特許第5697352号(P5697352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697352容器内の液体食材を泡立てるための泡立て装置
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  • 特許5697352-容器内の液体食材を泡立てるための泡立て装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697352
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】容器内の液体食材を泡立てるための泡立て装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/12 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   A47J43/12
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-63970(P2010-63970)
(22)【出願日】2010年3月19日
(65)【公開番号】特開2010-221028(P2010-221028A)
(43)【公開日】2010年10月7日
【審査請求日】2013年2月26日
(31)【優先権主張番号】10 2009 013 938.9
(32)【優先日】2009年3月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・シュタール
(72)【発明者】
【氏名】コリンネ・カイザー
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン・ガンツ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ブルリ
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06293187(US,B1)
【文献】 米国特許第02967433(US,A)
【文献】 米国特許第05143607(US,A)
【文献】 特開2000−348253(JP,A)
【文献】 特開2004−073442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(8)内のミルク含有液体を泡立てるための泡立て装置であって、泡立て媒体供給源と、前記容器(8)内に少なくとも部分的に挿入される泡立て媒体供給体(1)とを含み、前記泡立て媒体供給体(1)は前記泡立て媒体供給源と流通可能に連結されていると共に前記容器(8)内に泡立て媒体を供給するための吹き出し孔(5)を設けており、
前記泡立て媒体供給体(1)または前記容器(8)の支持台あるいはその両方に連携作用する少なくとも1つの変位手段を有し、少なくとも前記容器(8)内における前記泡立て媒体供給体の前記吹き出し孔の高さ位置は前記変位手段によって調整されるように構成されている前記泡立て装置において、
前記少なくとも1つの変位手段は、前記ミルク含有液体内に沈み込む際に浮力を発生するフロート(4)として形成され、前記フロート(4)は前記泡立て媒体供給体(1)に配置されており、
及び/又は
前記少なくとも1つの変位手段は、泡立て媒体供給体(1)と容器(8)との間の相対運動として少なくとも1つの駆動式変位手段であり、前記泡立て装置は、前記駆動式変位手段を制御するための制御ユニットと、前記ミルク含有液体の表面または生成された泡立て表面あるいはその両方を検知するための少なくとも1つのセンサとを更に備え、前記制御ユニットは前記センサおよび前記駆動式変位手段と接続されて、前記泡立て媒体供給体(1)の変位を前記センサの測定データに応じて制御することを特徴とする泡立て装置。
【請求項2】
前記泡立て媒体供給源が蒸気発生器として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の泡立て装置。
【請求項3】
泡立て媒体供給体支持台(3)が備えられ、前記泡立て媒体供給体(1)が平行四辺形ガイド(2)またはリニアガイドにより、少なくとも前記高さ位置に関して前記泡立て媒体供給体支持台(3)に対して相対変位可能なように前記泡立て媒体供給体支持台(3)に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の泡立て装置。
【請求項4】
前記泡立て媒体供給体(1)が少なくとも前記高さ位置に関して少なくとも1つの保持アームによって可動式に前記泡立て媒体供給体支持台(3)に対して配置されており、前記泡立て媒体供給体支持台(3)に少なくとも1つのバランサー手段(6)が配置されており、前記バランサー手段は前記保持アームと連携作用して前記バランサー手段(6)が前記泡立て媒体供給体またはあるいはその両方前記保持アームの重力に抗して作用するように構成され、前記バランサー手段(6)はカウンタウェイトまたはばねあるいはその両方であることを特徴とする請求項3に記載の泡立て装置。
【請求項5】
所定の流体圧力を有する泡立て媒体による泡立ての間ずっと、前記泡立て媒体供給体(1)の前記吹き出し孔(5)が、前記容器(8)内の前記ミルク含有液体と生成されたフォームとの間の界面または生成したフォームとその上の空気層との間の界面あるいはその両方から常にほぼ一定不変の所定の間隔を保つように、前記フロート(4)が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【請求項6】
前記フロート(4)が前記泡立て媒体供給体(1)の端部領域を包囲し、前記吹き出し孔(5)が前記フロート(4)を貫通していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【請求項7】
前記泡立て媒体供給源用の圧力制御ユニットを有し、前記圧力制御ユニットが前記泡立て媒体供給源と連携作用して、前記泡立て媒体供給体(1)を経て前記ミルク含有液体中に泡立て媒体が吹き出される際の少なくとも2つの異なった圧力値がプリセット可能なように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【請求項8】
前記駆動式変位手段が、前記容器(8)内における前記泡立て媒体供給体または前記容器(8)内における前記吹き出し孔あるいはその両方の高さ位置に関する対容器相対運動をプリセット可能なように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは前記駆動式変位手段の変位経過を記憶するための記憶デバイスを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の泡立て装置。
【請求項10】
前記駆動式変位手段が、泡立て媒体供給体(1)と容器(8)との間の水平運動をプリセット可能なように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の泡立て装置。
【請求項11】
前記泡立て媒体供給体(1)が前記駆動式変位手段によって変位するように前記泡立て媒体供給体支持台に支持されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の泡立て装置。
【請求項12】
前記泡立て媒体供給体(1)の手動学習変位を検出するための少なくとも1つの変位センサを含み、前記変位センサは前記制御ユニットと連携作用して、前記泡立て媒体供給体(1)の少なくとも垂直方向の手動学習変位または前記泡立て媒体供給体(1)の水平方向の運動あるいはその両方が組み合わされた水平・垂直方向運動に関して前記制御ユニットの前記記憶デバイスに記憶可能なように構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の泡立て装置。
【請求項13】
前記泡立て媒体供給体(1)が、泡立て媒体が前記泡立て媒体供給体に対して所定の角度をなして前記吹き出し孔から流出、供給されるように形成されて前記泡立て媒体供給体(1)に配置された複数の吹き出し孔を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【請求項14】
前記泡立て媒体供給体(1)が前記泡立て媒体供給体支持台(3)に、着脱式に配置されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の泡立て装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の液体食材、特にミルクを泡立てるための泡立て装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器内の液体食材を泡立てるため、例えば、カップ内のミルクを泡立てるために、蒸気発生器と蒸気ノズル体とを含む泡立て装置が知られている。
【0003】
蒸気発生器によって発生した蒸気は蒸気ノズル体内に導かれ、そこで、少なくとも1個の蒸気流出孔を経て吹き出される。蒸気ノズル体は少なくとも部分的にミルクで満たされた容器内に挿入されるため、蒸気ノズル体の蒸気流出孔は少なくとも部分的に処理されているミルクの内に位置しており、そのため、吹き出す蒸気によってミルクの泡立て、つまりフォームドミルクが調製される。
【0004】
一般にこの種の泡立て装置は全自動コーヒーメーカに組み込まれており、こうした全自動コーヒーメーカは、上記要素装置のほかに、コーヒーを抽出して別個のコーヒー注出口を経て注出するためのコーヒーメーカも内蔵している。蒸気ノズル体は、通常、フルオートマックコーヒーメーカに設けられ、手動によって揺動可能なように形成されている。
【0005】
例えば、フォームドミルクを含んだカプチーノ等の飲料を作り出すため、容器は部分的にミルクで満たされて、手作業で全自動コーヒーメーカに対して位置決めし、蒸気ノズル体、特に蒸気ノズル体に形成されている蒸気流出孔がミルク内に沈み込む。続いて、蒸気発生器によって蒸気流出孔から蒸気が流出させられて、ミルクの泡立てが行われる。
【0006】
最適なミルクフォームの達成には、蒸気流出孔とミルク表面の間隔またはミルクフォームを生成するためのミルク中における蒸気ノズル体ならびに蒸気流出孔の変位を最適化する必要があり、これを実現するためには一定の熟練がユーザに求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、容器内の液体食材を泡立てるための公知の泡立て装置を改良して、この液体食材の泡立てをユーザにとって容易にすると共に、特に、ユーザの熟練とは関係なくこの液体食材の良質な泡立てが可能となる泡立て装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明による容器内の液体食材を泡立てるための泡立て装置は、泡立て媒体供給源と、前記容器内に少なくとも部分的に挿入される泡立て媒体供給体とを含み、前記泡立て媒体供給体)は前記泡立て媒体供給源と流通可能に連結されていると共に前記容器内に泡立て媒体を供給するための吹き出し孔を設けており、さらには、前記泡立て媒体供給体または前記容器の支持台あるいはその両方に支持された少なくとも1つの変位手段を有し、少なくとも前記容器内における前記泡立て媒体供給体の前記吹き出し孔の高さ位置は前記変位手段によって調整されるように形成されている。
【0009】
したがって、容器内の液体食材を泡立てるための本発明による泡立て装置は、泡立て媒体の供給源と、容器内に少なくとも部分的に挿入される泡立て媒体供給体とを含んでなる。この泡立て媒体供給体は泡立て媒体供給源と流通可能に連結されて、少なくとも1つの吹き出し孔を有するため、泡立て媒体はこの吹き出し孔から容器内に流れ込むことができる。
【0010】
重要な点は、本泡立て装置が少なくとも1つの変位手段を有していることであり、この変位手段は泡立て媒体供給体または容器用支持台あるいはその両方と連結されており、容器内における泡立て媒体供給体の吹き出し孔の少なくとも高さ位置がこの変位手段によって調整される。
【0011】
したがって、公知の従来の技術とは異なって、本発明による泡立て装置は泡立て媒体供給体と容器との間の相対運動、したがってまた、泡立て媒体供給体の吹き出し孔と容器との間の相対運動をも可能にする変位手段を有している。泡立て媒体供給体が少なくとも部分的に容器内に沈み込まされる場合、少なくともこの種の運動は上記変位手段により、容器内における吹き出し孔の高さ位置が調整されるようにして実施可能である。したがって、この変位手段により、容器内への泡立て媒体供給体の沈み込み深さが調整されることによって、結果的には容器内への吹き出し孔の沈み込み深さを増減させることができる。したがって、この変位手段により、少なくとも高さ位置、つまり容器内にある液体表面からの吹き出し孔の深さ方向間隔も変化させることができる。
【0012】
したがって、この変位手段により、少なくとも高さ位置の変化をもたらす、容器と泡立て媒体供給体との間の相対運動が実施される。好ましくは、泡立てプロセスの間、この相対運動はもっぱらこの変位手段を介して実施されるが、さらに補助的に、ユーザによって手動で実施される容器と吹き出し孔との間の相対運動に加えてこの変位手段による運動またはこの変位手段による手動学習変位の補正が行われるようにすることも同じく本発明の範囲に含まれる。
【0013】
本発明による泡立て装置は、最適な泡立てプロセスを保証する変位手段をメーカサイドで形成することができるという利点を有する。したがって、ユーザは泡立て媒体供給体と容器との間の最適な相対運動に関する専門知識をまったく必要としないかまたはほとんど必要としないために、専門知識に乏しいユーザであっても本発明による泡立て装置によって最適な泡立てが達成されることになる。
【0014】
一般に、液体食材の泡立ては蒸気によって行われ、特に、コーヒー用ミルクフォームを調製するためのミルクの泡立ては水蒸気によって行われる。したがって、好適には、泡立て媒体供給源は蒸気発生器として、好ましくは水蒸気発生器として形成されている。また、泡立て媒体供給体は管状手段として、好ましくは従来の蒸気ノズル体として形成されているのが特に有利である。
【0015】
吹き出し孔は好適には、泡立て媒体供給体の端部領域、つまり泡立て媒体供給体が容器内の液体食材中に沈み込まされるこの端部領域に配置されている。
【0016】
本願出願人の調査によれば、液体食材中への泡立て媒体供給体の沈め込みおよび引き上げ、換言すれば、泡立て媒体供給体ならびに吹き出し孔の、容器内液体食材の表面に対しする垂直な運動、つまり容器内液体食材の表面と吹き出し孔との間の距離調整が、最適な泡立てプロセスにとって特に決定的であることが判明した。
【0017】
したがって、この変位手段は、泡立て媒体供給体と容器とがこの変位手段によって少なくとも垂直方向にも互いに相対変位可能なように泡立て媒体供給体またはあるいはその両方容器用支持台あるいはその両方と接続されていることが好都合である。容器内液体食材の表面と吹き出し孔との距離調整が可能となるように変位手段が配置される。
【0018】
この場合、容器が本発明による泡立て装置前方の表面上に載置され、続いて、泡立て媒体供給体が容器内に少なくとも部分的に沈められて、泡立てプロセスの間ずっとこの変位手段によって泡立て媒体供給体と容器との間の相対運動が実施されるようにすることは本発明の範囲に含まれている。また、本装置自体が容器用のスタンド面を含むようにか、あるいはスタンド面が容器用支持台として形成されか、あるいはその両方の形態で構成され、この変位手段が容器用支持台と連結されて、容器がこの変位手段によって可動するようにすることも同じく本発明の範囲に含まれている。したがって、この変位手段による泡立て媒体供給体の変位、容器用支持台の変位ならびに泡立て媒体供給体と容器用支持台の双方の変位が本発明の範囲に含まれている。
【0019】
単に泡立て媒体供給体のみがこの変位手段によって可動され、容器が本発明による泡立て装置に対して相対的に載置されるように構成することにより、本発明による泡立て装置の技術的にシンプルかつ低コストの実施態様が可能となる。
【0020】
したがって、好適には、本泡立て装置は泡立て媒体供給体支持台を含み、この変位手段は、泡立て媒体供給体が泡立て媒体供給体支持台に対して少なくとも垂直方向に相対可動するようにして、泡立て媒体供給体支持台と泡立て媒体供給体との間に配置されている。低コストかつ堅牢な実施形態を実現するため、この変位手段は、この場合、平行ガイドまたはリニアガイドとして形成されると好都合である。
【0021】
さらに別の好ましい実施形態において、本泡立て装置は、フロートとして形成された少なくとも1つの非駆動式変位手段を備えるようにしてもよい。このフロートは泡立て媒体供給体と一緒に容器内の液体食材中に少なくとも部分的に沈み込まされるように配置されているため、この液体食材中またはあるいはその両方フォーム中で該フロートに作用する浮力は同じく泡立て媒体供給体にも作用することになる。したがって、上記フロートは泡立て媒体供給体に装着されることが好ましい。ただし、フロートを別個の支持台、特に別個のアームに配置し、このアームが泡立て媒体供給体支持台またはあるいはその両方泡立て媒体供給体に支持されることも同じく本発明の範囲に含まれる。
【0022】
したがって、上記フロートによって、容器内の液体食材の表面または生成されたフォームとその上にある空気層との界面と、泡立て媒体供給体ならびに泡立て媒体供給体の吹き出し孔との間の間隔をプリセットすることが可能である。したがって、好適には、上記フロートは、泡立て媒体供給源によって泡立て媒体供給体内に所定の圧力で誘導、供給される泡立て媒体による泡立てプロセスの間ずっと、泡立て媒体供給体の吹き出し孔が、容器内の液体食材と生成されたフォームとの間の界面または生成されたフォームとその上の空気層との間の界面から常に略一定の所定の間隔を保って位置するように形成されている。
【0023】
このフロートの体積を小さく形成可能なように、泡立て媒体供給体は少なくとも垂直方向に可動するようにして少なくとも1つの保持アームによって泡立て媒体供給体支持台に配置され、泡立て媒体供給体支持台はバランサー手段を有し、このバランサー手段は保持アームと連携作用して、このバランサー手段がフロートならびに泡立て媒体供給体の重力に抗して作用するように形成されているのが有利である。それゆえ、この好ましい実施態様においては、この重量の少なくとも一部がバランサー手段によって相殺されるため、液体食材中またはフォーム中のフロートの浮力によって泡立て媒体供給体ならびにフロートの全重量が相殺されるには及ばない。
【0024】
好ましくは、上記バランサー手段はカウンタウェイトまたはあるいはその両方ばねとして形成されている。
【0025】
好適には、フロートは泡立て媒体供給体の端部領域を抱囲し、吹き出し孔はフロートを貫通している。これにより、泡立て媒体供給体ならびにフロートを特にコンパクトに形成することが可能である。
【0026】
本願出願人の調査によれば、泡立て媒体供給体に設けられる吹き出し孔の形成ならびに配置に応じて、流体流出に起因するこの液体食材中における泡立て媒体供給体の揚力または浮力が生み出されることが判明した。
【0027】
したがって、好適には、本発明による泡立て装置は、受動変位手段としてのフロートに加えてさらに駆動式変位手段が設けられるように形成されている。有利な実施形態において、この駆動式変位手段は、本泡立て装置が圧力制御ユニットを有し、この圧力制御ユニットは泡立て媒体供給源と連携作用して、泡立て媒体供給体に泡立て媒体供給源が泡立て媒体を供給する際の少なくとも2つの異なった圧力値をプリセット可能なように形成され、したがって、液体食材中に少なくとも2つの異なった圧力値で泡立て媒体が吹き込まれることができるようにして実現されている。さらに、吹き出し孔は、液体食材中への流体流出時に流出流体によって泡立て媒体供給体に揚力または浮力が発生するように形成されて、泡立て媒体供給体に配置されている。
【0028】
それゆえ、少なくとも2つの異なった圧力値の交換により、異なった揚力または浮力が発生するため、単に圧力を変化させるだけで泡立て媒体供給体の上下運動が行われることになる。この種の上下運動は、泡立てプロセス中にフォームと液体食材との間の少なくとも部分的な混合が所望される場合に有利である。
【0029】
好ましくは、泡立て媒体供給体の続いての再下降が泡立て媒体供給体の重力によって支援されるため、浮力が発生する。
【0030】
したがって、圧力制御ユニットは好適には、少なくとも2つの異なった圧力値の間の周期的交換が自動的に行われるように形成されている。また、ユーザが圧力制御ユニットの操作装置を介して所望の圧力値をプリセットし、こうして、ユーザが圧力値のプリセットによって液体食材中における泡立て媒体供給体の上下運動を間接的に制御することも同じく本発明の範囲に含まれる。
【0031】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による泡立て装置は少なくとも1つの駆動式変位手段を有し、この駆動式変位手段はこの駆動式変位手段によって泡立て媒体供給体と容器との間の相対運動、特に泡立て媒体供給体と容器との間の少なくとも垂直方向の相対運動もプリセット可能なように形成されている。
【0032】
したがって、この駆動式変位手段により、この液体表面または生成したフォームの表面と吹き出し孔との間の一定不変の間隔をプリセットし得るだけでなく、少なくとも容器内における高さ位置に関する泡立て媒体供給体ならびに吹き出し孔の任意の運動もプリセットすることが可能である。
【0033】
好ましくは、本泡立て装置はさらに、この液体表面またはあるいはその両方生成したフォームの表面を検知するための少なくとも1つのセンサ、ならびに運動制御ユニットを含んでいる。この運動制御ユニットはこのセンサおよびこの駆動式変位手段と接続されて、泡立て媒体供給体の運動をこのセンサの測定データに応じて制御可能とする。それゆえ、この好ましい実施形態においては、この液体食材の表面またはあるいはその両方生成したフォームの表面に対する泡立て媒体供給体ならびに吹き出し孔の相対運動をメーカサイドでプリセットすることが可能である。
【0034】
異なった運動形態がメーカサイドでプリセットされ、それゆえ、ユーザは所望のフォームの種類、もしくは泡立てさるべき液体食材の種類、温度および粘性に応じ、それに最適な、メーカサイドで運動制御ユニットにプリセットされた運動プログラムをセレクトすることが可能でありかつ/またはさらにその他のセンサ、例えばこの液体食材の温度を測定するための温度センサに応じて最適な運動プログラムがセレクト可能とされるようにするのが特に有利である。
【0035】
さらに、この駆動式変位手段によってさらに、泡立て媒体供給体と容器との間の水平運動、特に円形運動をプリセット可能なようにするのが有利である。泡立て媒体供給体のこうした水平運動によって容器内のこの液体食材の混合が達成可能であり、加えてさらに、容器内のこの液体食材の表面領域全体に泡立て媒体が吹き込まれるようにすることができる。
【0036】
この駆動式変位手段によって泡立て媒体供給体の運動をプリセットするために、本泡立て装置はこの駆動式変位手段を制御するための制御ユニットを有し、この制御ユニットはこの駆動式変位手段の変位経過を記憶するための記憶デバイスを含んでいるのが有利である。
【0037】
駆動式変位手段を使用する場合には、本泡立て装置が泡立て媒体供給体支持台を含み、泡立て媒体供給体はこの駆動式変位手段によって可動するようにして泡立て媒体供給体支持台に配置されることにより、本発明による泡立て装置の低コストかつ堅牢な実施態様が実現される。
【0038】
好ましくは、本泡立て装置はユーザによる泡立て媒体供給体の手動学習変位を検出するための少なくとも1つのセンサを含んでいる。このセンサは上述した制御ユニットと連携作用して、泡立て媒体供給体の手動学習変位時にその運動が少なくとも泡立て媒体供給体の垂直方向運動に関して制御ユニットの記憶デバイスに記憶されるように形成されている。
【0039】
泡立て媒体供給体の運動は、垂直方向運動ならびに水平方向運動の双方またはあるいはその両方組み合わされた水平方向・垂直方向運動が記憶されれば特に有利である。したがって、この有利な実施形態において、ユーザまたは工場サイドの当業者は後にユーザによって記憶デバイスから呼び出し可能な泡立て媒体供給体の運動を容易にプログラミングして、泡立て媒体供給体がこの変位手段により、制御ユニットの適切な制御を通じて、先に記憶された運動を実施するようにすることが可能である。
【0040】
吹き出し孔は好ましくは、泡立て媒体供給体の端部領域に配置されている。この場合、泡立て媒体供給体は堅牢かつ低コストの態様を実現すべく管状に形成されていてよいことから、吹き出し孔は泡立て媒体供給体の下端に位置している。
ただし、泡立て媒体供給体の端部領域側面にも複数の吹き出し孔を配置して、泡立て媒体が泡立て媒体供給体に対して所定の角度をなして吹き出し孔から流出するようにするのが特に有利である。
この場合、好ましくは、吹き出し孔は、泡立て媒体の流出供給時に泡立て媒体供給体に揚力が生ずるように形成され、配置される。これにより、既述したように、圧力を変化させることにより泡立て媒体供給体の上下運動を生み出すことが可能である。
【0041】
泡立て媒体供給体は、浄化をより容易に行うことができるように、好ましくは着脱式に泡立て媒体供給体支持台に配置される。この場合、泡立て媒体供給体を差し込み継手によって泡立て媒体供給体支持台に着脱式に取り付けるのが特に有利である。
【0042】
泡立て媒体供給体を泡立て媒体供給体支持台に取り付けるにあたって、好ましくは、泡立て媒体供給体は手動によって泡立て装置から前方またはあるいはその両方上方に向かって揺動可能なように配置されている。これによって、容器をいっそう容易にセッティングすることができる。というのも、泡立て媒体供給体は先ず泡立て装置から前方ないし上方方向へ揺動離間させられ、続いて、泡立て媒体供給体は容器と共に再び揺動復帰させられるため、この揺動復帰後に容器は対応する載置面上に位置し、泡立て媒体供給体は少なくとも部分的に容器内に挿し込まれているようになるからである。この場合、泡立て媒体供給体はこの作用位置に嵌脱式に係合し得るのが特に好適である。
【0043】
さらに別の好ましい実施形態において、泡立て媒体供給体には光源が配置されているため、泡立てプロセスの間ずっとこの液体食材またはあるいはその両方フォームは照明される。これにより、一方で、ユーザによる泡立てプロセスの良好な管理が可能になり、他方で、これにより好適な視覚効果が達成される。光源は従来の光源、例えば白熱電球またはLEDであってよいが、この液体食材の外部に配置された光源であって、その光が光ガイドによってこの液体食材中に沈み込まされる泡立て媒体供給体の先端に誘導されて、同所で光ガイドから送出されるようにした光源も同じく可能である。
【0044】
泡立て媒体供給体はそもそも全自動コーヒーメーカの場合に知られている材料、例えば金属またはクロムめっき金属から成っていてよいが、ガラスから成る実施態様の泡立て媒体供給体も同じく可能である。特に、光源と組み合わされる場合には、ガラスから成る実施態様の泡立て媒体供給体は特別な視覚効果を達成するのに好適である。
【0045】
最適な泡立てを達成するために、泡立て媒体には好適には空気が供給される。したがって、有利な実施形態において、泡立て媒体供給体は空気供給管を有し、この空気供給管は泡立て媒体供給体がこの液体食材中に沈み込まされる領域の外部に吸気穴を有している。この吸気穴を通じて空気が吸引されて、流体流れ方向に向かって、吹き出し孔から流出する前の泡立て媒体に供給される。こうした実施形態は、泡立て媒体として水蒸気が使用される場合に特に好都合である。
【0046】
上記の空気供給は、好ましくは空気が流体流れによるベンチュリ効果によって吸引されるようにして実施される。
【0047】
ブロワによるかまたは圧縮機によって駆動式的に空気を供給することも同じく本発明の範囲に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】非駆動式変位手段としてフロートを有する本発明による泡立て装置の実施形態を示す模式図であり、(a)は蒸気ノズル体が容器に挿入されるように外側に揺動している状態を示す図であり、(b)は泡立て装置による泡立てプロセスの状態を示す図であり(c)は、泡立て装置の泡立てプロセス完了後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、図1に示した実施形態を参照して、本発明による泡立て装置の構成的特徴ならびにその動きを説明する。
【0050】
本発明による泡立て装置は蒸気ノズル体1として形成された泡立て媒体供給体を有しており、泡立て媒体供給体は蒸気ノズル体3として形成され、泡立て媒体供給体支持台に設けられた平行四辺形ガイド2によって少なくとも垂直方向にも可動するように構成されている。
【0051】
蒸気ノズル体1の下端にはフロート4が配置されており、該フロートはこの蒸気ノズル体の下端領域を抱囲している。蒸気ノズル体1はフロート4を貫通すると共に自らの下端に蒸気流出孔5を有しているため、蒸気ノズル体1が直立していれば、蒸気は垂直方向下方に向かってこの蒸気ノズル体から流出、供給される。
蒸気ノズル体1は図中不図示の蒸気発生器と流通可能に連結されているため、この蒸気発生器中で発生した水蒸気は蒸気ノズル体1を経て蒸気流出孔5から流出、供給可能である。
蒸気ノズル体1ならびにフロート4の重量を部分的に相殺するため、平行四辺形ガイドはばねとして形成されたバランサー手段6を有している。このバランサー手段6はフロート4ならびに蒸気ノズル体1の重力に抗して作用するため、フロート4は、バランサー手段6が設けられていないタイプに比較して小さな浮力を生ずるだけでよく、そのため、相対的に僅かな体積で構成されている。
【0052】
図1aに示したように、蒸気ノズル体1は揺動継手7を介して平行四辺形ガイド(四点リンク機構)2と揺動自在に連結されているため、この蒸気ノズル体は、図1aから理解できるように、蒸気ノズル体支持体3から離間する方向に揺動可能である。これにより、容器8のセッティングをいっそう容易にすることができる。容器8のセッティング後、蒸気ノズル体1はこの容器と共に垂直位置に揺動復帰させられるため、図1bに示した状態が生ずる。この場合、容器8はスタンド面に載置され、蒸気ノズル体1とフロート4とは容器8内に収容されているミルク中に部分的に沈み込む。
【0053】
好ましくは、揺動継手7は係止ポイント(選択位置ストッパ機能)を有しており、これにより、ユーザは蒸気ノズル体1を揺動復帰させる際にこの蒸気ノズル体を垂直位置に係止してそこに位置保持させることができる。これにより、続いての泡立てプロセスに際してこの蒸気ノズル体はこの直立位置から逸脱することがなく、換言すれば、図1bにおいて左の方向に逸脱することが防止される。
【0054】
この蒸気ノズル体を係止可能に揺動自在な構成とするために、上記係止機構は、好ましくは、プッシュボタンによって嵌脱式に構成された蒸気ノズル体1のストッパとして揺動継手7に形成されるとよい。
【0055】
ユーザが容器を図1bに示したように載置して、この蒸気ノズル体を垂直位置に係止ロックさせた後、本発明による泡立て装置に設けられたこのスタートボタンがユーザによって操作されると、蒸気発生器が起動する。
【0056】
こうして、この蒸気発生器は所定の圧力で水蒸気を発生させ、かくて発生した水蒸気は蒸気ノズル体1内に導かれて、蒸気流出孔5から容器8内のミルク中に流出、供給される。蒸気ノズル体1は図1bに示したこの蒸気ノズル体の上端に吸気穴を有しているため、同所を流過する蒸気はこの吸気穴の箇所でさらに空気と混合され、空気・水蒸気混合物として蒸気流出孔5からミルク中に吹き込まれる。
【0057】
フロート4は泡立てプロセスの間ずっと、蒸気流出孔5が、生成したフォームとその上の空気層との間の界面から所定の間隔を保つように形成されている。泡立てプロセスの間、容器8は徐々にフォームで満たされるため、蒸気ノズル体1はフロート4によって生み出される浮力により容器8に対して垂直方向に相対運動させられて持ち上げられるが、その際、蒸気ノズル体1は平行四辺形ガイド2によって常に直立状態に保たれている。
【0058】
したがって、図1cに示したように、容器8内に生成したフォームとその上の空気層との間の界面と、蒸気流出口5との間の間隔は、容器8内に生成したミルクフォームの量とは関係なく、常に一定不変である。これにより、最適なミルク泡立てが保証される。
【0059】
さらに別の実施形態において、図1に示した本発明による泡立て装置は、さらに、図中不図示の蒸気圧制御ユニットを備えることができる。この制御ユニットはこの蒸気発生器と相互制御されるように構成されているため、この蒸気圧制御ユニットによって2つの異なった蒸気圧値をプリセットすることが可能である。
【0060】
この実施形態において、ユーザは本発明による泡立て装置に設けられたこのボタンを経て、ミルクフォーム、すなわち最下部に残っている下層ミルクとその上にあるミルクフォームとからなる複層系を所望するかまたはミルク/ミルクフォーム混合物を所望するかを選択することができる。ユーザが“ミルクフォーム”を選択すれば、泡立てプロセスは上述したようにして行われる。
【0061】
他方、ユーザがミルク/ミルクフォーム混合物を選択すれば、この蒸気圧制御ユニットは蒸気発生器を制御して、周期的な変化によって、2つの異なった蒸気圧値を有する蒸気が蒸気ノズル体1の蒸気流出孔5から吹き出される。これによって、異なった揚力が生ずるが、他方、フロート4の浮力とバランサー手段6とによる重量相殺は一定不変である。したがって、蒸気圧の周期的変化によって、蒸気ノズル体1ならびに容器8内のフロート4の上下運動が生じ、これにより、ミルクとミルクフォームの混合が達成される。
【0062】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1:泡立て媒体供給体(蒸気ノズル体)
2:平行四辺形ガイド(変位手段)
3:泡立て媒体供給体支持台
4:フロート(変位手段)
6:バランサー手段
8:容器
図1