特許第5697492号(P5697492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697492
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150319BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20150319BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150319BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150319BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V23/06
   F21V19/00 170
   F21V19/00 150
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-47731(P2011-47731)
(22)【出願日】2011年3月4日
(65)【公開番号】特開2012-185981(P2012-185981A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】300022353
【氏名又は名称】NECライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】木村 弘典
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩之
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−014317(JP,A)
【文献】 特開2011−028946(JP,A)
【文献】 特開2011−044428(JP,A)
【文献】 実開平06−017030(JP,U)
【文献】 特開2010−108918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/06
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、該本体に着脱可能な複数のLED光源ユニットとを有する照明器具であって、
前記LED光源ユニットは、
LED素子が配列された搭載面と、該搭載面と反対側の背面とを備えた細長のベース部材と、
前記ベース部材の前記搭載面および該搭載面に配列されている前記LED素子を覆う半円筒形の拡散カバーと、
前記拡散カバーの両端面をそれぞれ塞ぐ一対の蓋部材と、
前記ベース部材の前記背面側に設けられた係止手段および受電手段と、を有し、
前記蓋部材は透光性を備え、
前記本体は、複数の前記LED光源ユニットを該LED光源ユニットの長手方向に隣接して一列に配置可能としており、
前記本体は、
前記LED光源ユニットの前記係止手段が係止および係止解除が可能な係止穴と、前記LED光源ユニットの前記受電手段と接続および接続解除が可能な給電手段と、を有し、 前記LED光源ユニットの前記係止手段は、前記本体の前記係止穴に係止して該LED光源ユニットを前記本体に固定するとともに、前記係止穴への係止を解除して該LED光源ユニットを前記本体から取り外し可能とし、
前記LED光源ユニットの前記受電手段は、前記本体の前記給電手段と接続して、前記LED素子への電力供給を可能とすることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記本体は、ベースプレートと、該ベースプレートに固定されたフレームと、該フレームおよび該フレームが固定されている前記ベースプレートの表面を覆う反射板とを有し、
前記係止穴は前記フレームに形成されており、
前記反射板には、前記係止穴を露出させる開口部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の照明器具。
【請求項3】
前記反射板は、前記LED光源ユニットが配置される細長の設置部を有し、
前記設置部は、周囲よりも一段低い凹状に形成されており、
前記開口部は、前記設置部の底面に形成されていることを特徴とする請求項に記載の照明器具。
【請求項4】
前記本体は、前記係止穴を跨いで横断する落下防止手段を有し、
前記落下防止手段の一端は前記本体と連続しており、
前記落下防止手段の他端は前記本体と不連続であって、前記LED光源ユニットの前記係止手段が出入り可能な隙間を前記本体との間に形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記LED光源ユニットの前記係止手段は、前記本体に設けられている前記係止穴を通過可能な幅を有する第1の状態と、前記係止穴を通過不可能な幅を有する第2の状態とに反復変形可能な弾性を有し、
前記係止穴の外にある前記係止手段を前記係止穴の縁に当接させた上で、前記LED光源ユニットを前記本体に押し付けると、前記係止手段は、前記第1の状態から前記第2の状態に弾性変形することにより、前記係止穴を通過して該係止穴の内側に進入し、その後前記第1の状態に復帰し、
前記係止穴の内にある前記係止手段を前記係止穴の縁に当接させた上で、前記LED光源ユニットを前記本体から引き離すと、前記係止手段は、前記第1の状態から前記第2の状態に弾性変形することにより、前記係止穴を通過して該係止穴の外側に脱し、その後前記第1の状態に復帰することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照明器具
【請求項6】
前記係止部材は、略菱形に折り曲げられた金属の線材からなることを特徴とする請求項に記載の照明器具
【請求項7】
前記ベース部材は、前記背面の対向する長辺からそれぞれ立ち上げられた一対の側壁を有し、
前記係止手段および前記受電手段は、前記背面上であって、かつ、前記一対の側壁の間に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の照明器具
【請求項8】
前記拡散カバーの対向する長辺のそれぞれには、前記側壁の端部が嵌合可能な溝が形成されていることを特徴とする請求項に記載の照明器具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具に関するものであり、特にLED(Light Emitting Diode)を光源とする照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光ランプを光源とする従来の照明器具に代わる新たな照明器具として、LEDを光源とする照明器具が注目されている。ここで、従来の照明器具には、環形の蛍光ランプ(“サークライン”と呼ばれることもある)を備えた照明器具と、直管形の蛍光ランプを備えた照明器具とがあり、両者はともに広く普及している。そこで、LEDを光源とする照明器具についても、環形の蛍光ランプを備えた照明器具に代わる照明器具(例えば、特許文献1、2参照)と、直管形の蛍光ランプを備えた照明器具に代わる照明器具(例えば、特許文献3、4参照)とがそれぞれ開発されている。
【0003】
ここで、従来の直管形の蛍光ランプは、放電媒体が封入されたガラス管と、該ガラス管の両端に設けられた口金とを有し、それぞれの口金からは棒状のコネクタが突出していた。かかるコネクタは、器具本体に設けられている一対のソケットにそれぞれ設けられている孔に挿入され、蛍光ランプを器具本体に固定する固定手段として機能するとともに、器具本体と電気的に導通し、ガラス管内に配置されている電極に電力を供給する受電手段としても機能していた。
【0004】
そこで、直管形の蛍光ランプに代わるLED光源ユニットは、直管形の蛍光ランプの上記構造や形状を踏襲している。具体的には、直線的に並べられた複数のLED素子と、それらLED素子を覆う円筒状のカバーとを有している。さらに、図7に示すように、LED光源ユニット100(カバー200)の両端(図7には一方の端部のみを示す。)には上記口金に相当する部材(以下「キャップ201」と呼ぶ。)が設けられており、該キャップ201の端面からは上記コネクタに相当するピン202が突出している。
【0005】
さらに、図8(a)に示すように、上記のようなLED光源ユニット100を用いる照明器具の本体300には、該器具本体300から突出する一対のソケット301が設けられている。また、図8(b)に示すように、各ソケット301には、LED光源ユニット100のキャップ201から突出しているピン202を受け入れる孔302が設けられている。そして、LED光源ユニット100は、従来の蛍光ランプと同様に、各ソケット301が有する孔302に挿入されたピン202によって器具本体300に固定されるとともに、該ピン202を介して電力の供給を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-129281号公報
【特許文献2】特開2008-124008号公報
【特許文献3】特開2010-245018号公報
【特許文献4】特開2009-266432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のLED光源ユニットや該ユニットを用いた照明器具には次のような課題があった。すなわち、LED光源ユニットは、その両端が器具本体から突出している一対のソケットによって保持される。このため、図8(a)に示すように、LED光源ユニット100と器具本体300との間に隙間が生じ、照明器具の高さ(厚み)が増してしまう。
【0008】
また、図8(a)(b)に示すように、2つのLED光源ユニット100を一列に並べて配置した場合、隣接するLED光源ユニット100の間には、2つのソケット301と、各ユニット100のキャップ201とが介在することになり、隣接するLED光源ユニット100の間に大きな隙間(非発光部)が生じてしまう。よって、一列に並べられた複数のLED光源ユニット100をあたかも一本のランプのように認識させることは困難である。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記課題の少なくとも一部を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明器具は、本体と、該本体に着脱可能な複数のLED光源ユニットとを有し、前記LED光源ユニットは、LED素子が配列された搭載面と、該搭載面と反対側の背面とを備えた細長のベース部材と、前記ベース部材の前記搭載面および該搭載面に配列されている前記LED素子を覆う半円筒形の拡散カバーと、前記拡散カバーの両端面をそれぞれ塞ぐ一対の蓋部材と、前記ベース部材の前記背面側に設けられた係止手段および受電手段と、を有する。前記蓋部材は透光性を備え、前記本体は、複数の前記LED光源ユニットを該LED光源ユニットの長手方向に隣接して一列に配置可能としている。また、前記本体は、前記LED光源ユニットの前記係止手段が係止および係止解除が可能な係止穴と、前記LED光源ユニットの前記受電手段と接続および接続解除が可能な給電手段と、を有する。前記LED光源ユニットの前記係止手段は、前記本体の前記係止穴に係止して該LED光源ユニットを前記本体に固定するとともに、前記係止穴への係止を解除して該LED光源ユニットを前記本体から取り外し可能とし、前記LED光源ユニットの前記受電手段は、前記本体の前記給電手段と接続して、前記LED素子への電力供給を可能とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記課題の少なくとも一部が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)(b)は、本発明のLED光源ユニットの実施形態の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の照明器具の実施形態の一例を示す斜視図である。
図3】(a)(b)は、図1に示すLED光源モジュールに設けられている係止部材を示す異なる平面図である。
図4図1に示すLED光源モジュールに設けられている蓋部材を示す斜視図である。
図5】(a)〜(c)は、図2に示す照明器具を示す異なる平面図である。
図6】係止部材および係止穴を示す部分拡大図である。
図7】従来のLED光源ユニットの一例を示す部分拡大図である。
図8】(a)(b)は、図7に示すLED光源ユニットを備えた照明器具を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の照明器具の第1の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る照明器具は、室内を照明するために部屋の天井に取り付けられる照明器具である。
【0015】
図1(a)(b)は、本実施形態に係る照明器具に用いられるLED光源ユニット10の斜視図である。なお、LED光源ユニット10の内部構造を示すべく、図1(b)では、図1(a)に示す拡散カバー13を僅かにスライドさせてある。
【0016】
図2は、本実施形態に係る照明器具の本体(以下「器具本体80」と呼ぶ。)を示す斜視図である。なお、器具本体80には2つのLED光源ユニット10を装着可能であるが、図2では、一方のLED光源ユニット10は器具本体80に取り付けられ、他方のLED光源ユニット10は器具本体80から取り外されている。
【0017】
まず、LED光源ユニット10について詳細に説明する。図1(a)に示すように、LED光源ユニット10は、ベース部材11と、該ベース部材11に搭載された複数のLEDモジュール12と、ベース部材11に搭載されているLEDモジュール12を覆う半円筒形の拡散カバー13とを有する。
【0018】
ベース部材11は、所定形状に曲げ加工された金属の板であり、全体として細長の形状を有する。具体的には、図1(b)に示すように、2つの主面20a、20bを有し、その一方に複数のLEDモジュール12が載置されている搭載部20と、該搭載部20の対向する2つの長辺からそれぞれ垂直に立ち上げられた側壁21とを有する。さらに、各側壁21の端部21aは、外側に向けて直角に折り曲げられ、搭載部20に対して平行に延びている。なお、以下の説明では、搭載部20の2つの主面20a、20bのうち、LEDモジュール12が載置されている主面20aを「搭載面20a」、搭載面20aと反対側の主面20bを「背面20b」と呼んで区別する。ベース部材11は上記形状を有するので、背面20bの上には、対向する側壁21によって挟まれた上方開口の細長い空間22が存在している。なお、空間22の長手方向両端も開口されていることは図1(a)(b)から明らかである。
【0019】
各LEDモジュール12は、長方形の基板30と、基板30の上に、該基板30の長手方向に沿って一列に並べられた複数のLED素子31とを備えている。各LEDモジュール12は、ベース部材11の搭載面20aの上に、該搭載面20aの長手方向に沿って隙間なく一例に並べられている。
【0020】
図2に示すように、搭載部背面20bには、LED光源ユニット10を器具本体80に取り付けるための係止部材40が設けられている。具体的には、背面20bの長手方向両端よりもやや内側の2ヶ所には直交する一対のブラケットがそれぞれ配置されており、それらブラケットに係止部材40が固定されている。より具体的には、一対のブラケットの一方(第1のブラケット41a)は、ベース部材11の対向する側壁21(図1)の間に掛け渡されており、空間22を跨いでいる。一対のブラケットの他方(第2のブラケット41b)は、第1のブラケット41aの上を跨いで延びており、その両端は搭載部背面20bにネジ止めされている。第2のブラケット41bは、第1のブラケット41aをベース部材11に固定するとともに、係止部材40の根元を第1のブラケット41aとの間に挟持している。
【0021】
さらに、図3(a)(b)に示すように、係止部材40は金属の線材からなり、その根元より先の部分は、該根元に対して直角に折り曲げられており、搭載部背面20bに対して垂直に立ち上がっている。係止部材40の根元より先の部分は、パンタグラフのような略菱形に折り曲げられて全体として弾性を備えており、幅Wが変化する。換言すれば、係止部材40の幅Wを定める対向する2つの頂点の間の距離が変化する。係止部材40は、弾性変形によって一時的に幅Wが縮小された状態で器具本体80に設けられている係止穴84(図2)を通過して該係止穴84の内側に進入し、その後、元の幅に復帰することによって係止穴84の縁に係止する。なお、器具本体80に対するLED光源ユニット10の着脱方法については後に詳しく説明する。
【0022】
また、図2に示すように、ベース部材11には、器具本体80を介して電力の供給を受けるための受電手段が設けられている。具体的には、ベース部材11の搭載部背面20bからは配線50が延びており、その配線50の端部には、器具本体80に設けられている給電コネクタ90に接続される受電コネクタ51が設けられている。器具本体側の給電コネクタ90とLED光源ユニット側の受電コネクタ51とを接続すると、配線50を介してベース部材11上に設けられている不図示の電源回路に電力が供給され、該電源回路を介して各LEDモジュール12(図1)に電力が供給される。
【0023】
次に、図1に示す拡散カバー13について説明する。拡散カバー13はアクリルその他の透光性樹脂材料により作られており、LEDモジュール12から発せられた光を拡散させて放出する機能を有する。拡散カバー13は上記のように半円筒形であり、長手方向両端は開放されている。また、拡散カバー13の互いに平行な2つの長辺には、その全長に亘って溝60が一体成形されており、この溝60の長手方向両端も開放されている。よって、これら溝60の一方の端部から該溝60の内側に、ベース部材11の側壁端部21aを挿入してスライドさせることによって、ベース部材11と拡散カバー13とを一体化させることができる。なお、ベース部材11と拡散カバー13とを相対的に逆方向にスライドさせることによって、ベース部材11と拡散カバー13とを分離させたり、ベース部材11(LEDモジュール12)の一部を露出させたりすることができる。
【0024】
拡散カバー13の開放されている両端面は、図4に示すような板状の蓋部材70によって閉塞されている。蓋部材70は、図1に示す拡散カバー13の端面形状に対応した半月形の閉塞部71と、閉塞部71の内面に一体成形された円弧状の第1のリブ72と、略矩形の第2のリブ73とを有する。第1のリブ72は、拡散カバー内面の円弧に対応した形状を有するとともに、閉塞部71の円弧状の端面71aから拡散カバー13の厚み分だけ後退した位置に形成されている。よって、拡散カバー13の端部に蓋部材70を嵌めると、拡散カバー13の外面と閉塞部71の端面71aとが面一になる。一方、第2のリブ73は、蓋部材70が拡散カバー13の端部に嵌められたときに、ベース部材11の搭載部背面20bに重なるように形成されている。
【0025】
また、蓋部材70は、拡散カバー13と同様に透光性樹脂材料によって作られている。すなわち、本実施形態に係るLED光源ユニット10では、その端面からも光が放出される。さらに、蓋部材70は、拡散カバー13の端面を閉塞するのみであって、図8に示すキャップ201と異なり、LED光源ユニット10を器具本体80に固定する役割などは担っていない。よって、蓋部材70は容易に破損しない程度の強度を有すれば十分であり、厚みを薄くすることが可能である。
【0026】
次に、主に図2図5を参照して器具本体80について説明する。器具本体80は、略長方形のベースプレート81と、該ベースプレート81を覆う反射板82とを有する。ベースプレート81の長辺方向両側には、短辺方向に延びるフレーム83がそれぞれ固定されている。各フレーム83には、LED光源ユニット10の係止部材40が係止および係止解除が可能な係止穴84が2つずつ設けられている。図6に示すように、係止穴84は、フレーム83の延在方向に沿って細長く形成された長穴である。さらに、フレーム83には、係止穴84を跨いで横断する落下防止手段が設けられている。具体的には、係止穴84の一方の長辺近傍から他方の長辺近傍に向けて該係止穴84の上を跨いで横断する片持ちのフック85が一体に成形されている。すなわち、フック85の一端(基端)はフレーム83と連続しているが、他端(先端)はフレーム83と不連続である。したがって、フック85の先端とフレーム83との間には、係止部材40が出入り可能な隙間86が存在している。
【0027】
図5に示すように、反射板82は、ベースプレート81に2つの化粧ネジ87で固定されている。反射板82は、LED光源ユニット10から放出された光を反射するとともに、ベースプレート81上のフレーム83その他を覆い隠す装飾的機能を有する。図2に示すように、反射板82には、2本のLED光源ユニット10を平行に配置可能な2つの設置部88が設けられている。各設置部88は、周囲よりも一段低い凹状に形成されており、その内側にLED光源ユニット10を受け入れ可能になっている。さらに、各設置部88の底面には2つの開口部89が形成されており、各開口部89からフレーム83に形成されている係止穴84が露出している。また、開口部89からは、LED光源ユニット側の受電コネクタ51に接続される給電コネクタ90も露出している。もっとも、かかる開口部89は、LED光源ユニット10が設置部88に配置されると、該LED光源ユニット10によって覆い隠される。
【0028】
次に、LED光源ユニット10の器具本体80への着脱方法について説明する。ここで、LED光源ユニット10に設けられている係止部材40は弾性変形可能であって、その幅W(図3)が変化することは既述の通りである。そこで、以下の説明では、何らの外力も受けていない通常状態における係止部材40の幅Wを幅Wmaxと定義し、係止部材40が係止穴84(図2)を通過するときの幅Wを幅Wminと定義する。もっとも、かかる定義は説明の便宜上の定義に過ぎない。
【0029】
まず、LED光源ユニット10の2つの係止部材40のそれぞれをフック85の先端とフレーム83との間の隙間86に差し入れ、図6に示すように、係止部材40をフック85に引っ掛ける。これによって、天井に設置されている器具本体80にLED光源ユニット10がぶら下げられる。次に、器具本体側の給電コネクタ90とLED光源ユニット側の受電コネクト51とを図2に示すように接続する。その後、LED光源ユニット10を器具本体80に向けて押し上げると、係止部材40が係止穴84の外縁に当接する。この時点では、係止部材40は、幅Wmaxを維持している。LED光源ユニット10をさらに押し上げると、係止穴84の外縁に当接している係止部材40が押圧され、幅Wが次第に縮小する。すなわち、図3(b)に示す係止部材40の2つの頂点の間の距離が次第に狭くなる。そして、LED光源ユニット10の押し上げを継続すると、係止部材40がさらに弾性変形し、幅Wが幅Wminに達する。係止部材40の幅Wが幅Wminに達すると、係止部材40が係止穴84を通過し、フレーム83の内側に進入する。これと同時に、係止部材40の幅Wは、自己の弾性復元力によって幅Wmaxに復帰する。係止部材40の幅Wが幅Wmaxに復帰すると、係止部材40が係止穴84の内縁に係止し、LED光源ユニット10がフレーム83(器具本体80)に固定される。このとき、LED光源ユニット10と器具本体80(反射板82)とは、ほぼ隙間なく対向する。
【0030】
一方、器具本体80に固定されているLED光源ユニット10を所定以上の力で下方に引き下げると、係止穴84の内縁に係止している係止部材40が押圧されて弾性変形し、幅Wが幅Wmaxから幅Wminまで縮小する。係止部材40の幅Wが幅Wminまで縮小すると、係止部材40が係止穴84を通過可能となるので、LED光源ユニット10は自重によって落下する。しかし、係止穴84を通過した係止部材40は、その直後にフック85に自動的に引っ掛かるので、LED光源ユニット10はそこで停止し、それ以上落下することはない。よって、LED光源ユニット10を器具本体80から完全に取り外す場合には、フック85の先端とフレーム83との間の隙間86を通して係止部材40を引き出す。
【0031】
なお、図1(a)に示す拡散カバー13の直径D1は32mm、直径D2は21mmである。また、本実施形態に係るLED光源ユニット10の全長は1220mmである。また、LED光源ユニット10の端面から係止部材40までの距離L(図3)は、150mmである。もっとも、上記数値は一例に過ぎず、適宜変更することができる。
【0032】
以上が本発明に係るLED光源ユニットおよび照明器具の第1の実施形態である。ここで、LED光源ユニット10の端部は、図4に示す蓋部材70で閉塞されており、その蓋部材70は透光性を備えている。さらに、蓋部材70の厚みは、従来の蛍光ランプにおける口金や図8に示すキャップ201の厚みに比べて極めて薄くすることが可能である(例えば、蓋部材70の閉塞部71の厚みは数mmにすることが可能である。)。よって、複数のLED光源ユニット10を一列に並べて配置した場合、隣接するLED光源ユニット10の間に非発光部が生じることがなく、それら複数のLED光源ユニット10はあたかも一本のランプのように認識される。また、器具本体80へのLED光源ユニット10の固定および器具本体80からLED光源ユニット10への電力供給は、LED光源ユニット10の背面側において行われる。よって、器具本体80とLED光源ユニット10との間に隙間が生じず、照明器具の高さ(厚み)が抑制される。
【符号の説明】
【0033】
10 LED光源ユニット
11 ベース部材
12 LEDモジュール
13 拡散カバー
20a 搭載面
20b 背面
21 側壁
40 係止部材
51 受電コネクタ
60 溝
70 蓋部材
80 器具本体
81 ベースプレート
82 反射板
84 係止穴
85 フック
88 設置部
89 開口部
90 給電コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8