(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2トランジスタは、前記差分電圧に応じた制御信号が印加されるベース電極と前記入力電圧に接続されるエミッタ電極を備え、前記第1トランジスタを駆動するコレクタ電流を制御し、
前記第3トランジスタは、前記第2トランジスタのベース電極及びエミッタ電極にそれぞれ接続されるベース電極及びエミッタ電極を備え、前記増幅部の出力へ負帰還させる前記帰還電流としてのコレクタ電流を制御する請求項2に記載の定電圧回路。
【背景技術】
【0002】
定電圧直流電源回路として、電圧制御素子が負荷に直列に接続されるシリーズレギュレータが利用されている。シリーズレギュレータは、スイッチングレギュレータと比べて電源リプルやノイズが少なく、安定性が高いという利点を有している。
図1は、シリーズレギュレータ回路の概略構成図である。
【0003】
シリーズレギュレータ回路100は、第1トランジスタQ1と、抵抗R1及びR2の直列接続を備える分圧回路と、差動部1と、基準電圧生成部2と、増幅部3と、バイパスコンデンサC1と、位相補償コンデンサC2を備える。
【0004】
第1トランジスタQ1は、入力電圧VINと負荷Lの間に直列に接続されて負荷Lに出力電圧VOUTを供給する。第1トランジスタQ1のエミッタ電極は負荷Lに接続され、第1トランジスタQ1のコレクタ電極は入力電圧VINに接続される。
【0005】
出力電圧VOUTを安定化するために、負荷LにはバイパスコンデンサC1が並列に接続される。抵抗R1及びR2の直列接続を備える分圧回路は、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTとグランドとの間に接続され、出力電圧VOUTに比例する分圧電圧Vdvを生成する。
【0006】
差動部1は、基準電圧生成部2が生成する基準電圧Vrefと分圧電圧Vdvを入力し、基準電圧Vrefと分圧電圧Vdvとの差に応じた差分電圧を増幅部3へ出力する。差動部1の出力と入力電圧VINとの間には、位相補償コンデンサC2が接続される。
【0007】
増幅器3の出力は、第1トランジスタQ1のベース電極へ接続される。増幅器3は、差分電圧を増幅して第1トランジスタQ1のベース電極へ入力する。
【0008】
なお、下記特許文献1には、負荷の増大に対応して抵抗値が減少する可変抵抗部を有する増幅段を備えるシリーズレギュレータ電源回路が記載されている。このシリーズレギュレータ電源回路は、さらに位相補償解除手段であるMOSスイッチを備えることにより重負荷時にゼロを生成して、軽負荷時と重負荷時共に最適な周波数特性を確保する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図2は、第1実施例によるシリーズレギュレータ回路の構成図である。シリーズレギュレータ回路10は、第1トランジスタQ1と、差動部1と、基準電圧生成部2と、増幅部3と、電圧検出部4と、電流信号生成部5と、バイパスコンデンサC1と、位相補償コンデンサC2を備える。
【0021】
第1トランジスタQ1は、NPN型のバイポーラトランジスタであって、エミッタ電極及びコレクタ電極が導通電極として、ベース電極が制御電極として使用される。第1トランジスタQ1のコレクタ電極には入力電圧VINが接続され、エミッタ電極には負荷Lが接続される。第1トランジスタQ1は、負荷Lに出力電圧VOUTおよび出力電流I1を出力する。
【0022】
出力電圧VOUTの値及び出力電流I1の値の位相は、ベース電極への印加電圧の値の位相と同相である。すなわち、ベース電極への印加電圧が大きくなるとき出力電圧VOUT及び出力電流I1は大きくなり、ベース電極への印加電圧が小さくなるとき出力電圧VOUT及び出力電流I1は小さくなる。
【0023】
バイパスコンデンサC1は負荷Lに並列に接続される。電圧検出部4は、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTに応じた電圧信号V1を出力する。電圧検出部4は、例えば、出力電圧VOUTとグランドとの間に接続される複数の抵抗の直列接続を有する分圧回路であってよい。
【0024】
差動部1は、基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成部2及び電圧検出部4の出力に接続される差動増幅器を備える。この差動増幅器の正入力及び負入力にはそれぞれ電圧信号V1と基準電圧Vrefが印加される。
【0025】
差動部1の出力は、増幅部3の入力に接続される。差動部1は、基準電圧Vrefと電圧信号V1との差に応じた差分電圧V2を差動部3に出力する。基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が大きくなった場合には差分電圧V2が大きくなり、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が小さくなった場合には差分電圧V2が小さくなる。位相補償コンデンサC2は、差動部1の出力と入力電圧VINとの間に接続される。
【0026】
増幅部3は、反転増幅器を備える。反転増幅器の入力は差動部1の出力に接続され、出力は第1トランジスタQ1のベース電極へ接続される。増幅部3は、差動部1から出力される差分電圧V2を反転増幅して第1トランジスタQ1のベース電極へ入力する。
【0027】
したがって、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が大きくなったとき、第1トランジスタQ1のベース電極へ印加される電圧が小さくなり、出力電圧VOUTが小さくなるように第1トランジスタQ1が制御される。また、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が小さくなったとき、第1トランジスタQ1のベース電極へ印加される電圧が大きくなり、出力電圧VOUTが大きくなるように第1トランジスタQ1が制御される。
【0028】
電流信号生成部5は、第1トランジスタQ1の出力電流I1に応じた電流信号I2を生成する。電流信号生成部5によって生成された電流信号を、「帰還電流」と表記することがある。
【0029】
後述するように、電流信号生成部5は、入力電圧VINと第1トランジスタQ1と負荷Lに対して直列接続されたシャント抵抗と、シャント抵抗による降下電圧を検出するセンスアンプにより実現されてよい。また、電流信号生成部5は、第1トランジスタQ1と共通の制御信号によって制御されるトランジスタ素子により実現されてもよい。また、第1トランジスタQ1を駆動するために増幅部3に設けられたトランジスタ素子と共通の制御信号によって制御されるトランジスタ素子で、電流信号生成部5を実現してもよい。
【0030】
図2に示す実施例では、電流信号生成部5は、出力電流I1の位相と同相の帰還電流I2を生成してよい。電流信号生成部5は、線路6を経由して帰還電流I2を差動部1の出力線7へ入力する。なお、電流信号生成部5及び線路6は、特許請求の範囲に記載されたフィードバック経路の一例として挙げられる。
【0031】
次に、差動部1の出力線7へ入力された帰還電流の作用について説明する。増幅部3は、差動部1の出力電圧V2を反転増幅する。このため、トランジスタQ1のベース電極には出力電圧V2と反対の位相の信号が印加される。したがって、差動部1の出力電圧V2の変化の方向と、トランジスタQ1の出力電流I1の変化の方向とが反対になる。
【0032】
このため、出力電流I1の位相と同相の帰還電流I2を差動部1の出力に帰還させると、帰還電流I2は差動部1の出力電圧V2の変化を妨げる向きに作用する。したがって、帰還電流I2の帰還は負帰還となる。この結果、差動部1における出力電流変化に対する出力電圧V2の変化が低下し、差動部1の出力インピーダンスが小さくなる。
【0033】
なお、他の実施例においては、
図3に示すように、電流信号生成部5から出力される帰還電流を増幅部3の出力線8へ入力してもよい。
図3は、第2実施例によるシリーズレギュレータ回路の構成図である。帰還電流を増幅部3の出力線8へ入力することにより、増幅部3の出力インピーダンスが低下する。
【0034】
この場合に電流信号生成部5は、帰還電流が負帰還になるように、すなわち帰還電流の変化の方向が増幅部3の出力電圧の変化の方向と反対になるように帰還電流を生成する。電流信号生成部5は、トランジスタQ1の出力電流I1の位相と逆相の帰還電流を生成する。
【0035】
また、他の実施例では、差動部1の出力への帰還電流の負帰還と、増幅部3の出力への帰還電流の負帰還を組み合わせてもよい。
【0036】
差動部1の出力インピーダンス及び/又は増幅部3の出力インピーダンスを低減することにより、シリーズレギュレータ回路10のゲインが低減する。この結果、シリーズレギュレータ回路10の位相余裕が増加する。
図4の(A)及び
図4の(B)は、ゲインの低減による位相余裕の増加を説明するボード線図である。
【0037】
図4の(A)及び
図4の(B)は、それぞれ第1ポールfp1及び第2ポールfp2を有するシリーズレギュレータのゲイン線図及び位相線図である。ゲイン線図において、点線及び実線は、それぞれゲインが低減されない場合及びゲインが低減された場合の特性を示す。
【0038】
図4の(A)及び
図4の(B)の例では、ゲインが低減されない場合、周波数faにてゲインがゼロになる前に位相シフト量が180度に達する。このため位相余裕はゼロである。一方で、ゲインが低減されると周波数fbにてゲインがゼロになっても位相シフト量はまだ180度に達しない。このため、位相余裕Pmが存在する。このように、ゲイン低減によってシリーズレギュレータの位相余裕が改善される。
【0039】
次に、差動部1の出力インピーダンスの低減により位相余裕が増加する効果について説明する。差動部1と増幅部3との間に位相補償コンデンサC2が設けられた場合、シリーズレギュレータ回路10の伝達関数は、上式(2)の周波数で与えられる第2ポールを有する。レギュレータの位相補償をする場合には、第1ポールと第2ポールの間隔ができるだけ広い方が望ましい。
【0040】
位相補償コンデンサC2を集積回路(IC:Integrated Circuit)内に内蔵する場合には、位相補償コンデンサC2の容量には限界がある。このため、通常の場合には第2ポールは第1ポールよりも高周波側に発生する。
【0041】
第1ポールの周波数は、バイパスコンデンサC1の容量と負荷Lの抵抗値によって定まる。このため、負荷が大きくなると第1ポールが高周波側に移動するため位相余裕を悪化させる。位相余裕を改善する方法としては、バイパスコンデンサC1の容量を大きくすることが考えられるが、バイパスコンデンサC1の大容量化はコスト増大の要因となる。
【0042】
そこで本実施例では、出力インピーダンスの低減により位相余裕を増加する。上式(2)により差動部1のインピーダンスZが低下すると、第2ポールの周波数が高くなる。第2ポールの周波数が高くなることによる位相余裕への影響を
図5の(A)及び(B)を参照して説明する。
図5の(A)及び
図5の(B)は、出力インピーダンスの低減による位相余裕の増加を説明するボード図である。
【0043】
図5の(A)及び
図5の(B)において、点線及び実線は、それぞれ出力インピーダンスが低減されない場合及び出力インピーダンスが低減された場合の特性を示す。また、fp1は第1ポールの周波数であり、fp21は出力インピーダンスが低減されない場合の第2ポールの周波数であり、fp22は出力インピーダンスが低減された場合の第2ポールの周波数である。出力インピーダンスが低減されたことにより、第2ポールの周波数は、fp21からより高速のfp22へ移動している。
【0044】
図5の(A)及び
図5の(B)の例では、出力インピーダンスが低減されない場合、周波数faにてゲインがゼロになる前に位相シフト量が180度に達する。このため位相余裕はゼロである。一方で、出力インピーダンスが低減された状態では、周波数fbにてゲインがゼロになるときに位相シフト量が180度に達していないため、位相余裕Pmが存在する。このように、出力インピーダンス低減によってシリーズレギュレータの位相余裕が増加する。
【0045】
続いて、シリーズレギュレータ回路の他の実施例について説明する。
図6は、第3実施例によるシリーズレギュレータ回路の構成図である。シリーズレギュレータ回路10は、第1トランジスタQ1と、差動部1と、基準電圧生成部2と、増幅部3と、電圧検出部4と、電流信号生成部5と、バイパスコンデンサC1と、差動部1と増幅部3との間に設けられた位相補償コンデンサC2を備える。
【0046】
第1トランジスタQ1は、NPN型のバイポーラトランジスタであって、エミッタ電極及びコレクタ電極が導通電極として、ベース電極が制御電極として使用される。第1トランジスタQ1のコレクタ電極には入力電圧VINが接続され、エミッタ電極には負荷Lが接続される。バイパスコンデンサC1は負荷Lに並列に接続される。
【0047】
電圧検出部4は、抵抗R1及びR2の直列接続を有する分圧回路を備える。抵抗R1及びR2は、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTとグランドとの間に接続される。電圧検出部4は、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTを、抵抗R1及びR2の比で分圧した分圧電圧V1を出力する。
【0048】
差動部1は、NPN型トランジスタQ2及びQ3により形成される差動対と、トランジスタQ2及びQ3のエミッタ電極に共通接続された定電流源20と、PNP型トランジスタQ4及びQ5を含むカレントミラー回路と、を備える。また差動部1は、レベルシフト回路を形成する定電流源21及びPNP型トランジスタQ6の直列接続と、レベルシフト回路を形成する定電流源22及びPNP型トランジスタQ7の直列接続を備える。
【0049】
トランジスタQ4及びQ5のエミッタ電極は入力電圧VINに接続され、コレクタ電極はそれぞれトランジスタQ2及びQ3のコレクタ電極へ接続される。また、トランジスタQ4及びQ5のベース電極はトランジスタQ5のコレクタ電極へ接続される。このようにトランジスタQ4及びQ5により形成されたカレントミラー回路は、トランジスタQ2及びQ3が形成する差動対に対して能動負荷として接続される。差動部1の出力線7はトランジスタQ2のコレクタ電極から取り出される。
【0050】
定電流源21は、入力電圧VINとトランジスタQ6のエミッタ電極との間に接続され、トランジスタQ6のコレクタ電極はグランドに接続される。定電流源21及びトランジスタQ6は、ベース電極に印加される基準電圧Vrefの電圧レベルをシフトするレベルシフト回路を形成する。トランジスタQ6のエミッタ電極はトランジスタQ2のベース電極に接続され、電圧レベルがシフトした後の基準電圧VrefがトランジスタQ2のベース電極に入力される。
【0051】
定電流源22は、入力電圧VINとトランジスタQ7のエミッタ電極との間に接続され、トランジスタQ7のコレクタ電極はグランドに接続される。定電流源22及びトランジスタQ7は、ベース電極に印加される分圧電圧V1の電圧レベルをシフトするレベルシフト回路を形成する。トランジスタQ7のエミッタ電極はトランジスタQ3のベース電極に接続され、電圧レベルがシフトした後の分圧電圧V1がトランジスタQ3のベース電極に入力される。
【0052】
差動対をなすトランジスタQ2及びQ3には、それぞれ基準電圧Vref及び分圧電圧V1が入力され、差動部1の出力線7からは基準電圧Vref及び分圧電圧V1の差に応じた差分電圧V2が出力される。
【0053】
増幅部3は、レベルシフト回路を形成する定電流源23及びPNP型トランジスタQ8の直列接続と、PNP型トランジスタである第2トランジスタQ9と、抵抗R4を備える。
【0054】
定電流源23は、入力電圧VINとトランジスタQ8のエミッタ電極との間に接続され、トランジスタQ8のコレクタ電極はグランドに接続される。また、トランジスタQ8のベース電極は、差動部1の出力線7に接続される。定電流源23及びトランジスタQ8は、差動部1からの出力電流を増幅する目的で設けられる。トランジスタQ8のエミッタ電極は第2トランジスタQ9のベース電極に接続され、電圧レベルがシフトした後の差分電圧V2が第2トランジスタQ9のベース電極に入力される。
【0055】
PNP型トランジスタである第2トランジスタQ9の第1の導通電極であるエミッタ電極は、入力電圧VINに接続される。第2の導通電極であるコレクタ電極と負荷Lの間には抵抗R4が接続され、抵抗R4には第2トランジスタQ9のコレクタ電流が流れる。第2トランジスタQ9のコレクタ電流の位相は、ベース電極に印加された差分電圧V2の位相と逆であるため、抵抗R4の両端には差分電圧V2の位相と反対の位相の電圧降下が現れる。
【0056】
抵抗R4の両端には第1トランジスタQ1のベース電極及びエミッタ電極に接続される。したがって、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTおよび出力電流V1は、第2トランジスタQ9のコレクタ電流によって制御される。
【0057】
基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が大きくなった場合には、差動部1の出力電圧V2が大きくなり、その結果第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTおよび出力電流V1が小さくなる。また、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が小さくなった場合には、差動部1の出力電圧V2が小さくなり、その結果第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTおよび出力電流V1が大きくなる。
【0058】
電流信号生成部5は、PNP型トランジスタである第3トランジスタQ10と、抵抗R5を備える。第3トランジスタQ10のベース電極は、第2トランジスタQ9のベース電極に接続され、第3トランジスタQ10のエミッタ電極は、抵抗R5を介して入力電圧VINに接続される。すなわち、第3トランジスタQ10のエミッタ電極は、抵抗R5を介して第2トランジスタQ9のエミッタ電極に接続される。
【0059】
第3トランジスタQ10のコレクタ電流は、第2トランジスタQ9のコレクタ電流と同相信号となる。第2トランジスタQ9のコレクタ電流と第3トランジスタQ10のコレクタ電流の比は、第2トランジスタQ9及び第3トランジスタQ10のPN接合の接合面の面積と、抵抗R5によって設定することができる。第3トランジスタQ10のコレクタ電流は、例えば、第2トランジスタQ9のコレクタ電流の1/2000であってよい。
【0060】
第3トランジスタQ10のコレクタ電極は、線路6を経由して、差動部1の出力線7に接続される。第2トランジスタQ9のコレクタ電流と同位相の第3トランジスタQ10のコレクタ電流は、差分電圧V2と逆位相であるので、第3トランジスタQ10のコレクタ電流を差動部1の出力線7に入力するフィードバックは負帰還となる。したがって、上述の第1実施例と同様に差動部1の出力インピ−ダンスを低減することができる。この結果、シリーズレギュレータ回路10のゲインが低減される。
【0061】
本実施例によれば、シリーズレギュレータ回路10のゲインが低減されシリーズレギュレータ回路10の位相余裕が増加する。また、差動部1の出力インピ−ダンスの低減により第2ポールの周波数がより高速になり、シリーズレギュレータ回路10の位相余裕が増加する。
【0062】
本実施例によれば、差動部1の出力インピ−ダンスを低減するために、第1トランジスタの出力電流I1に応じた帰還電流を負帰還させる。差動部1の出力インピ−ダンスを低減する方法としては、差動部1を形成する回路素子の定数を変更することも考えられる。しかし、設計上の制約により回路素子の定数を変更して差動部1の出力インピ−ダンスを大きく低減することは実際には困難である。また、出力インピ−ダンスを所望の値に調整することも困難である。
【0063】
本実施例によれば、帰還電流の大きさを任意に設定することが容易であり、このため回路素子の定数を変更する手法に比べて、出力インピ−ダンスの低減量を大きくすることができる。帰還電流の値により出力インピ−ダンスの値を調整することができるので、出力インピ−ダンスを所望の値に調整することも困難である。
【0064】
続いて、シリーズレギュレータ回路の他の実施例について説明する。
図7は、第4実施例によるシリーズレギュレータ回路の構成図である。
図2に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付する。同一の参照符号が付された構成要素の動作は、特に説明しない限り同じである。
【0065】
電流信号生成部5は、入力電圧VIN、負荷L及び第1トランジスタQ1に直列接続されたシャント抵抗R6と、シャント抵抗R6の両端に生じる電位差を検出して電位差に応じた電流を出力するセンスアンプ24を備える。
【0066】
本実施例では、シャント抵抗R6は、入力電圧VINと第1トランジスタQ1のコレクタ電極との間に接続される。センスアンプ24は、シャント抵抗R6を流れる第1トランジスタQ1のコレクタ電流に応じた信号を出力することで、第1トランジスタQ1から負荷Lへ出力される出力電流I1に応じた電流信号を帰還電流として生成する。センスアンプ24から出力される帰還電流は、線路6を経由して差動部1の出力線7へ入力される。
【0067】
他の実施例では、シャント抵抗R6を、第1トランジスタQ1のエミッタ電極と負荷Lとの間に接続してもよい。また、センスアンプ24から出力される帰還電流の論理を反転させた後に、線路6を経由して増幅部3の出力線8へ入力してもよい。
【0068】
本実施例によれば、第1トランジスタQ1の出力電流の検出にセンスアンプを使用することにより、第2実施例に比べて帰還電流の精度を高くすることが可能となる。
【0069】
続いて、シリーズレギュレータ回路の他の実施例について説明する。
図8は、第5実施例によるシリーズレギュレータ回路の構成図である。シリーズレギュレータ回路10は、第1トランジスタQ11と、差動部1と、基準電圧生成部2と、増幅部3と、電圧検出部4と、電流信号生成部5と、バイパスコンデンサC1と、差動部1と増幅部3との間に設けられた位相補償コンデンサC2を備える。
【0070】
第1トランジスタQ11は、PNP型のバイポーラトランジスタであって、エミッタ電極及びコレクタ電極が導通電極として、ベース電極が制御電極として使用される。第1トランジスタQ11のエミッタ電極は入力電圧VINに接続され、コレクタ電極には負荷Lが接続される。第1トランジスタQ11のベース電極に印加される制御電圧の位相と出力電圧VOUTの位相は反対になる。
【0071】
バイパスコンデンサC1は負荷Lに並列に接続される。電圧検出部4は、抵抗R1及びR2の直列接続を有する分圧回路を備える。抵抗R1及びR2は、第1トランジスタQ1の出力電圧VOUTとグランドとの間に接続される。電圧検出部4は、出力電圧VOUTの分圧電圧V1を出力する。
【0072】
差動部1は、差動増幅器を有する。差動増幅器は、基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成部2及び電圧検出部4の出力に接続され、基準電圧Vrefと電圧信号V1とを入力する。差動増幅器の正入力及び負入力にはそれぞれ基準電圧Vrefと電圧信号V1が印加される。
【0073】
差動部1の出力は、増幅部3の入力に接続される。差動部1は、基準電圧Vrefと電圧信号V1との差に応じた差分電圧V2を差動部3に出力する。基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が大きくなった場合には差分電圧V2が小さくなり、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が小さくなった場合には差分電圧V2が大きくなる。位相補償コンデンサC2は、差動部1の出力と入力電圧VINとの間に接続される。
【0074】
増幅部3は、第2トランジスタQ19と、入力電圧VINと第2トランジスタQ19との間に接続される定電流源25とを備える。第2トランジスタQ19は、NPN型バイポーラトランジスタであり、ベース電極に差動部1の出力が接続される。エミッタ電極はグランドに接続され、コレクタ電極が定電流源25に接続される。増幅部3の出力線8は、第2トランジスタQ19のコレクタ電極から取り出され、第1トランジスタQ11のベース電極へ接続される。第2トランジスタQ19の出力電圧の位相は、元の差動電圧V2の位相と反対となる。
【0075】
したがって、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が大きくなったとき、第1トランジスタQ11のベース電極へ印加される電圧が大きくなり、出力電圧VOUTはより小さくなるように制御される。また、基準電圧Vrefよりも分圧電圧V1が小さくなったとき、第1トランジスタQ1のベース電極へ印加される電圧が小さくなり、出力電圧VOUTはより大きくなるように制御される。
【0076】
電流信号生成部5は、PNP型トランジスタである第3トランジスタQ20と、抵抗R15を備える。第3トランジスタQ20のベース電極は、第1トランジスタQ11のベース電極に接続され、第3トランジスタQ20のエミッタ電極は、抵抗R15を介して入力電圧VINに接続される。すなわち、第3トランジスタQ20のエミッタ電極は、抵抗R15を介して第1トランジスタQ11のエミッタ電極に接続される。
【0077】
この結果、第3トランジスタQ20のコレクタ電流は、第1トランジスタQ11のコレクタ電流と同相信号となる。第1トランジスタQ11のコレクタ電流と第3トランジスタQ20のコレクタ電流の比は、第1トランジスタQ11及び第3トランジスタQ20のPN接合の接合面の面積と、抵抗R15によって設定される。
【0078】
第3トランジスタQ20のコレクタ電極は、増幅部3の出力線8が接続される第2トランジスタQ19のコレクタ電極に接続される。第3トランジスタQ20のコレクタ電流は、第2トランジスタQ19のコレクタ電極の電位と逆位相であるので、第3トランジスタQ20のコレクタ電流のフィードバックは負帰還となる。したがって、増幅部3の出力インピ−ダンスが低減され、シリーズレギュレータ回路10のゲインが低減される。
【0079】
本実施例によれば、負荷に直列接続される第1トランジスタ11と共通の制御信号で制御される他のトランジスタを用いて、増幅部3の出力インピ−ダンスを低減する帰還電流を生成するために使用する第1トランジスタ11に流れる電流を検出することができる。
【0080】
他の実施例では、負荷に直列接続される出力トランジスタと共通の制御信号で制御される他のトランジスタを用いて出力トランジスタに流れる電流を検出し、出力トランジスタに流れる電流に応じた帰還電流を、増幅部1の出力に負帰還させてもよい。
【0081】
例えば、
図8に示す回路構成において、分圧電圧V1及び基準電圧Vrefを差動部1の正入力及び負入力にするとともに、第2トランジスタQ19としてPNP型バイポーラトランジスタを使用する。そして、第3トランジスタQ20のコレクタ電流を差動部1の出力線に帰還してよい。