(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャビネット(1)内の格子(13)上に配置された食品を熱源(34)によって加熱処理するためのオーブンであって、前記熱源および前記格子はオーブンに備わっており、前記格子が、複数のチェーン支持部(4、5、6;42、43、44)を巡って延びるエンドレスチェーン火格子(2)のチェーン上部(13)で構成され、前記複数のチェーン支持部のうちの下側および上側の支持部(4、5)が、前記チェーン上部の下端および上端を画定しているもので、前記チェーン上部(13)を、食品の一部を加熱処理する際には前記上側のチェーン支持部(5)の方向へと移動させ、仕上がった加熱処理済みの食品を排出する際には前記下側のチェーン支持部(4)の方向へと移動させるように構成された駆動手段(23、20、21、17)を備えることを特徴とする、オーブン。
前記チェーン支持部(4、5、6;42、43、44)のうちの少なくとも1つが、回転可能なローラ(42、43、44)であることを特徴とする、請求項1に記載のオーブン。
前記チェーン上部(13)の一部が、前記少なくとも1の回転可能な円板(60)の外周の或る長さの円弧に従う曲線に沿って延びていることを特徴とする、請求項3に記載のオーブン。
前記チェーン支持部(4、5、6;42、43、44)およびチェーン(2)を回転可能に取り付けるためのフレーム(3)を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオーブン。
前記キャビネット(1)が、アクセス開口(30)と、少なくとも前記食品の加熱処理の間は前記アクセス開口を覆うカバー(31)とを備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオーブン。
前記熱源(34)が、前記カバー(31)上に取り付けられて、前記カバーが閉じられた状態にあるときに前記チェーン上部(13)に面していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオーブン。
前記キャビネット(1)を通過する空気の流れを少なくとも加熱処理の動作の間は生成する排気装置(36)を備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオーブン。
【0001】
本発明は、キャビネット内の格子上に配置された食品を熱源によって加熱処理するためのオーブンに関する。この格子は、複数のチェーン支持部を巡って延びるエンドレスチェーン火格子の上部で構成され、これら複数のチェーン支持部のうちの下側および上側の支持部が、前記チェーン上部の下端および上端を画定している。
オーストラリア特許文献AU8835982は、粉末から作った食品を調理する調理器具を開示している。この器具では、コンベヤに載せて加熱セクションへと運ばれることにより、パンの塊が調理される。
【背景技術】
【0002】
例えば、フレンチフライポテトなどの食品の形態の食べ物を加熱処理するためのオーブンが、容易かつ迅速に提供される食べ物を得ることが要望される場所において、幅広く使用されている。
【0003】
国際公開第95/13734号パンフレットが、この種のオーブンを開示している。このオーブンは、回転可能なドラムの形態の格子を備える加熱処理チャンバを含んでおり、この回転ドラムにおいて、ドラムを同時に回転させつつ、食品が石英ランプからの熱放射に曝される。
【0004】
この構成の欠点は、チャンバ内の温度がかなり高くなることで、食品から放出されて気化した物質が分解されがちであり、その結果、悪臭を放つ健康に良くない化合物が形成される点にある。
【0005】
他の欠点は、そのような化合物が高温ランプの表面に付着しがちであり、ランプが多少なりとも役に立たなくなり、ランプの表面温度が、材料が耐えることができる温度よりも高くなるという不都合な結果につながることにある。
【0006】
また、この既知のオーブンは、製造にコストがかかる。さらには、複雑な構造であるがゆえに、稼働時に故障しがちである。
【0007】
食品をオーブンに投入するために、以下の工程が必要である。
【0008】
加熱処理チャンバへの第1の入口を開き、次いでドラムへの第2の入口を開き、加熱処理すべき食品をドラムに投入し、その後に、投入した食品を加熱処理できるように、第2の入口開口および第1の入口開口を再び閉じる必要がある。
【0009】
仕上がった加熱処理済みの食品の取り出しは、以下のやり方で行われる。
【0010】
ドラムを所定の取り出し位置まで回転させ、スライド式ゲートをドラムの軸を中心にして回転させることによって取り出し開口を開き、取り出し開口を通って加熱処理済みの食品を取り出し、前記開口を再び閉じる。
【0011】
さらに、この既知のオーブンにおける食品の加熱処理は、格子が比較的小さな有効格子領域しか持たないドラムであるということゆえに、比較的ゆっくりとしたプロセスである。
【0012】
さらには、取り出し開口の大きさが限られており、かつドラムが円形の形状であるということが、食品の調理が終わるたびに、取り出し作業に時間がかかり、多くの場合にドラムが完全には空にされないことを意味する。
【0013】
さらに、食品が、重力のみによって影響されて、取り出し開口を通って落下している。
【0014】
この既知のオーブンの利用が、きわめて面倒かつ時間を無駄にするものにならざるをえないことは、言うまでもない。したがって、このオーブンは、いくつかの食品を高速で連続して加熱処理することにも適していない。
【0015】
したがって、食品を加熱処理するための前記既知のオーブンは、比較的容量が小さく、大きな空間を必要とする。
【発明の概要】
【0016】
従来技術のオーブンの上述の欠点は、本発明によれば、
本発明の第1の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、食品を迅速かつ容易に加熱処理することができるオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第2の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、必要とする空間が小さくて、大きな容量を有するオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第3の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、複数の食品を高速で連続して加熱処理することができるオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第4の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、単純かつ経済的なやり方で稼働させることができるオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第5の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、単純かつ安価な構造を有するオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第6の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、稼働時に故障しがちではないオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第7の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、稼働時の温度が加熱処理の際に食品から放出されて気化した物質が分解されないことを確保するために充分に低いオーブンを提供することによって改善され、
本発明の第8の態様において、冒頭の段落で述べた形式のオーブンであって、熱源の寿命が長いオーブンを提供することによって改善される。
【0017】
本発明の新規かつ独特の特徴は、オーブンが、チェーン上部を、食品の一部を加熱処理する際には上側のチェーン支持部の方向へと移動させ、仕上がった加熱処理済みの食品を排出する際には下側のチェーン支持部の方向へと移動させるように構成された駆動手段を備えるという事実にある。
【0018】
このオーブンは、本発明によれば、比較的大きなチェーン火格子領域を有し、さらには仕上がった食品を強制的に排出することができる大きな排出開口を有している。
【0019】
これにより、有利なことには、複数の食品を迅速かつ容易に、単純かつ経済的に、高速で連続して加熱処理することができる改善されたオーブンが得られる。
【0020】
さらに、このオーブンは、単純かつ安価な構造を有し、稼働時に故障しずらく、寿命も長い。
【0021】
稼働時のオーブン内の温度が比較的低く、したがって加熱処理の際に食品から放出されて気化した物質が、分解されることがない。
【0022】
本発明による好ましい実施形態においては、チェーンの上部が、凹側を上方へと向けている曲線を形成することができる。
【0023】
この曲線は、本発明によれば、この曲線への接線が水平面と形成する傾斜角が、下側のチェーン支持部から上側のチェーン支持部への方向へと向かうにつれて小さい値から大きい値へと変化し、好ましくは約ゼロの値から約90度の値へと変化するようなやり方で調整される。
【0024】
これは、チェーンの上部が上側のチェーン支持部の方向へ移動すると、傾斜角がもはや食品がチェーン上にとどまり続けることができないほどに大きくなるまで、食品をより低い高さからより高い高さまで持っていくことを意味する。
【0025】
次いで、食品は、チェーン上でより高い高さからより低い高さへと転がり落ち、その後に再び上方へと移動され始め、このプロセスが、食品が所望のとおりに加熱処理されるまで繰り返される。
【0026】
食品は、このようなチェーン上での食品の特定の運動ゆえに何度もひっくり返され、したがって各々の食品のすべての面の一様な加熱処理が、効果的に確保される。
【0027】
食品を持っていくチェーンの能力を改善するために、チェーン上部に、本発明によれば、上方へと移動する食品を支えるためのキャリアを備えることができる。これにより、チェーン上部のより大きな領域が加熱処理のプロセスに利用され、結果としてプロセスに使用される時間が短縮されると同時に、オーブンの容量が大きくなる。
【0028】
さらに、チェーン火格子の領域が比較的大きいことが、食品の一部の加熱処理に使用される時間がきわめて短く、したがってオーブンの容量がきわめて大きくなると同時に、オーブンが小さな空間しか必要としないという利点を意味する。
【0029】
本発明によれば、オーブンで食品の比較的大きい部分を調理できるように、オーブンの容量を容易に大きくすることができる。
【0030】
したがって、オーブンが、個人のための食品の調理のためだけでなく、例えばより多くの顧客へと給仕されるようにより加熱処理される食品のより大きい部分を調理するためのレストランの調理場における有利な装置としても適する。
【0031】
本発明の一実施形態においては、このチェーン上部の上方に、好ましくはチェーン上部の各側において配置される案内レールによって、チェーンの上部を上述の曲線に従うように強いることができる。
【0032】
さらには、本発明によれば、チェーンの材料に対する摩擦係数が小さい材料で案内レールを製作することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態においては、少なくとも1の回転可能な円板を、チェーン火格子の各側においてチェーン上部の上側にもたれ掛かるように、下側のローラと上側のローラとの間に配置することで、チェーン上部の一部分を、少なくとも1の回転可能な円板の外周の或る長さの円弧に従う曲線に沿って延びるように強制することができる。
【0034】
本発明によれば、食品の加熱処理を、例えばチェーン上部の上方において好ましくはチェーン上部に位置する食品を一様に照射するような位置に配置された複数の石英ランプによって行うことができる。
【0035】
食品の熱処理は、通常は、食品の酸化および放出された気体の除去のために、プロセスへの空気の進入を必要とする。
【0036】
したがって、オーブンは、空気のための少なくとも1つの入口と、空気および放出された気体のための少なくとも1つの出口とを有している。
【0037】
オーブン内の空気および気体は、オーブンにおける加熱処理のプロセスによって加熱されるため、上方へと流れる傾向にあり、すなわち入口から出口へと流れる傾向にある。
【0038】
いくつかの事例においては、そのような流れが食品を適切に加熱処理できるために充分ではない場合に、空気用の少なくとも1つの入口から空気および放出された気体用の少なくとも1つの出口へとオーブンを通過する強制的な空気および気体の流れを生成するための排気装置が利用される。
【0039】
後述では本発明がさらに詳しく説明されて、さらなる有利な特徴および技術的効果が提示され、図面を参照して例示的実施形態が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】開いた状態にある本発明によるオーブンの一実施形態の横断面図である。
【
図2】稼働状態にある本発明によるオーブンの一実施形態の横断面図を示している。
【
図3】稼働状態にある本発明によるオーブンの別の実施形態の横断面図である。
【
図4】
図1の線IV−IVに沿って得たオーブンの断面図である。
【
図5】稼働状態にある本発明によるオーブンの第3の実施形態の横断面図である。
【
図6】
図5の線VI−VIに沿って得たオーブンの断面図である。
【
図7】
図5の線VII−VII−IVに沿って得たオーブンの断面図である。
【
図8】
図7の線VIII−VIIIに沿って得たオーブンのクラッチの拡大断面図であり、クラッチの2つの部位が途中まで噛合している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、加熱処理されるべき食品が、加熱処理の作業の際に適切に加熱処理されるように空気の流れが通る予め油で揚げられたフレンチフライポテトなどのポテト片であると仮定する。
【0042】
オーブンだけが図示されており、食品(本発明の一部ではない)は、図示されていない。
【0043】
加熱処理プロセスが、
図1、
図2、および
図4に示されているオーブンにおいて行われるが、このオーブンは、可動なエンドレスチェーン火格子2がフレーム3(この実施形態においては、2つの垂直な側部材8の間を水平方向に延びる4つの横梁4、5、6、および7で構成されている)に取り付けられているキャビネット1を備えている。
【0044】
3つの横梁4、5、および6は、チェーンのための支持部として機能する下部、上部、および中間部の横梁であるため、チェーンがこれらの梁を容易に滑って通過できるように、湾曲した表面によって形成されている。
【0045】
横梁7は、上側レグ9および下側レグ10を有する「V字」として形成される。
【0046】
チェーンは、
図4に最もよく見られるように、可動の火格子を形成すべく互いに連結された複数の長手方向および横方向のチェーンリンク11および12から組み立てられている。チェーンリンクは、図面において、線によってのみ図示されている。
【0047】
チェーンは、下側の横梁4から上側の横梁5へと延びるチェーン上部13と、上側の横梁5から中間の横梁6へと延び、さらに中間の横梁6から再び下側の横梁4へと延びるチェーン下部14とを有している。
【0048】
案内レール15が、フレーム3の側部材8の各々に取り付けられ、各々の案内レールが、凹側を上方へと向けた曲線に沿って延びている。
【0049】
案内レール15は、チェーン上部13の縁の上方に配置され、チェーン上部13を案内レールと同じ曲線を辿るように押さえている。
【0050】
チェーン上部13は、下側の横梁4の領域においては、おおむね水平に位置する一方で、上側の横梁5の領域においては、おおむね垂直に位置している。
【0051】
ばね(図示せず)によって負荷をかけることができる引張りプーリ16が、チェーンの張力を調節するように機能する。
【0052】
チェーンは、動作の際に、案内レールの下向きの表面に沿って滑り、横梁の表面を滑る。したがって、案内レールおよび横梁は、摩擦抵抗の少ない材料で製作される。
【0053】
チェーンスプロケット17が、チェーンの各側に噛合している。スプロケットは、キャビネットの側面に形成された軸受19に回転可能に支持された軸18に取り付けられている。
【0054】
駆動歯車20が、軸18の端部に取り付けられた被駆動歯車21に噛合している。駆動歯車20は、電気モータ23の出力軸22に取り付けられている。
【0055】
このようにして、モータ23を付勢させることによって3つの横梁4、5、および6を巡ってチェーンを回転させることができる。単にモータの回転の方向を逆にすることによって、チェーンの上部の動きを、上側の横梁5または下側の横梁4へと選択的に向けることができる。
【0056】
キャビネット1は、フレームの各側に位置する二重壁部材24と、フレームの後ろ側に位置する二重壁部材25と、フレームの下方の底壁26と、フレームの上方の上壁27とで構成されている。
【0057】
側部材24の各々が、前部28を備えて形成されており、そのような前部28は、断面について見たときに前部の横梁7の位置においてこの横梁7と同じ形状を有しており、横方向においては横梁7にキャビネットを横切る方向へと揃うように配置されている。
【0058】
側部材24の各々に、フレーム3を支持するためのレール29が取り付けられており、フレーム3を、必要であれば修理または清掃のために取り外すことができるようなやり方でレール上に配置してもよい。
【0059】
キャビネットの上壁27には、キャビネットの内部への快適なアクセスを提供するために水平面に対して角度を形成しているアクセス開口30が形成されている。
【0060】
この角度の大きさは、下側および上側の横梁4および5の中心線を通過する平面が水平面に対して形成する角度とおおむね同じ大きさになるように、選択することができる。
【0061】
二重壁のカバー31が、開口30を閉じるように機能する。
図1においては、キャビネットが開かれており、
図2においては閉じられている。
【0062】
カバーは、1個または複数の蝶番32によってキャビネットに枢動可能に接続され、手動または動力駆動のアクチュエータ(図示せず)、あるいは空気圧または液圧で作動するシリンダ(図示せず)によって枢動させることができる。
【0063】
1個または複数の石英ランプ34を取り付けるためのランプベース33が、カバーが閉じられた状態にあるときに石英ランプ34がチェーン2の上部13の上方の中央に位置するようなやり方で、カバー31の内側に取り付けられている。
【0064】
キャビネットの上部に、加熱処理プロセスの際に閉じられたキャビネットを通過する空気をキャビネットから逃がすことができるよう、後方へと向いた空気出口35が形成されている。空気出口は、周囲の環境へと出てきても、あるいは空気を環境への排出前に清浄化するためのフィルタ(図示せず)へと出てきてもよい。
【0065】
排気装置36が、この場合には、キャビネットを通る強制の気流を生じさせるために、キャビネットの空気出口の手前に配置されている。
【0066】
ポテト片の加熱処理は、以下のやり方で行われる。
【0067】
カバー31を上方へと枢動させることで、キャビネット1へのアクセス開口30が開かれ、その後にポテト片がチェーン火格子2上に置かれ、開口を覆うようにカバーを下方へと枢動させることで、アクセス開口30が閉じられる。
【0068】
次いで、モータ23および排気装置36を動作させ、石英ランプ34をオンにすることで、加熱処理プロセスが開始され、この加熱処理プロセスにおいて、ポテト片が石英ランプからの強力な赤外放射熱に曝される。
【0069】
今や回転しているモータ23が、歯車3および4ならびにチェーンスプロケット17を介して、チェーン上部13を上側の横梁5の方向へと移動させる。
【0070】
チェーン上部の湾曲した形状は、各々のポテト片が加熱処理されている間に何度もひっくり返されるため、ポテト片の一様な加熱処理が最適に実現されるという有利な効果を有している。
【0071】
また、チェーン上部の大きな火格子の領域が、加熱処理プロセスの迅速な実行を確保する。
【0072】
ポテト片は、たとえ予め油で揚げられていても、依然として或る程度の水分および油の成分を含んでおり、それらの一部がポテト片の加熱の際に蒸気の形態で放出される。
【0073】
酸素の欠乏に起因して加熱処理プロセスが多少なりとも妨げられ、または停止させられ、ポテト片が所望のクリスピーな表面を実現することが不可能になるような、空気の飽和を避けるために、稼働時にキャビネット内の空気を連続的に入れ替えることが必要である。
【0074】
空気の入れ替えは、この場合には、動作の間にチェーン2の下方の開口からキャビネットの上部の開口35へとキャビネットを通過する空気の流れを生成する排気装置36によって実行される。
【0075】
トレイ(図示せず)を、例えば加熱されたポテト片から滴下する脂肪または油などの流体を受け止めるために、チェーンの下方に配置することができる。
【0076】
ポテト片が必要とされるとおりに加熱処理されたときにモータの回転方向を逆にすることで、チェーン上部の運動が、上側の横梁5へと向かう運動から下側の横梁4へと向かう運動に変化し、結果として仕上がったポテト片が、好都合であれば、例えば使い捨てのスリーブ37へと迅速に排出され、このスリーブにてファーストフードとして給仕される。
【0077】
次いで、新たな加熱処理ポテト片が注文された場合に、蓋が開かれ、上述の作業が繰り返される。
【0078】
オーブンを、例えば加熱処理ポテト片が給仕される部屋(図示せず)のテーブルに配置することができる。カバーが開いた状態にあるときに臭い蒸気が部屋へと出ることがないように、排気装置を連続的に(すなわち、キャビネットが開いているときにも)動作するように構成することができる。
【0079】
図3は、稼働可能な状態にある本発明によるオーブンの別の実施形態を示している。オーブンのこの実施形態は、大部分は、
図1および
図2に示した実施形態に一致する。したがって、同じ部分については同じ番号が使用されている。
【0080】
この場合、入口40を有するファンネル39が、カバー31を通過している。入口は、この図においてはスライドゲート41によって閉じられているが、カバー31を開く代わりにスライドゲート41を開くことによって、ファンネルを通して食品の一部をオーブンへと投入することができる。
【0081】
この場合には、カバーを、検査および/またはチェーンの清掃のためだけに開放され、あるいは一時的に取り外されるように、キャビネットへと解放可能に取り付けられてもよい。
【0082】
図5〜
図8が、稼働可能な状態にある本発明によるオーブンの第3の実施形態を示している。オーブンのこの実施形態は、大部分は、
図3に示した実施形態に一致し、したがって同じ部分については同じ番号が使用されている。
【0083】
この場合には、下側、上側、および中間のローラ42、43、および44が、本発明のオーブンの第1および第2の実施形態の下側、上側、および中間の横梁4、5、および6を置き換えている。
【0084】
これらのローラの各々が、フレーム3の側部材8に回転可能に取り付けられており、さらに中間のローラ44が、この場合には、エンドレスチェーン火格子2に噛合する4つのチェーンスプロケット17を備えている。
【0085】
電気モータ45が、動作時に、チェーン上部13がポテト片を加熱処理する際には上側のローラ43の方向へと走行し、加熱処理されたポテト片の排出時には下側のローラ42の方向へと走行するようなやり方で、中間のローラを回転させるように機能する。
【0086】
本発明のオーブンの機能は、オーブンの第1および第2の実施形態のすでに上述した機能の機能に一致し、したがってこの機能については、ここではこれ以上は説明しない。
【0087】
本発明のこの第3の実施形態は、チェーン火格子が最小限の摩擦および摩耗でローラを巡って走行するという利点を含む。
【0088】
図5および
図6においては、オーブンがすぐに使用することができるように設置された状態にある。
図7においては、フレームが検査および清掃のためにオーブンから引き出されようとしている。
【0089】
この作業は、中間のローラ44を電気モータ45へと着脱可能に接続するためのクラッチ46の特定の実施形態ゆえに可能である。
【0090】
このクラッチは、中間のローラ44へと取り付けられた第1の部位47と、電気モータ45の出力軸49へと取り付けられた第2の部位とで構成される。
【0091】
クラッチ46の第1の部位47には、溝50が形成されている一方で、第2の部位48は、溝50にはまり込むキー48で構成される。
【0092】
オーブンが据え付けられた状態にあるとき、クラッチの第2の部位48が第1の部位47の溝50に係合しており、したがってモータが中間のローラ44へと動力を伝えることができ、中間のローラ44を介してチェーン火格子2へと動力を伝えることができる。
【0093】
クラッチの接続または切り離しのときに、溝およびキーは、両者が、オーブンへと出し入れされるフレームの移動の方向に整列する
図8に示されている位置に配置される。
【0094】
下側および中間のそれぞれのローラ42、44の各々の端部に、オーブンへと出し入れされるときのフレームを支持するための車輪51が配置される。この作業の際に、車輪が、オーブンのキャビネット1の各側の壁部材24に形成された溝52を走行する。
【0095】
フレームの後ろ側の二重壁部材25に配置された排気ファン53が、この部材の開口54を介して稼働時にキャビネットの空気を入れ替え、この部材の上部の自由開口55から吹き出させるように機能する。
【0096】
排気ファン53は、この場合には凸状の上面57によって形成される二重壁のカバー31に配置された少なくとも1つの他のファン56によって支援される。
【0097】
少なくとも1つの他のファン56は、二重壁のカバーに位置する1つまたは複数の入口開口58を介して新鮮な空気を取り入れ、排気ファン53を支援すべくキャビネットの上壁のアクセス開口30を介してキャビネットへと吹き込むように機能する。
【0098】
この空気の一部は、邪魔板59によってランプ34へと下方に案内され、ランプを効果的に冷却するとともに、分解してランプを破壊しかねない気化した物質の影響をランプが受けないようにする。
【0099】
食品の一部を調理しようとするとき、最初にスライドゲート41が開かれ、その後にファンネル39を介して食品がキャビネットへと案内され、チェーン火格子2のチェーン上部13へと下方に案内される。
【0100】
チェーン上部は、下側および上側のローラ42および43の間に位置し、この場合にはフレーム3の各々の側部材8に回転可能に取り付けられた2枚の円板によって形成された凹状の曲線に沿って延びている。
【0101】
チェーン上部を曲線として形成するために、フレームの各側の1の比較的大きい円板の代わりに、2枚以上のより小さな円板を使用してもよい。
【0102】
円板がチェーン上を滑るだけでなく回転することを効果的に確保するために、円板にチェーン上部と噛合する歯を備えてもよい。
【0103】
キャビネットおよびカバーが二重壁を有する部材で製作されるという事実ゆえ、キャビネットそのものが良好に隔離される。部材の内部に隔離材料を充てんし、あるいは部材の内部を隔離材料で裏打ちすることで、隔離を向上させることができる。
【0104】
本発明のオーブンは、たとえ小さな空間しか必要としなくても、大きな容量を有しており、きわめて高速に機能する。