体を含む。
【0085】
一実施形態においては、フォトレジスト配合物は、溶解改良剤または溶解抑制剤を約1重量%から約40重量%含む(本発明の添加ポリマーの追加前)。別の実施形態では、フォトレジスト配合物は、溶解改良剤または溶解抑制剤を約5重量%から約30重量%を含む(本発明の添加ポリマーの追加前)。
【0086】
更に別の実施形態では、溶解改良剤および抑制剤は、フォトレジスト配合物およびフォトレジスト配合物のキャスティング溶剤において高い可溶性を有し、強い溶解抑制を示し、高い露光溶解速度を有し、対象の波長における著しい透過性を示し、Tgに対して中程度の影響を示す場合があり、エッチング耐性が高く、良好な熱安定性(すなわち約140℃以上の温度における安定性)を示す。適切な溶解抑制剤は、限定ではないが、ビスフェノール−A誘導体(例えば、1つまたは双方のヒドロキシル部分がt−ブトキシ置換基またはt−ブトキシカルボニルもしくはt−ブトキシカルボニルメチル基等のその誘導体に変換される)、CF
3−ビスフェノールA−OCH
2(CO)−O−tBu(t−ブトキシカルボニルメチル基により保護された6F−ビスフェノールA)等のフッ素化ビスフェノール−A誘導体、1−エトキシエチル、1−プロポキシエチル、1−n−ブトキシエチル、1−イソブトキシ−エチル、1−t−ブチルオキシエチル、および1−t−アミルオキシエチル基等のノルマルまたは分岐連鎖アセタール基、ならびにテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、および2−メトキシテトラヒドロ−ピラニル基等の環式アセタール基、アンドロスタン−17−アルキルカルボキシラートおよびその類似体を含み、17位置における17−アルキルカルボキシラートは典型的に低級アルキルである。かかる化合物の例は、コール酸メチル、リトコール酸メチル、ウルソコール酸メチル、コール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブチル、ウルソコール酸t−ブチル等(例えば、Allen等のJ. Photopolym. Sci. Technol.8:623(1995年)を参照のこと)を含む、コール酸、ウルソコール酸、リトコール酸の低級アルキルエステル、かかる化合物(ページ中)のヒドロキシ置換類似体、および、t−ブチルトリフルオロアセチルリトコラート等の1から3のC1−C4フルオロアルキルカルボニルオキシ置換基により置換されたアンドロスタン−17−アルキルカルボキシラート(例えばAllen等の米国特許第5,580,694号を参照のこと)を含む。
【0087】
安定剤および酸拡散制御添加剤として、様々な塩基度を有する多種多様な化合物を用いることができる。それらは、脂肪族第1級、第2級、および第3級アミン等の窒素化合物、ピペリジン、ピリミジン、モルホリン等の環式アミン、ピリジン、ピリミジン、プリン等の芳香族複素環式化合物、ジアザビシクロウンデセン、グアニジン、イミド、アミド等のイミン、および他のものを含むことができる。また、アンモニウム、第1級、第2級、第3級、および第4級のアルコキシドのアルキル−およびアリルアンモニウム塩(水酸化物、フェノラート、カルボキシル酸塩、アリルおよびアルキルスルホン酸塩、スルホンアミドを含む)、および他のものを含むアンモニウム塩を用いることもできる。また、ピリジニウム塩を含む他のカチオン窒素化合物およびアルコキシド等のアニオンの他の複素環式窒素化合物の塩(水酸化物、フェノラート、カルボキシル酸塩、アリルおよびアルキルスルホン酸塩、スルホンアミドを含む)を用いることも可能である。
【0088】
界面活性剤は、コーティングの均一性を向上させるために用いることができ、多種多様なイオンおよび非イオン、モノマー、オリゴマー、およびポリマー種を含む。
【0089】
コーティング欠陥を抑制するために、多種多様な消泡剤を用いることができる。
【0090】
接着促進剤を用いることも可能である。この場合も、この機能を果たすために多種多様な化合物を用いることができる。
【0091】
所望の場合、可塑剤として、オリゴ−およびポリエチレングリコールエーテル、脂環式エステル、および非酸反応性ステロイド誘導材料等の多種多様のモノマー、オリゴマー、およびポリマー可塑剤を用いることができる。しかしながら、上述の化合物の種類も特定の化合物も、包括的または限定的あるいはその両方を意図しているわけではない。
【0092】
これらの上述の添加剤が提供するタイプの機能を実行するために使用可能な広範囲の市販の製品については、当業者には認識されていよう。
【0093】
一実施形態においては、フォトレジスト配合物の全ての添加剤の総量(本発明の添加ポリマーの追加前)は、フォトレジスト配合物に含まれる固体の20重量%未満を構成する。別の実施形態では、フォトレジスト配合物の全ての添加剤の総量(本発明の添加ポリマーの追加前)は、フォトレジスト配合物の5重量%未満を構成する。
【0094】
フォトレジスト配合物の残り部分は、キャスティング溶剤から成る。キャスティング溶剤の選択は、フォトレジスト成分の可溶性および混和性、コーティング・プロセス、および安全性および環境規制に限らず多くの要因によって左右される。更に、他のフォトレジスト成分に対して不活性であることが望ましい。一実施形態では、キャスティング溶剤は、均一な膜コーティングを可能とすると共に、塗布後のベーキング・プロセスの間に残りの溶剤を実質的に軽減または完全に除去することができる適切な揮発性を有することができる。例えば、Eds. Thompson等のIntroduction to Microlithographyを参照のこと。フォトレジスト配合物を多層像形成プロセスにおいて用いる場合、像形成層フォトレジストで用いるキャスティング溶剤は、下にある材料に対する溶剤でないことが好ましい。そうでない場合は、不要な混合が生じる可能性がある。本発明は、いずれかの特定のキャスティング溶剤の選択に限定されない。適切なキャスティング溶剤は、一般に、エーテル、エステル、ヒドロキシル、およびケトンを含有する化合物、またはこれらの化合物の混合物から選択することができる。適切な溶剤の例は、二酸化炭素、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エチル3−エトキシプロピオナート(EEP)、EEPおよびγ−ブチロラクトン(GBL)の組み合わせ、乳酸エチル等の乳酸エステル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)等のアルキレングリコールアルキルエーテルエステル、メチルセロソルブ等のアルキレングリコールモノアルキルエステル、酢酸ブチル、および2−エトキシエタノールを含む。一実施形態では、溶剤は、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、エチル3−エトキシプロピナート、およびそれらの混合物を含む。上述のキャスティング溶剤の列挙は例示の目的のみで挙げたものであり、包括的であると考えるべきではなく、溶剤の選択は本発明を限定するものとして考えるべきではない。キャスティング溶剤としていずれかの数の溶剤または溶剤混合物を使用可能であることは、当業者には認められよう。
【0095】
一実施形態において、キャスティング溶剤を構成するのは、フォトレジスト配合物(本発明の添加ポリマーの追加前)の総重量の約50%超である。別の実施形態では、キャスティング溶剤を構成するのは、フォトレジスト配合物(本発明の添加ポリマーの追加前)の総重量の約80%超である。
【0096】
本発明の別の実施形態においては、本発明のトップコートなしのフォトレジスト組成物を含むトップコートなしのフォトレジストをパターニングする方法が提供される。一実施形態では、トップコートなしのフォトレジストをパターニングする方法は、193nm水液浸リソグラフィを用いる。別の実施形態では、添加ポリマーは、スルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を含む。更に別の実施形態では、添加ポリマーは、トリフルオロメタンスルホンアミド基および分岐連結基を有する反復単位を含む。
【0097】
本発明のトップコートなしのフォトレジスト組成物を用いてトップコートなしのフォトレジストをパターニングする方法は、
(a)本発明のトップコートなしのフォトレジスト組成物の層を基板上に塗布するステップと、
(b)任意に、トップコートなしのフォトレジストをベーキングするステップと、
(c)トップコートなしのフォトレジストをパターン状に露光するステップと、
(d)任意に、露光したトップコートなしのフォトレジストをベーキングするステップと、
(e)トップコートなしのフォトレジストを現像してトップコートなしのフォトレジストの部分を選択的に除去するステップと、
を含む。
【0098】
トップコートなしのフォトレジストは典型的に、スピン・コーティングによって基板上に塗布される。しかしながら、スプレー・コーティング、ディップ・コーティング、ドクター・ブレード、ロール・コーティング等も使用可能である。基板は、シリコンおよび二酸化ケイ素、および他の無機酸化物、窒化物、および炭化物を含む無機材料のウェハまたはシートを含むことができる。また、基板は、単一または多層のBARC、パターニング・フォトレジスト、スピン・オン炭素層、平坦化層、キャップ層、シード層、誘電層、金属層、および他の半導体デバイスの基礎レベルを含む1つ以上の追加層を含む場合がある。
【0099】
トップコートなしのフォトレジストを塗布した後、基板を任意に高温でベーキングして、残りのキャスティング溶剤を除去し、トップコートなしのフォトレジスト膜の密度を上げることができる。典型的な塗布後ベーキング(PAB)温度は、60℃から150℃、更に典型的には70℃から120℃、更に典型的には80℃から100℃の範囲である。塗布後ベーキングは1秒間から10分間以上にわたって継続することができるが、典型的な塗布後ベーキングは30から90秒間継続する。
【0100】
フォトレジストの膜厚は、1nmから5000nmの範囲とすることができる。193nm水液浸リソグラフィにおいて用いられる典型的なトップコートなしのフォトレジストの厚さは、40から150nmの範囲である。EUVまたは電子ビーム・リソグラフィではもっと薄いフォトレジスト厚が好ましい場合があり、248nm、365nm、または436nmのリソグラフィではもっと厚い層が好ましい場合がある。
【0101】
フォトレジストは、紫外線照射(例えばi線またはg線)、深紫外線照射(例えば260nm未満の波長)、極紫外線照射、または電子ビーム照射を用いて露光することができる。特に有用な波長は、254nm、248nm、193nm、157nm、および13.5nmを含む。一実施形態においては、193nm液浸リソグラフィを用いてフォトレジストを露光することができる。更に別の実施形態では、193nm水液浸リソグラフィを用いてトップコートなしのフォトレジストを露光することができる。水は、高い透過性、良好な屈折率、良好な表面張力対粘度比、優れた熱特性、低コスト、低毒性、および高純度での高い可用性のために、特に適切な液浸流体である。
【0102】
代替的な液浸流体は、酸の水溶液、無機塩およびアンモニウム塩を含むイオン種、水溶性有機化合物、界面活性剤、ミセル、およびナノ粒子を含む。更に別の液浸流体は、炭化水素液を含む。炭化水素液浸流体は、直鎖、分岐、環式、および多環式の飽和アルカンを含むことができる。これらのうち、8から12の炭素の飽和多環式アルカンは、193nmにおいて高い屈折率および適切な透過性の特に有利な組み合わせを有する。炭化水素液浸流体の例は、オクタヒドロインデン、1,1−ビシクロヘキシル、シス−デカヒドロナフタレン、トランス−デカヒドロナフタレン、シス/トランス−デカヒドロナフタレン、およびエクソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンを含む。また、水および炭化水素ベースの液浸流体は更にナノ粒子を含むことができる。適切なナノ粒子材料の例は、酸化ハフニウム、ルテニウムアルミニウムガーネット、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化ケイ素を含む。また、ナノ粒子は、リガンドまたは表面グラフト界面活性剤を含むことができ、これはナノ粒子の分散を安定化させると共に凝集を防ぐ。
【0103】
露光の後、トップコートなしのフォトレジストに露光後ベーキング(PEB)を任意に行って化学反応を促進することができる。PEB温度は、50から150℃、具体的には60と140℃との間であり、更に具体的には70と130℃との間の範囲とすることができる。露光後ベーキング・プロセスは、1秒から10分間、更に好ましくは2秒から2分間、いっそう好ましくは10秒から1分間継続することができる。
【0104】
トップコートなしのフォトレジストを現像するために用いる現像剤の具体的な組成は、フォトレジスト材料、添加剤、および結果として得られるパターンの所望のトーンに依存する。
【0105】
一実施形態においては、標準的なアルカリ性フォトレジスト現像剤(通常は0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いてトップコートなしのフォトレジストを現像する。別の実施形態では、有機溶剤を用いてトップコートなしのフォトレジストを現像することができる。フォトレジストの露光領域を除去する場合、適切な有機溶剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール、およびそれらの混合物を含む。架橋ネガティブ・トーン・トップコートなしフォトレジストを用いる場合は、架橋フォトレジスト材料の膨張が許容可能な限度内にある限り、非露光のフォトレジスト材料を選択的に除去するために多種多様な有機溶剤を使用可能である。トップコートなしのフォトレジストが架橋メカニズムでなく極性変化メカニズムによって作用する場合、非露光領域のみを溶解するために選択的有機溶剤を用いなければならない。この目的に合う適切な有機溶剤はアニソールおよびn−酢酸ブチルを含む。
【0106】
あるいは、下にあるフォトレジスト材料を現像する前に、有機溶剤を用いて、フォトレジスト膜の空気界面における添加ポリマーの表面濃縮層を選択的に除去することができる。かかる添加剤の除去は光学PEBプロセスの前または後に実行可能である。
【0107】
結果として得られるフォトレジスト・パターンを、直接用いるか、または更に操作することができる。追加の操作は、様々なリソグラフィ、表面改質、トリミング、および付着プロセスを含み、特にダブル・パターニング・リソグラフィ・プロセスに必要とされる。フォトレジスト・パターンを用いて、イオン注入の間に基板を保護することができる。特に、フォトレジスト・パターンは、最終的には下にある基板に転写することができる。パターン転写は、ドライまたはウェット・エッチング・プロセスにより達成可能である。特に、基板の化学的性質に応じて、酸素またはフッ素含有ガスを用いた反応性イオン・エッチング(RIE)を用いて、パターンを転写することができる。基板が底部反射防止コーティング(BARC)層を含む場合、パターンを下にある基板に転写する前に、ブレイクスルー・エッチ・プロセスが必要であることがある。光像形成可能または現像可能BARCを用いる場合、かかるプロセスは必要でないことがある。酸化物層等の誘電材料にパターンを転写する場合、結果として得られるフィーチャにライニングを施し、次いでアルミニウム、銅、またはタングステン等の導電性金属を充填して、金属ワイヤ、相互接続、および接点を形成することができる。
【0108】
本発明について、上述した実施形態に関連付けて記載したが、前述の記載およびこの後の例は例示を意図したものであり、本発明の範囲の限定ではないことは理解されよう。また、本明細書に述べた実施形態および例は網羅的なものではなく、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には本発明の変更および変形が明らかとなることも理解されよう。
【0109】
実験
本明細書に述べたような本発明の態様および実施形態をどのように生成し使用するかについての完全な開示を当業者に提示するために、以下の例を与える。量、温度等の変数に関する正確さを確実とするように努めたが、実験上のエラーおよびずれが考慮に入れられるべきである。全ての構成要素は、特に指示しない限り、市販のものであった。
【0110】
特に指示しない限り、部分は重量での部分であり、温度は℃であり、圧力は大気または大気に近いものである。セントラル硝子(日本、東京)から、1,1,1−3,3,3−ヘキサフルオロプロプ−2−イルメタクリレート(HFIMPA)、5/6−((トリフルオロメチルスルホンアミド)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメタクリレート(AMNB−Tf−MA)および2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)、5/6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イルメタクリレート(NBHFAMA)、1−シクロヘキシル−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−イルメタクリレート(MA−ACH−HFA)、および1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−ペンタン−4−イルメタクリレート(MA−BTHB−OH)を得た。Sigma-Aldrich(米国ミズーリ州セントルイス)から、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)を得た。東京応化工業(TOK)(日本、東京)からTSP−3Aを得た。更に、他の全ての開始材料は、市販のものから得るか、または既知の手順を用いて合成した。
【0111】
適宜、例において以下の技法および設備を用いた。すなわち、Avance 400分光計で室温において
1H、
13C、および
19FNMRスペクトルを得た。アセトン−d
6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いて定量的インバース・ゲート
13C NMRスペクトルを得た。TA Instrument Hi-Res TGA 2950熱重量測定分析器で、N
2において5℃/分の加熱速度で熱重量測定分析(TGA)を行った。TA Instruments DSC 2920調節差動スキャニング熱量計で、5℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定(DSC)を行った。サンプルを130℃に昇温し、室温に冷却し、次いで250℃に昇温した。2回目の加熱からのデータを用いてガラス転移温度を求めた。溶離剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、ポリスチレン標準に対して、Waters Model 150クロマトグラフによりサイズ除外クロマトグラフィを用いて分子量を測定した。KBrプレート上の膜キャストでNicolet 510 FT-IR分光計でIRスペクトルを記録した。Tencor alpha-step 2000またはNanospecで膜厚を測定した。MAXTECInc. PLO-10フェーズ・ロック発振器による水晶振動子微量天秤(QCM)を用いて、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(FujiFILM Optiyield CD)におけるレジスト膜の溶解反応速度を研究した。193nm乾式露光ツール(ISI、0.6NA、COGマスク)または193nm干渉計露光ツールでリソグラフィ評価を行った。
【0112】
FDS FutureDigital Scientific Corporation(米国ニューヨーク州ニューヨーク)からのOCAビデオ・ベース接触角システムで水接触角を測定した。この際、ベーキングによりキャスティング溶剤を除去した後にポリマー混合物に対して静滴法を用いた。報告した接触角は、液滴を形成する固体表面と、液滴表面/固体表面界面における液滴表面に対する接線との角度である。傾斜ステージ法を用いて前進接触角および後退接触角を測定した。提示する静止接触角は、2μLの脱イオン水滴の4回の測定の平均を計算した値である。静止接触角(SCA)は、非傾斜基板上で(すなわち地面に平行な水平表面上で)測定される。傾斜接触角は、基板上に50μLの脱イオン水の液滴を置くことによって測定される。その後、液滴が動き始めるまで、基板を徐々に(水平方向に対して)垂直方向に傾斜させる。液滴が動き始める直前に、静止前進接触角(SACA)、静止後退接触角(SRCA)、および傾斜角を記録する。提示する前進および後退接触角は、3回から5回の間の測定の平均から計算されている。接触角ヒステリシスは、SACAとSRCAとの間の差である。
【0113】
トップコートを用いる1つの目的は、抽出可能な成分がフォトレジストから液浸液体へと浸出するのを防ぐことである。レジスト成分の水への抽出は、WEXAを用いて評価した(Water Extraction Apparatus、Allen等のJ.Photopolym. Sci&Tec、18(5):615〜619(2005年)を参照のこと)。本発明において選択した材料は、制御した再現可能な方法で(時間、速度、体積、接触角等)、水と接触するように設定した。その後、LC/MS/MSを用いてMPI Research(米国ペンシルバニア州ステートカレッジ)によって水を収集して抽出可能な成分について分析した。報告されたのは、レジストの成分であるPAG(光酸発生剤)から発生するスルホン酸塩抽出可能成分の量である。理解を容易にするため、この量を、トップコートを用いないものと比較して、本発明が包含するトップコートを用いて測定した抽出百分率として報告する。全ての場合において、レジストにトップコートを追加した後、抽出可能成分ははるかに少なかった。
【0114】
以下の例2〜15は、既知のスルホンアミド含有メタクリレート・モノマーからのポリマーの合成を記載し、例16〜31は、本発明のスルホンアミド基および分岐連結基を含むメタクリレート・モノマーからのポリマーの合成を記載する。例32は、既知のおよび本発明のトップコート材料のリソグラフィ性能の比較を提示する。例33は、トップコートなしのフォトレジストにおける既知のおよび本発明の添加ポリマーのリソグラフィ性能の比較を提示する。
【0115】
例2〜33では、以下の省略形に従って材料を標示する。P=ポリマー、TC=トップコート・ポリマー、A=添加ポリマー、R=フォトレジスト、およびTCF−R=トップコートなしのフォトレジスト。場合によっては、ある材料をトップコートとしておよび添加ポリマーとしての双方で評価することがあり、従って多数の標示で示すことがある。
【0116】
例1
合成重合
本明細書におけるポリマーを調製するために用いる代表的なラジカル重合手順は以下の通りである。すなわち、100mLの丸底フラスコに、モノマー(1eq)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(0.04eq)を加えた。メチルエチルケトン(OMNISOLV(R)、試薬グレード、EM Industries、米国ニューヨーク州ホーソン)を加えて、約25重量%固体溶液を用意した。ゴム隔壁を有する還流凝集器を加えて、強く攪拌しながら窒素を用いた3回の順次ポンプ−埋め戻しサイクルにより溶液から酸素を除去した。フラスコを正の窒素圧のもとに置いた後、還流で一晩、反応物を加熱した。反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却して、ポリマー溶液を非溶剤(典型的にヘキサンまたはメタノール)に沈殿させた。沈殿したポリマーをセラミック・フリット・ブフナー漏斗(中程度の多孔)に収集した。残りのモノマーおよび他の重合の副生成物を除去するのに必要な回数だけ、ポリマーをメチルエチルケトンから非溶剤に再沈殿させた(典型的には合計2〜3回の沈殿)。セラミック・フリット・ブフナー漏斗(中程度の多孔)で最終的なポリマーを分離させ、追加の非溶剤で洗浄した。真空下で70℃と80℃との間でポリマーを乾燥させ、その後、真空下で室温に冷却させた。
【0117】
例2
ポリ(MA−BTHB−OH)の合成(P1)
【化5】
100mLの丸底フラスコに、5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−イルメタクリレート(MA−BTHB−OH)(5.0g、17.0mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(112mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(15g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。ポリマーをヘキサンで1回洗浄し、その後に真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:3.9g(78%)、M
n:8350、PDI:1.73、T
g:104℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は145nm/sであった。SCA:84.6°、SACA:86.1°、SRCA:70.0°、ヒステリシス:16.1°、傾斜:14.5°であった。
【0118】
例3
ポリ(NBHFAMA)の合成(P2)
【化6】
100mLの丸底フラスコに、5/6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメタクリレート(NBHFAMA)(3.0g、8.3mmol)、1−ドデカンチオール(50mg、0.25mmol、0.03eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(55mg、0.04eq)、およびテトラヒドロフラン(8mL)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを500mLのヘキサンに沈殿させた。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.73g(58%)、M
n:9290、PDI:1.32、T
g:159℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0.4nm/sであった。SCA:77.3°、SACA:81.4°、SRCA:64.5°、ヒステリシス:16.9°、傾斜:15.3°であった。
【0119】
例4
ポリ(EATf−MA)の合成(P3)
【化7】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)(13.06g、50mmol)、1−ドデカンチオール(202mg、1mmol、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(40mL)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。反応容器に窒素を流し、加熱して、窒素雰囲気のもとで還流させた。フラスコをわずかに冷却し、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(324mg、0.04eq)を窒素流のもとで加えた。次いで反応容器を再加熱して還流させ、一晩反応させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを3.5Lのヘキサンに沈殿させて30分間攪拌した。中程度の多孔のセラミック・フリット・ブフナー漏斗でポリマーを分離させ、3x150mLのヘキサンで洗浄し、真空乾燥させた。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた。T
g:73℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は3000nm/sであった。SCA:74.1°、SACA:84.2°、SRCA:47.0°、ヒステリシス:37.2°、傾斜:34.7°であった。
【0120】
例5
ポリ(1,4−CHTf−MA)の合成(P4)
【化8】
100mLの丸底フラスコに、4−(トリフルオロメチルスルホンアミド)シクロヘキシルメタクリレート(1,4−CHTf−MA)(2.9g、11mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(70mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(12g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを150mLのヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:2.6g(89%)、M
n:7930、PDI:1.3、T
g:180℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は220nm/sであった。SCA:64.8°、SACA:81.1°、SRCA:47.8°、ヒステリシス:33.3°、傾斜:30.7°であった。
【0121】
例6
ポリ(AMNB−Tf−MA)の合成(P5)
【化9】
100mLの丸底フラスコに、5/6−(トリフルオロメチルスルホンアミド)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメタクリレート(AMNB−Tf−MA)(3g、8.79mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(58mg、0.04eq)、1−ドデカンチオール(36mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(12g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを160mLのヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:2.57g(86%)、M
n:11360、PDI:1.47、T
g:148℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は150nm/sであった。SCA:69°、SACA:76°、SRCA:56°、ヒステリシス:20°、傾斜:18°であった。
【0122】
例7
ポリ(MA−BTHB−OH/HFIPMA)(95:10)の合成(TC4)
【化10】
セントラル硝子(日本、東京)からポリマーを得た。ポリマーに組み込まれたMA−BTHB−OH:HFIPMAの比は、
19FNMRにより90:10と求められた。アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いてインバース・ゲート
13C NMRにより最終組成物は88:12と求められた。M
n:9720g/mol、PDI:1.36、T
g:100℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は22nm/sであった。SCA:87.9°、SACA:89.1°、SRCA:69.4°、ヒステリシス:19.7°、傾斜:17.7°であった。
【0123】
例8
ポリ(MA−BTHB−OH/HFIPMA)(80:20)の合成(TC5)
【化11】
セントラル硝子(日本、東京)からポリマーを得た。ポリマーに組み込まれたMA−BTHB−OH:HFIPMAの比は、
19FNMRにより80:20と求められた。アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いてインバース・ゲート
13C NMRにより最終組成物は79:21と求められた。M
n:10540g/mol、PDI:1.28、T
g:92℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は2.4nm/sであった。SCA:89.6°、SACA:89.4°、SRCA:72.2°、ヒステリシス:17.2°、傾斜:16.4°であった。
【0124】
例9
ポリ(EATf−MA/HFIPMA)(70:30)の合成(TC6)
【化12】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)(4.00g、15.3mmol、0.7eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HEIPMA)(1.55g、6.56mmol、0.3eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(72mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(12g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、反応混合物を真空内で最初の体積の〜60%まで濃縮させた。ポリマーを150mLのNovec(TM)HFE−7100(3M(TM) Corporation)に沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、74:26であった。歩留まり:3.3g(60%)、T
g:93℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は400nm/sであった。SCA:83.9°、SACA:92.6°、SRCA:61.1°、ヒステリシス:31.5°、傾斜:28.2°であった。
【0125】
例10
ポリ(MA−ACH−HFA/EATf−MA)(70:30)の合成(A1)
【化13】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)(0.77g、2.96mmol、0.3eq)、1−シクロヘキシル−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−1−イルメタクリレート(MA−ACH−HFA)(2.5g、6.90mmol、0.70eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(64.7mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(7g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、濃い液体が得られるまで真空内で溶剤を除去した。フラスコにNovec(TM)HFE−7100(80mL)を加えてポリマーを沈殿させた。ポリマーをHFE−7100内で30分間攪拌し、中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いて分離させた。白いポリマーを80mLのHFE−7100に再び懸濁させ、更に15分間攪拌した。ブフナー漏斗を用いたポリマーの最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれたMA−ACH−HFA:EATf−MAの比は、
19FNMRにより67:33と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、65:35であった。歩留まり:2.11g(65%)、M
n:3240g/mol、PDI:1.84、T
g:89℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:91.6°、SACA:91.7°、SRCA:74.8°、ヒステリシス:16.9°、傾斜:15.5°であった。
【0126】
例11
ポリ(MA−BTHB−OH/ECPMA/HFIPMA)(20:50:30)の合成(A2)
【化14】
5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−イルメタクリレート(MA−BTHB−OH)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)、および1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)から、Allen等の米国特許第2008/0193879A1号に概説された手順に従って調製した。ポリマーに組み込まれたMA−BTHB−OH:HFIPMAの比は、
19FNMRにより1.00:1.36と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、19:47:34であった。M
n:3570g/mol、PDI:1.44、T
g:59℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:95.7°、SACA:98.5°、SRCA:77.2°、ヒステリシス:21.3°、傾斜:18.1°であった。
【0127】
例12
ポリ(EATf−MA/ECPMA/HFIPMA)(20:50:30)の合成(A3)
【化15】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)(2.00g、7.66mmol、0.2eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(3.68g、19.1mmol、0.5eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)(2.70g、11.5mmol、0.3eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(126mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(16.8g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、反応混合物を真空内で最初の体積の〜60%まで濃縮させた。ポリマーを150mLのNovec(TM)HFE−7100(3M Corporation)に沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれたEATf−MA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより1.0:1.37と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、19:53:27であった。歩留まり:3.9g(47%)、M
n:9680g/mol、PDI:1.38、T
g:95℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:96.4°、SACA:96.4°、SRCA:73.6°、ヒステリシス:22.8°、傾斜:20.0°であった。
【0128】
例13
ポリ(MA−BTHB−OH/ECPMA/3FMA)(10:70:20)の合成(A4)
【化16】
5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−イルメタクリレート(MA−BTHB−OH)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)、および2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)から、Allen等の米国特許第2008/0193879A1号に概説された手順に従って調製した。ポリマーに組み込まれたMA−BTHB−OH:3FMAの比は、
19FNMRにより1.0:2.04と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、7:73:20であった。M
n:2660g/mol、PDI:1.63、T
g:75℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:89.7°、SACA:89.6°、SRCA:68.6°、ヒステリシス:21.0°、傾斜:19.4°であった。
【0129】
例14
ポリ(NBHFAMA/ECPMA/3FMA)(10:70:20)の合成(A5)
【化17】
5/6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメタクリレート(NBHFAMA)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)、および2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)から、Allen等の米国特許第2008/0193879A1号に概説された手順に従って調製した。ポリマーに組み込まれたNBHFAMA:3FMAの比は、
19FNMRにより1.0:2.17と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、19:72:9であった。M
n:3000g/mol、PDI:1.55、T
g:58℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:90.1°、SACA:89.6°、SRCA:71.5°、ヒステリシス:18.1°、傾斜:17.8°であった。
【0130】
例15
ポリ(EATf−MA/ECPMA/3FMA)(10:70:20)の合成(A6)
【化18】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)エチルメタクリレート(EATf−MA)(1g、3.83mmol、0.1eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(4.88g、26.8mmol、0.7eq)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)(1.29g、7.66mmol、0.2eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(251mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(21g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰メタノールに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをメタノールで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれたEATf−MA:3FMAの比は、
19FNMRにより1:2.13と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、9:71:20であった。歩留まり:2.33g(31%)、M
n:6630g/mol、PDI:1.56、T
g:82℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:89.3°、SACA:88.7°、SRCA:71.1°、ヒステリシス:17.7°、傾斜:16.4°であった。
【0131】
例16
ポリ(1−Me−EATf−MA)の合成(P6)
【化19】
100mLの丸底フラスコに、1−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロパン−2−イルメタクリレート(1−Me−EATf−MA)(2.0g、7.3mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(48mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(6g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを500mLのヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.66g(64%)、T
g:109℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は1110nm/sであった。SCA:72.9°、SACA:81.3°、SRCA:60.6°、ヒステリシス:20.7°、傾斜:18.1°であった。
【0132】
例17
ポリ(1−Et−EATf−MA)の合成(P7)
【化20】
100mLの丸底フラスコに、1−(トリフルオロメチルスルホンアミド)ブタン−2−イルメタクリレート(1−Et−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(22.5mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(2g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを400mLのヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.34g(67%)、T
g:101℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は455nm/sであった。SCA:78.7°、SACA:83.3°、SRCA:66.5°、ヒステリシス:16.8°、傾斜:15.1°であった。
【0133】
例18
ポリ(2−Me−EATf−MA)の合成(P8)
【化21】
100mLの丸底フラスコに、1−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2−Me−EATf−MA)(2.96g、10.8mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(70mg、0.04eq)、1−ドデカンチオール(87mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(12g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを150mLのヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:2.1g(72%)、M
n:7084g/mol、PDI:1.41、T
g:82℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は1270nm/sであった。SCA:81.6°、SACA:88.1°、SRCA:56.0°、ヒステリシス:32.1°、傾斜:29.6°であった。
【0134】
例19
ポリ(2−Et−EATf−MA)の合成(P9)
【化22】
100mLの丸底フラスコに、2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)ブチルメタクリレート(2−Et−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(45mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(6g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.49g(75%)、M
n:9270g/mol、PDI:2.21、T
g:111℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は430nm/sであった。SCA:79.9°、SACA:88.4°、SRCA:61.7°、ヒステリシス:26.7°、傾斜:23.6°であった。
【0135】
例20
ポリ(2−TFE−EATf−MA)の合成(P10)
【化23】
100mLの丸底フラスコに、4,4,4−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)ブチルメタクリレート(2−TFE−EATf−MA)(2.5g、7.3mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(47.8mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(5g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:2.24g(90%)であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は410nm/sであった。SCA:76.4°、SACA:87.6°、SRCA:61.2°、ヒステリシス:26.4°、傾斜:23.8°であった。
【0136】
例21
ポリ(2−iPr−EATf−MA)の合成(P11)
【化24】
100mLの丸底フラスコに、3−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)ブチルメタクリレート(2−iPr−EATf−MA)(2.0g、6.6mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(43mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(6g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.47g(74%)、M
n:11080g/mol、PDI:2.13、T
g:120℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は220nm/sであった。SCA:82.2°、SACA:90.6°、SRCA:66.0°、ヒステリシス:24.6°、傾斜:22.2°であった。
【0137】
例22
ポリ(2−iBu−EATf−MA)の合成(P12)
【化25】
100mLの丸底フラスコに、4−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)ペンチルメタクリレート(2−iBu−EATf−MA)(2.5g、7.9mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(51.7mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(7.5g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.35g(54%)、M
n:7770g/mol、PDI:1.32、T
g:114℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は118nm/sであった。SCA:87.7°、SACA:94.0°、SRCA:70.9°、ヒステリシス:23.1°、傾斜:20.1°であった。
【0138】
例23
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA)の合成(P13)
【化26】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(45.4mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(6g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。歩留まり:1.6g(80%)、M
n:11840g/mol、PDI:2.13、T
g:112℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は920nm/sであった。SCA:84.9°、SACA:90.3°、SRCA:71.4°、ヒステリシス:18.9°、傾斜:17.8°であった。
【0139】
例24
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/HFIPMA)(80:20)の合成(TC8)
【化27】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol、0.8eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)(0.41g、1.7mmol、0.2eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(56.8mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(7.25g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれた2,2−diMe−EATf−MA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより85:15と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、85:15であった。歩留まり:1.6g(66%)、M
n:9060g/mol、PDI:1.95、T
g:118℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は370nm/sであった。SCA:85.8°、SACA:90.9°、SRCA:71.4°、ヒステリシス:19.5°、傾斜:17.3°であった。
【0140】
例25
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/HFIPMA)(70:30)の合成(TC9/A7)
【化28】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol、0.7eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)(0.70g、3.0mmol、0.3eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(64.9mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(9g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれた2,2−diMe−EATf−MA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより74:26と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、74:26であった。歩留まり:1.9g(69%)、M
n:8620g/mol、PDI:1.61、T
g:116℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は160nm/sであった。SCA:89.4°、SACA:92.3°、SRCA:73.0°、ヒステリシス:19.3°、傾斜:17.2°であった。
【0141】
例26
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/MA−MBTCH−HFA)(70:30)の合成(TC10/A8)
【化29】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(1.50g、5.2mmol、0.7eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(MA−MBTCH−HFA)(1.11g、2.2mmol、0.3eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(48.7mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(6g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。結果として得られたポリマー粉末を、Novec(TM)HFE−7100内で30分間攪拌して、残りのモノマーを抽出した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように68:32でり、
19FNMRにより72:27であった。歩留まり:1.6g(60%)、M
n:15700g/mol、PDI:2.3、T
g:133℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は275nm/sであった。SCA:84.7°、SACA:91.2°、SRCA:73.3°、ヒステリシス:17.9°、傾斜:16.5°であった。
【0142】
例27
ポリ(MA−ACH−HFA/2,2−diMe−EATf−MA)(70:30)の合成(A9)
【化30】
100mLの丸底フラスコに、1−シクロヘキシル−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−イルメタクリレート(MA−ACH−HFA)(2.5g、6.90mmol、0.70eq)、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(0.86g、2.96mmol、0.30eq)、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−シクロヘキシル−ブト−2−イルメタクリレート(2.5g、6.90mmol、0.7eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(64.7mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(7g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、濃い液体が得られるまで真空内で溶剤を除去した。フラスコにNovec(TM)HFE−7100(80mL)を加えてポリマーを沈殿させた。ポリマーをHFE−7100内で30分間攪拌し、中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いて分離させた。白いポリマーを80mLのHFE−7100に再び懸濁させ、更に15分間攪拌した。ブフナー漏斗によるポリマーの最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれたMA−ACH−HFA:2,2−diMe−EATf−MA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより67:33と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、71:29であった。歩留まり:2.1g(62%)、M
n:8350g/mol、PDI:2.65、T
g:103℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0.25nm/sであった。SCA:92.6°、SACA:91.8°、SRCA:77.7°、ヒステリシス:14.1°、傾斜:13.0°であった。
【0143】
例28
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/ECPMA)(50:50)の合成(A10)
【化31】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(2.0g、6.9mmol、0.50eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(1.3g、6.9mmol、0.50eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(90.8mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(7g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。結果として得られたポリマー粉末を、Novec(TM)HFE−7100内で30分間攪拌して、残りのモノマーを抽出した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、50.5:49.5であった。歩留まり:1.6g(48%)、M
n:12050g/mol、PDI:1.56、T
g:115℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は膨張+6.5nm/sであった。SCA:85.9°、SACA:88.3°、SRCA:70.6°、ヒステリシス:17.7°、傾斜:16.6°であった。
【0144】
例29
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/ECPMA/HFIPMA)(30:40:30)の合成(A11)
【化32】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(1.50g、5.2mmol、0.30eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(1.26g、6.9mmol、0.40eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)(1.22g、5.2mmol、0.30eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(114mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(10mL)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、ポリマーを30倍過剰ヘキサンに沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーをヘキサンで1回洗浄した。ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれた2,2−diMe−EATf−MA/ECPMA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより1:0.81と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、35:33:32であった。歩留まり:0.9g(23%)、M
n:11170g/mol、PDI:1.43、T
g:105℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は膨張+0.1nm/sであった。SCA:93.5°、SACA:94.0°、SRCA:74.1°、ヒステリシス:19.9°、傾斜:17.6°であった。
【0145】
例30
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/ECPMA/HFIPMA)(20:50:30)の合成(A12)
【化33】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(1.50g、5.10mmol、0.20eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(2.36g、13.0mmol、0.50eq)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルメタクリレート(HFIPMA)(1.84g、7.78mmol、0.30eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(85.1mg、0.02eq)、およびメチルエチルケトン(11.5g)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、反応混合物を真空内で最初の体積の〜60%まで濃縮させた。ポリマーを150mLのNovec(TM)HFE−7100(3M(TM) Corporation)に沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれた2,2−diMe−EATf−MA:HFIPMAの比は、
19FNMRにより1:1.33と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、17:56:27であった。歩留まり:1.8g(32%)、M
n:12070g/mol、PDI:1.44、T
g:100℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:94.9°、SACA:95.9°、SRCA:78.4°、ヒステリシス:17.5°、傾斜:15.6°であった。
【0146】
例31
ポリ(2,2−diMe−EATf−MA/ECPMA/3FMA)(10:70:20)の合成(A13)
【化34】
100mLの丸底フラスコに、2−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホンアミド)プロピルメタクリレート(2,2−diMe−EATf−MA)(0.75g、2.59mmol、0.10eq)、1−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)(3.31g、18.1mmol、0.70eq)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)(0.87g、5.19mmol、0.20eq)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(85mg、0.04eq)、およびメチルエチルケトン(10mL)を加えた。還流凝集器および隔壁を加えた。強く攪拌しながら、反応容器に3回のポンプ−埋め戻しサイクルを行った。反応フラスコを窒素下に置いて、オイルバスに移し、一晩還流させた。完了したら、反応フラスコを室温に冷却し、溶液を真空内で約60%まで濃縮させ、ポリマーを150mLのNovec(TM)HFE−7100に沈殿させた。中程度の多孔セラミック・フリット・ブフナー漏斗を用いてポリマーを分離させた。白いポリマーを最小量のメチルエチルケトンに再び溶解させ、沈殿プロセスを1回繰り返した。ブフナー漏斗における最後の分離の際に、ポリマーを真空内で80℃で一晩乾燥させた。ポリマーを真空下で室温に冷却させた後、歩留まりを求めた。ポリマーに組み込まれた2,2−diMe−EATf−MA:3FMAの比は、
19FNMRにより1:2.05と求められた。最終的な組成物は、アセトン−d6において緩和剤としてCr(acac)
3を用いたインバース・ゲート
13C NMRにより求められたように、7:76:17であった。歩留まり:1.8g(37%)、M
n:10650g/mol、PDI:1.56、T
g:89℃であった。0.26N TMAHにおける溶解速度は0nm/sであった。SCA:89.6°、SACA:91.3°、SRCA:73.4°、ヒステリシス:17.9°、傾斜:14.1°であった。
【0147】
例32
トップコート材料の配合物およびリソグラフィ特性
4−メチル−2−ペンタノール(5wt%固体)にトップコート・ポリマーを溶解し、0.2μmPTFEフィルタでろ過することによって、トップコート溶液を調製した。
【0148】
リソグラフィ評価のため、JSR AR1682Jフォトレジストを、780オングストロームの反射防止コーティング(ARC−29A、Brewer Science)で被覆した5インチの直径のシリコン・ウェハ上で、3400rmpで30秒間回転させた。スピン・コーティングの後、110℃で60秒間、ウェハに塗布後ベーキングを行った。(典型的に3400rpmで60秒間のスピン・コーティングにより)トップコートを塗布した後、90℃で60秒間、塗布後ベーキングを行った。液浸流体として水を用いて、193nm液浸干渉ツールを用いてライン・スペース・パターンを像形成した。露光後、典型的に110℃で、60秒間、露光後ベーキングを行った。PEBの後、フォトレジストを、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)(Optiyield CD、富士フィルム)で60秒間現像し、脱イオン水で水洗いし、回転乾燥させた。次いで、得られたフォトレジスト・パターンを、
図5に示すように走査電子顕微鏡を用いて評価した。
【表2】
【0149】
例33
トップコートなしのフォトレジストの配合物およびリソグラフィ特性
PGMEA内の添加剤の5wt%溶液を調製し、0.2μmPTFEフィルタによりろ過した。この添加剤溶液の一部をある量のJSR AR1682J−10フォトレジストに加えて、フォトレジスト溶液の最初の固体含量に対する5wt%の添加剤使用量が達成されるようにして、トップコートなしのフォトレジスト溶液を調製した。フォトレジスト配合物に加えた本発明の実施形態による添加ポリマーの量は、混合物においてフォトレジスト組成物の合計固体含量(本発明の実施形態による添加ポリマーの追加前)の約0.1重量%から約10重量%とすることができるが、通常、最良の性能が観察されるのは、フォトレジスト組成物の合計固体(本発明の実施形態による添加ポリマーの追加前)の約1重量%から約5重量%の添加ポリマー使用量である。結果として得られた溶液を攪拌した後、0.2μmPTFEフィルタによりろ過した。
【0150】
接触角分析のため、トップコートなしのフォトレジスト膜を、780オングストロームのARC−29A(Brewer Science)で被覆した2インチ直径のシリコン・ウェハ上で回転させた。この膜を110℃で60秒間ベーキングした。次いで、前述の手順を用いて水接触角測定を行った。
【0151】
リソグラフィ評価のため、フォトレジストを、780オングストロームの反射防止コーティング(ARC−29A、Brewer Science)で被覆した5インチの直径のシリコン・ウェハ上で、3400rmpで30秒間回転させた。スピン・コーティングの後、110℃で60秒間、ウェハに塗布後ベーキングを行った。193nmのミニステッパ(Ultratech、0.6NA)を用いて一連のオープン・フレーム露光から成る5x25露光量アレイを像形成することによってコントラスト曲線を得た。露光後、熱勾配ホットプレート上で60秒間、露光後ベーキング(PEB)を行った。熱勾配プレートの使用により、単一のウェハを用いて5つの別個の露光後ベーキング温度について別個のコントラスト曲線が得られる。PEBの後、フォトレジストを、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)(Optiyield CD、富士フィルム)で60秒間現像し、脱イオン水で水洗いし、回転乾燥させた。次いで、Nanometrics Nanospec 6100を用いて自動化膜厚測定を行った。コントラスト曲線を用いて、以降のリソグラフィ像形成についてクリアな(E
0)露光量を決定した。
【0152】
リソグラフィ像形成のため、フォトレジストを、780オングストロームの反射防止コーティング(ARC−29A、Brewer Science)で被覆した5インチの直径のシリコン・ウェハ上で、3400rmpで30秒間回転させた。スピン・コーティングの後、110℃で60秒間、ウェハに塗布後ベーキングを行った。液浸流体として水を用いて、193nm液浸干渉ツールを用いてライン・スペース・パターンを像形成した。露光後、典型的に110℃で、60秒間、露光後ベーキングを行った。PEBの後、フォトレジストを、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)(Optiyield CD、富士フィルム)で60秒間現像し、脱イオン水で水洗いし、回転乾燥させた。次いで、
図6に示すように走査電子顕微鏡を用いて、得られた45nmハーフピッチ・ライン・スペース・パターンを評価した。
図7に、より高い解像度の35nmハーフピッチ・ライン・スペース・パターンを示す。
【表3】