特許第5697642号(P5697642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697642
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   G06F1/00 312Z
   G06F1/00 312E
   G06F1/00 312U
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-235475(P2012-235475)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-85906(P2014-85906A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】折出 翔
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 義彦
【審査官】 野村 和史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−216276(JP,A)
【文献】 特開2011−138403(JP,A)
【文献】 特開2003−037538(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0169548(US,A1)
【文献】 特開2011−141591(JP,A)
【文献】 特開2011−13766(JP,A)
【文献】 特開2006−235908(JP,A)
【文献】 特開2002−141724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 3/02
H05K 5/02
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスマウスと、
前記ワイヤレスマウスの制御信号を送受信するRFモジュールと、
前記RFモジュールを内蔵する筐体と、
前記筐体の上面に配置されるキーボードであって、その下部に板金が配置される前記キーボードと、を備え、
前記RFモジュールは、前記板金の下部に配置され、
前記板金は、前記RFモジュールが下部に配置される箇所に肉抜きがされている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記RFモジュールは、アンテナを備え、前記板金は、少なくとも前記アンテナを覆う箇所が肉抜きされていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記RFモジュールと情報処理装置のシステムとのインターフェイスが汎用シリアルバスインターフェイスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、ノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートパソコンと称する)などの情報処理装置の筐体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコンは、多機能化や高速処理化が進むとともに、使いやすさの向上が図られている。使いやすさを向上させる工夫としては、例えば、ノートパソコンに接続する周辺機器の、物理的な接続インターフェイスを簡便なものに置き換えるというものがある。
【0003】
従来、パソコンにキーボードやマウスを接続するインターフェイスとしては、PS/2がデファクトスタンダードであった。これをUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスに置き換えると、開いているUSBポートならどこにでもマウス等を接続させて使えるようにすることができる。長いコードが不要になるなどの使いやすさの向上が見込める。
【0004】
また、通信経路を無線化することでも使いやすさが向上する。いわゆるワイヤレスマウスを使い、ノートパソコンとマウスの間の通信を無線化すると、コードそのものが不要になり、使いやすさが向上する。
【0005】
特許文献1には、上述のようなノートパソコンにおける使いやすさの向上を課題とした発明が開示されており、操作感の向上と堅牢性に優れた情報処理装置が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−080800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
使いやすさを考慮して、ノートパソコンのポインティングデバイスとしてワイヤレスマウスを用いることにする。また、システムとマウスのインターフェイスとしては、ドライバの安定性や価格の安さを考慮して、USBを使う。そうするとマウスから受信される電波の受信手段は、USBインターフェイスを持つRF(Radio Frequency)モジュールとなる。
【0008】
従来、そのようなRFモジュールは、USBポートを一つ消費するドングルのような形態で提供されることが一般的であった。しかしながら、それではユーザが利用できるUSBポートが一つ減ってしまうことになる。RFモジュールを内蔵させたい。そこで、RFモジュールを内蔵させた場合の配置構造が問題となる。
【0009】
ノイズ等の影響を避けるため配線を短くすることが好ましく、配置箇所は、CPU(中央演算装置)等を有するマザーボード(若しくはメインボード)と呼ばれるノートパソコンの中心的な部品の上やその近傍がよい。ところが、そのあたりは、通常キーボードが上に配置され、ユーザがキーを押圧する力が内部に作用することを防ぐために剛性をいくぶん高める必要があることから、金属製の板金で覆われていることがある。
【0010】
その場合、無線受信手段は、板金が電波を吸収し、ノイズによりワイヤレスマウスの性能が落ちる。電波吸収は素材がアルミニウムのときに特に顕著である。本願はこのような課題を解決するためのものである。なお、この課題に関して、USBインターフェイスを持つRFモジュールを中心に考察してきたが、この課題がUSBインターフェイスを持つRFモジュールに限定、特殊化されるものでないことは言うまでもない。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、ワイヤレスマウスの受信手段を内蔵させた情報処理装置において電波吸収による性能劣化を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明に係る情報処理装置は、ワイヤレスマウスと、前記ワイヤレスマウスの制御信号を受信するRFモジュールと、前記RFモジュールを内蔵する筐体と、前記筐体の上面に配置されるキーボードであって、その下部に板金が配置される前記キーボードと、を備え、前記RFモジュールは、前記板金の下部に配置され、前記板金は、前記RFモジュールが下部に配置される箇所に肉抜きがされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワイヤレスマウスの受信手段を内蔵させた情報処理装置において電波吸収による性能劣化を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の外観例を示す図である。
図2図1の第1の筐体101が有する基板等の積層関係を示す図である。
図3図2の板金1032を底面側から見た構成を示す図である。
図4図2のマザーボード1013にRFモジュール105が取り付けられた中空部10322近傍の状態を示す図である。
図5図4のRFモジュール105のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に、本実施形態の外観例を示す。図1に示す情報処理装置100は、いわゆるノートパソコンとして構成されている。情報処理装置100は、キーボード103を備えた第1の筐体101と、液晶モニタを備えた第2の筐体102とから構成されている。第1の筐体101と第2の筐体102とは、ヒンジ機構によって回動自在に結合している。
【0016】
図2に、第1の筐体101が有する基板等の積層関係を示す。第1の筐体101は、上面筐体1011と底面筐体1012からなる。ただし、その他の部材を含んでもよく、上面筐体1011と底面筐体1012が一体に構成されてもよい。第1の筐体101は、上面筐体1011と底面筐体1012の間に、上から順に、キートップ1031、板金1032、マザーボード1013が挟み込まれる。
【0017】
キーボード103は、いわゆるアイソレーション型であり、キーとキーとの間が離れている。上面筐体1011は、千鳥格子状の中空部10111を有し、キートップ1031の上面に配置されている各キーが中空部10111を通して外に露出する。キートップ1031は、文字が印字されておりユーザが指で押下する複数のキーからなる。
【0018】
第1の筐体101は、昨今のノートパソコンに対する市場の要求から非常に薄く作られることを目標としており、剛性の確保が一つの課題である。板金1032は、キーボード103の一部をなし、上に配置されるキートップ1031の各キーをユーザが押圧する力が、内部のマザーボード1013などに作用することを防ぐことを一つの目的として配置される金属製の部材である。素材を限定するものではないが、軽量化の観点から、例えばアルミニウムないしアルミニウム合金で構成する。
【0019】
マザーボード1013は、CPU(中央演算装置)等を有する情報処理装置100の中心的な部品である。なお、図2には、HDDやSSDや電源やバッテリといった部材の記載は省略してある。
【0020】
図3に、板金1032を底面側から見た構成を示す。図示のように、板金1032は、可撓性のある薄片状のケーブル10321が取り付けられ、左前あたりに中空部10322を有する。中空部10322は、板金1032に、いわゆる肉抜きをして形成され、英語101キーボードにおける左シフトキーの下部に形成される。
【0021】
図4に、マザーボード1013にRFモジュール105が取り付けられた中空部10322近傍の状態を示す。図4に示すように、底面側からは、中空部10322を介してキートップ1031が見える。図4中では手前側である、板金1032の下部に、マザーボード1013が配置される。マザーボード1013にRFモジュール105が取り付けられるが、板金1032がRFモジュール105を覆う箇所にちょうど中空部10322が来るように取り付けられる。中空部10322は少なくとも、板金1032がRFモジュール105のアンテナ1052(後述)を覆う箇所に来ることが好ましい。
【0022】
図5に、RFモジュール105のブロック図を示す。RFモジュール105は、ワイヤレスマウス104の制御信号のレシーバである。RFモジュール105は、RFチップ1051とアンテナ1052を有する。RFチップ1051は、USBマイクロチップユニットを兼ねており、マザーボード1013とUSBインターフェイスにより接続する。接続インターフェイスがUSBであることで比較的安価に部品が調達できる。
【0023】
アンテナ1052の部分が、板金1032を肉抜きして形成される中空部10322の下部に配置される。ワイヤレスマウス104の制御信号は、アンテナ1052が感受してRFチップ1051に伝える。そのとき、中空部10322があることで、アンテナ1052が感受する制御信号の電波が板金1032によって吸収されにくくなる。したがって、本実施形態によれば、ワイヤレスマウスの受信手段を内蔵させた情報処理装置において電波吸収による性能劣化を防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0024】
100 情報処理装置
101 第1の筐体
1011 上面筐体
10111 中空部
1012 底面筐体
1013 マザーボード
102 第2の筐体
103 キーボード
1031 キートップ
1032 板金
10321 ケーブル
10322 中空部
104 ワイヤレスマウス
105 RFモジュール
1051 RFチップ
1052 アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5