(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ナノ粒子を含む流体を保持し、1つまたは複数のプラズモンを生成するために十分な光エネルギーの透過を可能にするように構成されている、少なくとも1つの壁および少なくとも1つのポートを含むチャンバーと、
一つまたは複数のナノ粒子凝集を生成するように、前記1つまたは複数のプラズモンを生成するために十分な光エネルギーを前記チャンバーに供給するように構成された光源と、を含み、
前記一つまたは複数のナノ粒子凝集の生成によって形成された正味力ベクトルは、前記ナノ粒子の一部を前記少なくとも1つのポートに向かって移動させる、ナノ粒子フィルターであって、
光源と通信するプロセッサを更に含み、
前記プロセッサが、
第1の粒子凝集を生成するのに有効である第1のプラズモンを生成するために、第1の光を前記チャンバーの第1の位置へと照射するように前記光源を制御することと、
第2の粒子凝集を生成するのに有効である第2のプラズモンを生成するために、第2の光を前記チャンバーの第2の位置へと照射するように前記光源を制御することとに有効であり、
前記第1および第2の粒子凝集の生成によって形成された正味力ベクトルは、前記ナノ粒子の一部を前記ポートに向かって移動させる、ナノ粒子フィルター。
前記プロセッサが更に、前記入口ポートおよび前記出口ポートと通信し、前記プロセッサがさらに、前記流体を前記チャンバー内へ供給するために前記入口ポートを制御し、前記入口ポートを閉じるために前記入口ポートを制御するのに有効である、請求項13に記載のナノ粒子フィルター。
前記プロセッサが更に、前記入口ポートおよび前記出口ポートと通信し、前記プロセッサがさらに、前記第1の光を照射するために光源を制御し、前記第2の光を照射するために光源を制御するのに有効であるとともに、
前記流体を前記チャンバー内へ供給するために前記入口ポートを制御し、
前記流体を前記チャンバーから外へ供給するために前記出口ポートを制御するのに有効である、請求項13に記載のナノ粒子フィルター。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、別段の記載がない限り、同様の記号は一般に同様の構成部品を示す。詳細な説明、図面および特許請求の範囲で説明される例示的な実施形態は、制限的な意味を有するものではない。本明細書に示された主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することもでき、他の変更を行うこともできる。本明細書で一般に説明され、図において例示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成に配置し、置換し、組み合わせ、分離し、および/または設計することができ、それらは全て明示的に企図され、本開示の一部を形成することができることが容易に理解されよう。
【0009】
本開示は一般に、ナノ粒子フィルターに関する装置、システム、デバイスおよび方法について特に説明する。
【0010】
簡略に述べると、ナノ粒子を流体からある位置へと移動するのに有効なナノ粒子フィルターおよびシステムのための技術が一般に説明される。いくつかの例では、方法は、ナノ粒子を含む流体を提供することを含む。いくつかの例では、方法はさらに、第1の光を流体に照射して第1のプラズモンを生成することを含む。いくつかの例では、第1のプラズモンは、ナノ粒子を凝集してナノ粒子凝集を生成するのに有効である。いくつかの例では、方法は、第2の光を流体に照射して第2のプラズモンを生成することを含む。いくつかの例では、第2のプラズモンは、ナノ粒子凝集をある位置へと移動するのに有効である。
【0011】
図1は、ナノ粒子フィルターシステムの例示的な実施形態の側面図である。いくつかの例では、ナノ粒子フィルターシステム100は、リザーバ106、ナノ粒子フィルター102、および出口容器116を含むことができる。リザーバ106は、ナノ粒子104を含む流体108を保持することができる。いくつかの例では、ナノ粒子フィルター102は、チャンバー140、入口ポート112、出口ポート114、ポート142、およびナノ粒子容器110を含むことができる。入口ポート112は、リザーバ106と流体連通することができる。出口ポート114は、出口容器116と流体連通することができる。以下でより詳細に説明するように、いくつかの例では、リザーバ106からの流体108を、入口ポート112を通してナノ粒子フィルター102へと供給することができる。いくつかの例では、ナノ粒子フィルター102は、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体108からポート142を通して容器110へと移動するように適合することができる。いくつかの例では、容器110は、濾過される流体108と同様の性質の流体媒体で満たすことができる。いくつかの例では、チャンバー140と容器110には重大な圧力差はない。いくつかの例では、チャンバー140は、チャンバー140に光を照射した後に、流体108で満たすことができる(後述)。他の例では、チャンバー140は、ポート142を通してチャンバー140に光を照射する前に、流体108で満たすことができる。いくつかの例では、次いで、流体108より20〜80%少ないナノ粒子104を有する流体108aを、出口ポート114を通して出口容器116へと供給することができる。
【0012】
いくつかの例では、ナノ粒子104は、限定はされないが、回転楕円体、長方形、多角形および球体構造を含む任意の形状、および/または限定はされないが、金属、無機物、セラミック、有機物、有機金属、ポリマー、生化学的物質および生物学的物質などの材料または材料の組み合わせの粒子とすることができ、3つの物理的寸法が全て約1nm〜約100nmの範囲内である。いくつかの例では、流体108は、限定はされないが、酸性または塩基性媒体または有機溶媒または媒体を含む水溶液とすることができる。いくつかの例では、ナノ粒子104は流体108中に懸濁することができる。ナノ粒子104以外の粒子を流体108中に懸濁することもできる。
【0013】
いくつかの技術分野では、ナノ粒子フィルター102を適用するための用例を提供するナノ粒子懸濁液を製造する。例えば、いくつかの免疫測定技術では、タンパク質およびペプチドに金(Au)または銀(Ag)ナノ粒子タグを使用する。免疫測定後にタグ付けされた試料タンパク質を分離または収集する必要がある場合、膜型フィルターを使用せずに、ナノ粒子フィルターによってこの分離を完了することができる。
【0014】
図2は、ナノ粒子フィルターの例示的な実施形態の側面図である。
図2のフィルターは、
図1のシステム100のフィルター102と実質的に同様であり、詳細が追加されている。
図1の構成部品と同様の符号が付された
図2の構成部品は、明確性のために説明を省略する。
【0015】
図2は、ナノ粒子フィルター102内部のナノ粒子104を含む流体118を示す。いくつかの例では、チャンバー140は、少なくとも1つの壁120によって画成することができる。いくつかの例では、壁120は、チャンバー140(後述)に保持された流体に表面プラズモンを結合することができる屈折率を有するガラスまたはプラスチックなどの透明な材料によって構成することができる。いくつかの例では、1.9より大きい屈折率を使用することができる。いくつかの例では、チャンバー140は、幅および長さが約1cm〜約20cmの平行六面体の形状とすることができる。いくつかの例では、壁120は、約0.5mm〜約5mmの厚さを有することができる。ナノ粒子104が、限定はされないが、酸化物、ポリマー、有機化合物、生化学的物質および生物学的物質などの絶縁体を含む例では、壁120は金属膜118で内面被覆することができる。金属膜118は、壁120を均一または非均一に被覆することができ、全ての壁120を被覆することができ、および/または一部の壁120のみを被覆することができる。金属膜118は壁120の一部とすることができる。いくつかの例では、金属膜118は、限定はされないが、金、銀、パラジウム、銅、ロジウムおよび/またはそれらの混合物などを含むことができ、約10nm〜約200nmの厚さを有することができる。ナノ粒子104が導電性または半導電性金属または化合物を含む例では、金属膜118は排除することができる。いくつかの例では、壁120は、以下でより詳細に説明するように、壁120に照射した光の波長を透過することができ、限定はされないが、約1.9〜約2.5の屈折率を有するガラスまたはプラスチックなどの材料で形成することができる。ある例では、ナノ粒子フィルター102は、2つのガラススライドおよびスペーサーから作製することができる。他の例では、チャンバー140は、成形または機械加工によってネット形状に製造または形成することができる。
【0016】
図3、4および5は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態によるナノ粒子フィルターの例示的な実施形態の側面図である。
図3、4、5のフィルターは、
図1および2のフィルター102と実質的に同様であり、詳細が追加されている。
図1および2の構成部品と同様の符号が付された
図3、4および5の構成部品は、明確性のために説明を省略する。
【0017】
図3、4および5は、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体108から除去するためにナノ粒子フィルター102を使用する方法の例を示す。いくつかの例では、ナノ粒子フィルター102は、限定はされないが、レーザー、発光ダイオード、フィルター白色光、フィルター発光管またはフィルター蛍光灯などの光源124を含むことができる。いくつかの例では、光源124は、表面プラズモンポラリトンが金属膜118または金属ナノ粒子104に結合するように、壁120に対して傾斜させることができる。いくつかの例では、光源124およびメモリ128はどちらもプロセッサ126と通信することができる。いくつかの例では、プロセッサ126はさらに、データワイヤまたはワイヤレスネットワークなどの通信リンク113を通して、入口ポート112および出口ポート114と通信することができる。プロセッサ
126は、入口ポート112および出口ポート114を制御して、流体108をチャンバー140内およびチャンバー140外へと供給するように構成することができる。いくつかの例では、1つの光源124をそれぞれの壁120に使用することができる。いくつかの例では、複数の光源を1つまたは複数の壁120のそれぞれに使用することができる。光源124は、壁120を通って金属膜118および/または流体108に入射することができるビーム122を生成するように構成することができる。メモリ128は、光源124を制御するようにプロセッサ126によって使用される命令130のセットを含むように構成することができる。
【0018】
図3を見ると、ナノ粒子104を含む流体108がフィルター102のチャンバー140の内部に示されている。チャンバー140は、流体108を保持するように構成することができる。いくつかの例では、プロセッサ126は、流体108を入口ポート112を通してフィルター102へと供給するように構成することができる。いくつかの例では、プロセッサ126は、流体118をチャンバー140内に入れることができるように、入口ポート112および出口ポート114を閉じるように構成することができる。いくつかの例では、流体118を、入口ポート112および出口ポート114を通して、毎分0.1立法センチメートル(ccm)未満の流速で連続的に供給することができる。
【0019】
いくつかの例では、流体108をチャンバー140内部に保持しながら、プロセッサ126を、光ビーム122aを壁120の第1の位置136aに、プラズモンを金属膜118またはナノ粒子104に結合させることができる入射角で照射するために、光源124を制御するように構成することができる。特定の角度は、波長、屈折率、金属膜118の化合物および厚さ、ならびにナノ粒子104の化合物およびサイズ範囲の関数とすることができる。いくつかの例では、ビーム122aは、約300nm〜約700nmなどの波長の光とすることができる。ビーム122は、単偏光波長、波長帯域または複数の波長を含むことができ、パルス、連続または他のデューティサイクルとすることができる。用途によって、様々な構成の波長および入射角を使用することができる。10〜60nmのサイズの無機酸化物ナノ粒子を分離するための例では、30〜60度の角度で入射する600nmの赤色光を使用して、Auから構成される6nmの金属膜118が水性懸濁液内でプラズモンを結合させることができる。いくつかの例では、ビーム122aが壁120にあたると、壁120による屈折によって、壁120がビーム122aを屈曲させて金属膜118および/または流体108に入射させる。上述したように、壁120は透明とすることができ、ビーム122aを金属膜118および/または流体108の面に向かって屈曲または屈折させる所望の屈折率とすることができる。
【0020】
いくつかの例では、ビーム122が金属膜118および/または流体108にあたるとき、表面プラズモンポラリトンまたはプラズモン132を金属膜118の面132
a2で生成することができる。プラズモン振動132は、金属膜118と流体108の境界面付近に132
a1として示すエバネセント波として、流体108に結合することができる。いくつかの例では、ビーム122は、プラズモン132を生成するために十分な光エネルギーを提供するように構成することができる。いくつかの例では、プラズモン132は、金属膜118内の伝導電子の集団振動であり界面光励起として流体108へと延びることができる。いくつかの例では、ビーム122は金属膜118の面に平行に偏光し、金属膜118で使用される所定の導体のプラズモン励起エネルギー132
a2と一致する振動モードを生成することができる。ナノ粒子104が導電性または半導電性金属または化合物から形成される例では、132
a1で示すように、ナノ粒子104自体の内部にプラズモン132を生成することができる。ナノ粒子204が電気絶縁材料から形成される例では、プラズモン132a(132
a1および132
a2を含む)を金属膜118内に生成し、132
a2で示すように流体108に結合することができる。プラズモン132a(132
a1および132
a2を含む)は、少なくとも一部には、共鳴結合されたナノ粒子に支持されたプラズモンと光トラップとの間の光誘起された引力によって、ナノ粒子104を凝集してナノ粒子凝集134aを生成することができる。ナノ粒子凝集134aの生成によって、正味の力ベクトル144を生成し、
図2と
図3との間のナノ粒子濃度のわずかな減少によって示すように、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体118から移動する。
【0021】
図3は、壁120の第1の位置136aに照射されるビーム122aを示す。
図4は、壁120の第2の位置136bに照射されるビーム122bを示す。いくつかの例では、ビーム122bは、光源124の電磁気的または電気機械的に起動される鏡を使用して位置136bへと移動することができる。ビーム122bを壁120の第2の位置136bに照射することによって、第2の位置136b付近にプラズモン132bが生成される。プラズモン132bは、ナノ粒子104を凝集してナノ粒子凝集134bを生成することができる。ナノ粒子凝集134b内のナノ粒子は、流体108内のナノ粒子104およびナノ粒子凝集134aからのナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子凝集134bは、ナノ粒子凝集134aより大きくすることができる。さらに、ナノ粒子凝集134bは、少なくとも一部には、プラズモン132bの位置136bが位置136aよりポート142に近いため、よりポート142に近くすることができる。ナノ粒子凝集134bの生成によって、正味の力ベクトル144を生成し続け、
図3と
図4との間のナノ粒子濃度のわずかな減少によって示すように、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体118から移動する。
【0022】
図4は、壁120の第2の位置136bに照射されるビーム122bを示す。
図5は、壁120の第3の位置136cに照射されるビーム122cを示す。ビーム122cを壁120の第3の位置136cに照射することによって、第3の位置136c付近にプラズモン132cが生成される。プラズモン132cは、ナノ粒子104を凝集してナノ粒子凝集134cを生成することができる。ナノ粒子凝集134c内のナノ粒子は、流体108内のナノ粒子104およびナノ粒子凝集134a、134bからのナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子凝集134cは、ナノ粒子凝集134aおよび134bより大きくすることができる。さらに、ナノ粒子凝集134cは、少なくとも一部には、プラズモン132cの位置136cが位置136bよりポート142に近いため、よりポート142に近くすることができる。ナノ粒子凝集134cの生成によって、正味の力ベクトル144を生成し続け、
図4と
図5との間のナノ粒子濃度のわずかな減少によって示すように、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体118から移動する。
【0023】
ビーム122をチャンバー140に照射するように複数の位置136を選択することによって、少なくともいくつかのナノ粒子104を流体108からポート142およびナノ粒子容器110などの別の位置へと除去することができる。いくつかの例では、定義された繰り返しおよび/またはデューティサイクルで位置136のサイクルを使用することができる。いくつかの例では、位置136に約1/100Hz〜約1/10Hzのデューティサイクルを使用することができる。繰り返し速度は光源122の電磁気的または電気機械的起動によって支配することができる。壁120を通してスポット的に照射する連続的サイクルによって、溶液108から容器110へのナノ粒子104の段階的除去を可能にすることができる。いくつかの例では、ビーム122は、約1ワット/mm
2〜約100ワット/mm
2の光力密度出力を有することができる。
【0024】
潜在的利点のなかでも特に、ナノ粒子フィルター102は、マイクロ流体デバイスおよび/またはチップオンラボ用途で使用することができる。異なるサイズのナノ粒子を移動するように、複数のフィルター102を一列または平行に配置することができる。例えば、いくつかのフィルター102は、特定のナノ粒子サイズまたは範囲に合わせた強度、波長、スペクトル、入射角、パワー、偏光などのビーム122を有することができる。
【0025】
図6は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態によるナノ粒子フィルターを実施するための例示的なプロセスの流れ図である。
図6のプロセスは、例えば、上記のフィルター102を使用して実施することができる。プロセスの例は、ブロックS2、S4、S6、S8および/またはS10の1つまたは複数によって示されるように、1つまたは複数の動作、行動または機能を含むことができる。個別のブロックとして示されているが、様々なブロックを所望の実装形態に応じてさらなるブロックへと分割し、より少ないブロックへと結合し、または削除することができる。ブロックS2から処理を開始することができる。
【0026】
ブロックS2では、ナノ粒子を有する流体を、ナノ粒子フィルターのチャンバーへと供給することによって、提供することができる。例えば、プロセッサをフィルターの入口ポートを通る流体の供給を制御するように構成することができる。ブロックS2からブロックS4へと処理を続けることができる。
【0027】
ブロックS4では、所望の量のナノ粒子が流体から除去されるまでブロックS6、S8およびS10を繰り返すように、ループを作成することができる。例えば、光散乱および光分光技術など、多くのin−situ光学技術を使用して、溶液中のナノ粒子の濃度を所定時間に測定することによって、ナノ粒子の除去を監視することができる。ブロックS4からブロックS6へと処理を続けることができる。
【0028】
ブロックS6では、第1の光のビームをチャンバーの第1の位置に照射するために、プロセッサによって光源を制御するように構成することができる。第1の光のビームは、流体中に第1のプラズモンを生成することができる。第1のプラズモンは、第1のナノ粒子凝集を生成することができる。ブロックS6からブロックS8へと処理を続けることができる。
【0029】
ブロックS8では、第2の光のビームをチャンバーの第2の位置に照射するために、プロセッサによって光源を制御するように構成することができる。第2の光のビームは、流体中に第2のプラズモンを生成することができる。第2のプラズモンは、第2のナノ粒子凝集を生成することができる。ブロックS8からブロックS10へと処理を続けることができる。
【0030】
ブロックS10では、第1および第2のプラズモンによって生成された正味の力ベクトルによって、ナノ粒子を流体から位置へと移動することができる。
【0031】
図7は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態によるナノ粒子フィルターを実施するための例示的なコンピュータプログラム製品300を示す。プログラム製品300は、信号伝達媒体302を含むことができる。信号伝達媒体302は、例えばプロセッサによって実行されるとき、
図1〜6に関して上記で述べた機能の少なくともいくつかを提供することができる1つまたは複数の命令304を含むことができる。従って、例えば、フィルター102を参照すると、プロセッサ126は、媒体302によってシステム100に伝達される命令304に応じて、
図7に示すブロックの1つまたは複数に対応することができる。
【0032】
いくつかの実装形態では、信号伝達媒体302は、限定はされないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどのコンピュータ読取り可能媒体306を含むことができる。いくつかの実装形態では、信号伝達媒体302は、限定はされないが、メモリ、リード/ライト(R/W)CD、R/W DVDなどの読取り可能媒体308を含むことができる。いくつかの実装形態では、信号伝達媒体302は、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体など(例えば、光ファイバーケーブル、導波管、ワイヤード通信リンク、ワイヤレス通信リンクなど)の通信媒体310を含むことができる。従って、例えばプログラム製品300は、RF信号伝達媒体302によってフィルター102の1つまたは複数のモジュールに伝達することができ、信号伝達媒体302はワイヤレス通信媒体310(例えば、IEEE 802.11規格に従ったワイヤレス通信媒体)によって伝達される。
【0033】
図8は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態によるナノ粒子フィルターを実施するように配置された例示的なコンピューティングデバイス400を示すブロック図である。全くの基本構成402では、コンピューティングデバイス400は代表的には、1つまたは複数のプロセッサ404およびシステムメモリ406を含む。プロセッサ404とシステムメモリ406との通信にはメモリバス408を使用することができる。
【0034】
所望の構成に応じて、プロセッサ404は、限定はされないが、マイクロプロセッサ(μΡ)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの組み合わせを含む任意のタイプとすることができる。プロセッサ404は、レベル1キャッシュ410およびレベル2キャッシュ412など複数のレベルのキャッシング、プロセッサコア414およびレジスタ416などを含むことができる。プロセッサコア414の例は、算術論理装置(ALU)、浮動小数点装置(FPU)、デジタル信号処理コア(DSP Core)またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリコントローラ418の例はプロセッサ404とともに使用することもでき、またはいくつかの実装形態では、メモリコントローラ418をプロセッサ404の内部部品とすることもできる。
【0035】
所望の構成に応じて、システムメモリ406は、限定はされないが、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)またはそれらの組み合わせを含む任意のタイプとすることができる。システムメモリ406は、オペレーティングシステム420、1つまたは複数のアプリケーション422およびプログラムデータ424を含むことができる。
【0036】
アプリケーション422は、
図1〜7に関して上記で述べたものを含む本明細書で説明される機能を実施するように配置されるナノ粒子フィルターアルゴリズム426を含むことができる。プログラムデータ424は、本明細書で説明されるようにナノ粒子フィルターにとって有用となり得るナノ粒子フィルターデータ428を含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション422をオペレーティングシステム420のプログラムデータ424で動作するように配置して、ナノ粒子フィルターを提供することができるようにすることができる。上記の基本構成402は、内側の破線内の構成部品によって、
図8に示されている。
【0037】
コンピューティングデバイス400は、基本構成402と任意の必要なデバイスおよびインターフェースとの通信をしやすくするように、他の特徴または機能、および他のインターフェースを有することができる。例えば、ストレージインターフェースバス434を介して基本構成402と1つまたは複数のデータストレージデバイス432との通信をしやすくするように、バス/インターフェースコントローラ430を使用することができる。データストレージデバイス432は取外し式ストレージデバイス436、非取外し式ストレージデバイス438またはそれらの組み合わせとすることができる。取外し式ストレージおよび非取外し式ストレージデバイスの例は、いくつか例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブなどの光ディスクドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)およびテープドライブなどを含む。コンピュータストレージ媒体の例は、コンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなど、情報を保存するための任意の方法または技術で実施される、揮発性および不揮発性、取外し式および非取外し式媒体を含むことができる。
【0038】
システムメモリ406、取外し式ストレージデバイス436および非取外し式ストレージデバイス438は、コンピュータストレージ媒体の例である。コンピュータストレージ媒体は、限定はされないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイスまたは所望の情報を保存するために使用することができ、コンピューティングデバイス400によってアクセスすることができる他の媒体を含む。そのようなコンピュータストレージ媒体は、コンピューティングデバイス400の一部とすることができる。
【0039】
コンピューティングデバイス400はまた、バス/インターフェースコントローラ430を介して様々なインターフェースデバイス(例えば、出力装置442、周辺インターフェース444、および通信装置446)から基本構成402への通信をしやすくするために、インターフェースバス440を含むこともできる。出力装置442の例は、1つまたは複数のA/Vポート452を介してディスプレイまたはスピーカなどの様々な外部デバイスと通信するように構成することができる、グラフィック処理ユニット448およびオーディオ処理ユニット450を含む。周辺インターフェース444の例は、1つまたは複数のI/Oポート458を介して入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)または他の周辺装置(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部装置と通信するように構成することができる、シリアルインターフェースコントローラ454またはパラレルインターフェースコントローラ456を含む。通信デバイス446の例は、1つまたは複数の通信ポート464を介してネットワーク通信リンクで1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス462と通信しやすいように配置することができる、ネットワークコントローラ460を含む。
【0040】
ネットワーク通信リンクは通信媒体の一例とすることができる。通信媒体は、一般にはコンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュールまたは搬送波または他の搬送メカニズムなどの変調されたデータ信号の他のデータによって実施することができ、任意の情報伝達媒体を含むことができる。「変調されたデータ信号」は、特性セットの1つまたは複数を有し、または信号の情報をエンコードするように変更した信号とすることができる。限定はされないが、例えば、通信媒体は、ワイヤードネットワークまたは直接ワイヤード接続などのワイヤード媒体、およびアコースティック、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)および他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体を含むことができる。本明細書で使用されるコンピュータ読取り可能媒体という用語は、ストレージ媒体および通信媒体のいずれも含むことができる。
【0041】
コンピューティングデバイス400は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤーデバイス、ワイヤレスウェブウォッチデバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、または上記機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどの小型フォームファクタの携帯(またはモバイル)電子装置の一部分として実施することができる。コンピューティングデバイス400は、ラップトップコンピュータおよび非ラップトップコンピュータの両方の構成を含むパーソナルコンピュータとして実施することもできる。
【0042】
本開示は、本出願で説明した、様々な態様の例とみなされる特定の実施形態に限定されない。当業者には明らかなように、趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書で列挙したものの他に、本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置が、上記の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれる。本開示は、添付の特許請求の範囲によって権利付与される全ての均等物とともに、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるものである。本開示は特定の方法、試薬、化合物成分または生物学的システムに限定されるものではなく、もちろん変更することができる。本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定するものではないことも理解されたい。
【0043】
本明細書における実質的に全ての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0044】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0045】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループを用いて記載される場合、当業者は、本発明がこの記載によってマーカッシュグループの任意の個々の部材または部材の下位グループも記載することを理解するであろう。
【0046】
当業者には明らかなように、ありとあらゆる目的のために、例えば明細書の提出に関して、本明細書で開示される全ての範囲は、全ての可能な下位範囲およびその下位範囲の組み合わせも包含する。挙げられている範囲は、その範囲が少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分などに分割することができることを十分に記載し、可能にするものとして容易に理解することができるであろう。非限定的な例として、本明細書で説明される各範囲は、下側三分の一、中間三分の一および上側三分の一などに容易に分割することができる。また、当業者には明らかなように、「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの全ての用語は、記載された数を含み、次いで上記のように下位範囲へと分割することができる範囲のことをいう。最後に、当業者には明らかなように、範囲はそれぞれの個々の部材を含む。従って、例えば1〜3のセルを有するグループは、1、2または3つのセルを有するグループのことをいう。同様に、1〜5のセルを有するグループは、1、2、3、4または5つのセルなどを有するグループのことをいう。
【0047】
本明細書では様々な態様および実施形態を開示したが、当業者には他の態様および実施形態が明らかであろう。本明細書に開示された様々な態様および実施形態は例示のためのものであり、限定するためのものではなく、真の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲に記載されている。