(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部が、前記第1の端末の現在在圏局番号と前記第2の端末の現在在圏局番号を照合して、在圏局番号が同一と判定した場合、前記第2の端末に対して前記第1の通信制限を行わない、請求項1に記載の端末管理システム。
前記移動管理エンティティは、前記第1の端末又は前記第2の端末のどちらか一方の現在在圏局番号が変更されたとき、前記判定部により、前記第1の端末の現在在圏局番号と前記第2の端末の現在在圏局番号が照合されて、現在在圏局番号が異なると判定された場合、前記第2の端末に対して前記第1の通信制限を与える指示を前記ネットワーク・ゲートウェイに送信する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の端末管理システム。
前記第2の端末は、前記第1の端末より低い優先順位が与えられ、前記第1の記憶部には、前記第1の端末と第2の端末の優先順位に関する情報が記憶される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末管理システム。
前記第2の端末は、前記第1の端末が前記第1の基地局に無線接続された後、前記第2の基地局に無線接続され、前記第1の記憶部には、前記第1の端末と第2の端末の無線接続された順番に関する情報が記憶される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末管理システム。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の普及が進み、多くの人が携帯電話を所有するようになった。携帯電話のユーザは、音声通信の他、メール通信、インターネット閲覧やデータ通信などに携帯電話を利用している。更に、スマートフォンの登場により、ユーザは、音声通信、インターネット閲覧に加えて、音楽や動画のダウンロード、ストリーミング再生、その他の様々なサービスを無線を介して簡単に利用できるようになった。現在では、スマートフォンの割合は、携帯電話の半数を占めるようになってきている。
【0003】
更に、軽量化された高性能なタブレットコンピュータが普及して、利用者数が増加している。タブレットコンピュータにおいては、ユーザは、WiFi(登録商標)を介して、WiFiネットワークに無線接続すると共に、第3世代移動通信システム(3G)の通信方式、又は第4世代移動通信システム(4G)の通信方式により、移動通信ネットワークに無線接続することができる。
【0004】
携帯電話とタブレットコンピュータとでは、利用するアプリケーションや持運び可能な点などで共通する部分も多い。一方、両方を所有するユーザは、使い方や使用場所などにより、適宜選択して使用している。例えば、スマートフォンは、音声通信、メール通信、インターネット閲覧、写真撮影、音楽や動画のダウンロードやストリーミング再生、スケジュール管理などに使用される。スマートフォン以外の携帯電話は、音声通信、メール通信が主な使用目的となる。携帯電話のユーザは、携帯電話を常時携帯して使用する。通勤や通学などの電車内で使用されることも多い。
【0005】
一方、タブレットコンピュータは、通常のパソコンと似た様な使われ方をする。例えば、メール通信、インターネット閲覧、音楽や動画のダウンロードやストリーミング再生に加えて、文章作成、会議用資料作成、電子書籍などの文章閲覧などに使用される。タブレットコンピュータは、自宅やオフィス、店内など、持ち運んだ場所で使用されることが多い。
【0006】
以下、携帯電話、タブレットコンピュータなど、持ち運び可能で、通信機能を搭載した機器を移動通信端末と呼ぶ。
【0007】
ユーザは、移動通信端末を購入する際に、通信事業者が提供するプランの1つを選択して契約する。プランは、通信料金の割引などを提供すると共に、サービスに対する幾つかの条件、例えば、音声通信やデータ通信における通話時間や伝送量(パケット数)の条件、通信相手の条件、使用時間帯による通信料金の条件などを含む。このようなユーザの契約プラン情報は、移動通信ネットワークのホーム加入者サーバに記録されており、移動通信ネットワークは、ユーザが移動通信端末を使用する際に契約プラン情報を照合して、契約されたプランによるサービスを提供する。
【0008】
また、移動通信端末が存在するエリアにより、特定のサービスに制限を加える方法も提案されている(例えば、特許文献1)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面を参照して、複数の移動通信端末の管理システムについて説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0024】
まず、移動通信ネットワークに移動通信端末がネットワーク接続する方法について簡単に説明する。
【0025】
図9は、LTE(Long Term Evolution)通信方式における移動通信ネットワークアーキテクチャを簡単に説明した図である。ここで、LTE方式は、移動通信方式の1つである。
【0026】
図9の参照番号41はホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)、42は移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)、43はポリシー/課金制御機能(PCRF:Policy and Charging Rule Function)、44はサービング・ゲートウェイ/パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(S/P−GW:Serving Gateway/Packet Data Network Gateway)、11と12は発展型基地局(eNB:evolved Node B)、21と22は各発展型基地局の無線接続領域となるセルを示す。なお、以下では、発展型基地局を単に基地局と記す。
【0027】
ここで、HSS41は、認証情報や在圏情報等の管理を行う加入者情報のデータベースである。PCRF43は、QoSなどのポリシー制御や課金制御ルールを決定する。MME42は、移動通信端末の移動管理、セキュリティ認証、データ転送経路の設定を行う。MME42は、信号処理のみを行い、ユーザデータの転送は行わない。S−GW44は、在圏パケットゲートウェイであり、ユーザデータの伝送を行う。P−GW44は、パケット・データ・ネットワークとのゲートウェイであり、IPアドレスの割当て等を行う。
図9において、説明を簡単にするため、S−GWとP−GWは、S/P−GW44として、1つの要素として示されている。後述する本発明の実施例の説明においても、S−GWとP−GWは1つの要素として示されているが、S−GWとP−GWを別々の場所に設置しても、本発明の動作に影響するものではない。
【0028】
セル21の領域内に存在する移動通信端末は、例えば、LTE通信方式を用いて、基地局11と無線接続する。同様に、セル22の領域内に存在する移動通信端末は、基地局12と無線接続する。
【0029】
図10に、移動通信システムにおける一般的なネットワーク登録の手順を示す。基地局11、基地局11と無線接続する移動通信端末31、MME42、S/P−GW44、HSS41の要素間のシーケンスを示している。
【0030】
移動通信端末31の電源が入ると、S301において、移動通信端末31は、基地局11にランダムアクセス(RA)プリアンブルを送信する。基地局11は、移動通信端末31からのRAプリアンブルを受信すると、無線リソースの空き情報を検査して、S302において、送信可能なチャネル及び時間の情報をRA応答として、移動通信端末31に返送する。これにより、移動通信端末31と基地局11の間で無線制御リンクが設定される。RA応答を受けた移動通信端末31は、S303において、基地局11にアタッチ要求を送信する。更に、基地局11はMME42にアタッチ要求を転送する。ここで、アタッチは、移動通信端末31をネットワークに登録するための処理を示す。アタッチ要求を受信したMME42は、S304において、HSS41に位置登録要求を送信する。位置登録要求に対し、S305において、認証情報や契約情報が、位置登録応答として、HSS41からMME42に返送される。MME42では、認証情報に基づいたユーザ認証が行われる。続いて、S306において、MME42からS/P−GW44に、ベアラ設定要求及び経路設定要求が送信され、S307において、ベアラ設定応答及び経路設定応答がS/P−GW44から返送される。ここには、経路情報や移動通信端末に割当てるIPアドレスなどが含まれる。S308において、MME42は、基地局11にコンテキスト設定要求を送信する。このコンテキスト設定要求には、通信の経路や制御に必要な情報が含まれる。これにより、S309において、移動通信端末31と基地局11の間での無線データリンクが設定されて、移動通信端末31が、無線データリンクを介して、データを送受信することができるようになる。S310において、基地局11は、MME42にコンテキスト設定応答を送信し、S311において、移動通信端末は、MME42にアタッチ完了応答を送信する。このような処理により、移動通信端末31のネットワークへの接続が行われる。
【0031】
以上、
図9と
図10を用いて、LTE通信方式におけるネットワーク構成を説明した。以下では、
図9に示される移動通信ネットワークアーキテクチャ、及び
図10に示されるネットワーク接続の処理手順に基づき、本発明を説明する。しかし、本発明は、LTE通信方式を用いたシステムのみに適用されるものではなく、異なる移動通信方式(例えば、WCDMA、HSPA、LTE-Advanced等)が混在するシステムなどにも適用可能である。
【0032】
一人のユーザが、複数の移動通信端末の所有を所望することが想定される。通信事業者は、このようなユーザに割引契約のサービスを提供することで、ユーザが複数の移動通信端末を手軽に所有できるようにする。しかし、契約された複数の移動通信端末の一部が、複数のユーザに使用される可能性があり、このような不正使用を防止することが重要となる。
【0033】
不正使用状態とは、同一のユーザにより契約された複数移動通信端末の内の少なくとも2つの端末が、異なるユーザにより使用されている状態である。本発明においては、不正使用状態を発見した場合、ネットワーク側から移動通信端末に通信制限を課すことにより、不正使用を防止するものである。
【0034】
ネットワーク側において、移動通信端末の現在の使用者が契約者本人であるかを判断することは困難である。一方、同一の契約者による複数移動通信端末の少なくとも2つの端末が移動通信ネットワークに接続されていて、それら端末が異なる場所(例えば、異なるセル)で使用されている場合、ネットワーク側において、その検出は可能である。このため、本発明においては、ネットワーク側で以下のような判断を行うことを考える。
【0035】
複数の移動通信端末が同一の場所(例えば、同一のセル内)で使用されていると判断された場合、それらの複数移動通信端末を一人のユーザが同時に使用していると見なす。このような場合、複数移動通信端末が正規の状態で使用されているものとする。ここで、移動通信端末の使用とは、必ずしも、端末を操作している、又はデータを送受信している必要はなく、携帯電話において、電源を入れて、着信を待っている状態も含む。
【0036】
本発明において、不正使用状態とは、同一のユーザにより契約された複数移動通信端末の内の少なくとも2つの端末が、互いに異なる基地局と無線接続されている(即ち、その基地局のセル内にいる)状態であるとする。複数の移動通信端末が互いに異なる場所で使用されていると判断された場合、複数のユーザがそれら端末を使用していると見なし、不正な状態で使用されているとする。この場合、移動通信端末の通信に対して制限を与えることで、不正な使用を防止する。通信制限は、例えば、音声通話の制限、特定のアプリケーションでの通信の禁止、伝送容量の制限、通信速度の制限、又は完全な通信の禁止等を含む。
【0037】
更に、上記の様な、複数端末所有サービスに対する不正使用検出機能、及び不正使用時の通信制限機能をネットワーク側に持たせる場合に、既存のネットワークに追加する機能を最小限にすることが望ましい。
【0038】
図1に、本発明の1つの実施例を説明するためのシステム構成の例を示す。ここで、参照番号11と12は基地局、21と22は、それぞれ基地局11と12に属するセル、31〜33は移動通信端末を示す。ここで、移動通信端末は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットコンピュータなどである。
【0039】
移動通信端末31と移動通信端末32は同一のセル21内にあり、同一の基地局11に無線接続されている。一方、移動通信端末33は、移動通信端末31、32とは異なるセル22内にあり、基地局12に無線接続されている。これら3台の移動通信端末は、複数端末所有サービスとして、同一契約者により通信事業者と契約されたものであるとする。また、現在、3台とも使用状態にあるとする。移動通信端末31と移動通信端末32は、同一セル内にあり、同一ユーザにより使用されているものと見なされる。即ち、同一のセル内にあれば(同一の基地局と接続されていれば)、ネットワーク側では、移動通信端末の実際の使用者を特定することはしないとする。一方、移動通信端末33は、異なるセル22内にあり、異なる基地局12と接続されているために、移動通信端末31及び32のユーザと同一ユーザが使用しているとは見なされない。
【0040】
本発明において、移動通信端末がどの基地局と接続されているかの決定は、在圏局番号によるものとする。在圏局番号は、基地局のセルID番号である。MME42では、移動通信端末が接続する基地局の在圏局番号を移動通信端末の現在の在圏局番号として保持する。複数の移動通信端末の現在在圏局番号が同じ場合、それらの端末は同一基地局の管轄下にあるとし、現在在圏局番号が異なる場合、それらの端末は異なる基地局の管轄下にあると判断する。
【0041】
上記の在圏局番号の代わりに、移動通信端末が有するGPS機能を用いて、移動通信端末の位置そのものを判断することもできる。この場合、複数の移動通信端末が、一定距離(例えば、10m)以内にあれば、同一ユーザが使用していると判断できる。しかし、GPSの場合、屋内や地下街等で使用できないなどの不利がある。以下では、在圏局番号を用いて、移動通信端末の現在位置を判断するものとする。
【0042】
複数の移動通信端末の所有を希望するユーザは、契約時において、複数端末所有サービスの1つのサービスプランを選択することができる。選択可能なプランの例を示す。
1.複数の移動通信端末の現在在圏局番号が異なる場合でも、通信制限は行わない。
2.複数の移動通信端末の現在在圏局番号が異なる場合、優先順位の低い端末に対して、完全な通信制限を行う。
3.複数の移動通信端末の現在在圏局番号が異なる場合、優先順位の低い端末に対して、特定の通信制限を行う。
【0043】
上記のプラン1は、移動通信端末を個別に契約する場合と同等であるため、ここでは、考慮しないものとする。
【0044】
複数端末の契約者は、所有する移動通信端末に対して、優先順位を付ける。以下では、最も優先順位が高い端末を第1端末とし、それ以下を第2端末、第3端末・・・とする。優先順位は、契約時において指定される。一般的には、使用頻度が高い移動通信端末、あるいは常に電源が入れられた状態の移動通信端末に対して、高い優先順位が設定される。一方、ユーザは、移動通信端末やその他のインターネット接続手段を通して優先順位を変更することができる。例えば、パスコードを入力することで、通信事業者のホームページにアクセスして、優先順位を変更することができる。
【0045】
上記のプラン2は、不正使用状態と判断された場合に、優先順位の低い端末に対して、完全に通信を制限するものである。このため、この移動通信端末は、音声通信を含むデータ送受信が出来なくなる。また、プラン3は、特定のデータ送受信に対して、一定の制限を設けるものである。制限されるデータの種類や制限内容により、プランは更に細分化され、異なる契約料金が設定されることになる。
【0046】
上記のプラン2及びプラン3においては、通信制限を課す端末を優先順位に基づいて選択しているが、その他の基準を用いて選択することもできる。
【0047】
図2は、本発明において、ユーザが移動通信端末の電源を入れて、ネットワークに接続する際の処理を示したフローチャートである。なお、この処理は1つの例であり、想定するプラン等に応じて変更することができる。
【0048】
S101において、移動通信端末31の電源が入り、移動通信ネットワークにアタッチする。移動通信端末31は、複数端末所有サービスの対象になっているものとする。S102において、HSS41に記録されている契約者のプロフィールが照合されて、契約者が複数端末所有サービスを受けているか、どの端末が複数端末所有サービスの対象となっているか、及び端末間の優先順位などが照合される。
【0049】
S103において、ネットワークにアタッチした端末31が、複数端末所有サービスのリストに登録されている端末の中でネットワークに接続されている一台目の端末であるかが判断される。即ち、端末31のアタッチ前に、リスト内のその他の端末がネットワークに接続されていなければ、一台目の端末となる。S103において一台目と判定された場合、ネットワーク上で1台の端末のみが使用されていることになるので、この端末は使用場所や端末の優先順位に限らず、通信制限は受けない。S104において、この様な状態が利用状態データベースに登録される。例えば、一台目としてネットワークに接続した移動通信端末が第2端末である場合、第2端末がネットワーク接続状態であり、通信制限なしであることが登録される。S105において、端末31に対して、通信制限なしのサービスを提供する。
【0050】
S103において一台目ではないと判定された場合、複数端末所有サービスのリスト内にあるアタッチした端末31以外の端末が既にネットワークに接続されていることになる。このため、S106において、ネットワークに現在接続されている端末31以外の端末の現在在圏局番号とアタッチした端末31の現在在圏局番号が照合される。S107において現在在圏局番号が一致する場合、照合した2つの端末が同一基地局と接続されていることになり、同一のユーザによりこれら端末が使用されているものと判断される。従って、二台目としてネットワークにアタッチした端末31は、その優先順位に係わりなく、通信制限なしに無線接続することができる。
【0051】
S107において番号が一致しない場合、照合した2つの端末の現在在圏局番号が一致せず、異なる基地局と接続されていることになり、これらの端末が異なるユーザにより使用されていると判断される。このため、ネットワークは、優先順位の低い端末に対し、契約したプランでの通信制限を与える。二台目としてネットワークにアタッチした端末31が、第2端末である場合、既に第1端末が通信制限なしサービスを受けており、第2端末は、契約プランに基づいて、通信制限されたサービスを受ける。一方、二台目としてアタッチした端末31が、第1端末である場合、既に第2端末が通信制限なしサービスを受けている。このため、第2端末に対して新たに通信制限を課し、第1端末が通信制限なしサービスを受けられるようにする。S108において利用状態がデータベースに登録され、S109において、通信制限の変更が行われる。
【0052】
上記の例は、複数端末所有サービスのリスト内の移動通信端末数が2の場合であるが、2より多い場合も同様の処理が行われる。例えば、リスト内の端末数が3の場合、優先順位により、第1端末、第2端末、第3端末と順位付けされる。第1端末と第2端末の在圏局番号が照合されて、異なる場合、第2端末の通信が制限される。更に、第1端末と第3端末の在圏局番号が照合されて、異なる場合、第3端末の通信が制限される。この場合、第2端末と第3端末が、同じ基地局位置にいるか、異なる基地局位置にいるかは問題とはならない。しかし、第1端末がネットワークに接続されていない場合、第2端末の優先順位が最も高くなり、第2端末と第3端末の在圏局番号が照合されて、異なる場合、第3端末の通信が制限されることになる。
【0053】
更に具体的に説明する。ここでは、複数端末所有サービスリスト内の端末数が4であるとする。以下の表1は、第2〜第4端末がネットワークに接続されている状態で、新たに第1端末が接続された(ネットワークにアタッチした)時に行われる処理を説明したものである。第2、第3、第4端末の現在在圏局番号が、第1端末の現在在圏局番号とそれぞれ照合される。現在在圏局番号が不一致の場合、第1端末ではない端末に対する通信が制限される。一方、第1端末は通信制限無しでサービスが受けられる。また、第1端末と現在在圏局番号が一致した端末も通信制限無しとなる。
【表1】
【0054】
以下の表2は、第1、第2、第4端末がネットワークに接続されている状態で、新たに第3端末が接続された(ネットワークにアタッチした)時に行われる処理を説明したものである。この場合、新たに接続された第3端末の現在在圏局番号のみが、第1端末の現在在圏局番号と照合される。現在在圏局番号が不一致の場合、第3端末に対する通信が制限される。第2端末と第4端末に関しては、第1端末との間で既に照合が行われているため、現在の通信制限状態が維持される。
【表2】
【0055】
以下の表3は、第2、第4端末がネットワークに接続されている状態で、新たに第3端末が接続された(ネットワークにアタッチした)時に行われる処理を説明したものである。第1端末は、ネットワークに接続されていないとする。この場合、新たに接続された第3端末の現在在圏局番号と、第2端末の現在在圏局番号と照合される。現在在圏局番号が不一致の場合、第3端末に対する通信が制限される。第1端末がネットワークに接続されていないため、第2端末の優先順位が最も高くなり、通信制限無しのサービスを受ける。
【表3】
【0056】
図3は、
図2に示されるフローチャートの処理をシーケンス図により表わしたものである。移動通信端末31、基地局11、MME42、S/P−GW44、PCRF43、HSS41の要素間での処理を示している。
【0057】
移動通信端末31の電源が入ると、
図10に示される処理と同様に、S301において、RAプリアンブルが基地局11に送信され、S302において、RA応答が返送されて、無線制御リンクが設定される。その後、S303において、移動通信端末31は、アタッチ要求を基地局11に送信し、基地局11はMME42に転送する。S304において、MME42は、HSS41に位置登録要求を送信する。S401において、HSS41は、アタッチ要求をした端末31が、複数端末所有サービスに加入しているかを確認し、加入している場合には、S402において、端末31が含まれる複数端末所有サービスのリスト内の端末のID情報や優先順位情報を状態チェックとしてMME42に返送する。S403において、MME42は、それら複数端末が現在使用状態にあるか、そして使用状態にある場合には現在在圏局番号を確認する。端末31の現在在圏局番号と使用状態にあるその他の端末の現在在圏局番号が照合され、照合結果に基づいて、契約者が契約しているプランに従い、各端末に対する通信制限が設定される。S404において、MME42は、それらの結果を状態チェックAckとしてHSS41に送信する。S405以下の処理は、使用する通信方式の通信規格と同様の手順となる。
【0058】
図4に、ホーム加入者サーバ41及び移動管理エンティティ42に登録される情報の一例について示す。
図4(a)はHSS41に登録される情報であり、(b)はMME42に登録される情報である。(a)に示されるように、HSS41には、複数端末所有サービスの契約情報が登録される。契約者識別番号は、複数移動通信端末を所有し、複数端末所有サービスを受ける契約者を特定する番号である。ホワイトリストについては、後述する。
図4の例では、3台の端末が複数端末所有サービスのリストに含まれているとする。リスト内の端末の識別番号や電話番号が記録され、各端末に対して優先番号が付けられる。この優先順位は、契約後に、通信事業者から、あるいはユーザから変更可能である。更に、契約者が移動通信端末を購入する際に登録する住所に該当する在圏局番号を、登録在圏局番号として記録しても良い。一般的には、自宅の住所が登録されるため、同一の契約者が所有する複数の移動通信端末の登録在圏局番号は同じものとなる。また、(b)に示されるように、MME42には、各移動通信端末の現在の状態が記録され、常に更新される。各端末の識別番号、現在ネットワークと接続状態にあるか(ON又はOFF)、接続状態にある場合の現在在圏局番号などが記録される。MME42においては、移動通信端末毎に情報が管理されているため、複数端末所有サービスに対する正規/不正使用に関する判定を行う際には、HSS41から複数端末所有サービスに関する情報を取得して、リスト内にある端末の現在情報を抽出して、照合することになる。
【0059】
次に、複数端末所有サービスリスト内の移動通信端末の何れかが接続する基地局を変更した場合の処理について示す。接続基地局の変更は、主に、移動通信端末の移動によるハンドオーバを原因とする。あるいは、電波伝搬環境の変化により、特にセル境界付近において、接続先基地局が切り替わることもある。また、移動通信端末が電源をオフとした場合、又は基地局からの電波が届かない圏外位置に出た場合、基地局との接続が出来なくなるため、接続基地局が変更されたと見なされる。
【0060】
図5は、接続基地局の変更が生じた時の本発明による処理のフローチャートを示す。S201において、移動通信端末31の基地局間の移動、即ち、ハンドオーバが検出される。ハンドオーバ時に新たな接続基地局に対する位置登録更新要求が出されて、MME42における現在在圏局番号が変更されることで、ハンドオーバが検出される。S202において、同一契約者の複数端末所有サービスのリスト内のその他の端末の使用状況が照合される。S203において、その他の端末が使用されていない場合、当該ハンドオーバを行った端末31のみがネットワークに接続されている状態である。この端末31が、第1端末であるか、第2端末であるかに関わらず、現在、通信制限は受けておらず、ハンドオーバ後も通信制限なしのサービスが維持される。S204において、利用状態データベースを更新し、S205において、通信制限なしサービスを受ける。
【0061】
S203において、その他の端末が使用されている場合、S206において、ハンドオーバした端末31とその他の使用状態にある端末の間で現在在圏局番号が照合される。S207において、在圏局番号が一致する場合、これらの端末が共に移動して、同時に基地局を変更したか、端末31が移動した結果、その他の使用状態にある端末と同じセル内に入ったと見なされる。この場合、これらの端末を同一ユーザが使用していると見なして、これらの端末の通信制限はなしとする。一方、S207において、現在在圏局番号が一致しない場合、端末31が、使用状態にあるその他端末と異なる場所で移動しているか、同じセル内から少なくとも端末31が移動して、異なる基地局にハンドオーバしたと見なされる。この場合、第1端末に対しては、通信制限なしサービスが与えられ、第2端末は、契約したプランにおいて通信制限を受ける。
【0062】
移動通信端末の電源がオフとなった場合、又は無線圏外領域に入った場合には、接続先基地局情報(在圏局番号)が不明状態となる。MME42では、周期的に移動通信端末の接続先基地局を検査して更新する。接続先基地局情報が不明となった場合、端末とネットワークとの接続が切れて、端末が使用されていない状態になったと判断される。この場合も、位置登録情報が変更されるため、ハンドオーバ時と同様に、複数移動通信端末間の現在在圏局番号が照合される。例えば、第1端末と第2端末が異なる基地局下で使用されて、第2端末が通信制限されたサービスを受けているとする。第1端末の電源がオフとなった場合、第1端末の現在在圏局番号欄がクリアされ、ネットワークに接続する端末は第2端末だけと見なされるため、第2端末は、通信制限なし状態に移行する。
【0063】
図6は、
図5に示す本発明の処理をシーケンス図により示したものである。ハンドオーバ等により、MME42の情報が更新されると、S406において、MME間ハンドオーバが生じる。S304において、MME42は、HSS41に位置更新要求を送信することで、S402において、HSS41より、複数端末所有サービスに関する情報を取得する。S403において、その他の端末の使用状況や在圏局番号が照合されて、照合結果に基づいて、各端末に対する通信制限が設定される。
【0064】
また、MME42において、周期的に接続先基地局の検査が行われ、一定時間、接続先基地局が不明となった場合、S407において、タイムアウトとなる。S403において、タイムアウトとなった端末以外の端末の使用状況や在圏局番号が照合されて、照合結果に基づいて、各端末に対する通信制限が設定される。
【0065】
その他の実施例を
図7を用いて説明する。参照番号11、12、13は基地局、21、22、23は各基地局に対応するセル、31、32、33は移動通信端末を示す。移動通信端末31〜33は、同一契約者により契約され、複数端末所有サービスとして登録されているものとする。ここで、基地局11は、移動通信端末31〜33の契約者が、契約時において指定した住所を含むセル21を管轄する基地局であるとする。契約した複数移動通信端末の中の少なくとも1つの移動通信端末が、指定した住所を含むセル内にある場合、サービスの利用制限の軽減を図るものとする。
【0066】
例えば、契約者が自宅住所を指定したとする。指定された住所を管轄する基地局がわかるものとし、この基地局の在圏局番号がホワイトリストに登録される(
図4参照)。ここで、ホワイトリストは、ブラックリストの反対の意味であり、制限を受けないもののリストの意味である。ホワイトリストに登録できる基地局の数については、通信事業者が設定するか、又はユーザが選択することができるとする。例えば、自宅とオフィスの住所をホワイトリストに登録することもできる。
【0067】
このホワイトリストを使用したサービスプラン(ホワイトリストプラン)の例を以下に示す。ただし、これらは例であり、通信制限を受ける端末の選定基準や通信制限の方法、内容、程度などにより、様々なサービスプランを想定することができる。
4.複数の移動通信端末の少なくとも1つがホワイトリスト内の基地局と接続されている場合、全移動通信端末に対して通信制限を行わない。
5.複数の移動通信端末の少なくとも1つがホワイトリスト内の基地局と接続されている場合、優先順位の低い端末に対して、通信制限を与える。
6.ホワイトリスト内の基地局と接続されている端末に対しては、複数の移動通信端末が互いに異なる位置にあっても、通信制限を行わない。
【0068】
少なくとも1つの移動通信端末が、ホワイトリスト内の基地局と接続されている場合、この端末は指定された場所で使用されており、契約者本人がこの端末を使用している可能性が高い。このため、複数端末が異なる場所で使用されている状況でも、利用制限の緩和を図るものである。
【0069】
複数の端末が、互いに同じ基地局と接続されている場合は、それらの端末は通信制限を受けないが、互いに異なる基地局と接続されている場合、いずれかの端末がホワイトリスト内の基地局と接続されているか否かにより、それぞれのプランによる通信制限が行われる。
【0070】
上記プラン4においては、ホワイトリスト内の基地局11と接続する端末31の優先順位に関係なく、複数端末所有サービスリスト内の端末の少なくとも1つが基地局11と接続している場合、全ての移動通信端末31〜33に対して、通信制限を行わないものとする。
【0071】
プラン5において、ホワイトリスト内の基地局11と接続する端末31が第1端末であるとする。この場合、いずれかの基地局と接続されている複数の端末の中で一番優先順位の高い第1端末は通信制限を受けず、その他基地局12、13と接続する端末32、33は、通信制限を受ける。通信制限の内容は、ホワイトリストプランにより規定される。一方、ホワイトリスト内の基地局11と接続する端末31が第2端末であり、この第2端末よりも優先順位の高い第1端末32がその他基地局と接続されている場合、第1端末32は通信制限を受けず、第2端末31は、ホワイトリストプランによる通信制限を受ける。第3端末33は、その他基地局12と接続する時、即ち、第1端末と同一位置にある時は通信制限を受けない。しかし、その他基地局13と接続して、第1端末と異なる位置にある時は通信制限が課せられる。第3端末に対する通信制限は、ホワイトリストプランでの規定により、第2端末に対する通信制限と同一とすることも、また異なるものとすることもできる。
【0072】
プラン6においては、ホワイトリスト内の基地局11と接続する端末31は、その優先順位に関係なく、通信制限を受けないものとする。基地局11と接続する端末31が第1端末である場合、第1端末31は通信制限を受けず、その他基地局12、13と接続する端末32、33は、通信制限を受ける。一方、基地局11と接続する端末31が第2端末である場合、第2端末31は通信制限を受けない。
【0073】
図8は、ホワイトリストを用いた際の処理のフローチャートを示す図である。このフローチャートは、上記のプラン5に相当するものである。ステップ101〜103は、
図2のステップ101〜103と同じである。また、ステップ104〜107も同様である。S106において、2つの移動通信端末の現在在圏局番号が照合されて、一致しない場合、2つの端末は異なる場所にあると判断される。S110において、この2つの端末の現在在圏局番号がホワイトリスト内にあるかの照合が行われる。S111において、2つの端末のどちらの現在在圏局番号もホワイトリスト内にない場合、ホワイトリストプランが適用されないため、優先順位の低い端末に対して通信制限が課せられる。S111において、2つの端末の現在在圏局番号の少なくとも一方がホワイトリスト内にある場合、ホワイトリストプランが適用されて、優先順位の低い端末に対して、ホワイトリストプランで規定された通信制限が設定される。
【0074】
ホワイトリストプランを用いることで、例えば、ユーザは、より安い通信料金で、自宅にある端末に対して、もう1台の端末を使って外出先からデータを送るなどすることが可能となり、複数の移動通信端末を使用する利便性が向上する。
【0075】
更に、別の実施例を説明する。この実施例においては、移動通信端末に優先順位を設定しないものとする。移動通信端末の種類や使用頻度などに関係なく、ネットワークに接続された2台目の端末が、1台目の端末と異なる場所にある場合、2台目の端末に対して通信制限を行う。
【0076】
複数端末所有サービスのリスト内にある移動通信端末の中の1台のみがネットワークに接続されているとする。これを1台目端末とする。更に、リスト内にあるその他の移動通信端末(2台目端末)がネットワークに接続されると、互いの位置(在圏局番号)が照合される。2つの移動通信端末の位置が同一であると判定されれば、2つの移動通信端末は通信制限無しでサービスを受ける。一方、2つの移動通信端末の位置が異なると判定されれば、2台目端末に対して、通信制限が行われる。
【0077】
この実施例においては、通信制限を決定する際、複数端末の位置と接続順序のみが考慮されるため、判定が簡易となる。例えば、優先順位に応じた通信制限の切替えが必要なくなる。
【0078】
更に、その他の実施例を説明する。この実施例においては、第1端末と異なる位置にある第2端末は、常に通信制限を受けるものとする。ネットワークに接続されている移動通信端末が第2端末のみであるとしても、第2端末は通信制限を受ける。
【0079】
ネットワークに1台目に接続された移動通信端末が、複数端末所有サービスのリスト内にある移動通信端末の中の第2端末とする。ここで、第2端末は、リスト内で2番目の優先順位を設定された端末である。
【0080】
このような状況において、第1端末は、ネットワークに接続されていない状態であり、電源がオフとなっているか、通信圏外にあることになる。例え、ユーザが第1端末と第2端末を一緒に所持していたとしても、ネットワーク側からは、第1端末の位置を確認することができない。このような場合、第2端末は、第1端末と同じ位置にあると見なされず、第2端末に通信制限を掛けるものとする。
【0081】
その後、第1端末の電源がオンとなった時点で、第1端末と第2端末の位置照合が行われ、2つが同一位置にあると判定された場合、第2端末に掛けられていた通信制限は解除される。
【0082】
次に、複数移動通信端末が異なる場所で使用される際、優先順位が低い端末に課する通信制限について説明する。通信制限として、通信相手制限、通信内容制限、通信速度制限が考えられる。以下、2つの移動通信端末が別の場所で使用されて、第2端末に対して通信制限を行うものとする。ただし、以下で示す通信制限は一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、新たな機能やアプリケーションを持つ移動通信端末が販売された場合、その新たな機能やアプリケーションに対して制限を加えることもできる。
【0083】
通信制限の1つ目として通信相手制限がある。通信相手制限は、通信セッション属性に基づいて判断することができる。通信セッション属性としては、送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコルIDなどである。通信相手制限として、例えば、第2端末では、第1端末からの着信やデータ受信は可能であるが、第2端末から第1端末への発信やデータ送信は出来ないものとする。更に、第2端末では、その他通信端末との通信は出来ないものとする。その他通信端末としては、同一の契約者が有している移動通信端末であるが、複数端末所有プランのリストに入っていない移動通信端末、その他のユーザが所有する通信端末などである。ここで、通信端末は、有線で接続された通信端末も含まれる。
【0084】
通信制限の2つ目として通信内容制限がある。通信内容又はサービス内容により、制限を設けるものである。通信内容制限として、例えば、第2端末において、音声電話の可否を制限する。ここでは、発信のみを制限する場合や発信と着信の両方を制限する場合が考えられる。更に、データ通信やインターネット接続を制限することも出来る。また、大容量通信に対してのみ制限を設けることも出来る。例えば、移動通信端末と基地局の間でやり取りされる制御シグナリングを抑制することで、ストリーミング再生などの特定のアプリケーションにおける通信を抑制することができる。
【0085】
通信制限の3つ目として通信速度制限がある。第2端末の受信又は送信データ速度に対し制限を設けるものである。通信速度制限として、例えば、通信速度における最大速度に対して制限を設ける。あるいは、平均速度に対して制限を設けることができる。また、制御対象端末の通信セッションの優先順位を変更することで、ネットワーク輻輳が発生した際、他の正規のユーザの通信に対する影響を抑えられる。
【0086】
通信事業者は、これらの通信制限の幾つかを組み合わせてプランを設定し、ユーザに提供する。例えば、通信相手制限と通信速度制限を組合せて、契約者と異なるユーザとの間の通信は完全に遮断するが、同一契約者の第1端末との間の通信は、最大伝送速度に制限を設けて許容するなどである。
【0087】
また、ネットワーク側の判断により、これらの制限を動的に変更することもできる。例えば、時間帯によっては、ネットワークに接続するユーザが少なく、回線容量に十分な余裕があることがある。この場合、通信速度に対する制限を緩和することもできる。また、緊急事態時などにおいては、例えば、音声電話に対して、通信相手制限を解除することもできる。
【0088】
更に、通信制限を受ける端末に対して、ネットワーク側から制限内容を通知することもできる。例えば、第1端末がネットワークに接続されていない状態で、第2端末が通信制限なしで使用されているとする。第2端末のユーザとは異なるユーザが、別の場所で、第1端末の使用を開始した場合、第2端末は通信制限状態に移行する。このとき、ネットワーク側から第2端末に対して、例えば、ショートメッセージの形式で、これからの無線通信に対しては制限がかかることを通知する。このような通知を行うことで、第2端末を使用するユーザは、通信制限の原因を、ネットワークの故障や急激な混雑、又は端末の故障に結び付けることはない。また、第1端末に対して、同様の通知を行うこともできる。第2端末が通信制限を受けることを通知された第1端末のユーザは、第1端末から操作して、第1端末と第2端末の優先順位を変更して、第2端末に対する通信制限を解除すると共に、自身の端末に通信制限を設定することができる。
【0089】
更なる実施例として、複数移動通信端末を持つユーザがセル境界付近にいる場合を想定する。セル境界付近では、セル境界を構成する2(又は3以上)の基地局からの電波受信強度が同程度となり、周囲の環境変化や端末の向き等により、端末の接続先基地局が切り替わることがある。このため、複数移動通信端末をセル境界付近で使用している場合、端末毎に接続先基地局が異なる可能性が生じる。この場合、端末間の現在在圏局番号が異なってしまい、これら端末が異なる場所で使用されていると判断されてしまう。このような事態を回避するため、MME42は隣接関連テーブル(NRT: Neighbor Relation Table)を参照することができる。NRTには隣接する基地局に関する情報が記録されており、在圏局番号が異なる基地局が隣接する基地局であるかを判定することができる。このため、現在在圏局番号が異なる場合においても、NRTを用いることにより、隣接する基地局であると判断されれば、これらの端末が同じ場所で使用されていると見なして、通信制限を行わないものとすることができる。