(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射部材は、前記第一空間から入射する光を前記表示部に向けて反射する傾斜部あるいは前記第一空間から入射する光を前記表示部に向けて反射する湾曲部の少なくともいずれか一方を有する
請求項1に記載の開閉体装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態に係る開閉体装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0025】
〔第1実施形態〕
図1から
図3を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、開閉体装置に関する。
図1は、第1実施形態に係る開閉体装置の配置の一例を示す図、
図2は、第1実施形態に係る開閉体装置1−1の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0026】
図1および
図2に示すように、開閉体装置1−1は、開閉体10、収納部20および反射部材30を備える。開閉体10は、ビル、家屋、倉庫等の建築物を含む構造物Sに形成された開口部4を開放あるいは閉塞するものである。
図1に示すように、構造物Sには、第一空間2と第二空間3とを連通する矩形の開口部4が形成されている。開口部4は、構造物S内の空間と構造物Sの外部の空間とを連通するものであっても、本実施形態のように構造物Sの内部の二つの空間2,3を連通するものであってもよい。通路5は、第一空間2と第二空間3とにわたって形成されるものであり、非常時には避難通路となる。
【0027】
図1には、第一空間2側から見た開閉体装置1−1が示されている。本実施形態の開閉体10は、火災時等の非常時に開口部4を閉塞する防火戸としての機能を有する。開閉体10は、平常時には開口部4を開放する開状態とされるものであり、自動あるいは手動で開口部4を随時閉塞することができる随時閉鎖式の防火戸である。開閉体装置1−1は、自動的に開閉体10によって開口部4を閉塞する自動閉塞機構を有しており、煙や熱を感知した場合にこの自動閉塞機構が作動して開口部4を閉塞することができる。
【0028】
開閉体10は、第一開閉体11および第二開閉体12を有する。第一開閉体11および第二開閉体12は、それぞれ矩形の開き戸であり、本実施形態では開閉体10は両開き戸となっている。第一開閉体11は、開口部4の幅方向の一方側の端部において回動可能に支持されている。第二開閉体12は、開口部4の幅方向の他方側の端部において回動可能に支持されている。
【0029】
収納部20は、開閉体10が開口部4を開放する開状態のときに開閉体10が収納されるものである。収納部20は、第一収納部21および第二収納部22を有する。第一収納部21および第二収納部22は、それぞれ構造物Sの壁部に形成された矩形の窪みである。なお、収納部20は、壁部に窪みとして形成されるものには限定されない。例えば、収納部20は、壁面に固定されるドア枠の窪み部分等であってもよい。第一収納部21と第二収納部22とは、通路5を挟んで開口部4の幅方向において互いに対向している。第一収納部21は、通路5を挟んだ幅方向の一方側の壁部6Aに形成されており、第二収納部22は、通路5を挟んだ幅方向の他方側の壁部6Bに形成されている。
【0030】
第一収納部21は、壁部6Aに形成された凹部であり、第二空間3側の端部において開口部4と接続されている。第一開閉体11は、第一収納部21と開口部4との接続部において上下方向に延在する回転軸によって軸支されている。これにより、第一開閉体11は、第一収納部21に収納される回転位置から開口部4を閉塞する回転位置まで軸支されつつ自在に回動することができる。第一開閉体11の開閉方向は、
図1に示すように、第一収納部21と開口部4との接続部において軸支されて回動する回転方向である。第一開閉体11は、この開閉方向に移動することによって、開口部4を開放あるいは閉塞することができる。
図1には、開口部4を閉塞する閉状態の第一開閉体11が示されている。
【0031】
第二収納部22は、壁部6Bに形成された凹部であり、第二空間3側の端部において開口部4と接続されている。第二開閉体12は、第二収納部22と開口部4との接続部において上下方向に延在する回転軸によって軸支されており、第二収納部22に収納される回転位置から開口部4を閉塞する回転位置まで軸支されつつ自在に回動することができる。第二開閉体12の開閉方向は、
図1に示すように、第二収納部22と開口部4との接続部において軸支されて回動する回転方向である。第二開閉体12は、この開閉方向に移動することによって、開口部4を開放あるいは閉塞することができる。
図1には、第二収納部22に収納されて開口部4を開放する開状態の第二開閉体12が示されている。
【0032】
本明細書では、開閉体10の開閉方向において開口部4を閉塞する側に向けて回動する移動方向を閉側の移動方向と記載し、収納部20に収納される側に向けて回動する移動方向を開側の移動方向と記載する。
【0033】
以下、第一開閉体11および第一収納部21を例に開閉体10および収納部20について詳細を説明する。なお、第二開閉体12および第二収納部22の構成は、第一開閉体11および第一収納部21の構成と同様とすることができる。
【0034】
図1に示すように、第一収納部21は、所定壁面23を有する。所定壁面23は、第一空間2を形成している。第一面11Aは、第一開閉体11が開口部4を閉塞している閉状態で第一開閉体11における第一空間2側に位置して第一空間2を形成する面である。第二面11B(
図2参照)は、第一開閉体11における第一面11Aと反対側の面である。第二面11Bは、第一開閉体11の閉状態において第二空間3を形成する面である。
【0035】
図2に示すように、第一面11Aは、開状態において第一開閉体11が第一収納部21に収納されると所定壁面23と互いに対向する。
図2には、開状態における第一開閉体11および第一収納部21の一断面が示されている。
【0036】
収納部20は、ドア枠25を有する。ドア枠25は、収納部20に収納される開閉体10の周囲を囲む。ドア枠25は、断面C字形状の中空の部材であり、外周側、すなわち収納された開閉体10に対向する側と反対側が開口している。ドア枠25は、第一空間2を形成する板部25A、所定壁面23と対向する板部25Bを有する。また、ドア枠25の内周面27は、開閉体10の外周面15と所定の距離を空けて互いに対向している。開閉体10の厚み方向である開閉方向におけるドア枠25の幅は、開状態においてドア枠25の内周面27によって囲まれた空間に開閉体10を収納できる大きさとされている。
【0037】
このように、開閉体10は、開状態において、外周面15がドア枠25の内周面27と互いに対向し、かつ第一面11Aが所定壁面23と互いに対向するように収納部20に収納される。言い換えると、開状態の開閉体10は、ドア枠25の内周面27と所定壁面23とで形成される凹部に挿入した状態とされる。
【0038】
図1に戻り、所定壁面23に配置されたレリーズ24、および第一開閉体11の第一面11Aに配置されたフック13は、自動閉塞機構としての機能を有する。平常時にはレリーズ24の保持装置によってフック13が保持される。ここで、第一開閉体11は、自重によって開閉方向の閉側に移動する自閉力が作用するように支持されている。
【0039】
第一開閉体11は、例えば、傾斜した支持軸で軸支されることで自閉力を発生させている。第一開閉体11の支持軸は、上端が下端よりも第二収納部22側に位置する傾斜を有している。これにより、第一開閉体11に作用する重力は、第一開閉体11を開閉方向の閉側に回動させる自閉力として作用する。従って、第一開閉体11は、フック13が解放されると、自動的に開閉方向の閉側に回動して開口部4を閉塞することができる。なお、第一開閉体11に対して自閉力を作用させる機構は、これには限定されない。
【0040】
開閉体装置1−1は、センサが煙や熱を感知すると、通常時は通電により電気的にフック13を拘束しているレリーズ24の保持装置に対する通電を停止してフック13を解放することで、または、通常時は通電されずにフック13を機械的に拘束しているレリーズ24の保持装置に対し通電することにより拘束を解除してフック13を解放することで、自動的に開口部4を閉塞する。第二開閉体12の動作も同様である。第一開閉体11および第二開閉体12がそれぞれ開口部4を閉塞することで、開口部4の全面が閉塞され、開口部4が閉鎖される。レリーズ24の保持装置を手動により解除して第一開閉体11および第二開閉体12を閉状態とすることも可能である。
【0041】
第一開閉体11の第一面11Aは、蓄光物質を含む蓄光式の表示部14を有する。表示部14は、蓄光材を含有した塗料を第一開閉体11に塗布することで設けてもよいし、蓄光材を含有したフィルムを第一開閉体11に接着するようにしてもよい。蓄光材は、外部から光を蓄え発光する周知の物質であり、例えば硫化亜鉛(ZnS系)やアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4系)等によって構成される。蓄光材は、本実施形態の好ましい一例について詳細に説明すれば、アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶とし、ユウロピウム(Eu)を賦活剤として、デスプロシウム(Dy)又はネジウム(Nd)を賦活助剤とした酸化物系蓄光材と、CaS:Bi(紫青色発光)、CaSrS:Bi(青色発光)、ZnS:Cu(緑色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等の硫化物蛍光体からなる硫化物系蓄光材とを粉末化(一般的には20μm〜50μm)し、適宜に混合したものである。
【0042】
表示部14は、開閉体10における視認しやすい位置に配置されることが好ましい。表示部14は、例えば、開閉体10の上部に配置することができる。一例として、表示部14が開閉体の最上部に配置されてもよい。また、表示部14は、開閉体10の戸先側に配置されてもよい。言い換えると、表示部14は、閉状態において開口部4の幅方向の中央寄りとなる位置に配置されることができる。
【0043】
表示部14は、開閉体10の使用目的等を示す文字(例えば「非常口」や「避難口」、「EXIT」等)や図柄、開閉体10の開放方法を示す文字(例えば「引く」や「PULL」等)や図柄とされる。表示部14は、予め蓄えた光によって発光することができるため、非常時に停電等によって室内照明が消灯したような場合であっても、避難者等によって視認可能である。すなわち、蓄光式の表示部14は、電力の供給を必要とせずに発光することができ、照明が無くても視認可能であるため、非常時の表示手段として優れている。
【0044】
ここで、開閉体10の開状態では、表示部14に十分に光を蓄光することが困難であり、
図13は、従来の開閉体装置100に表示部14を設けた場合に蓄光することが困難であることを示す説明図である。開状態において第一空間2を形成する第二面110Bには光が当たるものの、裏面側である第一面110Aには光が届きにくい。従来の開閉体装置100では、ドア枠125の下面と開閉体110の上面との間隔G1が小さいなど、ドア枠125と開閉体110の外周面との間隔が狭いことから、第一空間2の光が隙間126まで届きにくい。また、第一空間2の光が隙間126に届いたとしても、その光は所定壁面123に当たるだけで第一面110Aには当たりにくい。このため、第一面110Aに表示部14を設けたとしても、表示部14に光を蓄光することが困難である。
【0045】
本実施形態の開閉体装置1−1は、
図1および
図2に示すように、反射部材30を備える。反射部材30は、光を反射する部材であり、所定壁面23に配置されている。反射部材30は、例えば、板状あるいは膜状の部材であり、所定壁面23および表示部14と平行に配置されている。反射部材30は、表示部14と互いに対向する位置に配置されている。反射部材30の面積は、表示部14の面積よりも大きいことが好ましい。
【0046】
また、反射部材30を配置する領域は、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間28を通って射し込む光L1が当たる領域を含むことが望ましい。例えば、反射部材30を配置する領域は、隙間28を介して第一空間2と対向する領域を含むことが望ましい。ここで、開閉体10の外周面15は、例えば、第一開閉体11の場合、第一面11Aと直交する面であり、第一開閉体11の上部側の端面、下部側の端面、吊り元側(幅方向における軸支される側)の端面および戸先側(幅方向における吊り元側と反対側)の端面を含む。また、ドア枠25の内周面27は、ドア枠25における開閉体10の外周面15と互いに対向する面である。
【0047】
図2に示すように、第一開閉体11の外周面15とドア枠25の内周面27との間を通って射し込む光L1は、反射部材30によって第一面11Aに反射される。つまり、反射部材30は、第一開閉体11の開状態において、第一空間2から入射する光を第一面11Aに向けて反射する。また、反射部材30は、第一開閉体11の開状態において、第一空間2から入射する光を表示部14に向けて反射する。反射部材30によって反射された光は、表示部14に当たって表示部14に蓄光される。ここで、反射部材30によって反射されて表示部14に当たる光には、光L1の反射光が直接表示部14に当たるものもあり、光L1の反射光が第一面11Aと反射部材30とに反復的に反射されて表示部14に当たるものもある。
【0048】
このように、本実施形態によれば、第一開閉体11の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間28を通って射し込む光L1を表示部14に当てて表示部14の蓄光を促進することができる。同様にして、第二収納部22の所定壁面23に配置された反射部材30は、第二開閉体12の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間28を通って射し込む光L1を第二開閉体12の表示部14に当てて表示部14の蓄光を促進することができる。よって、本実施形態によれば、非常時等に開閉体10が開口部4を閉塞したときに表示部14を適切に発光させて表示部14の視認性を確保することができる。
【0049】
また、本実施形態の開閉体装置1−1は、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2を大きくした拡大隙間部28Aを備える。拡大隙間部28Aは、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間28の一部である。拡大隙間部28Aは、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2を隙間28における他の部分の間隔G2よりも拡大したものである。拡大隙間部28Aでは、隙間28における他の部分よりも間隔G2を拡大するようにドア枠25の形状が設定される。例えば、ドア枠25における上下方向の幅や水平方向の幅を小さくすることで拡大隙間部28Aを形成するようにしてもよい。
【0050】
開閉体10の上部や下部に設けられた拡大隙間部28Aでは、間隔G2が隙間28における他の部分の間隔G2に対して上下方向に拡大される。上部や下部に拡大隙間部28Aを設ける場合、隙間28における開閉体10の幅方向の一部の領域にのみ拡大隙間部28Aを設けるようにしてもよく、隙間28における開閉体10の幅方向の全領域を拡大隙間部28Aとしてもよい。例えば、開閉体10の幅方向における表示部14の設置領域(
図1のW1参照)に対応して拡大隙間部28Aの設置領域が定められてもよい。
【0051】
開閉体10の戸先部や吊り元部に拡大隙間部28Aが設けられる場合、間隔G2とは開閉体10の幅方向における開閉体10とドア枠25との間隔である。拡大隙間部28Aでは、この幅方向の間隔G2が隙間28の他の部分の間隔G2よりも拡大される。戸先部や吊り元部に拡大隙間部28Aを設ける場合、隙間28における上下方向の一部の領域にのみ拡大隙間部28Aを設けるようにしてもよく、隙間28における上下方向の全領域を拡大隙間部28Aとしてもよい。
【0052】
拡大隙間部28Aが設けられることで、拡大隙間部28Aを介して反射部材30に光が入射しやすくなり、表示部14まで光が届きやすくなる。拡大隙間部28Aにおける開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2は、表示部14に対して適切に光を届かせることができるように定められている。
【0053】
拡大隙間部28Aにおける間隔G2は、例えば、拡大隙間部28Aを介して反射部材30に入射する光の入射角に基づいて定めるようにしてもよい。
図3は、拡大隙間部28Aにおける間隔G2の定め方の一例を示す図である。間隔G2は、例えば、拡大隙間部28Aを介して最大の入射角αで反射部材30に入射する入射光L2に対応する反射光L3が到達できる位置に基づいて定めることができる。一例として、反射光L3が表示部14における最も下側の位置に到達できるように間隔G2が定められてもよい。このようにすれば、表示部14の全領域に対して反射部材30によって反射された反射光を当てることが可能となる。
【0054】
本実施形態では、開閉体10の上部側において、開閉体10の幅方向の全領域に拡大隙間部28Aが設けられている。言い換えると、開閉体10の上部側において、開閉体10の端面とドア枠25の内周面27との間隔G2が一様に大きくされている。これにより、開閉体10の上部側からより多くの光を反射部材30に入射させることができ、表示部14に対してより多くの光を当てることが可能である。
【0055】
開閉体10に対するいずれの側の隙間28に拡大隙間部28Aを設けるかは、例えば表示部14の配置に応じて定めるようにすればよい。一例として、開閉体10における上部に表示部14が配置された場合には開閉体10の上部側に拡大隙間部28Aを設けることが効果的である。また、開閉体10における戸先側に表示部14が配置された場合には開閉体10の戸先側に拡大隙間部28Aを設けることが効果的である。拡大隙間部28Aは、開閉体10の上部側あるいは戸先側の少なくともいずれか一方に配置されるようにしてもよい。開閉体10の上部側に拡大隙間部28Aを設ける場合、例えば、開閉体10の下部側の隙間28における間隔G2よりも上部側の隙間28における間隔G2を大きくするようにしてもよい。また、開閉体10の戸先側に拡大隙間部28Aを設ける場合、例えば、開閉体10の吊り元側の隙間28における間隔G2よりも戸先側の隙間28における間隔G2を大きくするようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態の開閉体装置1−1では、
図2に示すように、第一面11Aと反射部材30との間隔G3が大きくされることで、第一開閉体11の第一面11A側に光が入りやすくされている。第一面11Aと反射部材30との隙間26の奥行き(間隔G3)が大きくなることで、第一空間2からの光が隙間26に入りやすくなり、表示部14に光が当たりやすくなる。間隔G3の定め方は、例えば、上記間隔G2の定め方と同様とすることができる。すなわち、反射部材30によって反射された光が第一面11Aの所望の位置に届くように間隔G3を定めるようにすればよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の開閉体装置1−1によれば、開閉体10の開状態において、表示部14に適度に光を当てることができ、開閉体10が開口部4を閉塞するときに備えて予め表示部14に蓄光しておくことができる。よって、開閉体10が開口部4を閉塞したときの表示部14の視認性を確保することができる。また、第一空間2の光を表示部14に届かせるようにして表示部14を蓄光することで、エネルギーの消費を抑制しつつ表示部14の視認性を確保することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、反射部材30を備える開閉体装置1−1において拡大隙間部28Aを設けたが、反射部材30を備えない開閉体装置1−1において拡大隙間部28Aを設けるようにしてもよい。反射部材30を備えない開閉体装置1−1であっても、拡大隙間部28Aを設けることにより、表示部14における蓄光を促進することが可能となる。
【0059】
なお、開閉体装置1−1の開閉体10は、防火戸以外の開閉体であってもよい。すなわち、開口部を開放あるいは閉塞する開閉体であって、通常は収納部に収納され、随時開口部を閉塞する防火戸以外の開閉体に対しても本実施形態を適用可能である。
【0060】
開閉体10は、シャッターカーテンであってもよい。シャッターカーテンは、例えば、複数のスラットを開閉方向に連接して形成されたスラット連接体や可撓性を有するシート状のものとすることができる。シャッターカーテンは、開閉方向にスライドして移動することによって開口部4を開放あるいは閉塞する。
【0061】
開口部4の周縁には、シャッターカーテンを収納する収納部としてのシャッターボックスが配置されている。シャッターカーテンは、開口部4を開放する開状態のときにシャッターボックス内に巻き取られて収納される。シャッターカーテンは、火災時等の非常時に開口部4を閉塞する防火戸として機能するものであってもよい。シャッターカーテンは、非常時に、例えば自重により、または開閉駆動機構によって駆動されることにより、閉方向に移動して開口部4を閉塞する。
【0062】
シャッターカーテンにおいて、開口部4を閉塞する閉状態で第一空間2を形成する面である第一面は、蓄光物質を含む表示部を有する。シャッターカーテンは、開状態において表示部が径方向外側を向くように巻き取られる。表示部は、例えばシャッターカーテンにおける閉方向の端部の近傍や閉方向の端部の座板等に配置される。開状態でシャッターカーテンがシャッターボックスに収納されると、表示部はシャッターボックスの内壁面等の所定壁面と互いに対向する。
【0063】
シャッターカーテンに対する反射部材は、例えば、シャッターボックス内に配置される。反射部材は、シャッターボックスとは別の部材(例えば、構造物Sの壁面)であっても、シャッターボックスの壁面であってもよい。反射部材は、第一空間2や第二空間3からシャッターボックス内に射し込む光を表示部に向けて反射する。シャッターボックス内に射し込む光には、座板とまぐさとの隙間を介して射し込む光が含まれる。反射部材によって表示部に向けて光が反射されることで、表示部の蓄光が促進される。なお、シャッターボックス外部の光をシャッターボックス内部、例えば反射部材に導く導光部材がまぐさ等に配置されてもよい。
【0064】
〔第1実施形態の第1変形例〕
第1実施形態の第1変形例について説明する。本変形例では、ドア枠をテーパ形状とすることで表示部14に対して光を当てやすくする。
図4は、本変形例に係る開閉体装置の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0065】
図4に示すように、本実施形態のドア枠35は、テーパ形状とされている。ドア枠35における開閉体10の外周面15と対向する面である内周面37は、反射部材30から第一空間2へ向けて上側に向かうように傾斜している。言い換えると、内周面37は、開閉方向における開側よりも閉側が外周面15から離間するように傾斜している。これにより、開閉体10の外周面15とドア枠35の内周面37との間隔G4は、所定壁面23から第一空間2に向けて拡大している。このように、ドア枠35と開閉体10との隙間28における第一空間2側の幅が反射部材30側の幅よりも広くされていることにより、第一空間2から反射部材30に対して、小さな入射角から大きな入射角まで幅広い範囲の入射角で光が入射することができる。これにより、第一空間2の光が表示部14に届きやすくなり、効果的に表示部14に蓄光することができる。
【0066】
なお、ドア枠35においてテーパ形状とする領域は、上記第1実施形態の拡大隙間部28Aを配置する領域と同様に定めることができる。例えば、ドア枠35の全周にわたり内周面37をテーパ状に傾斜させてもよく、表示部14の配置に応じてドア枠35の一部の区間をテーパ形状としてもよい。また、ドア枠35をテーパ形状とすることと、拡大隙間部28Aを設けることとを組み合わせて実行してもよい。
【0067】
〔第1実施形態の第2変形例〕
第1実施形態の第2変形例について説明する。本変形例において、上記第1実施形態と異なる点は、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間を隠す遮蔽部材が設けられている点である。
図5は、本変形例に係る開閉体装置の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0068】
図5に示すように、ドア枠25には、第一空間2と隙間28とを仕切る板状の遮蔽部材29が設けられている。遮蔽部材29は、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との隙間28を第一空間2に対して遮蔽している。遮蔽部材29は、ドア枠25と一体に形成されてもよい。遮蔽部材29は、第一空間2と隙間28とを連通する複数の貫通孔29Aを有する。貫通孔29Aを介して第一空間2から隙間28に光が射し込み、反射部材30に光が入射する。従って、遮蔽部材29は、貫通孔29Aを介して第一空間2の光を反射部材30に入射させることができると共に、第一空間2に対して隙間28を隠すことができる。従って、隙間28を大きくした場合に、適切な量の光を表示部14に届かせることができると共に、隙間28を隠して開閉体装置1−1の意匠性を高めることができる。
【0069】
遮蔽部材29は、例えば、拡大隙間部28Aに設けることができる。間隔G2が拡大された拡大隙間部28Aでは、特に隙間28が目立ちやすいため、これを遮蔽部材29によって第一空間2から遮蔽するようにすれば、意匠性を向上させることができる。
【0070】
なお、貫通孔29Aの形状は、適宜定めることができる。例えば、第一空間2から見た貫通孔29Aの形状は、円形や楕円形、矩形等としてもよい。また、貫通孔29Aは、スリットであってもよい。スリットの長手方向は、上下方向とされても、開閉体10の幅方向とされても、斜め方向とされてもよい。
【0071】
また、遮蔽部材29は、貫通孔29Aを有することに代えて、あるいは貫通孔29Aを有することに加えて、切欠を有するようにしてもよい。例えば、遮蔽部材29における開閉体10側の辺に切欠を有するようにして、この切欠部を介して第一空間2から反射部材30に光が入射するようにしてもよい。切欠形状は、矩形や三角形など、適宜定めるようにすればよい。
【0072】
〔第1実施形態の第3変形例〕
第1実施形態の第3変形例について説明する。本変形例において、上記第1実施形態と異なる点は、反射部材31が傾斜部31Aを有する点である。傾斜部31Aは、第一空間2から入射する光を表示部14に向けて反射することができる。
図6は、本変形例に係る開閉体装置の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0073】
図6に示すように、反射部材31は、傾斜部31Aを有する。傾斜部31Aは、上下方向の上側が下側よりも第一空間2側に向かう傾斜を有している。すなわち、傾斜部31Aは、水平方向に入射する光を上下方向の下側に向けて反射するように傾斜している。傾斜部31Aの傾斜角度θは、表示部14と傾斜部31Aとの相対位置等に基づいて適宜定めることができる。なお、傾斜部31Aの傾斜方向は、これには限定されない。傾斜部31Aは、第一空間2から入射する光を表示部14に向けて反射することができるように表示部14や所定壁面23に対して傾斜していればよい。
【0074】
傾斜部31Aによって、第一空間2から入射する光を表示部14に向けて反射することができる。傾斜部31Aは、第一空間2から入射する光の進行方向が水平方向に近い場合など、所定壁面23に対する入射角が小さな光であっても、その光を表示部14に向けて反射することができる。よって、反射部材30が傾斜部31Aを有することにより、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2が小さな場合であっても、表示部14に適度に光を当てることが可能となる。
【0075】
なお、本変形例では、傾斜部31Aが開閉体10の上部の隙間28に対応して配置されている場合を例に説明したが、傾斜部31Aが設けられる位置はこれには限定されない。傾斜部31Aは、戸先部や吊り元部、下部の隙間28に対応して設けられてもよい。例えば、開閉体10における表示部14の配置に応じて傾斜部31Aを配置することができる。また、拡大隙間部28Aに対応して傾斜部31Aが設けられてもよく、隙間28において相対的に強い光が入射する領域や、入射する光が相対的に弱い領域に応じて傾斜部31Aが配置されてもよい。例えば、第一空間2からより多くの光を表示部14に反射させることができるように適宜傾斜部31Aを配置するようにすればよい。
【0076】
〔第1実施形態の第4変形例〕
第1実施形態の第4変形例について説明する。本変形例において、上記第1実施形態と異なる点は、反射部材32が湾曲部32Aを有する点である。湾曲部32Aは、第一空間2から入射する光を表示部14に向けて反射することができる。
図7は、本変形例に係る開閉体装置の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0077】
図7に示すように、反射部材32は、第一空間2に向けて湾曲する湾曲部32Aを有する。湾曲部32Aは、反射部材32において第一空間2に向けて突出する突出部である。湾曲部32Aの断面形状は、例えば、円弧形状とすることができるが、これに限定されるものではない。湾曲部32Aは、
図7に示すように、第一空間2から湾曲部32Aに入射する光を表示部14に向けて反射することができる。湾曲部32Aの断面形状における曲率は、表示部14と湾曲部32Aとの相対位置等に基づいて適宜定めることができる。
【0078】
湾曲部32Aは、第一空間2から入る光の進行方向が水平方向に近い場合など、所定壁面23に対する入射角が小さな光であっても、その光を表示部14に向けて反射することができる。よって、反射部材32が湾曲部32Aを有することにより、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2が小さな場合であっても、表示部14に適度に光を当てることが可能となる。
【0079】
なお、湾曲部32Aは、第一空間2に向けて湾曲することに代えて、所定壁面23に向けて湾曲してもよい。例えば、湾曲部32Aは、湾曲部32Aに入射する光を表示部14に集中させる湾曲形状とされてもよい。この場合、湾曲部32Aの焦点を表示部14に基づく位置とすれば反射光を表示部14に集中させることが可能である。
【0080】
なお、湾曲部32Aの配置は、上記第3変形例における傾斜部31Aの配置と同様にして適宜定めることができる。反射部材32は、湾曲部32Aに加えて上記第3変形例の傾斜部31Aを備えていてもよい。
【0081】
〔第1実施形態の第5変形例〕
第1実施形態の第5変形例について説明する。本変形例において、上記第1実施形態および各変形例と異なる点は、ドア枠25を介して第一空間2の光を隙間26に入射させる点である。
【0082】
例えば、光を透過させる材質でドア枠25を形成するようにしてもよい。このようにすれば、ドア枠25を介して第一空間2の光を反射部材30に入射させることができる。また、ドア枠25の材質は光を透過させないものとして、ドア枠25に貫通孔を設けておくことで、第一空間2の光を反射部材30に入射させるようにしてもよい。ドア枠25に設ける貫通孔は、例えば、上記第2変形例の遮蔽部材29が有する貫通孔29Aと同様のものとすることができる。貫通孔は、ドア枠25の各面とドア枠25の内部とを連通するように形成される。
【0083】
例えば、開閉体10の上部におけるドア枠25に貫通孔を形成する場合、ドア枠25における第一空間2側の板部25A(
図2参照)だけでなく、所定壁面23側の板部25Bに貫通孔を形成するようにしてもよく、内周面27からドア枠25の内部に貫通する貫通孔を形成してもよい。貫通孔を設けることで、第一空間2の光が貫通孔およびドア枠25の内部空間を介して反射部材30に入射することが可能となる。
【0084】
〔第2実施形態〕
図8を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8は、本実施形態に係る開閉体装置1−2の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0085】
図8に示すように、開閉体装置1−2は、導光部材40を備えている。導光部材40は、開閉体10とドア枠25との隙間28に配置されており、反射部材30に対して直交する方向に延在している。導光部材40は、一方の端面である入射面40Aから入射した光を内部で全反射させて他方の端面である出射面40Bから出射するものである。導光部材40の入射面40Aは、第一空間2と対向しており、出射面40Bは、反射部材30および所定壁面23と対向している。
【0086】
開閉方向における入射面40Aの位置は、例えば、ドア枠25における第一空間2側の板部25Aの位置に基づいて定められる。一例として、入射面40Aをドア枠25における第一空間2側の板部25Aと同一面上に位置させるようにしてもよい。開閉方向における出射面40Bの位置は、例えば、開状態における第一開閉体11の第一面11Aの位置に基づいて定められる。一例として、出射面40Bの位置は、第一面11Aと同一面上としてもよく、第一面11Aよりも所定壁面23側の位置としてもよい。
【0087】
本実施形態の導光部材40は、第一空間2から入射面40Aを介して入射する光を第一面11Aと反射部材30との隙間26に導くことができるものである。導光部材40が照射する光は、反射部材30によって表示部14に向けて反射される。導光部材40は、例えば、棒状の形状や板状の形状とすることができるが、これらの形状に限定されるものではない。導光部材40によって第一空間2の光を隙間26に導くようにすることで、導光部材40を介さずに反射部材30に入射する光に加えて、導光部材40から出射される光が反射部材30によって表示部14に向けて反射される。よって、開閉体10の外周面15とドア枠25の内周面27との間隔G2が小さな場合であっても、表示部14に適度に光を当てることが可能となる。
【0088】
なお、導光部材40は、開閉体10とドア枠25との隙間28だけでなく、開閉体10と反射部材30との隙間26に配置されてもよい。このようにすれば、隙間26におけるドア枠25から離れた部分、すなわち第一開閉体11における上下方向の下側まで第一空間2の光を導くことが可能となる。
【0089】
導光部材40は、開閉体10の上部、下部、戸先部、吊り元部のいずれの隙間28に設けられてもよい。導光部材40は、たとえば、開閉体10における表示部14の配置に応じて設けられる。また、隙間28において相対的に強い光が入射する領域や、入射する光が相対的に弱い領域に応じて導光部材40が配置されてもよい。なお、反射部材30を備えていない開閉体装置1−1に対して導光部材40が設けられてもよい。
【0090】
なお、開閉体10とドア枠25との間や、開閉体10と反射部材30との間に配置される部材は、内部で光を全反射させるものには限定されない。導光部材40に代えて、光を透過させる透明部材が設けられてもよい。光を遮りにくいガラス等の透明部材が開閉体10とドア枠25との間等に配置されることで、第一空間2の光を隙間26に呼び込むことができ、表示部14の蓄光を促進することができる。例えば、開閉体10とドア枠25や反射部材30との間に充填するように透明部材を配置するようにしてもよい。
【0091】
〔第2実施形態の第1変形例〕
第2実施形態の第1変形例について説明する。本変形例において、上記第2実施形態と異なる点は、導光部材41によって第一空間2の光を表示部14に直接導く点である。
図9は、本変形例に係る開閉体装置1−2の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0092】
図9に示すように、導光部材41は、屈曲している。導光部材41の入射面41Aは、第一空間2と対向しており、出射面41Bは、表示部14と対向している。導光部材41は、入射面41Aと出射面41Bとの間で折り返すように円弧状に曲がっている。導光部材41は、例えば、略J字形状をなすように屈曲している。入射面41Aを介して導光部材41に入射した光は、出射面41Bから表示部14に向けて出射する。これにより、第一空間2の光を反射部材30を介さずに表示部14に対して照射することができる。
【0093】
導光部材41は、例えば、光ファイバーのような繊維状あるいは棒状のものとすることができるが、これには限定されない。また、複数の導光部材41を用いるようにして、表示部14における照射対象とする領域ごとにそれぞれ異なる導光部材41が光を導くようにしてもよい。このようにすれば、表示部14の全体に偏りなく光を照射することが可能となる。
【0094】
なお、導光部材41は、面発光するものであってもよい。例えば、導光部材41として面発光する発光面を有するものを用いるようにして、発光面が表示部14と互いに対向するように導光部材41を配置する。第一空間2と対向する入射面41Aから入射した第一空間2の光は、発光面から表示部14に照射される。このようにすれば、表示部14に対して均一に光を照射することが容易となる。
【0095】
〔第2実施形態の第2変形例〕
第2実施形態の第2変形例について説明する。本変形例において、上記第2実施形態および上記第2実施形態の第1変形例と異なる点は、プリズムによって光の向きを変える点である。
図10は、本変形例に係る開閉体装置1−3の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0096】
図10に示すように、開閉体装置1−3は、プリズム42を備える。プリズム42は、第一空間2から開閉体10とドア枠25との隙間28に射し込む光の進行方向を変えて開閉体10と反射部材30との隙間26に導く。プリズム42は、例えば、開閉体10とドア枠25との隙間28に配置されるが、これに限定されるものではない。プリズム42は、プリズム42を通過した光の進行方向を所望の方向とできるように適宜その位置および姿勢が定められる。
【0097】
プリズム42によって、第一空間2の光が反射部材30に導かれることで、プリズム42が設けられない場合よりも表示部14に対して多くの光を当てることが可能となる。すなわち、プリズム42を介さずに第一空間2から反射部材30に入射して表示部14に反射される光に加えて、プリズム42を介して反射部材30に入射する光が表示部14に反射される。よって、表示部14の蓄光を促進することができる。
【0098】
なお、プリズム42は、反射部材30で反射された光を表示部14に導くものであってもよい。この場合、プリズム42は、第一空間2から反射部材30に入射して反射された反射光の進行方向を表示部14に向かう方向に変える。この場合、プリズム42は、例えば、開閉体10と反射部材30との隙間26に配置されてもよい。
【0099】
〔第2実施形態の第3変形例〕
第2実施形態の第3変形例について説明する。本変形例において、上記第2実施形態および上記第2実施形態の各変形例と異なる点は、導光部材がドア枠25内に配置される点である。
図11は、本変形例に係る開閉体装置1−2の開状態における上下方向の要部断面を示す図である。
【0100】
図11に示すように、導光部材43は、ドア枠25内に配置されている。ドア枠25における第一空間2側の板部25Aには、貫通孔25Cが形成されている。また、ドア枠25における所定壁面23側の板部25Bには、貫通孔25Dが形成されている。導光部材43は、開閉体10の開閉方向、言い換えると所定壁面23と直交する方向に延在している。導光部材43の一端面である入射面43Aは、貫通孔25Cに配置されており、他端面である出射面43Bは、貫通孔25Dに挿入されている。貫通孔25C、貫通孔25Dおよび導光部材43は、複数配置することができる。
【0101】
導光部材43は、第一空間2から入射面43Aを介して入射した光を出射面43Bから出射する。導光部材43が出射する光の一部は、反射部材30によって表示部14に向けて反射される。本変形例によれば、導光部材43をドア枠25内に配置することで、第一空間2から見た場合に導光部材43が目立たず、意匠性を向上させることができる。
【0102】
なお、導光部材43は、上記第2実施形態の第1変形例の導光部材41(
図9参照)のごとく入射面43Aから入射する光を表示部14に対して直接照射するものであってもよい。導光部材43をドア枠25内に配設するようにすれば、導光部材43を目立たせることなく表示部14まで光を導くことが可能である。なお、導光部材43に代えて、透明部材がドア枠25内に配置されてもよい。
【0103】
〔その他の変形例〕
上記各実施形態および各変形例の開閉体10は、両開きの開き戸であったが、これに限定されるものではない。表示部14の視認性を確保する方法として各実施形態および変形例に開示された方法は、他の形状の開閉体10に対しても適用可能である。
【0104】
開閉体10は、例えば、片開きの開き戸であってもよい。また、開閉体10は、収納部20としての戸袋に収納されるスライド式の引き戸であってもよい。また、開閉体10は、くぐり戸を有するものであってもよい。
図12は、くぐり戸を有する開閉体の一例を示す図である。
図12に示す開閉体50は、開閉体本体51とくぐり戸52とを有する。開閉体本体51は、床から天井までの高さを有する開口部53を開放あるいは閉塞するものである。
【0105】
くぐり戸52は、開閉体本体51に形成された開口部51Aを開放あるいは閉塞するものである。くぐり戸52は、開閉体本体51における幅方向の中央下部に配置されている。非常時等に開閉体本体51が開口部53を自動的に閉塞している場合、避難者はくぐり戸52を開いて開口部51Aを通過することができる。
図12に示す開閉体本体51のように、天井までの高さを有する開閉体50の場合、例えば、開閉体本体51の戸先側の隙間から光を取り入れるようにすれば、表示部14に対する蓄光を促進する上で有利である。
【0106】
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。